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  • 特許-充電制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】充電制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/10 20060101AFI20220913BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220913BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H02J7/10 H
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017240670
(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公開番号】P2019110627
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林田 康
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特許第3152512(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/10
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン電池を一定の電流で所定電圧まで充電する定電流制御と、その後前記所定電圧を保持しつつ、前記電流を減少させながら前記リチウムイオン電池を充電する定電圧制御とを実施するリチウムイオン電池充電制御回路を有するリチウムイオン電池保有機器のリチウムイオン電池の充電制御装置であって、
充電用給電部と前記リチウムイオン電池保有機器の間に接続され、
リチウムイオン電池保有機器への電流を測定する電流測定部と
リチウムイオン電池保有機器の充電用端子間の電圧を測定する電圧測定部と、
前記充電用給電部と、前記リチウムイオン電池保有機器との間の電気的接続を断接する断接部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記断接部で接続動作(充電)を開始した後、電流測定部での電流計測により、定電流充電から定電圧充電への切り替わりを検知した場合、前記断接部に遮断動作(充電停止)を指示する操作と、
前記接続動作(充電)の開始から一定時間経過するまでに、前記定電流充電から定電圧充電への切り替わりを検知しなかった場合、前記断接部に遮断動作(充電停止)を指示する操作と、
前記充電停止時から、一定時間毎に前記電圧測定部により充電電圧を計測し、設定電圧以上であった場合は、充電停止を継続し、設定電圧以下を検出した際に、前記断接部に、接続動作(充電)を指示する操作を行うことを特徴とする充電制御装置。
【請求項2】
前記電池保有機器のリチウムイオン電池の前記接続動作(充電)の開始からの充電時間が所定の制限時間に達したら、前記断接部に遮断動作(充電停止)を指示する操作を行うことを特徴とする請求項1記載の充電制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の充電制御装置と充電用給電部からなる充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池を一定の電流で所定電圧まで充電する定電流制御と、その後前記所定電圧を保持しつつ、前記電流を減少させながら前記リチウムイオン2次電池を充電する定電圧制御とを実施するリチウムイオン電池充電制御回路を有するリチウムイオン電池保有機器のリチウムイオン電池の充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレットなどのリチウムイオン電池保有機器はリチウム電池(2次電池)を搭載しており、毎回使用後、充電によって、再使用をしている。
【0003】
図3のように、スマートフォンやタブレットなどのリチウムイオン電池保有機器300の充電部はリチウムイオン電池360とリチウムイオン電池充電制御回路370を有しており、図4で示されるように、リチウムイオン電池充電制御回路370は定電流定電圧(CCCV:Constant Current Constant Voltage)方式の充電制御すなわち、リチウムイオン電池360を一定の電流で所定電圧まで充電する定電流(CC:Constant Current)充電と、その後前記所定電圧を保持しつつ、前記電流を減少させながらリチウムイオン電池360を充電する定電圧(CV:Constant Voltage)充電を行う(特許文献1参照)。
【0004】
スマートフォンやタブレットなどのリチウムイオン電池保有機器を、長時間固定電源に接続を維持した上で使用する用途の時に、定電流定電圧方式による充電では、定電流制御(CC)の後定電圧制御(CV)により、じょじょに電流が下がり所定の電流値に達したら充電を止めるようになっていても、充電と充電停止が繰り返され、充電回数が増え、リチウムイオン電池の容量の低下と短い寿命を招いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3152512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、スマートフォンやタブレットなどのリチウムイオン電池保有機器を長時間固定電源に接続を維持した後で使用する時に、リチウムイオン電池の容量の低下と寿命を先のばしにするように、機器内のリチウムイオン電池の過充電や過放電をさけ、充電回数を減らすことができる充電制御装置を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に係る発明は、リチウムイオン電池を一定の電流で所定電圧まで充電する定電流制御と、その後前記所定電圧を保持しつつ、前記電流を減少させながら前記リチウムイオン電池を充電する定電圧制御とを実施するリチウムイオン電池充電制御回路を有するリチウムイオン電池保有機器のリチウムイオン電池の充電制御装置であって、充電用給電部と前記リチウムイオン電池保有機器の間に接続され、リチウムイオン電池保有機器への電流を測定する電流測定部とリチウムイオン電池保有機器の充電用端子間の電圧を測定する電圧測定部と、前記充電用給電部と、前記リチウムイオン電池保有機器との間の電気的接続を断接する断接部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記断接部で接続動作(充電)開始した後、電流測定部での電流計測により、定電流充電から定電圧充電への切り替わりを検知して、前記断接部に遮断動作(充電停止)を指示する操作と、前記接続動作(充電)の開始から一定時間経過するまでに、前記定電流充電から前記定電圧充電への切り替わりを検知しなかった場合、断接部に遮断動作(充電停止)を指示する操作と、前記充電停止時から、一定時間毎に前記電圧測定部により充電電圧を計測し、設定電圧以上であった場合は、充電停止を継続し、設定電圧以下を検出した際に、前記断接部に、接続動作(充電)を指示する操作を行うことを特徴とする充電制御装置である。
【0008】
請求項2に係る発明は、リチウムイオン電池保有機器のリチウムイオン電池の充電開始からの充電時間が所定の制限時間に達したら、前記断接部に遮断動作(充電停止)を指示する操作を行うことを特徴とする請求項1記載の充電制御装置である。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の充電制御装置と充電用給電部からなる充電装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、スマートフォンやタブレットなどのリチウムイオン電池保有機器を長時間固定電源に接続を維持した後で使用する時に、リチウムイオン電池の容量の低下と寿命を先のばしにするように、機器内のリチウムイオン電池の過充電や過放電をさけ、充電回数を減らすことが可能な充電制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態における充電制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態における充電装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】従来のリチウムイオン電池保有機器に対する充電用給電部からの給電における装置構成を示すブロック図である。
図4図3に示すリチウムイオン電池保有機器のリチウムイオン電池の充電動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態のカード発行装置について添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の実施形態における充電制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0014】
充電制御装置100は、リチウムイオン電池360を一定の電流で所定電圧まで充電する定電流制御と、その後前記所定電圧を保持しつつ、前記電流を減少させながらリチウムイオン電池360を充電する定電圧制御とを実施するリチウムイオン電池充電制御回路370を有するリチウムイオン電池保有機器300と、充電用給電部400の間に設置される。
【0015】
充電制御装置100はリチウムイオン電池360の充電制御装置であって、リチウムイオン電池保有機器300への電流Iを測定する電流測定部20と、リチウムイオン電池保有機器の充電用端子間の電圧を測定する電圧測定部10と、充電用給電部400とリチウムイオン電池保有機器300との間の電気的接続を断接する断接部30と、制御部40と、を備える。
【0016】
断接部30は、スイッチング素子を使用したスイッチング回路でもよい。
【0017】
制御部40は、断接部30で接続動作(充電)開始した後、電流測定部20での電流計測により、定電流充電から定電圧充電への切り替わり(図4におけるタイミングT2に相当)を検知して、断接部30に遮断動作(充電停止)を指示する操作を行う。
【0018】
前記接続動作(充電)の開始から一定時間経過するまでに、前記定電流充電から前記定電圧充電への切り替わりを検知しなかった場合、断接部30に遮断動作(充電停止)を指示する操作を行う。
【0019】
また、制御部40は、充電停止時から、一定時間毎に電圧測定部10により充電電圧Vを計測し、設定電圧以上であった場合は、充電停止を継続し、設定電圧以下であった場合は、断接部30に、接続動作(充電)を指示する操作を行う。
【0020】
また、また、制御部40は、リチウムイオン電池保有機器300のリチウムイオン電池360の充電開始からの充電時間が所定の制限時間に達したら、断接部30に遮断動作(充電停止)を指示する操作を行うことをしてもよい。これは安全として、総充電時間が、所定の時間以上にならないようにするためである。
【0021】
図2は本発明の実施形態における充電装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
充電制御装置100は充電用給電部400と一体化して充電装置200となってもよい。
【0023】
以上の装置と動作によって、リチウムイオン電池を一定の電流で所定電圧まで充電する定電流制御と、その後前記所定電圧を保持しつつ、前記電流を減少させながら前記リチウムイオン電池を充電する定電圧制御とを実施するリチウムイオン電池充電制御回路を有するリチウムイオン電池保有機器たとえばスマートフォンやタブレットなどを、長時間固定電源に接続を維持した上で使用する用途の時に、従来より、充電時の充電回数が減少し、過充電や過放電を回避でき、リチウムイオン電池の容量の低下と短命化を回避できた。
【符号の説明】
【0024】
10・・・電圧測定部
20・・・電流測定部
30・・・断接部
40・・・制御部
100・・・充電制御装置
200・・・充電装置
300・・・リチウムイオン電池保有機器
360・・・リチウムイオン電池
370・・・リチウムイオン電池充電制御回路
400・・・充電用給電部
図1
図2
図3
図4