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特許7139612設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
G06F3/12 354
G06F3/12 304
G06F3/12 373
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018017813
(22)【出願日】2018-02-05
(65)【公開番号】P2019135569
(43)【公開日】2019-08-15
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】味岡 敬
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-179508(JP,A)
【文献】特開2001-282431(JP,A)
【文献】特開2017-201509(JP,A)
【文献】特開2013-186514(JP,A)
【文献】特開2008-210174(JP,A)
【文献】特開2010-186275(JP,A)
【文献】特開2013-029987(JP,A)
【文献】特開2016-153206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
G06F3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ジョブの設定を行う装置で動作する設定情報入力制御プログラムであって、
前記装置に、
前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理、
前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理、および
前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理、を実行させ
前記ルール集の各ルールに対する評価値が予め算出されており、
前記第3処理では、前記設定候補に対応付けて、前記設定候補の検索に使用した前記ルールの評価値を表示、又は、前記ルールの評価値に基づいて、前記設定候補の表示形態を変更する、
ことを特徴とする設定情報入力制御プログラム。
【請求項2】
前記評価値は、アソシエーション分析における支持度、確信度、リフト値のいずれかである、
ことを特徴とする請求項に記載の設定情報入力制御プログラム。
【請求項3】
過去の印刷ジョブの各項目の設定値がデータベースとして記憶されており、
前記装置に、更に、
前記データベースに基づいて、機械学習により前記ルール集を作成する処理を実行させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の設定情報入力制御プログラム。
【請求項4】
印刷ジョブの設定を行う装置で動作する設定情報入力制御プログラムであって、
前記装置に、
前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理、
前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理、および
前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理、を実行させ、
過去の印刷ジョブの各項目の設定値がデータベースとして記憶されており、
前記装置に、更に、
前記データベースに基づいて、機械学習により前記ルール集を作成する処理を実行させ、
前記データベースには、前記複数の設定項目のうち、他の項目の設定値が同じで第1の項目の設定値が複数存在する過去の印刷ジョブの各項目の設定値が記憶されており、かつ、前記第1の項目が、特定の項目として識別可能に登録されており、
前記第2処理では、前記データベースを参照して、前記対象項目が前記特定の項目であることにより、前記未入力項目の前記設定候補が複数存在し、一意に特定できないかを判断し、
前記第3処理では、前記対象項目が前記特定の項目の場合は、前記対象項目に対して注意を促す警告を行う、
ことを特徴とする設定情報入力制御プログラム。
【請求項5】
印刷ジョブの設定を行う装置における設定情報入力制御方法であって、
前記装置は、
前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理と、
前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理と、
前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理と、を実行し、
前記ルール集の各ルールに対する評価値が予め算出されており、
前記第3処理では、前記設定候補に対応付けて、前記設定候補の検索に使用した前記ルールの評価値を表示、又は、前記ルールの評価値に基づいて、前記設定候補の表示形態を変更する、
ことを特徴とする設定情報入力制御方法。
【請求項6】
前記評価値は、アソシエーション分析における支持度、確信度、リフト値のいずれかである、
ことを特徴とする請求項に記載の設定情報入力制御方法。
【請求項7】
過去の印刷ジョブの各項目の設定値がデータベースとして記憶されており、
前記装置は、更に、
前記データベースに基づいて、機械学習により前記ルール集を作成する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の設定情報入力制御方法。
【請求項8】
印刷ジョブの設定を行う装置における設定情報入力制御方法であって、
前記装置は、
前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理と、
前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理と、
前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理と、を実行し、
過去の印刷ジョブの各項目の設定値がデータベースとして記憶されており、
前記装置は、更に、
前記データベースに基づいて、機械学習により前記ルール集を作成する処理を実行し、
前記データベースには、前記複数の設定項目のうち、他の項目の設定値が同じで第1の項目の設定値が複数存在する過去の印刷ジョブの各項目の設定値が記憶されており、かつ、前記第1の項目が、特定の項目として識別可能に登録されており、
前記第2処理では、前記データベースを参照して、前記対象項目が前記特定の項目であることにより、前記未入力項目の前記設定候補が複数存在し、一意に特定できないかを判断し、
前記第3処理では、前記対象項目が前記特定の項目の場合は、前記対象項目に対して注意を促す警告を行う、
ことを特徴とする設定情報入力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法に関し、特に、印刷ジョブの各項目を設定する際の操作を補助する設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷処理を行う場合、印刷設定画面の各項目を設定して印刷ジョブを生成するが、印刷ジョブは設定する項目が多く、設定内容も複雑であるため、入力の間違いを起こしやすい。そこで、ユーザによる設定情報の入力操作を容易にするために、過去に実行した印刷ジョブの設定情報をデータベースに登録しておき、データベースを参照して機械学習により設定候補を提示するシステムが提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、一又は複数の画像形成装置の動作パターンと画像形成装置に対する設定内容とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記一又は複数の画像形成装置の動作履歴を示す履歴データを蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された前記履歴データから前記記憶手段に記憶された前記動作パターンに該当する履歴データを検出した場合、該動作パターンに関連付けられて前記記憶手段に記憶された前記設定内容を前記一又は複数の画像形成装置に出力する出力手段とを有する情報処理装置が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、印刷データに基づいて推奨する印刷設定を表示する表示手段と、前記印刷設定のうち第1の印刷設定項目の変更を受け付ける受付手段と、前記印刷設定の変更を受け付けた場合に、利用された印刷設定の履歴に基づいて、前記第1の印刷設定項目の変更と共に変更すべき第2の印刷設定項目を特定する特定手段と、を有し、前記表示手段は、前記特定された第2の印刷設定項目の変更を推奨する表示を行う情報処理装置が開示されている。
【0005】
また、印刷処理に関する発明ではないが、下記特許文献3には、テキスト情報の母集団テキストファイルと、正しいと判断された区分データが付与されたテキスト情報の標本テキストファイルとから、区分データと分類コードとの対応関係を示す分類コード表ファイル及び、分類コードの母集団テキストファイル内での出現状況を収集した分類コード統計情報表ファイルを作成し、新規テキスト情報から分類コードを抽出し、分類コード表ファイルからその分類コードに対応する区分データを抽出し、その区分データ毎に分類コード統計情報表ファイルから統計情報を抽出し、その統計情報に基づいて、新規テキスト情報に対応する区分データの候補を選択し提示する区分データレコメンド方法が開示されている。
【0006】
また、入力した情報の適否を判断する技術に関して、下記特許文献4には、製品及び部品の情報を管理する製品情報管理装置であって、製品を構成する部品・要件などの製品情報とそれらの情報間の共起関係を記憶部に記憶・登録する記憶手段と、前記製品情報における部品データ、製品要件データを用いて部品適否決定条件情報を算出し、前記記憶部に記憶する処理手段と、前記情報間の共起関係を、ユーザに対して画面で表示する表示手段とを有する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-147668号公報
【文献】特開2015-176293号公報
【文献】特開2010-282416号公報
【文献】特開2014-126902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
印刷ジョブは設定する項目が多く、オペレータの入力負荷が大きくなるため、少数の入力で済ませたいという要望があり、特許文献1では、ジョブ名や原稿から類似設定のテンプレートを探索しているが、設定内容が一括して決定されるテンプレートは、入力する項目が変わったり新たな印刷ジョブを作成したりする場合に利用することができない。また、特許文献2では、ジョブの設定の一部を変更した時に同時に変更すべき項目と内容の候補を提示しているが、この方法では、未入力の項目を設定する際に候補を提示することができない。
【0009】
また、印刷ジョブの設定は組み合わせによる制約条件が複雑であるため、全ての項目を対象にして設定の組み合わせを学習させると機械学習にかかるコストが大きくなる。従って、どのような項目を対象とし、どのような項目に対して候補を提示するのかがシステムの構築において重要となる。
【0010】
更に、入力操作を行うオペレータは、システムが提示する候補を確認することによって入力スキルを向上させることができるが、システムは必ずしも候補を特定して提示できるとは限らない。候補を特定できない場合として、所定の項目に入力した設定値は適正であるが候補が存在しない若しくは複数存在する場合もあれば、所定の項目自体が不確かな項目であり候補が適切かどうかを判断できない場合もある。この場合、オペレータは候補が提示されない理由を認識することができず、オペレータの入力スキルを向上させることができない。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、オペレータの入力負荷を軽減することができる設定情報入力制御方法、設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力システムを提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、オペレータの入力スキルを向上させることができる設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一側面は、印刷ジョブの設定を行う装置で動作する設定情報入力制御プログラムであって、前記装置に、前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理、前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理、および前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理、を実行させ、前記ルール集の各ルールに対する評価値が予め算出されており、前記第3処理では、前記設定候補に対応付けて、前記設定候補の検索に使用した前記ルールの評価値を表示、又は、前記ルールの評価値に基づいて、前記設定候補の表示形態を変更する、ことを特徴とする。
また本発明の一側面は、印刷ジョブの設定を行う装置で動作する設定情報入力制御プログラムであって、前記装置に、前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理、前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理、および前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理、を実行させ、過去の印刷ジョブの各項目の設定値がデータベースとして記憶されており、前記装置に、更に、前記データベースに基づいて、機械学習により前記ルール集を作成する処理を実行させ、前記データベースには、前記複数の設定項目のうち、他の項目の設定値が同じで第1の項目の設定値が複数存在する過去の印刷ジョブの各項目の設定値が記憶されており、かつ、前記第1の項目が、特定の項目として識別可能に登録されており、前記第2処理では、前記データベースを参照して、前記対象項目が前記特定の項目であることにより、前記未入力項目の前記設定候補が複数存在し、一意に特定できないかを判断し、前記第3処理では、前記対象項目が前記特定の項目の場合は、前記対象項目に対して注意を促す警告を行う、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一側面は、印刷ジョブの設定を行う装置における設定情報入力制御方法であって、前記装置は、前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理と、前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理と、前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理と、を実行し、前記ルール集の各ルールに対する評価値が予め算出されており、前記第3処理では、前記設定候補に対応付けて、前記設定候補の検索に使用した前記ルールの評価値を表示、又は、前記ルールの評価値に基づいて、前記設定候補の表示形態を変更することを特徴とする。
また本発明の一側面は、印刷ジョブの設定を行う装置における設定情報入力制御方法であって、前記装置は、前記印刷ジョブの設定に関し、複数の設定項目の入力を受け付ける設定画面を表示させ、前記複数の設定項目のうち、対象項目の入力を受け付ける第1処理と、前記対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、前記複数の設定項目のうち、未入力項目に入力する設定候補を検索する第2処理と、前記設定候補が検索された場合は、当該設定候補を前記設定画面の前記未入力項目に表示する第3処理と、を実行し、過去の印刷ジョブの各項目の設定値がデータベースとして記憶されており、前記装置は、更に、前記データベースに基づいて、機械学習により前記ルール集を作成する処理を実行し、前記データベースには、前記複数の設定項目のうち、他の項目の設定値が同じで第1の項目の設定値が複数存在する過去の印刷ジョブの各項目の設定値が記憶されており、かつ、前記第1の項目が、特定の項目として識別可能に登録されており、前記第2処理では、前記データベースを参照して、前記対象項目が前記特定の項目であることにより、前記未入力項目の前記設定候補が複数存在し、一意に特定できないかを判断し、前記第3処理では、前記対象項目が前記特定の項目の場合は、前記対象項目に対して注意を促す警告を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法によれば、オペレータの入力負荷を軽減することができる。
【0016】
その理由は、印刷ジョブの設定を行う情報入力装置で、印刷ジョブの対象項目の入力を受け付け、対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成したルール集の中から選択したルールを使用して、未入力項目に入力する設定候補を検索し、設定候補が検索された場合は、当該設定候補を未入力項目に表示するからである。
【0017】
また、本発明の設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法によれば、オペレータの入力スキルを向上させることができる。
【0018】
その理由は、設定候補が検索されず、かつ、対象項目が、他の項目の設定値が同じで自身の設定値が複数存在する特定の項目の場合は、対象項目に対して注意を促す警告を行うからである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例に係る設定情報入力システムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の一実施例に係る設定情報入力システムの概略動作を示す模式図である。
図3】本発明の一実施例に係る情報入力装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の一実施例に係る情報入力装置の動作を示すフローチャート図である。
図6】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面を示す模式図である。
図7】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面の項目の一部を示す模式図である。
図8】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面の項目の一部(設定値を入力した状態)を示す模式図である。
図9】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面における入力項目及び設定値と未入力項目及び設定候補との相関を示す模式図である。
図10】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面の項目の一部(設定候補が表示された状態)を示す模式図である。
図11】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面の項目の一部(設定値を入力した状態の他の例)を示す模式図である。
図12】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される印刷設定画面の項目の一部(設定候補が表示された状態の他の例)を示す模式図である。
図13】本発明の一実施例に係る情報入力装置に表示される警告画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
背景技術で示したように、過去に実行した印刷ジョブの設定情報をデータベースに登録しておき、データベースを参照して機械学習により設定候補を提示するシステムが提案されており、このシステムを利用することにより、オペレータの入力負荷を軽減することができる。
【0021】
しかしながら、印刷ジョブの設定は組み合わせによる制約条件が複雑であるため、全ての項目を対象にして設定の組み合わせを学習させると機械学習にかかるコストが大きくなる。また、システムは必ずしも候補を特定して提示できるとは限らず、その場合、オペレータは候補が提示されない理由を認識することができないため、オペレータの入力スキルを向上させることができない。
【0022】
そこで、本発明の一実施の形態では、印刷ジョブの設定を行う情報入力装置で、印刷ジョブの対象項目の入力を受け付け、対象項目に入力された設定値と、1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値と、に基づき、予め作成(過去の印刷ジョブの各項目の設定値に基づいて機械学習により作成)したルール集の中から選択したルールを使用して、未入力項目に入力する設定候補を検索し、設定候補が検索された場合は、当該設定候補を未入力項目に表示するようにする。また、設定候補に対応付けて当該設定候補の検索に使用したルールの評価値(アソシエーション分析における支持度、確信度、リフト値のいずれか)を表示したり、当該ルールの評価値に基づいて設定候補の表示形態を変更したり(例えば、評価値の高い設定候補を太字で表示したり、色を付けて表示したり)する。
【0023】
このように、一部の項目に設定値を入力すると他の項目に設定値が自動的に表示されるため、全ての項目に設定値を入力する必要がなくなり、また、設定に関わる知識があまりなくても適切な設定値を入力することができるため、オペレータの入力負荷を低減することができる。また、設定候補に対応付けて評価値を提示したり評価値に基づいて設定候補の表示形態を変更したりすることで設定候補の確度を表すことができ、他の項目への追加入力を促したり、確認漏れによるヒューマンエラーを低減したりすることができる。
【0024】
また、本発明の一実施の形態では、設定候補が検索されず、かつ、対象項目が、他の項目の設定値が同じで自身の設定値が複数存在する特定の項目の場合は、対象項目に対して注意を促す警告を行うようにする。
【0025】
このように、設定候補が検索できた場合はその設定候補が提示され、設定候補が検索できなかった場合は注意を促す警告がされるため、オペレータは適切な設定値の組み合わせを認識することができ、オペレータの入力スキルの向上を図ることができる。
【実施例
【0026】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る設定情報入力制御プログラム及び設定情報入力制御方法について、図1乃至図13を参照して説明する。図1は、本実施例の設定情報入力システムの構成を示す模式図であり、図2は、設定情報入力システムの概略動作を示す模式図である。また、図3は、情報入力装置の構成を示すブロック図、図4は、画像形成装置の構成を示すブロック図であり、図5は、本実施例の情報入力装置の動作を示すフローチャート図である。また、図6は、本実施例の情報入力装置に表示される印刷設定画面の模式図、図7乃至図12は、その一部を抜き出した模式図であり、図13は、警告画面の一例である。
【0027】
図1に示すように、本実施例の設定情報入力システム10は、情報入力装置20、記憶装置30、ジョブ処理装置40(本実施例では、画像形成装置40aとする。)などで構成され、これらはイーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI(Fiber-Distributed Data Interface)等の規格により定められるLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワーク50を介して接続されている。
【0028】
図2は、本実施例の設定情報入力システム10の概略動作を示しており、情報入力装置20では、記憶装置30に記憶されたデータベースに基づいて、複数の設定値を引数として設定候補を返すルール集を作成しておき、設定画面の各項目に情報を入力してジョブを生成する際に、ルール集の中から、対象項目に入力された設定値(最新設定値)と1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値(既存設定値)との組み合わせに対応するルールを使用して未入力項目の設定候補を検索し、その設定候補を設定画面に表示して入力操作を補助する。そして、生成したジョブをジョブ処理装置40(例えば、画像形成装置40a)に送信してジョブ処理(例えば、印刷処理)を実行させる。以下、図1の構成を前提にして、各装置について詳細に説明する。
【0029】
[情報入力装置]
情報入力装置20は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、ジョブを作成してジョブ処理装置40(画像形成装置40a)に送信する。この情報入力装置20は、図3(a)に示すように、制御部21、記憶部25、ネットワークI/F部26、表示部27、操作部28などで構成される。
【0030】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22とROM(Read Only Memory)23やRAM(Random Access Memory)24などのメモリとで構成され、CPU22は、ROM23や記憶部25に記憶した制御プログラムをRAM24に展開して実行することにより、情報入力装置20全体の動作を制御する。
【0031】
上記制御部21は、図3(b)に示すように、表示制御部21a、候補検索部21b、ルール管理部21c、ジョブ生成部21dなどとして機能する。
【0032】
表示制御部21aは、表示部27にジョブを生成するための印刷設定画面を表示させ、操作部28による、印刷設定画面の各項目に対する設定値の入力を受け付ける。そして、対象項目に入力された設定値と1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値とを候補検索部21bに通知し、候補検索部21bから設定候補が通知されたら、表示部27により、当該設定候補を未入力項目に表示する。その際、設定候補に対応付けて当該設定候補の検索に使用したルールの評価値を表示したり、当該ルールの評価値に基づいて設定候補の表示形態を変更したりする。例えば、ルールの評価値が高い設定候補を太字で表示したり、色を付けて表示したり、枠内に色を付けたりして強調表示する。また、表示制御部21aは、候補検索部21bの指示に従って、表示部27に対象項目に対して注意を促す警告画面を表示させる。
【0033】
候補検索部21bは、対象項目に入力された設定値と1又は複数の項目(入力済み項目)に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値とを受け取ったら、記憶部25などに記憶したルール集の中から、それらの項目の設定値を要素とするルールを選択し、選択したルールを使用して未入力項目の設定候補を検索する。そして、候補検索部21bは、設定候補が特定できた場合はその設定候補を表示制御部21aに通知し、設定候補が特定できなかった場合は、対象項目が一意に設定値を決定することができない不確かな項目(特定の項目)であるかを判断し、設定候補が特定できず、かつ、対象項目が特定の項目の場合は、表示制御部21aに、対象項目に対して注意を促す警告画面の表示を指示する。なお、対象項目が不確かな項目であるか否かは、例えば、他の項目の設定値が同じで自身の設定値が複数存在するか否か、予め不確かな項目としてデータベース(例えば、本願発明者の先願(特願2018-017029号)に記載されたデータベースなど)に登録されているか否かなどに基づいて判断することができる。
【0034】
ルール管理部21cは、記憶装置30に記憶されているデータベース(過去の印刷ジョブの各項目の設定値)に基づいて、機械学習により、複数の項目の設定値の組み合わせを抽出してルール(入力された設定値と既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値とを引数として、設定候補を返すルール)を作成し、それらをルール集として管理する。また、ルール管理部21cは、必要に応じて、アソシエーション分析に基づいてルールの評価値を算出し、算出した評価値をルールに対応付けて管理する。例えば、複数の項目に設定値が入力される事象を条件部、未入力項目の設定候補が検索される事象を結論部とすると、支持度、確信度、リフト値は各々、次のように定義される。
支持度=(条件部と結論部を共に含むデータ数)/全データ数
確信度=(条件部と結論部を共に含むデータ数)/条件部を含むデータ数
リフト値=確信度/結論部を含むデータ数
【0035】
ジョブ生成部21dは、各項目の設定値に従って、ジョブ処理装置40にジョブの処理を指示(画像形成装置40aに印刷を指示)するためのジョブを生成する。
【0036】
なお、上記表示制御部21a、候補検索部21b、ルール管理部21c、ジョブ生成部21dはハードウェアとして構成してもよいし、制御部21を、表示制御部21a、候補検索部21b、ルール管理部21c、ジョブ生成部21d(特に、表示制御部21a、候補検索部21b、ルール管理部21c)として機能させる設定情報入力制御プログラムとして構成し、当該設定情報入力制御プログラムをCPU22に実行させるようにしてもよい。
【0037】
上記設定情報入力制御プログラムは、プリンタドライバ又はダイレクトプリントユーティリティに含めることができる。例えば、PJL(Printer Job Language)やPS(PostScript)、PCL(Printer Control Language)等のページ記述言語で記述されたPDL(Page Description Language)のジョブを生成する場合は、プリンタドライバに設定情報入力制御プログラムを含め、プリンタドライバが表示する印刷設定画面に対して設定候補を表示することができる。また、PDF(Portable Document Format)、XPS(XML Paper Specification)、OOXML(Office Open XML)、ODF(OpenDocument Format)などのダイレクトプリントが可能なジョブを生成する場合は、ダイレクトプリントユーティリティに設定情報入力制御プログラムを含め、ダイレクトプリントユーティリティが表示する印刷設定画面に対して設定候補を表示することができる。
【0038】
記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成され、CPU22が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、後述する印刷設定画面や警告画面の画面データ、ルール管理部21cが作成したルール集、ジョブ処理装置40(画像形成装置40a)に送信するジョブなどを記憶する。
【0039】
ネットワークI/F部26は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、情報入力装置20を通信ネットワーク50に接続し、記憶装置30に記憶されたデータベースを利用できるようにしたり、ジョブ処理装置40(画像形成装置40a)にジョブを送信したりする。
【0040】
表示部27は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置などで構成され、表示制御部21aの制御に従って、印刷設定画面や警告画面などを表示する。
【0041】
操作部28は、マウスやキーボードなどで構成され、印刷設定画面の各項目に対する設定値の入力/選択操作などを可能にする。
【0042】
[記憶装置]
記憶装置30は、情報入力装置20が利用する各種情報をデータベースとして記憶する装置である。本実施例では、特に、過去に印刷したジョブの設定情報(各項目の設定値)をデータベースとして保存し、このデータベースを情報入力装置20に提供してルール集を作成可能にする。
【0043】
[画像形成装置]
画像形成装置40aは、MFP(Multi-Functional Peripherals)などであり、情報入力装置20から受信したジョブに基づいて画像形成処理を実行する。この画像形成装置40aは、図4に示すように、制御部41、記憶部45、ネットワークI/F部46、表示操作部47、画像処理部48、印刷処理部49などで構成される。
【0044】
制御部41は、CPU42とROM43やRAM44などのメモリとで構成され、CPU42は、ROM43や記憶部45に記憶した制御プログラムをRAM44に展開して実行することにより、画像形成装置40a全体の動作を制御する。
【0045】
記憶部45は、HDDやSSDなどで構成され、CPU42が各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、情報入力装置20から受信したジョブ、画像処理部48が生成した画像データなどを記憶する。
【0046】
ネットワークI/F部46は、NICやモデムなどで構成され、画像形成装置40aを通信ネットワーク50に接続し、情報入力装置20からジョブを受信可能にする。
【0047】
表示操作部47は、表示部上に透明電極が格子状に配置された感圧式の操作部(タッチセンサ)を設けたタッチパネルなどであり、印刷処理に関する各種画面を表示し、印刷に関する各種操作を可能にする。
【0048】
画像処理部48は、RIP部(Raster Image Processor)として機能し、ジョブを翻訳して中間データを生成し、レンダリングを行ってビットマップ形式の画像データを生成する(この一連の処理をRIP処理と呼ぶ。)。また、画像処理部48は、必要に応じて、画像データに対して、スクリーン処理、階調補正、濃度バランス調整、細線化、網点処理などを行う。そして、画像処理部48は、生成した画像データを印刷処理部49に出力する。
【0049】
印刷処理部49は、画像データに基づいて印刷処理を実行する。この印刷処理部49は、画像データに基づいてレーザ光を照射して露光する露光部と、感光体ドラムと現像部と帯電部と感光体クリーニング部と1次転写ローラとを備え、CMYKの各色のトナー像を形成する画像形成部と、ローラによって回転され、画像形成部で形成されたトナー像を用紙に搬送する中間転写体として機能する中間ベルトと、中間ベルト上に形成されたトナー像を用紙に転写する2次転写ローラと、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着部と、用紙を搬送する給紙ローラやレジストローラ、ループローラ、反転ローラ、排紙ローラ等の搬送部などで構成される。
【0050】
なお、図1乃至図4は、本実施例の設定情報入力システム10の一例であり、本実施例の設定情報入力制御が可能な限りにおいて、各装置の構成や制御は適宜変更可能である。例えば、図1では、情報入力装置20と記憶装置30とを別々の装置としたが、記憶装置30を情報入力装置20に含める(情報入力装置20の記憶部25にデータベースを保存する)場合は、記憶装置30を省略してもよい。また、情報入力装置20が作成したジョブを記憶装置に保存する場合はジョブ処理装置40(画像形成装置40a)を省略してもよいし、ジョブを管理するコントローラを追加してもよい。
【0051】
以下、本実施例の情報入力装置20の動作について具体的に説明する。情報入力装置20のCPU22は、ROM23又は記憶部25に記憶した設定情報入力制御プログラムをRAM24に展開して実行することにより、図5のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。なお、記憶装置30には、予め、過去に印刷したジョブの設定情報(各項目の設定値)がデータベースとして保存されており、情報入力装置20の制御部21(ルール管理部21c)は、そのデータベースに基づいて、機械学習によりルール集を作成しているものとする。
【0052】
情報入力装置20の制御部21(表示制御部21a)は、対象項目に対する設定値の入力を受け付ける(S101)。例えば、表示部27に、図6に示すような印刷設定画面60などを表示させて、これから設定操作を行う項目(対象項目)に対する設定値の入力を受け付ける。なお、ここでは、他の少なくとも1つの項目に関しては既に設定値が入力されているか、若しくは、デフォルトで設定値が設定されているものとする。
【0053】
次に、制御部21(候補検索部21b)は、記憶部25などに記憶したルール集の中から、対象項目に入力された設定値と1又は複数の項目に既に入力されている又はデフォルトで設定されている設定値とを要素とするルールを選択し(S102)、選択したルールを使用して、未入力項目の設定候補を検索する(S103)。その際、必要に応じて、制御部21(ルール管理部21c)から、選択したルールの評価値を取得する。
【0054】
次に、制御部21(候補検索部21b)は、設定候補が検索できたかを判断し(S104)、設定候補が検索できた場合は(S104のYes)、制御部21(表示制御部21a)は、その設定候補を未入力項目に表示する(S105)。その際、必要に応じて、設定候補に対応付けてその設定候補の検索に使用したルールの評価値を表示したり、ルールの評価値に基づいて、設定候補の表示形態を変更(例えば、強調表示)したりする。
【0055】
一方、設定候補が検索できなかった場合は(S104のNo)、制御部21(候補検索部21b)は、対象項目が不確かな項目であるかを判断する(S106)。例えば、対象項目が、他の項目の設定値(入力済み項目の設定値と未入力項目の設定候補)が同じで、自身の設定値が複数存在する特定の項目の場合は、不確かな項目であると判断する。また、確かな項目と不確かな項目とに予め分類して登録されているデータベース(本願発明者の先願に記載したデータベース)を利用する場合は、その分類に応じて対象項目が不確かな項目であるかを判断する。
【0056】
そして、対象項目が不確かな項目であると判断した場合は(S106のYes)、制御部21(表示制御部21a)は、表示部27に、図13に示すような、対象項目に対して注意を促す警告画面を表示してオペレータに注意喚起を行う(S107)。その後、制御部21は、設定値の入力を継続するかを判断し(S108)、入力を継続する場合は(S108のYes)、S101に戻って同様の処理を繰り返す。
【0057】
一方、入力を継続しない場合は(S108のNo)、制御部21(ジョブ生成部21d)は、各項目の設定値に従ってジョブを生成し、生成したジョブをジョブ処理装置40(例えば、画像形成装置40a)に出力してジョブの処理を指示する(S109)。
【0058】
以下、具体例を挙げて説明する。
【0059】
図6は、情報入力装置20の表示部27に表示される印刷設定画面60の一例であり、各項目に対して設定値が入力される。図7は、印刷設定画面60の項目の中から一部を抜き出したものであり、ここでは、印刷方式、仕上がりサイズ、用紙サイズ、製本方式、納期などを抜き出している。
【0060】
図8は、オペレータが入力した状態を示している。ここでは、予め、製本方式に対して「中綴じ」が入力又はデフォルトで設定され、仕上がりサイズに対して「A4」が入力又はデフォルトで設定され、納期に対して「2017/12/31」が入力されている状態で、印刷方式に対して、オペレータにより「オフセット」が入力された状態を示している。
【0061】
この場合、制御部21(候補検索部21b)は、対象項目の設定値(ここでは、「印刷方式:オフセット」)と入力済みの項目の設定値(ここでは、「製本方式:中綴じ」、「仕上がりサイズ:A4」)とを要素とするルールをルール集の中から選択する。そして、選択したルールを使用して、未入力の項目(ここでは、用紙サイズ)の設定候補を検索する。
【0062】
図9は、ルールの一例である。例えば、(1)のルールでは、「印刷方式:オフセット」、「仕上がりサイズ:A4」の場合は、用紙サイズの設定候補として「A全」が推奨され、(2)のルールでは、「印刷方式:オフセット」、「仕上がりサイズ:A5」の場合は、用紙サイズの設定候補として「A全」が推奨され、(3)のルールでは、「印刷方式:DEP」、「仕上がりサイズ:A4」の場合は、用紙サイズの設定候補として「SRA3」が推奨され、(4)のルールでは、「印刷方式:DEP」、「仕上がりサイズ:A5」の場合は、用紙サイズの設定候補として「SRA3」が推奨されている。
【0063】
この場合は、制御部21(候補検索部21b)は、入力済みの項目である仕上がりサイズに対して「A4」が入力されている状態で、対象項目である印刷方式に対して「オフセット」が入力されたため、(1)のルールを選択して、未入力項目である用紙サイズに対して「A全」を設定候補として検索する。そして、制御部21(表示制御部21a)は、図10に示すように、検索された設定候補を未入力項目である用紙サイズの欄に表示する。
【0064】
また、図11に示すように、印刷方式を「DEP」に変更した場合、図9の(3)のルールを選択して、未入力項目である用紙サイズに対して「SRA3」を設定候補として検索する。そして、制御部21(表示制御部21a)は、図12に示すように、検索された設定候補を未入力項目である用紙サイズの欄に表示する。
【0065】
このような制御を行うことにより、オペレータは印刷方式と仕上がりサイズとの関係を意識しなくても、用紙サイズを適切な値に設定することができ、オペレータの入力負荷を低減することができる。
【0066】
また、上記では、対象項目の設定値と入力済み項目の設定値とに対して未入力項目の設定値が一意に決定できる場合を示したが、対象項目が、他の項目の設定値が同じで自身の設定値が複数存在する特定の項目の場合もあり、その場合は、対象項目の設定に注意が必要である。
【0067】
そこで、制御部21(候補検索部21b)は、設定候補が検索できない場合は、ルール集を参照して(若しくは、データベースを参照して)、対象項目が、他の項目の設定値が同じで自身の設定値が複数存在する特定の項目であるかを判断し、制御部21(表示制御部21a)は、設定候補が検索されず、かつ、対象項目が特定の項目の場合は、表示部27に図13に示すような警告画面61を表示させ、オペレータに対象項目に対して注意を促す警告を行う。
【0068】
このような制御を行うことにより、オペレータは適切な設定値の組み合わせを認識することができ、オペレータの入力スキルの向上を図ることができる。
【0069】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、設定情報入力システムの構成や制御は適宜変更可能である。
【0070】
例えば、上記実施例では、対象項目として印刷方式を例示し、入力済み項目として仕上がりサイズを例示し、未入力項目として用紙サイズを例示したが、対象項目、入力済み項目及び未入力項目は上記に限定されず、適宜選択することができる。
【0071】
また、上記実施例では、印刷設定情報を入力する場合について記載したが、複数の項目に任意の設定情報を入力する場合に対して、本発明の設定情報入力制御方法を同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、印刷ジョブの各項目を設定する際の操作を補助する設定情報入力制御プログラム、当該設定情報入力制御プログラムを記録した記録媒体及び設定情報入力制御方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 設定情報入力システム
20 情報入力装置
21 制御部
21a 表示制御部
21b 候補検索部
21c ルール管理部
21d ジョブ生成部
22 CPU
23 ROM
24 RAM
25 記憶部
26 ネットワークI/F部
27 表示部
28 操作部
30 記憶装置
40 ジョブ処理装置
40a 画像形成装置
41 制御部
42 CPU
43 ROM
44 RAM
45 記憶部
46 ネットワークI/F部
47 表示操作部
48 画像処理部
49 印刷処理部
50 通信ネットワーク
60 印刷設定画面
61 警告画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13