(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】運動制御機能および運動学習機能向上用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 38/07 20060101AFI20220913BHJP
A61K 38/03 20060101ALI20220913BHJP
A61K 35/20 20060101ALI20220913BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220913BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220913BHJP
A23L 33/18 20160101ALI20220913BHJP
C07K 5/103 20060101ALN20220913BHJP
【FI】
A61K38/07
A61K38/03
A61K35/20
A61P25/28
A61P25/00
A23L33/18
C07K5/103 ZNA
(21)【出願番号】P 2018123829
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【氏名又は名称】大森 未知子
(72)【発明者】
【氏名】綾部 達宏
【審査官】佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-132756(JP,A)
【文献】特開2017-165661(JP,A)
【文献】国際公開第2015/194564(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/086303(WO,A1)
【文献】特表2011-523547(JP,A)
【文献】British Journal of Nutrition, 2015, Vol.114, pp.1237-1245,doi:10.1017/S0007114515002810
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00-38/58
A61K 35/00-35/768
A23L 33/00-33/29
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、
協調運動機能および/または
運動記憶機能の向上、維持および/または改善用組成物
であって、前記ペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物をホエイタンパク質分解物として含有する、組成物。
【請求項2】
協調運動機能および/または
運動記憶機能の向上が、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善によるものである、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
高齢者の運動制御機能の低下の抑制に用いるための、請求項
1または2に記載の組成物。
【請求項4】
GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善用組成物
であって、前記ペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物をホエイタンパク質分解物として含有する、組成物。
【請求項5】
GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、小脳内ドーパミン量増強用組成物
であって、前記ペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物をホエイタンパク質分解物として含有する、組成物。
【請求項6】
食品の形態である、請求項1~
5のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善用組成物に関する。本発明はまた、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
脳機能のうち運動機能はスポーツのみならず日常生活とも深く関わっているため、運動機能の向上、維持および改善は、若年層から老年層まで幅広い世代で求められている。運動機能は主として小脳により制御されていることが知られている。小脳は、内耳の前庭・半規管から伝えられる平衡感覚刺激や骨格筋・腱・骨・関節から伝えられる深部感覚刺激を受けて、全身のバランスや姿勢を保ち、運動機能の調節を行う。小脳はまた、大脳と連携して大脳小脳連関を形成し、随意運動における熟練の獲得や運動制御、高次脳機能の円滑な遂行に重要な役割を果たす。さらに小脳は、言語認識や注意、触覚による物体識別などの活動で興奮することから、運動だけでなく認知機能や感情などの高次脳機能にも深く関与するとされる。
【0003】
これまでに、脳機能を増強させる物質の探索が行われており、食品素材では、例えば、植物由来の成分の組み合わせが記憶力、学習能力および認知能力を向上させることが知られている(特許文献1)。また、マウスにロータロッドを使った運動をさせるときに、運動直前にコカインを投与すると運動能力が高まることが知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】C. J. Heyser et al., Physiology & Behavior ,118, pp208-211(2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善に用いるための組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善に用いるための組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは今般、テトラペプチド:GTWY(配列番号1)を摂取させたマウスをロータロッド試験に供して協調運動機能を検証したところ、運動制御機能および運動学習機能が向上することを見出した。本発明者らはまた、上記ペプチドを摂取させたマウスでは、小脳のドーパミン量が有意に増加することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0008】
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善用組成物並びに運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善剤。
[2]運動制御機能が、協調運動機能である、上記[1]に記載の組成物および用剤。
[3]運動学習機能が、運動記憶機能である、上記[1]または[2]に記載の組成物および用剤。
[4]運動制御機能および/または運動学習機能の向上が、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善によるものである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[5]高齢者の運動制御機能の低下の抑制に用いるための、上記[1]~[4]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[6]GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善用組成物並びに小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善剤。
[7]GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる、小脳内ドーパミン量増強用組成物および小脳内ドーパミン量増強剤。
[8]前記ペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を、ホエイタンパク質分解物として含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の組成物および用剤。
[9]食品の形態である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の組成物および用剤。
【0009】
上記[1]、[6]および[7]の組成物を本明細書において「本発明の組成物」と、上記[1]、[6]および[7]の用剤を本明細書において「本発明の用剤」と、それぞれいうことがある。
【0010】
本発明の組成物および用剤が有効成分とするテトラペプチド:GTWY(配列番号1)は、長年にわたり食経験があるホエイタンパク質の酵素分解物に含まれるペプチドである。従って、本発明の組成物および用剤は、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善の機能を発揮する機能性素材として利用できるとともに、ヒトを含む哺乳類に安全な機能性素材として利用できる点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、ロータロッド試験(実施例1)における試行1日目、2日目および3日目の各5試行の合計滞在時間(秒)の平均±標準誤差を試験群および対照群について示したグラフである。*はp<0.05 vs. 対照群(t検定)を表す。
【
図2】
図2は、ロータロッド試験(実施例1)における各試行の滞在時間(秒)の平均±標準誤差の推移を試験群および対照群について示したグラフである。*はp<0.05 vs. 対照群(t検定)を表す。
【
図3】
図3は、GTWY摂取試験(実施例2)における小脳のドーパミン量を試験群および対照群について示したグラフである。*はp<0.05 vs. 対照群(t検定)を表す。
【発明の具体的説明】
【0012】
本発明の組成物および用剤は、GTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、「本発明のペプチド」ということがある)を有効成分として含有してなるものである。ここで、「アミノ酸配列を有するペプチド」とは、該アミノ酸配列により配列が特定されたペプチドを意味する。
【0013】
本発明のペプチドは、化学合成によって得られたものを用いてもよく、乳、大豆、小麦、卵、畜肉、魚肉、魚介などに由来するタンパク質やポリペプチド原料等から化学的もしくは酵素的に分解して得られたものを用いてもよい。具体的には、例えば、本発明のペプチドの配列は、少なくとも、乳のホエイやカゼイン、牛血清アルブミン(BSA)、大豆のグリシニン、小麦のグルテニン、卵黄のリボビテリン、卵白のオボアルブミン、オボトランスフェリン、リゾチウム、チキン蛋白のコラーゲンなどに含まれているから、それらをそのまま用いるか、あるいはこれら食品もしくは食品素材を酸加水分解やプロテアーゼによる酵素処理または微生物発酵等に供して、上記ペプチドを生成させることができる。本発明の組成物および用剤としては上記食品もしくは食品素材またはその調製物をそのまま用いてもよいし、濃縮物として、あるいはスプレードライや凍結乾燥等により乾燥粉末として用いてもよい。また、必要に応じて不純物、塩、酵素等の除去など、任意の程度の精製を施して用いてもよい。
【0014】
本発明のペプチドを構成するアミノ酸は、L型のアミノ酸のみから構成されていてもよいし、D型のアミノ酸のみから構成されていてもよいし、あるいは両者が混在したペプチドのいずれであってもよい。また、天然に存在するアミノ酸のみから構成されていてもよいし、アミノ酸にリン酸化やグリコシル化等、任意の官能基が結合した修飾アミノ酸のみから構成されていてもよいし、あるいは両者が混在したペプチドのいずれであってもよい。また、ペプチドが2以上の不斉炭素を含む場合には、エナンチオマー、ジアステレオマー、あるいは両者が混在したペプチドのいずれであってもよい。
【0015】
さらに、本発明のペプチドは、遊離塩の形態であっても、その薬学上許容される塩または溶媒和物の形態であってもよく、本発明の組成物および用剤はこれらのいずれか、あるいはこれら全部または一部の混合物を含むものである。薬学上許容される塩としては酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩および有機アミン付加塩が挙げられる。薬学上許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、薬学上許容される金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。また、薬学上許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩が挙げられる。また、薬学上許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の付加塩が挙げられる。
【0016】
本発明の組成物および用剤は、本発明のペプチド単独で、あるいは本発明のペプチドを含む素材(例えば、食品原料)として提供することができる。本発明の組成物および用剤はまた、本発明のペプチドまたは本発明のペプチドを含む素材と、他の成分(例えば、食品原料、食品添加物、製剤添加物)とを混合して提供することもできる。本発明の組成物および用剤における本発明のペプチドの含有量は、その目的、用途、形態、剤型、症状、体重等に応じて任意に定めることができ、本発明はこれに限定されないが、その含有量としては、全体量に対して、0.00001~50質量%(固形分換算)の割合で含有させることができ、さらに好ましくは0.0001~10質量%(固形分換算)の割合で含有させることができる。本発明においては、本発明の用剤を本発明のペプチドからなるものとし、本発明の組成物を本発明のペプチドと他の成分とを含んでなるものとすることができる。
【0017】
本発明のペプチドの含有量の測定は、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC/MS/MS)により実施することができる。当業者であればその条件設定は容易に行うことができ、測定の際に標準ペプチドとしてLC/MS/MS測定用の純度のものを使用することはいうまでもないが、例えば、SIGMA ALDRICH社製AQUAペプチドを使用することができる。
【0018】
本発明のペプチドを含む食品素材としては、タンパク質の酵素分解物が挙げられ、好ましくはホエイタンパク質の酵素分解物(以下、「ホエイ分解物」ということがある)である。すなわち、本発明の組成物および用剤は、本発明のペプチドが含まれる限り、ホエイ分解物そのもの、ホエイ分解物の濃縮物またはホエイ分解物の希釈物を含む組成物および用剤であってもよい。本発明のペプチドが含まれるホエイ分解物の製造方法は公知であり、例えば、国際公開公報第2017/086303号の記載に従って製造することができる。あるいは、市販されているホエイ分解物を本発明のペプチドとして用いてもよい。
【0019】
本発明のペプチドをホエイタンパク質分解物として本発明の組成物および用剤に含有させる場合、本発明のペプチドをホエイタンパク質分解物に対して、0.001~10質量%(固形分換算)の割合で含有させることができ、さらに好ましくは0.01~5質量%(固形分換算)の割合で含有させることができる。また、本発明の組成物および用剤に対して、ホエイタンパク質分解物は、0.001~95質量%(固形分換算)の割合で含有させることができ、好ましくは0.01~50質量%(固形分換算)の割合で含有させることができる。
【0020】
本発明の組成物および用剤は、運動制御機能の向上、維持および/または改善に用いるためのものである。ここで、「運動」は、随意運動によって起きる動作(例えば、手足や眼などの随意筋による動作)を意味し、日常の動作、スポーツ、楽器の演奏、手作業(道具の使用・不使用を限定しない)等を含む。従って、「運動制御機能」は、脳によって意識的に骨格筋を動かすことができる運動(随意運動)を目標通りの動きに制御する機能、すなわち、目標とする動作を達成できるよう骨格筋を動かす脳の機能を意味し、主として、目標とする状態に基づいて運動指令を生成するフィードフォワード制御と、目標の状態と感知された状態の誤差シグナルを利用して運動指令を生成するフィードバック制御がある。
【0021】
運動制御機能としては、協調運動機能が挙げられる。ここで、「協調運動機能」は、複数の筋活動のタイミングや強さの調整を行い、精密で円滑な運動を行う機能を意味する。
【0022】
高齢者においては、日常生活でつまずきや転倒の一因が運動制御機能の低下にあることが知られている(Neuroscience and Biobehavioral Reviews,34, pp721-733(2010))。従って、本発明の組成物および用剤は、高齢者の運動制御機能の低下抑制用組成物および高齢者の運動制御機能の低下抑制剤としても使用することができる。ここで、「高齢者」は60歳以上(好ましくは65歳以上)の対象を意味する。
【0023】
本発明の組成物および用剤はまた、運動学習機能の向上、維持および/または改善に用いるためのものである。ここで、「学習機能」は、環境刺激を得ることにより行動を変化させる機能、すなわち、経験や練習により行動を変化させる機能を意味する。「運動学習機能」は、学習機能のうち、運動の側面を持つものである。
【0024】
運動学習機能としては、運動記憶機能が挙げられる。ここで、「運動記憶機能」は、潜在記憶(非意識的な記憶、意識的な処理をほとんど伴わず、自動的に現れる)の一種であり、反復とともに進行していく逐次学習によって特徴づけられる機能、すなわち、経験や練習により得られた運動制御の情報を運動の内部モデルとして蓄える機能を意味する。換言すれば、運動記憶機能により運動制御の情報である情報が脳に蓄積され、運動学習機能によりそれが積み重ねられ運動がアップデートされていく(洗練させる、上達させる)ことになる。
【0025】
後記実施例によれば、本発明のペプチドは小脳におけるドーパミン量を増強する作用を有する。従って、本発明によれば、本発明のペプチドを有効成分として含んでなる、小脳内ドーパミン量増強用組成物および小脳内ドーパミン量増強剤が提供されるとともに、本発明のペプチドを有効成分として含んでなる、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善用組成物並びに小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善剤が提供される。
【0026】
本発明において「機能の向上」とは、例えば、該機能を現状より高めることを含む。また、「機能の維持」とは、例えば、該機能の低下を予防することを含む。さらに、「機能の改善」とは、例えば、いったん低下した該機能や低下の兆しがある症状を回復させることを含む。本発明において「機能の向上、維持および/または改善」は、該機能の増強や、該機能の低下抑制を含む意味で用いられる。
【0027】
本発明の組成物および用剤は、医薬品(例えば、医薬組成物)、医薬部外品、食品、飼料(ペットフード含む)等の形態で提供することができ、下記の記載に従って実施することができる。
【0028】
本発明のペプチドは、ヒトおよび非ヒト動物に経口投与することができる。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤が挙げられる。これらの製剤は、当分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
【0029】
本発明のペプチドを食品として提供する場合には、それをそのまま食品として提供することができ、あるいはそれを食品に含有させて提供することができる。例えば、本発明のペプチドを食品として提供する場合には、本発明のペプチドを含有する、ホエイ分解物等のタンパク質の酵素分解物等を、そのまま食品として提供することができ、あるいはそれを食品に含有させて提供することができる。このようにして提供された食品は本発明のペプチドを有効量含有した食品である。本明細書において、本発明のペプチドを「有効量含有した」とは、個々の食品において通常喫食される量を摂取した場合に後述するような範囲で本発明のペプチドが摂取されるような含有量をいう。また「食品」とは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、保健機能食品(例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品(例えば、幼児用食品、妊産婦用食品、病者用食品)およびサプリメントを含む意味で用いられる。なお、本発明のペプチドをヒト以外の動物に摂取させる場合には、本発明でいう食品が飼料として使用されることはいうまでもない。
【0030】
本発明のペプチドは、上記のような運動制御機能および運動学習機能の向上、維持および改善効果を有するため、日常摂取する食品に含有させることができ、あるいは、サプリメントとして提供することができる。すなわち、本発明の組成物および用剤は食品の形態で提供することができる。この場合、本発明の組成物および用剤は1食当たりに摂取する量が予め定められた単位包装形態で提供することができる。1食当たりの単位包装形態としては、例えば、パック、包装、缶、ボトル等で一定量を規定する形態が挙げられる。本発明の組成物および用剤の各種作用をよりよく発揮させるためには、後述する、本発明のペプチドの1回当たりの摂取量に従って1食当たりの摂取量を決定できる。本発明の食品は、摂取量に関する説明事項が包装に表示されるか、あるいは説明事項が記載された文書等と一緒に提供されてもよい。
【0031】
単位包装形態においてあらかじめ定められた1食当たりの摂取量は、1日当たりの有効摂取量であっても、1日当たりの有効摂取量を2回またはそれ以上(好ましくは2または3回)に分けた摂取量であってもよい。従って、本発明の組成物および用剤の単位包装形態には、後述のヒト1日当たりの摂取量で本発明のペプチドを含有させることができ、あるいは、後述のヒト1日当たりの摂取量の2分の1から6分の1の量で本発明のペプチドを含有させることができる。本発明の組成物および用剤は、摂取の便宜上、1食当たりの摂取量が1日当たりの有効摂取量である、「1食当たりの単位包装形態」で提供することが好ましい。
【0032】
「食品」の形態は特に限定されるものではなく、例えば、飲料の形態であっても、半液体やゲル状の形態であっても、固形体や粉末状の形態であってもよい。また、「サプリメント」としては、本発明のペプチドに賦形剤、結合剤等を加え練り合わせた後に打錠することにより製造された錠剤や、カプセル等に封入されたカプセル剤が挙げられる。
【0033】
本発明で提供される食品は、本発明のペプチドを含有する限り、特に限定されるものではないが、例えば、清涼飲料水、炭酸飲料、果汁入り飲料、野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、牛乳等の畜乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、ドリンクタイプやスティックタイプのゼリー、コーヒー、ココア、茶飲料、栄養ドリンク、エナジー飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター、ニア・ウォーター、ノンアルコールのビールテイスト飲料等の非アルコール飲料;飯類、麺類、パン類およびパスタ類等炭水化物含有飲食品;チーズ類、ハードタイプまたはソフトタイプのヨーグルト、畜乳その他の油脂原料による生クリーム、アイスクリーム等の乳製品;クッキー、ケーキ、チョコレート等の洋菓子類、饅頭や羊羹等の和菓子類、ラムネ等のタブレット菓子(清涼菓子)、キャンディー類、ガム類、ゼリーやプリン等の冷菓や氷菓、スナック菓子等の各種菓子類;ウイスキー、バーボン、スピリッツ、リキュール、ワイン、果実酒、日本酒、中国酒、焼酎、ビール、アルコール度数1%以下のノンアルコールビール、発泡酒、その他雑酒、酎ハイ等のアルコール飲料;卵を用いた加工品、魚介類や畜肉(レバー等の臓物を含む)の加工品(珍味を含む)、味噌汁等のスープ類等の加工食品、みそ、しょうゆ、ふりかけ、その他シーズニング調味料等の調味料、濃厚流動食等の流動食等を例示することができる。なお、ミネラルウォーターは、発泡性および非発泡性のミネラルウォーターのいずれもが包含される。また、本発明で提供される食品には、食品製造原料および食品添加物のいずれもが含まれる。
【0034】
茶飲料としては、発酵茶、半発酵茶および不発酵茶のいずれもが包含され、例えば、紅茶、緑茶、麦茶、玄米茶、煎茶、玉露茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ウコン茶、プーアル茶、ルイボスティー、ローズ茶、キク茶、イチョウ葉茶、ハーブ茶(例えば、ミント茶、ジャスミン茶)が挙げられる。
【0035】
果汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる果物としては、例えば、リンゴ、ミカン、ブドウ、バナナ、ナシ、モモ、マンゴー、アサイー、ブルーベリーおよびウメが挙げられる。また、野菜汁入り飲料や果汁および野菜汁入り飲料に用いられる野菜としては、例えば、トマト、ニンジン、セロリ、カボチャ、キュウリおよびスイカが挙げられる。
【0036】
本発明のペプチドはヒトが食品として長年摂取してきたホエイタンパク質の分解物等に含まれる成分であることから、毒性も低く、それを必要とする哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル、イルカ、アシカ等)に対し安全に用いることができる。本発明のペプチドの摂取量または投与量は、受容者の性別、年齢および体重、症状、投与時間、剤形、投与経路並びに組み合わせる薬剤等に依存して決定できる。本発明のペプチドの成人1回当たりの摂取量および投与量(乾燥質量換算)を例示すると、0.01~100mg(好ましくは0.1~10mg)である。なお、上記の本発明のペプチドの摂取量並びに下記摂取タイミングおよび摂取期間は、本発明のペプチドを非治療目的および治療目的のいずれで使用する場合にも適用があり、治療目的の場合には摂取は投与に読み替えることができる。
【0037】
本発明のペプチドは、例えば、運動を開始する前に摂取または投与を開始することが望ましく、その開始時期は運動開始1日前(好ましくは3日前、より好ましくは5日前、特に好ましくは10日前)とすることができる。本発明のペプチドはまた、例えば、運動を開始する前にできるだけ長い期間摂取または投与することが望ましく、この観点から摂取または投与の終了時期を定めることができ、例えば、運動開始5日前、3日前、1日前または運動開始日とすることができ、好ましくは運動終了日とすることができる。
【0038】
本発明のペプチドは、上記量での摂取または投与を少なくとも1日(好ましくは3日、より好ましくは5日、特に好ましくは10日)間とすることができ、また、上記量での摂取または投与を1日1回(好ましくは、1日2回または1日3回)とすることができる。
【0039】
本発明の組成物および用剤並びに食品には、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善効果を有する旨の表示が付されてもよい。この場合、消費者に理解しやすい表示とするため本発明の組成物および用剤並びに食品には以下の一部または全部の表示が付されてもよい。なお、本発明において「運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善」が以下の表示を含む意味で用いられることはいうまでもない。
・高齢者のつまずきや転倒の防止に。
・運動(またはスポーツ)が上手になりたい方に
・運動(またはスポーツ)の上達を早めたい方に
・スポーツパフォーマンスを向上させたい方に
・スポーツパフォーマンスの向上を早めたい方に
・楽器が上手になりたい方に
・楽器の上達を早めたい方に
・PC操作やゲームが上手になりたい方に
・PC操作やゲームの上達を早めたい方に
・手作業が上手になりたい方に
・手作業の上達を早めたい方に
・手作業の熟練化のために
【0040】
本発明の別の面によれば、有効量の本発明のペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物あるいはそれを含む組成物を、それを必要としている対象に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善方法が提供される。本発明によればまた、有効量の本発明のペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物あるいはそれを含む組成物を、それを必要としている対象に摂取させるか、あるいは投与することを含んでなる、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善方法が提供される。本発明の方法は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。
【0041】
本発明のさらに別の面によれば、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善剤の製造のための本発明のペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の使用と、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善剤の製造のための本発明のペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。本発明の別の面によればまた、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善剤としての本発明のペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の使用と、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善剤としての本発明のペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。本発明の使用は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。
【0042】
本発明のさらにまた別の面によれば、運動制御機能および/または運動学習機能の向上、維持および/または改善に用いるためのGTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物と、小脳内の神経伝達機能および/または小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上、維持および/または改善に用いるためのGTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物が提供される。上記のGTWY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するペプチド並びにその薬学上許容される塩および溶媒和物は、本発明の組成物および用剤に関する記載に従って実施することができる。
【0043】
本発明の方法および本発明の使用はヒトを含む哺乳動物における使用であってもよく、治療的使用と非治療的使用のいずれもが意図される。本明細書において、「非治療的」とはヒトを手術、治療または診断する行為(すなわち、ヒトに対する医療行為)を含まないことを意味し、具体的には、医師または医師の指示を受けた者がヒトに対して手術、治療または診断を行う方法を含まないことを意味する。
【実施例】
【0044】
以下の例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0045】
実施例1:GTWY摂取による協調運動機能および運動学習機能の増強
(1)試験方法
ア 群分け
7週齢の雄性C57BL/6Jマウス(日本チャールス・リバー社)に固形飼料CE-2(日本クレア社製、以下同様)を自由摂食させて7日間馴化飼育した。馴化後、マウスを2群に分け、被験飼料としてGTWYを摂取させる群を「試験群」(12匹)、GTWYを摂取させない群を「対照群」(8匹)として試験を開始した。なお、試験開始時の両群の体重(平均体重±標準誤差で表記した。以下同じ。)は、試験群が25.9±0.5g、対照群が25.0±0.4gであり、群間で有意な差は確認されなかった(t検定)。
【0046】
イ 被験飼料の摂取
各群のマウスに被験飼料を14日間(試験1日目~14日目)経口摂取させた。試験スケジュールを表1に示す。具体的には、1日1回午前10時前後にゾンデを用いて被験飼料を強制摂取させた。被験飼料として、試験群にはGTWY(合成ペプチド、ナード社製)を蒸留水に溶解した0.1mg/mLのGTWY水溶液をGTWY摂取量が1mg/kg体重となるように摂取させ、対照群には10mL/kg体重の蒸留水を摂取させた。なお、試験期間中、マウスは個別ケージで飼育し、固形飼料CE-2を自由摂食させた。
【表1】
【0047】
ウ ロータロッド試験による協調運動機能の評価
ロータロッド試験(Rotarod test)は、一定のスピードで回転する棒の上にマウスを載せ歩行させる試験であり、回転する棒の動きに合わせて歩行を制御する機能、すなわち協調運動機能を評価する試験系である。協調運動機能の高い個体は棒の上での滞在時間が長くなるが、協調運動機能の低い個体は棒の上をうまく歩行できずに落下し滞在時間が短くなるため、滞在時間を協調運動機能の指標として評価することができる。また、歩行運動は繰り返し測定を行うことで上達し滞在時間が増加することから、この現象を利用して運動学習機能についても評価することが可能である(武田弘志、辻稔、赤池昭紀「実践行動薬理学」、金芳堂社、16-17頁、2010年)。
【0048】
ロータロッド試験に先立ってマウスをロータロッド装置へ馴化させるため、試験10日目と11日目の2日間、回転させない棒の上にマウスを1日当たり3分間載せた。次いで、試験12日目~14日目の3日間(試行1日目~3日目)ロータロッド試験を実施して各個体のロータロッド滞在時間を測定した。具体的には、ロータロッド試験装置(MK-670、室町機械社製)を用いて回転軸径9cm、着地面からの高さ25.5cm、回転速度10rpm、かつ1試行の最大時間180秒の条件で1日5回(5試行)ロータロッド試験を実施した。すなわち、試行1日目に試行1~5を、試行2日目に試行6~10を、試行3日目に試行11~15を行った。各試行日において被験飼料を摂取させてから1時間後に1回目のロータロッド試験を開始した。各個体について各試行日の5試行における滞在時間の合計を算出して、各群について各試行日の5試行における平均合計滞在時間を算出した(
図1)。また、各群について各試行の平均滞在時間を算出した(
図2)。
【0049】
(2)結果
結果は
図1および
図2に示される通りであった。
【0050】
図1の結果から、GTWYを摂取させた試験群では対照群に比べて試行1日目の合計滞在時間が有意に増加し(t検定、p<0.05)、また、試行2日目および3日目の合計滞在時間が増加傾向を示した(t検定、2日目:p=0.08、3日目:p=0.06)。これらの結果から、GTWYを摂取させることにより協調運動機能が増強されることが確認された。
図2の結果から、試験群および対照群の1回目の試行における滞在時間には差が無かったものの、GTWYを摂取させた試験群では対照群に比べて3、4、5回目の試行における滞在時間が有意に増加し(t検定、p<0.05)、また、12、14回目の試行における滞在時間が増加傾向を示した(t検定)。これらの結果から、GTWYを摂取させることにより運動記憶機能の増強に基づいて運動学習機能が増強されることが確認された。
【0051】
実施例2:GTWY摂取による小脳ドーパミン量の増強
協調運動機能や運動学習機能には小脳の活動が重要な役割を果たしていることが報告されている(樋口貴広、森岡周「身体運動学 知覚・認知からのメッセージ」、三輪書店、219-242頁、2008年)。GTWY摂取による協調運動機能や運動学習機能の増強の作用機序を解明するために、小脳機能の指標として小脳におけるドーパミン量を測定した。
【0052】
(1)試験方法
ア 群分け
5週齢の雄性CD-1Jマウス(日本チャールス・リバー社)に固形飼料CE-2を自由摂食させて10日間馴化飼育した。馴化後、7週齢のマウスを2群に分け、被験飼料としてGTWYを摂取させる群を「試験群」(10匹)、GTWYを摂取させない群を「対照群」(10匹)として試験を開始した。なお、試験開始時の両群の平均体重は、試験群が33.0±0.6g、対照群が32.4±0.9gであり、群間で有意な差は確認されなかった(t検定)。
【0053】
イ 被験飼料の摂取
各群の7週齢マウスに被験飼料を5日間(試験1日目~5日目)経口摂取させた。具体的には、1日1回午後3時前後にゾンデを用いて被験飼料を強制摂取させた。被験飼料として、試験群にはGTWY(合成ペプチド、ナード社製)を蒸留水に溶解した0.1mg/mLのGTWY水溶液をGTWY摂取量が1mg/kg体重となるように摂取させ、対照群には10mL/kg体重の蒸留水を摂取させた。なお、試験期間中、マウスは個別ケージで飼育し固形飼料CE-2を自由摂食させた。
【0054】
ウ ドーパミン量の定量
試験5日目における被験飼料の投与から1時間後に小脳を摘出した。プロテアーゼ阻害剤(BioVision社製)を含むTBSバッファー(pH7.4、ニッポンジーン社製)中で摘出した小脳をホモジネートし、遠心分離(15,000rpm、30分間)して上清を回収した。回収した上清に過塩素酸を添加して除タンパク処理を行い、次いで、メッシュ径0.22μmのフィルターを用いてろ過することにより、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルをHPLC-ECDシステム(700series、エイコム社製)に導入して、サンプル中のドーパミンを定量した。分離カラムとしてODSカラム(EICOMPAK SC-5ODS;内径2.1mm、長さ150mm、エイコム社製)を用い、移動相として17%メタノール/0.1M酢酸-クエン酸バッファー(流速230μL/分)を用いた。作用電極としてWE-3G(エイコム社製)を用い、印加電圧+750mVにてドーパミンを検出した。ドーパミン標品(Sigma社製)を用いて検量線を作成し、サンプル中のドーパミン量を算出した。
【0055】
【0056】
図3の結果から、GTWYを摂取させた試験群では対照群に比べて小脳のドーパミン量が有意に増加することが示された(t検定、p<0.05)。小脳のドーパミン量の増加は小脳内の神経伝達機能の向上と、小脳と他の脳組織との神経伝達機能の向上をもたらす(Frontiersin Neurology, Volume5, Article 68(2014))。この結果および実施例1の結果から、GTWYを摂取させると小脳のドーパミン量が増加し、それに伴い小脳内の神経伝達機能と小脳と他の脳組織の神経伝達機能が向上し、それにより小脳の協調運動機能や運動学習機能の増強が起こることが示唆された。すなわち、GTWYは小脳内のドーパミン量を増加させ、小脳内の神経伝達機能を向上させる効果を有すること、また、小脳と他の脳組織の神経伝達機能を向上させる効果を有することが示された。
【配列表】