IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日鐵住金株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-アンローダ 図1
  • 特許-アンローダ 図2
  • 特許-アンローダ 図3
  • 特許-アンローダ 図4
  • 特許-アンローダ 図5
  • 特許-アンローダ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】アンローダ
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/60 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
B65G67/60 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018199079
(22)【出願日】2018-10-23
(65)【公開番号】P2020066491
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂
(72)【発明者】
【氏名】石橋 大希
(72)【発明者】
【氏名】寺司 周平
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-049110(JP,B1)
【文献】特開2011-213461(JP,A)
【文献】特開昭58-207210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
岸壁に沿って延びるように敷設された一対のレール上に設けられるアンローダであって、
鉛直方向と前記レールの延伸方向とに直交する方向を横行方向として、
前記一対のレールのうち前記岸壁に近い方のレールに支持された海脚部および前記一対のレールのうち前記横行方向において前記岸壁から遠い方のレールに支持された陸脚部を有し、かつ前記一対のレールに沿って走行可能に設けられた支持構造部と、
前記支持構造部に支持され、陸側から海側に突出するように前記横行方向に延びる桁部と、
前記横行方向および鉛直方向に移動可能に前記桁部に支持され、貨物船からばら物を掴み取るグラブバケットと、
前記支持構造部に支持され、前記横行方向において前記海脚部と前記陸脚部との中心よりも前記岸壁から陸側に離れた位置に設けられたホッパーと、
前記支持構造部に支持され、前記グラブバケットから投下されたばら物を前記横行方向において前記海脚部よりも海側で受け取り、かつ受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する搬送機構と、
を備え、
前記搬送機構は、
前記グラブバケットから投下された前記ばら物を前記横行方向において前記岸壁よりも海側で受け取る第1搬送部と、
前記横行方向において前記岸壁よりも陸側で前記第1搬送部から前記ばら物を受け取り、受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する第2搬送部と、を有し、
前記第1搬送部は、グラブバケットから受け取ったばら物を横行方向に搬送するベルトコンベアを有し、
前記ベルトコンベアは、平面視において前記横行方向に延びるように設けられ、かつ前記一対のレールの前記延伸方向から見て、水平方向に対して所定の第1角度で傾斜する受取姿勢と、水平方向に対して前記第1角度よりも大きい第2角度で傾斜する格納姿勢とに姿勢を調整できるように、前記支持構造部に支持されている、アンローダ。
【請求項2】
岸壁に沿って延びるように敷設された一対のレール上に設けられるアンローダであって、
鉛直方向と前記レールの延伸方向とに直交する方向を横行方向として、
前記一対のレールのうち前記岸壁に近い方のレールに支持された海脚部および前記一対のレールのうち前記横行方向において前記岸壁から遠い方のレールに支持された陸脚部を有し、かつ前記一対のレールに沿って走行可能に設けられた支持構造部と、
前記支持構造部に支持され、陸側から海側に突出するように前記横行方向に延びる桁部と、
前記横行方向および鉛直方向に移動可能に前記桁部に支持され、貨物船からばら物を掴み取るグラブバケットと、
前記支持構造部に支持され、前記横行方向において前記海脚部と前記陸脚部との中心よりも前記岸壁から陸側に離れた位置に設けられたホッパーと、
前記支持構造部に支持され、前記グラブバケットから投下されたばら物を前記横行方向において前記海脚部よりも海側で受け取り、かつ受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する搬送機構と、
を備え、
前記搬送機構は、
前記グラブバケットから投下された前記ばら物を前記横行方向において前記岸壁よりも海側で受け取る第1搬送部と、
前記横行方向において前記岸壁よりも陸側で前記第1搬送部から前記ばら物を受け取り、受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する第2搬送部と、を有し、
前記第1搬送部は、前記横行方向に移動可能に前記桁部に支持されかつグラブバケットからばら物を受け取る第1ベルトコンベアと、ばら物を前記第1ベルトコンベアから受け取って前記第2搬送部へ搬送する第2ベルトコンベアとを有し、
前記第2ベルトコンベアは、前記横行方向において前記海脚部から海側に所定長さ突出した受取位置と、前記横行方向において前記受取位置よりも陸側の格納位置との間で移動できるように、前記横行方向に進退可能に前記支持構造部に支持されている、アンローダ。
【請求項3】
岸壁に沿って延びるように敷設された一対のレール上に設けられるアンローダであって、
鉛直方向と前記レールの延伸方向とに直交する方向を横行方向として、
前記一対のレールのうち前記岸壁に近い方のレールに支持された海脚部および前記一対のレールのうち前記横行方向において前記岸壁から遠い方のレールに支持された陸脚部を有し、かつ前記一対のレールに沿って走行可能に設けられた支持構造部と、
前記支持構造部に支持され、陸側から海側に突出するように前記横行方向に延びる桁部と、
前記横行方向および鉛直方向に移動可能に前記桁部に支持され、貨物船からばら物を掴み取るグラブバケットと、
前記支持構造部に支持され、前記横行方向において前記海脚部と前記陸脚部との中心よりも前記岸壁から陸側に離れた位置に設けられたホッパーと、
前記支持構造部に支持され、前記グラブバケットから投下されたばら物を前記横行方向において前記海脚部よりも海側で受け取り、かつ受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する搬送機構と、
を備え、
前記アンローダは、前記ホッパーから排出される前記ばら物を受け取り、陸上に設置された別の搬送機構まで前記ばら物を搬送する第3搬送部を備え、
前記ホッパーは、前記ばら物を排出する複数の排出口を備え、
前記第3搬送部は、前記複数の排出口のそれぞれに対応する複数のベルトコンベアを備える、アンローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶からばら物を陸揚げするためのグラブバケット式のアンローダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾施設において、着岸した貨物船から鉄鉱石および石炭等のばら物を陸揚げするために、グラブバケット式のアンローダが用いられている。
【0003】
グラブバケット式のアンローダでは、一般に、グラブバケットが貨物船の船倉内のばら物を掴み、その後、そのグラブバケットが陸上に設置されたホッパー上まで移動してばら物をホッパー内に投下する。ホッパー内に投下されたばら物は、ベルトコンベア等の搬送機構によって、所定の原料ヤードへ搬送される。このようにして、ばら物が貨物船から原料ヤードへ搬送される。
【0004】
ところで、滞船料の発生を避けるためには、船倉内のばら物を迅速に陸揚げする必要がある。そこで、従来、ばら物を迅速に陸揚げするために種々の方法が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1に開示された揚貨方法では、貨物船上にホッパーを設けるとともに、ばら物を該ホッパーから陸上に搬送するためのベルトコンベアが設けられる。この揚貨方法では、ホッパーが貨物船上に設けられるので、船倉からホッパーにばら物を搬送する際のグラブバケットの移動距離を短くできる。これにより、船倉内のばら物をホッパーに迅速に搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭63-41323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の方法では、グラブバケットによるばら物の搬出位置(アンローダの位置)に応じて、ホッパーを貨物船の長さ方向に移動させる必要がある。また、ホッパーの位置に応じて、ホッパーに接続されたベルトコンベアの位置も調整する必要がある。このため、ばら物の陸揚げに要する時間を短縮することは難しい。
【0008】
そこで、本発明は、ばら物の陸揚げに要する時間を短縮できるアンローダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記のアンローダを要旨とする。
【0010】
(1)岸壁に沿って延びるように敷設された一対のレール上に設けられるアンローダであって、
鉛直方向と前記レールの延伸方向とに直交する方向を横行方向として、
前記一対のレールのうち前記岸壁に近い方のレールに支持された海脚部および前記一対のレールのうち前記横行方向において前記岸壁から遠い方のレールに支持された陸脚部を有し、かつ前記一対のレールに沿って走行可能に設けられた支持構造部と、
前記支持構造部に支持され、陸側から海側に突出するように前記横行方向に延びる桁部と、
前記横行方向および鉛直方向に移動可能に前記桁部に支持され、貨物船からばら物を掴み取るグラブバケットと、
前記支持構造部に支持され、前記横行方向において前記海脚部と前記陸脚部との中心よりも前記岸壁から陸側に離れた位置に設けられたホッパーと、
前記支持構造部に支持され、前記グラブバケットから投下されたばら物を前記横行方向において前記海脚部よりも海側で受け取り、かつ受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する搬送機構と、
を備えるアンローダ。
【0011】
(2)前記搬送機構は、
前記グラブバケットから投下された前記ばら物を前記横行方向において前記岸壁よりも海側で受け取る第1搬送部と、
前記横行方向において前記岸壁よりも陸側で前記第1搬送部から前記ばら物を受け取り、受け取った前記ばら物を前記ホッパーへ搬送する第2搬送部と、
を有する上記(1)に記載のアンローダ。
【0012】
(3)前記第1搬送部は、グラブバケットから受け取ったばら物を横行方向に搬送するベルトコンベアを有し、
前記ベルトコンベアは、平面視において前記横行方向に延びるように設けられ、かつ前記一対のレールの前記延伸方向から見て、水平方向に対して所定の第1角度で傾斜する受取姿勢と、水平方向に対して前記第1角度よりも大きい第2角度で傾斜する格納姿勢とに姿勢を調整できるように、前記支持構造部に支持されている、上記(2)に記載のアンローダ。
【0013】
(4)前記第1搬送部は、グラブバケットから受け取ったばら物を前記第2搬送部へ搬送する1以上のベルトコンベアを有し、
前記1以上のベルトコンベアは、前記横行方向において前記海脚部から海側に所定長さ突出した受取位置と、前記横行方向において前記受取位置よりも陸側の格納位置との間で移動できるように、前記横行方向に進退可能に前記支持構造部に支持されている、上記(2)に記載のアンローダ。
【0014】
(5)前記第1搬送部は、前記横行方向に移動可能に前記桁部に支持されかつグラブバケットからばら物を受け取る第1ベルトコンベアと、ばら物を前記第1ベルトコンベアから受け取って前記第2搬送部へ搬送する第2ベルトコンベアとを有し、
前記第2ベルトコンベアは、前記横行方向において前記海脚部から海側に所定長さ突出した受取位置と、前記横行方向において前記受取位置よりも陸側の格納位置との間で移動できるように、前記横行方向に進退可能に前記支持構造部に支持されている、上記(2)に記載のアンローダ。
【0015】
(6)前記アンローダは、前記ホッパーから排出される前記ばら物を受け取り、陸上に設置された別の搬送機構まで前記ばら物を搬送する第3搬送部を備え、
前記ホッパーは、前記ばら物を排出する複数の排出口を備え、
前記第3搬送部は、前記複数の排出口のそれぞれに対応する複数のベルトコンベアを備える、
上記(1)から(5)のいずれかに記載のアンローダ。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ばら物の陸揚げに要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るアンローダを示す概略側面図である。
図2図2は、図1のアンローダを陸側から海側に見た概略図である。
図3図3は、本発明の第2実施形態に係るアンローダを示す概略側面図である。
図4図4は、図3のアンローダを陸側から海側に見た概略図である。
図5図5は、本発明の第3実施形態に係るアンローダを示す概略側面図である。
図6図6は、図5のアンローダを陸側から海側に見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係るアンローダについて図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るアンローダを示す概略側面図である。また、図2は、図1のアンローダ10を陸側から海側に見た概略図である。なお、図2は、主にばら物の搬送経路を説明するための図であり、図2においては、図面を簡略化するために、図1に示されたアンローダ10のうちの一部の構成要素の図示を省略している。
【0020】
図1に示すように、アンローダ10は、港湾施設に着岸した貨物船1からばら物3を陸揚げする装置である。本実施形態に係るアンローダ10は、支持構造部12と、桁部14と、グラブバケット16と、ホッパー18と、搬送機構20とを備えている。
【0021】
図1および図2に示すように、アンローダ10は、岸壁5に沿って設けられた一対のレール7a,7b上に設けられる。以下、一対のレール7a,7bのうち、岸壁5に近い方のレール7aを海側レール7aとも呼び、岸壁5から遠い方のレール7bを陸側レール7bとも呼ぶ。
【0022】
なお、図2においては、レール7a,7bの延伸方向を矢印Xで示している。以下においては、レール7a,7bの延伸方向を、延伸方向Xと記載する。また、図1においては、鉛直方向と延伸方向Xとに直交する方向を矢印Yで示している。以下においては、鉛直方向と延伸方向Xとに直交する方向を、横行方向Yと記載する。また、以下においては、陸上の任意の位置を基準として、横行方向Yにおいて海に近い側を海側とし、横行方向Yにおいて海から遠い側を陸側とする。
【0023】
図1に示すように、支持構造部12は、海側レール7aに支持された海脚部12aおよび陸側レール7bに支持された陸脚部12bを有している。本実施形態では、海脚部12aおよび陸脚部12bは、レール7a,7bに沿って延伸方向Xに走行できるように、複数の走行装置22を介してレール7a,7bに支持されている。なお、支持構造部12および走行装置22の構成としては公知の支持構造部および走行装置の構成を利用できるので、詳細な説明は省略する。
【0024】
桁部14は、支持構造部12の上部に支持され、陸側から海側に突出するように横行方向Yに延びている。本実施形態では、桁部14は、支持構造部12上において横行方向Yに延びるガーダ14aと、ガーダ14aよりも海側に設けられたブーム14bとを備えている。ブーム14bは、ガーダ14aに対して傾斜できるように、揺動可能に設けられている。なお、桁部14の構成としては、公知の桁部の構成を利用できるので、詳細な説明は省略する。
【0025】
グラブバケット16は、横行方向Y及び鉛直方向に移動可能に桁部14に支持されている。なお、グラブバケット16の構成としては、公知のグラブバケットの構成を利用できるので、詳細な説明は省略する。また、桁部14によるグラブバケット16の支持機構についても、公知の支持機構を利用できるので、詳細な説明は省略する。なお、図示および説明は省略するが、桁部14には、機械室および運転室等の公知の構成要素が必要に応じて設けられる。
【0026】
ホッパー18は、支持構造部12に支持されている。本実施形態では、ホッパー18は、横行方向Yにおいて海脚部12aと陸脚部12bとの中心よりも岸壁5から陸側に離れた位置に設けられている。すなわち、ホッパー18は、横行方向Yにおいて、海脚部12aと陸脚部12bとの中心よりも陸側に位置している。なお、ホッパー18は、全ての部分が上記中心よりも陸側に位置するように設けられることが好ましい。本実施形態では、ホッパー18は、横行方向Yにおいて、陸脚部12bよりも陸側に位置している。なお、ホッパー18を支持構造部12に支持させるための構成については特に限定されない。
【0027】
図1に示すように、搬送機構20は、支持構造部12に支持されている。図1および図2に示すように、搬送機構20は、グラブバケット16から投下されたばら物3を、横行方向Yにおいて海脚部12aよりも海側で受け取る。搬送機構20は、グラブバケット16から受け取ったばら物3を、ホッパー18を介して陸上に設置された複数のベルトコンベア24a~24dへ搬送する。
【0028】
本実施形態では、搬送機構20は、グラブバケット16から投下されたばら物3を横行方向Yにおいて岸壁5よりも海側で受け取る第1搬送部30と、横行方向Yにおいて岸壁5よりも陸側で第1搬送部30からばら物3を受け取ってホッパー18へ搬送する第2搬送部40と、ホッパー18からばら物3を受け取ってベルトコンベア24a~24dへ搬送する第3搬送部50とを備えている。以下、第1搬送部30、第2搬送部40および第3搬送部50について詳細に説明する。なお、図1および図2においては、グラブバケット16からベルトコンベア24a~24dへのばら物3の搬送経路を、二点鎖線の矢印3a~3iによって示している。
【0029】
第1搬送部30は、ベルトコンベア32と、ベルトコンベア32を支持するガーダ34(図1参照)と、ベルトコンベア32の海側の端部に設けられる集塵フード36(図1参照)とを備えている。集塵フード36は、横行方向Yにおいてベルトコンベア32から海側にばら物3が落下すること、およびベルトコンベア32の幅方向(延伸方向X)における両側からばら物3が落下することを防止できるように、平面視において略U字形状を有している。
【0030】
ベルトコンベア32およびガーダ34は、平面視において横行方向Yに延びるように設けられている。ベルトコンベア32およびガーダ34は、支持機構38a,38bを介して支持構造部12に揺動可能に支持されている。具体的には、ベルトコンベア32およびガーダ34は、延伸方向Xから見て、水平方向に対して所定の第1角度で傾斜する受取姿勢(図1に実線および破線で示す姿勢)と、水平方向に対して第1角度よりも大きい第2角度で傾斜する格納姿勢(図1に一点鎖線で示す姿勢)とに姿勢を調整できるように、支持構造部12に支持されている。本実施形態では、ベルトコンベア32およびガーダ34は、海脚部12aの近傍を揺動中心として揺動可能に設けられている。
【0031】
本実施形態では、ベルトコンベア32およびガーダ34の海側の端部は、受取姿勢では、横行方向Yにおいて岸壁5よりも海側に位置し、格納姿勢では、横行方向Yにおいて岸壁5よりも陸側に位置する。
【0032】
なお、本実施形態では、ベルトコンベア32およびガーダ34は、いずれの姿勢(受取姿勢および格納姿勢)においても、海側の端部が陸側の端部よりも上方に位置するように水平方向に対して傾斜している。ベルトコンベア32およびガーダ34の姿勢は、貨物船1が着岸するまでは、格納姿勢で維持され、貨物船1が着岸した後、受取姿勢に変更される。
【0033】
ベルトコンベア32およびガーダ34が受取姿勢になった後、グラブバケット16は、貨物船1から掴み取ったばら物3を、矢印3aで示すように、ベルトコンベア32の海側の端部の上方から投下する。ベルトコンベア32は、グラブバケット16から受け取ったばら物3を、矢印3bで示すように、第2搬送部40に向かって横行方向Yに搬送する。
【0034】
なお、本実施形態では、グラブバケット16からベルトコンベア32にばら物3を投下する際にベルトコンベア32からばら物3が落下することを、集塵フード36によって防止することができる。なお、集塵フード36の代わりに、ばら物3の落下を防止するための板状部材を設けてもよい。また、本実施形態では、ベルトコンベア32のベルトとして、例えば、2.5~5.0m程度の十分な大きさの幅(延伸方向Xの長さ)を有するベルトが利用される。これにより、ベルトコンベア32からばら物3が落下することをより十分に防止することができる。
【0035】
また、本実施形態では、ベルトコンベア32のベルトは、例えば、幅方向における中央部が略平坦でかつ幅方向における両端部が中央部に対して上方に傾斜するように設けられている。すなわち、ベルトコンベア32のベルトは、トラフ形状(凹形状)を呈するように設けられている。これにより、搬送中のばら物3がベルトから落下することを十分に防止することができる。なお、詳細な説明は省略するが、後述する他のベルトコンベアのベルトも同様に設けることができる。
【0036】
なお、ベルトコンベア32の海側のグラブバケット16を開く位置(ばら物3が投下される位置)のベルトの上方に、荷重受け用の複数の梁を設置してもよい。この場合、グラブバケット16からばら物3を受ける際の、ベルトコンベア32のベルトにかかる衝撃荷重を緩和でき、ベルトの破損防止につながる。なお、上記複数の梁は、例えば、集塵フード36(または、ばら物3の落下を防止するための板状部材)の上端よりも低い位置に設けられる。
【0037】
また、ベルトコンベア32の海側のグラブバケット16を開く位置のベルトの直下に、複数の荷重受け部材(たとえば梁やローラ)を設置してもよい。この位置に荷重受け部材を密に設置しておくことで、ばら物がベルト上に落下する際にベルトにかかる荷重を荷重受け部材で支持することができ、ベルトの破損防止につながる。
【0038】
また、ベルト上のばら物3の厚みを略一定にするために、ベルトコンベア32において、グラブバケット16からばら物3を受け取る位置よりも下流(陸側)の位置に、摺り切り梁を設けてもよい。なお、ベルト上のばら物3の厚みは、20~30cm程度に調整することが好ましい。
【0039】
第2搬送部40は、複数のベルトコンベア42,44を備えている。なお、図面が煩雑になることを避けるために図示は省略するが、ベルトコンベア42,44および第3搬送部50の後述するベルトコンベア46,48はそれぞれ、ガーダを介して支持構造部12に支持されている。なお、ベルトコンベア42~48を支持するガーダおよびガーダを支持構造部12に取り付ける構成としては、公知の種々の構成を利用できるので、詳細な説明は省略する。
【0040】
ベルトコンベア42は、平面視において延伸方向Xに延びるように設けられている。矢印3bで示すように、第1搬送部30のベルトコンベア32によって搬送されたばら物3は、ベルトコンベア32からベルトコンベア42へ落下する。ベルトコンベア42は、ベルトコンベア32から受け取ったばら物3を、矢印3cで示すように、ベルトコンベア44に向かって延伸方向Xに搬送する。
【0041】
ベルトコンベア44は、平面視において横行方向Yに延びるように設けられている。また、延伸方向Xから見て、ベルトコンベア44は、陸側の端部が海側の端部よりも上方に位置するように水平方向に対して傾斜するように設けられている。
【0042】
矢印3cで示すように、ベルトコンベア42によって搬送されたばら物3は、ベルトコンベア42からベルトコンベア44へ落下する。ベルトコンベア44は、ベルトコンベア42から受け取ったばら物3を、矢印3dで示すように、ホッパー18に向かって横行方向Yに搬送する。
【0043】
図2に示すように、本実施形態では、ホッパー18は、二股構造を有し、投入口18aと、2つの排出口18b,18cとを有している。図1および図2に矢印3d,3eで示すように、ベルトコンベア44によって搬送されたばら物3は、投入口18aからホッパー18内に投入される。本実施形態では、第3搬送部50は、2つのベルトコンベア46,48を有し、図2に矢印3f,3gで示すように、ホッパー18内に投入されたばら物3は2分されて、排出口18b,18cから第3搬送部50のベルトコンベア46,48へ落下する。
【0044】
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、ホッパー18内には各排出口(図2では排出口18bおよび排出口18c)から排出されるばら物3の量を調整するための調整装置(調整ダンパ)が設けられている。
【0045】
第3搬送部50のベルトコンベア46,48はそれぞれ、平面視において横行方向Yに延びるように設けられている。本実施形態では、ベルトコンベア46,48はそれぞれ、横行方向Yに移動可能に設けられたシャトル式のベルトコンベアである。
【0046】
ベルトコンベア46,48は、ホッパー18から受け取ったばら物3を、矢印3h,3iで示すように、陸上に設置された搬送機構24に向かって横行方向Yに搬送する。搬送機構24は、複数のベルトコンベア24a~24dを有している。本実施形態では、ベルトコンベア46,48の横行方向Yの位置を調整することによって、ベルトコンベア46,48から4つのベルトコンベア24a~24dのうちのいずれかにばら物3が投下される。ベルトコンベア24a~24dは、受け取ったばら物3をそれぞれ所定の原料ヤード(図示せず)へ搬送する。
【0047】
以上のように、本実施形態では、搬送機構20は、海脚部12aよりも海側で、グラブバケット16から投下されたばら物3を受け取ることができる。この場合、グラブバケット16の移動距離を短くすることができるので、所定時間内におけるグラブバケット16によるばら物3の搬送回数を十分に増やすことができる。これにより、貨物船1内のばら物3を迅速に陸揚げすることが可能になる。
【0048】
また、本実施形態では、ホッパー18は、横行方向Yにおいて海脚部12aと陸脚部12bとの中心よりも陸側に位置するように、支持構造部12によって支持されている。これにより、搬送機構20を海脚部12aよりも海側に突出させた場合でも、アンローダ10の重心が海側に偏り過ぎることを防止できる。より具体的には、アンローダ10の重心を、横行方向Yにおいて、レール7aとレール7bとの間に位置付けることができる。その結果、アンローダ10を安定してレール7a,7b上に設置することができる。
【0049】
また、本実施形態では、ホッパー18および搬送機構20は、支持構造部12と一体的に延伸方向Xに移動する。このため、特許文献1に開示された従来の方法のように、アンローダの位置(グラブバケットがばら物を掴む位置)に応じて、ホッパーおよび搬送機構の位置を調整する必要がない。これにより、従来の方法に比べて、ばら物の陸揚げに要する時間を十分に短縮することができる。
【0050】
さらに、本実施形態では、ホッパー18が2つの排出口18b,18cを備え、第3搬送部50は、排出口18b,18cの各々に対応する2本のベルトコンベア46,48を備える。このような構成によって、ホッパー18において分散されたばら物3を、ベルトコンベア46,48によって、搬送機構24の複数のベルトコンベア24a~24dのうちのいずれか2つに同時に払い出すことができる。すなわち、本実施形態では、1台のアンローダ10から陸上に設置された2つのベルトコンベアに同時にばら物3を払い出すことができる。この場合、いずれか2つのベルトコンベアを同時に稼働してばら物3を搬送することができるので、複数のベルトコンベア24a~24dの稼働率を上げることができる。これにより、ベルトコンベア24a~24dそれぞれの搬送能力を向上させることができない場合でも、アンローダ10によって効率よく陸揚げされたばら物3を、複数のベルトコンベア24a~24dによって滞ることなく原料ヤードに搬送することができる。すなわち、貨物船1から原料ヤードへのばら物3の搬送効率を向上させることができる。
【0051】
なお、ホッパーに設けられる排出口の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。また、第3搬送部のベルトコンベアの数も2つに限定されず、ホッパーの複数の排出口にそれぞれ対応できるように第3搬送部が複数のベルトコンベアを備えていてもよい。後述の第2実施形態および第3実施形態においても同様である。
【0052】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係るアンローダを示す概略側面図である。また、図4は、図3のアンローダ10aを陸側から海側に見た概略図である。なお、図4は、主にばら物の搬送経路を説明するための図であり、図4においては、図面を簡略化するために、図3に示されたアンローダ10aのうちの一部の構成要素の図示を省略している。
【0053】
図3に示すように、本実施形態に係るアンローダ10aは、貨物船1からばら物3を陸揚げする装置である。アンローダ10aは、支持構造部12と、桁部14と、グラブバケット16と、ホッパー18と、搬送機構20aとを備えている。なお、支持構造部12、桁部14、グラブバケット16およびホッパー18については、上述のアンローダ10と同様の構成を有しているので説明を省略する。また、図3においては、図面が煩雑になることを避けるために、ホッパー18を支持構造部12に支持させるための構成については図示を省略している。
【0054】
図3に示すように、搬送機構20aは、支持構造部12に支持されている。図3および図4に示すように、搬送機構20aは、グラブバケット16から投下されたばら物3を、横行方向Yにおいて海脚部12aよりも海側で受け取る。搬送機構20aは、グラブバケット16から受け取ったばら物3を、ホッパー18を介して陸上に設置された複数のベルトコンベア24a~24dへ搬送する。
【0055】
本実施形態では、搬送機構20aは、グラブバケット16から投下されたばら物3を横行方向Yにおいて岸壁5よりも海側で受け取る第1搬送部60と、横行方向Yにおいて岸壁5よりも陸側で第1搬送部60からばら物3を受け取ってホッパー18へ搬送する第2搬送部70と、ホッパー18からばら物3を受け取ってベルトコンベア24a~24dへ搬送する第3搬送部50とを備えている。以下、第1搬送部60および第2搬送部70について詳細に説明する。なお、第3搬送部50については、上述のアンローダ10と同様の構成を有しているので説明を省略する。また、図3および図4においては、グラブバケット16からベルトコンベア24a~24dへのばら物3の搬送経路を、二点鎖線の矢印によって示している。
【0056】
第1搬送部60は、ベルトコンベア62と、ベルトコンベア62を支持するガーダ64(図4参照)と、延伸方向Xにおけるベルトコンベア62の一方側の端部に設けられる集塵フード36(図3参照)と、延伸方向Xにおけるベルトコンベア62の他方側に設けられるベルトコンベア66と、ベルトコンベア66を支持する架台68とを備えている。本実施形態では、集塵フード36は、ベルトコンベア62から延伸方向Xにおける一方側にばら物3が落下すること、およびベルトコンベア62の幅方向(横行方向Y)における両側からばら物3が落下することを防止できるように設けられている。
【0057】
ベルトコンベア62は、平面視において延伸方向Xに延びるように設けられている。ガーダ64は、平面視において横行方向Yに延びるように設けられている。本実施形態では、ベルトコンベア62は、ガーダ64の海側の端部に支持されている。ガーダ64は、図示しない支持機構を介して横行方向Yに移動可能に支持構造部12に支持されている。言い換えると、ベルトコンベア62は、ガーダ64を介して横行方向Yに進退可能に支持構造部12に支持されている。
【0058】
本実施形態では、ベルトコンベア62およびガーダ64は、横行方向Yにおいて海脚部12aから海側に所定長さ突出した受取位置(図3に実線で示す位置)と、横行方向Yにおいて上記受取位置よりも陸側の格納位置(図3に一点鎖線で示す位置)との間で移動できるように、支持構造部12に支持されている。ベルトコンベア62およびガーダ64の海側の端部は、受取位置では、横行方向Yにおいて岸壁5よりも海側に位置し、格納位置では、横行方向Yにおいて岸壁5よりも陸側に位置する。
【0059】
ベルトコンベア66および架台68は、平面視において横行方向Yに延びるように設けられている。架台68は、支持構造部12に支持されている。架台68は、ベルトコンベア66を横行方向Yに移動可能に支持している。言い換えると、ベルトコンベア66は、架台68を介して横行方向Yに進退可能に支持構造部12に支持されたシャトル式のベルトコンベアである。
【0060】
本実施形態では、ベルトコンベア66は、横行方向Yにおいて海脚部12aから海側に所定長さ突出した受取位置(図3に実線および破線で示す位置)と、横行方向Yにおいて上記受取位置よりも陸側の格納位置(図3に一点鎖線で示す位置)との間で移動できるように、支持構造部12に支持されている。ベルトコンベア66の海側の端部は、受取位置では、横行方向Yにおいて岸壁5よりも海側に位置し、格納位置では、横行方向Yにおいて岸壁5よりも陸側に位置する。
【0061】
なお、受取位置におけるベルトコンベア62およびガーダ64の海側への突出量は、適宜調整される。また、受取位置におけるベルトコンベア66の海側への突出量は、ベルトコンベア62の最大突出量に対応できる位置で固定してもよく、ベルトコンベア62の位置に応じて適宜調整してもよい。
【0062】
本実施形態では、ベルトコンベア62、ガーダ64およびベルトコンベア66は、貨物船1が着岸するまでは、格納位置に設けられ、貨物船1が着岸した後、受取位置に移動される。ベルトコンベア62,66およびガーダ64が受取位置に移動した後、グラブバケット16は、貨物船1から掴み上げたばら物3を、矢印3aで示すように、ベルトコンベア62の上方から投下する。ベルトコンベア62は、グラブバケット16から受け取ったばら物3を、矢印3bで示すように、ベルトコンベア66に向かって延伸方向Xに搬送する。
【0063】
なお、本実施形態では、ベルトコンベア62のベルトとして、例えば、2.5~5.0m程度の十分な大きさの幅(横行方向Yの長さ)を有するベルトが利用される。これにより、ベルトコンベア62からばら物3が落下することをより十分に防止することができる。
【0064】
また、詳細な説明は省略するが、ベルトコンベア62のベルトにかかる衝撃荷重を緩和するために、第1実施形態と同様に、グラブバケット16を開く位置(ばら物3が投下される位置)のベルトの上方に、荷重受け用の複数の梁を設置してもよい。また、ベルトコンベア62のベルトの破損防止のために、第1実施形態と同様に、グラブバケット16を開く位置のベルトの直下に、複数の荷重受け部材(たとえば梁やローラ)を設置してもよい。また、ベルト上のばら物3の厚みを略一定にするために、ベルトコンベア62において、グラブバケット16からばら物3を受け取る位置よりも下流側に、摺り切り梁を設けてもよい。なお、ベルト上のばら物3の厚みは、20~30cm程度に調整することが好ましい。
【0065】
矢印3bで示すように、ベルトコンベア62によって搬送されたばら物3は、ベルトコンベア62からベルトコンベア66へ落下する。ベルトコンベア66は、ベルトコンベア62から受け取ったばら物3を、矢印3cで示すように、第2搬送部70に向かって横行方向Yに搬送する。
【0066】
第2搬送部70は、ベルトコンベア72を備えている。なお、図面が煩雑になることを避けるために図示は省略するが、ベルトコンベア72は、ガーダを介して支持構造部12に支持されている。ベルトコンベア72を支持するガーダおよびガーダを支持構造部12に取り付ける構成としては、公知の種々の構成を利用できるので、詳細な説明は省略する。
【0067】
ベルトコンベア72は、平面視において横行方向Yに延びるように設けられている。矢印3cで示すように、第1搬送部60のベルトコンベア66によって搬送されたばら物3は、ベルトコンベア66からベルトコンベア72へ落下する。ベルトコンベア72は、ベルトコンベア66から受け取ったばら物3を、矢印3dで示すように、ホッパー18に向かって横行方向Yに搬送し、ホッパー18に投入する。ホッパー18に投入されたばら物3は、上述のアンローダ10と同様に、第3搬送部50を介して搬送機構24のベルトコンベア24a~24dに搬送される。
【0068】
以上のように、本実施形態においても、搬送機構20aは、海脚部12aよりも海側で、グラブバケット16から投下されたばら物3を受け取ることができる。この場合、グラブバケット16の移動距離を短くすることができるので、所定時間内におけるグラブバケット16によるばら物3の搬送回数を十分に増やすことができる。これにより、貨物船1内のばら物3を迅速に陸揚げすることが可能になる。
【0069】
特に、本実施形態では、貨物船1の船倉内でグラブバケット16がばら物3を掴む位置に応じて、ベルトコンベア62の横行方向Yにおける位置を調整することによって、グラブバケット16の移動距離を十分に短くすることができる。これにより、ばら物3をより迅速に陸揚げすることができる。
【0070】
また、本実施形態においても、上述のアンローダ10と同様に、ホッパー18は、横行方向Yにおいて海脚部12aと陸脚部12bとの中心よりも陸側に位置するように、支持構造部12によって支持されている。図3の例では、ホッパー18は陸脚部12bよりも陸側に位置している。これにより、搬送機構20aを海脚部12aよりも海側に突出させた場合でも、アンローダ10aの重心が海側に偏り過ぎることを防止でき、アンローダ10aを安定してレール7a,7b上に設置することができる。
【0071】
また、本実施形態では、ホッパー18および搬送機構20aは、支持構造部12と一体的に延伸方向Xに移動する。このため、特許文献1に開示された従来の方法のように、アンローダの位置に応じて、ホッパーおよび搬送機構の位置を調整する必要がない。これにより、従来の方法に比べて、ばら物の陸揚げに要する時間を十分に短縮することができる。
【0072】
なお、上述のアンローダ10aでは、第1搬送部60が2つのベルトコンベア62,64を備えているが、第1搬送部60が備えるベルトコンベアの数は上述の例に限定されない。グラブバケット16から第2搬送部70にばら物3を搬送することができるのであれば、第1搬送部が備えるベルトコンベアの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0073】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係るアンローダを示す概略側面図である。また、図6は、図5のアンローダ10bを陸側から海側に見た概略図である。なお、図6は、主にばら物の搬送経路を説明するための図であり、図6においては、図面を簡略化するために、図5に示されたアンローダ10bのうちの一部の構成要素の図示を省略している。
【0074】
以下においては、アンローダ10bの構成のうち、図3および図4で説明した上述のアンローダ10aと異なる点について説明する。本実施形態に係るアンローダ10bが上述のアンローダ10aと異なるのは、搬送機構20aの代わりに搬送機構20bを備えている点である。搬送機構20bが上述の搬送機構20aと異なるのは、第1搬送部60の代わりに第1搬送部80を備えている点である。
【0075】
第1搬送部80が上述の第1搬送部60と異なるのは、ガーダ64の代わりに吊り架構82を備えている点である。ベルトコンベア62は、吊り架構82に支持されている。吊り架構82は、桁部14を介して支持構造部12に支持されている。なお、本実施形態では、ベルトコンベア62が第1ベルトコンベアに対応し、ベルトコンベア66が第2ベルトコンベアに対応する。
【0076】
本実施形態では、吊り架構82は、横行方向Yに移動可能に桁部14(ガーダ14aおよびブーム14b)に支持されている。すなわち、ベルトコンベア62は、吊り架構82を介して、横行方向Yに移動可能に桁部14に支持されている。グラブバケット16は、吊り架構82に支持されたベルトコンベア62の上方を通過できるように、横行方向Yに移動可能に設けられている。なお、桁部14が吊り架構82を横行方向Yに移動可能に支持する構成としては、桁部14がグラブバケット16を横行方向Yに移動可能に支持するための公知の構成と同様の構成を利用できるので、詳細な説明は省略する。
【0077】
本実施形態では、貨物船1が着岸した後、グラブバケット16は、貨物船1から掴み取ったばら物3を、ベルトコンベア62の上方から投下する。ベルトコンベア62に投下されたばら物3は、上述のアンローダ10aと同様に、ベルトコンベア62、ベルトコンベア66、第2搬送部70、ホッパー18および第3搬送部50を介して、搬送機構24のベルトコンベア24a~24dに搬送される。
【0078】
本実施形態においても、搬送機構20bは、海脚部12aよりも海側で、グラブバケット16から投下されたばら物3を受け取ることができる。この場合、グラブバケット16の移動距離を短くすることができるので、所定時間内におけるグラブバケット16によるばら物3の搬送回数を十分に増やすことができる。これにより、貨物船1内のばら物3を迅速に陸揚げすることが可能になる。
【0079】
特に、本実施形態では、貨物船1の船倉内でグラブバケット16がばら物3を掴む位置に応じて、吊り架構82の横行方向Yにおける位置を調整することによって、グラブバケット16の移動距離を十分に短くすることができる。これにより、ばら物3をより迅速に陸揚げすることができる。
【0080】
また、本実施形態においても、上述の実施形態と同様に、ホッパー18は、横行方向Yにおいて海脚部12aと陸脚部12bとの中心よりも陸側に位置するように、支持構造部12によって支持されている。図5の例では、ホッパー18は陸脚部12bよりも陸側に位置している。これにより、搬送機構20bを海脚部12aよりも海側に突出させた場合でも、アンローダ10bの重心が海側に偏り過ぎることを防止でき、アンローダ10bを安定してレール7a,7b上に設置することができる。
【0081】
また、本実施形態においても、ホッパー18および搬送機構20bは、支持構造部12と一体的に延伸方向Xに移動する。このため、特許文献1に開示された従来の方法のように、アンローダの位置に応じて、ホッパーおよび搬送機構の位置を調整する必要がない。これにより、従来の方法に比べて、ばら物の陸揚げに要する時間を十分に短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、ばら物の陸揚げに要する時間を短縮できる。
【符号の説明】
【0083】
1 貨物船
3 ばら物
5 岸壁
7a,7b レール
10,10a,10b アンローダ
12 支持構造部
12a 海脚部
12b 陸脚部
14 桁部
14a ガーダ
14b ブーム
16 グラブバケット
18 ホッパー
20,20a,20b,24 搬送機構
30,60,80 第1搬送部
32,62,66 ベルトコンベア
40,70 第2搬送部
50 第3搬送部
X 延伸方向
Y 横行方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6