(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】端子台と機器内固定部との固定構造
(51)【国際特許分類】
H01R 13/506 20060101AFI20220913BHJP
H01R 9/03 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H01R13/506
H01R9/03 A
(21)【出願番号】P 2018234406
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小林 真吾
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ソンヒョン
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-037147(JP,A)
【文献】特開2013-045510(JP,A)
【文献】特開2004-327318(JP,A)
【文献】特開2013-008656(JP,A)
【文献】特開2017-135032(JP,A)
【文献】特開2018-116897(JP,A)
【文献】特開2011-187933(JP,A)
【文献】特開2012-252861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/506
H01R 9/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属からなるバスバーと前記バスバーの先端部及び基端部を露出させて前記バスバーを保持する保持部とを有するバスバーアセンブリと、
前記バスバーの基端部が挿入され前記保持部が固定されるハウジングと
を備え、
前記バスバーアセンブリは、前記バスバーの先端部に一体成形されているとともに、前記バスバーに接続される機器内バスバーもしくは電線の端部に設けられる機器内コネクタが嵌合可能なコネクタ嵌合部を有し、
前記コネクタ嵌合部は、前記機器内コネクタが嵌入される嵌合凹部を有する嵌入部を有し、前記バスバーの先端部は、前記嵌合凹部の内部に露出していて、前記嵌合凹部に嵌入される前記機器内コネクタを介して前記機器内バスバーもしくは前記電線と電気的に接続され、
前記嵌入部の外周面は、当接面を有し、前記当接面は、端子台が装着される機器の内部に設けられる機器内固定部に固定可能な位置決め固定部を有する端子台
と機器内固定部との固定構造。
【請求項2】
前記バスバーは金属板材からなる請求項1に記載の端子台
と機器内固定部との固定構造。
【請求項3】
前記バスバーアセンブリは、第1バスバーと第2バスバーとの2つの前記バスバーを備え、
前記保持部は、前記第1バスバーと前記第2バスバーとが所定の間隔となるように前記第1バスバー及び前記第2バスバーを保持する請求項1又は請求項2に記載の端子台
と機器内固定部との固定構造。
【請求項4】
前記バスバーアセンブリは、前記保持部が前記ハウジングに対して着脱可能であることにより前記ハウジングに対して着脱可能である請求項1から請求項3の何れか1項に記載の端子台
と機器内固定部との固定構造。
【請求項5】
前記ハウジングは、機器の筐体に固定される固定部と、前記固定部から突出し、前記固定部を貫通した前記バスバーの基端部が挿入される挿入部とを有し、
前記挿入部内の前記バスバーの基端部と平行な方向から見て、前記バスバーの先端は、前記固定部よりも外周側に位置する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の端子台
と機器内固定部との固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台と機器内固定部との固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両における2つの機器(例えばインバータとモータ)の間を接続する際には、端子台が用いられることがある。端子台は、例えば特許文献1に記載されているように、2つの機器を電気的に接続する端子と、当該端子を保持するハウジングとを有する。ハウジングは、端子に一体的に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、インバータ等の機器に端子台を装着する際には、まず、機器の筐体に設けられた装着孔から端子の先端部を同筐体の内部に挿入する。そして、筐体の外側からハウジングにて装着孔を覆うとともに、装着孔の外周で同ハウジングを筐体に対して螺子等により固定する。その後、筐体に設けられた装着孔とは別の開口部から工具を挿入して、筐体の内部で機器側の端子と端子台の端子の先端部とをボルト及びナットにより締結して接続する。
【0005】
ところで、インバータ等の機器は、車種や車両のグレード、車両に搭載される装備等によって様々な種類のものがある。そのため、端子台も機器の種類に応じて様々な形状のものがある。即ち、端子台を固定するために機器の筐体に設けられる装着孔の形状や、筐体内の機器側の端子の位置等に応じて、多種類の端子台が必要とされる。例えば、装着孔の形状が同じであっても、機器側の端子と端子台の端子との接続位置が異なる場合が多々ある。従って、種類(形状)の異なる端子台が多く存在するために、部品管理が煩雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品管理を簡略化することができる端子台と機器内固定部との固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する端子台と機器内固定部との固定構造は、金属からなるバスバーと前記バスバーの先端部及び基端部を露出させて前記バスバーを保持する保持部とを有するバスバーアセンブリと、前記バスバーの基端部が挿入され前記保持部が固定されるハウジングとを備えた。
【0008】
同構成によれば、機器の筐体に固定されるハウジングと、筐体の内部で機器に接続されるバスバーとは、別体に形成されている。そして、バスバーは、保持部を介してハウジングに固定されるものである。例えば、複数種類の機器において、端子台を装着するために機器の筐体に設けられる装着孔の形状が同じで、筐体の内部でバスバーの先端部と機器側の端子とを接続する位置が異なる場合がある。この場合には、バスバーアセンブリのバスバーの形状を変更すれば、ハウジングは同じものを使用することができる。また、例えば、機器において、筐体の内部でのバスバーの先端部と機器側の端子との接続位置は同じで、端子台を装着するために機器の筐体に設けられる装着孔の形状のみが異なる場合には、ハウジングの形状を変更すれば、バスバーアセンブリは同じものを使用することができる。そして、ハウジングとバスバーアセンブリとの組み合わせにより、様々な種類の機器に対応することが可能になるため、ハウジング及びバスバーアセンブリの各々の種類を、端子とハウジングとが一体的に形成された従来の端子台の種類に比べて減少させることが可能である。これらのことから、部品管理を簡略化することができる。
【0009】
前記バスバーは金属板材からなることが好ましい。
同構成によれば、バスバーは金属板材からなるため、加工が容易である。従って、端子台を装着する機器の内部の構成に応じて、バスバーをより容易に所望の形状とする観点で好ましい。
【0010】
前記バスバーアセンブリは、第1バスバーと第2バスバーとの2つの前記バスバーを備え、前記保持部は、前記第1バスバーと前記第2バスバーとが所定の間隔となるように前記第1バスバー及び前記第2バスバーを保持することが好ましい。
【0011】
同構成によれば、バスバーアセンブリが複数のバスバーを備える場合、保持部によってバスバー同士を所定の間隔に維持することができる。従って、バスバーアセンブリが複数のバスバーを備える場合であっても、これらバスバーの取り扱いが容易となる。
【0012】
前記バスバーアセンブリは、前記保持部が前記ハウジングに対して着脱可能であることにより前記ハウジングに対して着脱可能であることが好ましい。
同構成によれば、機器の構成に応じてハウジング又はバスバーアセンブリを取り替えることがより容易となる。なお、「保持部がハウジングに対して着脱可能である」とは、ハウジングから保持部を取り外し可能であることを意味する。そして、「バスバーアセンブリはハウジングに対して着脱可能である」とは、ハウジングから保持部を取り外すことにより、ハウジングからバスバーアセンブリを取り外し可能であることを意味する。そして、少なくとも機器の筐体に端子台が装着される前の状態において、バスバーアセンブリはハウジングに対して着脱可能であればよく、機器の筐体に端子台が装着された後には、バスバーアセンブリはハウジングに対して完全に固定されてもよい。
【0013】
前記ハウジングは、機器の筐体に固定される固定部と、前記固定部から突出し、前記固定部を貫通した前記バスバーの基端部が挿入される挿入部とを有し、前記挿入部内の前記バスバーの基端部と平行な方向から見て、前記バスバーの先端は、前記固定部よりも外周側に位置することが好ましい。
【0014】
同構成によれば、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端は、筐体に固定される固定部よりも外周側に位置する。そのため、バスバーの先端部と機器側の端子との接続を、筐体の内部において、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向に固定部と重なる範囲で行わなくてもよい。そして、バスバーの先端部と機器側の端子とを接続する位置を、筐体の内部において、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て固定部の外側の広い範囲で設定することができるため、バスバーの先端部と機器側の端子との接続に要するスペースを確保しやすくなる。従って、バスバーの先端部と機器側の端子との接続に要するスペースを確保するために機器内の部品が制約されることを抑制でき、筐体の内部の設計自由度を向上させることができる。
【0015】
また、端子台を機器に装着すると、ハウジングは、端子台を装着するために筐体に設けられる装着孔を筐体の外側から覆うように同筐体に対して配置される。そのため、筐体に固定される固定部は、筐体における装着孔の外周部分に固定されることになるため、装着孔よりも大きい。従って、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、固定部よりも外周側に位置するバスバーの先端は、装着孔よりも外周側に位置することになる。そして、バスバーを有するバスバーアセンブリは、筐体の外側から同筐体に対して配置されるハウジングとは別体で設けられ、筐体の内側から同ハウジングに固定可能である。そのため、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端が装着孔よりも外周側に位置する場合であっても、端子台を筐体に装着することができる。従って、装着孔の大きさにかかわらず、バスバーの先端の位置を所望の位置に設定することができる。よって、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端を装着孔よりも外周側に位置させることが可能であるために、筐体の内部でのバスバーの先端の位置の自由度を高めることができる。
【0016】
前記バスバーアセンブリは、前記バスバーにおける前記保持部よりも先端側の部位に、端子台が装着される機器の内部に設けられる機器内固定部に固定可能な位置決め固定部を有することが好ましい。
【0017】
同構成によれば、機器内固定部に位置決め固定部が固定されることにより、筐体内でのバスバーの位置が定まりやすくなる。従って、筐体に端子台を装着した時のバスバーの先端部の位置のばらつきを抑制することができる。また、筐体の内部でバスバーが振動することを抑制できる。
【0018】
前記バスバーアセンブリは、前記バスバーの先端部に、前記バスバーに接続される機器内バスバーもしくは電線の端部に設けられる機器内コネクタが嵌合可能なコネクタ嵌合部を有し、前記バスバーは、前記コネクタ嵌合部に嵌合される前記機器内コネクタを介して前記機器内バスバーもしくは前記電線と電気的に接続されることが好ましい。
【0019】
同構成によれば、機器内バスバーもしくは電線とバスバーとは、機器内コネクタをコネクタ嵌合部に嵌合することで電気的に接続される。従って、機器内バスバーもしくは電線とバスバーとの接続を容易に行うことができる。また、工具を使用しなくとも、機器内バスバーもしくは電線とバスバーとを接続することが可能になる。なお、バスバーが金属板材からなる場合には、バスバーの先端部に容易にコネクタ嵌合部を設けることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の端子台と機器内固定部との固定構造によれば、部品管理を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図5】一実施形態におけるバスバーアセンブリの斜視図。
【
図6】一実施形態における端子台の筐体への装着手順を説明するための説明図。
【
図7】(a)は変更例における端子台の側面図、(b)は同端子台の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、端子台の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態の端子台1は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車等の自動車の車両の導通路を接続するための端子台であって、インバータ等の機器2の筐体3に装着されるものである。筐体3には、端子台1を装着するための装着孔4が形成されている。装着孔4は、筐体3を貫通し同筐体3の内外を連通している。端子台1は任意の向きで配置することができるが、以下では、X方向を前方向(
図1において紙面手前方向)、Y方向を左方、Z方向を下方として説明する。
【0023】
端子台1は、筐体3に固定されるハウジング10と、第1及び第2バスバー51,52を有しハウジング10に固定されるバスバーアセンブリ50とを備えている。
ハウジング10は、絶縁性の樹脂材料よりなる。ハウジング10は、同ハウジング10を筐体3に固定するための固定部11と、固定部11から突出した挿入部12とを有する。
【0024】
図1及び
図3に示すように、固定部11は、略四角形の平板状をなしている。固定部11の外形(固定部11の厚さ方向(上下方向に同じ)から見た外形)は、装着孔4よりも大きい。固定部11の四隅には、固定部11を上下方向に貫通した締結孔11aがそれぞれ形成されている。
【0025】
図1及び
図4に示すように、固定部11における挿入部12と反対側の端部、即ち下端部には、筐体3(機器2)と固定部11との間をシールする環状のシール部材31が装着されている。シール部材31は、例えばゴム等の弾性部材からなる。シール部材31は、装着孔4よりも大きい環状をなすシール本体部32と、シール本体部32から内側に突出した複数のシール固定部33とを有する。シール部材31は、シール本体部32よりも内側で固定部11の下端部から突出した複数の固定ピン(図示略)にシール固定部33が外嵌されることにより固定部11に装着されている。
【0026】
図1から
図3に示すように、挿入部12は、固定部11に一体に形成されている。挿入部12は、固定部11から上方(固定部11の厚さ方向の一方側)に突出した筒状をなしている。本実施形態では、挿入部12は、上側から見た形状が隅丸四角形状をなす筒状である。
【0027】
また、
図1、
図2及び
図4に示すように、ハウジング10は、固定部11から下方(即ち挿入部12と反対側)に突出したアセンブリ支持部15を有する。アセンブリ支持部15は、固定部11と一体に形成されている。本実施形態のアセンブリ支持部15は、略直方体状をなしている。そして、アセンブリ支持部15の左右方向の両側面は前後方向及び上下方向と平行をなすとともに、前後方向の両側面は左右方向及び上下方向と平行をなしている。アセンブリ支持部15は、上下方向から見て、固定部11の中央部に設けられるとともに、固定部11よりも外形が小さい。
【0028】
また、
図3及び
図4に示すように、ハウジング10には、第1バスバー51が挿通される第1挿通孔16及び第2バスバー52が挿通される第2挿通孔17が形成されている。第1挿通孔16及び第2挿通孔17は、固定部11及びアセンブリ支持部15を上下方向に貫通している。ハウジング10を上側(即ち挿入部12の開口部側)から見ると、第1挿通孔16及び第2挿通孔17の上側開口部は、挿入部12の内側に位置する。第1挿通孔16と第2挿通孔17とは、上下方向から見ると、左右方向に離間しているとともに、それぞれ前後方向に長い長方形状をなしている。
【0029】
また、ハウジング10において、固定部11の上面であって挿入部12の内側の部分には、絶縁壁21~24が設けられている。絶縁壁21,22は、第1挿通孔16の上端開口部の左右方向の両側で固定部11から上方に立設されるとともに、絶縁壁23,24は、第2挿通孔17の上端開口部の左右方向の両側で固定部11から上方に立設されている。
【0030】
絶縁壁21は、第1挿通孔16の上端開口部の左側及び第1挿通孔16の上端開口部の前後方向の両側を囲むとともに、上側から見た形状が右側に開口したコ字状をなしている。絶縁壁21において、第1挿通孔16の上端開口部の前後方向の両側に位置する部分は、第1挿通孔16の上端開口部の左側に位置する部分に比べて高さ(固定部11の上面からの高さ)が低くなっている。また、第1挿通孔16の上端開口部の右側に位置する絶縁壁22は、四角形の平板状をなすとともに、絶縁壁21と共に第1挿通孔16の上端開口部を囲んでいる。
【0031】
絶縁壁23は、第2挿通孔17の上端開口部の右側及び第2挿通孔17の上端開口部の前後方向の両側を囲むとともに、上側から見た形状が左側に開口したコ字状をなしている。絶縁壁23において、第2挿通孔17の上端開口部の前後方向の両側に位置する部分は、第2挿通孔17の上端開口部の右側に位置する部分に比べて高さ(固定部11の上面からの高さ)が低くなっている。また、第2挿通孔17の上端開口部の左側に位置する絶縁壁24は、四角形の平板状をなすとともに、絶縁壁23と共に第2挿通孔17の上端開口部を囲んでいる。
【0032】
また、固定部11には、挿入部12の内側であって第1及び第2挿通孔16,17よりも外周側となる部分に一対のシールド挿入孔25,26が形成されている。各シールド挿入孔25,26は、固定部11を上下方向に貫通している。シールド挿入孔25は、絶縁壁21の外周側で同絶縁壁21の基端に沿って延びるスリット状をなすとともに、シールド挿入孔26は、絶縁壁23の外周側で同絶縁壁23の基端に沿って延びるスリット状をなしている。また、ハウジング10を下側から見ると、シールド挿入孔25,26は、アセンブリ支持部15の上端の外形に沿って延びている。そして、アセンブリ支持部15の外周面と絶縁壁21,23の外側面とは、シールド挿入孔25,26の内周面を介して連続している。
【0033】
ハウジング10には、シールド41が装着されている。シールド41は、金属板材からなり、略筒状をなしている。シールド41は、挿入部12及びシールド挿入孔25,26内に挿入される一対のシールド本体部42と、シールド41をハウジング10に対して固定するシールド固定部43とからなる。上側から見て、一対のシールド本体部42は、一対のシールド挿入孔25,26の内周面に沿ったコ字状をなしている。そして、一対のシールド本体部42は、対応するシールド挿入孔25,26から挿入部12内に挿入されるとともに、挿入部12の内部では、絶縁壁21,23の外周側で絶縁壁21,23に沿って配置されている。
【0034】
シールド固定部43は、一対のシールド本体部42の下端部に一体に設けられている。シールド固定部43は、アセンブリ支持部15の外周面に沿った四角筒状をなすとともに、アセンブリ支持部15に外挿されている。また、シールド固定部43は、複数のばね接点部44を有する。各ばね接点部44は、端子台1をインバータ等の機器2の筐体3に装着した際に、筐体3の側面と接することでシールド電流を流す役割を持つ。
【0035】
また、
図2及び
図4に示すように、ハウジング10は、バスバーアセンブリ50をハウジング10に固定するためのアセンブリ固定部27を有する。本実施形態では、アセンブリ固定部27は、アセンブリ支持部15の左右方向の両側面にそれぞれ設けられるとともに、2つのアセンブリ固定部27は同じ形状をなしている。2つのアセンブリ固定部27は、アセンブリ支持部15においてシールド41(シールド固定部43)よりも下方となる位置に設けられている。
【0036】
アセンブリ支持部15の左側面に設けられたアセンブリ固定部27は、左側面から左側に突出するとともに、前後方向に延びる突条をなしている。同様に、アセンブリ支持部15の右側面に設けられたアセンブリ固定部27(
図2及び
図4では図示を省略)は、右側面から右側に突出するとともに、前後方向に延びる突条をなしている。各アセンブリ固定部27の上端には、上下方向と直交する平面状をなす当接面27aが設けられている。また、各アセンブリ固定部27の下端部には、下方に向かうにつれてアセンブリ支持部15の側面からの左右方向の突出量が減少する案内部27bが形成されている。そして、2つのアセンブリ固定部27は、アセンブリ支持部15における上下方向及び前後方向の位置が等しい。また、2つのアセンブリ固定部27の当接面27aは同一平面内に位置する。
【0037】
図1から
図4に示すように、バスバーアセンブリ50は、金属板材からなる第1バスバー51及び第2バスバー52と、これらバスバー51,52を保持する保持部53とを有する。第1及び第2バスバー51,52は、導電性の金属板材にプレス加工を施して形成されており、複数箇所が屈曲された帯状をなしている。なお、第1及び第2バスバー51,52に用いる金属としては、種々の金属を用いることができるが、例えば導電率とコストの観点からは銅やアルミニウムを用いることが好ましい。また、第1及び第2バスバー51,52の材料として、適宜、銅及びアルミニウムの少なくとも一方を含む合金を用いることもできる。
【0038】
第1バスバー51の基端部は、第1挿通孔16から挿入部12内に挿入される挿入端部51aであり、同第1バスバー51の先端部は、機器2の内部で機器内バスバー5に接続される接続端部51bである。同様に、第2バスバー52の基端部は、第2挿通孔17から挿入部12内に挿入される挿入端部52aであり、同第2バスバー52の先端部は、機器2の内部で別の機器内バスバー6に接続される接続端部52bである。
【0039】
保持部53は、絶縁性の樹脂材料よりなる。保持部53は、第1及び第2バスバー51,52の先端部(即ち接続端部51b,52b)、並びに、第1及び第2バスバー51,52の基端部(即ち挿入端部51a,52a)を露出させて第1及び第2バスバー51,52を保持している。なお、第1及び第2バスバー51,52の基端部は、保持部53に対してハウジング10に挿入される側に位置するとともに、第1及び第2バスバー51,52の先端部は、保持部53に対して基端部と反対側に位置する。そして、第1及び第2バスバー51,52の基端部は、保持部53に対してハウジング10に挿入される側に位置していればよく、保持部53を起点としてハウジング10に挿入される側の一部に位置するものでもよい。同様に、第1及び第2バスバー51,52の先端部は、保持部53に対して第1及び第2バスバー51,52の基端部と反対側に位置していればよく、第1及び第2バスバー51,52において保持部53から第1及び第2バスバー51,52の基端部と反対側に突出した部分の一部に位置するものでもよい。
【0040】
保持部53は、略直方体状をなす保持本体部54と、保持本体部54の上端部から上方に延びる4つの延出部55と、保持本体部54に一体に設けられたアセンブリ側固定部56とを備えている。本実施形態の保持部53は、第1及び第2バスバー51,52に一体成形されている。
【0041】
保持本体部54の左右方向の両側面は前後方向及び上下方向と平行をなすとともに、前後方向の両側面は左右方向及び上下方向と平行をなしている。保持本体部54は、第1バスバー51における挿入端部51aと接続端部51bとの間の一部分を埋設して保持するとともに、第2バスバー52における挿入端部52aと接続端部52bとの間の一部分を埋設して保持している。
【0042】
図5に示すように、第1バスバー51には、保持本体部54に保持される部分に抜け止め孔51cが設けられるとともに、第2バスバー52には、保持本体部54に保持される部分に抜け止め孔52cが設けられている。各抜け止め孔51c,52cには、保持本体部54を構成する樹脂材料が充填されている。従って、抜け止め孔51c,52cと、抜け止め孔51c,52cに入り込んだ樹脂材料とによって、第1及び第2バスバー51,52と保持本体部54(保持部53)との相対移動が阻止されている。
【0043】
図1から
図4に示すように、4つの延出部55は、保持本体部54の上端部における4つの角部からそれぞれ上方に延出されている。各延出部55は、上側から見た形状が保持本体部54の角部に沿ったL字状をなしている。
【0044】
アセンブリ側固定部56は、保持本体部54の左右方向の両端にそれぞれ設けられるとともに、2つのアセンブリ側固定部56は同じ形状をなしている。保持本体部54の左側の端部に設けられたアセンブリ側固定部56は、左側の2つの延出部55の間で保持本体部54から上方に延びている。同様に、保持本体部54の右側の端部に設けられたアセンブリ側固定部56は、右側の2つの延出部55の間で保持本体部54から上方に延びている。各アセンブリ側固定部56は、同アセンブリ側固定部56を左右方向に貫通した係止孔56aを有する。係止孔56aの前後方向の幅は、ハウジング10のアセンブリ固定部27の前後方向の幅と等しいか若干広い。また、係止孔56aの上下方向の幅は、アセンブリ固定部27の上下方向の幅と等しいか若干広い。そして、係止孔56aの内周面は、上下方向と直交する平面状をなし下方を向いた当接面56bを備えている。各アセンブリ側固定部56は、基端に対して先端が左右方向にずれるように弾性変形可能である。
【0045】
このような保持部53は、第1及び第2バスバー51,52を一定の間隔で離間させて保持している。即ち、保持部53は、第1バスバー51と第2バスバー52とが所定の間隔となるように第1及び第2バスバー51,52を保持している。なお、「所定の間隔」とは、第1バスバー51の基端部と第2バスバー52の基端部とが、端子台1に接続されるコネクタに備えられる端子と接続可能な間隔を有する場合の、第1バスバー51と第2バスバー52との間隔である。保持本体部54から上方に突出した挿入端部51a,52aは、左右方向に離間して互いに平行をなすとともに、上下方向における先端の位置が等しい。因みに、第1及び第2バスバー51,52の先端部には、絶縁性の樹脂材料よりなる絶縁キャップ57がそれぞれ装着されている。
【0046】
また、第1バスバー51において保持部53から下方に突出した部分(保持部53よりも接続端部51b側の部分)は、保持部53から下方に延びた後に屈曲されて右側に延び、その後、保持部53よりも後方に延び、更に、保持部53よりも右側に延びた後に屈曲されて上方に延びている。本実施形態では、第1バスバー51において先端部の上方に延びる部分が接続端部51bである。そして、接続端部51bには、同接続端部51bを厚さ方向に貫通する接続孔51dが設けられている。
【0047】
また、第2バスバー52において保持部53から下方に突出した部分(保持部53よりも接続端部52b側の部分)は、保持部53から下方に延びた後に屈曲されて右側に延び、保持部53よりも右側まで延びたところで屈曲されて上方に延びている。本実施形態では、第2バスバー52において先端部の上方に延びる部分が接続端部52bである。そして、接続端部52bには、同接続端部52bを厚さ方向に貫通する接続孔52dが設けられている。また、第2バスバー52における保持部53よりも先端側の部分において、2箇所の屈曲箇所の間の部分は、第1バスバーにおける保持部53よりも先端側の部分において、保持部53よりも右側に位置する部分と平行に延びている。また、本実施形態では、第1バスバー51の接続端部51bと第2バスバー52の接続端部52bとは、保持部53に対する上下方向及び左右方向の位置が等しく、前後方向に並んでいる。そして、バスバーアセンブリ50を上下方向から見て、第1バスバー51の先端及び第2バスバー52の先端は、保持部53よりも外周側に位置する。
【0048】
図1、
図4及び
図6に示すように、端子台1を機器2の筐体3に装着する際には、まず、シール部材31及びシールド41が装着されたハウジング10を筐体3に固定する。詳しくは、筐体3の外側から装着孔4にアセンブリ支持部15を挿入しつつ、ハウジング10を筐体3の外側から同筐体3に対して配置する。ハウジング10が筐体3に対して配置された状態では、筐体3に設けられた装着孔4が、筐体3の外側から固定部11に覆われるとともに、シール部材31のシール本体部32が、筐体3の外表面3aにおいて装着孔4の外周の部分に接触する。即ち、装着孔4は、アセンブリ支持部15(上下方向から見たアセンブリ支持部15の外形)よりも大きく、且つ、シール部材31の内周縁(シール本体部32の内周縁)よりも小さい。その後、各締結孔11aに図示しないボルトを挿入し、当該ボルトにナットを螺合することにより、ハウジング10を筐体3に固定する(
図6に示す状態になる)。これにより、シール部材31が装着孔4の外周で筐体3の外表面3aと固定部11とに密着する。従って、シール部材31によって筐体3の外表面3aと固定部11との間が液密にシールされるため、装着孔4から筐体3の内部に液体が浸入することが抑制される。
【0049】
次に、筐体3の内側からバスバーアセンブリ50をハウジング10に固定する。バスバーアセンブリ50は、装着孔4とは別に筐体3に設けられた開口部から同筐体3の内部に入れられる。そして、バスバーアセンブリ50をハウジング10に固定する際には、まず、第1バスバー51の挿入端部51aをアセンブリ支持部15の下端側から第1挿通孔16に挿入するとともに、第2バスバー52の挿入端部52aをアセンブリ支持部15の下端側から第2挿通孔17に挿入する。更に、保持部53の保持本体部54をアセンブリ支持部15の下端部に向けて上方に移動させると、4つの延出部55の内側にアセンブリ支持部15の下端部が挿入される。同時に、保持本体部54の移動に伴って、アセンブリ支持部15の左右方向の両側で、アセンブリ側固定部56がアセンブリ固定部27の案内部27bに案内されながら先端が外側にずれるように弾性変形される。そして、アセンブリ側固定部56の当接面56bがアセンブリ固定部27を越えると、アセンブリ側固定部56が原形に復帰するとともに、アセンブリ側固定部56の係止孔56a内にアセンブリ固定部27が嵌る。係止孔56aにアセンブリ固定部27が嵌ることにより、バスバーアセンブリ50はハウジング10に固定される。そして、アセンブリ固定部27の当接面27aと係止孔56aの当接面56bとが当接することにより、ハウジング10に対するバスバーアセンブリ50の下方への移動が阻止される。また、アセンブリ支持部15の下端と保持本体部54の上端とが当接することにより、ハウジング10に対するバスバーアセンブリ50の上方への移動が阻止される。また、ハウジング10に対するバスバーアセンブリ50の前後方向及び左右方向の移動は、アセンブリ側固定部56及び延出部55がアセンブリ支持部15の外周面に当接することで阻止される。
【0050】
なお、バスバーアセンブリ50は、保持部53がハウジング10に対して着脱可能であることによりハウジング10に対して着脱可能である。本実施形態では、バスバーアセンブリ50がハウジング10に固定された後、アセンブリ側固定部56をその先端が外側にずれるように弾性変形させて係止孔56aからアセンブリ固定部27を外した状態で、ハウジング10から離間する方向に保持部53を移動させることにより、保持部53をハウジング10から取り外すことができる。そして、保持部53をハウジング10から取り外すことにより、バスバーアセンブリ50をハウジング10から取り外すことができる。端子台1が機器2の筐体3に装着される前の状態においても、端子台1が機器2の筐体3に装着された後の状態においても、バスバーアセンブリ50をハウジング10に対して固定した場合には、上記のように取り外すことが可能である。
【0051】
図1及び
図3に示すように、ハウジング10にバスバーアセンブリ50が固定された状態においては、第1及び第2バスバー51,52は、シール部材31の内側を貫通するとともに、固定部11を貫通している。また、固定部11を貫通して挿入部12内に挿入された第1及び第2バスバー51,52の基端部、即ち挿入端部51a,52aは、挿入部12内で上下方向に沿って平行に延びている。そして、挿入端部51aは、絶縁壁21,22によって囲まれるとともに、挿入端部52aは、絶縁壁23,24によって囲まれている。更に、挿入端部51a,52aは、一対のシールド本体部42の内側に配置されている。そして、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部(即ち挿入端部51a,52a)と平行な方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、筐体3に設けられた装着孔4よりも外周側に位置する。なお、「挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向から見て」とは、「ハウジング10が機器2の筐体3に固定される固定面を上面視したときに」と同意である。固定面は、ハウジング10が筐体3に固定されるときに、固定部11において筐体3と直接対向する面であり、本実施形態では、固定部11の下面に相当する。そして、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向は、端子台1が筐体3に装着された状態において装着孔4の貫通方向に同じである。更に、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向は、本実施形態では、ハウジング10に対してバスバーアセンブリ50を組付ける方向に同じであり、上下方向に該当する。また、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、シール部材31の内周縁(シール本体部32の内周縁)よりも外周側に位置する。また、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、アセンブリ支持部15よりも外周側に位置する。更に、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、固定部11よりも外周側に位置する。また、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、ハウジング10よりも外周側に位置する。
【0052】
図3に示すように、筐体3に装着された端子台1の第1バスバー51の接続端部51b及び第2バスバー52の接続端部52bには、筐体3の内部で機器内バスバー5,6が接続される。筐体3に設けられた前記開口部から筐体3の内部に接続用の工具が挿入されて、第1バスバー51の接続端部51bと機器内バスバー5とがボルト7a及びナット7bにより締結されることにより接続される。このとき、ボルト7aは、接続端部51bに設けられた接続孔51dに挿通される。同様に、同開口部から筐体3の内部に接続用の工具が挿入されて、第2バスバー52の接続端部52bと機器内バスバー6とがボルト8a及びナット8bにより締結されることにより接続される。このとき、ボルト8aは、接続端部52bに設けられた接続孔52dに挿通される。
【0053】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)機器2の筐体3に固定されるハウジング10と、筐体3の内部で機器に接続される第1及び第2バスバー51,52とは、別体に形成されている。そして、第1及び第2バスバー51,52は、保持部53を介してハウジングに固定されるものである。
【0054】
例えば、複数種類の機器において、端子台を装着するために機器の筐体に設けられる装着孔の形状が同じで、筐体の内部でバスバーの先端部と機器側の端子とを接続する位置が異なる場合がある。この場合には、バスバーアセンブリ50の第1及び第2バスバー51,52の形状を変更すれば、ハウジング10は同じものを使用することができる。また、例えば、複数種類の機器において、筐体の内部でのバスバーの先端部と機器側の端子との接続位置は同じで、端子台を装着するために機器の筐体に設けられる装着孔の形状のみが異なる場合がある。この場合には、ハウジング10の形状を変更すれば、バスバーアセンブリ50は同じものを使用することができる。そして、ハウジングとバスバーアセンブリとの組み合わせにより、様々な種類の機器に対応することが可能になるため、ハウジング及びバスバーアセンブリの各々の種類を、端子とハウジングとが一体的に形成された従来の端子台の種類に比べて減少させることが可能である。これらのことから、部品管理を簡略化することができる。
【0055】
(2)第1及び第2バスバー51,52は金属板材からなるため、加工が容易である。従って、端子台1を装着する機器2の内部の構成に応じて、第1及び第2バスバー51,52をより容易に所望の形状とする観点で好ましい。そして、第1及び第2バスバー51,52を複雑な形状に加工することが比較的容易であるため、第1及び第2バスバー51,52の形状や第1及び第2バスバー51,52の先端の位置による制約を緩和し、第1及び第2バスバー51,52と機器2側の機器内バスバー5,6との接続位置の自由度を広げる観点からより好ましい。
【0056】
(3)バスバーアセンブリ50は、第1バスバー51と第2バスバー52との2つのバスバーを備え、保持部53は、第1バスバー51と第2バスバー52とが所定の間隔となるように第1バスバー51及び第2バスバー52を保持する。そのため、バスバーアセンブリ50が複数のバスバー(本実施形態では、第1バスバー51と第2バスバー52との2つのバスバー)を備える場合、保持部53によってバスバー51,52同士を所定の間隔に維持することができる。従って、バスバーアセンブリ50が複数のバスバー51,52を備える場合であっても、これらバスバー51,52の取り扱いが容易となる。
【0057】
(4)バスバーアセンブリ50は、保持部53がハウジング10に対して着脱可能であることによりハウジング10に対して着脱可能である。そのため、機器2の構成に応じてハウジング10又はバスバーアセンブリ50を取り替えることがより容易となる。
【0058】
(5)挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部(即ち挿入端部51a,52a)と平行な方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、筐体3に固定される固定部11よりも外周側に位置する。そのため、第1及び第2バスバー51,52の先端部と機器内バスバー5,6との接続を、筐体3の内部において、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向に固定部11と重なる範囲で行わなくてもよい。筐体の内部において、バスバーの基端部(筐体の外部に配置される端部)と平行な方向にハウジングと重なる範囲では、機器の内部の構成によってバスバーの先端部と機器内バスバー等の接続相手とを接続するスペースを確保することが困難となることがある。しかしながら、本実施形態では、第1及び第2バスバー51,52の先端部と機器内バスバー5,6とを接続する位置を、筐体3の内部において、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向から見て固定部11の外側の広い範囲で設定することができる。従って、第1及び第2バスバー51,52の先端部と機器内バスバー5,6との接続に要するスペースを確保しやすくなる。よって、第1及び第2バスバー51,52の先端部と機器内バスバー5,6との接続に要するスペースを確保するために機器2内の部品が制約されることを抑制でき、筐体3の内部の設計自由度を向上させることができる。
【0059】
また、端子台1を機器2に装着すると、ハウジング10は、装着孔4を筐体3の外側から覆うように同筐体3に対して配置される。そのため、筐体3に固定される固定部11は、筐体3における装着孔4の外周部分に固定されることになるため、装着孔4よりも大きい。従って、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向から見て、固定部11よりも外周側に位置する第1及び第2バスバー51,52の先端は、装着孔4よりも外周側に位置することになる。そして、第1及び第2バスバー51,52を有するバスバーアセンブリ50は、筐体3の外側から同筐体3に対して配置されるハウジング10とは別体で設けられ、筐体3の内側から同ハウジング10に固定可能である。そのため、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端が装着孔4よりも外周側に位置する場合であっても、端子台1を筐体3に装着することができる。従って、装着孔4の大きさにかかわらず、第1及び第2バスバー51,52の先端の位置を所望の位置に設定することができる。よって、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端を装着孔4よりも外周側に位置させることが可能であるために、筐体3の内部での第1及び第2バスバー51,52の先端の位置の自由度を高めることができる。
【0060】
(6)従来の端子台のようにバスバーがハウジングに一体に設けられている場合、筐体に設けられる装着孔を大きくすれば、バスバーの先端の位置を自由に設定することが可能である。しかしながら、装着孔を大きくすると、ハウジングと筐体との間に介在されるシール部材の周長も長くなる。すると、シール部材による防水性能を確保するために、ハウジングを筐体に対して締結固定する際の締結力を大きくする必要が出てくる。すると、ハウジングと筐体との固定部分にかかる荷重が大きくなったり、組付け性が低下したりするという問題が生じる。これに対し、本実施形態の端子台1においては、第1及び第2バスバー51,52を有するバスバーアセンブリ50は、筐体3の外側から同筐体3に対して配置されるハウジング10とは別体で設けられ、筐体3の内側から同ハウジング10に固定されるものである。従って、装着孔4を大きくしなくとも、第1及び第2バスバー51,52の先端の位置を所望の位置に設定することができる。よって、ハウジング10を筐体3に固定する際の締結力を大きくしなくとも、シール部材31による防水性能を確保することができる。その結果、ハウジング10と筐体3との固定部分に大きな荷重がかかったり組付け性が低下したりすることを抑制できる。
【0061】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・バスバーアセンブリは、バスバーの先端部に、バスバーに接続される機器内バスバーもしくは電線の端部に設けられる機器内コネクタが嵌合可能なコネクタ嵌合部を有するものであってもよい。
【0062】
例えば、
図7(a)、
図7(b)及び
図8に示す端子台1Aは、上記実施形態のハウジング10と、バスバーアセンブリ50Aとを有する。バスバーアセンブリ50Aは、保持部53と、第1及び第2バスバー51A,52Aと、第1及び第2バスバー51A,52Aの先端部に設けられたコネクタ嵌合部61とを有する。なお、本例では、上記実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
第1バスバー51Aの基端部は、挿入部12内に挿入される挿入端部51aであるとともに、同第1バスバー51Aの先端部は、機器2Aの内部で機器内バスバー5Aに接続される接続端部51fである。また、第2バスバー52Aの基端部は、挿入部12内に挿入される挿入端部52aであるとともに、同第2バスバー52Aの先端部は、機器2Aの内部で機器内バスバー6Aに接続される接続端部52fである。
【0064】
第1バスバー51Aにおいて保持部53から下方に突出した部分(保持部53よりも接続端部51f側の部分)は、保持部53から左右方向と直交する平面内で曲がりながら下方に延びた後に屈曲されて左側に延びている。また、第2バスバー52Aにおいて保持部53から下方に突出した部分は、保持部53から左右方向と直交する平面内で曲がりながら第1バスバー51Aの先端部よりも下方まで延びた後に屈曲されて左側に延びている。そして、第1バスバー51Aの接続端部51fと第2バスバー52Aの接続端部52fとは、何れも左右方向に延びている。
【0065】
コネクタ嵌合部61は、第1及び第2バスバー51A,52Aの先端部(即ち接続端部51f,52f)に一体成形されている。コネクタ嵌合部61は、当該コネクタ嵌合部61を第1及び第2バスバー51A,52Aに対して固定するコネクタ固定部62と、コネクタ固定部62から第1及び第2バスバー51A,52Aの先端側に延びる嵌入部63とを有する。
【0066】
コネクタ固定部62は、第1及び第2バスバー51A,52Aの先端と屈曲部との間の部分を埋設している。第1及び第2バスバー51A,52Aの各々においてコネクタ固定部62に埋設された部分には、バスバー51A,52Aを貫通する抜け止め孔51g,52gが設けられている。各抜け止め孔51g,52gにコネクタ嵌合部61を構成する樹脂材料の一部が入り込むことにより、第1及び第2バスバー51A,52Aに対するコネクタ嵌合部61の移動を抑制している。
【0067】
嵌入部63は、同嵌入部63の先端(左側の端)から右側に凹設された第1嵌合凹部65及び第2嵌合凹部66を有する。第1嵌合凹部65の内部には、コネクタ固定部62から突出した第1バスバー51Aの接続端部51fが露出している。また、第2嵌合凹部66の内部には、コネクタ固定部62から突出した第2バスバー52Aの接続端部52fが露出している。
【0068】
また、バスバーアセンブリ50Aは、第1及び第2バスバー51A,52Aにおける保持部53よりも先端側の部位に、端子台1Aが装着される機器2Aの内部に設けられる機器内固定部9に固定可能な位置決め固定部71を有する。本例では、位置決め固定部71は、コネクタ嵌合部61に一体に設けられている。
【0069】
嵌入部63の外周面には、同嵌入部63の左側面であって第2嵌合凹部66よりも上方の部分に、左右方向と直交する平面状をなす当接面67が設けられている。当接面67は、第1バスバー51Aの接続端部51fと左右方向に重なる位置に位置する。そして、位置決め固定部71は、当接面67から突出した一対の位置決めピン72から構成されている。一対の位置決めピン72は、上下方向に離間している。各位置決めピン72は、断面半円形状をなし当接面67から左方に延びる軸部72aと、軸部72aの先端部に一体に設けられ軸部72aよりも大きい半径を有する半円形状をなす係止部72bとを有する。係止部72bの先端部の外周縁の円弧状をなす部分には、先端側ほど係止部72bの半径を小さくするように傾斜した傾斜面が設けられている。また、一対の位置決めピン72の互いに対向する対向面72cは、上下方向と直交する平面状をなしている。そして、一対の位置決めピン72は、互いの先端を近づけるように弾性変形することが可能である。
【0070】
機器内固定部9は、例えば、金属板材にプレス加工を施して形成されたブラケットである。機器内固定部9は、筐体3の内部で当接面67と当接可能な位置決め面9aを有する。また、機器内固定部9は、位置決め面9aに開口する固定孔9bを有する。固定孔9bは、同固定孔9bの貫通方向から見て、一対の位置決めピン72の軸部72aの外周の大きさより大きく、且つ一対の位置決めピン72の係止部72bの外周の大きさより小さい。但し、固定孔9bの大きさは、一対の位置決めピン72が弾性変形することにより2つの係止部72bが通り抜けることが可能な大きさである。また、機器内固定部9において、固定孔9bの外周部分の厚さは、当接面67と係止部72bとの間の隙間の幅と略等しい。
【0071】
このような端子台1Aは、上記実施形態と同様の手順で機器2Aの筐体3に装着される。その後、一対の位置決めピン72を弾性変形させながら固定孔9bに差し込むことにより、位置決め固定部71を機器内固定部9に固定する。一対の位置決めピン72は、係止部72bが固定孔9bを通り抜けると原形に復帰する。すると、当接面67が位置決め面9aに当接するとともに、当接面67と係止部72bとの間に機器内固定部9における固定孔9bの外周の部分が挟持される。従って、位置決め固定部71が機器内固定部9に固定されることにより、筐体3の内部でのコネクタ嵌合部61の位置決めがなされるとともに、筐体3の内部での第1及び第2バスバー51A,52Aの位置決めがなされる。なお、第1及び第2バスバー51A,52Aの先端は、挿入部12内の第1及び第2バスバー51A,52Aの基端部(即ち挿入端部51a,51b)と平行な方向(即ち上下方向)から見て、固定部11よりも外周側、更にはハウジング10よりも外周側に位置する。
【0072】
その後、第1嵌合凹部65には、機器内バスバー5Aの端部に設けられた機器内コネクタ101が嵌入される。機器内コネクタ101は、機器内バスバー5Aと電気的に接続された図示しない雌端子を備えている。第1嵌合凹部65に機器内コネクタ101が嵌入されると、当該雌端子に第1バスバー51Aの接続端部51fが差し込まれて当該雌端子を介して機器内バスバー5Aと第1バスバー51Aとが電気的に接続される。同様に、第2嵌合凹部66には、機器内バスバー6Aの端部に設けられた機器内コネクタ102が嵌入される。機器内コネクタ102は、機器内バスバー6Aと電気的に接続された図示しない雌端子を備えている。第2嵌合凹部66に機器内コネクタ102が嵌入されると、当該雌端子に第2バスバー52Aの接続端部52fが差し込まれて当該雌端子を介して機器内バスバー6Aと第2バスバー52Aとが電気的に接続される。
【0073】
このようにすると、機器内固定部9に位置決め固定部71が固定されることにより、筐体3内での第1及び第2バスバー51A,52Aの位置が定まりやすくなる。従って、筐体3に端子台1Aを装着した時の第1及び第2バスバー51A,52Aの先端部の位置のばらつきを抑制することができる。また、筐体3の内部で第1及び第2バスバー51A,52Aが振動することを抑制できる。また、機器内固定部9に位置決め固定部71を固定した後に第1及び第2バスバー51A,52Aと機器内バスバー5A,6Aとの接続を行うと、第1及び第2バスバー51A,52Aの先端部の位置ずれが抑制された状態で第1及び第2バスバー51A,52Aと機器内バスバー5A,6Aとを接続することができる。従って、第1及び第2バスバー51A,52Aと機器内バスバー5A,6Aとの接続をより容易に行うことができる。
【0074】
また、第1及び第2バスバー51A,52Aは金属板材からなるため、第1及び第2バスバー51A,52Aの先端部に容易にコネクタ嵌合部61を設けることができる。そして、機器内バスバー5A,6Aと第1及び第2バスバー51A,52Aとは、機器内コネクタ101,102をコネクタ嵌合部61に嵌合することで電気的に接続される。従って、機器内バスバー5A,6Aと第1及び第2バスバー51A,52Aとの接続を容易に行うことができる。また、工具を使用しなくとも、機器内バスバー5A,6Aと第1及び第2バスバー51A,52Aとを接続することが可能になる。
【0075】
なお、第1及び第2嵌合凹部65,66に機器内コネクタ101,102を差し込んだ後に、位置決め固定部71を機器内固定部9に固定してもよい。このようにしても、筐体3の内部で第1及び第2バスバー51A,52Aが振動することを抑制できる。
【0076】
また、機器内固定部9は、単体で設けられて筐体3の内部に固定されるものに限らず、機器2内の部品に一体に設けられてもよい。また、位置決め固定部71の形状は上記の形状に限らない。位置決め固定部71は、筐体3内で機器内固定部9に固定可能な形状であればよい。例えば、機器内固定部9が固定ピンを有し、位置決め固定部71が、当該固定ピンが圧入される孔を有するものであってもよい。
【0077】
また、コネクタ嵌合部61は、第1及び第2バスバー51A,52Aと別体で設けられ、第1及び第2バスバー51A,52Aに組付けられるものであってもよい。
また、上記のバスバーアセンブリ50Aでは、コネクタ嵌合部61に位置決め固定部71が一体に設けられているが、コネクタ嵌合部61と位置決め固定部71とは別体で設けられてもよい。また、上記のバスバーアセンブリ50Aは、必ずしもコネクタ嵌合部61を備えなくてもよい。この場合、位置決め固定部71は、一体成形もしくは組付けにより第1バスバー51Aもしくは第2バスバー52Aに設けられる。また、上記のバスバーアセンブリ50Aは、必ずしも位置決め固定部71を備えなくてもよい。
【0078】
また、上記のバスバーアセンブリ50Aでは、第1バスバー51Aに接続される機器内コネクタ101と、第2バスバー52Aに接続される機器内コネクタ102とが、1つのコネクタ嵌合部61に嵌合される。しかしながら、第1バスバー51Aの先端部に設けられるコネクタ嵌合部と、第2バスバー52Aの先端部に設けられるコネクタ嵌合部とを別体で設けてもよい。
【0079】
また、機器内コネクタ101,102は、機器内バスバー5A,6Aに代えて、機器内の電線の端部に設けられるものであってもよい。
・上記実施形態では、挿入部12内の第1及び第2バスバー51,52の基端部と平行な方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、固定部11よりも外周側に位置する。しかしながら、同方向から見た第1及び第2バスバー51,52の先端の位置はこれに限らない。例えば、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、装着孔4よりも内側に位置していてもよい。このようにしても、上記実施形態の(1)と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0080】
また例えば、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、装着孔4よりも外周側、且つシール部材31の内周縁(シール本体部32の内周縁)よりも内周側に位置していてもよい。また例えば、同方向から見て、第1及び第2バスバー51,52の先端は、シール部材31よりも外周側、且つ固定部11の外周縁よりも内側に位置していてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0081】
・上記実施形態では、第1及び第2バスバー51,52は、抜け止め孔51c,52cを有する。しかしながら、第1及び第2バスバー51,52は、抜け止め孔51c,52cに代えて、保持部53に埋設される部分に切り欠きを有するものであってもよい。この切り欠きは、各バスバー51,52の幅方向の少なくとも一方の端部に設けられ、幅方向の中央に向かって凹むとともに各バスバー51,52を厚さ方向に貫通するものである。このようにしても、保持部53を構成する樹脂材料が切り欠きの内部に入り込むことにより、第1及び第2バスバー51,52に対して保持部53が移動することを抑制できる。また例えば、第1及び第2バスバー51,52は、抜け止め孔51c,52cに代えて、バスバー51,52の厚さ方向に凹設された抜け止め凹部を有するものであってもよい。このようにしても、保持部53を構成する樹脂材料が抜け止め凹部の内部に入り込むことにより、第1及び第2バスバー51,52に対して保持部53が移動することを抑制できる。なお、第1及び第2バスバー51,52は、必ずしも抜け止め孔51c,52c、切り欠き、抜け止め凹部を備えなくてもよい。
【0082】
・上記実施形態では、端子台1が機器2の筐体3に装着される前の状態においても、装着された後の状態においても、バスバーアセンブリ50は、保持部53がハウジング10に対して着脱可能であることによりハウジング10に対して着脱可能である。しかしながら、バスバーアセンブリ50は、少なくとも端子台1が機器2の筐体3に装着される前の状態において、保持部53がハウジング10に対して着脱可能であることによりハウジング10に対して着脱可能であればよい。即ち、機器2の筐体3に端子台1が装着された後には、バスバーアセンブリ50はハウジング10に対して完全に(即ち取り外し不能に)固定されてもよい。なお、端子台1が機器2の筐体3に装着される前の状態においてバスバーアセンブリ50をハウジング10に固定する必要が無い場合には、バスバーアセンブリ50は、ハウジング10に一度固定されたら取り外し不能となる構成であってもよい。
【0083】
・上記実施形態では、保持部53は、第1及び第2バスバー51,52に一体成形されている。しかしながら、保持部53が第1及び第2バスバー51,52を保持する構成はこれに限らない。例えば、保持部53は、互いに組み付けられる2つの部品から構成されるとともに、一方の部品は第1バスバー51に一体成形され、他方の部品は第2バスバー52に一体成形されていてもよい。また例えば、保持部53は、第1及び第2バスバー51,52とは別体で形成されてもよい。この場合、例えば、保持部53は、複数に分割された形状をなし、第1及び第2バスバー51,52に対して組み付けられる。またこの場合、第1バスバー51に対して組み付けられる保持部53の構成部品と、第2バスバー52に対して組み付けられる保持部53の構成部品とが別体になっていてもよい。
【0084】
・上記実施形態では、バスバーアセンブリ50は、第1バスバー51と第2バスバー52との2つのバスバーを有する。しかしながら、バスバーアセンブリ50に備えられるバスバーの数は、2つに限らず、1つ以上であればよい。
【0085】
・上記実施形態では、第1及び第2バスバー51,52は、金属板材からなる。しかしながら、第1及び第2バスバー51,52は、金属からなるものであれば、金属板材からなるものに限らない。例えば、第1及び第2バスバー51,52は、金属からなる円柱状の丸ピンからなるものであってもよい。
【0086】
・上記実施形態では、バスバーアセンブリ50は、バスバーアセンブリ50のアセンブリ側固定部56に、ハウジング10のアセンブリ固定部27が嵌ることによりハウジング10に固定される。アセンブリ側固定部56及びアセンブリ固定部27の数や位置は、適宜変更してもよい。また、バスバーアセンブリ50をハウジング10に固定する構造はこれに限らない。例えば、ハウジング10に上記実施形態のアセンブリ側固定部56を設け、バスバーアセンブリ50の保持部53に上記実施形態のアセンブリ固定部27を設けてもよい。また例えば、保持部53を螺子等によりハウジング10に締結固定してもよい。
【0087】
・ハウジング10の形状、第1及び第2バスバー51,52の形状及び保持部53の形状は、上記実施形態の形状に限らず、端子台1を装着する機器2の筐体3の形状に応じて適宜変更してもよい。
【0088】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記バスバーの基端部と平行な方向から見て、前記バスバーの先端は、前記ハウジングよりも外周側に位置する請求項1から請求項7の何れか1項に記載の端子台。
【0089】
同構成によれば、バスバーの先端部と機器側の端子との接続を、筐体の内部において、バスバーの基端部と平行な方向にハウジングと重なる範囲で行わなくてもよい。そして、バスバーの先端部と機器側の端子とを接続する位置を、筐体の内部において、バスバーの基端部と平行な方向から見てハウジングの外側の広い範囲で設定することができるため、バスバーの先端部と機器側の端子との接続に要するスペースを確保しやすくなる。従って、バスバーの先端部と機器側の端子との接続に要するスペースを確保するために機器内の部品が制約されることを抑制でき、筐体の内部の設計自由度を向上させることができる。
【0090】
また、端子台を機器に装着すると、ハウジングは、端子台を装着するために筐体に設けられる装着孔を筐体の外側から覆うように同筐体に対して配置される。そのため、ハウジングは装着孔よりも大きい。従って、バスバーの基端部と平行な方向から見て、ハウジングよりも外周側に位置するバスバーの先端は、装着孔よりも外周側に位置することになる。そして、バスバーを有するバスバーアセンブリは、筐体の外側から同筐体に対して配置されるハウジングとは別体で設けられ、筐体の内側から同ハウジングに固定可能である。そのため、バスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端が装着孔よりも外周側に位置する場合であっても、端子台を筐体に装着することができる。従って、装着孔の大きさにかかわらず、バスバーの先端の位置を所望の位置に設定することができる。よって、バスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端を装着孔よりも外周側に位置させることが可能であるために、筐体の内部でのバスバーの先端の位置の自由度を高めることができる。
【0091】
(ロ)前記ハウジングは、機器の筐体に固定される固定部と、前記固定部から突出し、前記固定部を貫通した前記バスバーの基端部が挿入される挿入部とを有し、環状をなし前記固定部に装着されて前記機器と前記固定部との間をシールするシール部材を備え、前記バスバーは、前記シール部材の内側を貫通しており、前記挿入部内の前記バスバーの基端部と平行な方向から見て、前記バスバーの先端は、前記シール部材の内周縁よりも外周側に位置する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の端子台。
【0092】
同構成によれば、バスバーの先端部と機器側の端子との接続を、筐体の内部において、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向にシール部材の内周縁よりも内側の範囲と重なる範囲で行わなくてもよい。そして、バスバーの先端部と機器側の端子とを接続する位置を、筐体の内部において、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見てシール部材の内周縁よりも外側の広い範囲で設定することができるため、バスバーの先端部と機器側の端子との接続に要するスペースを確保しやすくなる。従って、バスバーの先端部と機器側の端子との接続に要するスペースを確保するために機器内の部品が制約されることを抑制でき、筐体の内部の設計自由度を向上させることができる。
【0093】
また、端子台を装着するために機器の筐体に設けられる装着孔は、一般的にシール部材の内周縁よりも小さい。従って、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、シール部材の内周縁よりも外周側に位置するバスバーの先端は、装着孔よりも外周側に位置することになる。そして、バスバーを有するバスバーアセンブリは、筐体の外側から同筐体に対して配置されるハウジングとは別体で設けられ、筐体の内側から同ハウジングに固定可能である。そのため、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端が装着孔よりも外周側に位置する場合であっても、端子台を筐体に装着することができる。従って、装着孔の大きさにかかわらず、バスバーの先端の位置を所望の位置に設定することができる。よって、挿入部内のバスバーの基端部と平行な方向から見て、バスバーの先端を装着孔よりも外周側に位置させることが可能であるために、筐体の内部でのバスバーの先端の位置の自由度を高めることができる。
【符号の説明】
【0094】
1,1A…端子台
2,2A…機器
3…筐体
5A,6A…機器内バスバー
9…機器内固定部
10…ハウジング
11…固定部
12…挿入部
50,50A…バスバーアセンブリ
51,51A…第1バスバー(バスバー)
52,52A…第2バスバー(バスバー)
53…保持部
61…コネクタ嵌合部
71…位置決め固定部
101,102…機器内コネクタ