(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】輸送制御システム、サーバ装置、輸送制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20220913BHJP
【FI】
G07B15/00 B
(21)【出願番号】P 2019048225
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】矢是 泰士
(72)【発明者】
【氏名】西野 隆久
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送対象の輸送を制御する輸送制御システムであって、
前記輸送対象が保有する情報コードに含まれる輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送開始位置を示す輸送開始位置情報とを取得する第1取得部と、
前記輸送対象識別情報に対応する支払方法に関する所定の判定情報を取得する第2取得部と、
前記判定情報が取得された後に、前記輸送対象が保有する前記情報コードに含まれる前記輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送終了位置を示す輸送終了位置情報とを取得する第3取得部と、
前記第1取得部及び前記第3取得部によって取得された前記輸送開始位置情報及び前記輸送終了位置情報に基づいて求められた輸送料金と前記第2取得部によって取得された前記判定情報とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する輸送判定部と、を備え
、
前記情報コードは、前記判定情報を含み、
前記判定情報は、前記輸送対象識別情報に対応して予め定められた出金上限金額情報であり、
前記第2取得部は、前記第1取得部によって前記情報コードが取得された場合に、当該情報コードに含まれる前記判定情報を取得し、
前記輸送判定部は、前記輸送料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する輸送制御システム。
【請求項2】
前記輸送開始位置に設置けられた第1ゲート装置と、前記輸送終了位置に設置された第2ゲート装置と、前記第1ゲート装置及び前記第2ゲート装置それぞれと通信可能なサーバ装置と、を備え、
前記第1ゲート装置は、
当該第1ゲート装置の通路を前記輸送対象が通過する際に前記輸送対象が保有する前記情報コードを読み取る第1読取部と、
前記第1読取部によって前記情報コードが読み取られた場合に、前記輸送対象識別情報及び前記輸送開始位置情報を前記サーバ装置に送信する第1送信部と、を備え、
前記第2ゲート装置は、
当該第2ゲート装置の通路を前記輸送対象が通過する際に前記輸送対象が保有する前記情報コードを読み取る第2読取部と、
前記第2読取部によって前記情報コードが読み取られた場合に、前記輸送対象識別情報及び前記輸送終了位置情報を前記サーバ装置に送信する第2送信部と、を備え、
前記第1取得部、及び前記第3取得部が前記サーバ装置に設けられ、
前記第1取得部は、前記第1送信部によって送信された前記輸送対象識別情報及び前記輸送開始位置情報を受け取り、
前記第3取得部は、前記第2送信部によって送信された前記輸送対象識別情報及び前記輸送終了位置情報を受け取る、請求項1に記載の輸送制御システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記輸送判定部による判定結果を前記第2ゲート装置に送信する判定結果送信部を備え、
前記第2ゲート装置は、前記サーバ装置から受け取った前記判定結果に基づいて、前記第2ゲート装置の前記通路を開放する通路制御部を備える、請求項2に記載の輸送制御システム。
【請求項4】
前記輸送料金を含む課金情報を前記支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバに送信する課金情報送信部を更に備える請求項1から
3のいずれかに記載の輸送制御システム。
【請求項5】
輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送対象の輸送を制御する輸送制御システムに適用され、前記輸送開始位置に設置けられた第1ゲート装置、前記輸送終了位置に設置された第2ゲート装置、及び、所定の支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバそれぞれに通信可能に構成されたサーバ装置であって、
前記輸送対象が保有する情報コードに含まれる輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送開始位置を示す輸送開始位置情報とを前記第1ゲート装置から取得する第1取得部と、
前記輸送対象識別情報に対応する前記支払方法に関する所定の判定情報を前記決済サーバから取得する第2取得部と、
前記判定情報が取得された後に、前記輸送対象が保有する前記情報コードに含まれる前記輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送終了位置を示す輸送終了位置情報とを前記第2ゲート装置から取得する第3取得部と、
前記第1取得部及び前記第3取得部によって取得された前記輸送開始位置情報及び前記輸送終了位置情報に基づいて求められた輸送料金と前記第2取得部によって取得された前記判定情報とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する輸送判定部と、を備え
、
前記情報コードは、前記判定情報を含み、
前記判定情報は、前記輸送対象識別情報に対応して予め定められた出金上限金額情報であり、
前記第2取得部は、前記第1取得部によって前記情報コードが取得された場合に、当該情報コードに含まれる前記判定情報を取得し、
前記輸送判定部は、前記輸送料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可するサーバ装置。
【請求項6】
輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送対象の輸送を制御する輸送制御方法であって、
前記輸送対象が保有する情報コードに含まれる輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送開始位置を示す輸送開始位置情報とを取得する第1取得ステップと、
前記輸送対象識別情報に対応する支払方法に関する所定の判定情報を取得する第2取得ステップと、
前記判定情報が取得された後に、前記輸送対象が保有する前記情報コードに含まれる前記輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送終了位置を示す輸送終了位置情報とを取得する第3取得ステップと、
前記第1取得ステップ及び前記第3取得ステップによって取得された前記輸送開始位置情報及び前記輸送終了位置情報に基づいて輸送料金を算出する料金算出ステップと、
前記料金算出ステップによって算出された前記輸送料金と前記第2取得ステップによって取得された前記判定情報とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する輸送判定ステップと、を含
み、
前記情報コードは、前記判定情報を含み、
前記判定情報は、前記輸送対象識別情報に対応して予め定められた出金上限金額情報であり、
前記第2取得ステップは、前記第1取得ステップによって前記情報コードが取得された場合に、当該情報コードに含まれる前記判定情報を取得し、
前記輸送判定ステップは、前記輸送料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する輸送制御方法。
【請求項7】
請求項
6に記載の輸送制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両や航空機などを用いて利用者や荷物などの輸送対象を輸送する輸送サービスにおいて、輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送区間における輸送対象の輸送を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンなどの携帯端末の画面に表示されたQRコード(登録商標)などの情報コードを読み取り、読み取った情報コードを乗車券等の通行券として入場処理や出場処理を行う自動改札機が知られている(特許文献1参照)。このような自動改札機は、鉄道の改札口、空港の搭乗口、施設の入場口などに設けられる。
【0003】
この種の自動改札機を用いた改札システムの一例として、例えば、乗車予定の乗車区間の乗車が許可された発行済みの情報コードを自動改札機の読取部に読み取らせることにより、その乗車区間の入場処理及び出場処理を行うシステムが知られている。また、他の一例として、入出場時に情報コードが自動改札機の読取部に読み取られ、その後に自動改札機が決済サーバに乗車料金の決済が可能な否かの判定を要求し、決済サーバから決済可能の通知を受信した場合に、自動改札機が出場を許可するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、予め乗車が許可された情報コードを用いた改札システムでは、利用者は乗車するごとに事前に前記情報コードを発行する手続を行う必要がある。また、決済サーバからの通知を受けて出場を許可する改札システムでは、出場時に読み取られた情報コードの有効性を判定するだけでなく、その後に決済サーバと通信して決済サーバに判定要求を送信する処理、決済サーバ側で行われる判定処理、判定処理の結果を自動改札機に送信する処理、などの複数の処理を行う必要があり、出場許可が自動改札機に通知されるまでに時間を要する。この場合、情報コードが読み取られてから出場許可されるまでの間、自動改札機の側で利用者を待機させることとなり、円滑な出場を実現することができない。このような問題は、鉄道車両や航空機などを用いて利用者や荷物などの輸送対象を輸送する輸送サービス全般において生じ得る。
【0006】
本発明の目的は、鉄道車両や航空機などを用いて利用者や荷物などの輸送対象を輸送する輸送サービスにおいて、輸送対象を待たせることなくスムーズに利用終了位置を通過させることが可能な輸送制御システム、サーバ装置、輸送制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の一の局面に係る輸送制御システムは、輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送対象の輸送を制御する輸送制御システムである。前記輸送制御システムは、第1取得部と、第2取得部と、第3取得部と、輸送判定部と、を備える。前記第1取得部は、前記輸送対象が保有する情報コードに含まれる輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送開始位置を示す輸送開始位置情報とを取得する。前記第2取得部は、前記輸送対象識別情報に対応する支払方法に関する所定の判定情報を取得する。前記第3取得部は、前記判定情報が取得された後に、前記輸送対象が保有する前記情報コードに含まれる前記輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送終了位置を示す輸送終了位置情報とを取得する。前記輸送判定部は、前記第1取得部及び前記第3取得部によって取得された前記輸送開始位置情報及び前記輸送終了位置情報に基づいて求められた輸送料金と前記第2取得部によって取得された前記判定情報とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する。
【0008】
このように構成されているため、例えば、輸送料金が算出される前に、輸送料金の決済処理が可能な否かの判定情報を取得することができ、取得された前記判定情報と、その後に確定した輸送料金とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過が許可される。これにより、前記輸送料金が確定してから前記判定情報を取得して輸送判定を行う場合に比べて、前記輸送終了位置が取得されてから輸送許可されるまでに要する時間を短縮することができる。
【0009】
(2) 本発明の輸送制御システムは、前記輸送開始位置に設置けられた第1ゲート装置と、前記輸送終了位置に設置された第2ゲート装置と、前記第1ゲート装置及び前記第2ゲート装置それぞれと通信可能なサーバ装置と、を備える。前記第1ゲート装置は、当該第1ゲート装置の通路を前記輸送対象が通過する際に前記輸送対象が保有する前記情報コードを読み取る第1読取部と、前記第1読取部によって前記情報コードが読み取られた場合に、前記輸送対象識別情報及び前記輸送開始位置情報を前記サーバ装置に送信する第1送信部と、を備える。前記第2ゲート装置は、当該第2ゲート装置の通路を前記輸送対象が通過する際に前記輸送対象が保有する前記情報コードを読み取る第2読取部と、前記第2読取部によって前記情報コードが読み取られた場合に、前記輸送対象識別情報及び前記輸送終了位置情報を前記サーバ装置に送信する第2送信部と、を備える。また、前記第1取得部、及び前記第3取得部が前記サーバ装置に設けられている。この構成において、前記第1取得部は、前記第1送信部によって送信された前記輸送対象識別情報及び前記輸送開始位置情報を受け取り、前記第3取得部は、前記第2送信部によって送信された前記輸送対象識別情報及び前記輸送終了位置情報を受け取る。
【0010】
このような構成であれば、第2ゲート装置の通路を通過する際に、輸送対象をその場で待たせることなくスムーズに利用終了位置を通過させることが可能である。
【0011】
(3) 前記サーバ装置は、前記輸送判定部による判定結果を前記第2ゲート装置に送信する判定結果送信部を備える。この場合、前記第2ゲート装置は、前記サーバ装置から受け取った前記判定結果に基づいて、前記第2ゲート装置の前記通路を開放する通路制御部を備える。
【0012】
これにより、通行が許可された輸送対象だけを前記第2ゲート装置の前記通路を通行させることができる。
【0013】
(4) 前記判定情報は、前記支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバに前記輸送対象識別情報に対応して登録されている預金残高情報であることが好ましい。この場合、前記第2取得部は、前記決済サーバから前記判定情報を取得する。また、前記輸送判定部は、前記輸送料金が前記預金残高情報が示す預金残高以下である場合に、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する。
【0014】
(5) 前記判定情報は、前記支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバに前記輸送対象識別情報に対応して登録されている出金上限金額情報であってもよい。この場合、前記第2取得部は、前記決済サーバから前記判定情報を取得し、前記輸送判定部は、前記輸送料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する。
【0015】
(6) また、前記情報コードが前記判定情報を含んでいる場合、前記判定情報が前記輸送対象識別情報に対応して予め定められた出金上限金額情報であってもよい。この場合、前記第2取得部は、前記第1取得部によって前記情報コードが取得された場合に、当該情報コードに含まれる前記判定情報を取得し、前記輸送判定部は、前記輸送料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する。
【0016】
(7) 本発明の輸送制御システムは、前記輸送料金を含む課金情報を前記支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバに送信する課金情報送信部を更に備える。
【0017】
(8) 本発明の他の局面に係るサーバ装置は、輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送対象の輸送を制御する輸送制御システムに適用され、前記輸送開始位置に設置けられた第1ゲート装置、前記輸送終了位置に設置された第2ゲート装置、及び、所定の支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバそれぞれに通信可能に構成されたサーバ装置である。前記サーバ装置は、第1取得部と、第2取得部と、第3取得部と、輸送判定部と、を備える。前記第1取得部は、前記輸送対象が保有する情報コードに含まれる輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送開始位置を示す輸送開始位置情報とを前記第1ゲート装置から取得する。前記第2取得部は、前記輸送対象識別情報に対応する前記支払方法に関する所定の判定情報を前記決済サーバから取得する。前記第3取得部は、前記判定情報が取得された後に、前記輸送対象が保有する前記情報コードに含まれる前記輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送終了位置を示す輸送終了位置情報とを前記第2ゲート装置から取得する。前記輸送判定部は、前記第1取得部及び前記第3取得部によって取得された前記輸送開始位置情報及び前記輸送終了位置情報に基づいて求められた輸送料金と前記第2取得部によって取得された前記判定情報とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する。
【0018】
(9) 本発明のその他の局面に係る輸送制御方法は、輸送開始位置から輸送終了位置までの輸送対象の輸送を制御する輸送制御方法である。前記輸送制御方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、第3取得ステップと、料金算出ステップと、輸送判定ステップと、を含む。前記第1取得ステップは、前記輸送対象が保有する情報コードに含まれる輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送開始位置を示す輸送開始位置情報とを取得する。前記第2取得ステップは、前記輸送対象識別情報に対応する支払方法に関する所定の判定情報を取得する。前記第3取得ステップは、前記判定情報が取得された後に、前記輸送対象が保有する前記情報コードに含まれる前記輸送対象識別情報と、この輸送対象識別情報に対応付けられた前記輸送終了位置を示す輸送終了位置情報とを取得する。前記料金算出ステップは、前記第1取得ステップ及び前記第3取得ステップによって取得された前記輸送開始位置情報及び前記輸送終了位置情報に基づいて輸送料金を算出する。前記輸送判定ステップは、前記料金算出ステップによって算出された前記輸送料金と前記第2取得ステップによって取得された前記判定情報とに基づいて、前記輸送終了位置における前記輸送対象の通過を許可する。
【0019】
(10) 本発明は、前記輸送制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムの発明、又は、このようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の発明として捉えることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、鉄道車両や航空機などを用いて利用者や荷物などの輸送対象を輸送する輸送サービスにおいて、輸送対象を待たせることなくスムーズに利用終了位置を通過させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る通行制御システムのネットワーク構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る自動改札機の構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る自動改札機の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る駅サーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るセンタ装置及び決済サーバの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る通行制御システムで実行される各種処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、入場用の自動改札機で実行される入場処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、入場駅の駅サーバで実行される残高照会要求の転送処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、センタ装置で実行される各転送処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、決済サーバで実行される残高照会処理及び決済処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、出場駅の駅サーバで実行される残高情報登録処理及び通行判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、出場用の自動改札機で実行される通行判定要求処理及び出場処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
[通行制御システム100]
図1は、本発明の実施形態に係る通行制御システム100を示すネットワーク図である。通行制御システム100は、本発明の輸送制御システムの一例である。
図1に示すように、通行制御システム100は、鉄道車両を用いて利用者を輸送する輸送サービス(鉄道サービス)に適用され、自動改札機1、駅サーバ2、精算装置3、センタ装置5、及び、決済サーバ6などの駅務機器と通信可能に構成されている。
【0024】
図1では、二つの駅8(8A,8B)が示されているが、通行制御システム100は、それ以上の複数の駅8に属する駅務機器を含む構成であってもよい。また、通行制御システム100は、少なくとも、二つの駅8それぞれに属する各自動改札機1、各駅サーバ2、及びセンタ装置5を含んで構成されていればよい。ここで、以下においては、利用者が入場する駅8を入場駅8Aと称し、利用者が出場する駅8を出場駅8Bと称する場合がある。また、入場駅8Aに設置された駅サーバ2を入場駅サーバ2Aと称し、出場駅8Bに設置された駅サーバ2を出場駅サーバ2Bと称する場合がある。なお、出場駅サーバ2Bは、本発明のサーバ装置の一例である。
【0025】
各駅8には、複数の自動改札機1、駅サーバ2、精算装置3、券売機(不図示)等の駅務機器が設置されている。言い換えると、これらの駅務機器は、各駅8それぞれに属している。これら駅務機器は、LAN等のネットワークN1を介して互いに通信可能に接続されている。また、駅8の駅サーバ2は、専用回線や公衆回線等のネットワークN2を介して、鉄道事業者(鉄道会社)が管理するサーバ装置であるセンタ装置5に通信可能に接続されている。
【0026】
本実施形態では、通行制御システム100は、利用者が入場した入場駅8A(輸送開始位置)から利用者が出場した出場駅8B(輸送終了位置)までの乗車区間の距離に応じた乗車料金(輸送料金)に対して、利用者が保有する情報コード42(
図2参照)を用いた電子決済を行うことが可能なように構成されている。ここで、入場駅8Aは本発明の輸送開始位置の一例であり、出場駅8Bは本発明の輸送終了位置の一例である。
【0027】
また、本実施形態では、自動改札機1は、利用者端末4からその表示画面41に表示された情報コード42(
図2参照)を読み取り、その情報コード42に含まれる所定の情報に基づいて、自動改札機1における通路9の通行を許可又は禁止する通行制御を行うことが可能なように構成されている。ここで、利用者端末4は、前記鉄道サービスを利用する利用者が携帯して所持する携帯端末であり、例えば、表示画面41を有するスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末である。また、前記情報コード42は、例えば、二次元コードの一つであるQRコード(登録商標)である。なお、前記情報コード42は、QRコードに限られず、例えば、バーコードなどの一次元コードや、他のタイプの情報コードなどのように、所定の情報が光学的に読み取り可能な形状、模様、色彩等で表されるコードに変換されたものであってもよい。また、本実施形態では、前記情報コード42が利用者端末4の表示画面41に表示されたケースを例示するが、前記情報コード42は、シート状のチケット又はカードの表面に印字された切符などの記録媒体であってもよい。
【0028】
自動改札機1は、駅8の改札口に設置されている。前記改札口には複数の自動改札機1が設置されている。
図2に示すように、自動改札機1は、入場用の自動改札機1(以下、入場改札機1Aと称する。)と出場用の自動改札機1(以下、出場改札機1Bと称する。)とを互いに対面させた構成である。ここで、入場駅8Aに設置された入場改札機1Aは、本発明の第1ゲート装置の一例である。また、出場駅8Bに設置された出場改札機1Bは、本発明の第2ゲート装置の一例である。
【0029】
入場改札機1Aと出場改札機1Bとは、互いに対向するように配置されている。通路9は、入場改札機1Aと出場改札機1Bとの間に形成された空間であり、前記改札口の内側と外側とを繋いでいる。一方の入場改札機1Aは、入場時の進行方向(矢印D10の方向)に沿って改札口の外側から内側(改札口内)に入場する利用者(入場者)に対して入場処理(通行制御処理)を行う役割を担う。他方の出場改札機1Bは、出場時の進行方向(矢印D11の方向)に沿って改札口の内側から外側(改札口外)へ出場する利用者(出場者)に対して出場処理(通行制御処理)を行う役割を担う。以下においては、特に区別しない限り、自動改札機1が入場改札機1A及び出場改札機1Bを含んでおり、前記入場処理及び前記出場処理の両方の機能を兼ねるものとして説明する。
【0030】
なお、自動改札機1は、入場改札機1A或いは出場改札機1Bが単体として用いられて、一方向に通行する利用者に対して入場処理又は出場処理を行うものであってもよい。この場合、入場改札機1Aは、後述するICカード読取部16やコード読取部17が改札外側に配置されるように設置される。また、出場改札機1Bは、ICカード読取部16やコード読取部17が改札内側に配置されるように設置される。
【0031】
以下、通行制御システム100を構成する自動改札機1、駅サーバ2、センタ装置5、決済サーバ6の構成について説明する。
【0032】
[自動改札機1]
以下、
図2及び
図3を参照して、自動改札機1について説明する。ここで、
図2は、自動改札機1の外観を示す斜視図であり、
図3は、自動改札機1の構成を示すブロック図である。
【0033】
自動改札機1は、駅8の改札口に設置されるものであり、利用者が通過する通路9における入場処理又は出場処理を行う。
図2に示すように、自動改札機1は、互いに対向するように設置された入場改札機1A及び出場改札機1Bを備える。
【0034】
自動改札機1は、入出場時に通路9(
図2参照)を通行しようとする利用者の利用者端末4から前記情報コード42を読み取り、その情報コード42に含まれる所定の情報を取得する。そして、通行制御システム100が前記所定の情報に基づいて、利用者の通行を許可するか否かを判定する。ここで、前記所定の情報は、少なくとも利用者を識別するための利用者IDである。この利用者IDは、本発明の輸送対象識別情報の一例である。前記利用者IDは、利用者或いは駅係員などによって予めセンタ装置5や決済サーバ6などに登録されている。
【0035】
図3に示すように、自動改札機1は、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、通信部14と、フラップドア15と、ICカード読取部16と、コード読取部17(本発明の第1読取部、及び第2読取部の一例)と、人感センサ19と、を備えており、これらが自動改札機1の筐体10(
図2参照)に設けられている。
【0036】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。記憶部12には、自動改札機1で実行される各種演算処理を制御部11に実行させるための制御プログラム、前記各種演算処理に用いられる各種のデータなどが記憶されている。また、記憶部12には、自動改札機1で実行される後述の入場処理(
図7参照)或いは出場処理(
図12参照)を制御部11に実行させるための制御プログラムや、前記入場処理及び前記出場処理に用いられる各種のデータなどが記憶されている。また、記憶部12には、自動改札機1が設置されている設置位置を示す位置情報、及び、当該自動改札機1が入場用または出場用のいずれに設定されているかを示す通行識別情報が記憶されている。前記位置情報は、具体的には、自動改札機1が設置されている駅8を示す駅情報であり、詳細には、駅8の駅名である。もちろん、駅8の位置を認識できるものであれば、前記位置情報は如何なる情報であってもよく、例えば、駅8の所在位置を示す緯度と経度の座標であってもよい。
【0037】
表示部13は、制御部11からの指示に従って、通路9(
図2参照)を通行する利用者に対するメッセージを表示する。表示部13は、例えば、液晶パネルを有する表示装置である。
図2に示すように、表示部13は、自動改札機1の筐体10の上面に設けられている。詳細には、表示部13は、筐体10の上面において、通路9における利用者の進行方向(矢印D10又は矢印D11の方向)の前方側に配置されている。利用者の通行が許可される場合、表示部13には、通行可能であることを示すメッセージが表示される。また、利用者の通行が許可されない場合、表示部13には、通行不可(禁止)であることを示すメッセージが表示される。
【0038】
自動改札機1が出場用として用いられる場合は、表示部13には、例えば、運賃が不足していることを示すメッセージや、精算装置3における現金精算を促すメッセージなどが表示されてもよい。なお、精算装置3には、後述するコード読取部17(
図2参照)と同様のコード読取部が備えられており、後述する情報コード42が読み取られることによって、現金による乗車料金の精算が可能である。
【0039】
通信部14は、自動改札機1を有線又は無線でネットワークN1,N2に接続し、ネットワークN1,N2を介して駅サーバ2や他の自動改札機1、センタ装置5などの駅務機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0040】
図2に示すように、人感センサ19は、筐体10に設けられており、詳細には、筐体10において通路9側の側面に設けられている。人感センサ19は、通路9に進入した利用者を検知するセンサであり、その検知信号は制御部11に伝送される。人感センサ19は、例えば、非接触で利用者を検知する光学式の近接センサである。本実施形態では、通路9において入場時の進行方向D10の手前側(入口側)と、前記進行方向の前方側(出口側)のそれぞれに人感センサ19が設けられている。換言すると、人感センサ19は、筐体10の側面において、改札口よりも内部側の位置と、改札口よりも外部側の位置に設けられている。
【0041】
フラップドア15は、自動改札機1の通路9において、両サイドの通行口9A,9Bそれぞれの近傍に設けられている。換言すると、フラップドア15は、通路9において、改札口よりも内部側の通行口9Aと、改札口よりも外部側の通行口9Bに設置されている。前者の通行口9Aは、入場時の進行方向D10の前方側の出口(通行口)であり、後者の通行口9Bは、出場時の進行方向D11の前方側の出口(通行口)である。
【0042】
フラップドア15は、開閉可能な一対の扉であり、各扉は、入場改札機1A及び出場改札機1Bそれぞれの側面に回動可能に設けられている。フラップドア15は、モータなどの駆動部(不図示)から駆動力を得て開閉動作する。前記駆動部が制御部11のドア駆動制御部116(
図3参照)によって駆動制御されることにより、フラップドア15が開位置と閉位置との間で変位する。フラップドア15は、利用者の通行が許可された場合に開放され、これにより、利用者は自動改札機1の通路9を通過することができる。一方、利用者の通行が許可されない場合は、フラップドア15が閉じられるか、或いは閉位置を維持する。
【0043】
例えば、入場時の通行が禁止された状態で通行口9Bから通路9に利用者が進入すると、通行口9Bの人感センサ19によって検知されることにより、通行口9A側のフラップドア15Aが閉じられるか、或いは閉位置を維持する。なお、入場時の通行が許可されている場合は、人感センサ19の検知に関わらず、フラップドア15Aが開けられるか、或いは開位置を維持する。
【0044】
また、出場時の通行が禁止された状態で通行口9Aから通路9に利用者が進入すると、通行口9Aの人感センサ19によって検知されることにより、通行口9B側のフラップドア15Bが閉じられるか、或いは閉位置を維持する。なお、出場時の通行が許可されている場合は、人感センサ19の検知に関わらず、フラップドア15Bが開けられるか、或いは開位置を維持する。
【0045】
なお、フラップドア15は、物理的な扉に限られず、例えば、ホログラムを用いた立体画像で現された扉であってもよい。また、フラップドア15に替えて、音声により利用者の通行を許可又は禁止する音声ゲートを用いてもよい。
【0046】
ICカード読取部16は、
図2に示すように、筐体10の上面において前記進行方向の手前側に設けられている。ICカード読取部16は、ICカード形式の乗車券(以下「ICカード」という。)に記録されている情報(乗車券情報)を非接触により読み取る。前記乗車券情報は、利用者を示す利用者ID、前記ICカードにチャージされているチャージ金額(残金)、前記ICカードの有効期限などを含む。ICカード読取部16は、例えば、通信規格ISO/IEC18092,21481,14443,15696などで規定された近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)によって前記ICカード内の情報を非接触で読み出し、非接触で書き込みを行うリーダライタ装置である。前記ICカードを利用する利用者は、ICカード読取部16の読取面に前記ICカードを翳して、ICカード読取部16に前記乗車券情報を読み取らせる。
【0047】
ICカード読取部16により読み取られた前記乗車券情報は、ICカード読取部16に設けられた内部メモリに一時的に格納され、そして、制御部11に伝送される。制御部11は当該乗車券情報に基づいて入場処理又は出場処理を実行する。例えば、制御部11は、前記乗車券情報の前記利用者IDや有効期限などに基づいて前記ICカードが有効と判定した場合に通路9の通行を許可し、無効と判定した場合に通路9の通行を禁止する。また、制御部11は、出場改札機1Bにおいて、前記乗車券情報の前記チャージ金額が乗車料金以上である場合に前記ICカードを有効と判定して通路9の通行を許可し、前記チャージ金額が乗車料金未満である場合に前記ICカードを無効と判定して通路9の通行を禁止する。
【0048】
なお、本実施形態において、ICカード読取部16や乗車券挿入口は任意の構成である。つまり、自動改札機1にICカード読取部16等が設けられていなくてもよい。
【0049】
コード読取部17は、
図2に示すように、筐体10の上面において、ICカード読取部16よりも前記進行方向の手前側に設けられている。つまり、コード読取部17は、筐体10の前記進行方向の手前側の端部に設けられている。コード読取部17は、入場時又は出場時に自動改札機1の通路9を利用者が通過する際に、利用者が保有する情報コード42を読み取る。なお、入場改札機1Aにおいて前記情報コード42を読み取るコード読取部17が本発明の第1読取部に相当し、出場改札機1Bにおいて前記情報コード42を読み取るコード読取部17が本発明の第2読取部に相当する。
【0050】
コード読取部17は、撮像部171(
図3参照)や、CPUなどを含む演算部(不図示)などを含む。撮像部171は、例えば、利用者端末4の表示画面41に表示された情報コード42を含む画面画像を撮像してデジタルの画像データ(読取データ)として出力するデジタルカメラである。利用者によって利用者端末4の表示画面41がコード読取部17の読取面に翳されると、撮像部171が表示画面41を撮像する。撮像部171によって表示画面41の画面画像が撮像されると、コード読取部17の前記演算部は、前記画面画像に含まれる前記情報コード42をデコードして、前記情報コード42に含まれる所定の情報(利用者ID)を取得する。本実施形態では、前記情報コード42に少なくとも前記利用者ID(輸送対象識別情報)が含まれており、コード読取部17は、前記所定の情報として前記利用者IDを取得する。なお、表示画面41が前記読取面に翳されたか否かは、撮像部171に入射する光量の変化に基づいて判定することが可能である。
【0051】
コード読取部17により取得された前記利用者IDは、コード読取部17に設けられた内部メモリに一時的に格納され、そして、制御部11に伝送される。
【0052】
制御部11は、自動改札機1の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の演算処理に用いられる一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより自動改札機1を制御する。
【0053】
図3に示すように、制御部11は、読取処理部111、記録処理部112、入場制御部113、出場制御部114(本発明の通路制御部の一例)、送信処理部115(本発明の第1送信部、及び第2送信部の一例)、ドア駆動制御部116、表示処理部117、などの各種の処理部を含む。
【0054】
制御部11は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。言い換えると、前記CPUは、前記制御プログラムを実行することにより、読取処理部111、記録処理部112、出場制御部114、ドア駆動制御部116、表示処理部117、などの処理部として機能する。制御部11又は前記CPUが、前記制御プログラムを実行するコンピュータの一例である。なお、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0055】
読取処理部111は、ICカード読取部16やコード読取部17から伝送された各情報を取得して、記憶部12に記憶する。例えば、コード読取部17から前記利用者IDが伝送されると、その利用者IDを記憶部12に格納する。
【0056】
記録処理部112は、前記ICカードなどの乗車券から前記乗車券情報が取得された場合に、前記乗車券における当該情報をICカード読取部16や磁気読取部(不図示)に更新させる。例えば、記録処理部112は、入場駅の駅名をICカードや磁気切符に書き込む。また、記録処理部112は、出場時に、ICカードにチャージされている金額から乗車料金分の金額を減額し、減額された残りの金額をICカードの情報保持部に書き込む。また、記録処理部112は、出場駅の駅名をICカードに書き込む。
【0057】
なお、上述したように、ICカード読取部16や前記乗車券挿入口は本実施形態に必須の構成ではなく、したがって、ICカード読取部16等が自動改札機1に設けられていない場合は、記録処理部112は不要である。
【0058】
入場制御部113及び出場制御部114は、所定の条件を満たした場合に、利用者が通路9を通行することを許可し、所定の条件を満たさなかった場合に通行を禁止する。
【0059】
具体的には、入場制御部113及び出場制御部114は、前記ICカードや磁気切符などの乗車券(又は乗車券情報)が有効であると判定すると、利用者が通路9を通行することを許可し、前記乗車券(又は乗車券情報)が無効であると判定すると、前記利用者が通路9を通行することを禁止する。
【0060】
また、入場制御部113及び出場制御部114は、コード読取部17で読み取られた前記情報コード42に含まれる所定の情報に基づいて、通路9における通行を許可又は禁止する。
【0061】
本実施形態では、入場制御部113は、入場改札機1Aのコード読取部17によって読み取られた前記情報コード42が有効であると判定すると、利用者が通路9を通行(入場)することを許可し、前記情報コード42が無効であると判定すると、利用者が通路9を通行(入場)することを禁止する。また、例えば、入場時に読み取られた前記情報コード42に、予め入場改札機1Aに登録されている入場許可情報が含まれている場合は、入場制御部113は、前記情報コード42に前記利用者ID及び前記入場許可情報が含まれていると判定した場合に、前記情報コード42を有効と判定し、通行(入場)を許可する。また、入場制御部113は、入場時に取得された前記利用者IDと、予め入場改札機1Aに登録された利用制限者情報とを照合し、照合不一致の場合に、利用者が通路9を通行(入場)することを許可してもよい。
【0062】
また、本実施形態では、出場制御部114は、出場駅8Bに設置された出場駅サーバ2Bから後述の通行許可通知(判定結果)を受信した場合に、利用者が通路9を通行することを許可し、出場駅サーバ2Bから後述の通行禁止通知(判定結果)を受信した場合に、利用者が通路9を通行することを禁止する。
【0063】
通行が許可された場合、後述のドア駆動制御部116によってフラップドア15が開位置に変位されて、通路9が開放される。また、通行が禁止された場合、或いは、通行が許可されていない状態で人感センサ19によって利用者が検知された場合に、ドア駆動制御部116によってフラップドア15が閉位置に変位されて、通路9は閉鎖される。
【0064】
送信処理部115は、コード読取部17によって読み取られた前記利用者IDを含む入場情報又は出場情報を通信部14を通じて駅サーバ2に送信する処理を行う。前記入場情報は、入場時にコード読取部17によって読み取られた前記利用者IDの他に、入場駅8Aの駅情報(以下「入場駅情報」と称する。)を含み、前記利用者IDに前記入場情報が対応付けられたものである。また、前記出場情報は、出場時にコード読取部17によって読み取られた前記利用者IDの他に、出場駅8Bの駅情報(以下「出場駅情報」と称する。)を含み、前記利用者IDに前記出場情報が対応付けられたものである。なお、前記入場駅情報は、本発明の輸送開始位置を示す輸送開始位置情報の一例である。また、前記出場情報は、本発明の輸送終了位置を示す輸送終了位置情報の一例である。また、入場改札機1Aにおいて前記入場情報を送信する処理を行う送信処理部115が本発明の第1送信部に相当し、出場改札機1Bにおいて前記出場情報を送信する処理を行う送信処理部115が本発明の第2送信部に相当する。
【0065】
ドア駆動制御部116は、フラップドア15の動作(開閉動作)を制御する。例えば、通路9における利用者の通行が許可された場合、ドア駆動制御部116は、モータなどの駆動部(不図示)を制御して、フラップドア15を開位置まで変位させる。これにより通路9が開放される。一方、通路9における利用者の通行が禁止された場合、ドア駆動制御部116は、前記駆動部を制御して、フラップドア15を閉位置まで変位させるか、閉じた状態を維持する。これにより、通路9が閉鎖される。
【0066】
表示処理部117は、表示部13にメッセージ情報を出力して表示させる。本実施形態では、表示処理部117は、通行可能であることを示すメッセージを表示部13に表示する。また、利用者の通行が許可されない場合は、通行不可(禁止)であることを示すメッセージを表示部13に表示する。
【0067】
[駅サーバ2]
次に、
図4を参照して、駅サーバ2について説明する。ここで、
図4は、駅サーバ2の構成を示すブロック図である。
【0068】
駅サーバ2は、駅務室などに設置されるサーバ装置であり、各駅8に設けられている。駅サーバ2は、各駅8の駅内ネットワークであるネットワークN1に接続されている自動改札機1などの複数の駅務機器と通信可能であり、ネットワークN1を介して各駅務機器を制御又は管理する。
【0069】
駅サーバ2は、制御部21と、記憶部22と、通信部24と、を備えている。
【0070】
通信部24は、駅サーバ2を有線又は無線でネットワークN1,N2に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN1を介して自動改札機1、精算装置3との間でデータ通信を実行し、ネットワークN2を介してセンタ装置5との間でデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0071】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどを含む不揮発性の記憶媒体である。記憶部22には、制御部21に各種演算処理を実行させるための制御プログラムや、駅サーバ2で実行される後述の残高照会要求処理(
図8参照)、及び通行判定処理(
図11参照)に用いられる制御プログラムやデータなどが記憶される。
【0072】
また、記憶部22には、乗車情報格納部221が設けられている。乗車情報格納部221は、鉄道を利用する利用者の利用履歴、その利用者の乗車状況に関する乗車情報、後述する残高情報などを含む乗車履歴データをデータベースとして記憶する記憶領域である。前記乗車履歴データには、前記利用者ID、前記入場駅情報(入場駅名)、前記出場駅情報(出場駅名)、後述する残高情報、入出場日時、などの乗車情報が前記利用者IDごとに登録されている。このような乗車情報は、後述の料金算出部214による乗車料金の算出処理や、後述の通行判定部215による判定処理に用いられる。
【0073】
制御部21は、駅サーバ2の各部の動作を制御する。制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の演算処理に用いられる一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUが実行することにより駅サーバ2を制御する。
【0074】
図4に示すように、制御部21は、第1入場情報取得部2111(本発明の第1取得部の一例)、第2入場情報取得部2112(本発明の第1取得部の一例)、残高取得部212(本発明の第2取得部の一例)、出場情報取得部213(本発明の第3取得部の一例)、料金算出部214、通行判定部215(本発明の輸送判定部の一例)、判定通知処理部216(本発明の判定結果送信部の一例)等の各種の処理部を含む。つまり、駅サーバ2は、第1入場情報取得部2111、第2入場情報取得部2112、残高取得部212、及び出場情報取得部213、料金算出部214、通行判定部215、及び判定通知処理部216を備える。なお、以下の説明では、駅サーバ2の制御部21に上述した各処理部が含まれる例について説明するが、入場駅8Aに属する入場駅サーバ2Aは、第1入場情報取得部2111を備えていればよい。また、出場駅8Bに属する出場駅サーバ2Bは、第2入場情報取得部2112、残高取得部212、及び出場情報取得部213、料金算出部214、通行判定部215、及び判定通知処理部216を備えていればよい。
【0075】
制御部21は、前記CPUが前記制御プログラムや前記決済プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部21又は前記CPUが、前記制御プログラムや前記決済プログラムを実行するコンピュータの一例である。なお、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0076】
第1入場情報取得部2111は、利用者端末4の表示画面41の情報コード42に含まれる前記利用者IDと、この利用者IDに対応付けられた前記入場駅情報とを取得する。具体的には、第1入場情報取得部2111は、入場改札機1A(
図2参照)から送られてきた前記入場情報を取得する。入場改札機1Aから入場駅サーバ2Aに前記入場情報が送られてくると、第1入場情報取得部2111は、通信部24を通じて前記入場情報を取得する。取得された前記入場情報は、制御部21によってセンタ装置5に送信される。
【0077】
残高取得部212は、第1入場情報取得部2111によって前記利用者IDが取得された場合に、当該利用者IDに対応する支払方法に関する判定情報として、前記支払方法で定められた出金元の残高情報を取得する。前記残高情報は、本発明の所定の判定情報の一例である。ここで、前記残高情報は、前記支払方法に基づく決済処理を実行する決済サーバ6に前記利用者IDに対応して登録されている前記出金元の預金残高情報である。
【0078】
本実施形態では、残高取得部212は、決済サーバ6から前記残高情報を取得する。本実施形態では、利用者が入場改札機1Aを入場した後に入場駅サーバ2Aからセンタ装置5を介して決済サーバ6に前記利用者IDとともに後述する残高照会要求が送信され、この残高照会要求に応じて決済サーバ6から前記利用者IDに対応する前記残高情報が複数の出場駅8Bに属する各出場駅サーバ2Bに送られてくる。各出場駅サーバ2Bにおいて、残高取得部212は、通信部24を通じて前記残高情報を取得する。
【0079】
なお、前記支払方法としては、例えば、所謂プリペイド方式、ポストペイ方式、ジャストペイ方式などの種々の支払方法を適用することが可能である。また、いずれの支払方法においても、クレジット決済や、金融機関の預金口座からの引き落とし払いによる即時決済、電子マネーなどを用いた電子決済、仮想通貨を用いた決済など種々の決済方法を適用することが可能である。この場合、前記出金元は、利用者が保有するクレジットカードやデビットカード、即時決済用の情報コードなどに関連付けられている金融機関の預金口座、利用者が保有する金銭や仮想通貨が電子化された金銭情報、金銭価値を有するポイントなどである。また、決済サーバ6は、利用者が保有するクレジットカード情報を管理するクレジットカード管理サーバ、利用者が保有する電子マネーを管理する電子マネー管理サーバ、利用者が保有する仮想通過を管理する仮想通貨管理サーバなどである。前記電子マネーを用いた電子決済は、例えば、QRコードなどの二次元コード(情報コード)を用いた電子決済である。このような電子決済を可能にする決済サービスとしては、例えば、「Alipay」、「WeChat Pay」、「LINE Pay」、「Origami Pay」、「楽天ペイ」などの名称(いずれも登録商標)で知られている決済サービスが知られている。
【0080】
第2入場情報取得部2112は、センタ装置5から、前記残高情報に対応する前記利用者IDと、利用者が入場した入場駅を示す前記入場駅情報とを取得する。本実施形態では、第1入場情報取得部2111によって取得された前記入場情報がセンタ装置5に送信され、その入場情報が前記残高情報とともにセンタ装置5から送られてくると、第2入場情報取得部2112が通信部24を通じて、前記利用者ID及び前記入場駅情報を含む前記入場駅情報を取得する。
【0081】
なお、センタ装置5において、前記残高情報のヘッダ領域に前記利用者ID及び前記入場駅情報が付加された場合は、前記残高取得部212は、前記残高情報を取得することによって、前記利用者ID及び前記入場駅情報を一緒に取得する。この場合、残高取得部212が、本発明の第1取得部及び第2取得部に相当する。
【0082】
残高取得部212によって取得された前記残高情報、第2入場情報取得部2112によって取得された前記利用者ID及び前記入場駅情報は、乗車情報格納部221の前記乗車履歴データに前記利用者IDごとに登録される。
【0083】
出場情報取得部213は、利用者端末4の表示画面41の情報コード42に含まれる前記利用者IDと、この利用者IDに対応付けられた前記出場駅情報とを取得する。具体的には、出場情報取得部213は、出場改札機1B(
図2参照)から送られてきた前記出場情報を取得する。出場改札機1Bから出場駅サーバ2Bに前記出場情報が送られてくると、出場情報取得部213は、通信部24を通じて前記出場情報を取得する。取得された前記出場駅情報及び前記利用者IDは、乗車情報格納部221の前記乗車履歴データに前記利用者IDごとに登録される。
【0084】
料金算出部214は、乗車情報格納部221の前記乗車履歴データに登録された乗車情報に基づいて、利用者が乗車した乗車区間の乗車料金を算出する料金算出処理を行う。つまり、料金算出部214は、前記乗車履歴データに登録された前記入場駅情報と前記出場駅情報とに基づいて、利用者が入場した入場駅から出場駅までの乗車区間の距離に応じた乗車料金を求める。例えば、駅サーバ2には、所定の駅から所定の駅までの全ての区間に対応する料金データベースや料金計算式が格納されており、料金算出部214は、利用者の乗車区間に対応する前記乗車料金を前記料金データベースや前記料金計算式に基づいて求める。料金算出部214によって前記乗車料金が求められると、その乗車料金を示す課金情報がセンタ装置5に送信され、センタ装置5から決済サーバ6に転送されて、決済サーバ6における決済処理に用いられる。
【0085】
なお、前記料金データベースや料金計算式は、センタ装置5の記憶部52に格納されていてもよい。この場合、料金算出部214は、利用者IDと乗車区間をセンタ装置5に送信してセンタ装置5に乗車料金を求めさせ、その算出結果をセンタ装置5から受け取ることにより、利用者の乗車料金を得ることができる。
【0086】
通行判定部215は、料金算出部214によって算出された前記乗車料金と、前記残高取得部212によって取得された前記残高情報とに基づいて、出場駅8Bの出場改札機1Bにおける利用者の通行を許可するか否かを判定する通行判定処理を行う。具体的には、通行判定部215は、前記乗車料金と前記残高情報が示す残高金額とを比較し、前記乗車料金が前記残高金額以下である場合に、出場駅8Bの出場改札機1Bにおける利用者の通行(出場)を許可する。
【0087】
判定通知処理部216は、通行判定部215による判定結果を通信部24を通じて出場改札機1Bに送信する。具体的には、前記乗車料金が前記残高金額以下である場合に、前記通行許可通知を判定結果として出場改札機1Bに送信する。また、前記乗車料金が前記残高金額を超過する場合に、前記通行禁止通知を判定結果として出場改札機1Bに送信する。前記通行許可通知及び前記通行禁止通知は、出場制御部114による通行制御に用いられる。
【0088】
[センタ装置5]
次に、
図5を参照して、センタ装置5について説明する。
【0089】
センタ装置5は、駅8を含む鉄道事業を運営する鉄道事業者が管理する中央監視装置であり、鉄道事業者が運営する全ての駅8の駅サーバ2や自動改札機1などの駅務機器を管理するサーバ装置である。センタ装置5は、ネットワークN2に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN2を介して駅サーバ2や自動改札機1との間でデータ通信を実行する。また、センタ装置5は、専用回線や公衆回線等のネットワークN3に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN3を介して決済サーバ6との間でデータ通信を実行する。
【0090】
図5に示すように、センタ装置5は、制御部51と、記憶部52と、通信部54と、を備えている。制御部51は、センタ装置5の動作を制御する。記憶部52は、制御部51が実行する各種演算処理に必要なプログラムや情報を記憶する。通信部54は、ネットワークN2,N3を介して接続されている決済サーバ6や複数の駅サーバ2やとのデータ通信を制御する。
【0091】
センタ装置5は、入場駅サーバ2Aや決済サーバ6から送られてきた各種情報を転送するデータ転送中継機能を有する。具体的には、制御部51は、入場駅サーバ2Aから送られてきた前記残高照会要求を受信すると、その残高照会要求を決済サーバ6に転送する処理を行う。また、制御部51は、決済サーバ6から送られてきた前記残高情報を受信すると、その残高情報を出場駅サーバ2Bに転送する処理を行う。また、制御部51は、出場駅サーバ2Bから送られてきた前記乗車料金を示す課金情報を受信すると、その課金情報を決済サーバ6に転送する処理を行う。前記残高照会要求とともに送受信される前記入場情報(利用者ID、入場駅情報)や、前記残高情報、前記課金情報は、記憶部52に利用者IDごとに記憶される。
【0092】
制御部51は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。制御部51は、前記ROM又は記憶部52に予め記憶された各種の制御プログラムや、後述の中継処理(
図9参照)を実行するための中継プログラムを前記CPUが実行することによりセンタ装置5を制御する。
【0093】
図5に示すように、制御部51は、転送駅設定部511、及び課金情報送信部512(本発明の課金情報送信部の一例)等の処理部を含む。制御部51は、前記CPUが前記制御プログラムや前記中継プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部51又は前記CPUが、前記制御プログラムや前記決済プログラムを実行するコンピュータの一例である。なお、制御部51に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0094】
転送駅設定部511は、決済サーバ6から前記残高情報を受信した場合に、その残高情報を転送する転送先の駅8を設定する転送駅設定処理を行う。例えば、転送駅設定部511は、通行制御システム100が適用される全ての駅8を前記残高情報の転送先に設定してもよい。或いは、転送駅設定部511は、受信した前記入場情報に含まれる入場駅情報と前記残高情報とに基づいて決定される一つ又は複数の駅8を転送先に設定してもよい。この場合、前記入場駅情報が示す入場駅8Aから、前記残高情報が示す金額で移動することができる範囲内に含まれる全ての駅8を転送先に設定してもよい。或いは、前記入場情報に含まれる利用者IDごとに乗車履歴情報を記憶部52に蓄積して記憶しておき、この乗車履歴情報に基づいて、利用者が出場する一つ又は複数の駅8を予測し、予測された駅8を転送先に設定してもよい。例えば、前記乗車履歴情報として、利用者IDごとに、自動改札機1を通過した日時(入出場日時)や曜日、利用した駅(入場駅、出場駅)などをデータベースとして記憶部52に記憶しておき、転送駅設定部511は、これらの各情報から、実際の入場駅8Aに対して出場可能性の高い駅8を機械学習によって予測して、予測した駅8を転送先に設定するものであってもよい。転送駅設定部511によって転送駅が設定されると、制御部51は、前記転送駅の駅サーバ2に前記残高情報を転送する。
【0095】
課金情報送信部512は、料金算出部214によって求められた前記乗車料金を示す前記課金情報を受信すると、その課金情報をセンタ装置5に送信する。決済サーバ6では、前記課金情報を受信することにより、利用者の乗車料金に対する決済処理を行う。
【0096】
[決済サーバ6]
次に、
図5を参照して、決済サーバ6について説明する。
【0097】
決済サーバ6は、決済事業者(例えば、クレジットカード会社)が管理するサーバ装置である。決済サーバ6は、ネットワークN3に接続し、所定の通信プロトコルに従って、ネットワークN3を介してセンタ装置5との間でデータ通信を実行する。
【0098】
図5に示すように、決済サーバ6は、制御部61と、記憶部62と、通信部64と、を備えている。制御部61は、決済サーバ6の動作を制御する。記憶部62は、制御部61が実行する各種演算処理に必要なプログラムや情報を記憶する。通信部64は、ネットワークN3を介して接続されているセンタ装置5とのデータ通信を制御する。
【0099】
決済サーバ6は、センタ装置5から送られてきた各種要求を受信すると、当該要求に応じた処理を行う。具体的には、制御部61は、センタ装置5から送られてきた前記残高照会要求を受信すると、従来周知の残高照会処理を行う。詳細には、制御部61は、前記残高照会要求にしたがって、特定の利用者の利用者IDに対応する前記出金元の残高情報を取得して、センタ装置5に送信する。また、制御部61は、センタ装置5から送られてきた前記決済要求及び前記課金情報を受信すると、その決済要求にしたがって前記課金情報で示される金額について従来周知の決済処理を行う。
【0100】
制御部61は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。制御部61は、前記ROM又は記憶部62に予め記憶された各種の制御プログラムや、後述の中継処理(
図9参照)を実行するための中継プログラムを前記CPUが実行することによりセンタ装置5を制御する。
【0101】
図5に示すように、制御部61は、上述した残高照会処理を行う残高照会処理部611、決済制限処理部612、及び上述した決済処理を行う決済処理部613等の各処理部を含む。制御部61は、前記CPUが前記制御プログラムや前記中継プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部61又は前記CPUが、前記制御プログラムや前記決済プログラムを実行するコンピュータの一例である。なお、制御部61に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0102】
決済制限処理部612は、前記残高照会要求を受信し、前記残高情報を取得した場合に、決済処理部613で実行される決済処理に対して所定の出金制限を設定する決済制限処理を行う。例えば、決済制限処理部612は、前記出金元の残金が、通行制御システム100が適用される全ての路線における最大乗車料金未満にならないように利用限度額を設定する。前記決済制限処理は、前記残高情報が取得された後に確定する前記乗車料金の決済が確実に行われるようにするために行われる。前記乗車料金の決済が行われると、決済制限処理部612は前記出金制限を解除する。なお、前記残高情報が取得されたときの前記出金元の残金が、前記最大乗車料金未満である場合は、前記乗車料金の決済が完了するまで前記乗車料金以外の決済を受け付けないように出金制限を課す。
【0103】
以下、
図6乃至
図12の各フローチャートを参照して、通行制御システム100において実行される各種処理の手順の一例について説明するとともに、本発明の輸送制御方法の一例である通行制御方法について説明する。各図において、S1,S2,・・・は処理手順の番号(ステップ番号)を示す。
【0104】
まず、
図6のフローチャートを参照して、利用者が入場改札機1Aを通行(入場)してから出場改札機1Bを通行(出場)するまでの間に行われる通行制御の一連の流れについて説明する。ここで、
図6は、通行制御システム100で実行される各種処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0105】
利用者は、入場改札機1Aの通路9を通行(入場)する際に、利用者端末4に表示されている情報コード42(
図2参照)をコード読取部17の読取面に翳す。入場改札機1Aにおいて、コード読取部17によって前記情報コード42が読み取られると、制御部11によって入場処理(S1)が実行される。この入場処理(S1)において、前記入場情報が入場駅8Aの入場駅サーバ2Aに送信される。
【0106】
入場駅サーバ2Aでは、前記入場情報を受信すると、制御部21によって残高照会要求処理(S2)が実行される。この残高照会要求処理(S2)において、前記残高照会要求がセンタ装置5に送信される。
【0107】
センタ装置5では、前記残高照会要求を受信すると、制御部51によって残高照会要求の転送処理(S3)が実行される。この転送処理(S3)において、前記残高照会要求が決済サーバ6に転送される。
【0108】
決済サーバ6では、前記残高照会要求を受信すると、制御部61によって残高照会処理(S4)が実行される。この残高照会処理(S4)において、利用者の出金元の残高情報が取得されて、センタ装置5に送信される。
【0109】
センタ装置5では、前記残高情報を受信すると、制御部51によってその残高情報の転送処理(S5)が実行される。この転送処理(S5)において、前記残高情報が出場駅サーバ2Bに転送される。
【0110】
出場駅サーバ2Bでは、前記残高情報を受信すると、制御部21によって、その残高情報を記憶部22の乗車履歴データに登録する登録処理(S6)が実行される。この登録処理(S6)が行われた後に、出場駅サーバ2Bは、前記出場情報の受信を待機する待機状態となる。
【0111】
利用者は、出場改札機1Bの通路9を通行(出場)する際に、利用者端末4に表示されている情報コード42(
図2参照)をコード読取部17の読取面に翳す。出場改札機1Bにおいて、コード読取部17によって前記情報コード42が読み取られると、制御部11によって、通行判定要求を送信する通行判定要求処理(S7)が実行される。この通行判定要求処理(S7)において、通行判定要求が出場駅8Bの出場駅サーバ2Bに送信される。
【0112】
出場駅サーバ2Bでは、前記通行判定要求を受信すると、制御部21によって、通行判定処理(S8)が実行される。この通行判定処理(S8)において、通行判定結果の通知(通行許可通知、通行禁止通知)が出場改札機1Bに送信され、また、乗車料金を示す課金情報がセンタ装置5に送信される。
【0113】
出場改札機1Bでは、前記通行判定結果の通知を受信すると、制御部11によって出場処理(S9)が実行される。
【0114】
センタ装置5では、前記課金情報を受信すると、制御部51によって前記課金情報の転送処理(S10)が実行される。この転送処理(S10)において、前記課金情報が決済サーバ6に転送される。
【0115】
決済サーバ6では、前記課金情報を受信すると、制御部61によって、前記課金情報が示す乗車料金に対する決済処理(S11)が実行される。
【0116】
次に、
図7乃至
図12の各フローチャートを参照して、
図6におけるステップS1~S11の各処理について詳細に説明する。ここで、
図7は、入場改札機1Aで実行される入場処理の手順の一例を示し、
図8は、入場駅サーバ2Aで実行される残高照会要求の転送処理の手順の一例を示し、
図9は、センタ装置5で実行される各転送処理の手順の一例を示し、
図10は、決済サーバ6で実行される残高照会処理及び決済処理の手順の一例を示し、
図11は、出場駅サーバ2Bで実行される残高情報登録処理及び通行判定処理の手順の一例を示し、
図12は、出場改札機1Bで実行される通行判定要求処理及び出場処理の手順の一例を示す。
【0117】
[ステップS1の入場処理]
利用者が入場のために入場駅8Aの入場改札機1Aの通路9に進入する際に、利用者端末4の表示画面41がコード読取部17の読取面に翳されると、
図7に示すように、制御部11は、表示画面41の情報コード42をコード読取部17に読み取らせる(S101)。そして、情報コード42が読み取られると、制御部11は、情報コード42に含まれる所定の情報に基づいて、入場を許可するか否かを判定する(S102)。本実施形態では、情報コード42に利用者を識別可能な前記利用者IDが含まれている場合に入場を許可し、前記利用者IDが含まれていない場合は入場を禁止する。
【0118】
ステップS102において入場が許可されず、且つ、人感センサ19の検知信号によって通路9内に利用者が進入したと判定されると、制御部11は、通路9における利用者の通行を禁止し、フラップドア15を閉位置に変位させる(S105)。これにより、利用者は、入場改札機1Aの通路9を通行(入場)することが禁止される。その後、制御部11は、入場改札機1Aの表示部13に、前記情報コード42の読取エラーであることを示すエラーメッセージを表示して、再び前記情報コード42の読み取りを利用者に促す(S106)。その後、ステップS101に戻り、ステップS101以降の処理が行われる。
【0119】
一方、ステップS102において入場が許可された場合は、制御部11は、通路9における利用者の通行(入場)を許可し、フラップドア15を開位置に変位させる(S103)。これにより、利用者は、入場改札機1Aの通路9を通って改札内に入場することが可能となる。その後、制御部11は、情報コード42に含まれていた前記利用者IDと、入場駅8Aを示す入場駅情報(入場駅名)とを含む入場情報を入場駅サーバ2Aに送信する。
【0120】
[ステップS2の残高照会要求処理]
図8に示すように、入場駅サーバ2Aでは、入場改札機1Aから前記入場情報を受信すると(S201)、制御部21は、決済サーバ6に対して利用者IDに対応する出金元の残高の照会を求めるために、残高照会要求とともに前記入場情報をセンタ装置5に送信する(S202)。
【0121】
[ステップS3の残高照会要求の転送処理]
図9に示すように、センタ装置5では、入場駅サーバ2Aから前記残高照会要求を受信すると(S301)、制御部51は、前記残高照会要求とともに受信した前記入場情報(利用者ID及び入場駅情報)を記憶部52に記憶する(S302)。その後、制御部51は、前記残高照会要求と前記利用者IDを決済サーバ6に転送する(S303)。
【0122】
[ステップS4の残高照会処理]
図10に示すように、決済サーバ6では、センタ装置5から前記残高照会要求を受信すると(S401)、制御部61は、受信した前記利用者IDに対応する出金元の残高を示す残高情報を取得する(S402)。その後、制御部61は、取得した前記残高情報と前記利用者IDをセンタ装置5に送信する(S403)。その後、制御部61は、後に行われる決済処理(S406)に対して所定の出金制限を設定する上述の決済制限処理を行う。
【0123】
[ステップS5の残高情報の転送処理]
図9に示すように、センタ装置5では、決済サーバ6から前記残高情報とともに前記利用者IDを受信すると(S304)、制御部51は、その残高情報を転送する転送先の駅8を設定する上述の転送駅設定処理を行う(S305)。次のステップS306では、ステップS305で設定された駅8の駅サーバ2に、前記残高情報とともに記憶部52に格納されている前記入場情報を転送する。以下、説明の便宜上、前記残高情報が転送された駅8の駅サーバ2を出場駅サーバ2Bと称する。
【0124】
[ステップS6の残高情報の登録処理]
図11に示すように、出場駅サーバ2Bでは、センタ装置5から前記残高情報とともに前記入場情報を受信すると(S501)、制御部21は、受信した残高情報と、前記利用者IDと、前記入場情報に含まれる前記入場駅情報とを対応づけて、記憶部52の前記乗車履歴データに登録する(S502)。前記乗車履歴データに前記残高情報と前記入場情報が登録されることによって、出場駅8Bの出場改札機1Bに利用者が前記情報コード42を読み取らせた場合に、制御部21は、後述の通行判定処理を行うことが可能となる。なお、ステップS501において、前記残高情報を受信する処理は、本発明の第2取得ステップの一例であり、前記入場情報を受信する処理は、本発明の第1取得ステップの一例である。
【0125】
[ステップS7の通行判定要求処理]
利用者が出場のために出場駅8Bの出場改札機1Bの通路9に進入する際に、利用者端末4の表示画面41がコード読取部17の読取面に翳されると、
図12に示すように、制御部11は、表示画面41の情報コード42をコード読取部17に読み取らせる(S601)。そして、前記情報コード42が読み取られると、制御部11は、情報コード42に利用者IDが含まれているか否かを判定する(S602)。ステップS602において、前記利用者IDが含まれていると判定された場合は、制御部11は、通行判定要求とともに出場情報を出場駅サーバ2Bに送信する(S603)。ここで、前記出場情報は、情報コード42に含まれていた前記利用者IDと、出場駅8Bを示す出場駅情報(出場駅名)とを含む情報である。なお、ステップS602において前記利用者IDが含まれていないと判定された場合は、制御部11は、通路9における利用者の通行を禁止し、フラップドア15を閉位置に変位させる(S607)。これにより、利用者は、出場改札機1Bの通路9を通行(出場)することが禁止される。その後、制御部11は、出場改札機1Bの表示部13に、前記情報コード42の読取エラーであることを示すエラーメッセージ、或いは、精算装置3における現金精算を促すメッセージを表示する(S608)。
【0126】
[ステップS8の通行判定処理]
図11に示すように、出場駅サーバ2Bでは、出場改札機1Bから前記通行判定要求とともに前記出場情報を受信すると(S503)、制御部21は、出場しようとする利用者の利用者IDに対応する残高情報が乗車情報格納部221の前記乗車履歴データに登録されているかどうかを判定する。この判定処理は、前記乗車履歴データから、前記通行判定要求とともに受信した利用者IDに対応するデータを抽出し、そのデータに前記残高情報が含まれているかどうかを判定する。なお、ステップS503は、本発明の第3取得ステップの一例である。
【0127】
ステップS504において、前記乗車履歴データに前記残高情報が登録されていると判定されると(S504のYes)、制御部21は、出場しようとする利用者の利用者ID及びその利用者が入場した前記入場駅情報を前記乗車履歴データから読み出して取得する(S506)。その後、上述の利用料金算出処理を行い、利用者が利用した入場駅8Aから出場駅8Bまでの乗車区間の乗車料金を求める(S506)。一方、前記乗車履歴データに前記残高情報が登録されていない場合(S504のNo)、乗車料金の支払いができない可能性があるため、制御部21は、前記通行禁止通知を出場改札機1Bに送信する(S505)。なお、ステップS506は、本発明の料金算出ステップの一例である。
【0128】
利用者の乗車料金が算出されると、次のステップS507では、制御部21は、算出された前記乗車料金と、前記残高情報とに基づいて、上述の通行判定処理を行い、出場改札機1Bにおける利用者の通行(出場)を許可するか否かの判定を行う。具体的には、制御部21は、前記乗車料金と前記残高情報が示す残高金額とを比較し、前記乗車料金が前記残高金額未満であると判定された場合に(S507のYes)、利用者の通行を許可する前記通行許可通知を出場改札機1Bに出力する(S508)。その後、制御部21は、前記乗車料金を含む課金情報をセンタ装置5に送信する(S509)。一方、前記乗車料金が前記残高金額以上であると判定された場合は(S507のNo)、制御部21は、前記通行禁止通知を出場改札機1Bに送信する(S505)。なお、ステップS507は、本発明の輸送判定ステップの一例である。
【0129】
[ステップS9の出場処理]
図12に示すように、出場改札機1Bでは、出場駅サーバ2Bから前記通行禁止通知を受信すると(S604)、制御部11は、通路9における利用者の通行(出場)を禁止し、フラップドア15を閉位置に変位させる(S607)。これにより、利用者は、出場改札機1Bの通路9を通行(出場)することが禁止される。その後、制御部11は、出場改札機1Bの表示部13に、精算装置3における現金精算を促すメッセージを表示する(S608)。
【0130】
また、出場駅サーバ2Bから前記通行許可通知を受信すると(S605)、制御部11は、通路9における利用者の通行(出場)を許可し、フラップドア15を開位置に変位させる(S606)。これにより、利用者は、出場改札機1Bの通路9を通って改札外に出場することが可能となる。
【0131】
なお、所定時間以内に前記通行禁止通知及び前記通行許可通知のいずれも受信しなかった場合は、ステップS607以降の処理が行われる。
【0132】
[ステップS10の課金情報の転送処理]
図9に示すように、センタ装置5では、出場駅サーバ2Bから前記残高情報を受信すると(S307)、制御部51は、決済サーバ6に対して決済処理を求める決済要求とともに、受信した残高情報を決済サーバ6に転送する(S308)。
【0133】
[ステップS11の決済処理]
図10に示すように、決済サーバ6では、センタ装置5から前記決済要求を受信すると(S405)、制御部61は、受信した前記決済要求及び前記課金情報に基づいて、利用者の乗車料金に対する決済処理を行う(S406)。その後、制御部61は、ステップS404で設定した前記出金制限を解除する(S407)。これにより、一連の通行制御処理が終了する。
【0134】
以上説明したように、本実施形態に係る通行制御システム100においては、出場駅サーバ2Bにおいて、残高情報とともに利用者ID及び入場駅情報が取得され(S501)、その後に、出場改札機1Bから通行判定要求とともに出場駅情報を含む出場情報が取得されると(S503)、乗車料金が算出され(S506)、その乗車料金が残高情報が示す金額未満である場合に、通行許可通知が出場改札機1Bに送信される(S509)。出場改札機1Bでは、この通行許可通知を受けた場合に、フラップドア15を開位置に変位されて、通路9が開放されることにより、利用者が通路9から改札外に出場することが可能となる。このような処理が行われるため、乗車料金が確定する前に、乗車料金の決済処理が可能か否かの判定に用いる残金情報が取得され、取得された前記残金情報と、その後に確定した前記乗車料金とに基づいて、出場改札機1Bの通過が許可される。その結果、前記乗車料金が確定してから前記残金情報を取得して通行判定を行う場合に比べて、利用者が出場改札機1Bに前記情報コード42を読み取らせてから通行許可されるまでに要する時間を短縮することができる。
【0135】
なお、上述の実施形態では、利用者が駅8の自動改札機1の通路9を通行する実施例を例示したが、本発明は、鉄道により利用者を輸送する鉄道サービスにおける利用者の通行制御だけでなく、例えば、荷物の運搬サービスにも適用可能である。前記運搬サービスとしては、例えば、遠隔操縦又は自律制御により飛行する無人航空機(ドローン)を用いて荷物を運搬又は宅配するサービスなどが考えられる。この場合、輸送対象の荷物に上述の情報コード42が付されており、前記無人航空機の出発位置及び到着位置のそれぞれにおいて情報コード42が取得される。このような運搬サービスにも発明が適用されることにより、到着位置における荷物の受取を迅速に行うことができる。
【0136】
また、上述の実施形態では、出場駅サーバ2Bと決済サーバ6との間にセンタ装置5を介在して、センタ装置5によって各情報を転送する実施例を例示したが、本発明このような実施例に限られない。例えば、センタ装置5で実行される各処理を出場駅サーバ2Bで行わせることにより、センタ装置5を介在させずに、出場駅サーバ2Bと決済サーバ6との間で直接に各情報を送受信する構成にも本発明は適用可能である。また、同様に、自動改札機1とセンタ装置5との間に駅サーバ2を介在させた実施例を例示したが、駅サーバ2で実行される各処理をセンタ装置5で行わせることにより、駅サーバ2を介在させずに、自動改札機1とセンタ装置5と決済サーバ6との間で直接に各情報を送受信する構成にも本発明は適用可能である。この場合、センタ装置5が本発明のサーバ装置の一例である。
【0137】
また、上述の実施形態では、本発明の判定情報の一例として、前記乗車料金の決済に用いられる出金元の預金残高を示す残高情報を例示したが、前記判定情報は前記残高情報に限られない。例えば、本発明の判定情報は、決済サーバ6に前記利用者IDごとに対応して登録されている出金上限金額を定める情報(出金上限金額情報)であってもよい。この場合、上述の実施形態において、前記残高情報に替えて、前記出金上限金額情報が用いられ、上述のステップS507では、前記乗車料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記通行許可通知が出場改札機1Bに送信される。
【0138】
また、上述の実施形態では、決済サーバ6から前記残高情報を取得する実施例について例示したが、例えば、前記判定情報が前記情報コード42に含まれていてもよい。この場合、前記判定情報は、利用者IDごとに対応して予め定められた出金上限金額情報であることが好ましい。この構成においては、出場改札機1Bのコード読取部17によって前記情報コード42が読み取られたときに、前記出金上限金額情報が取得され、そして、上述のステップS507では、前記乗車料金が前記出金上限金額情報が示す出金上限金額以下である場合に、前記通行許可通知が出場改札機1Bに送信される。このような実施例であっても、利用者が出場改札機1Bに前記情報コード42を読み取らせてから通行許可されるまでに要する時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0139】
1 :自動改札機
2 :駅サーバ
4 :利用者端末
5 :センタ装置
6 :決済サーバ
8 :駅
11 :制御部
12 :記憶部
13 :表示部
14 :通信部
15 :フラップドア
16 :ICカード読取部
17 :コード読取部
171 :撮像部
19 :人感センサ
21 :制御部
2111 :第1入場情報取得部
2112 :第2入場情報取得部
212 :残高取得部
213 :出場情報取得部
214 :料金算出部
215 :通行判定部
216 :判定通知処理部
221 :乗車情報格納部
51 :制御部
511 :転送駅設定部
512 :課金情報送信部
61 :制御部
611 :残高照会処理部
612 :決済制限処理部
613 :決済処理部
100 :通行制御システム
111 :読取処理部
112 :記録処理部
113 :入場制御部
114 :出場制御部
115 :送信処理部
116 :ドア駆動制御部
117 :表示処理部