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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】内燃機関の吸気構造
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/104 20060101AFI20220913BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20220913BHJP
   F02M 26/21 20160101ALI20220913BHJP
   F02D 9/10 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
F02M35/104 B
F02M35/104 P
F02M35/10 311E
F02M26/21
F02D9/10 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020555561
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2019043559
(87)【国際公開番号】W WO2020095966
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2018208570
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】西川 勝
(72)【発明者】
【氏名】高安 則夫
(72)【発明者】
【氏名】中山 和俊
(72)【発明者】
【氏名】土橋 謙祐
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅信
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 得
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-247178(JP,A)
【文献】特開2017-115827(JP,A)
【文献】特開平08-014108(JP,A)
【文献】特表2015-508479(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102009014977(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第10202612(DE,A1)
【文献】特開平10-213019(JP,A)
【文献】特開2004-308532(JP,A)
【文献】実開平02-122341(JP,U)
【文献】特開平10-311254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/104
F02M 35/10
F02M 26/21
F02D 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のシリンダヘッドに形成された複数の吸気ポートの開口に接続され、前記吸気ポートの開口が配列される配列方向に延在するインテークマニホールドを有する内燃機関の吸気構造であって、
前記インテークマニホールドの上方又は下方のいずれか一方に配置されて前記インテークマニホールドに前記一方から接続される排気還流バルブと、
前記インテークマニホールドの上方又は下方のいずれか他方に配置されて前記インテークマニホールドに前記他方から接続されるスロットルバルブと、
を備え、
前記排気還流バルブと前記スロットルバルブとは、前記配列方向と直交する正面視の上下方向において重複した領域を有して配置され、
前記排気還流バルブと前記インテークマニホールドとを接続する排気還流通路部は、前記配列方向に間隔を置いた複数箇所で前記インテークマニホールドの内部とを接続する複数の分岐通路を有するとともに前記排気還流バルブを前記インテークマニホールドに支持する支持部材となり、
前記分岐通路から前記インテークマニホールドに形成され前記シリンダヘッドに連結するフランジに延びるリブを備える、
内燃機関の吸気構造。
【請求項2】
前記正面視において、前記スロットルバルブと前記排気還流バルブとは、前記インテークマニホールドの延在方向の中央領域で前記インテークマニホールドに接続される、
請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項3】
更に、
排気還流ガス供給孔と、
吸気導入孔と、
を備え、
前記排気還流バルブは、前記インテークマニホールドの上方に配置され、
前記スロットルバルブは、前記インテークマニホールドの下方に配置され、
前記排気還流ガス供給孔において、前記排気還流通路部と前記インテークマニホールドの内部箇所とが、接続され、
前記吸気導入孔において、前記スロットルバルブから上方に延在する前記インテークマニホールドの吸気通路部が、前記排気還流ガス供給孔が接続された前記インテークマニホールドの内部箇所に接続され、
前記吸気導入孔は、前記配列方向と直交する平面視において、前記排気還流ガス供給孔よりも吸気流れの上流側に離れた箇所に配置される、
請求項1又はに記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項4】
更に、
前記吸気通路部に設けられ、センサを保持するニップル、
を備える、
請求項に記載の内燃機関の吸気構造。
【請求項5】
前記ニップルは、前記正面視の上下方向において前記スロットルバルブと前記排気還流バルブとの間に配置される、
請求項記載の内燃機関の吸気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関の吸気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンから排出される排気の一部を排気還流ガスとしてインテークマニホールドに導入し、気筒に再度吸気させることで、排気中の窒素化合物(NOx)の低減を図る内燃機関の吸気構造が知られている(日本国特開2000-45880号公報参照)。
このような内燃機関の吸気構造として、インテークマニホールドに、吸気量を調整するスロットルバルブと、排気還流ガスの還流量を調整する排気還流バルブとを連結して配置することが考えられる。
【0003】
一般的に、スロットルバルブと排気還流バルブはある程度の重量を有している。インテークマニホールドにスロットルバルブと排気還流バルブを連結した場合、スロットルバルブと排気還流バルブが、エンジンの振動や走行時の振動により上下方向に振動すると、スロットルバルブと排気還流バルブのインテークマニホールドに対する配置如何によっては、スロットルバルブからインテークマニホールドに伝わる力と、排気還流バルブからインテークマニホールドに伝わる力とによってインテークマニホールドにねじられるような応力が生じる。この結果、インテークマニホールドの取付耐久性を高める上で不利となる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施の形態は、インテークマニホールドに入力される不必要な応力を回避して、インテークマニホールドの取付耐久性が向上した内燃機関に関する。
【0005】
本発明の実施の形態によれば、内燃機関のシリンダヘッドに形成された複数の吸気ポートの開口に接続され、前記吸気ポートの開口が配列される配列方向に延在するインテークマニホールドを有する内燃機関の吸気構造は、前記インテークマニホールドの上方又は下方のいずれか一方に配置されて前記インテークマニホールドに前記一方から接続される排気還流バルブと、前記インテークマニホールドの上方又は下方のいずれか他方に配置されて前記インテークマニホールドに前記他方から接続されるスロットルバルブと、を備える。前記排気還流バルブと前記スロットルバルブとは、前記配列方向と直交する正面視の上下方向において重複した領域を有して配置される。
【0006】
本発明の実施の形態によれば、インテークマニホールドの上下方向の一方にスロットルバルブを配置して他方に排気還流バルブを配置した上で、吸気ポートの配列方向と直交する正面視の上下方向において重複した領域を有してスロットルバルブと排気還流バルブとが配置されるため、スロットルバルブと排気還流バルブとの配置位置を確保しつつインテークマニホールドにねじられるような応力の発生を抑止される。この結果、インテークマニホールドの取付耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の内燃機関の吸気構造が適用された内燃機関を車両の前方から見た正面図である。
図2】実施の形態の内燃機関の吸気構造が適用された内燃機関を車両の斜め前方から見た斜視図である。
図3図1のA-A線断面図である。
図4図1のB-B線断面図である。
図5】インテークマニホールドの細長通路部の開口を斜め下方から見た斜視図である。
図6】インテークマニホールドの細長通路部の開口を斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態の吸気構造が適用されたエンジン(内燃機関)の構成について説明する。
なお、以下の図面において、符号FRは車両前方を示し、符号UPは車両上方を示し、符号HLは車幅方向を示す。
図1図2に示すように、エンジン10は、エンジン本体12と、インテークマニホールド14と、エキゾーストマニホールドと、排気還流装置とを含む。
エンジン本体12は、シリンダブロック16と、シリンダヘッド18とを含んで構成されている。
シリンダブロック16にピストンを収容する気筒20(シリンダ室)(図3参照)が形成される。各気筒20の燃焼室がシリンダヘッド18に形成される。本実施の形態では、4つの気筒20が車幅方向に沿って1番気筒201、2番気筒202、3番気筒203、4番気筒204と直線状に配列されている。
インテークマニホールド14は、気筒20が並べられた方向に対して直交する方向のシリンダヘッド18の一側に配置される。エキゾーストマニホールドは、シリンダヘッド18の他側に配置される。
図3図4に示すように、インテークマニホールド14は、シリンダヘッド18の吸気ポート22と吸気管24とを接続する。エキゾーストマニホールドは、シリンダヘッド18の排気ポートと排気管とを接続する。
【0009】
各気筒20に新気を供給する吸気通路は、吸気管24の吸気通路部と、インテークマニホールド14の吸気通路部26と、シリンダヘッド18の吸気ポート22とを含む。図3図4図5に示すように、インテークマニホールド14の吸気通路部26は、縦通路部28と湾曲通路部30と細長通路部32とを有している。
縦通路部28は、吸気通路部26における吸気の流れの上流側に位置して上下方向に延在している。
スロットルバルブ34は、弁体3402の開閉により吸気量の調整を行なうものであり、図1図2に示すように、インテークマニホールド14の下方に配置されている。
スロットルバルブ34は、インテークマニホールド14の縦通路部28の下端のスロットルバルブ結合用フランジ2802(図4参照)に連結される。したがって、スロットルバルブ34は、図1図4に示すように、インテークマニホールド14の下方に配置されてインテークマニホールド14の下方から接続される。また、縦通路部28はスロットルバルブ34から上方に延在している。
湾曲通路部30は、斜め上方に凸状に設けられ、縦通路部28の上端と、細長通路部32とを接続する。したがって、本実施の形態では、新気は縦通路部28および湾曲通路部30を介して下方から細長通路部32に供給される。
縦通路部28の壁部の箇所に、吸気圧センサを保持するニップル46が設けられている。
図4に示すように、ニップル46は、インテークマニホールド14において、スロットルバルブ34から上方に延在するインテークマニホールド14の吸気通路部35に設けられる。言い換えると、ニップル46は、後述する排気還流ガス供給孔3806よりも吸気の流れの上流側の箇所に設けられる。図1から図4に示すように、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た正面視において、ニップル46は、スロットルバルブ34と後述する排気還流バルブ40との間に位置している。
【0010】
細長通路部32は、吸気通路部26における吸気の流れの下流側に位置し、気筒20の配列方向に沿って延在し、細長い形状を有する。したがって、図1図2に示すように、インテークマニホールド14は、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た正面視において、気筒20の配列方向に沿って延在している。本実施の形態では、細長通路部32は、車幅方向に延在している。
細長通路部32は、インテークマニホールド14の壁部である上壁3202、下壁3204、一対の端面壁3206、背面壁3208で形成されている。
縦通路部28と反対に位置する湾曲通路部30の端部は、細長通路部32の長手方向の中央部に接続される。湾曲通路部30を形成する壁部3002は、上壁3202と下壁3204と背面壁3208とに接続される。
本実施の形態では、縦通路部28と湾曲通路部30とそれら縦通路部28、湾曲通路部30を形成する壁部が、スロットルバルブ34から上方に延在するインテークマニホールド14の吸気通路部35を構成する。また、この吸気通路部35が、後述する排気還流ガス供給孔3806が接続されたインテークマニホールド14の内部箇所である細長通路部32に接続される箇所が吸気導入孔3502となっている。
上壁3202と下壁3204は、細長通路部32の上下方向に対向する。一対の端面壁3206は、細長通路部32の長手方向において対向する。背面壁3208は、シリンダヘッド18と反対側でそれら上壁3202、下壁3204、一対の端面壁3206の端部を接続する。
背面壁3208と反対側でそれら上壁3202、下壁3204、一対の端面壁3206の内側が細長形状の開口3210となっており、開口3210の外側にシリンダヘッド結合用フランジ3212が設けられている。
シリンダヘッド結合用フランジ3212がシリンダヘッド18に結合されることで、インテークマニホールド14がシリンダヘッド18に連結される。この状態でエンジン本体12を正面視すると、インテークマニホールド14の細長通路部32の箇所は気筒20の配列方向に沿って延在し、細長い形状を有する。
シリンダヘッド結合用フランジ3212がシリンダヘッド18に結合された状態で、細長通路部32は、開口3210を介して4つの気筒20の各吸気ポート22に接続される。
【0011】
図1図2に示すように、排気還流装置36は、燃焼室から排出された排気ガスを排気還流ガスとしてインテークマニホールド14に排気還流通路38を介して還流する。
図3図4に示すように、排気還流通路38における排気還流ガスの流れの下流側に位置する箇所38Aは、インテークマニホールド14の外壁に一体に設けられている。
この下流側に位置する箇所38Aは、排気還流ガスの流れの上流側に位置する上流路3802と、上流路3802の下流側に設けられた排気還流分配部3804とを備えている。
排気還流分配部3804は、上流路3802の下流端に設けられた分岐部3804Aと、分岐部3804Aとインテークマニホールド14の内部とを接続する複数の分岐通路3804Bとを有する。このような構成からなる排気還流分配部3804はインテークマニホールド14の外壁に一体に設けられている。
本実施の形態では、分岐通路3804Bは2つ設けられる。各分岐通路3804Bは、分岐部3804Aと細長通路部32とを接続する。分岐部3804Aは、単一の通路から複数の通路に排気還流ガスの通路が分岐される箇所である。
【0012】
上流路3802における排気還流ガスの流れの上流端に、排気還流バルブ40が設けられる。図4において符号3805は2つの分岐通路3804Bのうちの一方の上流端を示している。
排気還流バルブ40は、弁体4002の開閉によりインテークマニホールド14に導入される排気還流ガスのガス流量(還流量)を調整する。
詳細には、排気還流ガスの流れの上流端に位置する壁部3810の箇所に排気還流バルブ結合用フランジ3814が設けられる。この排気還流バルブ結合用フランジ3814に、排気還流バルブ40が、連結される。
【0013】
したがって、上流路3802と排気還流分配部3804とそれら上流路3802、排気還流分配部3804を形成する壁部は、排気還流バルブ40とインテークマニホールド14とを接続する排気還流通路部41を構成する。この排気還流通路部41は、排気還流バルブ40をインテークマニホールド14に支持する支持部材を構成している。
また、図1図4に示すように、排気還流バルブ40は、インテークマニホールド14の上方に配置され、インテークマニホールド14の上方からインテークマニホールド14に接続されている。
また、図1から図4に示すように、排気還流バルブ40とスロットルバルブ34とは、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た正面視において、上下方向において重複した領域を有して配置される。言い換えると、排気還流バルブ40とスロットルバルブ34とは、上下方向において重複した排気還流バルブ40の部分とスロットルバルブ34の部分とを有して配置されている。
また、排気還流バルブ40とスロットルバルブ34とは、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た正面視において、インテークマニホールド14の延在方向の中央領域でインテークマニホールド14に接続されている。
【0014】
図4に示すように、各分岐通路3804Bは、インテークマニホールド14の外壁に沿って延在形成される第一通路部3804B-1と、第一通路部から屈曲してインテークマニホールド14の内部である細長通路部32に接続される第二通路部3804B-2とを備えている。
詳細には、第一通路部3804B-1と第二通路部3804B-2とは屈曲部3804B-3を介して接続されている。
そして、図6に示すように、屈曲部3804B-3からフランジ3212まで、第一通路部3804B-1の延長方向に延びるリブ3812がインテークマニホールド14に一体形成されている。
図4図5図6に示すように、第二通路部3804B-2は、第二通路部3804B-2と細長通路部32とが接続されるインテークマニホールド14の壁部である上壁3202の箇所に形成された排気還流ガス供給孔3806と、排気還流ガス供給孔3806とは反対側の第二通路部3804B-2の端部に形成された点検口3816と、点検口3816を覆う蓋部44と、を備えている。
排気還流ガス供給孔3806は、各分岐通路3804Bからインテークマニホールド14の内部に排気還流ガスを供給する。言い換えると、排気還流ガス供給孔3806は、排気還流通路部41(上流路3802および排気還流分配部3804)とインテークマニホールド14の内部とを接続している。
また、点検口3816は、排気還流ガス供給孔3806に対向するインテークマニホールド14の内部の箇所を視認する箇所である。
第二通路部3804B-2は、蓋部44を取り外した際に点検口3816から排気還流ガス供給孔3806が視認できるように直線形状で形成される。本実施の形態では、排気還流ガス供給孔3806と点検口3816とは、ほぼ同軸上に形成されている。
点検口3816の周囲には、インテークマニホールド14の壁部から円筒状壁部3818が膨出される。円筒状壁部3818の内側空間は、点検口3816と連続状に形成される。円筒状壁部3818の上端にガスケット42を介して着脱可能に取着される蓋部44により、点検口3816が開閉される。
排気還流ガスは、各分岐通路3804Bの第一通路部3804B-1、第二通路部3804B-2から排気還流ガス供給孔3806を通って細長通路部32に供給される。
したがって、蓋部44を取り外すことで、点検口3816から排気還流ガス供給孔3806に対向する下壁3204の箇所を視認でき、排気還流ガスに起因する堆積物の付着状況を点検することができる。この結果、排気還流ガスに起因する堆積物の付着状況を確認できるようになっている。
また、インテークマニホールド14の壁部から膨出した円筒状壁部3818によって壁部3810が補強される。この結果、インテークマニホールド14の壁部の強度が向上し、また、排気還流バルブ40の取付強度が向上する。
【0015】
また、各分岐通路3804Bの排気還流ガス供給孔3806は、細長通路部32の長手方向に間隔をおいた箇所に設けられ、湾曲通路部30の外側に位置する細長通路部32の箇所に対向している。
詳細には、各分岐通路3804Bの排気還流ガス供給孔3806は、細長通路部32の長手方向の中央の両側に位置して上壁3202に設けられ、湾曲通路部30の外側に位置する下壁3204の部分に対向している。
本実施の形態では、図3に示すように、細長通路部32に連通して、細長通路部32の長手方向に1番気筒201、2番気筒202、3番気筒203、4番気筒204のそれぞれに対応して第1吸気ポート221、第2吸気ポート222、第3吸気ポート223、第4吸気ポート224の4つの吸気ポート22が設けられ、第二及び第三の接続孔3806A、3806Bは、中央の2つの気筒20の吸気ポート22と、それら気筒20の外側の吸気ポート22との間で中央の2つの気筒20の吸気ポート22寄りに位置している。
言い換えると、内燃機関に配列された気筒20の配列方向と直交する直交方向の車両前方からインテークマニホールド14を見た正面視において、分岐部3804Aは2番気筒202と3番気筒203第2吸気ポート222の開口と第3吸気ポート223の開口)の中間に配置され、分岐通路3804Bは、分岐部3804Aから第1吸気ポート221の開口と第4吸気ポート224の開口に向かってそれぞれ延び、第2吸気ポート222と第3吸気ポート223の開口の中間とを結ぶ線の両サイドに配置されている。第二の接続孔3806Aは第1吸気ポート221と第2吸気ポート222の間で第2吸気ポート222寄りに位置している。第三の接続孔3806Bは第3吸気ポート223と第4吸気ポート224の間で第3吸気ポート223寄りに位置している。
また、分岐通路3804Bは、分岐部3804Aと2番気筒202と3番気筒203第2吸気ポート222の開口と第3吸気ポート223の開口)の中間とを結ぶ線を対称軸として線対称に配置されている。
【0016】
各分岐通路3804Bの排気還流ガス供給孔3806は、細長通路部32の長手方向に間隔をおいた箇所に設けられる。すなわち、排気還流ガス供給孔3806が複数設けられているため、排気還流ガス供給孔3806が単一の場合に比較して、排気還流ガスと新気とが効率よく混合され、各気筒20へ供給される排気還流ガス量のバラツキが低減し、各気筒20の燃焼安定性が向上する。
また、各排気還流ガス供給孔3806は、湾曲通路部30の外側に位置する細長通路部32の箇所に対向する。本実施の形態では、2つの排気還流ガス供給孔3806は、湾曲通路部30の外側に位置する下壁3204の箇所に対向している。
言い換えると、吸気導入孔3502は、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た平面視において、排気還流ガス供給孔3806よりも吸気流れの上流側に離れた箇所に配置されている。
これにより、排気還流ガスが新気と混合することによって冷却され排気還流ガスの水分が凝縮されインテークマニホールド14の内部で凝縮水が生じても、凝縮水は湾曲通路部30の外側の箇所で生じる。言い換えると、凝縮水は排気還流ガス供給孔3806よりも吸気流れの下流側に離れた箇所に生じる。この結果、凝縮水は新気の流れによって湾曲通路部30から吸気ポート22へ向かう方向に流され、各気筒20において蒸発する。そのため、凝縮水がスロットルバルブ34に流入することが抑制され、冬季において、スロットルバルブ34の凍結を防止され、エンジン10を安定して運転できる。
本実施の形態では、図3に示すように、細長通路部32に連通して、細長通路部32の長手方向に4つの吸気ポート22が設けられる。2つの分岐通路3804Bの排気還流ガス供給孔3806は、中央の2つの気筒20の吸気ポート22と、それら気筒20の外側の吸気ポート22との間で中央の2つの気筒20の吸気ポート22寄りに位置する。このため、排気還流ガスと新気とが効率よく混合され、各気筒20へ供給される排気還流ガス量のバラツキが低減し、各気筒20の燃焼安定性が向上する。
【0017】
本実施の形態では、エンジン10の運転中、スロットルバルブ34から縦通路部28に導入された新気は湾曲通路部30を介して細長通路部32に至り、細長通路部32の中央から長手方向に沿って両側に拡がりながら各吸気ポート22に導入される。
ここで、排気還流ガスの還流を行なうための条件が成立すると、不図示の排気還流ガス制御部により排気還流バルブ40が開かれる。
すると、上流路3802から各分岐路3804に導入された排気還流ガスは、各排気還流ガス供給孔3806から細長通路部32の長手方向に沿って拡がる新気に合流することで新気と混合され各吸気ポート22へ分配される。
【0018】
次に作用効果について説明する。
スロットルバルブ34および排気還流バルブ40はある程度の重量を有しており、エンジン10から受ける振動や走行時の振動によって上下方向に振動しやすい。
そのため、一般に、インテークマニホールド14に連結されたスロットルバルブ34および排気還流バルブ40が水平方向に離間した位置に配置されている場合、エンジン10から受ける振動や走行時の振動によってそれらが上下方向に振動すると、スロットルバルブ34からインテークマニホールド14に伝わる力と、排気還流バルブ40からインテークマニホールド14に伝わる力とによってインテークマニホールド14にねじられるような応力が生じるため、インテークマニホールド14の取付耐久性を高める上で不利となる。
一方、本実施の形態では、インテークマニホールド14の下方にスロットルバルブ34を配置して上方に排気還流バルブ40を配置した上で、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た正面視の上下方向において重複した領域を有してスロットルバルブ34と排気還流バルブ40とが配置される。このため、スロットルバルブ34と排気還流バルブ40との配置位置を確保しつつインテークマニホールド14にねじられるような応力の発生が抑止される。この結果、インテークマニホールド14の取付耐久性が向上する。
【0019】
また、本実施の形態では、排気還流バルブ40とインテークマニホールド14とを接続する排気還流通路部41(上流路3802および排気還流分配部3804)が、排気還流バルブ40をインテークマニホールド14に支持する支持部材を構成している。
そのため、排気還流バルブ40をエンジン本体12に支持する専用のブラケットが不要となり、部品点数が削減し、また、軽量化を図ることができる。
【0020】
また、本実施の形態では、吸気ポート22の配列方向と直交する正面視において、スロットルバルブ34と排気還流バルブ40とは、インテークマニホールド14の延在方向の中央領域でインテークマニホールド14に接続されている。このため、スロットルバルブ34および排気還流バルブ40が上下方向に振動した場合に、インテークマニホールド14が細長形状であるにも拘わらず、インテークマニホールド14の傾き方向に作用する力が抑制される。この結果、インテークマニホールド14の取付耐久性が向上する。
【0021】
また、本実施の形態では、吸気導入孔3502は、吸気ポート22の配列方向と直交する方向から見た平面視において、排気還流ガス供給孔3806より吸気流れの上流側に離れた箇所に配置される。このため、インテークマニホールド14の内部で生じた凝縮水は吸気側に流れない。したがって、冬季において、スロットルバルブ34の凍結が防止され、エンジン10を安定して運転できる。
【0022】
また、本実施の形態では、スロットルバルブ34から上方に延在するインテークマニホールド14の吸気通路部35に、吸気圧センサを保持するニップル46が設けられる。つまり、ニップル46は、排気還流ガス供給孔3806よりも吸気の流れの上流側の箇所に位置する。
したがって、インテークマニホールド14の内部で生じた凝縮水がニップル側に流れず、吸気圧センサが凝縮水によって被水しない。このため、吸気圧センサの耐久性が向上する。
また、排気還流ガスに起因する堆積物が吸気圧センサに付着することが抑制される。この結果、吸気圧センサによる吸気圧の検出を長期間にわたって正確に行なうことができる。
なお、本実施の形態では、ニップル46が支持するセンサが吸気圧センサである場合について説明したが、ニップル46が支持するセンサとして従来公知の様々なセンサが使用可能である。
【0023】
また、ニップル46は比較的強度が弱い材料で形成されていることが多いため、例えば、物体がぶつかることでニップル46は容易に変形する。
本実施の形態では、ニップル46は、吸気ポート22の開口が配列される配列方向と直交する方向から見た正面視の上下方向においてスロットルバルブ34と排気還流バルブ40との間に配置されるので、それらスロットルバルブ34と排気還流バルブ40によってニップル46が保護され、ニップル46の変形を防止される。
【0024】
なお、本実施の形態では、インテークマニホールド14の上方に排気還流バルブ40が配置され、インテークマニホールド14の下方にスロットルバルブ34が配置されている場合について説明したが、排気還流バルブ40とスロットルバルブ34が上下反対に配置されていてもよいことは無論である。
【0025】
上記実施形態では、分岐部3804Aを2番気筒202と3番気筒203の中間に配置したが、1番気筒201と2番気筒202、または3番気筒203と4番気筒204の中間に配置してもよい。この場合、分岐通路3804Bは線対称に配置せず分岐部3804Aから遠くなる吸気ポートの開口に延びる方を長くするとよい。
更に、上記実施形態では4気筒で説明したが、その他の気筒数でも同様の効果が得られる。例えば、3気筒の場合、分岐部3804Aを気筒の中間に配置せず、中央の気筒に一致させ、分岐通路3804Bを外側の吸気ポートに向かって線対称に配置するとよい。
【0026】
本出願は、2018年11月6日出願の日本特許出願特願2018-208570に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0027】
10 エンジン(内燃機関)
14 インテークマニホールド
18 シリンダヘッド
20 気筒
22 吸気ポート
34 スロットルバルブ
35 吸気通路部
3502 吸気導入孔
3806 排気還流ガス供給孔
40 排気還流バルブ
41 排気還流通路部
46 ニップル
図1
図2
図3
図4
図5
図6