(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】作物収容体用の照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20220913BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20220913BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20220913BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20220913BHJP
F21V 17/02 20060101ALI20220913BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20220913BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20220913BHJP
A01F 25/00 20060101ALI20220913BHJP
F26B 17/14 20060101ALI20220913BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220913BHJP
F21W 131/403 20060101ALN20220913BHJP
【FI】
F21S2/00 600
F21V3/00 300
F21V3/02 500
F21V33/00 400
F21V17/02
F21V17/00 155
F21S8/04 110
F21S8/04 130
A01F25/00 F
F26B17/14 A
F21Y115:10
F21W131:403
(21)【出願番号】P 2021112711
(22)【出願日】2021-07-07
(62)【分割の表示】P 2018175296の分割
【原出願日】2018-09-19
【審査請求日】2021-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 廉
(72)【発明者】
【氏名】西野 栄治
(72)【発明者】
【氏名】武井 澄人
(72)【発明者】
【氏名】藤堂 雅美
(72)【発明者】
【氏名】森川 英昭
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 啓市
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-078560(JP,A)
【文献】特開2013-077491(JP,A)
【文献】実開昭55-165256(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/00
F21V 3/02
F21V 33/00
F21V 17/02
F21V 17/00
F21S 8/04
A01F 25/00
F26B 17/14
F21Y 115/10
F21W 131/403
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物が収容される収容室と前記収容室の側壁面に設けられて作物の収容量を外部から確認する透視窓とを有する作物収容体の前記収容室内を照明する装置であって、
前記収容室の天井部に設けられる照明設置用の開口部を外部から塞ぐ状態で取り付けられる、底面部が開口した箱体と、
前記箱体の内部に装着されて照明用の光を発する発光器具と、
前記箱体の内部を前記発光器具よりも下方の位置でかつ前記収容室の天井部よりも上方の位置で仕切るよう設けられる透明仕切り板と、
を備え、
前記箱体に、前記透明仕切り板を通過させる通過口が設けられ、
前記透明仕切り板が、前記箱体の内部に存在する部分を前記通過口より前記箱体の外側に
往復移動可能に設けられていることを特徴とする作物収容体用の照明装置。
【請求項2】
作物が収容される収容室と前記収容室の側壁面に設けられて作物の収容量を外部から確認する透視窓とを有する作物収容体の前記収容室内を照明する装置であって、
前記収容室の天井部に設けられる照明設置用の開口部を外部から塞ぐ状態で取り付けられる、底面部が開口した箱体と、
前記箱体の内部に装着されて照明用の光を発する発光器具と、
前記箱体の内部を前記発光器具よりも下方の位置でかつ前記収容室の天井部よりも上方の位置で仕切るよう設けられる透明仕切り板と、
を備え、
前記箱体に、前記透明仕切り板の少なくとも下面に吹き付ける空気を噴射する空気噴射部材が設けられ、
前記空気噴射部材は、透明仕切り板の下面に向き合う部位に固定した状態で設けられ、
前記空気噴射部材に空気を送る給気部と、該給気部と空気噴射部材を接続して空気を送る配管とで構成され、
前記配管が前記空気噴射部材から前記作物収容体の外側を通して前記作物収容体の下部に達するまで設けられているとともに、前記配管の下端部が空気の注入口として使用されるよう構成され、前記配管の下端部にはエアーコンプレッサを接続可能とすることを特徴とする作物収容体用の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作物収容体用の照明装置並びにその照明装置を用いた作物収容機および作物乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作物収容体に収容した作物の収容量を目視により確認する技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1(特許第4394777号公報)には、穀物(穀粒)を収容して乾燥させる穀物乾燥機において、穀物を貯留するとともに張込んだ穀物のレベルを目視により確認する覗き窓を前面側の壁に設けた上箱の天板に取付台を設け、それに覗き窓の内側に対し上箱内から光線を投射する灯光器を装設した穀物乾燥機が記載されている。
【0004】
また特許文献1には、上記灯光器として、上箱の天板に設けた取付台に開設した窓穴の上に、内面側を反射鏡にしたフードを取り付け、それに電球を装着することで構成されるものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4394777号公報(請求項1、段落0024、
図4~
図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の灯光器は、上箱に収容した穀物から発生する塵埃が灯光器におけるフード内に侵入して電球に付着しやすく、それに伴いその電球から発せられる光の明るさが低下しやすくなる。
【0007】
このため、上記灯光器を設けた穀物乾燥機においては、灯光器の電球に塵埃が付着し始めると、その電球の光で照明される上箱内における穀物の収容量を上箱における覗き窓を通して目視により確認することが次第に難しくなる。
【0008】
この発明は、作物収容体の内部で作物等から発生する塵埃が発光器具に付着して照明の明るさが低下することを防ぐことを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
【0010】
請求項1に記載の発明は、
作物が収容される収容室と前記収容室の側壁面に設けられて作物の収容量を外部から確認する透視窓とを有する作物収容体の前記収容室内を照明する装置であって、
前記収容室の天井部に設けられる照明設置用の開口部を外部から塞ぐ状態で取り付けられる、底面部が開口した箱体と、
前記箱体の内部に装着されて照明用の光を発する発光器具と、
前記箱体の内部を前記発光器具よりも下方の位置でかつ前記収容室の天井部よりも上方の位置で仕切るよう設けられる透明仕切り板と、
を備え、
前記箱体に、前記透明仕切り板を通過させる通過口が設けられ、
前記透明仕切り板が、前記箱体の内部に存在する部分を前記通過口より前記箱体の外側に往復移動可能に設けられていることを特徴とする作物収容体用の照明装置である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
作物が収容される収容室と前記収容室の側壁面に設けられて作物の収容量を外部から確認する透視窓とを有する作物収容体の前記収容室内を照明する装置であって、
前記収容室の天井部に設けられる照明設置用の開口部を外部から塞ぐ状態で取り付けられる、底面部が開口した箱体と、
前記箱体の内部に装着されて照明用の光を発する発光器具と、
前記箱体の内部を前記発光器具よりも下方の位置でかつ前記収容室の天井部よりも上方の位置で仕切るよう設けられる透明仕切り板と、
を備え、
前記箱体に、前記透明仕切り板の少なくとも下面に吹き付ける空気を噴射する空気噴射部材が設けられ、
前記空気噴射部材は、透明仕切り板の下面に向き合う部位に固定した状態で設けられ、
前記空気噴射部材に空気を送る給気部と、該給気部と空気噴射部材を接続して空気を送る配管とで構成され、
前記配管が前記空気噴射部材から前記作物収容体の外側を通して前記作物収容体の下部に達するまで設けられているとともに、前記配管の下端部が空気の注入口として使用されるよう構成され、前記配管の下端部にはエアーコンプレッサを接続可能とすることを特徴とする作物収容体用の照明装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載された発明によれば、作物収容体の内部で作物等から発生する塵埃が箱体の内部に侵入することが透明仕切り板により遮断されて阻止されるので、その塵埃が発光器具に付着して照明の明るさが低下することを防ぐことができる。
【0013】
これにより、作物収容体における収容室内の作物の収容量を目視により収容室の側壁面における透視窓を通して確認することが、その発光器具に塵埃が付着することに起因して難しくなることが起きにくくなる。
【0014】
また、透明仕切り板を往復移動させて清掃する清掃作業を箱体の外部で簡単に行うことができる。
【0015】
請求項2に記載された発明によれば、透明仕切り板の空気吹き付けによる清掃作業を、収容室の天井部にのぼることがなく収容室の下部にある配管の下端部から空気を注入することで容易に行うことができる。
【0016】
これにより、作物収容体における収容室内の作物の収容量を目視により収容室の側壁面における透視窓を通して確認することが、その発光器具に塵埃が付着することに起因して難しくなることが起きにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(A)は実施の形態1に係る照明装置等を適用した作物乾燥機の正面側の斜め右上から見たときの外観を示す斜視図、(B)はその作物乾燥機の背面側の斜め左上から見たときの外観を示す斜視図である。
【
図2】作物乾燥機の正面側から見たときの内部を示す概要図である。
【
図3】作物乾燥機の右側面側から見たときの内部を示す概要図である。
【
図4】照明装置の外観および取り付け位置を示す概略斜視図である。
【
図5】
図4の照明装置の正面図および背面図である。
【
図6】
図4の照明装置の構成を示す概略断面図である。
【
図7】
図4の照明装置の一部を示し、(A)は透明仕切り板の構成を示す概略断面図、(B)は(A)のB-B線に沿う概略断面図である。
【
図8】(A)は透明仕切り板を格納しているときの状態を示す概略断面図、(B)は透明仕切り板を引き出したときの状態を示す概略断面図である。
【
図9】(A)は照明装置の設置の状態を示す概略平面図、(B)は(A)の照明装置の内部の状態を拡大して示す概要図である。
【
図10】作物乾燥機に設置した照明装置の使用状態を示す概略断面図である。
【
図11】実施の形態2に係る照明装置を適用した作物乾燥機を示す概要図である。
【
図12】
図11の照明装置における移動装置の一構成例を示し、(A)はその移動装置の一状態を示す概要図、(B)はその移動装置により透明仕切り板を引き出した状態を示す概要図である。
【
図13】
図11の照明装置における移動装置の他の構成例を示し、(A)はその移動装置の一状態を示す概要図、(B)はその移動装置により透明仕切り板を引き出した状態を示す概要図である。
【
図14】実施の形態3に係る照明装置を適用した作物乾燥機を示す概要図である。
【
図15】
図14の照明装置における空気噴出部材および空気供給装置を示し、(A)はその空気噴出部材および空気供給装置の構成を示す概略断面図、(B)は空気噴出部材の構成を示す概略断面図である。
【
図16】実施の形態3に係る照明装置の変形例を示す概要図である。
【
図17】(A)は実施の形態4に係る照明装置を示す概要図、(B)はその照明装置を適用した作物乾燥機を示す概要図である。
【
図18】実施の形態1,2に係る照明装置の変形例を示し、(A)はその照明装置の透明仕切り板を格納しているときの状態を示す概略斜視図、(B)はその照明装置の透明仕切り板を露出させたときの状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
[実施の形態1]
図1から
図6は、本発明の実施の形態1に係る照明装置1Aを適用した作物乾燥機100を示している。
図1から
図3はその作物乾燥機100の外観や内部を示している。また、
図4から
図6はその照明装置1Aの外観や内部の概要を示している。
【0020】
<作物乾燥機の構成>
作物乾燥機100は、上方側に配置されて穀物等の作物を収容する収容室101と、収容室101の下方側に連続して配置されて作物を乾燥する乾燥室102を備えている。
【0021】
このうち収容室101は、直方体状の収容空間を有する箱型の部分である。また、乾燥室102は、正面側に配置された燃焼バーナ106による熱風を正面側から背面側に通過させる筒状の熱風室103と、熱風室103を左右から挟んで下方の中央位置で合流するよう設けられて熱風および作物を通過させる流下通路104と、流下通路104の左右外側に設けられて流下通路104を通過した熱風を背面側に配置された排気ファン107により吸引する排風室105とを有している。
【0022】
収容室101と乾燥室102は作物収容体を構成するが、作物収容体はその収容室101と乾燥室102に付属する他の機器も含まれる。また、収容室101と乾燥室102は、遮光性の部材で構成されていてかつほぼ密閉された構造になっているため、薄暗い空間になっている。
【0023】
また、作物乾燥機100は、その正面側に作物を上方に運ぶバケット式の昇降機108を備えている。
【0024】
昇降機108は、その下部側において作物を投入する張込ホッパ109と接続されており、その上部側において運ばれた作物を収容室101に移送する上部移送機110と接続されている。上部移送機110は、昇降機108から受けた作物を収容室101の天井部100aのほぼ中央の位置まで搬送する搬送路を有し、また、その搬送路の末端部において収容室101の内部に入り込んだ位置で回転する拡散羽根111を配置している。上部移送機110は、その搬送路にて搬送される作物を終端部から収容室101に落下させるとともに拡散羽根111により収容室101内に拡散させながら落下させる。
【0025】
一方、作物乾燥機100は、乾燥室102の下部に、流下通路104を流下して合流した作物を所要の量ずつ繰り出すロータリバルブ等からなる排出装置112を設けている。また、排出装置112の下方には、繰り出された作物を作物乾燥機100の正面側に移送するとともに昇降機108に送り込む下部移送機113を設けている。
【0026】
さらに、作物乾燥機100は、その正面側に、制御部を内蔵する操作盤114を備えている。
【0027】
操作盤114には、動作状態、動作条件等に関する情報画面を表示して入力操作を行うことができる表示操作パネルや、以下に例示する各運転の実行や停止を指示するためのスイッチ等が配置されている。操作盤114では、張込運転、循環運転、乾燥運転、排出運転等の運転の実行および停止を選択して指示する操作を行うことができる。
【0028】
ここで、張込運転は、張込ホッパ109から投入されて張り込まれた作物を昇降機108および上部移送機110により収容室101にまで移送して収容する(張り込む)運転である。循環運転は、収容室101に収容された作物を排気ファン107による通風を行いながら排出装置112、下部移送機113、昇降機108、上部移送機110等の駆動により循環移動させる運転である。
【0029】
また、乾燥運転は、循環運動に加えて、燃焼バーナ106を駆動して収容室101に収容された作物を循環移動させるとともに乾燥させる運転である。排出運転は、乾燥運転の終了後に、収容室101に収容された作物を循環移動させるとともに、昇降機108の上端部と上部移送機110の間に配置された排出ホッパ115における図示しない排出シャッタを開いた状態にして張り込んだ作物を機外に排出する運転である。
【0030】
図1等において符号1は収容室101の内部を照明する照明装置、符号117は収容室101の正面になる側壁面101aに設けられて作物の収容量を外部から目視で確認する透視窓、符号118は昇降機108にて運ばれる作物の一部を採取して水分量を自動で計測する水分計である。透視窓117は、透光性を有する部材で構成された窓であり、収容室101の側壁面101aの上下方向に対してほぼ等間隔に複数設けられている。
【0031】
また、符号119は作物乾燥機100の点検等の作業を行う際に使用する作業用はしご、符号120は作物乾燥機100を設置する設置面9等において移動させるときに使用するストッパ付きのキャスタを示す。さらに、符号130は収容室101、乾燥室102、熱風室103、流下通路104、排風室105等を外側から支持する複数の柱フレーム、符号131は各柱フレームを水平方向に連結する複数の連結フレームを示す。
【0032】
<照明装置の構成>
次に、照明装置1Aは、
図4から
図10に示されるように、作物が収容される収容室101と収容室101の側壁面101aに設けられる透視窓117とを有する作物乾燥機100の収容室101内を照明する装置であり、底面部が開口した箱体2と、発光器具3と、箱体2の内部を仕切る透明仕切り板4とを少なくとも備えている。
【0033】
箱体2は、
図4、
図6、
図9、
図10等に示されるように、収容室101の天井部100aに設けられる照明設置用の開口部122を外部から塞ぐ状態で取り付けられる構造物である。この箱体2は、縦長の4枚の側板21,22,23,24と天板25とで囲まれた直方体状の内部空間を有するよう構成されているとともに、その天板25と反対側の部位である底面部26が開口されている。
【0034】
側板21,22,23,24は、正面板21と背面板22と左右の側面板23,24になる。このうち左右の側面板23,24は、正面板21および背面板22よりも幅の広い側板になっている。また、各側板21,22,23,24の下部には、外側にそれぞれ折り曲げた曲げ部21a,22a,23a,24aが設けられている。また、天板25は、長方形の天面の4辺から下方に垂下するよう曲げられた曲げ部が形成されており、側板21,22,23,24で形成される筒体の上部開口部に対して着脱可能に取り付けられている。
【0035】
発光器具3は、箱体2の内部に装着されて照明用の光を発する器具である。
【0036】
発光器具3は、
図6に示されるように、発光する発光部31と発光部31を保持する保持部32とで構成されている。
【0037】
発光部31は、収容室101内を照明する光を発生する部分であり、例えば、電球式のLEDランプを用いて構成される。また、発光部31は、その光を発する面が照明設置用の開口部122に向くようような姿勢に保持される。
【0038】
一方、保持部32は、発光部31を保持して電気を供給するとともに箱体2の天板25等に取り付けるための部分である。この保持部32は、例えば、取付けブラケット付きのソケット形式の部材を用いて構成される。保持部32には、箱体2の天板25に設ける通し孔25bと封止部材を通して配線される給電用コード33が接続されており、これにより発光部31に必要な電気が供給されるようになっている。給電用コード33は、例えば操作盤114における電源装置に接続されている。
【0039】
透明仕切り板4は、箱体2の内部を発光器具3よりも下方の位置でかつ収容室101の天井部100aよりも上方の位置で仕切るように設けられる、透明性を有する板状の仕切り部材である。
【0040】
透明仕切り板4は、4枚の側板21,22,23,24で囲まれて形成される内部の平面形状(長方形)と対応する平面形状からなるとともに所要の厚さからなる透明板を用いて構成されている。この透明仕切り板4としては、例えば、無色透明のアクリル板又はポリ塩化ビニル板が適用される。また、透明仕切り板4は、発光器具3から発する光を透過させることが可能な透明性を有するものであればよく、例えば薄く着色された透明性を有するものであっても適用可能である。
【0041】
また、透明仕切り板4は、
図6や
図7に示されるように、箱体2の内部のうち収容室101の天井部100aよりも上方になる位置に設けられている。
【0042】
このときの透明仕切り板4は、その下面4aの天井部100aの内壁面(天井面)101cからの距離Dが例えば3mm以上でかつ40mm以下の範囲内の寸法になる位置に配置するとよい。この距離Dが上記下限値より小さい寸法になる場合は、後述する透明仕切り板4が移動した際に発生する擦れかすが天井部100aと透明仕切り板4の間に溜まることで透明仕切り板4が移動しにくくなる等の不具合がある。反対に、この距離Dが上記上限値を超える寸法になる場合は、透明仕切り板4と天井部100aとの間に多量の擦れかすが溜まる等の不具合がある。
【0043】
さらに、この透明仕切り板4は、
図6から
図8に示されるように、箱体2の内部に存在する部分41を箱体2の外側に引き出すよう移動可能に設けられている。
【0044】
このため、箱体2には、透明仕切り板4(の箱体2の内部に存在する部分41)を通過させる通過口27が設けられているとともに、その内部に透明仕切り板4を移動可能に支持する支持レール43が設けられている。
【0045】
また、箱体2には、透明仕切り板4の上面4aおよび下面4bをその移動時に通過口27で接触して清掃する清掃部材5が設けられている。
【0046】
通過口27は、箱体2の背面板22の下部側に水平方向に直線状に延びるスリット状の開口部として形成されている。透明仕切り板4は、箱体2の内部に存在する部分(以下、「内在する部分」とも略称する。)41の他に、この通過口27から箱体2の外部に露出する部分42を有する大きさで構成されている。
【0047】
支持レール43は、2枚の板材を所要の間隔を開けて上下に平行な状態で対向配置した上面支持レール43aおよび下面支持レール43bで構成されている。上面支持レール43aと下面支持レール43bは、通過口27が箱体2の背面板22に設けられているため、箱体2の左側面板23および右側面板24の下部側に、その両者の間隙が通過口27の高さとほぼ一致するような状態で設けられている。また、上面支持レール43aと下面支持レール43bは、透明仕切り板4の厚さよりも少し大きい寸法の間隔をあけた状態で配置される。
【0048】
ここで、通過口27の高さHについては、少なくとも透明仕切り板4の厚さよりも少し大きい寸法に設定されるが、好ましくは、
図7(B)に示されるように支持レール43の間隙Sよりも大きい寸法に設定される。この際、通過口27は、その上辺27aおよび下辺27bが支持レール43の間隙Sよりも上下方向の外側に位置するよう形成される。
【0049】
このように構成した場合は、透明仕切り板4がその移動時に通過口27に擦れるおそれが少なくなり、これにより、例えば透明仕切り板4の通過口27との擦れで発生する擦れかすが収容室101内に落下してしまうことを低減できる。
【0050】
また、透明仕切り板4の露出する部分42の一端部には、
図6から
図8に示されるように、透明仕切り板4を外部に引き出す方向E1と内部に押し込む方向E2に移動させるときに掴む取っ手46が設けられている。
【0051】
取っ手46は、
図7に示されるように、板材の手前側の端部を上方に曲げた第1曲げ部46aを有する形状の部材で構成されており、透明仕切り板4の露出する部分42の上面にねじ等の固定手段により固定されて取り付けられている。
【0052】
また、取っ手46は、箱体2に近い側の端部を曲げた第2曲げ部46bが、透明仕切り板4を押し込む方向E2に移動させたときに、箱体2の背面板22に取り付けられたブラケット48aに接触して停止するようになっている。また、取っ手46は、第2曲げ部46bに設けた貫通孔を、ブラケット48aから突出するよう設けられた突出ピン48bに嵌め入れた後、透明仕切り板4を移動させる必要がないときに、図示しないねじ等の固定手段で一時的に固定できるようにも構成されている。
【0053】
さらに、透明仕切り板4の内在する部分41の一端部には、
図6や
図7に示されるように、透明仕切り板4を外部に引き出す方向E1に移動させたときに所望の位置で停止させられる停止部材47が設けられている。所望の位置は、例えば、透明仕切り板4の内在する部分41の最も奥の端部が通過口27から箱体2の外部に引き抜かれない位置に設定される。
【0054】
停止部材47は、透明仕切り板4の内在する部分41の一端部における上面4aから上方に突出して通過口27の上辺27aに接触することにより停止する形状の部材を用いて構成されている。停止部材47は、例えば、ねじ、接着剤等の固定手段により透明仕切り板4の内在する部分41の一端部における上面4aに取り付けられている。
【0055】
清掃部材5は、
図6や
図7等に示されるように、透明仕切り板4の下面4bに接触して清掃する下面清掃部材51と、透明仕切り板4の上面4aに接触して清掃する上面清掃部材52を用いて構成されている。
【0056】
この下面清掃部材51と上面清掃部材52としては、例えば、フェルト(不織布)等の材料にて板状に成形された部材が適用される。
【0057】
また、下面清掃部材51と上面清掃部材52は、箱体2の背面板22の外面部分において、その清掃面になる端部が透明仕切り板4が存在しないときには通過口27の高さHの中間位置で互いに接触し合って通過口27を塞ぐ状態になるよう配置されている。
【0058】
さらに、下面清掃部材51と上面清掃部材52については、背面板22から外側に突出して設けられる図示しない取付け用突起に貫通させた状態で取り付けた後、その外側に押え板55を配置するように取り付け、最後にナット等の締め具56を取付け用突起に固定することで押え板55にて押さえつけた状態で取り付けられている。
【0059】
また、箱体2は、
図4から
図6や
図10等に示されるように、その開口した底面部26に、照明設置用の開口部122から収容室101内に垂下させて存在させる反射板28が設けられている。
【0060】
この反射板28は、
図4から
図6や
図9等に示されるように、箱体2の背面板22の下端部から下方に延びる平板状の第1反射板28aと、箱体2の左側面板23の下端部から下方に延びる平板状の第2反射板28bと、箱体2の右側面板24の下端部から下方に延びる平板状の第3反射板28cとを有する部材として構成されている。つまり、この反射板28は、箱体2の背面板22、左側面板23および右側面板24の各下方側の位置に存在して3面を取り囲む形状になっている一方で、正面板21の下方側の位置に存在する一面と上記3面で取り囲んだ真下の面が開放された形状になっている。
【0061】
実施の形態1では、
図6に示されるように、照明設置用の開口部122が箱体2の前後方向の寸法が底面部26の前後の開口寸法よりも短い関係になっている。このため、第2反射板28bおよび第3反射板28cの幅は、左側面板23および右側面板24の幅よりも狭い寸法になっている。また、反射板28は、その第1反射板28aが収容室101の側壁面101aにおける透視窓117に向く姿勢になるよう配置されて使用される(
図9)。
【0062】
<照明装置の設置および使用>
この照明装置1Aは、
図4や
図9に示されるように、作物乾燥機100の天井部100aにおける照明設置用の開口部122に設置されて使用される。
【0063】
はじめに、実施の形態1における照明設置用の開口部122は、例えば、
図9(B)に示されるように、長方形状の天井部100aの四隅における一隅に、収容室101の側壁面101aにおける透視窓117に向くよう少し傾いた長方形の開口として設けられている。
【0064】
このため、照明装置1Aは、
図4、
図6、
図10等に示されるように、その反射板28を照明設置用の開口部122から挿し入れて収容室101の内部に存在させるとともに、箱体2の側板21,22,23,24の各曲げ部21a,22a,23a,24aを天井部100aのうち開口部122の周囲部分に設置した状態で取り付けられる。このときの箱体2は、例えばねじ等の固定手段により天井部100aに固定される。また、発光器具3の給電用コード33は、操作盤114における電源装置等に接続される。
【0065】
また、照明装置1Aは、例えば、操作盤114に設けられる図示しない照明用のON・OFFスイッチを操作することにより発光器具3の点灯および消灯を任意の時期に行うことができるよう構成されている。さらに、照明装置1Aは、操作盤114を操作することにより選択指示される所定の運転(張込運転、循環運転、乾燥運転、排出運転等)の動作に連動して発光器具3の点灯および消灯が自動的に行われるようにも構成されている。
【0066】
そして、照明装置1Aは、例えば、張込動作のときに以下のように使用される。
【0067】
まず、照明装置1Aは、オンオフスイッチのオン操作により又は張込動作に連動して自動的に発光器具3が点灯すると、
図10に二点鎖線の矢印で示されるように、その発光器具3から発する照明用の光が、箱体2の内部から透明仕切り板4を透過した後、箱体2の底面部と天井部100aにおける照明設置用の開口部122とを通過して収容室101の内部に照射される。
【0068】
この際、発光器具3からの光は、収容室101に作物が張り込まれて収容されていない段階では、収容室101の側壁面101aにある透視窓117に発光器具3から直接到達するものや、反射板28に反射された後に透視窓117に到達するものが存在する。この他、発光器具3からの光は、収容室101の内部を照明したときに収容室101の内壁面等に反射された光の一部として透視窓117に到達するものも存在することは言うまでもない。
【0069】
これにより、透視窓117に光が到達した場合は、
図10に二点鎖線の矢印で例示するように、その一部の光Kが透視窓117を透過して収容室101の外部に漏れ出す。
【0070】
続いて、張込運転により収容室101に作物が張り込まれて収容され始めると、複数ある透視窓117のうち下位にあるものから作物によって収容室101の内部から塞がれた状態になる。
【0071】
これにより、発光器具3からの光は、作物により内部から塞がれた状態になった透視窓117には到達しなくなる一方で、作物で塞がれていない状態の透視窓117には到達するようになる。
【0072】
ここで、例えば、
図10に二点鎖線で示す堆積面200aの高さまで作物が収容されていると仮定する。
【0073】
この場合、その作物の堆積面200aの高さより下方に存在する群の透視窓117bには、発光器具3からの光が届かなくなる。このため、その群の透視窓117bからは収容室101の外部に漏れ出る光Kがほとんどなくなり、その群の透視窓117bは暗い透視窓117bとして視認される。一方、作物の堆積面200aの高さより上方に存在する群の透視窓117aには、発光器具3からの光が届く。このため、その群の透視窓117aからは収容室101の外部に漏れ出る光Kが存在し、その群の透視窓117aは明るい透視窓117aとして視認される。
【0074】
したがって、照明装置1Aが装着された作物乾燥機100においては、その収容室101のうち暗い透視窓117bとして視認される最上位にある透視窓117b(又は明るい透視窓117aの1つ下にある暗い透視窓117a)までの高さまで作物が収容された状態にあることを知ることができる。
【0075】
<照明装置による作用効果>
そして、作物乾燥機100においては、照明装置1Aの有無にかかわらず、張込運転等の各運転が行われるときに収容室101に収容される作物等から塵埃が発生して収容室101の空き空間などを拡散するよう浮遊する。また、その塵埃の一部が照明装置1Aに接近するように移動することもある。
【0076】
しかし、この照明装置1Aでは、その接近する塵埃が箱体2の内部に侵入することが透明仕切り板4により遮断されて阻止される。
【0077】
したがって、この照明装置1Aによれば、その塵埃が箱体2の内部に装着されている発光器具3に付着して照明の明るさが低下することが防止される。これにより、作物乾燥機100の収容室101における作物の収容量を目視により透視窓117を通して確認することが、その発光器具3に塵埃が付着することに起因して難しくなることが起きにくくなる。
【0078】
また、照明装置1Aは、透明仕切り板4が箱体2の内部において天井部100aよりも上方になる位置に配置されているので、透明仕切り板4が天井部100aと同じ位置(高さ)に配置されている場合に比べて、塵埃が天井部100aに沿って移動して接近しても、その塵埃が透明仕切り板4に直接到達することが少なくなって透明仕切り板4に付着しにくくなる。また、この場合は、収容室101に収容される作物が透明仕切り板4に接触することを回避しやすくなる。
【0079】
しかも、この照明装置1Aは、箱体2の底面部に収容室101の内部に垂下して存在する反射板28が設けられているので、その反射板28がない場合に比べて、照明装置1Aに接近する塵埃が反射板28で遮られたりあるいは進路を変えられ、塵埃が透明仕切り板4に直接到達することが少なくなって透明仕切り板4に付着しにくくなる。
【0080】
したがって、照明装置1Aでは、発光器具3からの光が、塵埃が付着した透明仕切り板4によって透過率が低減してしまうことが抑制されるようになり、このことによっても、照明の明るさが低下することが防止される。
【0081】
さらに、照明装置1Aは、透明仕切り板4が箱体2の内部に存在する部分41を箱体2の外側に移動可能であり、その移動の際に透明仕切り板4の上下面4a,4bに通過口27で接触して清掃する清掃部材5(51,52)が設けられている。
【0082】
このため、例えば、透明仕切り板4が塵埃等の付着により汚れている場合は、
図8に示されるように、その透明仕切り板4の内在する部分41を箱体2の外側に少なくとも引き出して移動させたり、再度押し込んで戻すように移動させれば、その上下面4a,4bが清掃部材5(51,52)に接触することで塵埃が除去されて清掃される。これにより、透明仕切り板4は、その透光性が塵埃の付着で低下することが抑制される。
【0083】
したがって、照明装置1Aでは、発光器具3からの光の透明仕切り板4における透過率が、透明仕切り板4に塵埃が付着して低減することを防ぐことができ、このことによっても、照明の明るさが低下することが防止される。
【0084】
ただし、この照明装置1Aでは、透明仕切り板4を移動させて清掃部材5により清掃する清掃作業を行う際には、作業者が作業用はしご119を使用して作物乾燥機100の天井部100aに昇った後、照明装置1Aにおける透明仕切り板4の取っ手46を持って透明仕切り板4を移動させる作業を行うことになる。
【0085】
この際、透明仕切り板4は、引き出し方向E1への移動と押し込み方向E2への往復移動を1回行うだけで済む場合もあるが、例えば透明仕切り板4の塵埃等の付着で汚れが落ちにくいときには、その往復移動を複数回行うようにする。いずれにしても、この照明装置1Aによれば、透明仕切り板4を移動させて清掃する清掃作業を箱体2の外部で簡単に行うことができる。
【0086】
[実施の形態2]
図11は、本発明の実施の形態2に係る照明装置1Bを適用した作物乾燥機100を示すものである。
【0087】
この照明装置1Bは、照明装置1Bにおける透明仕切り板4の移動を自動で行う構成を追加した点で異なる以外は実施の形態1に係る照明装置1Aと同じ構成からなるものである。
【0088】
照明装置1Bは、実施の形態1に係る照明装置1Aに対して、透明仕切り板4を箱体2に対して移動させる移動装置6と、移動装置6を作動させるよう操作する第1操作手段69とを新たに追加して備えている。
【0089】
移動装置6は、透明仕切り板4を引き出し方向E1および押し込み方向E2に移動させるように駆動する駆動部6aと、駆動部6aの動力を透明仕切り板4に伝える伝達部6bとを備えた装置である。駆動部6aは、例えば、ソレノイド等を用いて構成される。
【0090】
また、移動装置6は、照明装置1Bの箱体2とは別体で連結した状態で作物乾燥機100の天井部100aに配置される。ただし、移動装置6は、照明装置1Bの箱体2と一体になるように設けるようにしても構わない。
【0091】
第1操作手段69は、作物乾燥機100の下部に装備されている操作盤114の一部に操作機能の一部として設けられている。第1操作手段69は、例えば、移動装置6における駆動部6aの動作をオンオフする移動用スイッチで構成される。この場合、第1操作手段69は、透明仕切り板4を引き出し方向E1に移動させるスイッチと、透明仕切り板4を押し込み方向E2に移動させるスイッチとに分けれて構成されていてもよい。また、第1操作手段69は、電力の供給や制御信号の伝達を行う配線6cにより、移動装置6における駆動部6aと接続されている。
【0092】
この移動装置6と第1操作手段69を備えた照明装置1Bによれば、透明仕切り板4を移動させて清掃部材5により清掃する清掃作業を行う際には、作業者が作物乾燥機100の天井部100aに昇る必要がなく、作物乾燥機100の下部に配置されている第1操作手段69を操作することにより容易に行うことができる。
【0093】
これにより、照明装置1Bにおける透明仕切り板4は、移動装置6の駆動部6aによる動作が伝達部6bにより伝えられて引き出し方向E1と押し込み方向E2にそれぞれ自動的に移動する。この移動によって透明仕切り板4は、その上下面4a,4bが箱体2の通過口27の外側にある清掃部材51,52に接触して清掃される。
【0094】
移動装置6による透明仕切り板4の移動動作は、第1操作手段69の操作で指示されたときに行うことに代えて、例えば張込運転等の運動が終了した時点で自動的に実行されるように構成してもよい。
【0095】
また、この照明装置1Bにおける移動装置6としては、例えば、
図12や
図13に例示する構成の移動装置61,65が適用される。
【0096】
図12に示す移動装置61は、レージトング式のリンク機構62を適用して駆動部6aおよび伝達部6bを構成したものである。また、この移動装置61における第1操作手段69は、リンク機構62に動力を入力する操作レバー69aで構成されている。
【0097】
移動装置61におけるリンク機構62は、透明仕切り板4の取っ手46に相当する部分に軸62aを介して取り付けた2つのリンク62b,62cを、移動装置61本体に形成した水平ガイド溝62dに対して移動する移動軸62eに交差するように取り付けられた2つのリンク62f,62gとジョイント軸で連結したものであり、リンク62fを原動リンクとして構成されている。
【0098】
また、このリンク機構62は、原動リンクとしてのリンク62fの自由端を、移動装置61本体に設けた軸63aに対して揺動する揺動バー63bの一端部にワイヤ等の連結手段63cを介して接続している。
【0099】
揺動バー63bの他端部は、作物乾燥機100の下部に配置した操作レバー69aとワイヤ、ロッド等の連結手段63dで接続されている。操作レバー69aは、例えば、下方に下げると連結手段63dを介して揺動バー63bの他端部を下方に下げる力を伝達できるように構成されている。
【0100】
さらに、このリンク機構62は、移動装置61本体と透明仕切り板4の取っ手46の下部突起46aとの間に押付け用のコイルばね64を設けている。
【0101】
押付け用のコイルばね64は、透明仕切り板4を箱体2の内部に押し込む方向E2に押す力を発生するバネであり、特に透明仕切り板4が箱体2の内部から引き出されるときには縮んだ状態になって透明仕切り板4を押し込む方向E2に押す力が増大するよう機能するばねである。
【0102】
また、リンク機構62は、コイルばね64に加えて、リンク62cの自由端と天井部100aとの間にコイルばね62hを配置し、リンク62cの自由端を上方にむけて弾性的に押すような状態に保つよう構成してもよい。
【0103】
そして、移動装置6として移動装置61を適用した照明装置1Bでは、透明仕切り板4の移動による清掃作業が不要なときには、第1操作手段69としての操作レバー69aを操作する必要がない。
【0104】
このときは、
図12(A)に示されるように、照明装置1Bにおける透明仕切り板4が押付け用のコイルばね64の押す力によって押し込む方向E2に押され続けているので、透明仕切り板4の内在する部分41が箱体2の内部に収容された状態に保たれている。また、このときリンク機構62は、透明仕切り板4の取っ手46にある軸62aの位置に対応して全体が伸びた形態になる。
【0105】
また、この照明装置1Bでは、透明仕切り板4の移動による清掃作業が必要なときには、作物乾燥機100の設置面9に居る作業員が第1操作手段69としての操作レバー69aを操作する。
【0106】
つまり、このときは、
図12(B)に示されるように、作業員が操作レバー69aを矢印Jで示す下方の方向に下げるように操作する。これにより、移動装置61における揺動バー63bは、軸63aを支点にして図中における右側に回るように揺動するので、揺動バー63bの一端部が連結手段63dを介してリンク機構62におけるリンク62fの端部を持ち上げ、リンク62fの全体を移動軸62eを支点にして左側に回るように揺動させる。また、これによってリンク機構62は、
図12(B)に示されるように、揺動バー63bがある側に近づくように移動しながら全体が折り畳まれたような状態になる。
【0107】
この結果、照明装置1Bにおける透明仕切り板4は、移動装置61のリンク機構62により引き出される方向E1に移動させられる。この移動によって透明仕切り板4は、その上下面4a,4bが箱体2の通過口27の外側にある清掃部材51,52に接触して清掃される。
【0108】
なお、移動装置61では、押付け用のコイルばね64が透明仕切り板4の引き出される方向E1への移動に伴って縮んだ状態になる。このため、下げた状態の操作レバー69aを離すと、その押付け用のコイルばね64が復元するので、その復元力により透明仕切り板4が押し込む方向E2に移動させられて、その内在する部分41が箱体2の内部に戻された状態になる。
【0109】
このため、この移動装置61では、透明仕切り板4を押し込む方向E2に移動させるときに、操作レバー69aを持ち上げる等の操作が不要となり、その分、清掃作業時における労力が低減される。また、上記コイルばね62hを配置した場合は、操作レバー69aを下げた状態から離すと、そのコイルばね62hが縮んでいた状態(
図12(B))から復元した状態(
図12(A))になってリンク62gを元の位置に戻すので、これによっても透明仕切り板4が押し込む方向E2に移動させられて操作レバー69aを持ち上げる等の操作が不要になる。
【0110】
図13に示す移動装置65は、透明仕切り板4に取り付けるワイヤ66を移動させるように動かすワイヤ駆動機構67を適用して駆動部6aおよび伝達部6bを構成したものである。また、この移動装置65における第1操作手段69は、ワイヤ駆動機構67の動作をオンオフするスイッチ等で構成されている。
【0111】
移動装置65におけるワイヤ66は、その一端部66aが照明装置1Bにおける透明仕切り板4の内在する部分41の端部における停止部材47に固定し、その他端部66bを透明仕切り板4の露出する部分における取っ手46に固定したワイヤである。ワイヤ66の一端部66aは、箱体2の正面板21に設ける図示しない貫通孔を通して箱体2の内部に存在し得るようになっている。
【0112】
また、移動装置65におけるワイヤ駆動機構67は、ワイヤ66のほぼ中間部分を回転ドラム67aに巻き付けて保持するとともに、その回転ドラム67aを透明仕切り板4の移動させる方向に合わせて所要の方向に電動モータ等の駆動源によって回転させてワイヤ66の所要の方向に移動させる機構になっている。ワイヤ駆動機構67は、電力の供給や制御信号の伝達を行う接続配線67bにより第1操作手段69と接続されている。
【0113】
さらに、第1操作手段69は、透明仕切り板4の移動させる方向に応じてワイヤ駆動機構67における回転ドラム67aの回転方向を選択して指示することができるようになっている。
【0114】
そして、移動装置6として移動装置65を適用した照明装置1Bでは、透明仕切り板4の移動による清掃作業が不要なときには、第1操作手段69の操作やワイヤ駆動機構67の作動も不要である。
【0115】
このときは、
図13(A)に示されるように、ワイヤ66の初期設定の移動位置により、照明装置1Bにおける透明仕切り板4の内在する部分41が箱体2の内部に収容された状態に保たれている。つまり、この移動装置65では、ワイヤ駆動機構67における回転ドラム67aの回転して停止したときの位置でワイヤ66の位置が確定し、そのワイヤ66が移動しないときには透明仕切り板4も停止した状態に保たれる仕組みになっている。
【0116】
また、この照明装置1Bでは、透明仕切り板4の移動による清掃作業が必要なときには、作物乾燥機100の設置面9に居る作業員が第1操作手段69を操作する。
【0117】
つまり、このときは、
図13(B)に示されるように、作業員が第1操作手段69においてワイヤ駆動機構67の回転ドラム67aを矢印で示すように右回転させるよう操作する。これにより、ワイヤ駆動機構67の回転ドラム67aに巻き付かれたワイヤ66は、その他端部66bが透明仕切り板4の引き出される方向E1に移動するように動かれる。この際、ワイヤ66の一端部66aも、透明仕切り板4の引き出される方向E1に同じ距離だけ移動するように動かれる。
【0118】
この結果、照明装置1Bにおける透明仕切り板4は、移動装置65のワイヤ駆動機構67により動かれるワイヤ66の移動と同期して引き出される方向E1に移動させられる。
【0119】
この移動によって透明仕切り板4は、その上下面4a,4bが箱体2の通過口27の外側にある清掃部材51,52に接触して清掃される。
【0120】
また、引き出された透明仕切り板4は、
図13(A)に示されるように、作業員が第1操作手段69においてワイヤ駆動機構67の回転ドラム67aを矢印で示すように左回転させる操作を行うことにより、ワイヤ66の移動により透明仕切り板4が押し込まれる方向E2に移動させられる。
【0121】
[実施の形態3]
図14は、本発明の実施の形態3に係る照明装置1Cを適用した作物乾燥機100を示すものである。
【0122】
この照明装置1Cは、照明装置1Cにおける透明仕切り板4の少なくとも下面4bに吹き付ける空気を噴射する空気噴射部材7を設ける点と、透明仕切り板4を移動可能に設けていない点で異なる以外は実施の形態2に係る照明装置1Bと同じ構成からなるものである。
【0123】
照明装置1Cは、箱体2に対して透明仕切り板4を移動可能に設けていない一方で、空気噴射部材7と、空気噴射部材7に空気を送る空気供給装置75と、空気供給装置75を作動させるよう操作する第3操作手段79とを新たに備えている。
【0124】
まず、照明装置1Cにおける透明仕切り板4は、箱体2の内部を発光器具3よりも下方の位置でかつ収容室101の天井部100aよりも上方の位置で仕切るように設けられている。この場合、透明仕切り板4は、例えば、箱体2の内部で照明装置1Aにおける支持レール43の場合と同様の支持レール43に支持させた状態に設けられる。
【0125】
ちなみに、照明装置1Cにおいても、照明装置1A,1Bにおける透明仕切り板4の場合と同様に、透明仕切り板4を引き出し方向E1および押し込み方向E2に移動可能に設けても構わない。この移動可能に設ける場合は、透明仕切り板4を箱体2内から取り出してその交換作業等を行うことが可能になる。なおこの場合、清掃装置5は設けない。
【0126】
空気噴射部材7は、
図15(A)に示されるように、箱体2の例えば背面板22において透明仕切り板4の下面4bに向き合うことが可能な部位に固定した状態で設けられる。
【0127】
この場合、空気噴射部材7は、
図15(B)に示されるように、背面板22の幅よりも長い筒状の本体部71と、本体部71の長手方向において間隔をあけて設けられる複数の吹出し孔72とで構成されたものが適用される。
【0128】
筒状の本体部71は、一端部が塞がれてかつ他端部が開放された筒状の部材で構成される。本体部71は、円筒状の部材が適用されるが、円筒状以外の形状からなる筒状の部材を適用しても構わない。また、本体部71は、例えば、背面板22の所要の部位にスリット状の開口部を設け、その開口部に吹出し孔72が存在するような状態に固定して取り付けられる。
【0129】
複数の吹出し孔72は、筒状の本体部71の長手方向に所要の間隔をあけて所要の数だけ存在するように設けられる。この吹出し孔72は、透明仕切り板4の下面4bに空気を吹き付けることができるような角度で設けられる。
【0130】
空気供給装置75は、
図15に示されるように、空気噴射部材7に空気を送る給気部75aと、給気部75aと空気噴射部材7を接続して空気を送る配管75bとで構成されている。給気部75aは、透明仕切り板4の下面4bに付着する塵埃等を吹き飛ばすことができる程度の風圧のある空気を送ることができるものであればよく、例えば、エアーコンプレッサ、送風機等を用いて構成される。
【0131】
第3操作手段79は、
図14に示されるように、作物乾燥機100の下部に装備されている操作盤114の一部に操作機能の一部として設けられている。第3操作手段79は、例えば、空気供給装置75における給気部75aの動作をオンオフする空気吹付け用スイッチで構成される。第3操作手段79は、電力の供給や制御信号の伝達を行う配線75cにより、空気供給装置75における給気部75aと接続されている。
【0132】
この空気噴射部材7、空気供給装置75および第3操作手段79を備えた照明装置1Cでは、第3操作手段79の操作により空気供給装置75における給気部75aを作動させると、
図15(B)に示されるように、給気部75aから二点鎖線で示す空気が配管75bを通して空気噴射部材7に送られ、その空気が空気噴射部材7の複数の吹出し孔72から透明仕切り板4の下面4bにむけて吹き付けられる。この結果、透明仕切り板4は、その下面4bに付着している塵埃等が空気で吹き飛ばされ、その下面4bが清掃される。
【0133】
したがって、この空気噴射部材7、空気供給装置75および第3操作手段79を備えた照明装置1Cによれば、透明仕切り板4を清掃する清掃作業を行う際には、作業者が作物乾燥機100の天井部100aに昇る必要がなく、作物乾燥機100の下部に配置されている第3操作手段79を操作することにより容易に行うことができる。
【0134】
また、この照明装置1Cは、空気供給装置75および第3操作手段79を設けることに代えて、
図16に示されるように、空気噴射部材7に空気を供給する配管76を、空気噴射部材7から作物乾燥機100の下部に達するまで設けるとともに配管76の下端部76bを空気の注入口として使用されるよう構成するようにしてもよい。
【0135】
この場合、配管76の上端部76aは、
図16や
図15(B)に示されるように、空気噴射部材7の本体部71の開口された端部に接続される。また、配管76は、作物乾燥機100の側壁面に対して留め具76cにより固定された状態で取り付けられる。
【0136】
この空気噴射部材7と配管76を備えた照明装置1Cによれば、透明仕切り板4の下面4bを空気の吹き付けにより清掃する清掃作業を行う際には、作業者が作物乾燥機100の天井部100aに昇る必要がなく、作物乾燥機100の下部に配置されている配管76の空気の注入口としての下端部76bに、空気注入具78を挿し込んで空気を注入することにより容易に行うことができる。空気注入具78としては、例えば、エアーコンプレッサに接続されているエアガンなどが適用される。
【0137】
これにより、照明装置1Cにおける透明仕切り板4は、空気注入具78により注入された空気が配管76を通して空気噴射部材7に送られた後、空気噴射部材7における複数の吹出し孔72から透明仕切り板4の下面4bにむけて吹き付けられる。この結果、透明仕切り板4の下面4bが空気の吹き付けにより清掃される。
【0138】
また、空気噴射部材7と配管76を備えた照明装置1Cにおいては、その配管76の下端部76bに電磁弁を設けてエアーコンプレッサ等の圧縮空気送り装置に接続した構成を採用してもよい。この場合は、電磁弁のオンオフ動作と圧縮空気送り装置のオンオフ動作を、例えば乾燥運転等の運転の終了時にオン状態にして一定の時間だけ空気の空気噴射部材7への供給を自動的に行うように構成すればよい。
【0139】
[実施の形態4]
図17は、本発明の実施の形態4に係る照明装置1Dを適用した作物乾燥機100を示すものである。
【0140】
この照明装置1Dは、発光器具3を変位させる変位手段8と変位手段8を作動させるよう操作する第2操作手段89とを設けた点で異なる以外は実施の形態2に係る照明装置1Bと同じ構成からなるものである。
【0141】
照明装置1Dにおける変位手段8は、
図17(A)に示されるように、箱体2の内部において発光器具3を支持軸81aを支点にして両矢印Pで示すようにほぼ水平方向に揺動させる揺動部81と発光器具3を支持する支持軸81aを両矢印Qで示すように上下方向に昇降させるよう往復移動させる昇降部82との少なくとも一方と、その揺動部81と昇降部82を駆動させる駆動部83とを備えている。
【0142】
このうち揺動部81は、例えば、支持軸81aを所要の角度範囲内で正逆方向に回転させる機構で構成される。また、昇降部82は、例えば、支持軸81aを支持する支持部材82aを、上下に延びるガイド溝82bに沿って上下動させる機構で構成される。さらに、駆動部83は、揺動部81での揺動や昇降部82での昇降を行うために必要な動力を供給する電動モータ、ギヤ機構等を用いて構成される。
【0143】
また、揺動部81による揺動と昇降部82による昇降移動は、予め定める所要の速度や間隔で行われるよう構成される。
【0144】
第2操作手段89は、
図17(B)に示されるように、作物乾燥機100の下部に装備されている操作盤114の一部に操作機能の一部として設けられている。第2操作手段89は、例えば、変位手段8における揺動部81と昇降部82の少なくとも一方の動作をオンオフする変位用スイッチで構成される。第2操作手段89は、電力の供給や制御信号の伝達を行う配線83cにより、変位手段8における駆動部83と接続されている。
【0145】
この変位手段8と第2操作手段89を備えた照明装置1Dでは、第2操作手段89の操作により変位手段8における駆動部83により揺動部81又は昇降部82を作動させると、
図17(A)に示されるように、箱体2の内部において照明器具3が両矢印Pで示すように揺動するか又は両矢印Qで示すように上下に昇降移動する。この結果、箱体2から作物乾燥機100の収容室101内に照射される光は、水平方向又は上下方向に揺れ動くように出射される。
【0146】
したがって、この照明装置1Dによれば、変位手段8により発光器具3が水平方向又は上下方向に変位するので、発光器具が変位しない場合に比べて、収容室101における透視窓117から外部に漏れる光K(
図10)も揺れ動くように出射されて目立つようになる。このため、この照明装置1Dでは、収容室101内の作物の収容量を目視により透視窓117を通して確認することがしやすくなる。
【0147】
また、この照明装置1Dによれば、変位手段8により発光器具3を変位させる作業を、収容室101の天井部100aにのぼることがなく収容室101の下部にある第2操作手段89を操作することで容易に行うことができる。
【0148】
なお、この照明装置1Dでは、変位手段8の作動を第2操作手段89の操作に応じて行うのでなく、変位手段8の作動が張込運転等の運転時に連動して自動で行われるように構成してもよい。
【0149】
[変形例]
本発明は、実施の形態1-4で例示した内容に何ら限定されるものではなく特許請求の範囲に記載の各発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下に挙げるような変形例も含むものである。
【0150】
実施の形態1では、照明装置1Aにおいて透明仕切り板4を箱体2に対して移動可能に設けるとともに透明仕切り板4に接触して清掃する清掃部材5を設ける場合を例示した。しかし、照明装置1Aは、透明仕切り板4を移動しない状態で設けるとともに清掃部材5を設けないように構成することも可能である。
【0151】
このように構成した照明装置1Aにおいては、箱体2に対して透明仕切り板4を移動させて清掃部材5に接触させることで清掃することができなくなるが、収容室101で発生する塵埃が箱体2の内部に装着された発光器具3に付着することを透明仕切り板4によって防ぐことができる。
【0152】
実施の形態1,2では、照明装置1A,1Bにおける清掃部材5として、透明仕切り板4の上面4aおよび下面4bに接触する一対の清掃部材51,52を設ける場合を例示した。しかし、照明装置1A,1Bでは、清掃部材5として、透明仕切り板4の下面4bに接触する1つの清掃部材51を設けるだけでも構わない。
【0153】
このように構成した照明装置1A,1Bでは、透明仕切り板4を矢印E1,E2に移動させたときに下面4bのみが清掃部材51で清掃されて上面4aが清掃されないが、収容室101で発生する塵埃は収容室101の内部と対向する下面4bに付着しやすいので、その下面4bの清掃を少なくとも行えば十分である。
【0154】
実施の形態3では、照明装置1Cにおける空気噴射部材7として、透明仕切り板4の下面4bに空気を吹き付ける構成を例示した。しかし、照明装置1Cでは、空気噴射部材7として、透明仕切り板4の上面4aおよび下面4bの両面に空気を吹き付ける構成の空気噴射部材を適用してもよい。
【0155】
このように構成した照明装置1Cでは、透明仕切り板4の上面4aおよび下面4bの両面が空気の吹き付けにより清掃される。なお、空気噴射部材7により透明仕切り板4の上面4aにも空気を吹き付ける場合は、その吹き付けた空気が箱体2の内部で滞留して発光器具3に塵埃を付着させてしまうことを回避する等の観点から、例えば、箱体2に排気口を設けたり、あるいは箱体2に透明仕切り板4よりも上方の箱体2の内部の空気を吸引して排出する排気手段を設けるとよい。
【0156】
実施の形態4では、変位手段8や第2操作手段89を実施の形態2に係る照明装置1B(実際には実施の形態4に係る照明装置1Dを含まれる)に適用する場合を説明したが、変位手段8や第2操作手段89については、実施の形態1に係る照明装置1Aや実施の形態3に係る照明装置1Cにも同様に適用することが可能である。
【0157】
また、実施の形態1,2では、透明仕切り板4の移動可能な構成として、箱体2に対して透明仕切り板4を矢印E1,E2で示す方向に直線状に往復移動させる構成例を示した。しかし、透明仕切り板4の移動可能な構成は、これに限定されず、他の移動可能な構成を採用してもよい。
【0158】
例えば、透明仕切り板4は、
図18に示されるように、直方体状の箱体2における四隅の一角に設けた支持軸49を支点にして矢印R1、R2で示されるように箱体2の内部から外部に移動するように回動する取付構造を採用することができる。R1は透明仕切り板4を露出させる方向、R2は透明仕切り板4を格納する方向を示す。
【0159】
この場合、箱体2の2つの側面に透明仕切り板4を通過させる通過口29a,29bを設けるとともに、清掃部材5として通過口29a,29bの少なくとも下方側に通過口29a,29bの内部に突出するような状態で下面清掃部材54を設ける。清掃部材5については、好ましくは、通過口29a,29bの中間の高さにおいて接触し合うように配置される上下一対の清掃部材を設けるとよい。また、箱体2の内部には、透明仕切り板4の内在する部分41が支持される照明装置1Aにおける支持レール43の場合とほぼ同様の支持レール43を設ける。
【0160】
そして、この構成の透明仕切り板4においては、その清掃作業が必要なときに、支持軸49を支点にして矢印R1,R2で示す両方向に往復するように回動させる。この際、透明仕切り板4は、少なくともその下面4bが下面清掃部材54に接触して通過することにより清掃される。
【0161】
なお、このように移動可能に設ける透明仕切り板4については、手動で回動させる構成でもよいが、その支持軸49を正逆方向に回転させる駆動装置を併設して自動で回動させる構成にするとよい。また、このように移動可能に設ける透明仕切り板4は、四角形のものに代えて、円形のものを採用してもよい。この場合は、箱体2の内部のうち透明仕切り板4を配置する部位の形状も円形にしておくとよい。
【0162】
また、実施の形態1-4では、箱体2として直方体状のものを例示したが、箱体2については底面部が開口されていて発光器具3の装着と出光が可能であれば、他の形状からなる箱体を採用することも可能である。また、照明装置1は、場合によっては、箱体2に反射板28を設けることを省略することも可能である。
【0163】
さらに、実施の形態1-4では、照明装置1A-1Dを作物乾燥機100に取り付けて収容室101内を照明する場合を示した。しかし、照明装置1A-1Dに代表される本発明の照明装置は、作物を収容する他の作物収容体の収容室内を照明する場合に適用することが可能であり、例えば、作物乾燥機100の乾燥機能を備えず、作物を一時的に収容する作物収容体を備えた作物収容機などにおける収容室内を照明する場合に適用することができる。この他、作物の種類についても特に限定されない。
【符号の説明】
【0164】
1 照明装置
2 箱体
3 発光器具
4 透明仕切り板
5 清掃部材
6 移動装置
7 空気噴射部材
8 変位手段
26 底面部
27,29 通過口
69 第1操作手段
76 配管
76b 下端部
89 第2操作手段
100 作物乾燥機(作物収容体)
100a 天井部
101 収容室
117 透視窓
122 照明設置用の開口部
E,R 移動方向