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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】電子部品及びシステムインパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/02 20060101AFI20220913BHJP
   H01F 27/32 20060101ALI20220913BHJP
   H01F 17/04 20060101ALI20220913BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20220913BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20220913BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
H01F27/02 120
H01F27/32 101
H01F17/04 F
H01G4/30 511
H01G4/30 560
H01L23/00 C
H01L25/00 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017200643
(22)【出願日】2017-10-16
(65)【公開番号】P2018170489
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】10-2017-0039998
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジ、ソー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヨー、ファン ソー
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ナム スン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジェオン スオン
(72)【発明者】
【氏名】キム、タエ ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、デ チュル
【審査官】久保田 昌晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-204337(JP,A)
【文献】特開2016-213190(JP,A)
【文献】特開2012-117052(JP,A)
【文献】国際公開第2015/138080(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103692735(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103183340(CN,A)
【文献】特開2016-048684(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013643(WO,A1)
【文献】特開平08-124718(JP,A)
【文献】特表2017-514776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/00-19/08、27/02、27/32
H01F 41/00、41/12
H01G 2/10、4/00-4/224、4/255-4/40
H01G 13/00-17/00
H01C 1/036、17/02
H01L 21/56、23/00、25/00
C01B 32/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性の本体と、
前記本体の外部に配置される外部電極と、
前記本体の表面に配置され、厚さ方向に積層された金属酸化物層及びグラフェン酸化物層を含む補強部と、
を含み、
前記本体は、ポリマーを含み、
前記金属酸化物層は、前記本体と接触し、アミノ機能基を有する金属アルコキシド化合物を含む、
電子部品。
【請求項2】
前記本体は、前記ポリマーに分散された多数の磁性体粒子をさらに含む請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記金属酸化物層と前記グラフェン酸化物層とは、化学結合を形成する請求項1または2に記載の電子部品。
【請求項4】
前記金属酸化物層と前記本体とをなす物質は、化学結合を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記補強部において、前記金属酸化物層と前記グラフェン酸化物層とは、互いに交互に2回以上繰り返し積層された形態である請求項1からのいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記補強部の最外側には、前記グラフェン酸化物層が配置される請求項1からのいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
前記外部電極は、一対が具備されて互いに離隔し、前記補強部は、前記一対の外部電極の間に配置される請求項1から6のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項8】
前記本体の表面を基準として、前記補強部と前記外部電極とは同一の厚さを有する請求項7に記載の電子部品。
【請求項9】
前記金属酸化物層において、金属成分は、Ti、Al、Ge、Co、Ca、Hf、Fe、Ni、Nb、Mo、La、Re、Sc、Si、Ta、W、Y、Zr及びVからなるグループから選択される少なくともいずれか一つである請求項1から8のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項10】
前記本体内に配置されるコイル部をさらに含む請求項1から9のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項11】
基板と、
前記基板上に配置され、電気絶縁性の本体、前記本体の外部に配置される外部電極、及び前記本体の表面に配置され、厚さ方向に積層された金属酸化物層及びグラフェン酸化物層を含む補強部を含む電子部品と、
前記電子部品を封止する封止材と、を含み、
前記本体は、ポリマーを含み、
前記金属酸化物層は、前記本体と接触し、アミノ機能基を有する金属アルコキシド化合物を含む、
システムインパッケージ。
【請求項12】
前記金属酸化物層及び前記グラフェン酸化物層の少なくともいずれか一つは、前記封止材と化学結合を形成する請求項11に記載のシステムインパッケージ。
【請求項13】
前記封止材は、ポリマーを含む請求項12に記載のシステムインパッケージ。
【請求項14】
前記金属酸化物層の金属酸化物成分及び前記本体のポリマーは、化学結合を形成する、請求項11から13のいずれか一項に記載のシステムインパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品及びシステムインパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電子製品セットの複合、多機能化に伴い、電子部品に対する要求レベルが小型化、大電流化、高容量化されている。例えば、パワーインダクタの小型化のためにコイルのサイズを減らせば、コイル内部のコア中心部が形成される本体領域の体積も減る。しかし、コア中心部の体積が減少すれば、インダクタは、外部応力や熱衝撃に弱くなるという問題が発生する。
【0003】
また、電子製品セット内でモジュール面積を最小化するための高容量・小型化製品の実現及び高付加価値化のために、数個のチップを一度にパッケージングするシステムインパッケージ(System in Package、SiP)が使用されている。システムインパッケージは、素子間接続経路が短くなり、高性能と優れた電気的特性を確保することができる形態である。また、システムインパッケージの使用により実装基板の設計を単純化することができ、電子製品のサイズを減らすことができるという長所を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、電子部品の剛性特性を改善して、デラミネーション(delamination)やクラック不良などを低減することにある。さらに、本発明の他の目的の一つは、このような電子部品を使用して、高い信頼性を有するシステムインパッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するための方法として、本発明は、一形態を通じて電子部品の新規な構造を提案しようとするものである。具体的に、電気絶縁性の本体と、上記本体の外部に配置される外部電極と、上記本体の表面に配置され、金属酸化物層及びグラフェン酸化物層を含む補強部とを含む電子部品を提供する。
【0006】
一実施形態において、上記金属酸化物層は、上記本体と接触し、上記金属酸化物層と上記本体とをなす物質は、化学結合を形成することができる。
【0007】
一実施形態において、上記本体は、ポリマーを含むことができる。
【0008】
一実施形態において、上記本体は、上記ポリマーに分散された多数の磁性体粒子をさらに含むことができる。
【0009】
一実施形態において、上記金属酸化物層と上記グラフェン酸化物層とは、化学結合を形成することができる。
【0010】
一実施形態において、上記補強部は、上記金属酸化物層と上記グラフェン酸化物層とが厚さ方向に積層された構造をなすことができる。
【0011】
一実施形態において、上記補強部において、上記金属酸化物層と上記グラフェン酸化物層とは、互いに交互に2回以上繰り返し積層された形態であることができる。
【0012】
一実施形態において、上記補強部の最外側には、上記グラフェン酸化物層が配置されることができる。
【0013】
一実施形態において、上記外部電極は、一対が具備されて互いに離隔し、上記補強部は、上記一対の外部電極の間に配置されることができる。
【0014】
一実施形態において、上記本体の表面を基準として、上記補強部と上記外部電極とは同一の厚さを有することができる。
【0015】
一実施形態において、上記金属酸化物層において、上記金属成分は、Ti、Al、Ge、Co、Ca、Hf、Fe、Ni、Nb、Mo、La、Re、Sc、Si、Ta、W、Y、Zr及びVからなるグループから選択される少なくともいずれか一つであることができる。
【0016】
一実施形態において、上記本体内に配置されるコイル部をさらに含むことができる。
【0017】
なお、本発明の他の側面は、基板と、上記基板上に配置され、電気絶縁性の本体、上記本体の外部に配置される外部電極、及び上記本体の表面に配置され、金属酸化物層及びグラフェン酸化物層を含む補強部を含む電子部品と、上記電子部品を封止する封止材とを含むシステムインパッケージを提供する。
【0018】
一実施形態において、上記金属酸化物層及び上記グラフェン酸化物層の少なくともいずれか一つは、上記封止材と化学結合を形成することができる。
【0019】
一実施形態において、上記封止材は、ポリマーを含むことができる。
【0020】
一実施形態において、上記金属酸化物層は、上記本体と接触し、上記金属酸化物層と上記本体とをなす物質は、化学結合を形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態で提案する電子部品を使用する場合、デラミネーション(delamination)やクラック不良などが低減されることができ、さらに、このような電子部品を使用して高い信頼性を有するシステムインパッケージを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態による電子部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1の実施形態による電子部品の断面図である。
図3図1の電子部品で採用可能な補強部を示す断面図である。
図4】グラフェン酸化物層の表面構造を示す模式図である。
図5図1の電子部品で採用可能な他の例の補強部を示す断面図である。
図6図1の電子部品で採用可能な他の例の補強部を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるシステムインパッケージ(SiP)を概略的に示す断面図である。
図8図7のシステムインパッケージで採用可能な補強部と封止材を示すものである。
図9】本発明の実施例によって得られた電子部品の応力低減率の特性を比較例と共に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)されることがある。
【0024】
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に異なる趣旨の説明がされていない限り、他の構成要素を除外する趣旨ではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による電子部品を概略的に示す斜視図である。図2は、図1の実施形態による電子部品の断面図である。図3は、図1の電子部品で採用可能な補強部を示す断面図である。
【0026】
先ず、図1及び図2を参照すると、電子部品100は、本体101、外部電極104、105及び補強部106を含む。本実施形態では、電子部品100は、コイルパターンを含むインダクタである例を示し、具体的に、電子部品100は、本体101内に素子基板102と、その上に形成され、外部電極104、105と接続したコイル部103とを含むことができる。但し、電子部品100は、インダクタの他にも多様な素子、例えば、キャパシタ、抵抗体、複合電子部品などの構造を有してもよい。
【0027】
本体101は、コイル部103などを埋設し、電気的に絶縁性を有する。本体101をなす物質として、例えば、本体101はポリマーを含むことができる。また、本体101には、磁性特性を向上するために、ポリマーに分散された多数の磁性体粒子が含まれることができる。この場合、本体101に含まれたポリマーは、硬化性樹脂のエポキシ樹脂を使用することができ、その他に熱硬化性樹脂の一例としてポリイミド(polyimide)樹脂などを使用することができる。後述するように、本体101は、補強部106を構成する物質と界面で化学結合を形成し、これにより、本体101と補強部106との間の結合力、本体101の剛性などが向上されることができる。
【0028】
外部電極104、105は、一対が具備されることができ、本体101の外部に配置される。外部電極104、105は、コイル部103と接続し、電気伝導性の高い金属からなることができる。必要に応じて、外部電極104、105は、多層構造で形成されてもよい。
【0029】
補強部106は、本体101の表面に配置され、本実施形態のように、本体101の互いに対向する面にそれぞれ配置されることができる。図3に示すように、補強部106は、多層構造からなることができ、具体的に、金属酸化物層116及びグラフェン酸化物層126を含む形態である。この場合、補強部106は、金属酸化物層116とグラフェン酸化物層126が厚さ方向に積層された構造を有することができる。
【0030】
金属酸化物層116は、本体101の表面に形成され、本体101を保護すると共に電子部品100の剛性を向上させることができる。そのため、金属酸化物層116は、本体101と接触し、金属酸化物層116と本体101とをなす物質は、化学結合を形成することができる。このように物理的に分離された構造ではなく化学結合をなすことにより、金属酸化物層116と本体101との結合力が向上されて、電子部品100の機械的安定性が改善されることができる。
【0031】
本体101と化学結合をなすために、金属酸化物層116は、金属アルコキシド成分を含むことができる。例えば、このような金属アルコキシド成分は、本体101のポリマーやグラフェン酸化物層126と共有結合が可能なアミノ(amino)機能基を含有したアルコキシドシラン化合物であることができる。金属酸化物層116において、上記金属成分は、Ti、Al、Ge、Co、Ca、Hf、Fe、Ni、Nb、Mo、La、Re、Sc、Si、Ta、W、Y、Zr及びVからなるグループから選択される少なくともいずれか一つであることができる。このような金属成分のうち、代表的にSiを例として挙げることができ、この場合、上記アミノ機能基を有する金属アルコキシド化合物としては、C22Si、C19NOSi、C23NOSi、C20Si、C1122Siなどがある。上述した金属アルコキシド成分を有する金属酸化物層116は、硬化過程で本体101と化学結合を形成することができる。但し、当技術分野で使用可能な他の工程によって化学結合が形成されてもよい。
【0032】
グラフェン酸化物層126は、高い剛性を有することで、電子部品100の機械的特性をさらに向上させることができ、金属酸化物層116より高い剛性を有することができる。この場合、グラフェン酸化物層126は、金属酸化物層116と化学結合を形成することにより、互いの結合力がさらに向上されることができる。金属酸化物層116と化学結合を形成するために、図4に示すように、グラフェン酸化物層126は、エポキシ(epoxy)基を有することができる。図4は、グラフェン酸化物層の表面構造を示す模式図である。金属酸化物層116と同様に、グラフェン酸化物層126は、硬化過程で金属酸化物層116と化学結合を形成することができる。この場合、本体101、金属酸化物層116、グラフェン酸化物層126は、同時に硬化されることができる。
【0033】
必須の事項ではないが、金属酸化物層116とグラフェン酸化物層126のうち、補強層106の最外側にはグラフェン酸化物層126が配置されることができる。相対的により高い剛性を有するグラフェン酸化物層126を外部応力の影響を受けることの多い外側に配置して、さらに強化された硬性効果を実現することができる。
【0034】
一方、図1及び図2に示すように、補強部106は、一対の外部電極104、105の間に配置されることができる。この場合、構造的安定性を提供するために、本体101の表面を基準として、補強部106と外部電極104、105とは、同一の厚さを有することができる。
【0035】
図5及び図6は、図1の電子部品で採用可能な他の例の補強部を示す断面図である。図5に示すように、補強部106'において、金属酸化物層116とグラフェン酸化物層126とは交互に2回繰り返して積層されることができ、求められる剛性などの条件によって積層回数をさらに増やすことができる。また、図6に示すように、金属酸化物層116とグラフェン酸化物層126との積層順序を変えることもできる。つまり、変形された例による補強部106''の場合、本体101の表面にグラフェン酸化物層126が先に形成され、グラフェン酸化物層126上にこれと化学結合を形成するように金属酸化物層116が形成されることができる。金属酸化物層116と同様に、グラフェン酸化物層126は、本体101をなす物質と化学結合をなすことができる。
【0036】
図7は、本発明の一実施形態によるシステムインパッケージ(SiP)を概略的に示す断面図である。図8は、図7のシステムインパッケージで採用可能な補強部と封止材を示すものである。
【0037】
図7及び図8を参照すると、システムインパッケージ200は、基板201とその上に配置される電子部品100及び封止材203を含み、電子部品100は、上述した図2の構造を有する。従って、電子部品100の具体的な形態に対する説明は、上述した部分に代替されることができる。
【0038】
基板201は、システムインパッケージ200に採用可能な部品実装用基板として、印刷回路基板(PCB)などを使用することができる。電子部品100は、接着性電気連結部材202、例えば、はんだにより基板201上に実装されることができる。この場合、図7では、一つの電子部品100のみを示したが、システムインパッケージ200には、電子部品100以外に他の部品、例えば、キャパシタ、インダクタなどがさらに含まれることができる。
【0039】
封止材203は、電子部品100を封止してこれを保護し、それ以外にも他の部品を共に封止してシステムインパッケージ200を実現する要素である。封止材203は、ポリマーを含むことができ、さらに機能性フィラーを含むことができる。機能性フィラーは、機械的、電気的、磁気的特性などを改善するために追加されることができ、一例として、シリカ(SiO)が挙げられる。図7に示すように、補強部と封止材203は、互いに接触し、金属酸化物層116及びグラフェン酸化物層126の少なくともいずれか一つは、封止材203と化学結合を形成することができる。図8に示すように、本実施形態では、グラフェン酸化物層126が封止材203と化学結合を形成する例を示す。
【0040】
このように、封止材203とグラフェン酸化物層126、グラフェン酸化物層126と金属酸化物層116、金属酸化物層116と本体101との間の領域のそれぞれに化学結合が形成されることで、システムインパッケージ200をなす各要素の結合力が増加して、機械的安定性が向上されることができる。このように機械的安定性が向上されたシステムインパッケージ200は、変形発生(特に、図2を基準として左右方向の変形)による外部応力の作用時にデラミネーション(delamination)やクラック不良が発生する可能性が少ない。
【0041】
図9は、本発明の実施例によって得られた電子部品の応力低減率特性を比較例と共に示すグラフである。実施例の場合、金属酸化物層とグラフェン酸化物層とをそれぞれ2層ずつ交互に積層した構造(全4層)を補強部として使用し、金属酸化物層としてはSiOを使用した。比較例の場合、実施例と同一の厚さにし、SiOだけで補強部を形成した。図9のグラフに示すように、補強部の厚さが増加するほど電子部品に及ぼす応力の影響が低減され、特に、金属酸化物層とグラフェン酸化物層とを交互に積層した実施例で比較例より応力低減効果が大きいことを確認することができる。補強部を採用しない場合より90%以下の応力が作用する場合(コーティング厚さが0.02mm以上の場合)は、クラックの発生が顕著に低減され、これを考慮すると、補強部の厚さは0.02mm以上に採用されることができる。
【0042】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定する。従って、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0043】
100 電子部品
101 本体
102 素子基板
103 コイル部
104、105 外部電極
106、106'、106'' 補強部
116 金属酸化物層
126 グラフェン酸化物層
200 システムインパッケージ
201 基板
202 接着性電気連結部材
203 封止材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9