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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】センサユニット
(51)【国際特許分類】
   G01P 13/00 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
G01P13/00 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018110911
(22)【出願日】2018-06-11
(65)【公開番号】P2019215171
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】島津 侑宜
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-295768(JP,A)
【文献】特開平6-117679(JP,A)
【文献】国際公開第2017/146920(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0153651(US,A1)
【文献】特開2009-204626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P13/00-13/04
G01P 5/00- 5/26
G01F 1/00- 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気流センサを備える第1の部品と、
第2の部品と、
第3の部品とを有し、
前記第1の部品は、前記第2の部品又は前記第3の部品と選択的に接続可能な下端部と、前記第3の部品又は前記第2の部品と選択的に接続可能な上端部とを有する、センサユニット。
【請求項2】
前記第2の部品は、前記下端部又は前記上端部に選択的に接続可能な第1の端部を有し、
前記第3の部品は、前記上端部又は前記下端部に選択的に接続可能な第2の端部を有する、請求項1に記載のセンサユニット。
【請求項3】
前記第1の端部は、前記下端部又は前記上端部に選択的に嵌まる第1の周縁部を有し、
前記第2の端部は、前記上端部又は前記下端部に選択的に嵌まる第2の周縁部を有する、請求項2に記載のセンサユニット。
【請求項4】
前記第2の部品は、前記第1の端部とは反対側の第3の端部を有し、
前記第3の部品は、前記第2の端部とは反対側の第4の端部を有し、
前記第3の端部又は前記第4の端部は、センサユニット外部の固定部に取り付け可能である、請求項2又は3に記載のセンサユニット。
【請求項5】
前記第2の部品は、分離可能な第1のブロックと第2のブロックとを含み、
前記第1のブロックは、前記第1の端部を有し、
前記第2のブロックは、前記固定部に取り付け可能な前記第3の端部を有する、請求項4に記載のセンサユニット。
【請求項6】
前記気流センサは、前記第1の部品の外周部に開口する流路口と連通する空間に前記流路口と異なる高さに配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項7】
前記第1の部品は、
第1の流路板と、
前記第1の流路板と対向して配置される第2の流路板と、
前記気流センサが配置される空間が前記第1の流路板と前記第2の流路板との間に形成されるように前記第1の流路板に対して前記第2の流路板を支持する少なくとも一つの支柱と、
前記第2の流路板に設置され、前記気流センサが実装される第1の基板と、
前記第1の流路板に設置され、前記支柱の中を通る導体を介して前記第1の基板に接続される第2の基板とを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【請求項8】
前記第2の部品は、前記第2の基板に導電的に接続される第3の基板を有する、請求項7に記載のセンサユニット。
【請求項9】
前記第2の部品は、少なくとも一つの他のセンサとセンサ信号を取得する制御部との少なくとも一方を備え、
前記他のセンサ又は前記制御部は、前記第3の基板に実装される、請求項8に記載のセンサユニット。
【請求項10】
前記第2の部品は、少なくとも一つの他のセンサとセンサ信号を取得する制御部との少なくとも一方を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のセンサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサユニッに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気流センサを含む複数のセンサが予め形成された基板を備えるセンサユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-117679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、センサを新たに追加しようとする場合、基板の変更が必要となるので、汎用性や拡張性(機能の拡張のしやすさ)が十分に考慮されていない。
【0005】
そこで、本開示は、汎用性や拡張性に富むセンサユニッを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
気流センサを備える第1の部品と、
第2の部品と、
第3の部品とを有し、
前記第1の部品は、前記第2の部品又は前記第3の部品と選択的に接続可能な下端部と、前記第3の部品又は前記第2の部品と選択的に接続可能な上端部とを有する、センサユニットを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、汎用性や拡張性に富むセンサユニッを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。
図2】第2の実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。
図3】第3の実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。
図4】一実施形態のセンサユニットの具体例を示す斜視図である。
図5】一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解側面図である。
図6】上ブロックの具体例を示す断面図である。
図7】一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解上方斜視図である。
図8】一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解下方斜視図(その1)である。
図9】一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解下方斜視図(その2)である。
図10】一実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。
図11】気流測定ブロックの構造例を模式的に示す図である。
図12】実施形態の流体測定装置の概略断面図である。
図13図12の流体測定装置の主要部の拡大図である。
図14図12の流体測定装置に流れ込む気体の流路を説明する図である。
図15】流体測定装置で用いられる気流センサの一例を示す図である。
図16】気流測定ブロックを拡大した部分断面図である。
図17】センシングブロックを拡大した部分断面図である。
図18】第3の基板を取り外した状態でのセンシングブロックの斜視図である。
図19】取り付けブロックの底面側からの斜視図である。
図20】センサユニットの第2の具体例を示す図である。
図21】センサユニットの第3の具体例を示す図である。
図22】センサユニットの第4の具体例の上方斜視図である。
図23】センサユニットの第4の具体例の下方斜視図である。
図24】固定部に取り付けられたセンサユニットの第4の具体例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
図1は、本開示に係る第1の実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。図1に示されるセンサユニット50Aは、第1の部品160、第2の部品170及び第3の部品180を備える。
【0012】
第1の部品160は、少なくとも一つの気流センサ20を備える。気流センサ20は、空気等の気体の流れを測定し、その測定結果に応じたセンサ信号を出力する。
【0013】
第2の部品170は、気流センサ20とは別の少なくとも一つの他のセンサ22を備える。センサ22は、気流センサ20とは別体のセンサである。センサ22は、気流センサ20と異種の環境センサ(例えば、温度センサなど)であるが、気流センサ20と同種のセンサ(つまり、気流センサ)でもよい。センサ22は、センサユニット50Aが設置される環境を測定するセンサであり、その具体例として、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、圧力センサ、地磁気センサ等が挙げられるが、これらに限られない。
【0014】
気流センサ20により気流を測定するだけでなく、気流以外の環境パラメータをセンサ22により測定することで、一度に複数種の環境情報を収集することができる。
【0015】
第3の部品180は、少なくとも一つの上述のようなセンサを備える部品でもよいし、センサを備えない部品でもよい。第3の部品180は、例えば、蓋又はカバーのような保護部品でもよい。
【0016】
第1の部品160は、第2の部品170又は第3の部品180と選択的に接続可能な下端部161と、第3の部品180又は第2の部品170と選択的に接続可能な上端部162とを有する。このような下端部161及び上端部162を有することにより、センサユニット50Aを、図1左側の形態に変更したり、図1右側の形態に変更したりすることが可能となる。
【0017】
図1左側の形態は、第2の部品170が下端部161に接続され第3の部品180が上端部162に接続されており、第2の部品170が第1の部品160の下段に配置され第3の部品180が第1の部品160の上段に配置されている。図1右側の形態は、第3の部品180が下端部161に接続され第2の部品170が上端部162に接続されており、第3の部品180が第1の部品160の下段に配置され第2の部品170が第1の部品160の上段に配置されている。つまり、センサ22を気流センサ20の下方に設置したり上方に設置したりする組み換えができる。
【0018】
このように、センサユニット50Aは第1の部品160と第2の部品170と第3の部品180とに分離可能なので、センサユニット50Aが設置される環境に合わせて、センサを新たに追加したり変更したりすることが容易になる。
【0019】
例えば、第1の部品160に第2の部品170を接続することで、他のセンサ22を新たに容易に追加できるので、容易に機能を拡張することができる。また、第1の部品160に第3の部品180を接続することで、第3の部品180が持つ機能を新たに容易に追加できるので、容易に機能を拡張することができる。
【0020】
また、例えば、第2の部品170を、異種のセンサ22を備える他の第2の部品170に交換することで、異種のセンサ22への交換が容易になる。また、第3の部品180を、他の機能を持つ第3の部品180に交換することで、当該他の機能への変更が容易になる。また、第1の部品160を、異仕様の気流センサ20を備える他の第1の部品160に交換することで、異仕様の気流センサ20への交換が容易になる。また、センサ22が不要であれば、第1の部品160から第2の部品170を取り外せばよいので、容易に機能を削減することもできる。このように、汎用性に富むセンサユニット50Aを提供することが可能となる。
【0021】
また、第1の部品160と第2の部品170と第3の部品180とのうちいずれかが故障しても、その故障した部品のみを交換すればよいので、全部品を交換する場合に比べて、故障の交換作業が容易になり、コストの抑制が可能となる。
【0022】
さらに、センサユニット50Aの場合、第2の部品170と第3の部品180を第1の部品160の上下で置換可能となる。第1の部品160に設けられる気流センサ20が測定対象とする気体の流れは、センサユニット自体の構造や形状によって簡単に変化してしまうので、その測定誤差は大きくなりやすい。しかし、センサユニット50Aの場合、第2の部品170と第3の部品180は第1の部品160の上下で置換可能なので、気流センサ20の上下方向(高さ方向)の位置がその置換前後で変わりにくくなる。よって、気流センサ20の測定誤差が、その置換前後で変動することを抑制することができる。
【0023】
図1に示す実施の形態では、第2の部品170は、下端部161又は上端部162に選択的に接続可能な第1の端部172を有する。第3の部品180は、上端部162又は下端部161に選択的に接続可能な第2の端部181を有する。例えば、上端部162に接続される第2の端部181が、下端部161に接続される第1の端部172と同じ形状で形成されることで、第2の端部181は下端部161にも接続可能となり、第1の端部172は上端部162にも接続可能となる。図1の場合、第1の端部172は、下端部161に形成される凹部163に嵌まるように形成される凸部174を有し、第2の端部181は、上端部162に形成される凹部164に嵌まるように形成される凸部183を有する。
【0024】
図1に示す実施の形態では、第2の部品170は、第1の端部172とは反対側の第3の端部171を有し、第3の部品180は、第2の端部181とは反対側の第4の端部182を有する。第3の端部171又は第4の端部182は、センサユニット外部の固定部に取り付け可能であることが好ましい。図1は、第3の端部171がセンサユニット外部の固定部100又は固定部101に取り付け可能であることを例示する。気流センサ20は、センサユニット50Aが取り付けられる固定部からの高さHが或る程度ないと、気体が固定部に当たることによる気流の乱れによって、測定誤差が大きくなる。本実施の形態によれば、図1の左側の形態でも右側の形態でも、高さHをほぼ等しくすることができるので、置換前後での測定誤差の変化を抑制することができる。なお、第4の端部182がセンサユニット外部の固定部に取り付け可能に形成されてもよい。
【0025】
図2は、本開示に係る第2の実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0026】
図2に示されるセンサユニット50Bは、第1の部品260、第2の部品270及び第3の部品280を備える。第1の部品260は、少なくとも一つの気流センサ20を備える。第2の部品270は、気流センサ20とは別の少なくとも一つの他のセンサ22を備える。第3の部品280は、少なくとも一つの上述のようなセンサを備える部品でもよいし、センサを備えない部品でもよい。
【0027】
第1の部品260は、第2の部品270又は第3の部品280と選択的に接続可能な下端部261と、第3の部品280又は第2の部品270と選択的に接続可能な上端部262とを有する。このような下端部261及び上端部262を有することにより、センサユニット50Bを、図2左側の形態に変更したり、図2右側の形態に変更したりすることが可能となる。
【0028】
図2に示す実施の形態では、第2の部品270は、下端部261又は上端部262に選択的に接続可能な第1の端部272を有する。第3の部品280は、上端部262又は下端部261に選択的に接続可能な第2の端部281を有する。図2の場合、第1の端部272は、下端部261に形成される凸部263に嵌まるように形成される凹部274を有し、第2の端部281は、上端部262に形成される凸部264に嵌まるように形成される凹部283を有する。また、第2の部品270は、第1の端部272とは反対側の第3の端部271を有し、第3の部品280は、第2の端部281とは反対側の第4の端部282を有する。第3の端部271又は第4の端部282は、センサユニット外部の固定部に取り付け可能であることが好ましい。図2は、第3の端部271がセンサユニット外部の固定部100又は固定部101に取り付け可能であることを例示する。本実施の形態によれば、図2の左側の形態でも右側の形態でも、高さHをほぼ等しくすることができるので、置換前後での測定誤差の変化を抑制することができる。なお、第4の端部282がセンサユニット外部の固定部に取り付け可能に形成されてもよい。
【0029】
図3は、本開示に係る第2の実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。上述の実施形態と同様の構成及び効果についての説明は、上述の説明を援用することで、省略又は簡略する。
【0030】
図3に示されるセンサユニット50Cは、第1の部品360、第2の部品370及び第3の部品380を備える。第1の部品360は、少なくとも一つの気流センサ20を備える。第2の部品370は、気流センサ20とは別の少なくとも一つの他のセンサ22を備える。第3の部品380は、少なくとも一つの上述のようなセンサを備える部品でもよいし、センサを備えない部品でもよい。
【0031】
第1の部品360は、第2の部品370又は第3の部品380と選択的に接続可能な下端部361と、第3の部品380又は第2の部品370と選択的に接続可能な上端部362とを有する。このような下端部361及び上端部362を有することにより、センサユニット50Cを、図3左側の形態に変更したり、図3右側の形態に変更したりすることが可能となる。
【0032】
図3に示す実施の形態では、第2の部品370は、第1の部品360の下段に配置されるとき下端部361に接続される第1の接続端部372と、第1の部品360の上段に配置されるとき上端部362に接続される第2の接続端部371とを有する。第3の部品380は、第1の部品360の上段に配置されるとき上端部362に接続される第3の接続端部381と、第1の部品360の下段に配置されるとき下端部361に接続される第4の接続端部382とを有する。
【0033】
図3の場合、第1の接続端部372は、下端部361に形成される凹部363に嵌まるように形成される凸部374を有し、第2の接続端部371は、上端部362に形成される凸部364に嵌まるように形成される凹部373を有する。第2の接続端部371は、第1の接続端部372の反対側に位置する。また、図3の場合、第3の接続端部381は、上端部362に形成される凸部364に嵌まるように形成される凹部383を有し、第4の接続端部382は、下端部361に形成される凹部363に嵌まるように形成される凸部384を有する。第4の接続端部382は、第3の接続端部381の反対側に位置する。
【0034】
第1の接続端部372又は第2の接続端部371は、センサユニット外部の固定部に取り付け可能であることが好ましい。図3は、第2の接続端部371がセンサユニット外部の固定部103に取り付け可能であり、第1の接続端部372がセンサユニット外部の固定部104に取り付け可能であることを例示する。本実施の形態によれば、図3の左側の形態でも右側の形態でも、高さHをほぼ等しくすることができるので、置換前後での測定誤差の変化を抑制することができる。
【0035】
図4は、一実施形態のセンサユニット50の具体例を示す斜視図である。図5は、一実施形態のセンサユニット50の具体例を示す分解側面図である。図4に示されるセンサユニット50は、気流測定ブロック60、下ブロック70及び上ブロック80を備える。気流測定ブロック60は、第1の部品の一例であり、少なくとも一つの気流センサ20を備える。下ブロック70は、第2の部品の一例であり、気流センサ20とは別の少なくとも一つの他のセンサ22を備える。上ブロック80は、第3の部品の一例であり、センサを備えない上蓋である。第1の端部72は、下端部61又は上端部62に選択的に嵌まる第1の周縁部79を有し、第2の端部81は、上端部62又は下端部61に選択的に嵌まる第2の周縁部83を有する。
【0036】
本実施の形態では、第1の周縁部79は、下端部61に形成される周縁部65又は上端部62に形成される周縁部66に選択的に嵌まるように形成されている。第2の周縁部83は、上端部62に形成される周縁部66又は下端部61に形成される周縁部65に選択的に嵌まるように形成されている。周縁部65には、周縁部65からの水の浸入を遮断するOリング63が取り付けられており、周縁部66には、周縁部66からの水の浸入を遮断するOリング64が取り付けられている。
【0037】
下ブロック70は、分離可能なセンシングブロック74と取り付けブロック90を含む。センシングブロック74は、第1のブロックの一例である。取り付けブロック90は、第2のブロックの一例である。センシングブロック74は、センサ22を備える。センシングブロック74は、下端部61又は上端部62に選択的に接続可能な第1の端部72と、取り付けブロック90の端部92に接続可能な端部71を有する。取り付けブロック90は、端部71に接続可能な端部92と、センサユニット外部の固定部に取り付け可能な第3の端部91とを有する。なお、上ブロック80に、センサユニット外部の固定部に取り付け可能な第4の端部82が設けられてもよい。
【0038】
センシングブロック74は、第1の端部72とは反対側に設けられる端部71を有し、取り付けブロック90は、第3の端部91とは反対側に設けられる端部92を有する。端部71と端部92は、互いに分離可能な接続構造を有する。端部71は、端部92の周縁部に嵌まるように形成される周縁部77を有する。周縁部77には、周縁部77からの水の浸入を遮断するOリング75が取り付けられている。
【0039】
図6は、上ブロックの具体例を示す断面図である。少なくとも一本のスクリュ84が、気流測定ブロック60の上部の流路板12にインサートされたナット67と締結することにより、上ブロック80は、気流測定ブロック60と結合する。スクリュ84による締結時に、ブロックの間からの水の浸入を防ぐために、Oリング64によるシールが行われる。スクリュ84による締結部は、防水性を向上させるため、ゴムワッシャーや樹脂ポッティングなどが施されてもよい。
【0040】
図7は、一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解上方斜視図である。図8は、一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解下方斜視図(その1)である。図9は、一実施形態のセンサユニットの具体例を示す分解下方斜視図(その2)である。図10は、一実施形態のセンサユニットにおける組み換え例を模式的に示す図である。
【0041】
気流センサを使用して360°全方向からの気流を検知する場合、センサユニット50の固定箇所は、気流の検知の邪魔になりにくい上下方向のどちらかとなる。センサユニット50を床や固定台、三脚などの下側固定部に固定する場合、取り付けブロック90の固定用ネジ穴96,97(図19参照)を使用して固定することができる。しかし、そのまま上下逆さにしたセンサユニット50を取り付けブロック90の固定用ネジ穴96,97を使用して天井などの上側固定部に固定する場合、気流センサ20を備える気流測定ブロック60も上下逆さになってしまう。一方、図6に示されるように、気流センサ20は、気流測定ブロック60の外周部に開口する流路口16と連通する空間(分流路25)に流路口16と異なる高さに配置されている。したがって、気流測定ブロック60が図11のように上下逆さになってしまうと、構造上、気流センサ20が配置される流路内にゴミや水が溜まってしまう。上ブロック80に固定用のネジ穴を設けてそのネジ穴を使用してセンサユニット50を固定することもできるが、固定部から流路口16までの距離Hが変わると、固定部の影響を受けて気体の流れが変化してしまう場合がある。
【0042】
このような問題を解決するため、本実施の形態に係るセンサユニット50は、各部品の接続部が同じ接続形状であることにより、気流測定ブロック60以外のブロックを反転させて組み立てできる構造を有する。これにより、図10に示されるように、気流測定ブロック60の流路口16と固定部100又は固定部101との距離Hを変えることなく、固定方向を変更することができる。
【0043】
次に、気流測定装置の一例である気流測定ブロック60の構成についてより詳細に説明する。
【0044】
実施形態では、装置を大型化させずに、気体のセンサへの流入方向の違いによる測定誤差を低減する。これを実現するために、センサに取り込まれる気流の速度が全方向でほぼ均一になるように流路の形状を工夫する。「気体」は、大気、特定成分のガス、排ガス等を含む。以下、図面を参照して、気流測定ブロック60(気流測定装置1)の具体的な形態を説明する。
【0045】
図12は、実施形態の気流測定装置1の概略断面図である。気流測定装置1は、第1の流路板11と、第2の流路板12と、第1の流路板11と第2の流路板12で形成される流路に面して面内方向のほぼ中心部に位置する気流センサ20と、複数の支柱17とを有する。支柱17によって、第1の流路板11と第2の流路板12は、その間に所定の空間を保って支持される。気流センサ20は、その感知面が流路となる空間に接するように配置されている。
【0046】
気流測定装置1の主要部は、ベースプレート18の上に形成されている。気流測定装置1は、一般的に、ベースプレート18が水平面に置かれて使用される。気流センサ20の搭載面は、水平面と平行な面であるのが望ましい。第1の流路板11は、ベースプレート18と一体的に形成されていてもよいし、ベースプレート18と別体として形成されていてもよい。
【0047】
実施形態の特徴として、第1の流路板11と第2の流路板12の少なくとも一方は、他方と対向する面に、外側に向かって傾斜する斜面14を有する。図12の例では、第1の流路板11に斜面14が設けられている。第2の流路板12は、斜面を有さず、第1の流路板11と向かい合う対向面121は、気流センサ20の搭載面と平行な面となっている。
【0048】
第1の流路板11の斜面14と、第2の流路板12の対向面121で、傾斜流路15が形成される。傾斜流路15は、周囲から気流測定装置1の中に流体を取り込み、周囲へ排出する流出入路である。
【0049】
実施形態のもうひとつの特徴は、傾斜流路15と連通する分流路25に、分流路25内に突出して分流路25を部分的に狭める突起が設けられている。気流センサ20は、傾斜流路15が分流路25と連通する連通部19よりも気流測定装置1の高さ方向で高い位置に配置されている。図12の例では、突起は、第1の流路板11に設けられた段差またはステージ13の周に沿って水平方向、または気流センサ20の搭載面と平行な方向に張り出したフランジ131として形成されている。
【0050】
ステージ13は、たとえば円筒型の段差で、ステージ13の上面で円周に沿ってフランジ131が形成されている。ステージ13の形状に合わせて、第1の流路板11と第2の流路板12の平面形状を、ステージ13と同軸の円形にしてもよい。
【0051】
第2の流路板12は、第1の流路板11との対向面121の中央部に、凹部123を有する。ステージ13は、その外面と第2の流路板12との間に空間を保って、凹部123の内部に収容されている。
【0052】
ステージ13の基部から第1の流路板11の外周に向かって円錐台の斜面14が延び、斜面14と第2の流路板の対向面121の間が、傾斜流路15となっている。傾斜流路15は、ステージ13に向かうほど狭くなり、ステージ13の基部で分流路25に連通している。分流路25は、ステージ13と、第2の流路板12の凹部123の間に形成されている。
【0053】
後述するように、気流測定装置1に、斜面14と、分流路25内に突出する突起(たとえばフランジ131)を設けることで、気流センサ20に流れ込む流体を全方向でできるだけ均等にして乱流を低減し、出力誤差を低減する。
【0054】
図13は、気流測定装置1の主要部を拡大して示す図である。図13の(A)は、気流測定装置1の概略断面図である。図13の(B)は、図13の(A)のサークルで囲まれた領域Aの拡大図である。斜面14を有する傾斜流路15は、ステージ13の基部側の連通部19で分流路25と連通している。分流路25は、ステージ13の側面と第2の流路板12の凹部123の間に延びる垂直流路251と、ステージ13の上面と凹部123の間に延びる水平流路252を含む。
【0055】
ステージ13のフランジ131は、垂直流路251と水平流路252の間の空間に突出して、分流路25の幅をある程度しぼっている。
【0056】
基板21に取り付けられた気流センサ20は、気流測定装置1の高さ方向で傾斜流路15と分流路25の連通部19よりも上方で、分流路25に面して配置される。図12及び図13に示す例では、気流センサ20は、その検知面が水平流路252と接するように第2の流路板12の凹部123に配置されている。この構成により、傾斜流路15から気流測定装置1の中に取り込まれた流体は、連通部19から分流路25を通って、気流センサ20と接し、分流路25の反対側から傾斜流路15に流れて、気流測定装置1の外に排出される。
【0057】
図14は、気流測定装置1への気体の流れを示す図である。支柱17の間から気流測定装置1に流れ込んだ気体は、傾斜流路15に沿って、中心部へ向かう。傾斜流路15は中心部に向かって狭くなっており、ステージ13の基部で、一部は斜面14に沿って傾斜流路15の反対側に回り込み、その他の部分は連通部19から分流路25に流れ込む。
【0058】
気体が支柱17と支柱17の間から流入するときは、流入した気体は乱流をほとんど生じさせずに、ほぼそのままの状態で気流センサ20にて検知される。気体が支柱17の正面から流れ込むときは、従来の構成では支柱17で気体が剥離し、支柱17の内側で乱流が発生して気流センサ20の出力に誤差が生じ、風向または風速を全方向で正確に測定することが難しかった。
【0059】
これに対し、実施形態の構成では、流出入路に斜面14を設けて傾斜流路15としている。支柱17の正面から流れ込む気体も、支柱17と支柱17の間から流れ込む気体も、斜面14に沿って移動することで、ある程度均一化される(第1段階の均一化)。
【0060】
斜面14の角度は、気流測定装置1が用いられる環境、測定したい流速または流量の範囲、気流センサ20の感度等に応じて、全方向での流速または流量の均一化の効果が得られるように適宜設計される。一例として、水平面に対する傾斜角は20°~60°、より好ましくは30~45°である。傾斜角が小さすぎると、流入方向の違いによる乱流の影響を十分に緩和することができない。傾斜角が大きすぎると、装置のサイズが高さ方向に増大し、配置が不安定になる。
【0061】
気流測定装置1に取り込まれた気体は、傾斜流路15から分流路25に流れ込み、ステージ13の側面に沿って上方に流れて、支柱17の影響等に起因する流速または流量のばらつきがさらに緩和される。また、垂直流路251から水平流路252に入る際に、フランジ131を回りこむことで、気流がいっそう均一化される(第2段階の均一化)。
【0062】
この例では、ステージ13の側面に沿って上昇した気体は、フランジ131の底面に沿っていったん外側に流れ、フランジ131と凹部123の側壁との間から、水平流路252に流れ込む。この過程で、気流測定装置1に取り込まれる気体の流入方向の違いによる流速のばらつきを抑制し、全方向で測定誤差を最小にすることができる。
【0063】
副次的な効果として、フランジ131を設けることで、水滴、粉塵などが気流センサ20の配置された水平流路252に侵入することを抑制できる。
【0064】
なお、分流路25内に突出する突起構成として、水平方向に延びるフランジ131に替えて、ステージ13の外周で垂直方向に延びる突起壁を設けてもよい。この場合は、水平流路252の流出入側で流路の幅が絞られる。ステージ13の側面に沿って上昇した流体は、突起を乗り越えて、水平流路252に入り込む。これにより、全方向で支柱17の有無あるいは乱流の影響による流速ばらつきが均され、流入方向による測定誤差の低減が期待できる。
【0065】
フランジ131を設けることで、気流センサ20で検知される気体の流速は、実際の流速よりも若干低下する。これに対しては、あらかじめフランジ131を通過することによる流速の変化を測定し、キャリブレーションしておくことで、気流センサ20の検出結果から正しい測定値を算出し、出力することができる。フランジ131に替えて垂直方向の突起を設けた場合も、検出される流速が実際の流速よりも若干遅くなるが、この場合もあらかじめキャリブレーションしておくことで、正しい測定値を出力することができる。
【0066】
図15は、気流測定装置1で用いられる気流センサ20の構成例を示す。図15の(A)は平面図、(B)は断面模式図である。気流センサ20は、発熱抵抗体201と、発熱抵抗体201の周囲に配置される複数の温度検出体202を有する。発熱抵抗体201と温度検出体202は、チップ基板210に形成されたダイアフラム211に配置されている。チップ基板210は、たとえばエッチング加工が容易なシリコン等の半導体基板である。ダイアフラム211は、絶縁性の多層膜である。多層膜の最下層に半導体の層を含んでいてもよい。
【0067】
温度検出体202は、気流の方向と流速を検出するために、発熱抵抗体201の周囲に均等に配置されている。図15(A)の例では、互いに直交する位置関係で4つの温度検出体202が配置されている。この場合、X方向に配置される一対の温度検出体202で、X方向の温度分布の変化を検出し、Y方向に配置される一対の温度検出体202で、Y方向の温度分布の変化を検出してもよい。
【0068】
発熱抵抗体201は、白金(Pt)、ニクロム(NiCr)、ケイ化モリブデン(MoSi2)、ケイ化タングステン(WSi2)、ポリシリコン等で形成される。温度検出体202は、たとえば酸化バナジウムで形成されている。発熱抵抗体201と各温度検出体202は、それぞれ対応する一対の電極パッド204に電気的に接続されており、全体が保護膜213で覆われている。
【0069】
電極パッド204は、ダイアフラム211の外側のチップ基板210に形成されて、保護膜213から露出している。チップ基板210の上には、外部のブリッジ回路に接続される温度センサ206が設けられている。
【0070】
発熱抵抗体201に電流を印加して発熱させると、ダイアフラム211の温度が上昇する。気流センサ20と接する空間に流体が流れていない場合は、ダイアフラム211の温度分布は均一であり、発熱抵抗体201を挟んで対向する一対の温度検出体202の出力が均衡している。
【0071】
気流センサ20に接して流体が流れると、下流側が上流側よりも高温になり、ダイアフラム211に温度分布が生じる。このため、温度検出体202に接続された電極パッドから取り出される電圧値が変化する。電圧変化の方向と変化率から、気流の向きと流速を算出することができる。
【0072】
気流センサ20は、接着剤等を用いて基板21にダイボンディングされる。チップ基板210と基板21は、ワイヤボンディング、貫通ビアを用いて基板21と電気的に接続されている。基板21は、気流センサ20の素子面が傾斜流路15よりも高い位置で流路(たとえば分流路25の水平流路252)に面するように、気流測定装置1の中心部に配置される。
【0073】
従来の流路構成では、気流センサ20への流入方向に支柱が存在するか否かによって、乱流の影響で温度分布に誤差が生じ、気流センサ20の出力値に誤差が生じていた。実施形態の気流測定装置1では、傾斜流路15の斜面14と、分流路25に設けられたフランジ131によって、2段階で気流を均す。したがって、流入方向の違いによる流速のばらつきを抑え、全方向にわたって測定誤差を低減することができる。
【0074】
図16は、気流測定ブロックを拡大した部分断面図である。気流測定ブロック60は、第2の流路板12に設置され、気流センサ20が実装される第1の基板21と、第1の流路板11に設置され、支柱17の中を通る導体23を介して第1の基板21に接続される第2の基板122とを有する。このような第2の基板122を有することで、所望の機能(例えば、後述の第3の基板73と接続するためのインターフェイス機能)を第2の基板122に容易に追加できるので、汎用性や拡張性が向上する。また、導体23は少なくとも一つの支柱17の中を通るので、導体23が支柱17の外に延在する構成に比べて、気流の乱れを防止することができる。
【0075】
図17は、センシングブロックを拡大した部分断面図である。センシングブロック74は、第2の基板122に導電的に接続される第3の基板73を有してもよい。少なくとも一つのセンサ22は、第3の基板73に実装されてもよい。第3の基板73には、制御部の一例であるマイクロコンピュータが実装されてもよい。このマイクロコンピュータは、気流センサ20からのセンサ信号を導体23及び第2の基板122を介して取得し、センサ22からのセンサ信号を取得する。マイクロコンピュータは、気流センサ20からのセンサ信号に基づいて、風向又は風速を測定でき、センサ22からのセンサ信号に基づいて、センサ22の検出対象である環境情報を測定できる。
【0076】
図18は、第3の基板を取り外した状態でのセンシングブロックの斜視図である。少なくとも一つのセンサ22(例えば、温度センサ、湿度センサ又は圧力センサなど)で筐体外をセンシングするために、PTFEシートなどの多孔質シート177が、筐体内外の境界面178に貼られている。これにより、防水をしながら、温度、湿度、圧力をセンシングすることができる。
【0077】
図19は、取り付けブロックの底面側からの斜視図である。取り付けブロック90は、例えば、センシングブロック74と少なくとも一つのスクリュで締結される。取り付けブロック90の第3の端部91には、筐体内の内部ケーブルを筐体外に引き出すための引き出し穴98と、引き出し穴98から引き出されたケーブル94(図4参照)をガイドするケーブルガイド95とが設けられている。引き出し穴98は、筐体内の内部ケーブルを介して、センシングブロック74の第3の基板73に接続されている。引き出し穴98からケーブル94を引き出した後、引き出し穴98周辺とケーブル94とを樹脂で埋めることで、防水性が向上する。ケーブル94の内部には、例えば、外部電源に接続される電源ラインや、外部機器に接続される通信ラインなどが含まれる。
【0078】
このように、本実施の形態では、各ブロックの接続部を同じ接続形状としているので、防水性を保ったままブロックの追加や変更が可能になる。そのため、二酸化炭素センサや雷センサなどの他のセンサ22の追加、無線通信への変更、電源供給方式の変更など、使用する環境に応じて、各ブロックの組合せを変更することが可能となる。
【0079】
次に、本実施の形態に係るセンサユニットの他の具体的な例を示す。
【0080】
図20は、センサユニットの第2の具体例を示す図である。センサユニット51は、図4の取り付けブロック90に代えて、取り付けブロック190が接続されている。取り付けブロック190の端部には、電源ソケット191が設けられている。電源ソケット191を天井などの上側固定部に取り付けることで、センサユニット51を上側固定部に固定できるとともに、上側固定部から電源供給を受けることが可能となる。
【0081】
図21は、センサユニットの第3の具体例を示す図である。センサユニット52は、下ブロック70が3つのブロックに更に分離可能な構成を有する。下ブロック70は、センシングブロック74と、電源ブロック192と、取り付けブロック90とを有する。電源ブロック192は、USBコネクタ194を介して外部からの充電が可能なバッテリを内蔵する。USBコネクタ194の不使用時、防水キャップ195を電源ブロック192の側面に嵌めることによって、防水性が確保される。また、センサユニット52の電源をオン又はオフにするタッチセンサ193を電源ブロック192の側面に備えることで、防水性が確保された状態でセンサユニット52の電源のオンオフが可能となる。センサユニット52は、外部と有線又は無線で接続される。
【0082】
図22は、センサユニットの第4の具体例の上方斜視図である。図23は、センサユニットの第4の具体例の下方斜視図である。図24は、固定部に取り付けられたセンサユニットの斜視図である。センサユニット53は、固定部102との境界面に防水可能な構成を備える取り付けブロック196を有する。取り付けブロック196は、固定部102との境界面である端部に設けられたOリング197によって、センサユニット53及びケーブル94の防水性を確保する。図19に示されるような固定用ネジ穴96,97を使用して、センサユニット53を固定部102に取り付けできる。

【0083】
以上、センサユニット及び気流測定装置を実施形態により説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本発明の範囲内で可能である。
【0084】
例えば、分流路25内で水平方向に突出するフランジ131に替えて、垂直方向に突出して水平流路252の幅を絞る突起を設けてもよい。第1の流路板11と第2の流路板12の平面形状は円形に限定されず、八角形、十角形等の多角形であってもよい。支柱17は円柱に限定されず、多角柱であってもよい。この場合、角柱の頂点を気体の流入方向に向けて配置することで流体の剥離を軽減することができる。ステージ13は円筒形のステージが望ましいが、多角形のステージを用いた場合も突起またはフランジによる流体の均一化と測定誤差の低減効果を奏することができる。
【0085】
気流測定装置は、風向と風速の少なくとも一方を測定するが、風速に流路断面を乗算することで流量を測定することもできる。実施形態の気流測定装置は、安定したコンパクトな形状で、全方向での流速ばらつきによる測定誤差を低減することができる。
【0086】
気流センサの数は、一つのみに限られず、複数としてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 気流測定装置、11 第1の流路板、12 第2の流路板、13 ステージ、14 斜面、15 傾斜流路、16 流路口、17 支柱、19 連通部、20 気流センサ、21 基板、22 センサ、23 導体、25 分流路、50,50A,50B,50C,51,52,53 センサユニット、60 気流測定ブロック、61 下端部、62 上端部、63,64 Oリング、65 周縁部、66 周縁部、67 ナット、70 下ブロック、71 端部、72 第1の端部、73 第3の基板、74 センシングブロック、75 Oリング、77 周縁部、78 開口部、79 第1の周縁部、80 上ブロック、81 第2の端部、82 第4の端部、83 第2の周縁部、84 スクリュ、90 取り付けブロック、91 第3の端部、92 端部、93 周縁部、94 ケーブル、98 引き出し穴、100~104 固定部、121 対向面、122 第2の基板、123 凹部、131 フランジ、160 第1の部品、170 第2の部品、177 多孔質シート、180 第3の部品、190 取り付けブロック、191 電源ソケット、192 電源ブロック、193 タッチセンサ、194 USBコネクタ、195 防水キャップ、196 取り付けブロック、197 Oリング、251 垂直流路、252 水平流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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