(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】皮膚血液循環活性器用マッサージピン及びその結合方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/04 20060101AFI20220913BHJP
A61N 1/32 20060101ALI20220913BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A61N1/04
A61N1/32
A61N1/36
(21)【出願番号】P 2021070802
(22)【出願日】2021-04-20
【審査請求日】2021-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0047693
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514204196
【氏名又は名称】有限会社G.Mコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】金 美子
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-038253(JP,A)
【文献】特開2012-075543(JP,A)
【文献】特開2013-198552(JP,A)
【文献】登録実用新案第3085167(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0311031(US,A1)
【文献】国際公開第2013/080992(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0005256(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0022151(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0889464(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第1887378(CN,A)
【文献】中国実用新案第208274830(CN,U)
【文献】中国実用新案第210094946(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04
A61N 1/32
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚血液循環活性器100の本体110とカバー120との間に設置される回路基板130に固定されるように挿設される導電性ゴムの結合部171が上部に形成され、
前記結合部171の下部に、カバー120に形成されたマッサージピン挿通孔122を挿通させて外部に露出されるように設置される導電性ゴムの露出部172が連設される皮膚血液循環活性器用マッサージピンにおいて、
上記露出部172の下端に、上広下狭状の連結部173が連設され、
上記連結部173には、銀からなる導電体174が分離可能に篏合され、
上記導電体174は、上部が開口された収納部174aが形成され、
上記収納部174aの内径は、上記連結部173の中間部位の外径より小さい内径を有するように形成され、
上記連結部173の外径は、上記露出部172の外径より小さく形成され、
上記連結部173は、弾性変形可能な導電性ゴムで形成され、
上記収納部174aの深さは、上記連結部173の長さより長く形成され、
上記導電体174の収納部174aの底部と上記連結部173の下端との間に空間180が形成されたことを特徴とする皮膚血液循環活性器用マッサージピン。
【請求項2】
連結部173の下方に収納部174aの中心が一致するように導電体174を位置させた状態で、連結部173を導電体174の収納部174aに嵌め込む段階、
連結部173の外側面が収納部174aの内側面に当接することによって、連結部173の中間部位が収納部174aの開口に半篏合される段階、
半篏合された状態で、連結部173をその先端方向に押入する段階、
連結部173の外径より小さい内径に形成された収納部174aの内側面に接触する連結部173の外側面が自分の弾性力によって弾性変形されることによって、連結部173が収納部174aに更に嵌め込まれる段階、
連結部173が自分の弾性力によって収納部174aに嵌め込まれた篏合状態を保持する段階、
連結部173が収納部174aに嵌め込まれた篏合状態で、導電体174の収納部174aの底部と連結部173の下端との間に空間180が形成される段階、
マッサージピン170の連結部173に導電体174を結合し
て、連結部173が収納部174aに嵌め込まれた篏合状態で、導電体174の収納部174aの底部と連結部173の下端との間に空間180が形成された後に、当該マッサージピン170が本体110とカバー120との間に設置される回路基板130に固定されるように導電性ゴムの結合部171を挿設する段階、
露出部172をカバー120に形成されたマッサージピン挿通孔122に挿通させて外部に露出されるように設置する段階、
皮膚と接触するマッサージピン170の導電体174が変形及び汚染された場合に、導電体174を握った状態で連結部173の先端方向に引っ張ることによって、導電体174を連結部173から分離させる段階、
導電体174が分離された連結部173に、新しい導電体174を篏合させる段階、が順次に進行されることを特徴とする皮膚血液循環活性器用マッサージピンの結合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚血液循環活性器用マッサージピンに関するものであって、より詳細には、マッサージピンの下端部に、銀成分の導電体を、皮膚血液循環活性器の使用者が必要に応じて分離・組立てして使用することができるようにする皮膚血液循環活性器用マッサージピンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人の毛髪は、ケラチンというタンパク質で構成され、皮膚の約4mmの下に袋状の毛嚢で形成される組職として3層で構成される。
最表層は、薄く硬い鱗状の保護層として色彩を帯びず、中間層は、最も厚く毛髪を支える構造として直毛や癖毛の可否及び毛髪の色を決定する層であり、内層は、生きている細胞が構成する層として毛髪成長に栄養を供給する層である。
【0003】
このような毛嚢の成長は、男性ホルモンの影響を受けることになるが、脇と陰部の毛髪は、思春期の時期に男性ホルモンに敏感に反応して他の身体部位よりも一番先に現れて伸びる反面に、頭の毛髪は、男性ホルモンの誘導体であるDHT(dihydrotestosterone)に影響を受けることと知られている。
【0004】
このような毛髪は、周辺環境、季節、人種、生理現象、ストレス、疾患などの多くの要因の影響によって一日に普通50~100個程度の正常な退行期脱毛が起きる。
【0005】
一方、このように退行期脱毛が激しくなると、ハゲとなり、このようなハゲは、人の人相や観相などに影響を及ぼすので、多くの人がかつらを用いることになり、より積極的には、脱毛を抑制すると共に毛髪の成長を促進させてハゲを克服しようと努力している。
【0006】
このような毛髪の退行性脱毛を防止するための一例として、従来から、各種の外用薬品および服用薬品が発売されているが、これは、薬品に対する人体のアレルギー性反応や薬品の不正利用に伴う副作用の憂慮を排除することができない。また、手術による毛髪移植術が盛んに行われているが、これは、手術に伴う心的負担と費用の負担が大きく、かつ手術後の一定期間の間に活動が不自然になる問題点がある。
【0007】
従って、多く人々は、低廉な費用で簡便に施行することができる頭皮マッサージ法、即ち、頭皮に外部から叩く物理的な刺激を与えて毛嚢の乳頭部分に刺激を与えることによって、毛髪成長を促進させる方法をたくさん採択して施行しており、これと関連した製品である頭皮マッサージ用按摩器もたくさん提供されている実情である。
【0008】
このように、従来に提供されている頭皮マッサージ用按摩器は、底面に多数のブラシが備えられた頭部と手で掴む取っ手とが弾性的に撓う連結部によって一体に結合されて構成されたものであって、使用者が上記取っ手を手で掴んで頭部を揺さぶって当該頭部に備えられたブラシが使用者の頭皮を叩いて刺激することによって、頭皮をマッサージすることになる。
【0009】
しかし、このような従来の頭皮マッサージ用按摩器は、多数のブラシが全て頭皮に接触せずに一部が頭皮に接触することになることによって、頭皮にブラシの強度が集中して頭皮に激しい痛みを与えることはもちろん、激しい場合には頭皮を損傷させることになる問題点があった。
【0010】
また、上記のような問題点を解決するために、レーザー装置を利用してレーザービームを頭皮に照射しているが、髪の毛によるレーザービームの伝達障害により効果を見るのに時間がたくさんかかるし、髪の毛は多いが栄養伝達不足により細くなった場合は、レーザービームの伝達が難しいという問題点があった。
【0011】
従って、従来にも上記のような問題点を解決するために、
図1及び
図2に示したように、下部が開口された収納部111'が窪んで形成された本体110'と、上記収納部111'の開口が閉塞されるように本体110'の下部に結合されるカバー120'と、上記本体110'の収納部111'に固設される回路基板130'と、上記回路基板130'に各々作動可能に設置されるメインスイッチ140'及び作動スイッチ150'と、上記メインスイッチ140'及び作動スイッチ150'の作動状態に応じてバッテリーB'から電源の供給を受けて655nm~780nm波長で発光しながらレーザーを発散させる発光ダイオード160'と、バッテリーB'の電流が伝達される導電性ゴムのマッサージピン170'とで構成された皮膚血液循環活性器100'を開発し、上記メインスイッチ140'をオンにした状態で作動スイッチ150'を作動させると、バッテリーB'の電流がマッサージピン170'を通じて皮膚に伝達され、上記皮膚は、マッサージピン170'を通じて伝達される電流によって自然的な震動が発生され、発光ダイオード160'がバッテリーB'から電源の供給を受けて655nm~780nm波長で発光しながらレーザーを発散させることによって、頭皮のような皮膚の血流を増加させながら細胞大使を活性化させることになって、微細毛細血管が活性化され、メラニン細胞が活性化されて、白髪が出ないようにすると同時に毛髪が脱毛されないようにしている。
【0012】
しかし、これもやはり頭皮に直接接触するマッサージピン170'の下端部が摩耗された場合には、バッテリーの電流が十分に頭皮に伝達されないことになるため、皮膚血液循環活性器100'自体を新しい製品で交換して使用しなければならない問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上記のような従来の問題点を解消するために案出されたものであって、頭皮のような皮膚に電気刺激を与えて振動が生じるようにするマッサージの下端部に、頭皮のような皮膚に直接接触する導電体を、皮膚血液循環活性器の使用者が必要に応じて分離・組立てして使用することができるようにすることによって、上記皮膚血液循環活性器の使用時に、皮膚に接触する導電体が摩耗または汚染されて本来の機能が失われた場合に、上記導電体をマッサージピンから分離した後、新しい導電体をマッサージピンの下端部に結合させて皮膚血液循環活性器を再使用することができるようにする皮膚血液循環活性器用マッサージピンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の目的を達成するための皮膚血液循環活性器用マッサージピンにおいて、皮膚血液循環活性器の本体とカバーとの間に設置される回路基板に固定されるように挿設される導電性ゴムの結合部が上部に形成され、上記結合部の下部に、カバーに形成されたマッサージピン挿通孔を挿通させて外部に露出されるように設置される導電性ゴムの露出部が連設されることは従来と同じである。
【0016】
本発明は、上記露出部の下端に、上広下狭状の連結部が連設され、上記連結部には、電気抵抗の安全性に優れた銀からなる導電体が分離可能に篏合され、上記導電体は、上部が開口された収納部が形成され、上記収納部の内径は、上記連結部の中間部位の外径より小さい内径を有するように形成され、上記連結部の外径は、上記露出部の外径より小さく形成されることによって達成される。
【0017】
更に、上記連結部は、弾性変形可能な導電性ゴムで形成され、上記収納部の深みは、上記連結部の長さより長く形成されているので、上記連結部を収納部に半篏合した状態で、連結部をその先端方向に押し入れると、上記収納部の内側面に上記連結部の外側面が接触すると同時に当該連結部が中心方向に弾性変形されることによって、連結部が収納部に嵌め込まれた篏合状態となり、この篏合状態では、上記導電体の収納部の底部と連結部の下端部との間に空間が形成されることによって、上記導電体が皮膚に接触しながら衝撃が発生する場合にも、上記導電体に加わる衝撃エネルギーが上記空間によって效果的に吸収されると共に、露出部を通じて広く分散されることによって、導電体が変形又は破損されることを未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、マッサージピンの露出部の下端に連設した連結部に、導電体を分離可能に結合することができるようにして、皮膚血液循環活性器の使用者が必要に応じて導電体を連結部に分離・組立てして使用することができるようにしたので、皮膚血液循環活性器の使用時に、皮膚に接触する導電体が摩耗または汚染されて本来の機能を失われた場合に、上記導電体をマッサージピンの連結部から分離した後、新しい導電体をマッサージピンの連結部に結合させることによって、皮膚血液循環活性器を再使用することができるようになる效果がある、非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図4】本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンを示す斜視図
【
図5】本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンを示す断面図
【
図6a】本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンの連結部から導電体が分離されている状態を示す拡大断面図
【
図6b】本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンの連結部に導電体を半嵌合した半篏合状態を示す拡大断面図
【
図6c】本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンの連結部に導電体を篏合した篏合状態を示す拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面によって本発明の構成を詳説する。
図3は、本発明の皮膚血液循環活性器を示す断面図であり、
図4は、本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンを示す斜視図であり、
図5は、本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンを示す断面図であり、
図6aは、本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンの連結部から導電体が分離されている状態を示す拡大断面図であり、
図6bは、本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンの連結部に導電体を半嵌合した半篏合状態を示す拡大断面図であり、
図6cは、本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピンの連結部に導電体を篏合した篏合状態を示す拡大断面図である。
【0021】
本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピン170は、
図3に示すように、皮膚血液循環活性器100の本体110とカバー120との間に設置された回路基板130に固定されるように挿設される導電性ゴムの結合部171が上部に形成され、上記結合部171の下部に、カバー120に形成されたマッサージピン挿通孔122を挿通させて外部に露出されるように設置される導電性ゴムの露出部172が連設される。
【0022】
一方、上記露出部172の下端には、上広下狭状の連結部173が連設され、この連結部173には、電気抵抗の安全性に優れた銀で製作された導電体174が分離可能に篏合される。
【0023】
また、上記導電体174は、上部が開口された収納部174aが形成され、この収納部174aの内径は、上記連結部173の中間部位の外径より小さい内径を有するように形成され、上記連結部173の外径は、露出部172の外径より小さく形成される。
【0024】
一方、上記連結部173は、弾性変形可能な導電性ゴムで形成され、上記収納部174aの深さは、上記連結部173の長さより長く形成される。
【0025】
このように構成される本発明の皮膚血液循環活性器用マッサージピン170は、
図6a及び
図6bに示すように、連結部173の下方に収納部174aの中心が一致するように導電体174を位置させた状態で、上記連結部173を導電体174の収納部174aに嵌め込める。
【0026】
この時、連結部173の外側面が収納部174aの内側面に当接することによって、連結部173の中間部位が収納部174aの開口に半篏合される半篏合状態になる。
【0027】
このような半篏合状態で、連結部173をその先端方向に押入すると、連結部173の外径より小さい内径に形成された上記収納部174aの内側面に接触する上記連結部173の外側面が自分の弾性力によって弾性変形されることによって、上記連結部173が上記収納部174aに更に嵌め込まれ、その後、上記連結部173が自分の弾性力によって上記収納部174aに嵌め込まれた篏合状態を保持することになる。
【0028】
ここで、上記収納部174aの深さは、上記連結部173の長さより長く形成されているので、上記連結部173が収納部174aに嵌め込まれた篏合状態では、上記導電体174の収納部174aの底部と連結部173の下端との間に空間180が形成され、上記導電体174が皮膚に接触して衝撃が発生する場合にも、上記導電体174に加わる衝撃エネルギーが上記空間180によって效果的に吸収されると共に、露出部172を通じて広く分散されることになる。
【0029】
このように、マッサージピン170の連結部173に導電体174を結合した後には、このマッサージピン170が本体110とカバー120との間に設置される回路基板130に固定されるように導電性ゴムの結合部171を挿設し、露出部172はカバー120に形成されたマッサージピン挿通孔122を挿通させて外部に露出されるように設置する。
【0030】
上記のように、本発明のマッサージピン170が設置された皮膚血液循環活性器100は、メインスイッチ(未図示)をオンにした状態で作動スイッチ150を作動させると、バッテリーBの電流がマッサージピン170の連結部173に伝達された後、導電体174を通じて皮膚に伝達され、上記皮膚は、導電体174を通じて伝達される電流によって自然的な震動が発生して、頭皮のような皮膚の血流を増加させると共に、細胞代謝を活性化させながら微細毛細血管を活性化させて白髪が出ないように、かつ毛髪が脱毛されないようになる。
【0031】
一方、皮膚血液循環活性器100の使用中に、皮膚と接触するマッサージピン170の導電体174が変形及び汚染された場合には、導電体174を握った状態で連結部173の先端方向に引っ張ることによって、上記導電体174を連結部173から分離させることができるし、上記導電体174が分離された連結部173には、新しい導電体174を篏合することによって、皮膚血液循環活性器100を再使用することができる。
【符号の説明】
【0032】
170…マッサージピン、171…結合部、172…露出部、170…連結部、174…導電体、174a…収納部、180…空間