(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】アルミニウム化合物を利用した薄膜形成方法、並びに集積回路素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07F 5/06 20060101AFI20220913BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220913BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220913BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/8239 20060101ALI20220913BHJP
H01L 27/105 20060101ALI20220913BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20220913BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20220913BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20220913BHJP
H01L 45/00 20060101ALI20220913BHJP
H01L 49/00 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20220913BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20220913BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20220913BHJP
C01F 7/36 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
C07F5/06 A
H01L21/316 X
H01L21/318 B
H01L29/78 301F
H01L27/04 C
H01L27/105 449
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L45/00 A
H01L27/105 448
H01L45/00 Z
H01L49/00 Z
H01L21/285 C
H01L21/28 301R
H01L21/88 R
C01F7/36
(21)【出願番号】P 2017159059
(22)【出願日】2017-08-22
【審査請求日】2020-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2016-0118210
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】514145604
【氏名又は名称】ディーエヌエフ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DNF Co. Ltd.
【住所又は居所原語表記】142 Daehwa-ro 132beon-gil, Daedeok-gu, Daejeon 306-802 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 圭 熙
(72)【発明者】
【氏名】林 載 順
(72)【発明者】
【氏名】チョ 侖 廷
(72)【発明者】
【氏名】金 銘 雲
(72)【発明者】
【氏名】李 相 益
(72)【発明者】
【氏名】李 聖 徳
(72)【発明者】
【氏名】趙 晟 佑
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-141631(JP,A)
【文献】特表平02-500520(JP,A)
【文献】特表平07-503660(JP,A)
【文献】特開2014-165496(JP,A)
【文献】特開2012-049539(JP,A)
【文献】Journal of Crystal Growth,1991年,107(1-4),P.309-313
【文献】Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie,2001年,627(8),P.1915-1920
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 5/00
H01L 21/00
H01L 27/00
H01L 45/00
H01L 49/00
C01F 7/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の化学式IIで表示されるアルミニウム化合物を使用して、基板上にアルミニウム酸化膜を形成する段階を含む薄膜形成方法であって、
【化2】
化学式IIにおいて、R
1及びR
5は、各々独立して、C1-C7のアルキル基であり、
前記アルミニウム酸化膜を形成する段階は、
前記基板を350乃至550℃の温度に維持して遂行され、
前記基板上に、前記アルミニウム化合物及び反応性ガスを順次に供給する段階を含み、
前記アルミニウム化合物は、熱分解温度が350乃至550℃であり、
前記反応性ガスは、酸化性ガスであることを特徴とする薄膜形成方法。
【請求項2】
前記反応性ガスは、O
2、O
3、プラズマO
2、H
2O、NO
2、NO、N
2O(nitrous oxide)、CO
2、H
2O
2、HCOOH、CH
3COOH、(CH
3CO)
2O、及びそれらの組み合わせのうちから選択されることを特徴とする請求項
1に記載の薄膜形成方法。
【請求項3】
前記アルミニウム酸化膜を形成する段階は、
前記アルミニウム化合物を含むソースガスを気化させる段階と、
前記気化されたソースガスを、前記基板上に供給し、前記基板上にAlソース吸着層を形成する段階と、
前記Alソース吸着層上に前記反応性ガスを供給する段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項4】
基板上に下部構造物を形成する段階と、
次の化学式IIで表されるアルミニウム化合物を使用して、
前記基板を350乃至550℃の温度
に維持して、前記下部構造物上に、アルミニウム酸化膜を形成する段階と、を含む集積回路素子の製造方法であって、
【化2】
化学式IIにおいて、R
1及びR
5は、各々独立して、C1-C7のアルキル基であり、
前記アルミニウム酸化膜を形成する段階は、
前記基板上に、前記アルミニウム化合物及び反応性ガスを順次に供給する段階を含み、
前記アルミニウム化合物は、熱分解温度が350乃至550℃であり、
前記反応性ガスは、酸化性ガスであることを特徴とする集積回路素子の製造方法。
【請求項5】
前記下部構造物を形成する段階は、
前記基板上に、前記基板と平行に延長された複数の絶縁層と複数の犠牲層とを交互に積層する段階と、
前記複数の犠牲層及び前記複数の絶縁層を貫通する開口を形成する段階と、
前記開口を介して前記複数の犠牲層を除去し、前記複数の絶縁層の各々の間に一つずつ配置される複数のゲート空間を設ける段階と、を含み、
前記アルミニウム酸化膜を形成する段階は、
350乃至550℃の範囲内で選択される第1温度下で、前記開口を介して、前記複数のゲート空間に、前記アルミニウム化合物を供給して、前記複数のゲート空間内に、アルミニウム酸化膜を形成する段階を含むことを特徴とする請求項
4に記載の集積回路素子の製造方法。
【請求項6】
前記アルミニウム酸化膜を形成した後、前記第1温度よりも高い第2温度下で、前記アルミニウム酸化膜をアニーリングし、前記アルミニウム酸化膜を稠密化する段階を更に含むことを特徴とする請求項
5に記載の集積回路素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム化合物、及びそれを利用した薄膜形成方法、並びに集積回路素子の製造方法に係り、特に、常温で液体であるアルミニウム化合物、及びそれを利用した薄膜形成方法、並びに集積回路素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発達によって、最近、半導体素子のダウンスケーリング(down-scaling)が急速に進められており、それにより、電子素子を構成するパターンの構造がより複雑化、且つ微細化している。それに伴い、アルミニウムを含む薄膜の形成時、熱安定性を確保することにより、複雑、且つ微細な三次元構造の表面上に均一厚の薄膜を形成できる原料化合物の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の技術的思想が解決しようとする技術的課題は、アルミニウムを含む薄膜を形成するための原料化合物として、アルミニウムを含む薄膜の形成時、優秀な段差被覆性(step coverage)、及び熱安定性を有しながら、揮発性が高く、優秀な工程安定性及び量産性を提供できるアルミニウム化合物を提供することである。
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、優秀な段差被覆性、工程安定性、及び量産性を提供できるアルミニウム含有薄膜形成方法と、優秀な電気的特性を提供できる集積回路素子の製造方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の技術的思想による一様態によるアルミニウム化合物は、次の化学式Iで表示される。
【化1】
化学式Iで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-C7(炭素原子数1乃至7の)置換又は非置換のアルキル(alkyl)基、C2-C7置換又は非置換のアルケニル(alkenyl)基、C2-C7置換又は非置換のアルキニル(alkynyl)基、若しくは、C4-C20置換又は非置換の、芳香族(aromatic)又は脂環式(alicyclic)の炭化水素基である。
【0005】
本発明の技術的思想による一様態による薄膜形成方法においては、前記化学式Iのアルミニウム化合物を使用して、基板上にアルミニウム含有膜を形成する。
本発明の技術的思想による一様態による集積回路素子の製造方法においては、基板上に下部構造物を形成し、前記化学式Iのアルミニウム化合物を使用して、300乃至600℃の温度下で、前記下部構造物上にアルミニウム含有膜を形成する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物は、常温で液体状態でありながら、熱的安定性に非常にすぐれ、揮発性が高く、取り扱い及び輸送が容易である。従って、高集積化された集積回路素子製造のための薄膜形成材料としての使用に適する。また、薄膜内に炭素残渣のような所望しない異物が残留する現象が抑制され、高品質のアルミニウム含有膜を形成できる。本発明の技術的思想によれば、工程安定性及び量産性の側面において、有利な工程条件を利用し、高品質のアルミニウム含有膜を形成でき、それを利用して、優秀な電気的特性を提供する集積回路素子を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の技術的思想による実施例による薄膜形成方法について説明するためのフローチャートである。
【
図2】本発明の技術的思想による実施例によって、アルミニウム含有膜を形成するための例示的な方法について具体的に説明するためのフローチャートである。
【0008】
【
図3】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図4】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図5】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図6】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図7】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図8】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図9】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図10】本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子の製造方法を実行するために、工程順序によって図示した断面図である。
【0009】
【
図11】
図3G及び
図3Hに例示したゲート誘電膜の代わりに採用可能な他のゲート誘電膜の例示的な構造を示す断面図である。
【
図12】
図3G及び
図3Hに例示したゲート誘電膜の代わりに採用可能な他のゲート誘電膜の例示的な構造を示す断面図である。
【
図13】
図3G及び
図3Hに例示したゲート誘電膜の代わりに採用可能な他のゲート誘電膜の例示的な構造を示す断面図である。
【0010】
【
図14】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図15】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図16】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図17】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図18】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図19】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図20】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図21】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図22】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図23】本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【0011】
【
図24】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図25】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図26】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図27】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【
図28】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するための図面であり、集積回路素子の平面図である。
【
図29】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するための図面であり、
図28の集積回路素子の斜視図である。
【
図30】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するための図面であり、
図28のX-X’線断面及びY-Y’線断面構成を示す断面図である。
【0012】
【
図31】本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するための斜視図である。
【
図32】本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物のDSC(differential scanning calorimetry)分析結果を示したグラフである。
【
図33】本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物の熱重量分析(TGA:thermogravimetric analysis)した結果を示したグラフである。
【
図34】本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物の温度変化による蒸気圧を測定した結果を示したグラフである。
【
図35】本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって得られたアルミニウム酸化膜の蒸着率を評価した結果を示したグラフである。
【
図36】本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって得られたアルミニウム酸化膜の濃度組成分析のためのXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)深さ方向元素分析(depth profile)結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施例について詳細に説明する。図面上の同一構成要素については、同一参照符号を使用し、それらに係わる重複説明は省略する。本明細書で使用される用語「常温」は、約20乃至28℃であり、季節によっても異なる。
【0014】
本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物は、次の一般的な化学式Iで表示される。
【化1】
化学式Iで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、及びR
8は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1-C7(炭素原子数1乃至7の)置換又は非置換のアルキル(alkyl)基、C2-C7置換又は非置換のアルケニル(alkenyl)基、C2-C7置換又は非置換のアルキニル(alkynyl)基、若しくは、C4-C20置換又は非置換の、芳香族(aromatic)又は脂環式(alicyclic)の炭化水素基である。
【0015】
一実施例において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8のうち少なくとも一部は、ハロゲン原子、例えば、フッ素原子で置換された炭化水素基である。他の一実施例において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8は、各々炭素原子及び水素原子のみを含む官能基である。前記アルキル基は、直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基である。直鎖状アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを含むが、それらに限定されない。分枝状アルキル基の例としては、t-ブチル基を含むが、それに限定されない。環状アルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを含むが、それらに限定されない。
【0016】
化学式Iのアルミニウム化合物は、熱分解温度が約350乃至550℃である。
【0017】
半導体素子においてアルミニウム含有膜が多様な用途に利用されており、アルミニウム含有膜の膜特性により、半導体素子の製品信頼性が左右され得る。例えば、ALD(atomic layer deposition)工程を利用してアルミニウム酸化膜を形成する場合、アルミニウム前駆体として使用されるアルミニウム化合物を気化させる必要がある。また、優秀な薄膜特性を有するアルミニウム酸化膜を形成するためには、ALD工程温度を比較的高く設定する必要がある。
このとき、アルミニウム前駆体として使用されるアルミニウム化合物の熱安定性が低い場合、比較的高温、例えば、約400℃以上の温度でALD工程を遂行する間、アルミニウム化合物が熱分解される場合がある。その結果、ALDに必要な自己制限的反応(self-limiting reaction)の代わりに、CVD(chemical vapor deposition)反応が主に起きる。それにより、所望の膜特性を有するアルミニウム酸化物が得られなくなる。かような問題を防止するために、ALD工程時の温度を低く設定する場合、不純物の無い良質薄膜特性、及び高い縦横比(aspect ratio)で要求される段差被覆(step coverage)特性を満足させることができない。
【0018】
本願発明の技術的思想によるアルミニウム化合物の熱分解温度は、約350乃至550℃と比較的高い。従って、本願発明の技術的思想によるアルミニウム化合物を利用して、約400℃以上の温度でALD工程を遂行しても、ALD蒸着特性を満足させられる。また、比較的高温工程でアルミニウム含有膜を形成することが可能であり、その結果として得られたアルミニウム含有膜内において、望まざる不純物残留を防止できる。従って、アルミニウム含有膜の膜特性を改善でき、高い縦横比においても、段差被覆特性を向上できる。
【0019】
また、本願発明の技術的思想によるアルミニウム化合物は、ALD工程遂行に十分な揮発性を示し、融点が比較的低く、常温で液状である。従って、集積回路素子の製造工程に使用されるとき、取り扱いが容易であり、ALD蒸着法による薄膜形成用原料として適する。
【0020】
一実施例において、化学式Iにおいて、R1及びR5は、各々独立して、C1-C7アルキル基であり、R2、R3、R4、R6、R7、及びR8は、各々独立して、水素原子又はC1-C7アルキル基である。
【0021】
一例において、本発明の技術的思想による実施例によるアルミニウム化合物は、化学式IIで表示される。
【化2】
化学式IIで、R
1及びR
5は、各々独立して、C1-C7アルキル基である。
例えば、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物は、化学式IIIで表示される。
【化3】
【0022】
図1は、本発明の技術的思想による実施例による薄膜形成方法について説明するためのフローチャートである。
【0023】
【0024】
図1の工程P14において、化学式I(一般式I)のアルミニウム化合物を含む薄膜形成用原料を使用して、前記基板上にアルミニウム含有膜を形成する。一実施例において、工程P14で使用される薄膜形成用原料に含まれるアルミニウム化合物は、常温で液体である。一実施例において、工程P14で使用されるアルミニウム化合物は、熱分解温度が約350乃至550℃である。一実施例において、前記アルミニウム化合物は、化学式Iの構造を有する。
【0025】
一例において、前記薄膜形成用原料は、本発明の技術的思想による実施例によるアルミニウム化合物のうち少なくとも1つのアルミニウム化合物を含み、他の金属化合物及び半金属化合物を含まない。他の例において、前記薄膜形成用原料は、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物に加え、所望金属を含む化合物、又は半金属を含む化合物(以下、「他の前駆体」とする)を含む。更に他の例において、前記薄膜形成用原料は、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物以外に、有機溶剤又は求核剤(親核性試薬)(nucleophilic_reagent)を含む。
【0026】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法において、薄膜形成用原料として使用される他の前駆体の例を挙げれば、水素化物、水酸化物、ハロゲン化物、アジ化物(azide)、アルキル、アルケニル、シクルロアルキル、アリル、アルキニル、アミノ、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアミノ、ジ(シリル-アルキル)アミノ、ジ(アルキル-シリル)アミノ、ジシリルアミノ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドラジド、ホスフィド、ニトリル、ジアルキルアミノアルコキシ、アルコキシアルキルジアルキルアミノ、シロキシ、ジケトネート、シクルロペンタジエニル、シリル、ピラゾレート、グアニジネート、ホスホグアニジネート、アミジネート、ホスホアミジネート、ケトイミネート、ジケトイミネート、カルボニル及びホスホアミジネートをリガンド(ligand)として有する化合物から選択される1種又は2種以上のSi化合物又は金属化合物を挙げることができる。
【0027】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法において、薄膜形成用原料として使用される他の前駆体に含まれる金属として、Ti、Ta、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybなどがあるが、本発明の技術的思想は、前述の例示金属に限定されない。
【0028】
本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物を含む薄膜形成用原料は、ALD工程に適切に使用され、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物は、集積回路素子製造に必要な薄膜形成工程において、ALD工程に必要なAl前駆体として使用される。
【0029】
本発明の技術的思想による一部実施例による薄膜形成方法においては、化学式Iの構造を有するアルミニウム化合物を使用して、蒸着装置の反応チャンバ内で、アルミニウム含有膜を形成する。例えば、アルミニウム含有膜を形成するために、約300乃至600℃の温度で維持される反応チャンバ内に、前記アルミニウム化合物を供給する。前記反応チャンバの圧力は、約10Pa乃至大気圧に維持される。
一実施例において、前記アルミニウム含有膜を形成するために、前記アルミニウム化合物が単独で基板上に供給される。他の一実施例において、前記アルミニウム含有膜を形成するために、アルミニウムとは異なる金属を含む前駆体化合物、反応性ガス、及び有機溶剤のうち少なくとも一つと、前記アルミニウム化合物との混合物からなる多成分原料を基板上に供給する。前記供給ガスが反応チャンバ内部で1回供給される時間は、約0.1秒乃至約100秒間維持される。
【0030】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって、窒化アルミニウム膜を形成する場合、前記反応性ガスは、NH3、モノアルキルアミン(mono-alkyl amine)、ジアルキルアミン(di-alkyl amine)、トリアルキルアミン(tri-alkyl amine)、有機アミン化合物、ヒドラジン化合物(hydrazine compound)、及びそれらの組み合わせのうちから選択される。
【0031】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって酸化アルミニウム膜を形成する場合、前記反応性ガスは、O2、O3、プラズマO2、H2O、NO2、NO、N2O(nitrous oxide)、CO2、H2O2、HCOOH、CH3COOH、(CH3CO)2O、及びそれらの組み合わせのうちから選択される酸化性ガスである。
【0032】
他の一実施例において、前記反応性ガスは、還元性ガス、例えば、H2である。
【0033】
前記アルミニウム化合物及び前記反応性ガスは、前記基板上に、同時に又は順次に供給される。
【0034】
本発明の技術的思想による実施例による薄膜形成方法において、薄膜を形成するための基板は、(a)シリコン基板、(b)SiN、TiN、TaN、TiO、TiN、RuO、ZrO、HfO、LaOなどのセラミックス基板、(c)ガラス基板、(d)ルテニウムなどの金属基板、などからなる。
【0035】
図2は、本発明の技術的思想による実施例によって、アルミニウム含有膜を形成するための例示的な方法について具体的に説明するためのフローチャートである。
図2を参照し、
図1の工程P14によってアルミニウム含有膜をALD工程で形成する方法について更に詳細に説明する。
【0036】
図2を参照すれば、工程P14Aにおいて、アルミニウム化合物を含むソースガスを気化させる。前記アルミニウム化合物は、化学式Iの構造を有するアルミニウム化合物からなる。
【0037】
工程P14Bにおいて、反応チャンバ内部を約300乃至600℃の温度に維持しながら、工程P14Aによって気化されたソースガスを基板上に供給し、前記基板上にAlソース吸着層を形成する。即ち、前記気化されたソースガスを前記基板上に供給することにより、前記基板上に前記気化されたソースガスの化学吸着層(chemisorbed layer)及び物理吸着層(physisorbed layer)を含む吸着層が形成される。
【0038】
工程P14Cにおいて、反応チャンバ内部を約300乃至600℃の温度に維持しながら、前記基板上にパージ(purge)ガスを供給し、前記基板上の不要な副産物を除去する。前記パージガスとして、例えば、Ar、He、Neなどの不活性ガス、又はN2ガスなどを使用する。
【0039】
工程P14Dにおいて、チャンバ内部を約300乃至600℃の温度に維持しながら、基板上に形成された前記Alソース吸着層上に反応性ガスを供給する。
【0040】
アルミニウム含有膜として、窒化アルミニウム膜を形成する場合、前記反応性ガスは、NH3、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、有機アミン化合物、ヒドラジン化合物、及びそれらの組み合わせのうちから選択される。アルミニウム含有膜として、酸化アルミニウム膜を形成する場合、前記反応性ガスは、O2、O3、プラズマO2、H2O、NO2、NO、N2O、CO2、H2O2、HCOOH、CH3COOH、(CH3CO)2O、及びそれらの組み合わせのうちから選択される酸化性ガスでもる。他の一実施例において、前記反応性ガスは、還元性ガス、例えば、H2である。
【0041】
工程P14Eにおいて、前記基板上にパージガスを供給し、前記基板上の不要な副産物を除去する。
【0042】
工程P14Eを遂行した後、前記アルミニウム含有膜をアニーリングする工程を遂行する。前記アニーリングは、工程P14B乃至工程P14Eで適用した工程温度より更に高い温度下で行われる。例えば、前記アニーリングは、約500乃至1,150℃の範囲内で選択される温度下で行われる。一実施例において、前記アニーリングは、窒素雰囲気下で行われる。前述のように、アニーリング工程を遂行することにより、アルミニウム含有膜が稠密化(densification)され、膜内の不純物が除去されることにより、膜特性が向上する。例えば、
図2の工程によって、アルミニウム含有膜として、酸化アルミニウム膜を形成した場合、前記アニーリング工程によって酸化アルミニウム膜が稠密化され、酸化アルミニウム膜が収縮(shrink)され、それによって、前記酸化アルミニウム膜の密度が上昇する。
【0043】
図2を参照して説明したアルミニウム含有膜の形成方法は、ただ例示に過ぎず、本発明の技術的思想の範囲内で多様な変形及び変更が可能である。
【0044】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって、基板上にアルミニウム含有膜を形成するために、化学式Iの構造を有するアルミニウム化合物を、他の前駆体、反応性ガス、キャリアガス、及びパージガスのうち少なくとも一つと共に、又は順次に基板上に供給する。一実施例において、前記アルミニウム化合物は、前述の化学式IIで表示され、このとき、R1及びR5は、各々独立して、C1-C7アルキル基である。また、例えば、前記アルミニウム化合物は、前述の化学式IIIで表示される。
【0045】
本発明の技術的思想によって、ALD工程を利用してアルミニウム含有膜を形成する場合、所望厚のアルミニウム含有膜を制御するために、ALDサイクル回数を調節する。
【0046】
例えば、ALD工程を利用してアルミニウム含有膜を形成するとき、プラズマ、光、電圧などのエネルギーを印加する。かようにエネルギーを印加する時点は、多様に選択される。例えば、アルミニウム化合物を含むソースガスを反応チャンバ内部に導入するとき、前記ソースガスを基板上に吸着させるとき、パージガスによる排気工程時、反応性ガスを反応チャンバ内部に導入するとき、又はそれら各々の時点の間で、プラズマ、光、電圧などのエネルギーを印加できる。
【0047】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法において、化学式Iの構造を有するアルミニウム化合物を使用して、アルミニウム含有膜を形成した後、不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下、又は還元性雰囲気下でアニーリングする工程を更に含む。また、更に、前記アルミニウム含有膜の表面に形成された段差を埋め込むために、必要によっては、前記アルミニウム含有膜に対してリフロー(reflow)工程を遂行する。前記アニーリング工程及びリフロー工程は、各々約200乃至1,150℃の範囲内で選択される温度条件下で遂行されるが、前述の例示温度に限定されない。
【0048】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法によれば、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物、前記アルミニウム化合物と共に使用される他の前駆体、反応性ガス、及び薄膜形成工程条件を適切に選択することにより、多様なアルミニウム含有膜を形成できる。
【0049】
一実施例において、本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって形成されたアルミニウム含有膜は例えば、Al2O3に代表される酸化アルミニウム膜、AlNに代表される窒化アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、アルミニウム合金を含む複合酸化膜などからなる。一実施例において、前記複合酸化膜は、炭素原子を含む。前記複合酸化膜内に含まれる炭素原子は、化学式Iに例示したアルミニウム化合物内に含まれた炭素原子に由来する。前記複合酸化膜は、TiとAlとの複合酸化膜、TaとAlとの複合酸化膜などからなるが、本発明の技術的思想は、前述の例示に限定されない。
【0050】
本発明の技術的思想による薄膜形成方法によって製造されたアルミニウム含有膜は、多様な用途に使用される。一例において、前記アルミニウム含有膜は、三次元CTF(charge trap flash)セルに含まれたゲート誘電膜のトンネルバリア、トランジスタのゲート、銅配線のような金属配線に含まれる導電性バリア膜、キャパシタの誘電膜、可変抵抗メモリ素子の電極、液晶用バリア金属膜、薄膜太陽電池用部材、半導体設備用部材、ナノ構造体などに使用されるが、前記アルミニウム含有膜の用途は、前述の例示に限定されない。
【0051】
図3乃至
図10は、本発明の技術的思想による実施例による、集積回路素子の製造方法を工程順序に従って示した断面図である。以下に、
図3乃至
図10を参照し、垂直構造の不揮発性メモリ素子を構成する集積回路素子100(
図10)のメモリセルアレイの製造方法について説明する。
【0052】
図3を参照すれば、基板110上に、エッチング停止用絶縁膜122を形成し、エッチング停止用絶縁膜122上に、複数の犠牲層P124、及び複数の絶縁層126を1層ずつ交互に積層する。最上部の絶縁層126の厚みは、他の絶縁層126の厚みより更に厚くともよい。
【0053】
基板110は例えば、Si、Geのような半導体元素、又はSiC、GaAs、InAs、及びInPのような化合物半導体を含む。基板110は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された少なくとも1層の絶縁膜、又は少なくとも1つの導電領域を含む構造物を含む。
【0054】
エッチング停止用絶縁膜122、及び複数の絶縁層126は、絶縁物質、例えば、シリコン酸化物を含む。複数の犠牲層P124は、前記エッチング停止用絶縁膜122、及び複数の絶縁層126に対して、互いに異なるエッチング選択比を有する物質からもなる。例えば、複数の犠牲層P124は、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、ポリシリコン膜又はポリシリコンゲルマニウム膜を含む。
【0055】
図4を参照すれば、複数の絶縁層126、複数の犠牲層P124及びエッチング停止用絶縁膜122を貫通して基板110を露出させる複数のチャネルホール130を形成する。
【0056】
図5を参照すれば、複数のチャネルホール130各々の内壁を順に覆う電荷保存膜132及びトンネル絶縁膜134を形成し、トンネル絶縁膜134を覆うチャネル領域140を形成する。
【0057】
電荷保存膜132は例えば、窒化シリコン膜からなる。トンネル絶縁膜134は例えば、酸化シリコン膜からなる。チャネル領域140は、半導体膜、例えば、Si膜からなる。チャネル領域140は、チャネルホール130内部を完全には充填しない。チャネルホール130において、チャネル領域140上に残っている空間は、絶縁膜142で充填される。
【0058】
その後、複数のチャネルホール130内において、電荷保存膜132、トンネル絶縁膜134、チャネル領域140及び絶縁膜142を一部除去し、複数のチャネルホール130に、各々上部空間を設け、前記上部空間を導電パターン150で充填することができる。導電パターン150は例えば、ドーピングされたポリシリコンからなる。導電パターン150は、ドレイン領域として利用される。
【0059】
図6を参照すれば、複数の絶縁層126、複数の犠牲層P124及びエッチング停止用絶縁膜122を貫通して基板110を露出させる複数の開口160を形成する。
【0060】
複数の開口160は、各々ワードラインカット領域でもある。
【0061】
図7を参照すれば、複数の開口160から複数の犠牲層P124を除去し、複数の絶縁層126各々の間に一つずつ配置される複数のゲート空間GSを設ける。複数のゲート空間GSを介して、電荷保存膜132が露出される。
【0062】
図8を参照すれば、複数のゲート空間GSの内壁を覆うブロッキング絶縁膜136を形成する。
【0063】
ブロッキング絶縁膜136は例えば、アルミニウム酸化膜からなる。ブロッキング絶縁膜136を形成するために、
図1又は
図2を参照して説明した薄膜形成方法を利用する。一実施例において、ブロッキング絶縁膜136を形成するために、ALD工程を利用する。このとき、Alソースとして、化学式Iのアルミニウム化合物、例えば、化学式IIのアルミニウム化合物を、複数の開口160を介して供給する。前記ALD工程は、約300乃至600℃の範囲内で選択される第1温度下で遂行される。前記アルミニウム酸化膜を形成した後、前記第1温度より高い第2温度下で、前記アルミニウム酸化膜をアニーリングし、前記アルミニウム酸化膜を稠密化する。前記第2温度は、約500乃至1,150℃の範囲内で選択される。
【0064】
図9を参照すれば、複数のゲート空間GSにおいて、ブロッキング絶縁膜136によって包囲される残りの空間を充填するゲート電極用導電層を形成した後、複数の開口160内において、複数の絶縁層126各々の側壁が露出されるように、前記ブロッキング絶縁膜136及びゲート電極用導電層を一部除去し、複数のゲート空間GS内に、ブロッキング絶縁膜136及びゲート電極164が残るようにする。
【0065】
チャネル領域140と前記ゲート電極164との間において、チャネル領域140から順に形成されたトンネル絶縁膜134、電荷保存膜132及びブロッキング絶縁膜136は、ゲート誘電膜138を構成する。
【0066】
一実施例において、ゲート電極164は、前記ブロッキング絶縁膜136に接する第1導電性バリア膜と、前記第1導電性バリア膜上に形成された第1導電膜とを含む。前記第1導電性バリア膜は、導電性金属窒化物、例えば、TiN又はTaNからなる。前記第1導電膜は、導電性ポリシリコン、金属、金属シリサイド、又はそれらの組み合わせからなる。
【0067】
ブロッキング絶縁膜136は例えば、炭素残渣のような望まざる異物がないアルミニウム酸化膜からなる。
図8を参照して説明したように、アルミニウム酸化膜(136)をアニーリングして稠密化することにより、ゲート空間GSを充填するゲート電極164構成物質の損傷などの問題を防止できる。
それは、もしもアルミニウム酸化膜(136)をアニーリングして稠密化しない場合、
図9の工程において、複数の絶縁層126各々の側壁が露出されるようにブロッキング絶縁膜136の一部及びゲート電極164用導電層の一部を除去する間に、ブロッキング絶縁膜136がエッチング雰囲気に過多に露出されて過剰に消耗するか、又は、複数のゲート空間GSの入口側において、ブロッキング絶縁膜136がエッチング雰囲気によって、所望よりも過剰に除去されてしまう、からである。
【0068】
ブロッキング絶縁膜136及びゲート電極164が、複数のゲート空間GS内にだけ残るようになった後、複数の開口160を介して、基板110が露出される。複数の開口160を介して露出される基板110に不純物を注入し、基板110に複数の共通ソース領域168を形成することができる。
【0069】
図10を参照すれば、複数の開口160の内部側壁に絶縁スペーサ172を形成し、複数の開口160の内部空間を導電性プラグ174で充填する。
【0070】
一実施例において、絶縁スペーサ172は例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又はそれらの組み合わせからなる。導電性プラグ174は、絶縁スペーサ172に接する第2導電性バリア膜と、複数の開口160内において、前記第2導電性バリア膜に包囲される空間を充填する第2導電膜と、を含んでもよい。前記第2導電性バリア膜は、導電性金属窒化物、例えば、TiN又はTaNからなり、前記第2導電膜は、金属、例えば、タングステンからなる。
【0071】
複数の導電性プラグ174上に、複数の第1コンタクト182を形成し、複数の第1コンタクト182上に、複数の第1導電層184を形成する。複数の第1コンタクト182、及び複数の第1導電層184は、各々金属、金属窒化物、又はそれらの組み合わせからなる。
【0072】
複数の導電パターン150上に、複数の第2コンタクト192、及び複数のビットライン194が形成される。複数の第2コンタクト192、及び複数のビットライン194は、各々金属、金属窒化物、又はそれらの組み合わせからなる。
【0073】
図3乃至
図10を参照して説明した本発明の技術的思想による実施例による方法によって形成された集積回路素子100の製造方法によれば、アルミニウム酸化物からなるブロッキング絶縁膜136を形成するためのALD工程において、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物を使用することにより、前記ALD工程時、原料化合物として要求される特性、例えば、高い熱安定性、低い融点、高い蒸気圧、液状での輸送可能性、気化容易性を確保できる。従って、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物を使用して、所望の特性を有するブロッキング絶縁膜136を容易に形成できる。また、比較的大きい縦横比を有する深いホールに対して、均一な段差被覆性を有するブロッキング絶縁膜136が得られる。
【0074】
図11乃至
図13は、
図3乃至
図10を参照して説明した集積回路素子100の製造方法において、
図9及び
図10に例示したゲート誘電膜138の代わりに採用可能な他のゲート誘電膜138A,138B,138Cの例示的な構造を示す断面図である。
【0075】
一実施例において、
図10に例示した集積回路素子100は、ゲート誘電膜138の代わりに、
図11に例示したゲート誘電膜138Aを含む。ゲート誘電膜138Aは、ゲート空間GS内で、ゲート電極164のうちチャネル領域140に対面する表面と、絶縁膜126に対面する表面とを覆うように形成される。ゲート誘電膜138Aは、ゲート空間GSにおいて、チャネル領域140とゲート電極164との間の領域において、チャネル領域140から順に形成されたトンネル絶縁膜134A、電荷保存膜132A及びブロッキング絶縁膜136Aを含む。ブロッキング絶縁膜136Aは、
図8を参照し、ブロッキング絶縁膜136の形成方法について説明したような方法によって形成される。
【0076】
他の一実施例において、
図10に例示した集積回路素子100は、ゲート誘電膜138の代わりに、
図12に例示したゲート誘電膜138Bを含む。ゲート誘電膜138Bは、ゲート空間GS内で、ゲート電極164のうちチャネル領域140に対面する表面を覆うように、ゲート空間GSにおいて、ゲート電極164とチャネル領域140との間の領域に介在される。ゲート誘電膜138Bは、チャネル領域140とゲート電極164との間で、チャネル領域140から順に形成されたトンネル絶縁膜134B、電荷保存膜132B及びブロッキング絶縁膜136Bを含む。ブロッキング絶縁膜136Bは、
図8を参照し、ブロッキング絶縁膜136の形成方法について説明したのと類似の方法によって形成される。
【0077】
更に他の一実施例において、
図10に例示した集積回路素子100は、ゲート誘電膜138の代わりに、
図13に例示したゲート誘電膜138Cを含む。ゲート誘電膜138Cは、ゲート電極164のうちチャネル領域140に対面する表面を覆うように、ゲート電極164とチャネル領域140との間に介在され、チャネルホール130内において、チャネル領域140の長手方向に沿って、チャネル領域140と平行に延長される。ゲート誘電膜138Cは、チャネルホール130内部において、チャネル領域140とゲート電極164との間の領域で、チャネル領域140から順に形成されたトンネル絶縁膜134C、電荷保存膜132C及びブロッキング絶縁膜136Cを含んでもよい。前記ブロッキング絶縁膜136Cは、
図8を参照し、ブロッキング絶縁膜136の形成方法について説明したのと類似の方法によって形成される。
【0078】
図11乃至
図13に例示したトンネル絶縁膜134A,134B,134C、電荷保存膜132A,132B,132C及びブロッキング絶縁膜136A,136B,136Cに係わる更に詳細な構成は、
図3乃至
図10を参照し、トンネル絶縁膜134、電荷保存膜132及びブロッキング絶縁膜136について説明したところと概して同一である。
【0079】
図14乃至
図23は、本発明の技術的思想による他の実施例による集積回路素子200(
図23)の製造方法について説明するために、工程順序によって図示した断面図である。
【0080】
図14を参照すれば、複数の活性領域ACを含む基板110上に、層間絶縁膜220を形成した後、層間絶縁膜220を貫通し、複数の活性領域ACに連結される複数の導電領域224を形成する。
【0081】
複数の活性領域ACは、複数の素子分離領域212によって定義される。層間絶縁膜220は例えば、シリコン酸化膜を含む。複数の導電領域224は例えば、ポリシリコン、金属、導電性金属窒化物、金属シリサイド、又はそれらの組み合わせからなる。
【0082】
図15を参照すれば、層間絶縁膜220、及び複数の導電領域224を覆う絶縁層228を形成する。
【0083】
絶縁層228は、エッチング停止層として使用される。絶縁層228は、層間絶縁膜220、及び後続工程で形成されるモールド膜230(
図16)に対してエッチング選択比を有する絶縁物質からなる。一実施例において、絶縁層228は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はそれらの組み合わせからなる。
【0084】
図16を参照すれば、絶縁層228上に、モールド膜230を形成する。モールド膜230は例えば、酸化膜からなる。一実施例において、モールド膜230は、支持膜(図示せず)を含む。前記支持膜は、モールド膜230に対してエッチング選択比を有する物質から形成される。
【0085】
図17を参照すれば、モールド膜230上に、犠牲膜242及びマスクパターン244を順に形成する。
【0086】
犠牲膜242は例えば、酸化膜からなる。犠牲膜242は、モールド膜230に含まれた支持膜を保護する役割を行う。マスクパターン244は例えば、酸化膜、窒化膜、ポリシリコン膜、フォトレジスト膜、又はそれらの組み合わせからなる。マスクパターン244によって、キャパシタの下部電極が形成される領域が定義される。
【0087】
図18を参照すれば、マスクパターン244をエッチングマスクとして利用し、絶縁層228をエッチング停止層として利用し、犠牲膜242及びモールド膜230を乾式エッチングし、複数のホールH1を限定する犠牲パターン242P及びモールドパターン230Pを形成する。このとき、オーバエッチングによって、前記絶縁層228もエッチングされ、複数の導電領域224を露出させる絶縁パターン228Pが形成される。
【0088】
図19を参照すれば、
図18の結果物からマスクパターン244を除去した後、複数のホールH1各々の内部側壁と、絶縁パターン228Pの露出表面と、複数のホールH1各々の内部で露出される複数の導電領域224の表面と、犠牲パターン242Pの露出表面と、を覆う下部電極形成用導電膜250を形成する。
【0089】
下部電極形成用導電膜250は、複数のホールH1各々の内部空間が一部残るように、複数のホールH1の側壁にコンフォーマル(conformal)に形成される。
【0090】
下部電極形成用導電膜250は例えば、ドーピングされた半導体、導電性金属窒化物、金属、金属シリサイド、導電性酸化物、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、下部電極形成用導電膜250は、TiN、TiAlN、TaN、TaAlN、W、WN、Ru、RuO2、SrRuO3、Ir、IrO2、Pt、PtO、BSRO((Ba,Sr)RuO3)、CRO(CaRuO3)、LSCo((La,Sr)CoO3)、又はそれらの組み合わせからなる。前記下部電極形成用導電膜250を形成するために、CVD工程、MOCVD(metal organic CVD)工程、又はALD工程を利用する。
【0091】
図20を参照すれば、下部電極形成用導電膜250の上部を部分的に除去し、下部電極形成用導電膜250を複数の下部電極LEに分離する。
【0092】
複数の下部電極LEを形成するために、モールドパターン230Pの上面が露出されるまで、下部電極形成用導電膜250の上部側一部と、犠牲パターン242P(
図19)とをエッチバック又はCMP(chemical mechanical polishing)工程を利用して除去する。
【0093】
図21を参照すれば、モールドパターン230Pを除去し、複数のシリンダ状の下部電極LEの外壁面を露出させる。
【0094】
図22を参照すれば、複数の下部電極LE上に、誘電膜260を形成する。
【0095】
誘電膜260は、複数の下部電極LEの露出表面をコンフォーマルに覆うように形成される。誘電膜260は、アルミニウム酸化膜を含むように形成される。誘電膜260は、ALD工程によっても形成される。誘電膜260を形成するために、
図1又は
図2を参照して説明した本発明の技術的思想による薄膜形成方法を利用できる。
【0096】
一実施例において、誘電膜260は、アルミニウム酸化膜の単一膜からもなる。他の一実施例において、誘電膜260は、少なくとも1層のアルミニウム酸化膜と、タンタル酸化膜及びジルコニウム酸化膜のうちから選択される少なくとも1層の高誘電膜との組み合わせからなる。
【0097】
誘電膜260を構成するアルミニウム酸化膜をALD工程によって形成するために、Alソースとして、化学式Iによるアルミニウム化合物、例えば、化学式IIによるアルミニウム化合物を使用する。誘電膜260を形成するためのALD工程は、約300乃至600℃の範囲内で遂行される。誘電膜260を形成した後、約500乃至1,150℃の温度下で、誘電膜260をアニーリングする。
【0098】
図23を参照すれば、誘電膜260上に、上部電極UEを形成する。下部電極LE、誘電膜260及び上部電極UEによって、キャパシタ270が構成される。
【0099】
上部電極UEは例えば、ドーピングされた半導体、導電性金属窒化物、金属、金属シリサイド、導電性酸化物、又はそれらの組み合わせからなる。上部電極UEを形成するために、CVD工程、MOCVD工程、PVD又はALD工程を利用する。
【0100】
図14乃至
図23を参照して説明した集積回路素子200の製造方法において、シリンダ型下部電極LEの代わりに、内部空間がないピラー(pillar)型下部電極を形成することもでき、その場合誘電膜260は、前記ピラー型下部電極上に形成される。
【0101】
図14乃至
図23を参照して説明した本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子200の製造方法において、キャパシタ270は、キャパシタンスを増大させるために、三次元電極構造を有する下部電極LEを含む。デザインルール縮小によるキャパシタンス減少を補償するために、三次元構造の下部電極LEの縦横比は、増大している。ALD工程によって、前記下部電極LE上に、誘電膜260を形成する際に、本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子200の製造方法によれば、誘電膜260形成に必要なアルミニウム化合物を、比較的大きい縦横比を有する三次元構造物の下部まで容易に供給でき、それによって、比較的大きい縦横比を有する下部電極LE上に、良好な段差被覆性を有する誘電膜260を形成できる。
【0102】
図24乃至
図27は、本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子300(
図27)の製造方法について説明するために、工程順序によって示した断面図である。
【0103】
図24を参照すれば、基板110上に、導電パターン312を形成し、導電パターン312上に、ホール314Hが形成された層間絶縁膜パターン314を形成する。ホール314Hを介して、導電パターン312の一部が露出される。
【0104】
導電パターン312は、ソース/ドレイン領域、ゲート電極、又は配線層である。層間誘電層(絶縁膜)パターン314は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又はそれらの組み合わせからなる単一層又は多重層によって形成される。
【0105】
図25を参照すれば、ホール314Hの内壁を覆うように、導電パターン312の露出表面、及び層間絶縁膜パターン314の露出表面の上に、導電性バリア膜320を形成する。
【0106】
導電性バリア膜320は例えば、窒化アルミニウム膜からなる。導電性バリア膜320を形成するために、ALD工程を利用する。導電性バリア膜320を形成するために、
図1又は
図2を参照して説明した本発明の技術的思想による薄膜形成方法を利用する。前記導電性バリア膜320を構成する窒化アルミニウム膜をALD工程によって形成するために、Alソースとして、化学式Iによるアルミニウム化合物、例えば、より具体的には化学式IIによるアルミニウム化合物を使用する。導電性バリア膜320を形成するためのALD工程は、約300乃至600℃の範囲内で遂行される。導電性バリア膜320を形成した後、約500乃至1,150℃の温度下で、前記導電性バリア膜320をアニーリングする。
【0107】
図26を参照すれば、導電性バリア膜320上に、ホール314H(
図25)を充填するに十分な厚みの配線層330を形成する。
【0108】
配線層330は例えば、金属、例えば、タングステン、又は銅からなる。
【0109】
図27を参照すれば、エッチバック、CMP、又はそれらの組み合わせを利用して、前記導電性バリア膜320及び配線層330のうち不要な部分を除去し、ホール314H(
図25)内にのみ、前記導電性バリア膜320及び配線層330が残るようにする。
【0110】
図24乃至
図27を参照して説明した集積回路素子300の製造方法によれば、導電性バリア膜320を構成する窒化アルミニウム膜内での不純物含量を顕著に減らし、膜質にすぐれる導電性バリア膜320を提供することにより、集積回路素子300の信頼性を向上できる。
【0111】
図28乃至
図30は、本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するための図面であり、
図28は、集積回路素子400の平面図であり、
図29は、
図28の集積回路素子400の斜視図であり、
図30は、
図28のX-X’線断面及びY-Y’線断面の構成を示す断面図である。
【0112】
図28乃至
図30を参照すれば、集積回路素子400は、基板110から突出されたフィン型(fin-type)活性領域FAを含む。
【0113】
フィン型活性領域FAは、一方向(
図28及び
図29においてY方向)に沿って延長される。基板110上には、フィン型活性領域FAの下部側壁を覆う素子分離膜402が形成されている。フィン型活性領域FAは、素子分離膜402上にフィン状に突出されている。一実施例において、素子分離膜402は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、又はそれらの組み合わせからなる。
【0114】
基板110上において、フィン型活性領域FA上には、ゲート構造体420がフィン型活性領域FAの延長方向に交差する方向(X方向)に延長される。フィン型活性領域FAにおいて、ゲート構造体420の両側には、1対のソース/ドレイン領域430が形成される。
【0115】
1対のソース/ドレイン領域430は、フィン型活性領域FAから、エピタキシャル成長された半導体層を含み得る。即ち、1対のソース/ドレイン領域430の各々は例えば、エピタキシャル成長された複数のSiGe層を含む埋め込みSiGe構造、エピタキシャル成長されたSi層、又はエピタキシャル成長されたSiC層からなる。1対のソース/ドレイン領域430の形状は、
図29に例示した形状に限定されず、多様な形状を有し得る。
【0116】
フィン型活性領域FAとゲート構造体420とが交差する部分において、MOSトランジスタTRが形成される。MOSトランジスタTRは、フィン型活性領域FAの上面及び両側面においてチャネルが形成される三次元構造のMOSトランジスタからなる。このようなMOSトランジスタTRは、NMOSトランジスタ又はPMOSトランジスタを構成する。
【0117】
図30に示したように、ゲート構造体420は、フィン型活性領域FAの表面から順に形成されたインタフェース層412、高誘電膜414、第1金属含有層426A、第2金属含有層426B及びギャップフィル金属層428を含む。ゲート構造体420において、第1金属含有層426A、第2金属含有層426B及びギャップフィル金属層428は、ゲート電極420Gを構成する。
【0118】
ゲート構造体420の両側面には、絶縁スペーサ442が形成される。絶縁スペーサ442は、層間絶縁膜444によって覆われている。インタフェース層412は、フィン型活性領域FAの表面を覆うように形成され、酸化膜、窒化膜又は酸窒化膜などの絶縁物質から形成される。高誘電膜414は、シリコン酸化膜より誘電定数が大きい物質からなる。例えば、高誘電膜414は、約10乃至25の誘電定数を有する。高誘電膜414は、金属酸化物又は金属酸窒化物からなる。
【0119】
第1金属含有層426Aは、P型仕事関数導電物質、例えば、TiNからなる。第2金属含有層426Bは、N型仕事関数導電物質、例えば、Ti又はTaを含むAl化合物を含み得、NMOSトランジスタに必要なN型金属含有層を形成する。第2金属含有層426Bは、炭素原子を含むAl含有膜を含む場合もある。例えば、第2金属含有層426Bは、TiAlC、TiAlCN、TaAlC、TaAlCN、TiAl、TiAlN、TaAlN、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0120】
第2金属含有層426Bを形成するために、
図1又は
図2を参照して説明した薄膜形成方法を利用する。第2金属含有層426Bを形成するために、ALD工程を利用する。このとき、Alソースとして、化学式Iによるアルミニウム化合物、より具体的には例えば、化学式IIによるアルミニウム化合物を使用する。第2金属含有層426Bを形成するためのALD工程は、約300乃至600℃の範囲内で遂行される。一実施例において、第2金属含有層426Bを形成した後、第2金属含有層426Bを、約500乃至1,150℃の温度下でアニーリングする。
【0121】
第2金属含有層426Bは、第1金属含有層426Aと共に、ゲート構造体420の仕事関数を調節し、ゲート構造体420の閾値電圧が調節される。
【0122】
ギャップフィル金属層428は、RMG(replacement metal gate)工程によって、ゲート構造体420を形成するとき、第2金属含有層426B上の残るゲート空間を充填するように形成される。第2金属含有層426Bを形成した後、前記第2金属含有層426B上部に残っているゲート空間がない場合、第2金属含有層426B上にギャップフィル金属層428が形成されずに省略できる。ギャップフィル金属層428は例えば、W、TiN又はTaNなどの金属窒化物、Al、金属炭化物、金属シリサイド、金属アルミニウム炭化物、金属アルミニウム窒化物、若しくは金属シリコン窒化物を含む。
【0123】
図28乃至
図30を参照して説明した本発明の技術的思想による実施例による集積回路素子400の製造にあたり、第2金属含有層426Bを形成するために、本発明の技術的思想によるアルミニウム化合物を利用することにより、集積回路素子400の信頼性を向上できる。
【0124】
図8は、本発明の技術的思想による更に他の実施例による集積回路素子の製造方法について説明するための斜視図である。
図8に例示した集積回路素子500は、可変抵抗メモリ素子を構成する。
【0125】
図8を参照すれば、集積回路素子500は、基板110上に形成された層間絶縁膜502、層間絶縁膜502上に順に形成された複数の第1電極ライン510、複数の第2電極ライン520、及び複数の可変抵抗メモリセルMCを含む。
【0126】
層間絶縁膜502は例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又はそれらの組み合わせからなる。
【0127】
複数の第1電極ライン510は、基板110上において、第1方向(X方向)に相互に平行に延長される。複数の第2電極ライン520は、複数の第1電極ライン510上において、第1方向と交差する第2方向(Y方向)に相互に平行に延長される。複数の第1電極ライン510、及び複数の第2電極ライン520のうちいずれか一つは、複数のワードラインであり、他の一つは、複数のビットラインである。
【0128】
複数の第1電極ライン510及び第2電極ライン520は、各々、例えば金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又はそれらの組み合わせからなる。例えば、複数の第1電極ライン510及び第2電極ライン520は、各々Al、TiAlN、又はそれらの組み合わせからなる。複数の第1電極ライン510及び第2電極ライン520を形成するために、
図1又は
図2を参照して説明した薄膜形成方法を利用する。一実施例において、複数の第1電極ライン510及び第2電極ライン520を形成するために、ALD工程を利用する。このとき、Alソースとして、化学式Iによるアルミニウム化合物、特に例えば、化学式IIによるアルミニウム化合物を使用する。前記ALD工程は、約300乃至600℃の範囲内で選択される第1温度下で遂行される。
【0129】
複数の第1電極ライン510及び第2電極ライン520は、導電性バリア膜(図示せず)を更に含み得る。前記導電性バリア膜は例えば、Ti、TiN、Ta、TaN、又はそれらの組み合わせからなる。
【0130】
複数のメモリセルMCは、複数の第1電極ライン510と、複数の第2電極ライン520との間であって、それらが交差する部分に配置される。複数のメモリセルMCは、第1方向及び第2方向に互いに離隔して配置される。複数のメモリセルMCは例えば、各々下部電極層542、選択素子層544、中間電極層546、加熱電極層552、可変抵抗層554及び上部電極層556を含む。
【0131】
可変抵抗層554は、加熱時間によって、非晶質(amorphous)状態と結晶質(crystalline)状態との間で可逆的に変化する相変化物質を含む。例えば、可変抵抗層554は、可変抵抗層554の両端に印加される電圧によって発生するジュール熱(Joule heat)によって、その相が可逆的に変化し、かような相変化によって抵抗が変化する物質を含む。具体的には、前記相変化物質は、非晶質相では高抵抗状態になり、結晶質相では低抵抗状態になる。
高抵抗状態を「0」で、低抵抗状態を「1」と定義することにより、可変抵抗層554にデータが保存される。可変抵抗層554は、例えば相変化物質として、カルコゲナイド物質を含む。例えば、可変抵抗層554は、Ge-Sb-Te(GST)を含む。可変抵抗層554は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、リン(P)及び硫黄(S)のうちから選択された少なくとも1つの不純物を更に含み得る。前記不純物によって、集積回路素子500の駆動電流を変更できる。また、可変抵抗層554は、金属を更に含み得る。可変抵抗層554が遷移金属酸化物を含む場合、集積回路素子500は、ReRAM(resistive RAM)になり得る。
【0132】
選択素子層544は、電流の流れを制御できる電流調整層である。選択素子層544は、選択素子層544の両端にかかった電圧の大きさによって抵抗が変化する物質層を含む。例えば、選択素子層544は、オボニック閾値スイッチング(OTS、ovonic threshold switching)物質を含む。選択素子層544は、OTS物質として、例えばカルコゲナイド(chalcogenide)スイッチング物質を含む。
【0133】
加熱電極層552は、中間電極層546と可変抵抗層554との間で、可変抵抗層554と接するように配置される。加熱電極層552は、セット動作又はリセット動作において、可変抵抗層554を加熱する機能を行う。加熱電極層552は、TiN、TiSiN、TiAlN、TaSiN、TaAlN、TaN、WSi、WN、TiW、MoN、NbN、TiBN、ZrSiN、WSiN、WBN、ZrAlN、MoAlN、TiAl、TiON、TiAlON、WON、TaON、C、SiC、SiCN、CN、TiCN、TaCN、又はそれらの組み合わせからなる高融点金属、又はそれらの窒化物からなる。
【0134】
下部電極層542、中間電極層546、及び上部電極層556は、各々Al、TiAlN、又はそれらの組み合わせからなる。下部電極層542、中間電極層546、及び上部電極層556のうち少なくとも一つは、
図1又は
図2を参照して説明した薄膜形成方法を利用して形成される。一実施例において、下部電極層542、中間電極層546、及び上部電極層556のうち少なくとも一つを形成するために、ALD工程を利用する。このとき、Alソースとして、化学式Iによるアルミニウム化合物、例えば具体的には、化学式IIによるアルミニウム化合物を使用する。前記ALD工程は、約300乃至600℃の範囲内で選択される第1温度下で遂行される。
【0135】
複数の第1電極ライン510各々の間には、第1絶縁層572が配置される。複数のメモリセルMC各々の間には、第2絶縁層574が配置される。複数の第2電極ライン520各々の間には、第3絶縁層576が配置される。
【0136】
次に、本発明の技術的思想による実施例によるアルミニウム化合物の具体的な合成例、及び薄膜形成方法について説明する。しかし、本発明の技術的思想は、以下の例に限定されない。
【0137】
例1
【0138】
化学式IIIのアルミニウム化合物[(CH
3
)N(CH
2
CH
2
CH
2
)
2
Al(CH
3
)]の合成
【0139】
メチルジクロロアルミニウム(41g、0.37mol)を溶融した後、これに対して常温で3-マグネシウムクロロ-N-(3-マグネシウムプロピル)-N-メチルプロパン-1-アミン(400ml、1N)のTHF(tetrahydrofuran)溶液を投入し、常温で17時間撹拌した。反応が終わった後、減圧下で、溶媒及び揮発性副生成物を除去した後、減圧蒸溜(32℃、0.54torr)し、化学式1の化合物35gを得た(収率61%)。
【0140】
(分析)
【0141】
1H-NMR(solvent:benzene-d6,ppm) δ -0.51(3H,s,CH3Al), 0.18(4H,t,CH2AlCH2), 1.61(4H,m,CH2CH2AlCH2CH2), 1.79(3H,s,CH3N), 1.82(2H,m,CHNCH), 2.08(2H,m,CH’NCH’)
【0142】
評価
【0143】
化学式IIIのアルミニウム化合物の特性評価
【0144】
図9は、例1で得られた化学式IIIのアルミニウム化合物のDSC(differential scanning calorimetry)分析結果を示したグラフである。
【0145】
図9の結果から分かるように、化学式IIIのアルミニウム化合物は、約400℃まで熱分解ピークが観察されず、約405℃で熱分解が発生するということを確認した。
【0146】
比較例として、TMA(trimethyl aluminum)に対して、同一方法でDSC分析した結果、約237℃で熱分解が発生するということを確認した。それにより、化学式IIIのアルミニウム化合物の熱的安定性が非常に優秀であるということが分かる。
【0147】
図33は、化学式IIIのアルミニウム化合物10mgを、アルゴン雰囲気で、10℃/minの昇温条件で、熱重量分析(TGA:thermogravimetric analysis)した結果を示したグラフである。
【0148】
図33において、縦軸は、温度上昇による重量損失百分率を示す。
図33から分かるように、化学式IIIのアルミニウム化合物は、迅速な気化特性を有し、約170℃近辺で熱分解による残留物質なしに、99%以上気化された。
【0149】
図34は、化学式IIIのアルミニウム化合物の温度変化による蒸気圧を測定した結果を示したグラフである。
【0150】
図34の結果において、50℃において、約1Torrレベルの蒸気圧が確認された。
【0151】
例2
【0152】
アルミニウム酸化膜の形成
【0153】
例1で合成した化学式IIIのアルミニウム化合物を原料にして、ALD工程によって、シリコン基板上に、アルミニウム酸化膜を形成した。このとき、反応性ガスとして、オゾンガスを使用し、パージガスとしてアルゴンを使用した。アルミニウム酸化膜を形成する間、基板の温度は、350乃至600℃を維持した。
【0154】
アルミニウム酸化膜を形成するために、次のような一連の工程(1)乃至工程(4)を1サイクルにして、200サイクルを反復した。
【0155】
工程(1):アルミニウム化合物の容器(canister)加熱温
図80℃下で気化させたアルミニウム化合物の蒸気を、8秒間反応チャンバ内に導入し、350乃至600℃に維持される基板上に堆積させる工程
【0156】
工程(2):3,000sccmの流量で供給されるアルゴンガスを利用して10秒間パージし、未反応原料を除去する工程
【0157】
工程(3):反応チャンバ内に、反応性ガスであるオゾンガスを、300sccmの流量で14秒間導入して反応させる工程
【0158】
工程(4):3,000sccmの流量で供給されるアルゴンガスを利用して10秒間パージし、未反応原料を除去する工程
【0159】
図35は、例2において、アルミニウム酸化膜の蒸着成長率の基板温度依存性を評価した結果を示したグラフである。
【0160】
図35の結果において、350乃至550℃までの蒸着率は、約0.92乃至1.17Å/サイクルであり、600℃での蒸着率は、約1.81Å/サイクルであった。それにより、ALDウィンドウ(window)区間は、約350乃至550℃であると確認された。
【0161】
前記結果から、化学式IIIのアルミニウム化合物を利用して、アルミニウム酸化膜を蒸着するとき、薄膜成長速度が一定であるALD挙動を示すということを確認し、約350乃至550℃の比較的広いALDウィンドウを確保でき、優秀な熱的安定性を有するということを確認した。
【0162】
図36は、例2において、基板温度を350℃及び550℃に維持する条件下で得られたアルミニウム酸化膜の濃度組成分析のためのXPS(X-ray photoelectron spectroscopy)深さ方向元素分析(depth profile)結果を示したグラフである。
【0163】
基板温度が350℃及び550℃であるとき、得られたアルミニウム酸化膜内の炭素原子は、約1原子%未満しか検出されず、前駆体分解による不純物が発生していないということを確認した。
【0164】
以上、本発明について、望ましい実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想及び範囲内において、当分野で当業者によって、さまざまな変形及び変更が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明の、アルミニウム化合物、及びそれを利用した薄膜形成方法、並びに集積回路素子の製造方法は、例えば、半導体素子関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0166】
100,200 集積回路素子
110 基板
122 エッチング停止用絶縁膜
P124 犠牲層
126 絶縁層
130 チャネルホール
132、132A、132B、132C 電荷保存膜
134、134A、134B、134C トンネル絶縁膜
136、136A、136B、136C ブロッキング絶縁膜、アルミニウム酸化膜
138、138A、138B、138C ゲート誘電膜
140 チャネル領域
142 絶縁膜
150 導電パターン
160 開口
164 ゲート電極
168 共通ソース領域
172 絶縁スペーサ
174 導電性プラグ
182 第1コンタクト
184 第1導電層
192 第2コンタクト
194 ビットライン
200 集積回路素子
212 素子分離領域
220 層間絶縁膜
224 導電領域
228 絶縁層
228P 絶縁層パターン
230 モールド膜
230P モールド膜パターン
242 犠牲膜
242P 犠牲膜パターン
244 マスクパターン
250 下部電極形成用導電膜
260 誘電膜
270 キャパシタ
300 集積回路素子
312 導電パターン
314 層間誘電層パターン
314H ホール
320 導電性バリア膜
330 配線層
400 集積回路素子
402 素子分離膜
412 インタフェース層
414 高誘電膜
420 ゲート構造体
420G ゲート電極
426A 第1金属含有層
426B 第2金属含有層
428 ギャップフィル金属層
430 ソース/ドレイン領域
442 絶縁スペーサ
444 層間絶縁膜
500 集積回路素子
502 層間絶縁膜
510 第1電極ライン
520 第2電極ライン
542 下部電極層
544 選択素子層
546 中間電極層
552 加熱電極層
554 可変抵抗層
556 上部電極層
572 第1絶縁層
574 第2絶縁層
576 第3絶縁層
AC 活性領域
FA フィン型活性領域
GS ゲート空間
H1 ホール
LE 下部電極
MC メモリセル
TR MOSトランジスタ
UE 上部電極