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特許7140515情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/73 20140101AFI20220913BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20220913BHJP
   A63F 13/285 20140101ALI20220913BHJP
   A63F 13/422 20140101ALI20220913BHJP
   A63F 13/22 20140101ALI20220913BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220913BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220913BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20220913BHJP
   G06F 3/023 20060101ALI20220913BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
A63F13/73
A63F13/533
A63F13/285
A63F13/422
A63F13/22
G06F3/01 560
G06F3/0481
G06F3/0338 412
G06F3/023 420
G06F3/02 510
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018041951
(22)【出願日】2018-03-08
(65)【公開番号】P2019154567
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090181
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 義人
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】津田 宗孝
(72)【発明者】
【氏名】民谷 文彦
(72)【発明者】
【氏名】佐野 峻太
(72)【発明者】
【氏名】仲沢 瑞穂
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-061180(JP,A)
【文献】特表2012-529123(JP,A)
【文献】特開2013-168001(JP,A)
【文献】特開2015-167758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G06F 3/01、3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力対象を表示する表示手段、
前記複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定された操作手段、
前記複数の入力領域のうち、前記操作手段によって指示された1つの入力領域を判断する領域判断手段、
前記領域判断手段によって判断された1つの入力領域に対応する入力対象を決定する決定手段
現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する領域変更手段、および
前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択する選択手段を備え、
前記表示手段は、前記操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で前記複数の入力対象を表示し、
前記領域変更手段は、前記選択手段によって前記第1モードが選択された場合に、前記現在入力すべき入力対象に対応する前記入力領域を拡大する、情報処理装置。
【請求項2】
前記領域変更手段は、前記現在入力すべき入力対象でない他の入力対象に対応する入力領域の少なくとも1つを縮小する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記領域変更手段は、前記現在入力すべき入力対象を含む一部の入力対象に対応する一部の入力領域を拡大する、請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記一部の入力領域の各々は、他の入力領域のいずれかに隣接した状態で設定され、
前記領域変更手段によって拡大される一部の入力領域は、前記現在入力すべき入力対象に対応する入力領域である第1入力領域と当該第1入力領域に隣接しない入力領域である第2入力領域である、請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記領域変更手段は、前記第1入力領域に隣接する入力領域を縮小する、請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記領域変更手段は、前記第1入力領域および前記第2入力領域に隣接する入力領域を縮小する、請求項4記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の入力領域はリング状に並べて設定される、請求項1から3までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記操作手段は、縦方向、横方向および斜め方向に入力可能な方向入力手段であり、
前記入力領域は、前記縦方向、前記横方向および前記斜め方向にそれぞれ設定される、請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記領域変更手段は、前記現在入力すべき入力対象に対応する入力領域である第1入力領域が前記縦方向に設定されている場合には、当該縦方向に設定されているすべての前記入力領域を拡大し、前記第1入力領域が前記横方向に設定されている場合には、当該横方向に設定されているすべての前記入力領域を拡大し、前記第1入力領域が前記斜め方向に設定されている場合には、当該斜め方向に設定されているすべての前記入力領域を拡大する、請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記領域変更手段は、前記現在入力すべき入力対象に対応する入力領域である第1入力領域が前記縦方向または前記横方向に設定されている場合には、当該縦方向および当該横方向に設定されているすべての前記入力領域を拡大し、前記第1入力領域が前記斜め方向に設定されている場合には、当該斜め方向に設定されているすべての前記入力領域を拡大する、請求項8記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記斜め方向に設定された入力領域は、初期状態において、前記縦方向および前記横方
向に設定された入力領域よりも大きく設定される、請求項8から10までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記操作手段によって指示されている前記入力領域が他の前記入力領域に変化したとき、変化後の前記他の入力領域が当該操作手段によって所定時間以上指示されているかどうかを判断する継続判断手段、および
前記継続判断手段によって前記変化後の他の入力領域が前記操作手段によって所定時間以上指示されていることが判断されたとき、前記領域判断手段によって判断される入力領域を当該他の入力領域に変更する領域判断変更手段をさらに備える、請求項1から11までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記操作手段によって指示されている前記入力領域が前記他の入力領域に変化する回数を検出する回数検出手段、および
前記回数検出手段によって検出された回数が所定回数以上であるかどうかを判断する回数判断手段をさらに備え、
前記領域判断変更手段は、前記回数判断手段によって前記回数が前記所定回数以上であることが判断された場合には、前記継続判断手段の判断結果に拘わらず、前記入力領域を前記他の入力領域に直ぐに変更する、請求項12記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記領域変更手段は、前記回数判断手段によって前記回数が前記所定回数以上であることが判断された場合に、前記複数の入力領域の大きさを均等にする、請求項13記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記操作手段によっていずれかの入力領域が指示されたことを振動によって報知する報知手段をさらに備える、請求項1から14までのいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記報知手段は、さらに、前記操作手段によって指示されている前記入力領域が他の前記入力領域に変化したことを振動によって報知する、請求項15記載の情報処理装置。
【請求項17】
複数の入力対象を表示する表示手段、
前記複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定された操作手段、
前記複数の入力領域のうち、前記操作手段によって指示された1つの入力領域を判断する領域判断手段、
前記領域判断手段によって判断された1つの入力領域に対応する入力対象を決定する決定手段
現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する領域変更手段、および
前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択する選択手段を備え、
前記表示手段は、前記操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で前記複数の入力対象を表示し、
前記領域変更手段は、前記選択手段によって前記第1モードが選択された場合に、前記現在入力すべき入力対象に対応する前記入力領域を拡大する、情報処理システム。
【請求項18】
複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定された操作手段を備えるコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、
前記コンピュータのプロセッサに、
前記複数の入力対象を表示する表示ステップ、
前記複数の入力領域のうち、前記操作手段によって指示された1つの入力領域を判断する領域判断ステップ、
前記領域判断ステップにおいて判断した1つの入力領域に対応する入力対象を決定する決定ステップ
現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する領域変更ステップ、および
前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択する選択ステップを実行させ、
前記表示ステップは、前記操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で前記複数の入力対象を表示し、
前記領域変更ステップは、前記選択ステップにおいて前記第1モードを選択した場合に、前記現在入力すべき入力対象に対応する前記入力領域を拡大する、情報処理プログラム。
【請求項19】
複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定された操作手段を備えるコンピュータの情報処理方法であって、
(a)前記複数の入力対象を表示するステップ、
(b)前記複数の入力領域のうち、前記操作手段によって指示された1つの入力領域を判断するステップ、
(c)前記ステップ(b)において判断した1つの入力領域に対応する入力対象を決定するステップ
(d)現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大するステップ、および
(e)前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、前記操作手段によって指示されている前記入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択するステップを含み、
前記ステップ(a)は、前記操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で前記複数の入力対象を表示し、
前記ステップ(d)は、前記ステップ(e)において前記第1モードを選択した場合に、前記現在入力すべき入力対象に対応する前記入力領域を拡大する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関し、特にたとえば、アナログスティックを用いて入力を行う、情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の一例が非特許文献1に開示される。非特許文献1によれば、保護者の方がお子さまのゲームのプレイを制限する設定を行うことができるゲーム機において、その設定を一時的に解除するために暗証番号を入力するものが知られている。この非特許文献1に開示される暗証番号の入力方法では、暗証番号を入力する画面に、入力した数字を表示可能な領域と、この領域の下方に、数字等を入力するためのソフトウェアキーが表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】https://www.nintendo.co.jp/support/switch/parentalcontrols/setting_change.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示された暗証番号の入力方法では、入力された暗証番号を数字以外の所定の記号で表示していても、ソフトウェアキーを操作する様子を画面で見ることができるため、保護者が暗証番号を入力する際に、お子さまにその暗証番号を容易に知られてしまう。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法を提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、入力される内容が画面から把握され難くすることができる、情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法を提供することである。
【0007】
さらに、この発明のその他の目的は、入力される内容が画面に表示されない態様において誤入力を低減することができる、情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラムおよび情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、表示手段、操作手段、領域判断手段、決定手段、領域変更手段および選択手段を備える、情報処理装置である。表示手段は、複数の入力対象を表示する。操作手段には、複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定される。領域判断手段は、複数の入力領域のうち、操作手段によって指示された1つの入力領域を判断する。決定手段は、領域判断手段によって判断された1つの入力領域に対応する入力対象を決定する。領域変更手段は、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する。選択手段、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択する。さらに、表示手段は、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で複数の入力対象を表示する。また、領域変更手段は、選択手段によって第1モードが選択された場合に、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する。
【0009】
第1発明によれば、指示された入力領域に対応する入力対象を識別出来ない態様で複数の入力対象を表示するので、入力される内容が画面から把握され難くすることができる。また、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大するので、その入力領域を指示し易くすることができる。したがって、入力される内容が画面に表示されない態様において誤入力を低減することができる。
また、第1の発明によれば、入力対象を識別できない第1モードが選択された場合に、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大するので、入力対象を識別できなくても、誤入力を低減することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属し、領域変更手段は、現在入力すべき入力対象でない他の入力対象に対応する入力領域の少なくとも1つを縮小する。
【0011】
第2の発明によれば、入力対象でない他の入力対象の入力領域を小さくするので、この入力領域を指示し難くすることができる。したがって、誤入力を防止することができる。
【0012】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、領域変更手段は、現在入力すべき入力対象を含む一部の入力対象に対応する一部の入力領域を拡大する。
【0013】
第3の発明によれば、現在入力すべき入力対象を含む一部の入力対象に対応する一部の入力領域を拡大するので、入力すべき入力対象の入力領域だけが大きくされる場合に比べて入力すべき入力対象を第三者に容易に把握されないようにすることができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明に従属し、一部の入力領域の各々は、他の入力領域のいずれかに隣接した状態で設定され、領域変更手段によって拡大される一部の入力領域は、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域である第1入力領域と当該第1入力領域に隣接しない入力領域である第2入力領域である。
【0015】
第4の発明によれば、入力すべき入力対象に対応する入力領域を入力し易くできるとともに、入力すべき入力対象を容易に把握されないようにすることができる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明に従属し、領域変更手段は、第1入力領域に隣接する入力領域を縮小する。
【0017】
第5の発明によれば、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域に隣接する入力領域を縮小するので、誤入力を効果的に低減することができる。
【0018】
第6の発明は、第4の発明に従属し、領域変更手段は、第1入力領域および第2入力領域に隣接する入力領域を縮小する。
【0019】
第6の発明によれば、誤入力を効果的に低減することができるとともに、正解の入力対象を容易に把握されないようにすることができる。
【0020】
第7の発明は、第1から第3の発明までのいずれかに従属し、複数の入力領域はリング状に並べて設定される。
【0021】
第7の発明によれば、複数の入力領域がリング状に並べられるため、いずれかの方向を指示するだけで、簡単に入力することができる。
【0022】
第8の発明は、第7の発明に従属し、操作手段は、縦方向、横方向および斜め方向に入力可能な方向入力手段であり、入力領域は、縦方向、横方向および斜め方向にそれぞれ設定される。
【0023】
第8の発明によれば、縦、横および斜め方向を指示するだけなので、簡単に入力を行うことができる。
【0024】
第9の発明は、第8の発明に従属し、領域変更手段は、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域である第1入力領域が縦方向に設定されている場合には、当該縦方向に設定されているすべての入力領域を拡大し、第1入力領域が横方向に設定されている場合には、当該横方向に設定されているすべての入力領域を拡大し、第1入力領域が斜め方向に設定されている場合には、当該斜め方向に設定されているすべての入力領域を拡大する。
【0025】
第9の発明によれば、入力すべき入力対象に対応する入力領域を入力し易くできるとともに、入力すべき入力対象を容易に把握されないようにすることができる。
【0026】
第10の発明は、第8の発明に従属し、領域変更手段は、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域である第1入力領域が縦方向または横方向に設定されている場合には、当該縦方向および当該横方向に設定されているすべての入力領域を拡大し、第1入力領域が斜め方向に設定されている場合には、当該斜め方向に設定されているすべての入力領域を拡大する。
【0027】
第10の発明においても、第9の発明と同様に、入力すべき入力対象に対応する入力領域を入力し易くできるとともに、入力すべき入力対象を容易に把握されないようにすることができる。
【0028】
第11の発明は、第8から第10までのいずれかに従属し、斜め方向に設定された入力領域は、初期状態において、縦方向および横方向に設定された入力領域よりも大きく設定される。
【0029】
第11の発明によれば、斜め方向は入力しにくいので、予め入力領域を大きくしておくことで斜め方向も入力し易くなる。
【0030】
第12の発明は、第1から第11までのいずれかに従属し、操作手段によって指示されている入力領域が他の入力領域に変化したとき、変化後の他の入力領域が当該操作手段によって所定時間以上指示されているかどうかを判断する継続判断手段、および継続判断手段によって変化後の他の入力領域が操作手段によって所定時間以上指示されていることが判断されたとき、領域判断手段によって判断される入力領域を当該他の入力領域に変更する領域判断変更手段をさらに備える。
【0031】
第12の発明においても、第9の発明と同様に、入力すべき入力対象に対応する入力領域を入力し易くできるとともに、入力すべき入力対象を容易に把握されないようにすることができる。また、所定時間以上指示されているかどうかを判断するので、手振れによる誤入力を低減することができる。
【0032】
第13の発明は、第12の発明に従属し、操作手段によって指示されている入力領域の変化が他の入力領域に変化する回数を検出する回数検出手段、および回数検出手段によって検出された回数が所定回数以上であるかどうかを判断する回数判断手段をさらに備え、領域判断変更手段は、回数判断手段によって回数が所定回数以上であることが判断された場合には、継続判断手段の判断結果に拘わらず、入力領域を他の入力領域に直ぐに変更する。
【0033】
第13の発明によれば、回数が所定数以上であれば、回転する操作が実行されていると判断し、この場合には、指示する入力領域が変化されると、この入力領域に直ぐに変更されるので、入力が遅延するのを防止することができる。
【0034】
第14の発明は、第13の発明に従属し、領域変更手段は、回数判断手段によって回数が所定回数以上であることが判断された場合に、複数の入力領域の大きさを均等にする。
【0035】
第14の発明によれば、回転する操作が実行されている場合には、複数の入力領域の大きさが均等にされるので、第三者の操作によって入力すべき入力対象が知られるのを防止することができる。
【0036】
第15の発明は、第1から第14の発明までの何れかに従属し、操作手段によっていずれかの入力領域が指示されたことを振動によって報知する報知手段をさらに備える。
【0037】
第15の発明によれば、入力対象を識別できない態様で表示しても、振動により、入力領域が指示されたことを振動によって知ることができる。
【0038】
第16の発明は、第15の発明に従属し、報知手段は、さらに、操作手段によって指示されている入力領域が他の入力領域に変化したことを振動によって報知する。
【0039】
第16の発明によれば、入力対象を識別できない態様で表示しても、振動により、指示している入力領域の変化を知ることができる。
【0042】
17の発明は、表示手段、操作手段、領域判断手段、決定手段、領域変更手段および選択手段を備える、情報処理システムである。表示手段は、複数の入力対象を表示する。操作手段には、複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定される。領域判断手段は、複数の入力領域のうち、操作手段によって指示された1つの入力領域を判断する。決定手段は、領域判断手段によって判断された1つの入力領域に対応する入力対象を決定する。領域変更手段は、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する。選択手段、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択する。さらに、表示手段は、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で複数の入力対象を表示する。また、領域変更手段は、選択手段によって第1モードが選択された場合に、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する。
【0043】
18の発明は、複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定された操作手段を備えるコンピュータによって実行される情報処理プログラムであって、コンピュータのプロセッサに、複数の入力対象を表示する表示ステップ、複数の入力領域のうち、操作手段によって指示された1つの入力領域を判断する領域判断ステップ、領域判断ステップにおいて判断した1つの入力領域に対応する入力対象を決定する決定ステップ、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する領域変更ステップ、および操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択する選択ステップを実行させる。また、表示ステップは、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で複数の入力対象を表示する。さらに、領域変更ステップは、選択ステップにおいて第1モードを選択した場合に、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する
【0044】
19の発明は、複数の入力対象にそれぞれ対応する複数の入力領域が設定された操作手段を備えるコンピュータの情報処理方法であって、(a)複数の入力対象を表示するステップ、(b)複数の入力領域のうち、操作手段によって指示された1つの入力領域を判断するステップ、(c)ステップ(b)において判断した1つの入力領域に対応する入力対象を決定するステップ、(d)現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大するステップ、および(e)操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない第1モードと、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できる第2モードを選択するステップを含む。また、ステップ(a)は、操作手段によって指示されている入力領域に対応する入力対象を識別できない態様で複数の入力対象を表示する。さらに、ステップ(d)は、ステップ(e)において第1モードを選択した場合に、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大する。
【0045】
17-第19の発明においても、第1の発明と同様に、入力される内容が画面から把握され難くすることができる。また、入力される内容が画面に表示されない態様において誤入力を低減することができる。
また、第17-第19の発明においても、第1の発明と同様に、入力対象を識別できない第1モードが選択された場合に、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大するので、入力対象を識別できなくても、誤入力を低減することができる。
【発明の効果】
【0046】
この発明によれば、指示された入力領域に対応する入力対象を識別出来ない態様で複数の入力対象を表示するので、入力される内容が画面から把握され難くすることができる。また、現在入力すべき入力対象に対応する入力領域を拡大するので、その入力領域を指示し易くすることができる。したがって、入力される内容が画面に表示されない態様において誤入力を低減することができる。
【0047】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1はゲームシステムの限定しない一例の外観図である。
図2図2図1に示すゲーム装置の電気的な構成の限定しない一例を示すブロック図である。
図3図3図1に示す入力装置の電気的な構成の限定しない一例を示すブロック図である。
図4図4は入力画面の限定しない一例を示す図である。
図5図5は入力画面の限定しない第2の例を示す図である。
図6図6は入力画面の限定しない第3の例を示す図である。
図7図7(A)は通常補正モードでアナログスティックに設定される複数の入力領域の限定しない一例を示す図であり、図7(B)は奇数補正モードでアナログスティックに設定される複数の入力領域の限定しない一例を示す図であり、図7(C)は偶数補正モードでアナログスティックに設定される複数の入力領域の限定しない一例を示す図であり、図7(D)は45度モードでアナログスティックに設定される複数の入力領域の限定しない一例を示す図である。
図8図8はアナログスティックの入力可能範囲の限定しない一例を説明するための図である。
図9図9は角度モードを45度モードに設定するかどうかを判断する方法を説明するための図である。
図10図10(A)は入力対象「1」に対応する入力領域を指示した状態を示す図であり、図10(B)は図10(A)に示す状態から入力対象「2」に対応する入力領域のうちの対象変化領域を指示した状態を示す図であり、図10(C)は図10(B)に示す状態から入力対象「1」に対応する入力領域を指示した状態を示す図であり、図10(D)は図10(B)に示す状態から入力対象「2」に対応する入力領域のうちの非対象変化領域を指示した状態を示す図である。
図11図11(A)は入力対象「1」に対応する入力領域を指示した状態を示す図であり、図11(B)は図11(A)に示す状態から入力対象「2」に対応する入力領域のうちの非対象変化領域を指示した状態を示す図であり、図11(C)は図11(B)に示す状態から入力対象「1」に対応する入力領域を指示した状態を示す図であり、図11(D)は図11(B)に示す状態から入力対象「3」に対応する入力領域を指示した状態を示す図である。
図12図12図2に示すRAMのメモリマップの限定しない一例を示す図である。
図13図13図12に示すデータ記憶領域の限定しない一例を示す図である。
図14図14図2に示すプロセッサの暗証番号入力処理の限定しない一例を示すフロー図である。
図15図15図2に示すプロセッサの領域更新処理の限定しない一例の一部を示すフロー図である。
図16図16図2に示すプロセッサの領域更新処理の他の一部であって、図15に後続するフロー図である。
図17図17図2に示すプロセッサの45度モード判断処理の限定しない一例の一部を示すフロー図である。
図18図18図2に示すプロセッサの45度モード判断処理の他の一部であって、図17に後続するフロー図である。
図19図19図2に示すプロセッサの角度モード更新処理の限定しない一例の一部を示すフロー図である。
図20図20図2に示すプロセッサの角度モード更新処理の他の一部であって、図19に後続するフロー図である。
図21図21図2に示すプロセッサの数字入力処理の限定しない一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、図面を参照して、実施例に係るゲームシステム10について説明する。ゲームシステム10は、情報処理システムの限定しない一例である。図1に示すように、ゲームシステム10は、据置型のゲーム装置12および可搬型の入力装置14を含む。また、ゲームシステム10は、テレビジョン受像器等に代表される据置型のディスプレイ装置(以下、「テレビ」と記載する)16を含み、接続ケーブルを介して、ゲーム装置12とテレビ16が接続される。このゲームシステム10は、入力装置14を用いたゲーム操作に基づいて、ゲーム装置12においてゲーム処理を実行し、ゲーム処理によって得られるゲーム画像をテレビ16および/または入力装置14に表示するものである。
【0050】
テレビ16は、ゲーム装置12において実行されるゲーム処理によって得られるゲーム画像を表示する。テレビ16はスピーカを有しており、スピーカは、上記ゲーム処理の結果得られるゲーム音声を出力する。
【0051】
なお、他の実施例では、ゲーム装置12と据置型の表示装置とは一体となっていてもよい。また、ゲーム装置12とテレビ16との通信は無線通信であってもよい。
【0052】
入力装置14は、少なくとも、ゲーム装置12との間でデータを送受信する。ユーザまたはプレイヤは、入力装置14を手に持って動かしたり、入力装置14を自由な位置に配置したりして使用することが可能である。入力装置14は、Aボタン56a、Bボタン56b、Xボタン56c、Yボタン56d、十字ボタン56eおよびアナログスティック58のような入力手段と、振動モータ62のような知覚手段または報知手段を備える。たとえば、入力装置14は、Bluetooth(登録商標)の技術を用いた無線通信によってゲーム装置12と通信可能である。入力装置14は、ゲーム装置12で生成された振動データをゲーム装置12から受信し、受信した振動データに基づいて振動モータ62を振動させる。また、入力装置14は、自機に対して行われた操作の内容を表す操作データをゲーム装置12に送信する。
【0053】
図2は、図1に示すゲーム装置12の電気的な構成の限定しない一例を示すブロック図である。図2に示すように、ゲーム装置12はプロセッサ20を含み、プロセッサ20は、RAM22、フラッシュメモリ24、通信モジュール26、操作ボタン群28およびAV端子30に接続される。
【0054】
プロセッサ20は、ゲーム装置12の全体制御を司る。具体的には、プロセッサ20は、CPUおよびGPUの機能を内蔵したSoC(System on a Chip)である。RAM22は、揮発性記憶媒体であり、プロセッサ20のワークメモリやバッファメモリとして使用される。フラッシュメモリ24は、不揮発性記憶媒体であり、ゲームのようなアプリケーションのプログラムを記憶したり、各種のデータを記憶したりするために使用される。たとえば、アプリケーションのプログラムすなわち情報処理プログラムは、フラッシュメモリ24から読み出され、RAM22に記憶される。ゲーム装置12は、RAM22に記憶された情報処理プログラムを実行することによってゲーム処理などのアプリケーションの処理すなわち情報処理を実行する。つまり、ゲーム装置12は、情報処理装置として機能する。
【0055】
なお、ゲーム装置12に装着可能なSDカード、メモリスティックまたは光学ディスクのような外部メモリからアプリケーションのプログラムを読み出し、RAM22に記憶するようにしてもよい。また、ゲーム装置12は、通信可能に接続された外部のコンピュータからアプリケーションのプログラムをダウンロードし、RAM22に記憶するようにしてもよい。ただし、アプリケーションのプログラムの一部をフラッシュメモリ24に記憶しておき、他の一部を光ディスクまたは外部のコンピュータから取得するようにしてもよい。これらについては、いずれか1つの方法または2つ以上の方法が採用される。
【0056】
ただし、アプリケーションは、ゲームのアプリケーションに限定される必要は無く、ゲーム装置12が備える機能(以下、「本体機能」という)についてのアプリケーション、文書作成アプリケーション、電子メールアプリケーション、お絵描きアプリケーション、文字練習用アプリケーション、語学トレーニングアプリケーション、学習アプリケーションなどの様々なアプリケーションも実行可能である。
【0057】
通信モジュール26は、入力装置14と無線通信を行う。上述したように、この実施例では、Bluetooth(登録商標)の規格に従う通信方式が採用される。ただし、ゲーム装置12と入力装置14の通信方式は任意の方式を採用することができる。
【0058】
操作ボタン群28は、電源ボタンおよびリセットボタンなどを含む。AV端子30は、HDMI(登録商標)ケーブルのような接続ケーブルを用いて、テレビ16と接続するための端子である。
【0059】
なお、図2に示すゲーム装置12の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。他の実施例では、入力装置14はゲーム装置12に有線で接続されてもよい。
【0060】
図3に示すように、入力装置14は、制御部50を含み、制御部50は、通信モジュール52、メモリ54、操作ボタン群56、アナログスティック58およびモータドライバ60に接続される。また、モータドライバ60は、振動モータ62に接続される。
【0061】
制御部50は、たとえば、マイクロコンピュータで構成され、入力装置14の全体制御を行う。通信モジュール52は、ゲーム装置12と通信可能に接続するために設けられる。上述したように、ゲーム装置12に設けられる通信モジュール26は、Bluetooth(登録商標)の規格に従う無線通信方式を採用するため、通信モジュール52も、Bluetooth(登録商標)の規格に従う無線通信方式を採用する。したがって、入力装置14は、操作データを通信モジュール52から上記の無線通信方式に従ってゲーム装置12に送信する。また、制御部50は、ゲーム装置12からの振動データを通信モジュール52で受信し、取得する。
【0062】
メモリ54は、たとえば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置であり、ファームウェアおよび入力装置14の識別情報(以下、「コントローラID」という)を記憶する。制御部50は、メモリ54に記憶されるファームウェアを実行することによって各種の処理を実行する。また、制御部50は、入力装置14をゲーム装置12と無線通信可能に接続したとき、コントローラIDをゲーム装置12に通知する。詳細な説明は省略するが、振動データおよび操作データにコントローラIDが付加され、振動データを受信すべき入力装置14が識別されるとともに、操作データの送信元の入力装置14が識別される。
【0063】
操作ボタン群56およびアナログスティック58に対して行なわれた操作に関する情報(操作データ)は、所定周期で制御部50に繰り返し出力される。ただし、操作ボタン群56は、上述した各種の操作ボタン(56a-56e)に相当し、各種の操作ボタン(56a-56e)に対する入力状況(押下されたか否か)を表す操作データを制御部50に出力する。アナログスティック58は、スティック部が傾倒(またはスライド)された方向および傾倒(またはスライド)された量を表す操作データを制御部50に出力する。以下、この実施例では、スティック部を傾倒する方向を説明する場合には、入力装置14の操作ボタン(56a-56e)およびアナログスティック58が設けられた面を正面から見た場合の上下左右および斜めの各方向を用いることにする。
【0064】
モータドライバ60は、制御部50の指示の下、振動モータ62の動作を制御する。この実施例では、制御部50は、ゲーム装置12から振動データを受信(取得)すると、取得した振動データをモータドライバ60に出力する。モータドライバ60は、制御部50から取得した振動データから振動モータ62を振動させるための駆動信号を生成し、生成した駆動信号を振動モータ62に与える。このため、振動モータ62は、ゲーム装置12からの振動データに従って動作する。
【0065】
このようなゲーム装置12は、1日にゲームをプレイする時間を制限する機能を備えており、たとえば、お子さまがゲームをプレイする時間を保護者が管理することができる。また、保護者がゲームをプレイする場合には、一時的に制限を解除することが可能である。この場合、暗証番号の入力が要求される。
【0066】
なお、詳細な説明は省略するが、ゲーム装置12は、電源がオンされると、ゲームの全体的な処理が開始され、本体機能を含むアプリケーションの実行および各種の設定を行うことを選択可能なホーム画面がテレビ16に表示される。このホーム画面において、ゲームをプレイする時間を制限する機能を設定することが選択される。また、ホーム画面において、一時的に制限を解除することも選択される。
【0067】
図4は、テレビ16に表示される入力画面100の限定しない一例を示す図である。入力画面100は、暗証番号を入力するための画面であって、入力した暗証番号を表示可能な領域102を有している。ただし、図4には、暗証番号が入力される前の初期の入力画面100すなわち初期画面が示される。領域102の下方には、入力した内容を見るかどうかを設定するためのチェックボックス104が設けられる。また、チェックボックス104の下方には、暗証番号を入力するための操作方法を示す指示画像106、108および110が表示される。
【0068】
領域102には、入力された暗証番号または暗証番号に変えた所定の文字が表示される。暗証番号を表示するか、暗証番号に変えた所定の文字(たとえば、「○」)を表示するかは、チェックボックス104にチェックを入れるかどうかで変更することができる。この実施例では、暗証番号は先頭の桁(左端の桁)から順に入力される。
【0069】
指示画像106および指示画像108は、数字を入力する方法を示す画像である。指示画像106は、Aボタン56a、Bボタン56b、Xボタン56cおよびYボタン56dに対応する画像であり、指示画像108はアナログスティック58に対応する画像である。また、指示画像106のうち、Xボタン56cおよびYボタン56dに対応する画像には、Xボタン56cおよびYボタン56dを押下することにより入力される数字が記載される。さらに、アナログスティック58に対応する指示画像108には、アナログスティック58を用いて入力される数字がスティック部を傾倒させる方向を示す三角形の画像とともに記載される。
【0070】
具体的には、指示画像106および指示画像108では、操作ボタン(56a-56d)およびアナログスティック58を操作した場合に入力される対象(以下、単に「入力対象」という)である数字が表示される。この実施例では、Xボタン56cに対応して「0」が割り当てられて、Yボタン56dに対応して「9」が割り当てられる。また、アナログスティック58では、スティック部の上方向に対応して「1」が割り当てられ、右斜め上方向に対応して「2」が割り当てられ、右方向に対応して「3」が割り当てられ、右斜め下方向に対応して「4」が割り当てられ、下方向に対応して「5」が割り当てられ、左斜め下方向に対応して「6」が割り当てられ、左方向に対応して「7」が割り当てられ、そして、左斜め上方向に対応して「8」が割り当てられる(図7(A)-図7(D)参照)。
【0071】
したがって、Xボタン56cが押下されると、「0」を入力することができ、Yボタン56dが押下されると、「9」を入力することができる。また、アナログスティック58では、スティック部が上方向に傾倒されると、「1」を入力することができ、右斜め上方向に傾倒されると、「2」を入力することができ、右方向に傾倒されると、「3」を入力することができ、右斜め下方向に傾倒されると、「4」を入力することができ、下方向に傾倒されると、「5」を入力することができ、左斜め下方向に傾倒されると、「6」を入力することができ、左方向に傾倒されると、「7」を入力することができ、そして、左斜め上方向に傾倒されると、「8」を入力することができる。
【0072】
また、指示画像110は、指示画像106の右方に表示され、数字の消去を指示する方法を示す画像である。指示画像110は、Bボタン56bを押下することにより、直前に入力された数字を消去することを指示することを示す。ただし、連続してBボタン56bが押下されると、押下される毎に入力された順序とは逆の順序で数字が消去される。
【0073】
アナログスティック58を用いて数字を入力する場合には、ユーザは、スティック部を傾倒していない状態から、入力すべき数字が対応付けられた方向にスティック部を傾倒し、所望の数字に対応して設定されている入力領域200を指示した後に、スティック部を傾倒していない状態(以下、「元の状態」という)に戻す。すると、指示された入力領域200に割り当てられた数字を入力することができる。以下、スティック部によって指示された入力領域200を「指示領域」と呼ぶことがある。
【0074】
このようにして、先頭の桁から順に数字が入力される。すべての桁の数字(この実施例では、4桁の数字)が入力されると、つまり、暗証番号が入力されたことが判断されると、暗証番号の認証処理が自動的に実行される。ただし、ユーザは、入力すべき数字が対応付けられた方向とは異なる方向にスティック部を傾倒した場合には、スティック部を傾倒した状態で周方向に回転させることにより、入力すべき数字が対応付けられた方向に修正することもできる。また、暗証番号の認証処理は、所定の操作ボタン(たとえば、Aボタン56a)が押下されることに応じて実行されてもよい。
【0075】
なお、アナログスティック58に設定される複数の入力領域200(この実施例では、8個の入力領域200)については後で詳細に説明することにする。
【0076】
ただし、スティック部を傾倒させ、元の状態に戻す操作を行うときに、手振れなどに起因して、所望の数字に対応して設定された入力領域200に隣接する他の入力領域200を指示してしまうことがある。したがって、この実施例では、同じ入力領域200を指示している時間が所定時間以上である場合に、当該入力領域200に割り当てられた数字を入力可能な状態に設定するようにしてある。このため、誤入力が低減される。たとえば、所定時間は4フレームである。また、フレームは、画面更新単位時間であり、たとえば、1/60秒である。ただし、入力可能な状態(以下、「入力可能状態」という)とは、スティック部を元の状態に戻したと仮定した場合に、入力される数字として決定される状態を意味する。後述するように、現在の入力可能状態はスティック部を元に戻したときに、原点Oに設定されるため、原点Oに設定される前の入力可能状態の数字が現在入力すべき桁に入力される。
【0077】
また、この実施例では、入力可能状態の数字が設定または変更されたときに、振動モータ62が駆動される。ただし、入力可能状態の数字が設定または変更されるのは、スティック部を傾倒していない状態からスティック部を傾倒することによっていずれかの入力領域200を指示したときと、スティック部を傾倒させた状態で回転させた場合に指示する入力領域200が変更されたときと、スティック部を元に戻したときである。
【0078】
また、この実施例において、スティック部を傾倒させた状態で回転させる操作は、スティック部を傾倒させた状態で、スティック部の頭の部分(以下、「操作部」という)が時計回りまたは反時計回りの周方向に移動されるように操作することを意味する。つまり、スティック部の操作部が一方向にのみ移動される操作には限定されない。
【0079】
詳細な説明は省略するが、入力画面100において、入力された内容を見せる場合には、現在入力すべき桁に数字が入力される前では、領域102において、入力可能状態の数字が現在入力すべき桁に表示され、指示画像106または指示画像108において、入力可能状態の数字が識別可能に表示される(図6参照)。
【0080】
この実施例では、図5に示すように、チェックボックス104にチェックを入れていない場合には、入力された暗証番号を見せないため、数字に変えて所定の文字が領域102に表示される。この場合、数字が入力されても、指示画像106および指示画像108において数字が識別可能に表示されることはない。このように、入力された暗証番号を見せない場合の表示モードを第1モードということがある。
【0081】
一方、図6に示すように、チェックボックス104にチェックを入れた場合に、入力された暗証番号が領域102に表示される。この場合、指示画像106および指示画像108においても、入力可能状態の数字または今回入力された数字が識別可能に表示される。この実施例では、指示画像106および指示画像108において、入力可能状態の数字または今回入力された数字が強調して表示される。たとえば、数字の背景として、数字とは異なる色で塗り潰された円の画像120が表示される。これは一例であり、数字自体の色が変化されたり、数字が点滅表示されたり、数字の大きさが大きくされたりしてもよい。図示は省略するが、Xボタン56cまたはYボタン56dが押下された場合も同様である。このように、入力された暗証番号を見せる場合の表示モードを第2モードということがある。
【0082】
なお、この実施例では、チェックボックス104にチェックを入れた場合には、領域102に入力された数字を表示するとともに、指示画像106および指示画像108において今回入力された数字を強調して表示するようにしてあるが、これらは別個独立に設定できるようにしてもよい。
【0083】
また、図4図6に示したように、数字を入力する前においては、領域102では、各桁に横棒の記号が表示される。
【0084】
上述したように、4桁の数字が入力されると、暗証番号の認証処理が実行される。暗証番号は予め設定されており、認証処理では、予め設定されている暗証番号と入力された暗証番号が一致するかどうかが判断される。認証に成功すると、プレイする時間の制限を一時的に解除することができる。認証に失敗すると、プレイする時間の制限を一時的に解除することができず、その旨を示すメッセージが入力画面100に変えて、または、入力画面100の前面に表示される。
【0085】
図7(A)は通常補正モードにおいてアナログスティック58に対して設定される複数の入力領域200を示す図であり、図7(B)は奇数補正モードにおいてアナログスティック58に対して設定される複数の入力領域200を示す図であり、図7(C)は偶数補正モードにおいてアナログスティック58に対して設定される複数の入力領域200を示す図であり、図7(D)は45度モードにおいてアナログスティック58に対して設定される複数の入力領域200を示す図である。
【0086】
アナログスティック58に対して設定される8個の入力領域200の各々の大きさすなわち周方向の幅は、表示モード、入力すべき数字(またはスティック部を傾倒する方向)およびスティック部を傾倒させた状態で回転させているかどうかに応じて変更される。8個の入力領域200の大きさは、上記のように、通常補正モード、奇数補正モード、偶数補正モードおよび45度モードのいずれかのモード(以下、「角度モード」という)で設定される。
【0087】
ただし、図7(A)-図7(D)において、入力領域200の大きさの尺度を示す角度は、入力領域200の周方向の幅を規定する線分をリングの中心に向けて延ばして扇形を形成した場合の中心角である。以下、入力領域200の大きさを、角度を用いて説明する場合について同様である。
【0088】
図7(A)に示すように、この実施例の通常補正モードでは、数字の「2」、「4」、「6」および「8」が割り当てられた斜め方向の各入力領域200の中心角が60度に設定され、数字の「1」、「3」、「5」および「7」が割り当てられた上下方向および左右方向の各入力領域200の中心角が30度に設定される。
【0089】
図7(B)に示すように、奇数補正モードでは、通常補正モードにおいて、奇数が割り当てられた入力領域200が大きくされ、偶数が割り当てられた入力領域200が小さくされる。この実施例では、奇数が割り当てられた入力領域200の角度が60度に設定され、偶数が割り当てられた入力領域200の角度が30度に設定される。これは、奇数を入力し易くするためである。逆に言うと、偶数を入力し難くするためである。つまり、誤入力が低減される。
【0090】
図7(C)に示すように、偶数補正モードでは、通常補正モードにおいて、偶数が割り当てられた入力領域200が大きくされ、奇数が割り当てられた入力領域200が小さくされる。この実施例では、偶数が割り当てられた入力領域200の角度が70度に設定され、奇数が割り当てられた入力領域200の角度が20度に設定される。これは、通常補正モードの場合よりも、偶数をさらに入力し易くするためである。逆に言うと、奇数を入力し難くするためである。つまり、誤入力が低減される。
【0091】
図7(D)に示すように、45度モードでは、8個の入力領域200が均等な大きさに設定される。つまり、8個の入力領域200のそれぞれの角度が45度に設定される。
【0092】
上述したように、アナログスティック58にはスティック部の傾倒方向に対して入力可能な数字が割り当てられており、スティック部の傾倒方向を検出するための入力領域200が各数字に対応して設けられる。つまり、8個の入力領域200の各々には、入力対象である数字がそれぞれ割り当てられる。この実施例では、図7(A)-図7(D)に示すように、8つの入力領域200がリング状に並んで配置される。また、各入力領域200は、リングの一部を構成する帯状の形状に設定される。
【0093】
スティック部を傾倒させる方向に応じた操作の難易度を考慮しない場合には、8個の入力領域200を均等な大きさでアナログスティック58に設定するのが通常であり、かかる場合には、図7(D)に示すように角度モードは45度モードに設定される。
【0094】
しかしながら、上下(縦)方向および左右(横)方向にスティック部を傾倒する場合に比べて、斜め方向にスティック部を傾倒する場合の方が難しい。また、入力画面100において、入力された数字を識別可能に表示しない場合には、誤入力したことを知るのが困難である。
【0095】
したがって、この実施例では、ゲーム装置12は、表示モードが第2モードである場合には、角度モードを通常補正モードに設定し、表示モードが第1モードである場合には、さらに、入力すべき数字(以下、「正解の数字」という)が奇数であるか偶数であるかに応じて、角度モードを奇数補正モードまたは偶数補正モードに設定することにより、上記の困難性に起因する誤入力を低減するようにしてある。
【0096】
このように、表示モードが第1モードに設定されている場合には、正解の数字が奇数か偶数かに応じて角度モードが設定される。図7(B)および図7(C)からも分かるように、奇数補正モードでは奇数が割り当てられた入力領域200がすべて大きくされ、偶数補正モードでは偶数が割り当てられた入力領域200がすべて大きくされる。つまり、正解の数字が割り当てられた入力領域200と、正解の数字と同じ偶数または奇数が割り当てられた一部の入力領域200が大きくされる。また、8個の入力領域200では、奇数と偶数が交互に割り当てられているため、正解の数字が割り当てられた入力領域200と、この入力領域200とは隣接しない入力領域200が大きくされるということもできる。
【0097】
なお、この実施例では、正解の数字が割り当てられた入力領域200のみならず、正解の数字と同じ偶数または奇数が割り当てられた他の一部の入力領域200が大きくされるようにしてあるが、これは正解の数字を予測され難くするためである。したがって、正解の数字が「9」または「0」である場合にも、奇数補正モードまたは偶数補正モードが設定される。
【0098】
また、正解の数字が割り当てられた入力領域200のみが大きくされ、この入力領域200に隣接する2つの入力領域200が小さくされるようにしてもよい。ただし、正解の数字が割り当てられた入力領域200の周方向の幅が一方向にのみ大きくされるようにする場合には、入力領域200が大きくされる側で隣接する1つの入力領域200が小さくされる。つまり、不正解の数字が割り当てられた入力領域200の少なくとも1つが縮小されるため、不正解の数字を入力され難くすることができる。
【0099】
また、暗証番号を入力する場合においては、予め暗証番号が設定されているため、暗証番号の各桁の数字を知ることができる。したがって、第1モードで入力した内容を見せないでユーザが暗証番号を入力する場合には、入力される桁毎の正解の数字を予め設定された暗証番号(以下、「正解の暗証番号」ということがある)から知得し、知得した正解の数字に応じて奇数補正モードまたは偶数補正モードが設定される。
【0100】
さらに、角度モードとして45度モードを設けるのは、表示モードが第1モードである場合に、正解の数字に応じて角度モードを奇数補正モードまたは偶数補正モードに設定するため、スティック部を傾倒した状態で周方向に回転させる(以下、単に「スティック部を回転させる」という)と、振動を知覚する間隔によって、入力領域200の大きさの違いを知ることができるからである。つまり、正解の数字を第三者に知られる可能性があるからである。
【0101】
したがって、この実施例では、通常補正モード、奇数補正モードまたは偶数補正モードが設定されている場合に、スティック部を回転させる操作を検出すると、角度モードを45度モードに設定して、振動によって正解の数字が第三者に知られるのを防止してある。
【0102】
ただし、通常補正モード、奇数補正モードまたは偶数補正モードから45度モードに変更された場合に、入力領域200が変更されたことに応じて入力可能状態の数字が変化すると、振動が発生し、通常補正モードにおいては、さらに領域102において現在入力すべき桁に表示される数字および指示画像106または指示画像108において強調表示される数字が変化されるため、ユーザは違和感を覚える可能性がある。したがって、このような不都合を回避する必要もある。
【0103】
なお、詳細な説明は省略するが、ユーザが暗証番号を設定するときには、表示モードに拘わらず、1回目の入力時に、通常補正モードが設定され、設定する暗証番号を確認するための2回目の入力時に、表示モードが第1モードに設定されている場合には、後述するように、正解の数字に対応して、奇数補正モードまたは偶数補正モードが設定される。ただし、表示モードが第2モードに設定されている場合には、2回目の入力時にも、通常補正モードが設定される。
【0104】
図8はアナログスティック58を用いた入力可能範囲を示す図である。アナログスティック58は、任意の方向に傾倒することが可能であり、傾倒した状態で回転すなわち任意の方向に変更することが可能である。したがって、入力可能範囲は、円で示される。この実施例では、円の中心が原点O(0,0)に設定され、円の半径rは1に設定される。スティック部によって、入力可能範囲内の点が指示される。以下、スティック部によって指示される点の座標を「スティック座標」という。スティック部が傾倒されていない場合には、スティック部は入力可能範囲の中心の点を指示する。つまり、原点Oが指示される。スティック部が傾倒されていない状態から傾倒される場合には、スティック部によって指示される点は、スティック部が傾倒されるに従って原点Oから離れるように変化される。逆に、スティック部が傾倒された状態から元の状態に戻される場合には、スティック部によって指示される点は、スティック部が傾倒された状態から元の状態に戻されるに従って原点Oに近づくように変化される。スティック部が傾倒されている場合には、スティック座標は、スティック部が傾倒された方向と傾倒された量に基づいて算出される。
【0105】
図7(A)-図7(D)に示したように、各角度モードでは、複数の入力領域200がリング状に並べて配置される。この実施例では、各入力領域200の径方向の幅は、アナログスティック58の入力可能範囲において、半径rが0.9以上1以下の範囲に設定される。したがって、スティック部が傾倒されることにより、スティック座標がリング状に並べられた複数の入力領域200のいずれかに含まれる場合に、スティック座標が含まれる1つの入力領域200が指示領域として判断される。また、複数の入力領域200で囲まれる範囲においては、スティック部を傾倒させないことにより、または、スティック部を傾倒させた状態から元の状態に戻すことにより、原点Oだけを指示することができる。このように各入力領域200の径方向の幅を設定するのは、ユーザがスティック部に触れた場合およびスティック部を元の状態に戻す場合に、ユーザが意図しない数字が入力されてしまうのを出来る限り防止するためである。つまり、誤入力が低減される。
【0106】
図9は偶数補正モードが設定された場合の8個の入力領域200に、45度モードが設定された場合の8個の入力領域200を重ねて記載してある。以下、偶数補正モードから45度モードに変更される場合について説明するが、奇数補正モードから45度モードに変更される場合にも、同様である。
【0107】
なお、図9では、偶数補正モードが設定された場合の8個の入力領域200に、45度モードが設定された場合の8個の入力領域200を重ねて記載してあるため、各入力領域200についての参照符号は省略してある。このことは、後述する図10(A)-図10(D)および図11(A)-図11(D)についても同じである。
【0108】
図9においては、45度モードでは、入力領域200の周方向の幅を規定する線分を点線で示してある。斜線を付した領域が指示されている場合には、偶数補正モードから45度モードに変更された場合に、角度モードが変更される前後で指示される入力領域200が変化し、このため、入力される数字が変化する。つまり、角度モードが変更される前後で、入力可能状態の数字が変化する。以下、入力領域200のうち、45度モードに変更されたと仮定した場合に、入力される数字が変化する領域を「対象変化領域」と呼ぶことにする。
【0109】
たとえば、図9に示す場合において、アナログスティック58のスティック部を傾倒した状態で右回りに回転させていると仮定すると、「1」が割り当てられた入力領域200から「2」が割り当てられた入力領域200に指示領域が変化したときに、45度モードに変更してしまうと、「2」の入力領域200内の対象変化領域を指示している場合には、入力領域200の大きさが変更されることにより、入力される数字が「2」から「1」に変化する。
【0110】
一方、斜線を付していない領域が指示されている場合には、偶数補正モードから45度モードに変更された場合であっても、角度モードが変更される前後で指示する入力領域200が変更されず、入力される数字は変化しない。入力領域200のうち、45度モードに変更されたと仮定した場合に、入力される数字が変化しない領域を「非対象変化領域」と呼ぶことにする。
【0111】
したがって、この実施例では、偶数補正モードから45度モードに変更される場合には、スティック部が傾倒された状態で周方向に回転される操作を検出することのみならず、45度モードに変更されたことによって入力可能状態の数字が変化されないようにしてある。
【0112】
具体的には、角度モードが奇数補正モードまたは偶数補正モードから45度モードに変更される条件として第1条件および第2条件が設けられる。
【0113】
第1条件は、現在の指示領域と45度モードに変更されたと仮定した場合の指示領域が異なること、すなわち、現在の指示領域が対象変化領域であること、または、領域変化回数が2以上であることである。第2条件は、現在の指示領域と45度モードに変更されたと仮定した場合の指示領域が同じであることである。つまり、第2条件を満たす場合には、現在の指示領域が、対象変化領域を有していない入力領域200、または、入力領域200のうちの非対象変化領域である。第1条件および第2条件の両方を満たした場合に、角度モードが奇数補正モードまたは偶数補正モードから45度モードに変更される。ただし、領域変化回数は、現在(現フレーム)の指示領域と前回(1フレーム前)の指示領域とが異なる場合に1加算される。また、この実施例では、現在の桁に入力する数字を決定することなく、領域変化回数が5回以上になった場合には、ユーザがスティック部を傾倒した状態で周方向に回転させていると判断し、この場合には、指示領域の変化に応じて入力可能状態の数字が変化される。つまり、現在の指示領域に割り当てられた数字が現在の入力可能状態の数字に設定される。つまり、ユーザが入力領域200を指示する操作に対して遅延無しに入力可能状態の数字が設定される。
【0114】
図10(A)-図10(D)は、偶数補正モードから45度モードに変更されることが判断される場合の限定しない一例を示す。また、図11(A)-図11(D)は、偶数補正モードから45度モードに変更されることが判断される場合の限定しない他の例を示す。
【0115】
図10(A)-図11(D)において、矢印はスティック部を傾倒または回転させた方向を示し、矢印の長さはスティック部を傾倒または回転させたときのスティック座標の直線的な変化量を示す。
【0116】
図10(A)は、スティック部が傾倒されていない状態から上向きに傾倒され、「1」が割り当てられた入力領域200を指示している状態を示す。この場合、第1条件および第2条件のいずれも満たしていない。続いて、図10(A)に示す状態において、ユーザがスティック部を右方向に回転させ、図10(B)に示す状態に変化されると、「2」が割り当てられた入力領域200のうち、対象変化領域が指示される。このとき、第1条件が満たされる。ただし、第2条件は満たされていない。
【0117】
図10(B)に示す状態において、ユーザがスティック部を左方向に回転させ、図10(C)に示す状態に変化されると、「1」が割り当てられた入力領域200が指示される。このとき、第2条件が満たされる。したがって、角度モードが45度モードに変更されることが判断される。
【0118】
また、図10(B)に示す状態において、ユーザがスティック部を右方向にさらに回転させ、図10(D)に示す状態に変化されると、「2」が割り当てられた入力領域200のうち、非対象変化領域が指示される。このときにも、第2条件が満たされる。したがって、角度モードが45度モードに変化されることが判断される。
【0119】
図示は省略するが、スティック部が傾倒されていない状態から上向きに傾倒され、「2」が割り当てられた入力領域200のうち、対象変化領域が指示された場合には、この時点で、第1条件が満たされる。その後、上述したように、図10(B)に示した状態から、図10(C)または図10(D)に示した状態に変化されると、第2条件が満たされ、角度モードが45度モードに変更されることが判断される。
【0120】
また、図11(A)は、スティック部が傾倒されていない状態から上向きに傾倒され、「1」が割り当てられた入力領域200を指示している状態を示す。この場合、第1条件および第2条件のいずれも満たしていない。続いて、図11(A)に示す状態において、ユーザがスティック部を右方向に回転させ、図11(B)に示す状態に変化されると、「2」が割り当てられた入力領域200のうち、非対象変化領域が指示される。この時点においても、第1条件および第2条件のいずれも満たしていない。
【0121】
図11(B)に示す状態において、ユーザがスティック部を左方向に回転させ、図11(C)に示す状態に変化されると、「1」が割り当てられた入力領域200が指示される。このとき、領域変化回数が2であり、第1条件が満たされる。また、「1」が割り当てられた入力領域200が指示されるため、第2条件も満たされる。したがって、角度モードが45度モードに変更されることが判断される。
【0122】
また、図11(B)に示す状態において、ユーザがスティック部を右方向にさらに回転させ、図11(D)に示す状態に変化されると、「3」が割り当てられた入力領域200が指示される。このとき、領域変化回数が2であり、第1条件が満たされる。また、「3」が割り当てられた入力領域200が指示されるため、第2条件も満たされる。したがって、角度モードが45度モードに変更されることが判断される。
【0123】
図12は、図2に示したゲーム装置12のRAM22のメモリマップ300の一例を示す。図12に示すように、RAM22は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、暗証番号入力プログラム302eを含む情報処理プログラムが記憶される。たとえば、情報処理プログラムは、ゲーム装置12に電源が投入された後の適宜のタイミングで、フラッシュメモリ24からその一部または全部が読み込まれてRAM22に記憶される。
【0124】
図12に示すように、RAM22には、メイン処理プログラム302a、画像生成プログラム302b、画像表示プログラム302c、操作検出プログラム302d、暗証番号入力プログラム302e、領域更新プログラム302f、45度モード判断プログラム302g、角度モード更新プログラム302hおよび数字入力プログラム302iなどが記憶される。
【0125】
メイン処理プログラム302aは、ゲーム装置12のメインルーチンの処理を実行するためのプログラムである。画像生成プログラム302bは、後述する画像生成データ304bを用いて、入力画面100などの各種の画面に対応する画像データを生成するためのプログラムである。画像表示プログラム302cは、画像生成プログラム302bに従って生成した画像データをAV端子30および接続ケーブルを介してテレビ16に出力するためのプログラムである。したがって、画像データに対応する画面がテレビ16に表示される。
【0126】
操作検出プログラム302dは、入力装置14から入力または送信される操作データを検出するためのプログラムである。暗証番号入力プログラム302eは、暗証番号を入力するためのプログラムである。領域更新プログラム302fは、指示領域を更新するためのプログラムである。45度モード判断プログラム302gは、角度モードを45度モードに設定するかどうかを判断するためのプログラムである。
【0127】
角度モード更新プログラム302hは、角度モードを、通常補正モード、奇数補正モード、偶数補正モードおよび45度モードのいずれかに設定するためのプログラムである。数字入力プログラム302iは、暗証番号の各桁の数字を入力するためのプログラムである。
【0128】
なお、プログラム記憶領域302には、音出力プログラム、通信プログラムおよびバックアッププログラムなども記憶される。
【0129】
図13図12に示したデータ記憶領域304の具体的な内容の一例を示す図である。
【0130】
データ記憶領域304には、操作データ304a、画像生成データ304b、入力領域データ304c、45度モードデータ304d、現在スティック座標データ304e、前回スティック座標データ304f、指示領域データ304g、現在状態データ304h、前回状態データ304i、領域変化回数データ304j、正解データ304kおよび入力数字データ304mなどが記憶される。また、データ記憶領域304には、表示モード選択フラグ304n、第1条件フラグ304pおよび第2条件フラグ304qなどが設けられる。
【0131】
操作データ304aは、入力装置14に対するユーザの操作を表すデータであり、上述したように、入力装置14から送信されてゲーム装置12において取得され、RAM22に記憶される。また、プロセッサ20の処理に用いられた操作データ304aは、RAM22から消去される。
【0132】
画像生成データ304bは、ポリゴンデータおよびテクスチャデータなど、画像データを生成するために必要なデータである。入力領域データ304cは、通常補正モード、奇数補正モード、偶数補正モードおよび45度モードの各角度モードにおいて、アナログスティック58に設定される複数の入力領域200の各々を識別可能なデータである。ただし、複数の入力領域200の各々を識別可能なデータは、各入力領域200を規定する座標のデータである。たとえば、各入力領域200を規定する座標のデータは、各入力領域200に含まれる全ての点に対応する座標群のデータまたは各入力領域200を極座標を用いて指定したデータである。このことは、45度モードデータ304dについても同じである。
【0133】
45度モードデータ304dは、45度モードにおいて、アナログスティック58に設定される複数の入力領域200の各々を識別可能なデータであり、スティック部が回転されているかどうかを判断する場合に、入力領域データ304cとは別に設定される。したがって、現在の角度モードが45度モードである場合には、45度モードデータ304dはデータ記憶領域304に記憶されない。
【0134】
現在スティック座標データ304eは、現フレームのスティック座標のデータである。スティック座標は、入力装置14から送信されるスティック部が傾倒された方向および傾倒された量についての操作データ304aに基づいて算出される。ただし、原点Oの座標を示す操作データ304aが検出された場合には、スティック座標を算出する必要はない。
前回スティック座標データ304fは、前フレームのスティック座標のデータである。ただし、前フレームは現フレームの1つ手前のフレームを意味する。指示領域データ304gは、現フレームまでの連続する複数のフレーム(この実施例では、5フレーム)の各々についての指示領域を示すデータである。
【0135】
現在状態データ304hは、現フレームの入力可能状態の数字(以下、「状態情報」ということがある)についてのデータである。前回状態データ304iは、現フレームの入力可能状態の数字が設定または変化される直前の入力可能状態の数字についてのデータである。領域変化回数データ304jは、指示領域が変化した回数についてのデータである。
【0136】
正解データ304kは、予め設定されている暗証番号についての数値データである。入力数字データ304mは、入力された暗証番号についての数値データである。先頭の桁から数字が入力されるため、入力されていない桁についてはnullデータが記憶される。
【0137】
表示モード選択フラグ304nは、表示モードとして、入力される内容を見せない第1モードまたは入力される内容を見せる第2モードが選択されているかを判断するためのフラグである。この表示モード選択フラグ304nは、第1モードが選択されている場合にオンされ、第2モードが選択されている場合にオフされる。
【0138】
第1条件フラグ304pは、第1条件を満たしているかどうかを判断するためのフラグである。この第1条件フラグ304pは、第1条件を満たしている場合にオンされ、第1条件を満たしていない場合にオフされる。
【0139】
第2条件フラグ304qは、第2条件を満たしているかどうかを判断するためのフラグである。この第2条件フラグ304qは、第2条件を満たしている場合にオンされ、第2条件を満たしていない場合にオフされる。
【0140】
図示は省略するが、データ記憶領域304には、暗証番号入力処理の実行に必要な他のデータが記憶されたり、暗証番号入力処理の実行に必要な、他のフラグおよびカウンタ(タイマ)が設けられたりする。
【0141】
図14は、図2に示したゲーム装置12に設けられるプロセッサ20の暗証番号入力処理の限定しない一例を示すフロー図である。なお、図14(後述する図15図21についても同様)に示すフロー図の各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、この実施例では、基本的には、図14-図21に示すフロー図の各ステップの処理をプロセッサ20が実行するものとして説明するが、プロセッサ20以外のプロセッサや専用回路が一部のステップを実行するようにしてもよい。
【0142】
ゲーム装置12の電源が投入されると、全体処理の実行に先だって、プロセッサ20は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってRAM22等の各ユニットが初期化される。ゲーム装置12は、ユーザによって、本体機能として備える所定の機能を解除または実行するメニューが選択されると、所定の機能を解除または実行するための暗証番号を入力する処理(以下、「暗証番号入力処理」という)を開始する。
【0143】
なお、所定の機能は、上述したように、ゲームをプレイする時間を制限する機能であり、他の例では、プレイするゲームの年齢を制限する機能、アプリケーションをダウンロードする機能、アプリケーションを含むコンテンツを購入する機能などが該当する。
【0144】
図14に示すように、プロセッサ20は、暗証番号入力処理を開始すると、ステップS1で、図4に示したような入力画面100の初期画面をテレビ16に表示する。
【0145】
なお、図示は省略するが、暗証番号入力処理を開始すると、プロセッサ20は、ステップS1の処理を実行する前に、初期処理を実行する。初期処理は、暗証番号入力処理で用いる各種の変数に初期値を設定する処理などを含む。詳細については後述するが、各種の変数は、D0、D1、D2、D3、D4、A0、A1およびCであり、これらの変数の初期値はいずれも「0」である。
【0146】
また、図示は省略するが、プロセッサ20は、暗証番号入力処理と並行して、入力装置14から送信される操作データ304aを検出し、検出した操作データ304aを時系列に従ってデータ記憶領域304に記憶する処理である操作検出処理を実行する。したがって、スティック部が傾倒されていない場合には、原点Oの座標を示す操作データ304aが検出され、スティック部が傾倒されると、傾倒された方向および傾倒された量を示す操作データ304aが検出される。
【0147】
続いて、プロセッサ20は、ステップS3で、スティック座標が原点Oの座標以外であるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、現フレームの操作データ304aを参照し、操作データ304aが示す現フレームのスティック座標が原点O以外であるかどうかを判断する。なお、アナログスティック58がいずれかの方向に傾倒されている場合には、スティック座標は原点Oの座標以外となる。
【0148】
ステップS3で“NO”であれば、つまり、スティック座標が原点Oの座標であれば、ステップS5で、その他の処理を実行して、ステップS17に進む。その他の処理は、ユーザが入力画面100においてチェックボックス104をチェックした場合およびチェックボックス104のチェックを外した場合に実行されるモード選択処理、暗証番号の認証処理、Bボタン56b、Xボタン56cおよびYボタン56dが押下された場合に実行される処理を意味する。上述したように、4桁の数字が入力された場合には、暗証番号の認証処理が自動的に実行される。また、Bボタン56bが押下された場合には、現在までに入力されている暗証番号の最後の数字が消去される。Xボタン56cが押下された場合には、暗証番号の現在入力すべき桁に数字の「0」が入力される。Yボタン56dが押下された場合には、暗証番号の現在入力すべき桁に数字の「9」が入力される。
【0149】
ステップS3で“YES”であれば、つまり、スティック座標が原点Oの座標以外であれば、ステップS7で、スティック座標を更新する。ここでは、プロセッサ20は、現在スティック座標データ304eを前回スティック座標データ304fとしてデータ記憶領域304に記憶した後に、現フレームのスティック座標についてのデータを現在スティック座標データ304eとしてデータ記憶領域304に記憶する。
【0150】
続くステップS9では、現在(現フレーム)のスティック座標が前フレームのスティック座標と異なるかどうかを判断する。ステップS9で“NO”であれば、つまり、現フレームのスティック座標が前フレームのスティック座標と同じであれば、ステップS17に進む。一方、ステップS9で“YES”であれば、つまり、現フレームのスティック座標が前フレームのスティック座標と異なれば、ステップS11で、後述する領域更新処理(図15および図16参照)を実行する。
【0151】
次のステップS13では、後述する45度モード判断処理(図17および図18)を実行し、さらに、ステップS15では、後述する数字入力処理(図21)を実行する。続いて、ステップS17では、入力画面100を更新する。ここでは、プロセッサ20は、入力画面100に対応する画像データを生成し、生成した画像データをAV端子30および接続ケーブルを介してテレビ16に出力する。したがって、入力画面100が更新される。
【0152】
そして、ステップS19で入力終了かどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、ユーザが暗証番号入力処理を終了する指示を入力したかどうか、または、認証処理に成功したかどうかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり、入力終了でなければ、ステップS3に戻る。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり、入力終了であれば、暗証番号入力処理を終了する。このとき、入力画面100が消去される。
【0153】
なお、暗証番号入力処理において、音声が出力される場合には、ステップS17において、さらに、プロセッサ20は、音声データを生成し、生した音声データをAV端子30および接続ケーブルを介してテレビ16に出力する。したがって、テレビ16のスピーカから音声データに対応する音声が出力される。
【0154】
図15および図16は、図14に示したステップS11の領域更新処理の限定しない一例を示すフロー図である。図15に示すように、プロセッサ20は、領域更新処理を開始すると、ステップS31で、現在の指示領域を更新する。つまり、現在アナログスティック58のスティック部によって指示されている入力領域200すなわち指示領域が判断され、現在の指示領域が更新される。ただし、このとき、現フレームの指示領域のみならず過去4フレーム分の指示領域も更新される。
【0155】
具体的には、プロセッサ20は、指示領域データ304gを更新する。上述したように、指示領域データ304gは現フレームまでの5フレーム分の指示領域を示すデータである。ここでは、現在(現フレーム)の指示領域を示す変数をD0とし、前回(1フレーム前)の指示領域を示す変数をD1とし、2フレーム前の指示領域を示す変数をD2とし、3フレーム前の指示領域を示す変数をD3とし、4フレーム前の指示領域を示す変数をD4とし、スティック座標と現在の角度モードから変数D0が算出され、変数D1-D4には、直前(前回のフレーム)の変数D0-D3の値が代入される(D1=D0、D2=D1、D3=D2、D4=D3)。
【0156】
一例として、指示領域を示す変数は、指示領域を識別するための情報であり、「0」-「8」の数字で表される。アナログスティック58が傾倒されておらず、原点Oが指示される場合には変数D0に「0」が設定される。この実施例では、便宜上、指示領域を識別するために、原点Oが指示される場合には変数D0に「0」が設定されるが、これは入力対象としての数字の「0」とは異なる。また、原点Oは、領域では無いが、説明の便宜上「指示領域」と仮定してある。このことは、状態情報の変数A0,A1についても同様である。つまり、状態情報は、入力可能状態の数字であるが、原点Oには入力対象の数字が割り当てられていないため、状態情報の変数A0,A1に原点Oを示す変数が設定される場合には、入力可能状態の数字は無いことを意味する。
【0157】
また、アナログスティック58が傾倒され、いずれかの入力領域200が指示され場合には、指示され入力領域200に対して割り当てられた入力対象である数字(「1」-「8」)が変数D0に設定される。このように、入力領域200に割り当てられた数字を用いて識別するのは、現在の入力可能状態の数字を示す状態情報の変数を現在の指示領域を示す変数で更新するようにしてあるからである(ステップS47参照)。
【0158】
なお、暗証番号入力処理が開始された当初では、表示モードは第1モードに設定され、暗証番号のうち、先頭の正解の数字が奇数か偶数かによって奇数補正モードまたは偶数補正モードが設定される。
【0159】
図15に戻って、次のステップS33では、現在の指示領域が原点O以外であるかどうかを判断する。つまり、プロセッサ20は、変数D0が「1」-「8」のいずれかであるかどうかを判断する。ステップS33で“NO”であれば、つまり、現在の指示領域が原点Oである場合には、ステップS35で、状態情報の変数を原点Oを示す変数(ここでは、「0」)に設定し、図16に示すように領域更新処理を終了して、暗証番号入力処理にリターンする。ただし、現在の状態情報の変数をA0とし、前フレームの状態情報の変数をA1とし、変数A0が更新されるときに、変数A1も更新される(A1=A0)。したがって、ステップS35では、変数A1に更新前の変数A0の値が設定された後に、変数A0に「0」が設定される。
【0160】
また、ステップS33で“YES”であれば、つまり、現在の指示領域が原点O以外である場合には、ステップS37で、現在の指示領域と前回の指示領域が異なるかどうかを判断する。つまり、ステップS37では、プロセッサ20は、変数D0と変数D1が異なるかどうかを判断する。ステップS37で“NO”であれば、つまり、現在の指示領域と前回の指示領域が一致している場合には、ステップS41に進む。一方、ステップS37で“YES”であれば、つまり、現在の指示領域と前回の指示領域が異なる場合には、ステップS39で、領域変化回数Cを1加算して(C=C+1)、ステップS41に進む。
【0161】
ステップS41では、現在の状態情報の変数が原点Oを示す変数であるかどうかを判断する。つまり、プロセッサ20は、現在状態データ304hを参照して、変数A0が「0」に設定されているかどうかを判断する。ステップS41で“NO”であれば、つまり、現在の状態情報の変数が原点Oを示す変数でなければ、図16に示すステップS43に進む。一方、ステップS41で“YES”であれば、つまり、現在の状態情報の変数が原点Oを示す変数であれば、図16に示すステップS47に進む。
【0162】
図16に示すように、ステップS43では、領域変化回数Cは5回以上であるかどうかを判断する。ステップS43で“YES”であれば、つまり、領域変化回数Cが5回以上であれば、現在の状態情報を設定する場合の遅延を無くすと判断し、ステップS47に進む。一方、ステップS43で“NO”であれば、つまり、領域変化回数Cが5回未満であれば、ステップS45で、直近の4フレームの指示領域はすべて同じであるかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、変数D1-D4がすべて変数D0と一致するかどうかを判断する。
【0163】
ステップS45で“NO”であれば、つまり、直近の4フレームの指示領域が1つでも異なる場合には、領域更新処理を終了し、図14に示した暗証番号入力処理にリターンする。一方、ステップS45で“YES”であれば、つまり、直近の4フレームがすべて同じ指示領域であれば、ステップS47で、現在の状態情報の変数に現在の指示領域を示す変数を設定してから、領域更新処理を終了し、暗証番号入力処理にリターンする。つまり、プロセッサ20は、ステップS47で、変数A0に変数D0を設定して、現在状態データ304hを更新する。ただし、プロセッサ20は、ステップS47では、現在状態データ304hを更新する前に、変数A1に変数A0の値を設定して、前回状態データ304iを更新する。
【0164】
図17および図18は、図14に示したステップS13の45度モード判断処理の限定しない一例のフロー図である。図17に示すように、プロセッサ20は、45度モード判断処理を開始すると、ステップS61で、45度モードと仮定した場合の指示領域を更新する。ただし、45度モードと仮定した場合の指示領域を識別するための変数をD´とし、変数D´は、現在のスティック座標と45度モードで設定される複数の入力領域200から算出される。したがって、変数D´は「1」-「8」のいずれかに設定される。
【0165】
次のステップS63では、第1条件を満たしているかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、第1条件フラグ304pがオンであるかどうかを判断する。ステップS63で“YES”であれば、つまり、第1条件を満たしていれば、ステップS71に進む。一方、ステップS63で“NO”であれば、つまり、第1条件を満たしていなければ、ステップS65で、現在の指示領域(変数D0)と、45度モードと仮定した場合の指示領域(変数D´)が異なるかどうかを判断する。このとき、プロセッサ20は、現在のスティック座標と、45度モードデータ304dが示す各入力領域200を規定する座標から、変数D´の値を算出する。このことは、後述するステップS73においても同じである。
【0166】
ステップS65で“YES”であれば、つまり、現在の指示領域と、45モードと仮定した場合の指示領域が異なる場合には、ステップS69に進む。一方、ステップS65で“NO”であれば、つまり、現在の指示領域と、45モードと仮定した場合の指示領域が同じである場合には、ステップS67で、領域変化回数Cが2以上であるかどうかを判断する。
【0167】
ステップS67で“NO”であれば、つまり、領域変化回数Cが2未満であれば、アナログスティック58のスティック部を回転させていないと判断し、45度モード判断処理を終了して、図14に示した暗証番号入力処理にリターンする。一方、ステップS67で“YES”であれば、つまり、領域変化回数Cが2以上であれば、アナログスティック58のスティック部を回転させていると判断し、ステップS69で、第1条件を満たしたことにする。このステップS69では、プロセッサ20は、第1条件フラグ304pをオンする。
【0168】
続くステップS71では、第2条件を満たしているかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、第2条件フラグ304qがオンであるかどうかを判断する。ステップS71で“YES”であれば、つまり、第2条件を満たしている場合には、45度モード判断処理を終了して、暗証番号入力処理にリターンする。一方、ステップS71で“NO”であれば、つまり、第2条件を満たしていない場合には、図18に示すステップS73で、現在の指示領域(変数D0)と、45度モードと仮定した場合の指示領域(変数D´)が同じであるかどうかを判断する。
【0169】
ステップS73で“NO”であれば、つまり、現在の指示領域と、45度モードと仮定した場合の指示領域が異なる場合には、45度モード判断処理を終了して、暗証番号入力処理にリターンする。一方、ステップS73で“YES”であれば、つまり、現在の指示領域と、45度モードと仮定した場合の指示領域が同じである場合には、角度モードを45度モードに設定または更新した場合であっても指示領域に対応する入力対象である数字が変化しないと判断して、ステップS75で、第2条件を満たしたことにする。つまり、プロセッサ20は、第2条件フラグ304qをオンする。そして、ステップS77で、後述する角度モード更新処理(図20および図21参照)を実行して、45度モード判断処理を終了して、暗証番号入力処理にリターンする。
【0170】
図19図14に示したステップS15の数字入力処理の限定しない一例のフロー図である。図19に示すように、プロセッサ20は、数字入力処理を開始すると、ステップS101で、現在の状態情報と前回の状態情報が異なるかどうかを判断する。つまり、プロセッサ20は、現在状態データ304hおよび前回状態データ304iを参照して、現在の入力可能状態の数字と前回の入力可能状態の数字が異なるかどうかを判断する。
【0171】
ステップS101で“NO”であれば、つまり、現在の状態情報と前回の状態情報が同じである場合には、数字入力処理を終了して、図14に示した暗証番号入力処理にリターンする。一方、ステップS101で“YES”であれば、つまり、現在の状態情報と前回の状態情報が異なる場合には、ステップS103で、入力可能状態の数字が変わったときの処理を実行する。この実施例では、入力可能状態の数字が変わったときの処理とは、入力装置14に振動を発生させる処理である。ただし、表示モードが第2表示モードである場合には、現在の入力可能状態の数字または現在入力された数字が識別可能に表示される。したがって、ステップS103では、プロセッサ20は、振動データを入力装置14に送信する。ただし、表示された内容を見せる第2モードが設定されている場合には、入力可能状態の数字が変わった時の処理として、現在の入力可能な状態の数字または入力された数字が領域102の現在入力すべき桁の位置に表示される。また、指示画像106に表示された数字または指示画像108の周囲に表示された数字のうち、現在入力可能な状態の数字または入力された数字の背面側に円形の画像120が表示される。つまり、現在入力可能な状態の数字または入力された数字が識別可能に表示される。
【0172】
続いて、ステップS105では、現在の状態情報の変数が原点Oを示す変数であるかどうかを判断する。ステップS105で“NO”であれば、つまり、現在の状態情報の変数が原点Oを示す変数でなければ、数字を入力しないと判断し、数字入力処理を終了して、暗証番号入力処理にリターンする。一方、ステップS105で“YES”であれば、つまり、現在の状態情報の変数が原点Oを示す変数であれば、数字を入力すると判断し、ステップS107で、前回の状態情報の数字を入力する。つまり、現在入力すべき桁に、前回の状態情報である入力可能状態の数字が入力される。このとき、入力数字データ304mが更新される。
【0173】
続くステップS109では、第1条件および第2条件を満たした状態をリセットする。ここでは、プロセッサ20は、第1条件フラグ304pおよび第2条件フラグ304qをオフする。次のステップS111では、後述する角度モード更新処理を実行し、ステップS113では、指示領域、状態情報および領域変化回数をリセットし、数字入力処理を終了して、暗証番号入力処理にリターンする。ステップS113では、プロセッサ20は、変数D0-D4、A0、A1およびCのそれぞれに初期値(この実施例では、0)を設定する。
【0174】
図20および図21図18のステップS77および図19のステップS111に示した角度モード更新処理の限定しない一例のフロー図である。図20に示すように、プロセッサ20は、角度モード更新処理を開始すると、ステップS131で、第2条件を満たしているかどうかを判断する。
【0175】
ステップS131で“YES”であれば、つまり、第2条件を満たしていれば、ステップS133で、角度モードを45度モードに設定し、角度モード更新処理を終了して、図17および図18に示した45度モード判断処理または図19に示した数字入力処理にリターンする。プロセッサ20は、ステップS133において、入力領域データ304cとして、45度モードの場合に、アナログスティック58に設定される複数の入力領域200の各々を規定する座標のデータを設定する。このことは、後述するように、角度モードを、通常補正モード、奇数補正モードおよび偶数補正モードに設定する場合も同様である。
【0176】
一方、ステップS131で“NO”であれば、つまり、第2条件を満たしていなければ、ステップS135で、表示モードが第2モードに設定されているかどうかを判断する。ここでは、プロセッサ20は、表示モード選択フラグ304nがオフであるかどうかを判断する。
【0177】
ステップS135で“NO”であれば、つまり、表示モードが第1モードに設定されている場合には、図21に示すステップS139に進む。一方、ステップS135で“YES”であれば、つまり、表示モードが第2モードに設定されていれば、ステップS137で、角度モードを通常補正モードに設定し、角度モード更新処理を終了して、45度モード判断処理または数字入力処理にリターンする。
【0178】
図21に示すように、ステップS139では、正解データ304kを参照して、現在入力すべき桁の正解の数字が奇数であるかどうかを判断する。ステップS139で“YES”であれば、つまり、現在入力すべき桁の正解の数字が奇数であれば、ステップS141で、角度モードを奇数補正モードに設定し、角度モード更新処理を終了して、45度モード判断処理または数字入力処理にリターンする。一方、ステップS139で“NO”であれば、つまり、現在入力すべき桁の正解の数字が偶数であれば、ステップS143で、角度モードを偶数補正モードに設定し、角度モード更新処理を終了して、45度モード判断処理または数字入力処理にリターンする。
【0179】
この実施例によれば、入力された内容を見せない第1モードでは、入力画面において、入力可能状態の数字および入力された数字を識別可能に表示しないので、入力される内容が画面から把握され難くすることができる。
【0180】
また、この実施例によれば、入力された内容を見せない第1モードでは、正解の数字に対応する入力領域の大きさを大きくするので、入力された内容を見せない場合であっても、正解の数字を入力し易くすることができる。つまり、誤入力を低減することができる。
【0181】
さらに、この実施例によれば、入力された内容を見せない第1モードでは、正解の数字に対応する入力領域の大きさを大きくし、不正解の数字に対応する入力領域の少なくとも1つが縮小されるので、不正解の数字を入力され難くすることができる。つまり、誤入力を低減することができる。
【0182】
さらにまた、この実施例によれば、アナログスティックが回転される場合には、各入力領域の大きさを同じ大きさにするので、第三者がアナログスティックを操作することによって正解を知ることは困難である。
【0183】
なお、この実施例では、暗証番号を入力する場合について説明したが、これに限定される必要はない。正解または入力すべき内容が予め決まっているような場合には、上述したように、正解または入力すべき内容に応じた角度モードに従ってアナログスティックに対応して複数の入力領域を設定することができる。ただし、数字を入力しない場合には、奇数補正モードは上下左右方向の入力領域を大きくするモードであり、偶数補正モードは斜め方向の入力領域を大きくするモードと言える。他の例としては、複数の選択肢から正解の選択肢を選択するクイズゲームが考えられる。クイズゲームにおいても、複数人でプレイする場合には、入力した内容を見せない第1モードが設定され、少なくとも正解の選択肢が割り当てられた入力領域が大きくされる。また、上記の実施例の場合と同様に、正解の選択肢が割り当てられた入力領域が縦方向または横方向である場合には、縦方向および横方向の入力領域が大きくされるモードが設定され、正解の選択肢が割り当てられた入力領域が斜め方向である場合には、斜め方向の入力領域が大きくされる。
【0184】
また、この実施例では、奇数または偶数の2種類に分類し、種類毎に入力領域の大きさを変更するようにしたが、これに限定される必要はない。場合によって、3種類に分類し、入力すべき数字が縦方向の入力領域に割り当てられている場合には、すべての縦方向の入力領域が拡大され、入力すべき数字が横方向の入力領域に割り当てられている場合には、すべての横方向の入力領域が拡大され、入力すべき数字が斜め方向の入力領域に割り当てられている場合には、すべての斜め方向の入力領域が拡大される。
【0185】
さらに、この実施例では、数字が入力される場合について説明したが、数字以外の文字が入力されるようにしてもよい。かかる場合には、方向入力手段を2つ以上設けて、それぞれの方向入力手段において、図14に示した暗証番号入力処理におけるステップS3、S7-S15の処理が実行されるようにしてもよい。
【0186】
さらにまた、この実施例では、方向入力手段の一例としてアナログスティックを用いる場合について説明したが、これに限定される必要はない。アナログスティックに変えて、ジョイスティックまたは十字ボタンを用いることができる。
【0187】
また、この実施例で示したゲームシステムの構成は一例であり、これに限定される必要は無く、他の構成を採用することが可能である。たとえば、携帯型ゲーム装置に適用することもできる。また、モニタが接続されたデスクトップのPC、ノート型PC、タブレットPCまたはスマートフォンにも適用することができる。
【0188】
さらに、実施例で示した具体的な数値および画面は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0189】
10 …ゲームシステム(情報処理システム)
12 …ゲーム装置(情報処理装置)
14 …入力装置
16 …テレビ
20 …CPU
22 …RAM
24 …フラッシュメモリ
26 …通信モジュール
28 …操作ボタン群
30 …AV端子
50 …制御部
52 …通信モジュール
54 …メモリ
56 …操作ボタン群
58 …アナログスティック
60 …操作ボタン
62 …振動モータ
図1
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