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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】液体状又は半液体状食品用の装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/08 20060101AFI20220913BHJP
   A23G 9/12 20060101ALI20220913BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20220913BHJP
   F28D 7/02 20060101ALI20220913BHJP
   F28F 3/14 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
F28D7/08
A23G9/12
F25D11/00 102Z
F28D7/02
F28F3/14 A
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018064464
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2018173263
(43)【公開日】2018-11-08
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】102017000035879
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518089540
【氏名又は名称】エイエルアイ グループ ソチエタ ア レスポンサビリタ リミタータ カルピジャーニ
【氏名又は名称原語表記】ALI GROUP S.r.l.CARPIGIANI
【住所又は居所原語表記】Via Gobetti 2/A,20063 CERNUSCO SUL NAVIGLIO (MILANO),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア コッキ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ラッザリーニ
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-080592(JP,U)
【文献】特開昭61-282040(JP,A)
【文献】特開昭61-280388(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104266437(CN,A)
【文献】実開昭55-029353(JP,U)
【文献】特開2015-231361(JP,A)
【文献】特許第122586(JP,C2)
【文献】実開平06-010762(JP,U)
【文献】特開平05-001894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/00 - 9/52
F28D 1/00 - 13/00
F28F 1/00 - 99/00
F25D 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体状または半液体状製品を製造するための装置(1)は、
-基本混合物を収容するよう構成された、内表面(3A)と外表面(3B)とを有する第一容器(3)であって、前記第一容器(3)の内部に配置された撹拌装置(4)を備える第一容器と、
-熱交換流体を循環させるための回路と、使用時に前記第一容器(3)の壁部と関連する第一熱交換器とを備える熱力学系と、を備え、
前記第一熱交換器(6)は、使用時に前記第一容器(3)の前記外表面(3B)に固定可能である少なくとも一つの要素(7)によって形成され、前記要素は、連続して延び、前記外表面(3B)と連結された場合に熱交換流体を循環させる流路を形成する少なくとも一つの開口空洞部(8)を有し、前記要素(7)は更に前記熱交換流体用の少なくとも一つの流入口(I)と一つの流出口(U)とを有し、
前記装置(1)は、複数の要素(7)を備え、各要素が前記空洞部(8)と流入口(I)と流出口(U)とを備え、前記複数の要素(7)はそれぞれ前記第一容器(3)の前記外表面(3B)の一部と関連可能であり、
少なくとも一つの前記要素(7)の前記流出口(U)は別の前記要素(7)の前記流入口(I)に接続され、前記一つの要素と前記別の要素(7)との間に直列接続を形成し、
前記流路は、前記外表面(3B)と前記少なくとも一つの空洞部(8)の内壁部との組み合わせによって形成される、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第一容器(3)は円筒構造を有し、前記少なくとも一つの要素(7)は円筒構造を有して前記第一容器(3)の外側に嵌められる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの要素(7)が前記第一容器(3)に溶接される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
少なくとも一つの前記要素(7)の前記流入口(I)は別の前記要素(7)の前記流入口(I)に接続され、前記少なくとも一つの要素(7)の前記流出口(U)は前記別の要素(7)の前記流出口(U)に接続され、前記一つの要素と前記別の要素(7)との間に並列接続を形成する、請求項1から3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
各要素(7)は延長平面内で略平面状に延び、前記延長平面に直角な平面における前記空洞部(8)の断面が扇形の形状である、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記空洞部(8)は平行な線分(8A)を含む経路を形成するよう延び、前記平行な線分の各端部は曲線(8B)によって結合される、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記空洞部(8)がらせん形状の経路を形成するように延びる、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記要素(7)は金属材料からなる、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの要素(7)が前記第一容器(3)の側壁部(9)に連結される、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項10】
各要素(7)が前記第一容器(3)の一つの側壁部(9)に連結される、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が更に、
内部撹拌装置(11)を備える第二容器(10)であって、使用時に前記第一容器(3)と接続可能であり前記第一容器(3)が当該第二容器(10)から基本製品を受け取ることを可能にする第二容器(10)と、
-前記第二容器(10)と関連して前記第二容器(10)の壁部(12)から熱を除去、又は当該壁部(12)に熱を放出する第二熱交換器(12)と、を備える、請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記第二容器(10)は水平円筒形である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つの空洞部(8)の断面は、その延長方向に沿って大きさが可変である、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つの空洞部(8)の断面は、その延長方向に沿って大きさが可変であって、前記流入口(I)と前記流出口(U)との間で大きくなる、請求項1から13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つの空洞部(8)は、その外側表面に波形部を有する、請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つの空洞部(8)は、0.2から20mmの等価直径を有する、請求項1から15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも一つの空洞部(8)は、0.2から20mmの水力等価直径を有する、請求項1から16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記第一容器(3)の前記外表面(3B)は多孔質であって表面のくぼみまたはフィンを備える、請求項1から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
液体状又は半液体状製品を製造する装置を製造する方法であって、
-基本混合物を収容するよう構成された、内表面(3A)と外表面(3B)とを有する第一容器(3)であって、前記第一容器(3)の内部に配置された撹拌装置(4)を備えた第一容器を準備する工程と、
-熱交換流体を循環させるための回路と、使用時に前記第一容器(3)の壁部と関連する第一熱交換器(6)とを備える熱力学系を準備する工程と、を備え、第一熱交換器(6)を準備する前記工程が、
-少なくとも一つの要素(7)を準備する工程と、
-連続して延びて流入口(I)と流出口(U)との間に前記熱交換流体を循環させるための流路を形成する空洞部(8)を前記少なくとも一つの要素(7)内に形成する工程と、前記空洞部(8)を前記第一容器(3)の前記外表面(3B)に向けて、前記外表面(3B)と共に前記流体を循環させるための前記流路を形成するように、前記第一容器(3)の前記外表面(3B)の少なくとも一部と前記少なくとも一つの要素(7)とを分離不能に関連させる工程を更に備え
前記少なくとも一つの要素(7)を準備する前記工程は、複数の要素(7)を準備する工程を含み、各要素が前記空洞部(8)と流入口(I)と流出口(U)とを備え、前記複数の要素(7)はそれぞれ前記第一容器(3)の前記外表面(3B)の一部と関連可能であり、
少なくとも一つの前記要素(7)の前記流出口(U)は別の前記要素(7)の前記流入口(I)に接続され、前記一つの要素と前記別の要素(7)との間に直列接続を形成し、
前記流路は、前記外表面(3B)と前記少なくとも一つの空洞部(8)の内壁部との組み合わせによって形成される、方法。
【請求項20】
前記第一容器(3)の前記外表面(3B)の少なくとも一部と前記少なくとも一つの要素(7)とを分離不能に関連させる前記工程は、前記第一容器(3)の前記外表面(3B)の少なくとも一部に前記要素(7)を溶接する工程を備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体状又は半液体状食品用の(特にソフトアイスクリームやシェークタイプの製品を製造するよう設計された)装置及び液体状又は半液体状の製品用の装置を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、液体状及び/又は半液体状の製品を製造するための装置は、加工中の混合物を収容する容器を備え、この容器内部に撹拌装置を備える。
【0003】
一般的には冷却流体を含む熱システムは、容器の壁部を冷却及び/又は加熱するよう構成される。
【0004】
このような装置は、容器と関連して熱システムと動作可能に連結された熱交換器を備えており、容器の壁部から熱を除去したり、当該壁部に熱を加えたりするよう構成される。
【0005】
熱交換器は一般に、容器に取り付けられた、適度に曲げた管状要素からなるコイルを備える。
【0006】
液体状又は半液体状の製品を製造する装置のメーカーには、(容器の内部で)加工中の製品と効率よく確実に熱交換できるような装置であって、特に簡単、迅速に組み立てられ且つ高価ではない装置が求められている。
【発明の概要】
【0007】
従って本発明の目的は、上述の要件を満たすことのできる液体状又は半液体状食品用の装置を提供することである。
【0008】
具体的に、本発明の目的は、加工中の食品を特に効率的に確実に冷却及び/又は加熱可能とするような液体状又は半液体状の製品用の食品加工装置(即ち、単位面積当たりの冷却及び/又は加熱能力が高い装置)を提供することである。
【0009】
本発明の更なる目的は、組み立てが比較的簡単で高価ではない液体状又は半液体状の製品用の食品加工装置を提供することである。
【0010】
本発明によれば、本発明の対象物を形成し添付の請求項の一以上に記載の技術的特徴を備える、液体状又は半液体状の食品を製造する装置によってこのような目的が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上述の目的に関する本発明の技術的特徴は、以下に記載の請求項に明示されており、その利点は本発明の実施形態を示す添付の図面を参照しながら以下の詳細な記載により明らかとなる。但し、本発明は記載の実施形態に限定されるものではない。
図1】液体状又は半液体状製品を製造するための本発明の装置の第一の実施形態の例を示す概略側面図
図2】液体状又は半液体状製品を製造するための本発明の装置の第二の実施形態の例を示す概略側面図
図3図1又は図2の装置の詳細な例を示す正面図
図4図1又は図2の装置の詳細な例を示す側面図
図5図4のKの部分の詳細を例示的に示す図
図6図1の装置の詳細を例示的に示す正面図
図7図1の装置の詳細を例示的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照すると、参照符号1は、ソフトアイスクリーム又はシェークタイプの液体状又は半液体状の製品を製造するための装置を表す。
【0013】
液体状または半液体状製品を製造するための装置1は、
-基本混合物を収容するよう構成された第一容器3であって、第一容器3の内部に配置された撹拌装置4を備えた第一容器と、
-熱交換流体を循環させるための回路と、使用時に第一容器3の壁部と関連する第一熱交換器6とを備える熱力学系と、を備える。
【0014】
基本混合物を収容するよう構成された第一容器3は、(製品と接する)内表面3Aと(製品と接しない)外表面3Bとを有する。
【0015】
第一熱交換器6は、使用時に第一容器3の外表面3bに固定可能である少なくとも一つの要素7によって形成される。この要素は、連続して延び、外表面3Bと連結される場合に熱交換流体を循環させる流路を形成する開口空洞部8を有する。
【0016】
空洞部8は更に、その両端部に熱交換流体用の少なくとも一つの流入口Iと一つの流出口Uとを有する。
【0017】
以下の説明において、図1に示す実施形態について述べ、次に図2に示す実施形態について述べる。
【0018】
図1に示すように、第一容器3は円筒構造を有し、その少なくとも一つの要素7は円筒構造を有して第一容器3の外側に取り付けられる。
【0019】
尚、より正確には、要素7は管状構造を有する。
【0020】
少なくとも一つの要素7が第一容器3に溶接されることが好ましい。
【0021】
空洞部8の断面は扇形の形状であることが好ましい。
【0022】
更なる態様によれば、上述の実施形態に関して図示していないが、空洞部8は、平行な線分を含む経路を形成するように延び、平行な線分の各端部は曲線によって結合される。
【0023】
更なる態様によれば、空洞部8は(要素7の延長部の主方向に沿って)らせん状に延びる。
【0024】
更なる態様によれば、要素7は金属材料からなる。
【0025】
尚、更なる態様によれば、要素7は、第一容器3の外表面3Bに分離不能に連結される。
【0026】
要素7が第一容器3の外表面3Bに溶接されることがより好ましい。
【0027】
尚、空洞部8は外側に突出する要素7の隆起部を形成するように外側に延びる。
【0028】
図2に示す実施形態において、第一熱交換器6は複数の要素7を備える。
【0029】
各要素7は、連続して延びる空洞部8を備え、熱交換流体を循環させる流路を形成する。各要素7は、第一容器3の(より正確には外表面3Bの)壁部9の少なくとも一部に(安定して、好ましくは分離不能に)関連可能である。
【0030】
更なる態様によれば、各要素7は、延長平面においてに略平面的に延びる。
【0031】
図5にはっきりと示すように)延長平面に直角な平面における空洞部8の断面が、扇形の形状であることが好ましい。
【0032】
更なる態様によれば、空洞部8は平行な線分8Aを含む経路を形成するよう延び、平行な線分の各端部は曲線8Bによって結合される。
【0033】
更なる態様によれば、要素7は金属材料からなる。
【0034】
更なる態様によれば、要素7は、空洞部8が第一容器3の壁部9へと(即ち、壁部の側に)開口するように、より正確には外表面3Bへと開口するように、第一容器3の壁部9(外表面3B)と使用時に連結される。
【0035】
このように、流体循環流路は、外表面3Bと空洞部8の内壁部との組み合わせによって形成される。
【0036】
尚、更なる態様によれば、要素7は、第一容器3の側壁部9に連結される。
【0037】
要素7が、第一容器3の側壁部9に分離不能に連結されることが好ましい。
【0038】
要素7が、第一容器3の側壁部9に溶接されることが更に好ましい。
【0039】
一態様によれば、各要素7は第一容器3の一つの側壁部9に連結されることが好ましい。
【0040】
尚、空洞部8は外側に突出する要素7の隆起部を形成するように外側に延びる。
【0041】
更なる態様によれば、装置1は、
内部撹拌装置11を備える第二容器10であって、使用時に第一容器3と接続可能であり、第一容器3が第二容器10から基本製品を受け取ることを可能にする第二容器10と、
-第二容器10と関連して第二容器10の壁部12から熱を除去、又は壁部に熱を放出する第二熱交換器12と、を備える。
【0042】
第二熱交換器12は熱力学系(前記熱力学系又は別の系)に接続されることが好ましい。
【0043】
図3に要素7の一つを示す。
【0044】
図3には空洞部8がはっきりと示されている。
【0045】
特に、要素7は、使用時には、第一容器3の壁部9の外側に(即ち、外表面3Bに)固定されるが、空洞部8は外表面3Bへと(即ちその方向に)開口する。
【0046】
具体的に、流路が円形断面の管状コイルによって形成される(この場合、熱交換は流路の側面のごく限られた部分を介して行われる)これまでの従来型の熱交換器と比較すると、各実施形態において、流体と外表面3Bとの間の熱交換表面は非常に大きい。
【0047】
より正確には、既知の種類の(矩形又は円形)のこれまでの流路と比較すると、空洞部8は(熱交換には有用な効果を持たない)外側に面する表面を最小化し、(液体状又は半液体状製品を加熱及び/又は冷却する)第一容器3に面する表面を最大化するような形状を有する。
【0048】
更なる態様によれば、第二容器10は水平円筒形である。
【0049】
但し、熱力学系は(第一熱交換器6が温熱源となるのか冷熱源となるのかに応じて、冷熱力学源又は温熱力学源として機能する)更なる熱交換器を備えることが好ましい。
【0050】
熱力学系が更に圧縮機を備えることが好ましい。
【0051】
但し、熱交換流体は冷却流体であることが好ましい。
【0052】
異なる側壁と関連する要素7の複数の流路は互いに接続されて、熱交換流体用の循環経路を形成することが好ましい。
【0053】
一態様によれば、少なくとも一つの要素7の流出口Uは別の要素7の流入口Iに接続されて、当該一つの要素7と当該別の要素7との間に直列接続を形成する。このように、同じ流れが当該一つの要素と当該別の要素7とを横切る。
【0054】
更に別の態様によれば、少なくとも一つの要素7の流入口Iは別の要素7の流入口Iに接続されて、この少なくとも一つの要素7の流出口Uはこの別の要素7の流出口Uに接続されて、当該一つの要素7と当該別の要素7との間に並列接続を形成する。
【0055】
更なる態様によれば、本発明は、液体状又は半液体状製品を製造する装置を製造する方法を規定する。この方法は、
-基本混合物を収容するよう構成された、内表面3Aと外表面3Bとを有する第一容器3であって、第一容器3の内部に配置された撹拌装置4を備えた第一容器を準備する工程と、
-熱交換流体を循環させるための回路と、使用時に第一容器3の壁部と関連する第一熱交換器6とを備える熱力学系を準備する工程と、を備え、
第一熱交換器3を準備する工程は、
-少なくとも一つの要素7を準備する工程と、
-連続して延びて流入口Iと流出口Uとの間に熱交換流体を循環させるための流路を形成する空洞部8を少なくとも一つの要素7内に形成する工程と、空洞部8を第一容器3の外表面3Bに向けて、外表面3Bと共に流体を循環させるための流路を形成するように、第一容器3の外表面3Bの少なくとも一部と少なくとも一つの要素7とを分離不能に関連させる工程を更に備える。
【0056】
更なる態様によれば、第一容器3の外表面3Bの少なくとも一部と少なくとも一つの要素7とを分離不能に関連させる工程は、第一容器3の外表面3Bの少なくとも一部に要素7を溶接する工程を備える。
【0057】
空洞部8の構成又は容器3の構造に関する他の態様について以下に述べる。
【0058】
一態様によれば、少なくとも一つの空洞部8の断面は、その延長方向に沿って大きさが可変である。
【0059】
少なくとも一つの空洞部8の断面は、延長方向に沿って大きさが可変であって、流入口Iと流出口Uとの間で大きくなっていくことが好ましい。
【0060】
実際、蒸発器、即ち熱交換器6に入っていく熱交換流体は膨張傾向にあり、したがって流入口と流出口との間の経路に沿ってよりスペースを占めるようになる。空洞部8の大きさが流入口から流出口へと大きくなっているとこの膨張プロセスが容易となる。
【0061】
更なる態様によれば、少なくとも一つの空洞部8は、その外側表面に波形部を有する。
【0062】
即ち、空洞部8の外側は、層流を防止し熱交換を良くするよう適切かつ不規則な形状とし、これによって蒸発器の効率(したがって熱交換係数)が上がる。
【0063】
更なる態様によれば、空洞部8はマイクロ流路又はミニ流路である。
【0064】
更なる態様によれば、少なくとも一つの空洞部8は、0.2から20mmの等価直径を有する。
【0065】
この態様によれば、装置1は、加工中の製品と高温の熱流を交換可能である小型の熱交換器6を備えるという利点を有する。
【0066】
前述の態様によれば、少なくとも一つの空洞部8は、0.2から20mmの水力等価直径を有する。
【0067】
更なる態様によれば、第一容器3の外表面3Bは多孔質であって表面のくぼみまたはフィンを備える。この態様によれば、第一容器3の外表面3Bが要素7に固定される前に、表面処理によって熱交換係数をよくするように外表面が最適化される。
【0068】
液体状又は半液体状製品を製造する装置を製造する方法は従って、第一容器3の外表面3Bを処理する工程を備える。
【0069】
より正確には、第一容器3の外表面3Bを処理する工程は、表面の粗度を大きくする工程を備える。
【0070】
或いは、第一容器3の外表面3Bを処理する工程は、外表面3B上に表面多孔性即ち表面のくぼみまたはフィンを作成する工程を備える。
【0071】
なお、熱交換器6は飽和蒸気圧縮サイクルに応じて動作する冷却システムの蒸発器である。
【0072】
また、飽和混合物の形で蒸発器に入る流体は乾燥又は過熱された飽和蒸気の形で蒸発器を出て、一定温度及び圧力で完全に気化し、熱源から熱を除去する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7