(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】駐車支援システムおよび駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20220913BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20220913BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20220913BHJP
【FI】
B60W50/14
G08G1/16 C
B60R99/00 351
(21)【出願番号】P 2018218949
(22)【出願日】2018-11-22
【審査請求日】2021-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】山本 耕太
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-272990(JP,A)
【文献】特開2005-035542(JP,A)
【文献】特開2012-011818(JP,A)
【文献】特開2009-202724(JP,A)
【文献】特開2008-201177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 - 60/00
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/017
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のステアリング角度を検出するステアリング角度検出部と、
前記車両の後方を撮影するカメラの撮影結果に基づく撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
前記車両が駐車枠に後進して駐車する際、前記撮影画像取得部により取得された前記撮影画像に基づいて、前記車両の後方の風景が所定の態様で記録された風景画像を生成して表示すると共に、前記ステアリング角度検出部により検出されたステアリング角度に基づいて、前記車両の予測走行軌跡を示す走行軌跡画像を、生成した前記風景画像に重畳して表示する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、
ステアリング角度の経時的変化を予測し、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示する一方、
前記車両が前記駐車枠に駐車する過程のうち、ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、徐々にステアリング角度が小さくなっていく範囲において、
ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、所定の期間は、現時点のステアリング角度で前記車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示し、
前記所定の期間の経過後に、前記所定の期間におけるステアリング角度の実際の経時的変化に基づいて今後のステアリング角度の経時的変化を予測し、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示する
ことを特徴とす
る駐車支援システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示する際、ステアリング角度が0°となるまでの予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示する
ことを特徴とする請求項
1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記風景画像として、前記撮影画像について俯瞰視に視点変換した俯瞰画像を生成することを特徴とする請求項1
または2に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記風景画像として、車外の風景を立体的に表す車外画像を生成することを特徴とする請求項1から
3の何れか1項に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
駐車支援システムの撮影画像取得部が、車両の後方を撮影するカメラの撮影結果に基づく撮影画像を取得する第1のステップと、
前記駐車支援システムの表示制御部が、前記撮影画像取得部により取得された前記撮影画像に基づいて、前記車両の後方の風景が所定の態様で記録された風景画像を生成して表示すると共に、前記車両のステアリング角度に基づいて、前記車両の予測走行軌跡を示す走行軌跡画像を、生成した前記風景画像に重畳して表示する第2のステップとを含み、
前記第2のステップにおいて、前記表示制御部は、ステアリング角度の経時的変化を予測し、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示する
一方、前記車両が駐車枠に駐車する過程のうち、ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、徐々にステアリング角度が小さくなっていく範囲において、ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、所定の期間は、現時点のステアリング角度で前記車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示し、前記所定の期間の経過後に、前記所定の期間におけるステアリング角度の実際の経時的変化に基づいて今後のステアリング角度の経時的変化を予測し、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す前記走行軌跡画像を表示する
ことを特徴とする駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車を支援する駐車支援システムおよび駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が駐車枠に駐車する際に、車両の予測走行軌跡を示す画像を表示装置に表示する駐車支援システムが存在する。この種の駐車支援システムでは、随時ステアリング角度を検出し、車両の後方の風景が記録された風景画像(俯瞰画像等)に、現時点のステアリング角度で車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像を重畳して表示するものが広く普及している。
【0003】
なお、特許文献1には、車両の駐車を支援するシステムにおいて、運転手の嗜好を反映して車両の現在位置から目標とする駐車位置までの経路を算出し、算出した経路を自動運転により走行させ、車両を自動で駐車させる技術が記載されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の技術によれば、自動運転による駐車に際して、運転手の嗜好を反映した態様で車両が走行することになり、運転手の快適性を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の駐車支援システムのように、車両の後方の風景が記録された風景画像に、現時点のステアリング角度で車両が後進した場合の予想走行軌跡を示す画像を重畳して表示するものでは、以下の課題があった。すなわち、予測走行軌跡を示す画像は、現時点のステアリング角度を維持したまま車両を後進させた場合に車両が走行する軌跡を表すものであり、運転手は、当該画像を参考にしつつ、基本的には以下の方法で車両を駐車枠に駐車させる。すなわち、運転手は、ステアリング角度を調整しつつ車両を後進させて、駐車枠と車両の車体とが平行となった状態とした後に、車両を駐車枠に向かって真っ直ぐ(=ステアリング角度が0°)車両を後進させることによって、車両を駐車枠に駐車させる。
【0006】
上記の方法で駐車を行った場合、駐車枠と車両の車体とが平行となった状態となったときに、必ずしもステアリング角度が0°となるとは限らない。ステアリング角度が0°ではない状態で駐車枠と車両の車体とが平行となった場合、その時点で車両の後進を停止し、据え切りを行ってステアリング角度を0°とすれば駐車枠に車両を駐車させることが可能である。しかしながら、従来の駐車支援システムでは、ステアリング角度が0°ではない状態で駐車枠と車両の車体とが平行となったときに、その時点で車両が停車せず、平行となった状態を過ぎて駐車枠に対して車両の車体が斜めとなったときに車両が停車する事態が発生していた。
【0007】
これは、以下の理由による。すなわち、通常、運転手はハンドルを操作してステアリング角度を調整しながら車両を後進させるが、従来の駐車支援システムは、現時点のステアリング角度を維持したまま車両を後進させた場合に車両が走行する軌跡を単に提示するものである。このため、運転手が表示装置を視認した時点で表示装置に表示された画像によって表された予測走行軌跡と、その時点以降に車両が実際に走行する軌跡との間に乖離があり、運転手にとって、駐車枠と車両の車体とが平行となるタイミングが予想しにくく、駐車枠と車両の車体とが平行となった後も惰性で車両を走行させてしまうからである。特に、据え切りを好まない運転手は、ステアリング角度を調整しつつ車両を後進させる傾向があり、上記事態が発生する傾向が強かった。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、車両が駐車枠に後進して駐車する際に、駐車枠と車両の車体とが平行となるタイミングでスムーズに車両を停車できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、本発明では、車両が駐車枠に後進して駐車する際、ステアリング角度の経時的変化を予測し、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す画像を表示するようにしている。その際に、本発明は、車両が駐車枠に駐車する過程のうち、ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、徐々にステアリング角度が小さくなっていく範囲において、ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、所定の期間は、現時点のステアリング角度で車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像を表示し、所定の期間の経過後に、所定の期間におけるステアリング角度の実際の経時的変化に基づいて今後のステアリング角度の経時的変化を予測し、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す画像を表示するようにしている。
【発明の効果】
【0010】
上記のように構成した本発明によれば、予測走行軌跡を示す画像として、現時点のステアリング角度を維持したまま車両を後進させた場合に車両が走行する軌跡を示す画像が表示されるのではなく、ステアリング角度の経時的変化を予測した上で、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す画像が表示される。このため、車両の駐車に際し、実際にはステアリング角度が調整されつつ車両が後進することを踏まえ、表示装置に表示された画像によって表された予想走行軌跡と、その表示時点以降に車両が実際に走行する軌跡との間の乖離をできるだけ少なくすることができる。これにより、運転手は、表示された画像を参照することにより、現時点以降に車両が走行すると予測される軌跡を適切に予想することができ、その予想の下、駐車枠と車両の車体とが平行となったときに、スムーズに車両を停車させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車支援システムの機能構成例を示すブロック図である。
【
図2】車両が駐車枠に駐車するときの態様の説明に用いる図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る駐車支援システムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る駐車支援システム1の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、駐車支援システム1は車載装置2を備えている。車載装置2は、車両に搭載された装置であり、後述する手法で運転手による駐車を支援する機能を有している。なお、車載装置2は、車両に固定的に設置された装置である必要はなく、運転手等により車両内に持ち込まれて使用される装置であってもよい。例えば、いわゆるカーナビゲーション装置や、運転手等が車両内に持ち込むモバイル端末を本実施形態に係る車載装置2として機能させることができる。以下、車載装置2が搭載されている車両を「自車両」という。
図1に示すように、車載装置2には、タッチスクリーン3およびリアカメラ4(特許請求の範囲の「カメラ」に相当)が接続されている。
【0013】
タッチスクリーン3は、液晶表示パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、運転手等によるタッチ操作を検出するタッチパネルとを含んで構成される。タッチスクリーン3は、自車両のダッシュボードや、センターコンソール等、運転手が視認可能かつタッチ操作可能な位置に設けられている。
【0014】
リアカメラ4は、自車両の後部に設けられ、自車両の後方を撮影する撮影装置である。本実施形態では、リアカメラ4は、魚眼レンズを有する魚眼カメラによって構成されている。リアカメラ4は、動作モードが駐車支援モード(後述)の間、所定の周期で撮影を実行し、撮影結果に基づく撮影画像を所定の周期で出力する。
【0015】
車載装置2は、運転手が車両を後進させて駐車させる際に、動作モードが駐車支援モードとなると、後に詳述する駐車支援画面5をタッチスクリーン3に表示する。駐車支援モードへの移行は、運転手による明示的な指示によって行われるようにしてもよく、また、自車両のギアがリーバスになったこと等の所定の事象をトリガとして自動的に行われるようにしてもよい。以下、車載装置2の機能構成および処理について詳述する。
【0016】
図1に示すように、車載装置2は、機能構成として、撮影画像取得部10、ステアリング角度検出部11および表示制御部12を備えている。上記各機能ブロック10~12は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10~12は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0017】
撮影画像取得部10は、動作モードが駐車支援モードの間、リアカメラ4が所定の周期で出力する撮影画像を入力し、取得する。撮影画像取得部10は、所定の周期で入力する撮影画像を、表示制御部12に所定の周期で出力する。
【0018】
ステアリング角度検出部11は、自車両のステアリング角度を監視するコントローラ(例えば、ステアリングECU)に接続されており、動作モードが駐車支援モードの間、当該コントローラと通信して自車両の現在のステアリング角度を所定の周期で検出する。ステアリング角度検出部11は、ステアリング角度を示す情報を所定の周期で表示制御部12に出力する。
【0019】
表示制御部12は、動作モードが駐車支援モードの間、駐車支援画面5をタッチスクリーン3に表示することによって運転手による駐車を支援する。以下、
図2を用いて説明する以下の態様で自車両の駐車が行われるものとして、表示制御部12の処理について詳述する。
【0020】
図2は、自車両が駐車するときの態様の説明に用いる図である。本例では、自車両は、白線(
図2では便宜上、白線を黒色で描画している)で区切られた長方形の駐車枠が複数並んで形成された駐車場において、駐車枠の1つである駐車枠WK1に後進して駐車(いわゆるバック駐車)されるものとする。駐車枠WK1は、2本の対向する長辺LTと、2本の対向する短辺STとを有しており、2本の長辺LTと2本の短辺STとで囲まれた領域に駐車スペースが形成されている。
図2を参照し、駐車枠WK1について、矢印Y1に向かう向きを「駐車枠前方」といい、矢印Y2に向かう向きを「駐車枠後方」という。駐車枠前方および駐車枠後方は共に長辺LTに平行である。
【0021】
本実施形態では、駐車に際し、まず、
図2の経路KR1に示すように、駐車枠WK1の駐車枠前方側において、自車両が短辺STと平行に前進し、駐車枠WK1の駐車枠前方に対して右寄りの位置P1で停止する。位置P1に停止するまでの過程を「第1過程」とする。なお、本実施形態では、自車両の位置を、左右の後輪の中央の位置によって表す。また、
図2において、位置P1で停車した自車両を表す画像では、ハンドルHDを単純化して模式的に描画している。
【0022】
本実施形態では、位置P1に位置した後、自車両の後進が開始するタイミングで運転手の明示的な指示により、また、自車両のギアがリーバスになったことをトリガとして、動作モードが駐車支援モードへ移行する。
【0023】
次いで、
図2の経路KR2に示すように、位置P1で停止する自車両が、駐車枠WK1へ向かう角度が付くようにハンドルHDが切られつつ(本例では、矢印Y3で示す時計回りに回転するようにハンドルHDが操作されつつ)位置P2に至るまで後進する。以下、位置P1から位置P2に至るまでの過程を「第2過程」とする。
【0024】
次いで、
図2の経路KR3に示すように、自車両の後進が進むに従って自車両の車体の向きが駐車枠WK1の長辺LTと平行に近づいていくように、徐々にハンドルHDが戻されつつ(本例では、ハンドルHDが反時計回りに回転されつつ)位置P3に至るまで後進する。以下、位置P2から位置P3に至るまでの過程を「第3過程」とする。第3過程は、特許請求の範囲の『車両が駐車枠に駐車する過程のうち、ハンドルが切られていく状態からハンドルが戻されていく状態へと変化した後、徐々にステアリング角度が小さくなっていく範囲』に相当する。後述するように、第3過程は、位置P2に位置するタイミングを起点とした所定の期間(以下、「期間K1」という)の前半過程と、前半過程以降の後半過程とに分かれている。
【0025】
位置P2は、ハンドルHDが切られていく状態から、ハンドルHDが戻されていく状態へと変化したときの自車両の位置を表している。一方、位置P3は、自車両の車体の向きが、駐車枠WK1の長辺LTと平行となったときの自車両の位置を表している。
【0026】
次いで、
図2の経路KR4に示すように、ステアリング角度が0°の状態が維持された状態で、自車両が後方に向かって真っ直ぐ進むように後進し、位置P4(駐車枠WK1内の駐車スペースにおいて駐車する位置)に至る。以下、位置P3から位置P4に至るまでの過程を「第4過程」とする。
【0027】
本実施形態では、上述した第1、第2、第3、第4過程を順に経て自車両の駐車が行われるものとする。なお、バック駐車は、多くの場合、本実施形態に準じた態様で行われる。特に、通常、第3過程に相当する過程(ハンドルが切られていく状態が終了した後、車体と駐車枠とが平行となるまでの過程)では、ハンドルHDの角度が一定に保たれた状態(=ステアリング角度が一定に保たれた状態)で車両が後進するのではなく、本実施形態のように、運転手によって徐々にハンドルHDが戻されつつ(=ステアリング角度が徐々に小さくなっていきつつ)、車両の後進が行われる。
【0028】
さて、動作モードが駐車支援モードの間、表示制御部12は、所定の周期で、撮影画像取得部10から撮影画像を入力し、ステアリング角度検出部11から自車両の現在のステアリング角度を示す情報を入力する。表示制御部12は、入力した撮影画像およびステアリング角度に係る情報に基づいて、駐車支援画面5をタッチスクリーン3に表示する。
【0029】
図3(A)は、タッチスクリーン3の表示領域に表示された駐車支援画面5の一例を示す図である。
図3(A)に示すように、駐車支援画面5は、タッチスクリーン3の表示領域の右部に表示された俯瞰画面15と、タッチスクリーン3の表示領域の左部に表示された車外画面16とを有する。
【0030】
俯瞰画面15の下部には、自車両の後方に向かう方向が、画面の下に向かった状態で俯瞰画像17(特許請求の範囲の「風景画像」に相当)が表示される。俯瞰画像17は、撮影画像について俯瞰視に視点変換した画像である。すなわち、俯瞰画像17は、自車両の後方の一定の領域を俯瞰視した画像である。俯瞰画像17の上方には、自車両を表す自車両マーク18が表示される。自車両マーク18は、自車両を俯瞰視した姿を模したマークである。例えば、表示制御部12は、所定の周期で入力する撮影画像について、事前に用意されたルックアップテーブルを用いた画像処理を施すことによって俯瞰視に視点変換した後、サイズ調整や解像度調整等の必要な画像処理を行って俯瞰画像17を生成し、生成した俯瞰画像17を俯瞰画面15の所定の位置に表示する。この結果、リアカメラ4の撮影結果がリアルタイムで反映された動画として俯瞰画像17が表示される。
【0031】
車外画面16には、リアカメラ4の撮影結果に基づいて、自車両の後方に向かう方向が画面の上に向かった状態で、車外画像19(特許請求の範囲の「風景画像」に相当)が表示される。車外画像19は、撮影画像について、リアカメラ4の視点が維持されつつ魚眼レンズに由来する歪みが補正され、魚眼レンズではない通常レンズを用いた中心射影方式の撮影装置の撮影結果に基づく画像のようになされた画像である。例えば、表示制御部12は、所定の周期で入力する撮影画像に対して、事前に用意されたルックアップテーブルを用いた歪み補正や、サイズ調整、解像度調整等の必要な画像処理を行って車外画像19を生成し、車外画面16の所定の位置に表示する。この結果、リアカメラ4の撮影結果がリアルタイムで反映された動画として車外画像19が表示される。
【0032】
図3(A)に示すように、表示制御部12は、俯瞰画面15の俯瞰画像17に重畳して第1走行軌跡画像20を表示し、車外画面16の車外画像19に重畳して第2走行軌跡画像21を表示する。以下、第1走行軌跡画像20および第2走行軌跡画像21を表示するときの表示制御部12の処理について詳述する。なお、第1走行軌跡画像20および第2走行軌跡画像21は、特許請求の範囲の「走行軌跡画像」に相当する。以下の説明では、第1走行軌跡画像20および第2走行軌跡画像21を総称して「走行軌跡画像」という場合がある。
【0033】
上述したように、自車両が位置P1に位置した後、自車両の後進の開始に応じて動作モードが駐車支援モードへ移行する。駐車支援モードに移行した後、第2過程の間、表示制御部12は、所定の周期で、各周期で入力するステアリング角度を示す情報に基づいて、各周期におけるステアリング角度が維持された状態で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す走行軌跡画像を表示する。第2過程は、ハンドルHDが切られつつ(本例では、ハンドルHDが時計回りに回転されつつ)、自車両が後進する過程である。表示制御部12は、ステアリング角度検出部11から入力する情報に基づいて、ステアリング角度が大きくなっていく状態であることを認識し、ステアリング角度が大きくなっていく状態の間、第2過程であることを認識する。
【0034】
本実施形態に係る第1走行軌跡画像20は、俯瞰画面15に表示された自車両マーク18によって表される自車両の幅だけ離間して配置された2本の線からなる画像である。第1走行軌跡画像20は、自車両マーク18によって表される自車両が、俯瞰画像17によって表される領域を後進したとしたときに、自車両が通過する経路(車体分の幅を持った経路)を表している。第2過程において、表示制御部12は、第1走行軌跡画像20として、現時点のステアリング角度で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像を表示する。より具体的には、第2過程において、表示制御部12は、各周期で表示する第1走行軌跡画像20として、各周期でステアリング角度検出部11から入力する情報が示すステアリング角度で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像を表示する。
【0035】
本実施形態では、ステアリング角度ごとに第1走行軌跡画像20の画像データが予め用意されている。第2過程における一のタイミングにおいて、表示制御部12は、当該一のタイミングでステアリング角度検出部11から入力した情報が示すステアリング角度に対応する画像データを選択し、選択した画像データに基づいて第1走行軌跡画像20を表示する。なお、ハンドルHDの操作方法には、癖等に由来する個人差があるため、第2過程および後述する前半過程において表示される第1走行軌跡画像20について、このような個人差を反映した予測走行軌跡を表す画像としてもよい。このことは、後述する第2走行軌跡画像21についても同様である。
【0036】
本実施形態に係る第2走行軌跡画像21は、車外画面16の車外画像19によって表される奥行きを持った立体的な景色の中で、自車両の幅を表す2本の線と、2本の線の終端で2本の線を接続する1本の線からなる画像である。第2走行軌跡画像21は、車外画面16の車外画像19によって表される奥行きを持った立体的な景色の中で、自車両が後進したとしたときに自車両が通過する経路(車体分の幅を持った経路。ただし、一定の距離分の経路)を表している。第2過程において、表示制御部12は、第2走行軌跡画像21として、現時点のステアリング角度で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像を表示する。より具体的には、第2過程において、表示制御部12は、各周期で表示する第2走行軌跡画像21として、各周期でステアリング角度検出部11から入力する情報が示すステアリング角度で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像を表示する。第1走行軌跡画像20と同様、ステアリング角度ごとに第2走行軌跡画像21の画像データが予め用意されており、第2過程において、表示制御部12は、現時点のステアリング角度に対応する画像データを選択し、選択した画像データに基づいて第2走行軌跡画像21を表示する。
【0037】
自車両が位置P2に位置した後、第3過程が始まる。第3過程は、徐々にハンドルHDが戻されつつ(本例では、ハンドルHDが反時計回りに回転されつつ)、自車両が後進する過程である。表示制御部12は、ステアリング角度検出部11から入力する情報に基づいて、ステアリング角度が大きくなっていく状態から、ステアリング角度が小さくなっていく状態へと切り替わったことを検出し、第3過程が始まったことを認識する。この第3過程では、表示制御部12は、第3過程となった後、予め定められた期間である期間K1の間は、第2過程と同様、所定の周期で、各周期におけるステアリング角度で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す走行軌跡画像を表示する。なお、期間K1は、時間によって規定される期間であってもよく、自車両の走行距離によって規定される期間であってもよい。以下、第3過程において、期間K1に相当する範囲を「前半過程」とする。また、第3過程において、前半過程に続く残りの範囲を「後半過程」とする。
図3(A)は、前半過程のときにタッチスクリーン3に表示される駐車支援画面5の一例を示している。
【0038】
この前半過程において、表示制御部12は、更に以下の処理を実行する。すなわち、表示制御部12は、所定の周期で、ステアリング角度を示す情報を時系列に従ってログデータに記録する。ログデータは、所定の記憶領域に一時記憶されている。ログデータへの情報の記録は、後半過程においても行われる。
【0039】
期間K1が経過すると後半過程に移行する。後半過程に移行した時点の自車両の位置を「位置PX」(
図2参照)とする。また、以下では、後半過程に移行したタイミングを「タイミングT-0」とする。後半過程に移行すると、表示制御部12は、タイミングT-0にて以下の処理を実行する。
【0040】
すなわち、表示制御部12は、タイミングT-0(期間K1が経過し後半過程に移行したタイミング)のログデータの内容に基づいて、タイミングT-0以降の単位時間当たりのステアリング角度の変化量を予測する。ログデータには、期間K1内の各周期におけるステアリング角度が時系列で記録されている。また、第3過程は、運転手が徐々にハンドルHDを戻していき、ステアリング角度が徐々に小さくなっていく過程であるが、運転手は第3過程において、ハンドルHDを回転するペースを急激に変化させるようなことはせず、大体同じペースでハンドルHDを回転させる(ステアリング角度を変化させる)ものと想定される。このため、ログデータの内容を統計学的手法で分析することによって、その時点以降の単位時間当たりのステアリング角度の変化量を予測することが可能である。以下、予測した変化量を「予測変化量」という。予測変化量は、特許請求の範囲の「予測したステアリング角度の経時的変化」に相当する。
【0041】
なお、第3過程におけるハンドルHDの戻し方は、個人差があることが考えられる。個人差は、例えば、時間が経過するに従って徐々にハンドルHDを戻すペースを早くする(または遅くする)傾向というものである。これを踏まえ、このような個人差を表す情報を予め登録しておき、個人差を反映して予測変化量を算出するようにしてもよい。
【0042】
更に、タイミングT-0において、表示制御部12は、予測変化量でステアリング角度が変化する場合の自車両の予測走行軌跡を算出する。なお、算出される走行軌跡は、例えば、自車両の位置を示す座標が固定された所定の2次元座標系において、自車両が通過する位置を示す座標を時系列的にプロットした情報である。その際、表示制御部12は、ステアリング角度が0°となるまでの予測走行軌跡を算出する。つまり、表示制御部12は、運転手が予測変化量でステアリング角度が0°となるまでステアリング角度を徐々に変化させつつ自車両を後進させた場合に、自車両が走行すると予測される軌跡を予測走行軌跡として算出する。例えば、表示制御部12は、予測変化量をパラメータの1つとする所定の計算式に基づいて予測走行軌跡を算出する。ここで算出される予測走行軌跡は、自車両の走行が進むに従ってステアリング角度が徐々に小さくなっていき、これに伴って、駐車枠WK1の長辺LTに対する自車両の車体の角度が一定のペースで小さくなっていくのではなく、自車両の走行が進むほど当該角度が小さくなるペースが速くなるような軌跡である。
【0043】
なお、本実施形態では、予測変化量に基づいて予測走行軌跡を算出する構成であるが、予測走行軌跡を算出する方法は、本実施形態で例示する方法に限られない。一例として、ログデータに基づいて、カルマンフィルタ等の予測フィルタを利用して、ステアリング角度が0°となるまでに要する時刻(または、ステアリング角度が0°となるまでに要する時間)を算出し、算出した時刻に基づいて予測走行軌跡を算出するようにしてもよい。
【0044】
更にタイミングT-0において、表示制御部12は、算出した予測走行軌跡を示す第1走行軌跡画像20を俯瞰画面15の俯瞰画像17に重畳して表示する。本実施形態では、算出した予測走行軌跡をパラメータとして、予測走行軌跡を示す第1走行軌跡画像20の画像データを生成するプログラムが実装されており、表示制御部12は、このプログラムを用いて予測走行軌跡を示す第1走行軌跡画像20の画像データを生成する。このことは、第2走行軌跡画像21についても同様である。更にタイミングT-0において、表示制御部12は、算出した予測走行軌跡を示す第2走行軌跡画像21を車外画面16の車外画像19に重畳して表示する。
【0045】
算出した予測走行軌跡は、ステアリング角度が0°となると予測されるまでの軌跡である。従って、表示された第1走行軌跡画像20および第2走行軌跡画像21は、ステアリング角度が0°となるまでの軌跡を示す画像となっており、ステアリング角度が0°となると予測される位置において終端している。運転手は、走行軌跡画像が終端する位置を認識することによって、このままのペースでステアリング角度を調整しつつ自車両を後進させた場合に、ステアリング角度が0°となると予測される位置を認識できる。
図3(B)は、後半過程のときにタッチスクリーン3に表示される駐車支援画面5の一例を示している。
【0046】
以上のように、タイミングT-0において、表示制御部12は、タイミングT-0におけるログデータに基づく予測変化量の予測、予測した予測変化量を反映した走行軌跡の算出、算出した走行軌跡を示す走行軌跡画像の表示を実行する。後半過程のタイミングT-0以降、表示制御部12は、所定の周期で以下の処理を実行する。すなわち、N周期目(Nは正の整数)のタイミングT-Nにおいて、表示制御部12は、タイミングT-Nにおけるログデータに基づく予測変化量の予測、予測した予測変化量を反映した走行軌跡の算出、算出した走行軌跡を示す走行軌跡画像の表示を実行する。このような処理が行われる結果、俯瞰画面15および車外画面16には、「現時点までの実際のステアリング角度の変化に基づいて予測される」予測変化量が反映されて算出された走行軌跡を示す走行軌跡画像が継続して表示される。
【0047】
後半過程において、運転手は、駐車支援画面5の走行軌跡画像を参照することにより、現時点以降に自車両が走行すると予測される軌跡、および、ステアリング角度が0°となると予測される位置を認識しつつ、ステアリング角度が0°となる位置が、駐車枠WK1の前方であって、2本の対向する長辺LTの略中央の位置(本例では、位置P3)となることを目標として、ステアリング角度を調整しつつ自車両を走行させる。こうすることにより、位置P3において、駐車枠WK1の駐車枠前方において自車両の車体と駐車枠WK1の長辺LTとが平行となり、それ以降はステアリング角度が0°の状態で真っ直ぐ自車両を後進させれば、駐車枠WK1内の駐車スペースに自車両を駐車させることができるからである。
【0048】
上述したように、通常、第3過程に相当する過程では、ハンドルHDの角度が一定に保たれた状態(=ステアリング角度が一定に保たれた状態)で車両が後進するのではなく、運転手によって徐々にハンドルが戻されつつ(=ステアリング角度が徐々に小さくなっていきつつ)、車両の後進が行われる。そして、後半過程において表示される走行軌跡画像は、ステアリング角度が徐々に小さくなっていくことが適切に反映された画像であるため、自車両が実際に走行する軌跡と乖離が少ない軌跡を示しているということが言える。これを踏まえ、本実施形態によれば、運転手は、自車両が実際に走行する軌跡と乖離が少ない軌跡を示す走行軌跡画像を参照することにより、現時点以降に自車両が走行すると予測される軌跡、および、ステアリング角度が0°となると予測される位置をより正確に認識することができる。
【0049】
自車両が位置P3に位置すると、第4過程が始まる。上述したように、本実施形態では、運転手は、第3過程で表示された走行軌跡画像を参照することにより、現時点以降に自車両が走行すると予測される軌跡、および、および、ステアリング角度が0°となると予測される位置を適切に予想することができ、その予想の下、自車両が位置P3に位置したときにスムーズに車両を走行させることができる。なお、走行軌跡画像は、ステアリング角度が0°となるまでの軌跡を示す画像であるため、実際のステアリング角度が0°となったときに、走行軌跡画像が表示されなくなる。
【0050】
第4過程は、位置P3においてステアリング角度が0°とされた状態で、自車両が後方に向かって真っ直ぐ後進し、位置P4で停車する過程である。表示制御部12は、ステアリング角度検出部11から入力する情報に基づいて、ステアリング角度が0°となったことを認識することにより、第4過程に移行したことを認識する。第4過程では、表示制御部12は、走行軌跡画像を表示しない状態を継続する。
図3(C)は、第4過程のときにタッチスクリーン3に表示される駐車支援画面5の一例を示している。運転手は、俯瞰画面15の俯瞰画像17および車外画面16の車外画像19を参照し、自車両と駐車枠WK1との位置関係を認識しつつ、自車両を後進させ、位置P4に自車両を停車させる。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る駐車支援システム1は、自車両が駐車枠WK1に後進して駐車する際、ステアリング角度の経時的変化(予測変化量)を予測し、第3過程の後半過程では、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す走行軌跡画像(第1走行軌跡画像20および第2走行軌跡画像21)を表示するようにしている。
【0052】
この構成によれば、第3過程の後半過程では、走行軌跡画像として、現時点のステアリング角度を維持したまま自車両を後進させた場合に自車両が走行する軌跡を示す画像が表示されるのではなく、ステアリング角度の経時的変化を予測した上で、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す画像が表示される。このため、自車両の駐車に際し、第3過程では実際にはステアリング角度が調整されつつ自車両が後進することを踏まえ、タッチスクリーン3に表示された走行軌跡画像によって表された予測走行軌跡と、その表示時点以降に自車両が実際に走行する軌跡との間の乖離をできるだけ少なくすることができる。これにより、運転手は、表示された走行軌跡画像を参照することにより、自車両の予測走行軌跡を適切に予想することができ、その予想の下、駐車枠WK1と自車両の車体とが平行となったときに、スムーズに車両を停車させることができる。
【0053】
また、本実施形態では、表示制御部12は、予測したステアリング角度の経時的変化を反映した予測走行軌跡を示す走行軌跡画像を表示する際、ステアリング角度が0°となるまでの予測走行軌跡を示す走行軌跡画像を表示する。この構成によれば、運転手は、表示された走行軌跡画像を参照することにより、自車両の予測走行軌跡のみならず、自車両についてステアリング角度が0°となると予測される位置を適切に予想することができ、その予想の下、ステアリング角度が0°となるタイミングで、駐車枠WK1の前方であって、2本の対向する長辺LTの略中央の位置(本例では、位置P3)に自車両が至るように、スムーズに自車両を走行させることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、説明の明確化のため、自車両が経路KR1→経路KR2→経路KR3→経路KR4を経由してスムーズに駐車することを前提として車載装置2の動作について説明した。しかしながら、実際には、運転手は、自車両を駐車させる過程で、ハンドルを戻していく状態となった後、ハンドルを一旦切り、再びハンドルを戻していく状態とすることがあり、また、このような動作が繰り返し行われることもあるものと想定される。本実施形態では、ハンドルが一旦切られた後に、再び戻されていく状態となった後に、第3過程で説明した処理が実行されることにより、ステアリング角度の経時的変化を反映した態様で走行軌跡画像が表示されることになる。
【0055】
次に、本実施形態に係る車載装置2の動作例についてフローチャートを用いて説明する。以下では、特徴的な処理を実行する前半過程および後半過程における車載装置2の動作例について説明する。
図4のフローチャートFAは、前半過程の任意のタイミングにおける車載装置2の動作を示している。フローチャートFAの処理の開始時点では、表示制御部12により駐車支援画面5が表示されている状態である。
【0056】
フローチャートFAに示すように、車載装置2の表示制御部12は、撮影画像取得部10から撮影画像を入力すると共に、ステアリング角度検出部11から自車両の現在のステアリング角度を示す情報を入力する(ステップSA1)。次いで、表示制御部12は、入力した撮影画像に基づいて俯瞰画像17を表示すると共に、入力した撮影画像に基づいて車外画像19を表示する(ステップSA2)。
【0057】
次いで、表示制御部12は、俯瞰画像17に重畳して第1走行軌跡画像20を表示すると共に、車外画像19に重畳して第2走行軌跡画像21を表示する(ステップSA3)。上述したように、前半過程で表示される走行軌跡画像は、現時点のステアリング角度が維持された状態で自車両が後進した場合の予測走行軌跡を示す画像である。次いで、表示制御部12は、ログデータに、現時点のステアリング角度を示す情報を記録する(ステップSA4)。
【0058】
図4のフローチャートFBは、後半過程の任意のタイミングにおける車載装置2の動作を示している。フローチャートFBの処理の開始時点では、表示制御部12により駐車支援画面5が表示されている状態である。
【0059】
フローチャートFBに示すように、車載装置2の表示制御部12は、撮影画像取得部10から撮影画像を入力すると共に、ステアリング角度検出部11から自車両の現在のステアリング角度を示す情報を入力する(ステップSB1)。次いで、表示制御部12は、入力した撮影画像に基づいて俯瞰画像17を表示すると共に、入力した撮影画像に基づいて車外画像19を表示する(ステップSB2)。
【0060】
次いで、表示制御部12は、現時点におけるログデータに基づいて、予測変化量を予測する(ステップSB3)。次いで、表示制御部12は、ステップSB3で予測した予測変化量を反映して予測走行軌跡を算出する(ステップSB4)。次いで、表示制御部12は、ステップSB4で算出した予測走行軌跡を示す第1走行軌跡画像20を俯瞰画像17に重畳して表示すると共に、ステップSB4で算出した予測走行軌跡を示す第2走行軌跡画像21を車外画像19に重畳して第2走行軌跡画像21を表示する(ステップSB5)。次いで、表示制御部12は、ログデータに、現時点のステアリング角度を示す情報を記録する(ステップSB6)。
【0061】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0062】
例えば、上記実施形態に係る車載装置2の機能を、車載装置2以外の装置が有する構成、または、車載装置2と車載装置2以外の装置とが連関して有する構成であってもよい。一例として、車載装置2とネットワークを介して接続された装置(例えば、インターネットを介して接続されたサーバ装置)が、車載装置2の機能ブロックの少なくとも一部を有する構成であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態で例示した駐車支援画面5の内容や、レイアウトはあくまで一例である。例えば、駐車支援画面5は、俯瞰画面15に相当する画面のみが表示された画面であってもよく、また、車外画面16に相当する画面のみが表示された画面であってもよい。また、各画面を自車両の搭乗者が切り替えることが可能な構成としてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、第4過程では、走行軌跡画像を表示しない構成であったが、第4過程において走行軌跡画像に対応する画像(自車両が真っ直ぐ後進する軌跡を示す画像)を表示する構成としてもよい。この場合において、俯瞰画面15と車外画面16とのうち一方の画面にのみ走行軌跡画像に対応する画像を表示する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 駐車支援システム
4 リアカメラ(カメラ)
10 撮影画像取得部
11 ステアリング角度検出部
12 表示制御部
WK1 駐車枠