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特許7140775シフトレジスタユニット及びその制御方法、ゲート駆動回路、表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】シフトレジスタユニット及びその制御方法、ゲート駆動回路、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 19/28 20060101AFI20220913BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220913BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/20 622E
G09G3/20 622G
G09G3/36
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019554721
(86)(22)【出願日】2018-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 CN2018071524
(87)【国際公開番号】W WO2018201750
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】201710310290.3
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リー モン
(72)【発明者】
【氏名】ワン イン
【審査官】堀田 和義
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106486049(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104008717(CN,A)
【文献】特開2000-275669(JP,A)
【文献】特表2017-509910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シフト駆動サブ回路と、プルダウンサブ回路と、出力サブ回路と、修復サブ回路とを備えるシフトレジスタユニットであって
前記シフト駆動サブ回路は、信号入力端、第1クロック信号端、第2クロック信号端及び第1信号出力端に接続され;前記シフト駆動サブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記信号入力端の電圧を保存するように構成されるか、又は前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力するように構成され、
前記出力サブ回路は、前記第1信号出力端、第1電圧端及び第2信号出力端に接続され;前記出力サブ回路は、前記第1信号出力端の制御下で、前記第1電圧端の電圧を前記第2信号出力端に出力するように構成され、
前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端、第2電圧端、第3電圧端、前記第1信号出力端及び前記第2信号出力端に接続され;前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記第1信号出力端と前記第2信号出力端の電圧を、それぞれ前記第2電圧端、前記第3電圧端にプルダウンし;
前記修復サブ回路は、前記信号入力端、前記第1クロック信号端、前記第2クロック信号端及び前記第1信号出力端に接続され、前記修復サブ回路は、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力するように構成され、
前記シフトレジスタユニットは、前記第1信号出力端を介して次段のシフトレジスタユニットに信号を出力すると共に、前記第2信号出力端を介してゲート走査信号を出力するように構成され、
前記修復サブ回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを有し、前記第5トランジスタのゲートは、前記第1クロック信号端に接続され、前記第5トランジスタの第1極は、前記信号入力端に接続され、及び前記第5トランジスタの第2極は、前記第6トランジスタのゲートに接続され;前記第6トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、前記第6トランジスタの第2極は、前記第1信号出力端に接続される、
シフトレジスタユニット。
【請求項2】
前記シフト駆動サブ回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第4トランジスタと、キャパシタとを備え、
前記第1トランジスタのゲートは前記第1クロック信号端に接続され、前記第1トランジスタの第1極は前記信号入力端に接続され、そして前記第1トランジスタの第2極は前記第2トランジスタの第2極に接続され、
前記第2トランジスタのゲートは前記第1クロック信号端に接続され、そして前記第2トランジスタの第1極は前記第4トランジスタのゲートに接続され、
前記第3トランジスタのゲートは前記第4トランジスタのゲートに接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、そして前記第3トランジスタの第2極は前記第1トランジスタの第2極に接続され、
前記第4トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、そして前記第4トランジスタの第2極は前記第1信号出力端に接続され、
前記キャパシタの一端は前記第4トランジスタのゲートに接続され、前記キャパシタの他端は、前記第4トランジスタの第2極に接続される、
請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項3】
記第5トランジスタと前記第6トランジスタのそれぞれのアスペクト比は、前記第4トランジスタのアスペクト比の18%~22%である、
請求項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項4】
記第5トランジスタと前記第6トランジスタのそれぞれのアスペクト比は、前記第4トランジスタのアスペクト比の約18%~22%である、
請求項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項5】
前記プルダウンサブ回路は、第7トランジスタと、第8トランジスタとを備え、
前記第7トランジスタのゲートは前記第1クロック信号端に接続され、前記第7トランジスタの第1極は前記第1信号出力端に接続され、そして前記第7トランジスタの第2極は前記第2電圧端に接続され、
前記第8トランジスタのゲートは前記第1クロック信号端に接続され、前記第8トランジスタの第1極は前記第2信号出力端に接続され、そして前記第8トランジスタの第2極は前記第3電圧端に接続される、
請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項6】
前記出力サブ回路は第9トランジスタを備え、前記第9トランジスタのゲートは前記第1信号出力端に接続され、前記第9トランジスタの第1極は前記第1電圧端に接続され、そして前記第9トランジスタの第2極は前記第2信号出力端に接続される、
請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項7】
前記第2電圧端の出力電圧の振幅値は、前記第3電圧端の出力電圧の振幅値より大きくされる、請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項8】
複数のカスケード接続された、請求項1-のいずれかに記載のシフトレジスタユニットを備える、ゲート駆動回路。
【請求項9】
第1段のシフトレジスタユニットの信号入力端は、開始信号端に接続され、
前記第1段のシフトレジスタユニット以外、前段のシフトレジスタユニットの第1信号出力端は次段のシフトレジスタユニットの信号入力端に接続される、
請求項に記載のゲート駆動回路。
【請求項10】
請求項又はに記載のゲート駆動回路を備える表示装置。
【請求項11】
さらに複数のゲート線を備え、
前記複数のゲート線のうちの少なくとも1本は、それぞれ前記ゲート駆動回路中の対応するシフトレジスタユニットの第2信号出力端に接続される、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1-のいずれかに記載のシフトレジスタユニットを駆動するための方法であって、一つの画像フレーム内において、前記方法は、
第1段階において、前記シフト駆動サブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記信号入力端の電圧を保存し、
第5トランジスタは、前記第1クロック信号端の制御下で導通され、前記信号入力端の電圧が前記第5トランジスタを介して第6トランジスタに伝送され、前記第6トランジスタが導通されるように制御し、
前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記第1信号出力端と前記第2信号出力端の電圧をそれぞれ前記第2電圧端、前記第3電圧端にプルダウンし、前記第2電圧端の出力電圧の振幅値は、前記第3電圧端の出力電圧の振幅値より大きくされ、
第2段階において、前記シフト駆動サブ回路は、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力し、
前記出力サブ回路は、前記第1信号出力端の制御下で、前記第1電圧端の電圧を前記第2信号出力端に出力し、
修復サブ回路が、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力しここで、前記修復サブ回路が、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力することは、前記第6トランジスタが導通を維持し、前記第2クロック信号端の電圧を、前記第6トランジスタを介して前記第1信号出力端に出力することを含み、
第3段階において、前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記第1信号出力端と前記第2信号出力端の電圧をそれぞれ前記第2電圧端、前記第3電圧端にプルダウンするステップを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特にシフトレジスタユニット及びその制御方法、ゲート駆動回路、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置、例えばTFT-LCD(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display、薄膜トランジスタ-液晶ディスプレイ)には、表示領域と表示領域の周辺に位置する領域とに区画されるアレイ基板が設けられる。周辺の領域には、ゲート線を順次走査するためのゲートドライバが設けられている。既存のゲートドライバは、GOA回路を構成するように、通常、GOA(Gate Driver on Array、ゲートドライバオンアレイ)設計を用いてTFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)ゲートスイッチング回路を上述した周辺の領域に集積させ、これによって狭いフレームの設計を実現する。
【0003】
従来の技術において、GOA回路は複数のカスケード接続されたシフトレジスタユニットを備え、各シフトレジスタユニットの出力端は、ゲート駆動信号をゲート線に入力するため、一行のゲート線に接続されている。前段のシフトレジスタユニットの出力端の信号は、次段のシフトレジスタユニットの入力信号とされている。この場合、次段のシフトレジスタユニットは、前段のシフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号に対して損失をもたらすが故に、ゲート走査信号の安定性が低下し、表示効果が低下する恐れがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施例は、以下のような技術案を採用する。
【0005】
本開示の実施例の第1態様に係わるシフトレジスタユニットは、シフト駆動サブ回路と、プルダウンサブ回路と、出力サブ回路とを備え、前記シフト駆動サブ回路は、信号入力端、第1クロック信号端、第2クロック信号端及び第1信号出力端に接続され、前記シフト駆動サブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記信号入力端の電圧を保存したり、及び前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力したりするように構成され;前記出力サブ回路は、前記第1信号出力端、前記第1電圧端及び前記第2信号出力端に接続され;前記出力サブ回路は、前記第1信号出力端の制御下で、前記第1電圧端の電圧を前記第2信号出力端に出力するように構成され;前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端、第2電圧端、第3電圧端、前記第1信号出力端及び前記第2信号出力端に接続され;前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記第1信号出力端と前記第2信号出力端の電圧をそれぞれ前記第2電圧端、前記第3電圧端にプルダウンするように構成され;前記シフトレジスタユニットは、前記第1信号出力端を介して次段のシフトレジスタユニットに信号を出力すると共に、前記第2信号出力端を介してゲート走査信号を出力するように構成される。
【0006】
選択的には、前記シフト駆動サブ回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、第4トランジスタと、キャパシタとを有し、前記第1トランジスタのゲートは、前記第1クロック信号端に接続され、前記第1トランジスタの第1極は、前記信号入力端に接続され、及び前記第1トランジスタの第2極は、前記第2トランジスタの第2極に接続され、前記第2トランジスタのゲートは前記第1クロック信号端に接続され、及び前記第2トランジスタの第1極は前記第4トランジスタのゲートに接続され、前記第3トランジスタのゲートは前記第4トランジスタのゲートに接続され、前記第3トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、及び前記第3トランジスタの第2極は前記第1トランジスタの第2極に接続され、前記第4トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、及び前記第4トランジスタの第2極は前記第1クロック信号端に接続され、前記キャパシタの一端は前記第4トランジスタのゲートに接続され、及び前記キャパシタの他端は前記第4トランジスタの第2極に接続される。
【0007】
選択的には、前記シフトレジスタユニットは、さらに修復サブ回路を備え、前記修復サブ回路は、前記信号入力端、前記第1クロック信号端、前記第2クロック信号端及び前記第1信号出力端に接続され、前記修復サブ回路は、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力するように構成される。
【0008】
選択的には、前記修復サブ回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを有し;前記第5トランジスタのゲートは、第1クロック信号端に接続され、前記第5トランジスタの第1極は、信号入力端に接続され、及び前記第5トランジスタの第2極は、前記第6トランジスタのゲートに接続され;前記第6トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、及び前記第6トランジスタの第2極は、前記第1信号出力端に接続され;前記シフト駆動サブ回路が前記第4トランジスタを備える場合、前記第5トランジスタと前記第6トランジスタのそれぞれのアスペクト比は、前記第4トランジスタのアスペクト比の18%~22%、又は約18%~22%である。
【0009】
選択的には、前記プルダウンサブ回路は、第7トランジスタと第8トランジスタとを有し;前記第7トランジスタのゲートは、前記第1クロック信号端に接続され、前記第7トランジスタの第1極は、前記第1信号出力端に接続され、及び第7トランジスタの第2極は、前記第2電圧端に接続され;前記第8トランジスタのゲートは、前記第1クロック信号端に接続され、前記第8トランジスタの第1極は、前記第2信号出力端に接続され、及び前記第8トランジスタの第2極は、前記第3電圧端に接続される。
【0010】
選択的には、前記出力サブ回路は、第9トランジスタを有し、前記第9トランジスタのゲートは、前記第1信号出力端に接続され、第1極は前記第1電圧端に接続され、第2極は前記第2信号出力端に接続される。
選択的には、前記第2電圧端の出力電圧の振幅値は、前記第3電圧端の出力電圧の振幅値より大きくされる。
選択的には、前記修復サブ回路は、第5トランジスタと第6トランジスタとを有する。前記第5トランジスタのゲートは、第1クロック信号端に接続され、前記第5トランジスタの第1極は、信号入力端に接続され、及び前記第5トランジスタの第2極は、前記第6トランジスタのゲートに接続され。前記第6トランジスタの第1極は前記第2クロック信号端に接続され、前記第6トランジスタの第2極は、前記第1信号出力端に接続される。
【0011】
本開示の実施例の第2態様に係わるゲート駆動回路は、複数のカスケード接続された、第1態様に記載のいずれかのシフトレジスタユニットを備える。
選択的には、第1段のシフトレジスタユニットの信号入力端は開始信号端に接続され、前記第1段のシフトレジスタユニット以外の前段のシフトレジスタユニットの第1信号出力端は、次段のシフトレジスタユニットの信号入力端に接続される。
【0012】
本開示の実施例の第3態様に係る表示装置は、第2態様に記載のゲート駆動回路を備える。
選択的には、表示装置はさらに複数のゲート線を備える。前記複数のゲート線のうちの少なくとも1本は、それぞれ前記ゲート駆動回路中の対応するシフトレジスタユニットの第2信号出力端に接続される。
【0013】
本開示の実施例の第4態様は、第1態様に記載のいずれかのシフトレジスタユニットを駆動するための方法であって、1つの画像フレーム内において、前記方法は、第1段階において、前記シフト駆動サブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記信号入力端の電圧を保存し、前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記第1信号出力端と前記第2信号出力端の電圧をそれぞれ前記第2電圧端、前記第3電圧端にプルダウンサブし、前記第2電圧端の出力電圧の振幅値は、前記第3電圧端の出力電圧の振幅値より大きくされ;第2段階において、前記シフト駆動サブ回路は、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力し、前記出力サブ回路は、前記第1信号出力端の制御下で、前記第1電圧端の電圧を前記第2信号出力端に出力し;第3段階において、前記プルダウンサブ回路は、前記第1クロック信号端の制御下で、前記第1信号出力端と前記第2信号出力端の電圧をそれぞれ前記第2電圧端、前記第3電圧端にプルダウンするステップを含む方法を提供する。
【0014】
選択的には、前記シフトレジスタユニットがさらに前記修復サブ回路を備え、前記方法は、前記第2段階において、前記修復サブ回路が、前記信号入力端、前記第1クロック信号端及び前記第2クロック信号端の制御下で、前記第2クロック信号端の電圧を前記第1信号出力端に出力するステップをさらに含む
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の実施例における技術案、又は従来技術における技術案をより明確的に説明するため、以下、実施例又は従来技術の説明に用いる必要な図面を簡単に説明する。言うまでもなく、以下の説明における図面は、本開示の幾つかの例示であり、当業者であれば、格別創意を要することなく、これらの図面に基づく他の図面を得られる。
【0016】
図1】本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットの概略構成図である。
図2図1における各サブ回路の具体的な概略構成図である。
図3】本開示の実施例に係るもう1つのシフトレジスタユニットの概略構成図である。
図4図3における各サブ回路の具体的な概略構成図である。
図5図4に示すシフトレジスタユニットを駆動するための各制御信号のタイミング図である。
図6図4におけるシフト駆動サブ回路を分離した後のシフトレジスタユニットの概略構造図である。
図7】複数の図4に示すシフトレジスタユニットを用いてカスケード接続されたゲート駆動回路の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施例における図面を参照し、本開示の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。無論、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではないと理解されるべきである。本開示における実施例に基づき、当業者が格別の創意がなく容易に想到できる他のすべての実施例は、本開示の権利範囲に含まれるものとする。
【0018】
本開示の実施例は、GOA回路における次段のシフトレジスタユニットが前段のシフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号を影響する確率を低減可能なシフトレジスタユニット及びその制御方法、ゲート駆動回路、表示装置を提供する。
【0019】
上述した問題を解決するため、本開示の実施例は、シフトレジスタユニット及びその制御方法、ゲート駆動回路、表示装置を提供する。このシフトレジスタユニットは、シフト駆動サブ回路と、プルダウンサブ回路と、出力サブ回路とを備える。シフト駆動サブ回路は、信号入力端、第1クロック信号端、第2クロック信号端及び第1信号出力端に接続されている。シフト駆動サブ回路は、第1クロック信号端の制御下で、信号入力端の電圧を保存したり、及び信号入力端、第1クロック信号端及び第2クロック信号端の制御下で、第2クロック信号端の電圧を第1信号出力端に出力したりするように構成される。出力サブ回路は、第1信号出力端、第1電圧端及び第2信号出力端に接続されている。出力サブ回路は、第1信号出力端の制御下で、第1電圧端の電圧を第2信号出力端に出力するように構成される。プルダウンサブ回路は、第1クロック信号端、第2電圧端、第3電圧端、第1信号出力端及び第2信号出力端に接続されている。プルダウンサブ回路は、第1クロック信号端の制御下で、第1信号出力端と第2信号出力端の電圧をそれぞれ第2電圧端、第3電圧端にプルダウンするように構成される。ここでは、第2電圧端の出力電圧の振幅値は、第3電圧端の出力電圧の振幅値より大きくされる。
【0020】
上述から明らかなように、本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットは、第1信号出力端と第2信号出力端とを備える。このように、上記複数のシフトレジスタユニットのカスケード接続を採用してゲート駆動回路を構成する場合には、前段のシフトレジスタユニットの第1信号出力端と次段のシフトレジスタユニットの信号入力端とが接続されている。また、各段のシフトレジスタユニットの第2信号出力端は、ゲート線にゲート走査信号を出力するように、ゲート線と接続するように構成される。こうして、一方では、各シフトレジスタユニットの第2信号出力端は、次段のシフトレジスタユニットに接続する必要がないため、該第2信号出力端から出力されるゲート走査信号は、次段のシフトレジスタユニットの影響を受けないことになる。これにより、シフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号を安定させ、損失を減少することができる。他方では、上記シフトレジスタユニットにおけるプルダウンサブ回路は、それぞれ第2電圧端と第3電圧端である二種の電圧に接続されている。第2電圧端の出力電圧の振幅値が第3電圧端の出力電圧の振幅値より大きくされるため、第2電圧端により第1信号出力端の電圧を十分にプルダウンすることができ、これによって該シフトレジスタユニットが非出力段階、即ちゲート駆動信号を出力しない段階にある時、第1信号出力端及び該第1信号出力端によって制御される第2信号出力端の誤り出力を回避でき、シフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号の安定性をさらに向上させることができる。
【0021】
これに基づき、本願の実施例は、図1に示すように、シフト駆動サブ回路10と、プルダウンサブ回路20と、出力サブ回路30とを備えるシフトレジスタユニットを提供する。
【0022】
シフト駆動サブ回路10は、信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1、第2クロック信号端CLK2及び第1信号出力端CRに接続されている。該シフト駆動サブ回路10は、第1クロック信号端CLK1の制御下で、信号入力端INPUTの電圧を保存したり、及び信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1及び第2クロック信号端CLK2の制御下で、第2クロック信号端CLK2の電圧を第1信号出力端CRに出力したりするように構成される。
【0023】
出力サブ回路30は、第1信号出力端CR、第1電圧端VDD及び第2信号出力端OUTに接続されている。出力サブ回路30は、第1信号出力端CRの制御下で、第1電圧端VDDの電圧を第2信号出力端OUTに出力するように構成される。
【0024】
プルダウンサブ回路20は、第1クロック信号端CLK1、第2電圧端VSSL、第3電圧端VSS、第1信号出力端CR及び第2信号出力端OUTに接続されている。プルダウンサブ回路20は、第1クロック信号端CLK1の制御下で、第1信号出力端CRと第2信号出力端OUTの電圧をそれぞれ第2電圧端VSSL、第3電圧端VSSにプルダウンするように構成される。
【0025】
なお、第2電圧端VSSLの出力電圧の振幅値は、第3電圧端VSSの出力電圧の振幅値より大きくされる。例えば、第2電圧端VSSLが出力する電圧の振幅値は、10であってもよいし、第3電圧端VSSが出力する電圧の振幅値は5であってもよい。
【0026】
上述から明らかなように、本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットは、第1信号出力端CRと第2信号出力端OUTとを備える。このように、上記複数のシフトレジスタユニットのカスケード接続を採用してゲート駆動回路を構成する場合、前段のシフトレジスタユニットの第1信号出力端CRと次段のシフトレジスタユニットの信号入力端INPUTとが接続される。また、各段のシフトレジスタユニットの第2信号出力端OUTは、ゲート線にゲート走査信号を出力するように、ゲート線と接続するように構成される。その結果、一方では、各シフトレジスタユニットの第2信号出力端OUTは、次段のシフトレジスタユニットに接続する必要がないため、該第2信号出力端OUTから出力されるゲート走査信号は、次段のシフトレジスタユニットから影響を受けることがない。こうして、シフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号を安定させ、損失を減少することができる。他方では、上記シフトレジスタユニットにおけるプルダウンサブ回路20は、それぞれ第2電圧端VSSLと第3電圧端VSSである2種の電圧に接続される。第2電圧端VSSLの出力電圧の振幅値が第3電圧端VSSの出力電圧の振幅値より大きくされるため、第2電圧端VSSLにより第1信号出力端CRの電圧を十分プルダウンすることができる。こうして、該シフトレジスタユニットが非出力段階、即ちゲート駆動信号を出力しない段階にある時、第1信号出力端CR及び該第1信号出力端CRによって制御される第2信号出力端OUTの誤り出力を回避でき、シフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号の安定性をさらに向上させることができる。
【0027】
選択的には、上記シフト駆動サブ回路10の構造は、図2に示すように、第1トランジスタT1と、第2トランジスタT2と、第3トランジスタT3と、第4トランジスタT4と、キャパシタCとを備えることができる。
【0028】
なお、第1トランジスタT1のゲートは、第1クロック信号端CLK1に接続され、第1トランジスタT1の第1極は、信号入力端INPUTに接続され、及び第1トランジスタT1の第2極は、第2トランジスタT2の第2極に接続される。
【0029】
第2トランジスタT2のゲートは、第1クロック信号端CLK1に接続され、及び第2トランジスタT2の第1極は、第4トランジスタT4のゲートに接続される。
【0030】
第3トランジスタT3のゲートは、第4トランジスタT4のゲートに接続され、第3トランジスタT3の第1極は、第2クロック信号端CLK2に接続され、及び第3トランジスタT3の第2極は、第1トランジスタT1の第2極に接続される。
【0031】
第4トランジスタT4の第1極は、第2クロック信号端CLK2に接続され、及び第4トランジスタT4の第2極は、第1信号出力端CRに接続される。
【0032】
キャパシタCの一端は、第4トランジスタT4のゲートに接続され、及びキャパシタCの他端は、第4トランジスタT4の第2極に接続されている。
【0033】
これに基づき、上記シフト駆動サブ回路10におけるトランジスタの異常発生による該シフトレジスタユニットの動作不能を回避するため、選択的には、図3に示すように、本開示の実施例に係るシフトレジスタユニットは、修復サブ回路40をさらに備える。
【0034】
なお、該修復サブ回路40は、信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1、第2クロック信号端CLK2及び第1信号出力端CRに接続される。該修復サブ回路40は、信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1及び第2クロック信号端CLK2の制御下で、第2クロック信号端CLK2の電圧を第1信号出力端CRに出力するように構成される。
【0035】
こうして、シフト駆動サブ回路10におけるトランジスタに異常が発生することにより、シフト駆動サブ回路10が正常に動作しなくても、該修復サブ回路40は、シフト駆動サブ回路10を置き換えることができる。信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1及び第2クロック信号端CLK2の制御下で、出力サブ回路30は、第1信号出力端CRから出力された信号を正常に受信することができるように、第2クロック信号端CLK2の電圧を第1信号出力端CRに出力する。該第1信号出力端CRの制御下で、第2信号出力端OUTに接続されるゲート線にゲート走査信号を出力するように、第1電圧端VDDの電圧を該第2信号出力端OUTに出力する。
【0036】
具体的には、上記修復サブ回路は、図4に示すように、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6とを備える。
【0037】
なお、第5トランジスタT5のゲートは、第1クロック信号端CLK1に接続され、第5トランジスタT5の第1極は、信号入力端INPUTに接続され、及び第5トランジスタT5の第2極は、第6トランジスタT6のゲートに接続される。
【0038】
第6トランジスタT6の第1極は、第2クロック信号端CLK2に接続され、及び第6トランジスタT6の第2極は、第1信号出力端CRに接続される。
【0039】
更に、上記シフト駆動サブ回路10が第4トランジスタT4を備えた場合、該第5トランジスタT5と第6トランジスタT6のそれぞれのアスペクト比は、第4トランジスタT4のアスペクト比の18%~22%、又は約18%~22%である。こうして、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6のアスペクト比は比較的大きいので、それら自体は、ある程度の寄生容量を有する。該シフトレジスタユニットがゲート走査信号を出力する必要がある場合、上記の寄生容量は第6トランジスタT6を導通状態に維持することができ、これにより、該第6トランジスタT6を介して第1信号出力端CRに出力される信号を安定に維持することができる。本願の発明者は、該第5トランジスタT5と第6トランジスタT6のそれぞれのアスペクト比が第4トランジスタT4のアスペクト比の18%、20%及び22%である場合について、それぞれ実験を行った。実験結果によれば、上記の寄生容量は第6トランジスタT6を導通状態に維持することができ、これにより、該第6トランジスタT6を介して第1信号出力端CRに出力される信号を安定に維持することができる。
【0040】
また、図2又は図4に示すように、上記の該プルダウンサブ回路20は、第7トランジスタT7と第8トランジスタT8とを備える。
【0041】
第7トランジスタT7のゲートは、第1クロック信号端CLK1に接続され、第7トランジスタT7の第1極は、第1信号出力端CRに接続され、及び第7トランジスタT7の第2極は、第2電圧端VSSLに接続される。
【0042】
第8トランジスタT8のゲートは第1クロック信号端CLK1に接続され、第8トランジスタT8の第1極は第2信号出力端OUTに接続され、及び第8トランジスタT8の第2極は、第3電圧端VSSに接続される。
【0043】
出力サブ回路30は、第9トランジスタT9を備え、該第9トランジスタT9のゲートは第1信号出力端CRに接続され、第9トランジスタT9の第1極は第1電圧端VDDに接続され、及び第9トランジスタT9の第2極は第2信号出力端OUTに接続される。ここでは、上記した第9トランジスタT9と第4トランジスタT4のアスペクト比は略等しく、いずれも駆動トランジスタとして用いることができる。
【0044】
ここで、説明すべきなのは、上記トランジスタは、N型トランジスタ又はP型トランジスタであってもよい。上記トランジスタが全てN型トランジスタである場合、上記トランジスタの第1極はドレインであり、その第2極はソースである。上記トランジスタが全てP型トランジスタである場合、上記トランジスタの第1極はソースであり、その第2極はドレインである。
【0045】
これに基づき、該シフトレジスタユニットに接続された表示領域内のトランジスタがN型トランジスタである場合、上記第1電圧端VDDは、正電圧、例えば10Vを出力する。該シフトレジスタユニットに接続された表示領域内のトランジスタがP型トランジスタである場合、上記第1電圧端VDDは、負電圧、例えば-10Vを出力する。
なお、第1クロック信号端CLK1と第2クロック信号端CLK2から出力される信号の電圧の振幅値は同じであるが、方向は逆である。例えば、第1クロック信号端CLK1と第2クロック信号端CLK2は、ピーク位置での電圧の振幅値が15であってもよく、ボトム位置での電圧の振幅値が-15であってもよい。
【0046】
以下、図5に示す信号タイミング図を参照しながら、図4に示すシフトレジスタユニットの駆動方法を詳しく説明する。以下の記述は、該シフトレジスタユニットにおけるトランジスタと、表示領域内の該シフトレジスタユニットに接続されるトランジスタとが、いずれもN型トランジスタである場合を例とする。ここでは、第1電圧端VDDは正電圧、例えば10Vを出力し、第2電圧端VSSLは負電圧、例えば-10Vを出力し、第3電圧端VSSは負電圧、例えば-5Vを出力するとした。
【0047】
図5に示すように、一つの画像フレームにおいて、第1段階P1と、第2段階P2と、第3段階P3とを有する。上記一つの画像フレーム内において、図4に示す各トランジスタの導通遮断状態は以下のようである。
【0048】
第1段階P1では、CLK1=1、CLK2=0、INTPUT=1、CR=0、そしてOUT=0であり、ここで、「1」はハイレベル、「0」はローレベルを表す。
この場合、第1クロック信号端CLK1がハイレベルを出力し、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第7トランジスタT7及び第8トランジスタT8が導通になる。信号入力端INPUTが出力するハイレベルは、第1トランジスタT1及び第2トランジスタT2を介してキャパシタCに出力され、さらに該キャパシタCにより上記のハイレベルを保存する。
【0049】
また、第5トランジスタT5は導通され、信号入力端INPUTから出力されたハイレベルは、第6トランジスタT6のゲートに伝送され、該第6トランジスタT6が導通され、第2クロック信号端CLK2から出力されたローレベルは、第6トランジスタT6を介して第1信号出力端CRに出力される。
【0050】
これに基づき、第1信号出力端CRの電圧をリセットするように、第7トランジスタT7を介して第1信号出力端CRの電圧を第2電圧端VSSLにプルダウンし、これにより、第9トランジスタT9は遮断状態になる。第2信号出力端OUTの電圧をリセットするように、第8トランジスタT8を介して第2信号出力端OUTの電圧を第3電圧端VSSにプルダウンする。
【0051】
なお、第3トランジスタT3と第4トランジスタT4が導通可能であるが、この段階では第2クロック信号端CLK2がローレベルを出力するので、第1信号出力端CRの電位に影響を与えることがない。
【0052】
以上により、第1段階P1は、該シフトレジスタユニットの第1信号出力端CR及び第2信号出力端OUTの電圧をリセットするためのリセット段階であり、前の画像フレームの上述した2つの出力端の残留電圧による現画像フレームの表示への影響の回避を図る。
【0053】
第2段階P2では、CLK1=0、CLK2=1、INTPUT=0、CR=1、そしてOUT=1である。
【0054】
この場合、第1クロック信号端CLK1がローレベルを出力し、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第7トランジスタT7及び第8トランジスタT8が遮断される。キャパシタCが第1段階P1で保存されたハイレベルをリリースする作用により、第4トランジスタT4が導通され、第2クロック信号端CLK2から出力されるハイレベルは、第1信号出力端CRに出力される。この時、該第2信号出力端OUTに接続されるゲート線にゲート走査信号を受信させるように、第9トランジスタT9が導通され、第1電圧端VDDのハイレベルは、第9トランジスタT9を介して第2信号出力端OUTに出力される。
【0055】
さらに、第6トランジスタT6は、自体の寄生容量の作用により、ノードN_1の電位をさらに上昇させることで、第6トランジスタT6を導通状態に維持することができ、第2クロック信号端CLK2から出力されるハイレベルを、該第6トランジスタT6を介して第1信号出力端CRに出力させる。この場合、キャパシタCのカップリング作用により、ノードQの電位をさらに上昇させる。
【0056】
これに基づき、第3トランジスタT3が導通状態に維持され、第2クロック信号端CLK2から出力されるハイレベルを、該第3トランジスタT3を介してノードN_2(即ち第2トランジスタT2のソース)に出力させ、これにより該第2トランジスタT2のソースがフローティング(Floating)状態にあるのを回避することができる。この場合、第2トランジスタT2のゲート・ソース間電圧Vgsは、Vgs=CLK1-CLK2である。この時、CLK1はローレベル、例えば-15Vを入力し、CLK2はハイレベル、例えば15Vを入力するため、上記のVgs=-30V<0Vである。これにより、第2トランジスタT2は、良好な遮断状態にあることを確保することができ、第2トランジスタT2のこの段階でのリーク電流を減少し、ひいてはリーク電流を減少してノードQの電位のリスクを低下させることができる。この時、ノードQは安定にハイレベルに維持されることができ、ひいては第4トランジスタT4は安定な導通状態に維持されることができ、これにより、第1信号出力端CRに安定したハイレベルを出力させ得る。この場合、第2信号出力端OUTは、第1電圧端VDDの電圧のフルスイング出力が可能となり、ひいては消費電力を低減し、該シフトレジスタユニットの安定性を向上させることができる。
【0057】
以上により、この段階において、第1信号出力端CRと第2信号出力端OUTは、いずれもハイレベルを出力するため、上記段階は、該シフトレジスタユニットに接続されるゲート線にゲート走査信号を提供するための、該シフトレジスタユニットの出力段階である。
【0058】
第3段階P3では、CLK1=1、CLK2=0、INTPUT=0、CR=0、そしてOUT=0である。
【0059】
この場合、第7トランジスタT7と第8トランジスタT8を導通させるように、第1クロック信号端CLK1はハイレベルを出力し、これにより、該第7トランジスタT7を介して第1信号出力端CRの電圧を第2電圧端VSSLにプルダウンさせ、さらに第8トランジスタT8を介して第2信号出力端OUTの電圧を第3電圧端VSSにプルダウンさせる。これにより、第1信号出力端CRと第2信号出力端OUTをリセットすることができる。
【0060】
以上により、第3段階P3は、該シフトレジスタユニットのリセット段階である。また、次の画像フレームが到来する前に、第1クロック信号端CLK1がハイレベルを出力する状況下、該シフトレジスタユニットは、上記の第3段階P3を繰り返して実行する。
【0061】
以上により、該シフトレジスタユニットは、第2段階P2のみでゲート走査信号を出力するため、上記の第2段階P2の以外、一つの画像フレーム内の他の時間は、すべて該シフトレジスタユニットの非出力段階である。
【0062】
また、上記の第2電圧端VSSLの出力電圧の振幅値は、第3電圧端VSSの出力電圧の振幅値より大きくされるため、第7トランジスタT7の作用下で、第2電圧端VSSLによって第1信号出力端CRの電圧を十分プルダウンさせることができ、これによって該シフトレジスタユニットが上記非出力段階にある時、第1信号出力端CR及び該第1信号出力端CRによって制御される第2信号出力端OUTの誤り出力を回避でき、ひいてはシフトレジスタユニットから出力されるゲート走査信号の安定性をさらに向上させることができる。
【0063】
説明すべきなのは、本開示の実施例において、シフト駆動サブ回路10のいずれか1つの素子に異常が発生した場合、該シフトレジスタユニットは、上述シフト駆動サブ回路10を分離することができる。この場合、図6に示すように、上記シフト駆動サブ回路10に代えて、第5トランジスタT5と第6トランジスタT6からなる修復サブ回路40を利用することができる。ここでは、該修復サブ回路40の、図5に示す3つの段階での導通遮断状態は、上記と同様であり、その説明を省略する。
【0064】
なお、本開示の実施例においてシフト駆動サブ回路10は、修復サブ回路40と同時に該シフトレジスタユニットに存在することができ、シフト駆動サブ回路10に異常が発生した後、修復サブ回路40は、自動的にシフト駆動サブ回路10に代えて作動する。又は、製品の製造過程において、初期に修復サブ回路40とシフト駆動サブ回路10とを分離させて、この2つのサブ回路間の干渉を回避する。シフト駆動サブ回路10に異常が発生した後、金属ワイヤに塗布することにより修復サブ回路40を信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1、第2クロック信号端CLK2及び第1信号出力端CRと電気的に接続させ、シフト駆動サブ回路10に代えて修復サブ回路40を動作させる。


【0065】
なお、該修復サブ回路40における第6トランジスタT6のアスペクト比は、第4トランジスタT4のアスペクト比の18%~22%、又は約18%~22%であるため、上記の第2段階P2において、該第6トランジスタT6は、自体の寄生容量により、図5に示すように、ノードN_1の電位をさらに上昇させることができ、ひいては第6トランジスタT6の安定した導通状態を維持可能に確保することができる。
【0066】
もちろん、上述した説明は、シフトレジスタユニットにおけるトランジスタと、表示領域内の該シフトレジスタユニットに接続されるトランジスタとが、いずれもN型トランジスタである場合を例とする。シフトレジスタユニットにおけるトランジスタと、表示領域内の該シフトレジスタユニットに接続されるトランジスタとが、いずれもP型トランジスタである場合、該シフトレジスタユニットの制御方法は、図5における一部の制御信号を反転させる以外、上述した制御方法と同様である。
【0067】
本願の実施例は、図7に示すように、多段の、上記いずれか1つのシフトレジスタユニット(RS1、RS2、…、RSn)を備えるゲート駆動回路を提供する。上記の多段シフトレジスタユニット(RS1、RS2、…、RSn)は、それぞれの第2信号出力端OUTによって、ゲート線(G1、G2、…、Gn)を順次に走査する。なお、図5には、第1行から第9行のゲート線(G1、G2、…、G9)が順次受信したゲート走査信号(OUT1、OUT2、…、OUT9)が示される。
【0068】
なお、第1段シフトレジスタユニットRS1の信号入力端は、開始信号端STVに接続される。
【0069】
説明すべきなのは、該シフトレジスタユニットにおけるトランジスタが全てN型トランジスタの場合、該開始信号端STVはハイレベル、例えば15Vを出力し;該シフトレジスタユニットにおけるトランジスタが全てP型トランジスタの場合、該開始信号端STVはハイレベル、例えば-15Vを出力する。
【0070】
これに基づき、第1段のシフトレジスタユニットRS1以外、前段のシフトレジスタユニットの第1信号出力端CRは、次段のシフトレジスタユニットの信号入力端INPUTと接続される。最終段のシフトレジスタユニットRSnの第1信号出力端CRは、アイドル状態であってもよい。
【0071】
説明すべきなのは、各段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号入力端CLK1と第2クロック信号入力端CLK2から出力される信号が、図5に示す波形の周波数、振幅と同様だが、位相を逆にさせるため、図7に示すように、隣接する2段のシフトレジスタユニットの第1クロック信号入力端CLK1と第2クロック信号入力端CLK2を、それぞれ第1システムクロック信号入力端clkと第2システムクロック信号入力端clkbに交互に接続させることができる。例えば、第1段のシフトレジスタユニットRS1の第1クロック信号入力端CLK1は、第1システムクロック信号入力端clkに接続され、第2クロック信号入力端CLK2は、第2システムクロック信号入力端clkbに接続され;第2段のシフトレジスタユニットRS2の第1クロック信号入力端CLK1は、第2システムクロック信号入力端clkbに接続され、第2クロック信号入力端CLK2は、第1システムクロック信号入力端clkに接続される。以下のシフトレジスタユニットの接続方法は、上記と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0072】
本願の実施例は、上述したゲート駆動回路を備える表示装置を提供する。この表示装置は、上記ゲート駆動回路と同様の有益な効果を奏するため、ここでその説明を省略する。
【0073】
本発明の実施例において、表示装置は、具体的に、液晶表示装置を含んでもよく、例えば、該表示装置は、液晶ディスプレイ、液晶テレビ、デジタルフォトフレーム、携帯電話、又はタブレット型コンピュータ等の、表示機能を有するいかなる製品又は部品であり得る。
【0074】
本願の実施例は、上述したいずれか一つのシフトレジスタユニットを駆動するための方法を提供する。一つの画像フレーム内において、該方法は、以下の段階を含む。
【0075】
図5に示す第1段階P1において、図1のシフト駆動サブ回路10は、第1クロック信号端CLK1の制御下で、信号入力端INTPUTの電圧を保存する。ここでは、シフト駆動サブ回路10の構成が図2又は図4に示すようになっている場合、キャパシタCによって上記信号入力端INTPUTの電圧を保存することができる。
【0076】
これに基づき、プルダウンサブ回路20は、第1クロック信号端CLK1の制御下で、第1信号出力端CRと第2信号出力端OUTの電圧をそれぞれ第2電圧端VSSL、第3電圧端VSSにプルダウンする。なお、第2電圧端VSSLの出力電圧の振幅値は、第3電圧端VSSの出力電圧の振幅値より大きくされる。
【0077】
プルダウンサブ回路20の構造が図2又は図4に示すようになっている場合、該プルダウンサブ回路20における第7トランジスタT7及び第8トランジスタT8の該段階での導通遮断状態及び機能は、上記と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0078】
図5に示す第2段階P2において、シフト駆動サブ回路10は、信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1及び第2クロック信号端CLK2の制御下で、第2クロック信号端CLK2の電圧を第1信号出力端CRに出力する。
出力サブ回路30は、第1信号出力端CRの制御下で、第1電圧端VDDの電圧を第2信号出力端OUTに出力する。
【0079】
ここでは、シフト駆動サブ回路10及び出力サブ回路30の構成が図2又は図4に示すようになっている場合、シフト駆動サブ回路10及び出力サブ回路30における各トランジスタの導通遮断状態及び機能は、上記と同様であり、ここで説明を省略する。
図5に示す第3段階P3において、プルダウンサブ回路20は、第1クロック信号端CLK1の制御下で、第1信号出力端CRと第2信号出力端OUTの電圧をそれぞれ第2電圧端VSSL、第3電圧端VSSにプルダウンする。
【0080】
プルダウンサブ回路20の構造が図2又は図4に示すようになっている場合、該プルダウンサブ回路20における各トランジスタの導通遮断状態及び機能は、上記と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0081】
説明すべきなのは、上記シフトレジスタユニットの駆動方法は、上述した実施例に係るシフトレジスタユニットと同様の有益な効果を奏するため、ここでその説明を省略する。
【0082】
また、該シフトレジスタユニットは、図3に示すように、修復サブ回路40をさらに備える場合、上記の第2段階において、該駆動方法は、修復サブ回路40が信号入力端INPUT、第1クロック信号端CLK1及び第2クロック信号端CLK2の制御下で、第2クロック信号端CLK2の電圧を第1信号出力端CRに出力する、ステップをさらに含む。なお、修復サブ回路40の構成が図4に示すようになっている場合、該修復サブ回路40における各トランジスタの導通遮断状態および機能は、上記と同様であり、ここでその説明を省略する。
【0083】
こうして、シフト駆動サブ回路10におけるトランジスタに異常が発生し、シフト駆動サブ回路10を正常に動作しなくても、該修復サブ回路40は、シフト駆動サブ回路10に代えて、第2クロック信号端CLK2の電圧を第1信号出力端CRに出力することができ、出力サブ回路30が第1信号出力端CRから出力された信号を正常に受信させるようにし、且つ、該第1信号出力端CRの制御下で、第1電圧端VDDの電圧を第2信号出力端OUTに出力して、該第2信号出力端OUTに接続されるゲート線にゲート走査信号を出力する。
【0084】
以上に説明したのは、本開示の具体的な実施形態のみであり、本開示の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本開示の技術的範囲内に容易に想到できる変更や置換は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本開示の保護範囲は、前記特許請求の範囲に記載された権利範囲を準拠するものとする。
【0085】
本発明はさらに追加実施例を提供してもよく、これらの追加実施例は上記のいずれか1つの実施例を含むことができ、且つ該追加実施例の構成要素、機能又は構造のうちの1つ又は複数は、上記実施例の構成要素、機能又は構造のうちの1つ又は複数により置き換えられても、又はそれらに追加されてもよい。
【0086】
この出願は、2017年5月4日に出願された出願番号が201710310290.3で、発明の名称が「シフトレジスタユニット及びその制御方法、ゲート駆動回路、表示装置」である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本出願に取り込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7