(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】水中放射線モニタリングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01T 1/167 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
G01T1/167 A
(21)【出願番号】P 2020170566
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0162679
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】597060645
【氏名又は名称】コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート
【氏名又は名称原語表記】KOREA ATOMIC ENERGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】ジョン スンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ムン ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク ジャングン
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-531052(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109110060(CN,A)
【文献】特開2016-109497(JP,A)
【文献】中国実用新案第206348463(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/16
G01T 1/167-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中放射線の測定地域に対する情報に基づいて設定された配置形態で配置されて前記測定地域に設置され、前記測定地域の水中放射線数値を測定する複数のセンサ;および
前記複数のセンサから測定された前記水中放射線数値に基づいて前記測定地域の前記水中放射線数値を確認する電子装置;を含み、
前記複数のセンサの各センサは、他の隣接したセンサに連結されて前記各センサおよび前記他の隣接したセンサから獲得した測定数値を送受信し、集合した前記測定数値を前記電子装置に伝送することを特徴とする、
水中放射線モニタリングシステム。
【請求項2】
前記複数のセンサのうち少なくとも一つのセンサは、水中にある、
請求項1に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項3】
前記各センサは前記他の隣接したセンサと通信線を通じて連結され、前記通信線に少なくとも一つのブイが設置されることを特徴とする、
請求項2に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項4】
前記複数のセンサの
それぞれのセンサは、重りを備えて
水面又は水中にある、
請求項2に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項5】
前記重りは、
前記それぞれのセンサの位置に合わせて設けられる、
請求項4に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項6】
前記各センサは、
それぞれ4個以上のコネクタを具備することを特徴とする、
請求項1に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項7】
前記各センサは前記コネクタのうち少なくとも一部を通じて前記他の隣接したセンサと連結されることを特徴とする、
請求項6に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項8】
前記各センサは、
それぞれ一連番号が割り当てられることを特徴とする、
請求項7に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項9】
前記各センサは、
前記一連番号に基づいて既設定されたシナリオに沿って前記測定数値を前記他の隣接したセンサに伝達することを特徴とする、
請求項8に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項10】
前記複数のセンサのうち少なくとも一つのセンサにエラーが発生すると、前記エラーが発生した前記センサを迂回して前記エラーが発生した前記センサを除いた前記複数のセンサで測定されたすべての前記測定数値を前記各センサに伝達することを特徴とする、
請求項9に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項11】
前記複数のセンサは、
前記測定地域の水深、面積および流速を含む前記測定地域に対する情報に基づいて、メッシュの形態、ファンの形態、ツリーの形態および並列の形態のうちいずれか一つの配置形態で配置されることを特徴とする、
請求項1に記載の水中放射線モニタリングシステム。
【請求項12】
電子装置が水中放射線を測定しようとする測定地域を選択する段階;
前記電子装置が前記測定地域に対する情報に基づいて、少なくとも一つの第1センサと複数の第2センサを含む複数のセンサに対する配置形態を設定する段階;
前記配置形態で前記測定地域に前記複数のセンサの設置が完了すると、前記複数のセンサの各センサが、前記各センサおよび他の隣接したセンサから獲得した測定数値を、前記測定数値の送受信のための前記各センサと前記他の隣接したセンサとの連結を通じて、前記各センサから前記電子装置に伝送する段階;および
前記水中放射線数値に基づいて前記測定地域の水中放射線数値を確認する段階;を含むことを特徴とする、
水中放射線モニタリング方法。
【請求項13】
前記配置形態を設定する段階後に、前記複数のセンサそれぞれに一連番号を割り当てる段階;をさらに含むことを特徴とする、
請求項12に記載の水中放射線モニタリング方法。
【請求項14】
前記測定数値を前記各センサから受信する段階は、前記一連番号に基づいて既設定されたシナリオに沿って前記他の隣接したセンサが獲得した前記測定数値を前記各センサに伝送する段階;を含むことを特徴とする、
請求項13に記載の水中放射線モニタリング方法。
【請求項15】
前記測定数値を前記各センサから前記電子装置に伝送する段階は、
前記複数のセンサのうち少なくとも一つのセンサにエラーが発生すると、前記エラーが発生した前記センサを迂回して前記エラーが発生した前記センサを除いた前記複数のセンサで測定されたすべての前記測定数値を前記各センサに伝送する段階;を含むことを特徴とする、
請求項13に記載の水中放射線モニタリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中放射線モニタリングシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
福島原発事故時に初期対応措置が不十分であったため事故の処理が遅れたし、数年が経過した現在までも解決に困難が続いている。特に、台風などの自然災害によって放射能廃棄物が河川などに流出したが、流出の数字と流出場所などに対する把握もされていないのが現状である。
【0003】
このような放射線は放射線の特性上、水中での計測有効範囲が非常に制限的であり、放射能センサの中心部から半径約30cm周辺での放射線源に対してのみ計測が可能であるため、放射能センサの計測結果を水系全領域に対する代表の計測結果と見ることができない。特に、このような放射能センサは高真空の光電子増配管を基盤として生成されるため外部の衝撃に脆弱であり、サイズが大きく、約1000V以上の高電圧の印加を必要とするため放射能センサの設置位置が非常に限定的であるという問題点が発生する。また、このような問題点により水系全領域を代表できる放射線の数値を計測し難いという問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような問題点を解決するために、本発明の実施例は、複数の小型センサをネットワークに連結して水面に対して垂直または水平方向に設置することによって、水中放射線の計測範囲を拡張させることができる水中放射線モニタリングシステムおよび方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例に係る水中放射線モニタリングシステムは、水中放射線の測定地域に対する情報に基づいて設定された配置形態で配置されて前記測定地域に設置され、前記測定地域の水中放射線数値を測定する複数のセンサおよび前記複数のセンサから測定された前記測定数値に基づいて前記測定地域の水中放射線数値を確認する電子装置を含み、前記複数のセンサのうち少なくとも一つの第1センサは、前記電子装置と連結されて前記第1センサで獲得した測定数値および前記第1センサを除いた複数の第2センサから獲得した測定数値を集合して前記電子装置に伝送することを特徴とする。
【0006】
また、複数のセンサは、それぞれ4個以上のコネクタを具備することを特徴とする。
【0007】
また、複数のセンサそれぞれは前記コネクタのうち少なくとも一部を通じて隣接したセンサと連結されることを特徴とする。
【0008】
また、複数のセンサは、それぞれ一連番号が割り当てられることを特徴とする。
【0009】
また、複数の第2センサは、前記一連番号に基づいて既設定されたシナリオに沿って前記測定数値を前記第1センサに伝達することを特徴とする。
【0010】
また、複数の第2センサのうち少なくとも一つの第2センサにエラーが発生すると、前記エラーが発生した第2センサを迂回して前記エラーが発生した第2センサを除いた第2センサで測定されたすべての測定数値を前記第1センサに伝達することを特徴とする。
【0011】
また、複数のセンサは、前記測定地域の水深、面積および流速を含む前記測定地域に対する情報に基づいて、メッシュの形態、ファンの形態、ツリーの形態および並列の形態のうちいずれか一つの配置形態で配置されることを特徴とする。
【0012】
併せて、本発明の実施例に係る水中放射線モニタリング方法は、電子装置が水中放射線を測定しようとする測定地域を選択する段階、前記電子装置が前記測定地域に対する情報に基づいて、少なくとも一つの第1センサと複数の第2センサを含む複数のセンサに対する配置形態を設定する段階、前記電子装置が前記配置形態で前記測定地域に設置が完了すると、前記第1センサで獲得した測定数値および前記複数の第2センサから獲得した測定数値を前記第1センサから受信する段階および前記測定数値に基づいて前記測定地域の水中放射線数値を確認する段階を含むことを特徴とする。
【0013】
また、配置形態を設定する段階後に、前記複数のセンサそれぞれに一連番号を割り当てる段階をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、測定数値を前記第1センサから受信する段階は、前記一連番号に基づいて既設定されたシナリオに沿って前記複数の第2センサが獲得した測定数値を前記第1センサに伝送する段階を含むことを特徴とする。
【0015】
また、測定数値を前記第1センサから受信する段階は、前記複数の第2センサのうち少なくとも一つの第2センサにエラーが発生すると、前記エラーが発生した第2センサを迂回して前記エラーが発生した第2センサを除いた第2センサで測定されたすべての測定数値を前記第1センサに伝送する段階を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
前述したように、本発明に係る水中放射線モニタリングシステムおよび方法は、複数の小型センサをネットワークに連結して水面に対して垂直または水平方向に設置することによって、水中放射線の計測範囲を拡張させることができ、計測範囲の拡張を通じて水中放射線の計測正確度を向上させることができる効果がある。
【0017】
また、本発明に係る水中放射線モニタリングシステムおよび方法は、光電子増配管を使わないことによってセンサの大きさを減らすことができ、センサの価格を低くすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例に係る水中放射線モニタリングシステムを示した図面。
【
図2】本発明の実施例に係る水中放射線をモニタリングするセンサの構成を示した図面。
【
図3】本発明の実施例に係る水中放射線をモニタリングするセンサの構造を示した図面。
【
図4】本発明の実施例に係る水中放射線をモニタリングする方法を説明するためのフローチャート。
【
図5】本発明の他の実施例に係る水中放射線モニタリングシステムを示した図面。
【
図6】本発明の実施例により水中放射線をモニタリングするために、センサの例示を示した例示図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明する。添付された図面と共に以下に開示される詳細な説明は本発明の例示的な実施形態を説明しようとするものであり、本発明が実施され得る唯一の実施形態を示そうとするものではない。図面で本発明を明確に説明するために、説明に関わらない部分は省略することができ、明細書全体を通じて同一または類似する構成要素については同じ参照符号を使うことができる。
【0020】
本発明の一実施例において、「または」、「少なくとも一つ」等の表現は共に羅列された単語のうち一つを示したり、または二つ以上の組み合わせを表し得る。例えば、「AまたはB」、「AおよびBのうち少なくとも一つ」はAまたはBのうち一つのみを含むことができ、AとBを両方とも含むこともできる。
【0021】
図1は、本発明の実施例に係る水中放射線モニタリングシステムを示した図面である。
図2は、本発明の実施例に係る水中放射線をモニタリングするセンサの構成を示した図面である。
図3は、本発明の実施例に係る水中放射線をモニタリングするセンサの構造を示した図面である。
【0022】
図1~
図3を参照すると、本発明に係るモニタリングシステム100は複数のセンサ200と電子装置300を含む。
【0023】
複数のセンサ200a~200kは水面と水平または垂直に設置されて水中内の放射線数値を測定できるセンサであって、水中内で測定された放射線測定数値を電子装置300に伝送する。
【0024】
図2および
図3に図示されたセンサの構成は複数のセンサ200のうちいずれか一つのセンサに対する構成であって、センサ200は通信部210、センサ部220、入力部230、電源供給部240、メモリ250および制御部260を含むことができ、すべてのセンサに同一に適用され得る。併せて、本発明の実施例ではAセンサ200aを例にして説明することにする。
【0025】
通信部210は外部装置例えば、他のセンサまたは電子装置300と通信を遂行する。このために、センサ200のハウジングHには通信線(図示されず)が締結される複数例えば、四個のコネクタ210aが形成され得、コネクタ210aは電源供給部240と連結されて電源供給部240に電源を供給する。併せて、コネクタ210aに締結される通信線は両端に防水型連結端子で構成されて連結端子がコネクタ210aに締結され、引張強度が高い金属材質で形成され得る。例えば、通信線はBセンサ200b、Eセンサ200e、Hセンサ200hおよび電子装置300と通信を遂行することができ、電子装置300から電源の供給を受けてBセンサ200b、Eセンサ200e、Hセンサ200hで供給することもできる。併せて、通信線は連結された複数のセンサと連結性確認プロトコルを送受信することによって、制御部260で連結された複数のセンサの状態を確認するようにすることができる。本発明の実施例でコネクタ210aは四個のものを例にして説明しているが、必ずしもこれに限定されず、複数のセンサが連結される方式により四個以上で具現され得る。
【0026】
センサ部220は水中内に含まれた放射線の数値を測定できる閃光結晶体である放射線測定センサ、放射線測定センサで測定された測定数値をデジタル化する半導体センサを含む。センサ部220は半導体センサでデジタル化された測定数値を制御部260に提供する。このように、本発明は光電子増配管を使わず半導体センサを適用することによってセンサ200を小型化できるため、水面または水中に多様な形態でセンサ200を設置して広範囲な地域の水中放射線を測定することができる。また、半導体センサは光電子増配管のように高電圧を必要としないため、センサ200の耐久性を向上させることができる効果がある。
【0027】
入力部230はセンサ200で入力データを発生させることができる。入力部230はセンサ200の使用者入力に対応して電源のオン/オフなどに対する入力データを発生させることができ、このために、入力部230は物理ボタンなどの入力手段を含むことができる。
【0028】
電源供給部240はコネクタ210aに連結された通信線を通じて外部からセンサ200を動作させることができる電源が印加される。
【0029】
メモリ250はセンサ部220の動作プログラムを保存することができる。併せて、メモリ250は電子装置300によりセンサ200に割り当てられた一連番号などを保存することができる。
【0030】
制御部260はセンサ部220と連結されてセンサ部220からデジタル化された測定数値すなわち、センシングデータを受信する。制御部260はセンシングデータを通信部210を通じて連結されたセンサに伝送する。この時、制御部260はメモリ250に保存された自身の一連番号を確認し、一連番号とセンサ部220で獲得したセンシングデータをマッピングする。そして制御部260は電子装置300にセンシングデータを伝送する。この時、Aセンサ200aは自身の一連番号とセンシングデータをマッピングし、これを電子装置300に伝送する。この時、Aセンサ200aはBセンサ200b~Kセンサ200Kから受信したセンシングデータを集合して電子装置300に伝送することができる。Aセンサ200aと連結されたBセンサ200b、Eセンサ200e、Hセンサ200hは、それぞれ自身の一連番号とセンシングデータをマッピングしてAセンサ200aに伝送するものの、自身と連結された他のセンサから伝送されたセンシングデータを共に伝送することができる。
【0031】
電子装置300は複数のセンサ200から獲得した水中内の放射線測定数値を受信して複数のセンサ200が設置された水中内の放射線数値測定結果を確認するための装置であって、コンピュータ、タブレットPC(personal computer)等であり得る。
【0032】
より具体的には、電子装置300は水中放射線を測定する測定地域を入力し、測定地域に設置する複数のセンサ200の配置形態を設定することができる。電子装置300は使用者に地図データを提供して使用者から測定地域を入力してもらうことができ、使用者から測定地域の住所を入力してもらうことができる。電子装置300は測定地域が入力された後に、使用者の入力に応じてセンサ200の配置形態を設定する。配置形態は、メッシュの形態、ツリーの形態、並列の形態およびファンの形態などを含むことができ、本発明の実施例では
図1のようなメッシュの形態に基づいて説明することにする。
【0033】
電子装置300はメッシュの形態で設定された複数のセンサ200でAセンサ200aとKセンサ200kをマスターセンサに設定し、Bセンサ~Jセンサ200b~200jをスレーブセンサに設定する。マスターセンサとスレーブセンサは説明の便宜のためのものであって、複数のセンサ200のいずれのセンサもマスターセンサに設定され得る。この時、Aセンサ200aとKセンサ200kは電子装置300と通信を遂行するためのセンサであるため、マスターセンサに設定され得る。電子装置300はAセンサ200a~Kセンサ200kそれぞれに一連番号を割り当てる。複数のセンサ200は自身に割り当てられた一連番号を保存することができる。
【0034】
併せて、電子装置300は複数のセンサ200に割り当てた一連番号を基準として優先順位およびシナリオを設定することができる。より具体的には、電子装置300はAセンサ200aに第1優先順位、Aセンサ200aと連結されたBセンサ200b、Eセンサ200eおよびHセンサ200hに第2優先順位、第2優先順位に設定されたセンサにそれぞれ連結されたCセンサ200c、Fセンサ200fおよびIセンサ200iに第3優先順位、第3優先順位に設定されたセンサにそれぞれ連結されたDセンサ200d、Gセンサ200g、Jセンサ200jに第4優先順位を設定することができる。併せて、Aセンサ200aが正常に動作する時、Kセンサ200kは第5優先順位が設定されてスレーブセンサとして動作することができ、Aセンサ200aにエラーが発生してKセンサ200kが電子装置300と通信を遂行する場合、Bセンサ200b~Jセンサ200b~200jの優先順位はKセンサ200kを基準として変更され得る。
【0035】
電子装置300はBセンサ200b~Kセンサ200kで測定された測定信号をAセンサ200aに伝送するためのシナリオを設定することができる。例えば、電子装置300はKセンサ200k->Dセンサ200d->Cセンサ200c->Bセンサ200b->Aセンサ200a、Kセンサ200k->Gセンサ200g->Fセンサ200f->Eセンサ200e->Aセンサ200a、Kセンサ200k->Jセンサ200j->Iセンサ200i->Hセンサ200h->Aセンサ200aの経路を通じて、Bセンサ200b~Jセンサ200jで獲得したセンシングデータをAセンサ200aが収集するようにシナリオを設定することができる。
【0036】
このように、シナリオが設定されると、複数のセンサ200は設定されたシナリオに基づいてセンシングデータの送受信を遂行する。しかし、複数のセンサ200のうち少なくとも一つのセンサにエラーが発生すると、設定されたシナリオとは異なる臨時シナリオを通じてAセンサ200aにセンシングデータを伝送することができる。例えば、Fセンサ200fにエラーが発生した場合、Fセンサ200fと連結されたGセンサ200gで獲得したセンシングデータおよびFセンサ200fが配置された位置でのセンシングデータをAセンサ200aに伝送することができない。したがって、第4優先順位であるGセンサ200gは第3優先順位であるCセンサ200cとIセンサ200iに自身のセンシングデータを伝送するために、Gセンサ200gと連結されたDセンサ200dまたはJセンサ200jにセンシングデータを伝送することができる。
【0037】
Dセンサ200dまたはJセンサ200jは自身が獲得したセンシングデータをCセンサ200cまたはIセンサ200iに伝送する時、Gセンサ200gと関連したセンシングデータを共に伝送することができる。これを通じて、Aセンサ200aはエラーが発生したFセンサ200fを除いたすべてのセンサ200b~200e、200g~200kと関連したセンシングデータを集合することができる。このような優先順位、シナリオおよび臨時シナリオは複数のセンサ200の配置形態に応じて変更適用が可能である。
【0038】
電子装置300はAセンサ200aおよびKセンサ200kから受信したセンシングデータを分析して分析結果を表示する。この時、電子装置300は複数のセンサ200が設置された概略的な位置を確認することができるため、分析結果を通じて放射線の数値が臨界値以上である位置を確認することもできる。
【0039】
図4は、本発明の実施例に係る水中放射線をモニタリングする方法を説明するためのフローチャートである。
【0040】
図4を参照すると、401段階で電子装置300は、使用者からモニタリングシステム100の設置を通じて水中放射線を測定しようとする測定地域が選択される。この時、使用者は電子装置300から提供する地図データに基づいて測定地域を入力することができ、測定地域の住所を入力することができる。403段階で電子装置300は使用者の入力により複数のセンサ200の配置形態を設定する。配置形態は、メッシュの形態、ツリーの形態、並列の形態およびファンの形態などを含むことができ、メッシュの形態は
図1に図示された形態であり、ツリーの形態、並列の形態およびファンの形態はそれぞれ
図5の(a)、(b)および(c)の通りである。
図5は、本発明の他の実施例に係る水中放射線モニタリングシステムを示した図面である。
【0041】
図5を参照すると、
図5の(a)は複数のセンサ200をツリーの形態で配置したモニタリングシステム510を図示し、
図5の(b)は複数のセンサ200を並列の形態で配置したモニタリングシステム520を図示し、
図5の(c)は複数のセンサ200をファンの形態で配置したモニタリングシステム530を図示する。併せて、
図5の(a)と(c)は電子装置300と通信を遂行するセンサがAセンサ1個であるものを例にして図示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、
図1および
図5の(b)とように、Aセンサのエラーによって電子装置との通信が不可能な場合に備え、電子装置と通信が可能なセンサを追加で設定することができる。使用者は複数のセンサ200を設置する測定地域の情報に基づいて複数のセンサ200の配置形態を設定することができる。この時、測定地域の情報は、測定地域の水深、面積および流速を含む情報であり得る。
【0042】
併せて、複数のセンサ200それぞれのセンサは隣接した少なくとも二つのセンサと連結され得る。これを通じて、いずれか一つのセンサにエラーが発生しても、エラーが発生したセンサを迂回してエラーが発生したセンサを除いたすべてのセンサで測定されたセンシングデータをすべて獲得するできるため、水中放射線測定数値の正確度を向上させることができる効果がある。
【0043】
405段階で電子装置300はモニタリングシステム100を構成する複数のセンサ200それぞれに一連番号を割り当てる。407段階で電子装置300はBセンサ200b~Kセンサ200kで測定された測定信号をAセンサ200aに伝送するためのシナリオを設定することができる。例えば、電子装置300はKセンサ200k->Dセンサ200d->Cセンサ200c->Bセンサ200b->Aセンサ200a、Kセンサ200k->Gセンサ200g->Fセンサ200f->Eセンサ200e->Aセンサ200a、Kセンサ200k->Jセンサ200j->Iセンサ200i->Hセンサ200h->Aセンサ200aの経路を通じて、Bセンサ200b、Kセンサ200kで獲得したセンシングデータをAセンサ200aが収集するようにシナリオを設定することができる。
【0044】
409段階で電子装置300はモニタリングシステム100の設置が完了したことが確認されると411段階を遂行し、モニタリングシステム100の設置完了が確認されないと設置完了の有無を持続的に確認する。411段階で電子装置300はAセンサ200aおよびKセンサ200kから測定信号に対応するセンシングデータで受信した後に413段階を遂行する。413段階で電子装置300はセンシングデータを分析し、415段階で電子装置300は分析結果を表示する。この時、電子装置300は複数のセンサ200が設置された概略的な位置を確認することができるため、分析結果を通じて放射線の数値が臨界値以上である位置を確認することもできる。
【0045】
図6は、本発明の実施例により水中放射線をモニタリングするために、センサの例示を示した例示図である。
【0046】
図6を参照すると、
図6(a)は水面の上部で複数のセンサ200が設置された例を示す。
図6(a)のように、複数のセンサ200は水中に一定の深さ以上浸って水中内での放射線数値を測定する。このために、複数のセンサ200はそれぞれ隣接した少なくとも二つのセンサと通信線を通じて連結され、通信線には少なくとも一つのブイ610が設置されてセンサ200を水面に広く配置させることができる。
【0047】
また、
図6(b)は複数のセンサ200のそれぞれに重り620を付着させて複数のセンサ200が水面に垂直にすなわち、水深方向への配置位置を設定する。この時、重り620は水中放射線をモニタリングするためのセンサ200の位置や放射線モニタリングの目的により変わり得る。
【0048】
本明細書と図面に開示された本発明の実施例は、本発明の技術内容を容易に説明し本発明の理解を助けるために特定の例を提示したものに過ぎず、本発明の範囲を限定しようとするものではない。したがって、本発明の範囲はここに開示された実施例以外にも、本発明の技術的思想に基づいて導き出されるすべての変更または変形された形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。