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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】AAV粒子の産生を目的としたベクター
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/35 20060101AFI20220913BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20220913BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20220913BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20220913BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20220913BHJP
【FI】
C12N15/35 ZNA
C12N15/864 100Z
C12N15/85 Z
C12N5/10
C12N7/01
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020529727
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 GB2019050134
(87)【国際公開番号】W WO2019141993
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】1800903.5
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518305392
【氏名又は名称】オックスフォード ジェネティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OXFORD GENETICS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100100181
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 正博
(72)【発明者】
【氏名】ケイウッド ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ アリッサ セアラ
(72)【発明者】
【氏名】ペイン トマス オーガスタス
【審査官】木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/018227(WO,A1)
【文献】国際公開第03/061582(WO,A2)
【文献】国際公開第99/007833(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸分子であって:
(i)プロモーター、
(ii)AAV cap遺伝子、および
(iii)AAV rep遺伝子を、
上記の5’→3’の順で含み、前記cap遺伝子および前記rep遺伝子の双方が前記プロモーターと機能的に関連し、且つ前記rep遺伝子がIRESとも機能的に関連する前記核酸分子。
【請求項2】
請求項1に記載の核酸分子であって:
(a)前記rep遺伝子がRep78、Rep68、Rep52およびRep40をコードする;または
(b)前記rep遺伝子がRep78、Rep68、Rep52およびRep40のうち1つ、2つ、または3つのみをコードする前記核酸分子。
【請求項3】
請求項1に記載の核酸分子であって、前記rep遺伝子が:
(a)Rep78およびRep52をコードするが、Rep68またはRep40をコードしない;
(b)Rep68およびRep40をコードするが、Rep78またはRep52をコードしない;
(c)Rep68およびRep52をコードするが、Rep78またはRep40をコードしない;または
(d)Rep78およびRep40をコードするが、Rep68またはRep52をコードしない前記核酸分子。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1つに記載の核酸分子であって、Rep52および/またはRep40が前記プロモーターから転写されない前記核酸分子。
【請求項5】
請求項4に記載の核酸分子であって、Rep52および/またはRep40がp19プロモーターから転写される前記核酸分子。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1つに記載の核酸分子であって、前記repおよびcap遺伝子の核酸配列がAAV血清型2repまたはAAV血清型2cap遺伝子である前記核酸分子。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1つに記載の核酸分子であって、前記プロモーターがサイトメガロウイルス即時初期(CMV)プロモーターである前記核酸分子。
【請求項8】
請求項1から6のうちいずれか1つに記載の核酸分子であって、前記プロモーターが誘導性プロモーターである前記核酸分子。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか1つに記載の核酸分子であって、前記IRESがピコルナウイルスIRES(脳心筋炎ウイルス、EMCV IRES)またはアフトウイルスIRES(口蹄疫ウイルス、FMDV IRES)である前記核酸分子。
【請求項10】
RNA分子であって:
(i)AAV cap遺伝子、および
(ii)AAV rep遺伝子を、
上記の5’→3’の順で含み、前記rep遺伝子がIRESと機能的に関連する前記RNA分子
【請求項11】
請求項1から9のうちいずれか1つに定義される核酸分子を含むプラスミドまたはベクター。
【請求項12】
キットであって
(a)請求項11に記載のプラスミドまたはベクターを:
(b)ITRに隣接する導入遺伝子を含むAAV導入プラスミド;
(c)E1A、E1B、E2A、E4およびVAから選択される1つ以上の遺伝子を含むヘルパープラスミドの一方または双方と共に含む前記キット。
【請求項13】
請求項12に記載のキットであって、前記ヘルパープラスミドがE2A遺伝子を含まない前記キット。
【請求項14】
キットであって
(a)請求項11に定義されるプラスミドまたはベクターを、以下の一方または双方と共に含む前記キット:
(b)ITRに隣接する導入遺伝子を含むAAV導入プラスミド;
(c)哺乳類宿主細胞であって、前記宿主細胞ゲノムから発現可能であるE1A、E1B、E2A、E4およびVAから選択される1つ以上のウイルス遺伝子を含む前記宿主細胞。
【請求項15】
請求項14に記載のキットであって、前記哺乳類宿主細胞が前記宿主細胞ゲノムから発現可能なE2Aを含まない前記キット。
【請求項16】
請求項1から9または11のうちいずれか1つに記載の核酸分子、プラスミドまたはベクターを含む哺乳類細胞。
【請求項17】
AAV粒子の産生における請求項16に記載の哺乳類細胞(ヒト体内の哺乳類細胞を除く)の使用。
【請求項18】
AAVパッケージング細胞を生成するためのプロセスであって、前記プロセスが:
(a)哺乳類細胞(ヒト体内の哺乳類細胞を除く)に請求項1から9のうちいずれか1つに記載の核酸分子または請求項11に記載のプラスミドまたはベクターを安定的に組込み、
それによりAAV repおよびcap遺伝子を発現する哺乳類細胞を生成するステップを含む前記プロセス。
【請求項19】
AAVを産生するためのプロセスであって、前記プロセスが:
(a)導入遺伝子と隣接する5’-および3’-AAV ITRを含む導入プラスミドをAAVパッケージング細胞に導入するステップであって、前記AAVパッケージング細胞が請求項1から9のうちいずれか1つに記載の核酸分子および前記導入プラスミドをパッケージングするのに十分なヘルパー遺伝子を含み、前記ヘルパー遺伝子が前記細胞内のエピソームヘルパープラスミドに存在するか、または前記パッケージング細胞ゲノムに組込まれる前記ステップ;
(b)AAVが構築されて前記細胞から分泌されるような条件下で前記細胞を培養するステップ;および
(c)上清からパッケージングされたAAVを回収し、且つ任意に前記の回収したAAVを精製するステップを含む前記プロセス。
【請求項20】
請求項19に記載のプロセスであって、前記ヘルパー遺伝子がE2A遺伝子を含まない前記プロセス。
【請求項21】
請求項19または請求項20に記載のプロセスであって、前記導入遺伝子がCRISPR酵素またはCRISPR sgRNAをコードする前記プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデノ随伴ウイルス(AAV)粒子の産生において有用であるプラスミドの産生に関する。具体的には、本発明はcap遺伝子およびrep遺伝子を含む核酸分子であって、capおよびrep遺伝子の双方が同じプロモーターと機能的に関連する核酸分子を提供する。また本発明は、本発明の核酸分子を含む宿主細胞およびその使用のための方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
AAVベクターは、パルボウイルス科に属する単鎖DNAウイルスから発生する。このウイルスは、分裂細胞および非分裂細胞の双方を含む幅広い宿主細胞に感染することが可能である。さらに、大半の患者において限定的な免疫応答のみを生成する非病原性ウイルスである。
【0003】
AAVゲノムは、それぞれが複数のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする2つの遺伝子を含み:rep遺伝子はAAV生活環およびウイルスゲノムの部位特異的組込みに必要とされる非構造的タンパク質をコードし;またcap遺伝子は構造的カプシドタンパク質をコードする。さらに、これら2つの遺伝子は、ヘアピン構造を形成する能力を有し、145塩基からなる逆位末端反復(ITR)配列に隣接する。これらのヘアピン配列は、第2のDNA鎖のプライマーゼ非依存的合成、およびウイルスDNAの宿主細胞ゲノムへの組込みに必要とされる。
【0004】
ウイルスのあらゆる組込み能力を消失させるために、組換えAAVベクターではウイルスゲノムのDNAからrepおよびcapを除去する。このようなベクターを産生するために、所望の導入遺伝子を、導入遺伝子の転写を駆動するプロモーターと共に、逆位末端反復(ITR)間に挿入し;さらに第2のプラスミドにrepおよびcap遺伝子をトランスに提供する。アデノウイルスE4、E2AおよびVA遺伝子などのヘルパー遺伝子を提供する第3のプラスミドも用いられる。3つのプラスミドは、その後HEK293などの培養「パッケージング」細胞に全てトランスフェクトされる。
【0005】
最近数年の間に、AAVベクターは極めて有用且つ有望な遺伝子送達の様式として出現している。これは、これらのベクターの以下の特性によるものである:
-AAVは小型の無エンベロープウイルスであり、2つの固有遺伝子(repおよびcap)のみを有する。したがって、それらは異なる遺伝子治療のためのベクターを発生するよう容易に操作することができる。
-AAV粒子は剪断力、酵素または溶媒によって容易に分解されない。これは、これらのウイルスベクターの容易な精製および最終的な製剤化を円滑化する。
-AAVは非病原性であり且つ免疫原性が低い。さらに、これらのベクターを用いることにより、有害な炎症性反応のリスクが低減される。レンチウイルス、ヘルペスウイルスおよびアデノウイルスなどの他のウイルスベクターと異なり、AAVは無害であり、何らかのヒト疾患を引き起こす原因とは考えられない。
-AAVベクターを用いて、最大4000bpの遺伝子配列を患者に送達することができる。
-野生型AAVベクターは、時にヒト第19染色体に遺伝物質を挿入することが示されているものの、ウイルスゲノムからrepおよびcap遺伝子を除去することにより、この特性は大半のAAVベクターから概ね消失している。そのような例においては、ウイルスは宿主細胞内部でエピソーム型を維持している。これらのエピソームは非分裂細胞において無変化であるが、分裂細胞においては細胞分裂時に失われる。
【0006】
しかし発明者らは、ベクター産生プロセスの間に存在するRepおよびCapタンパク質の比率と量を最適化することによって、AAVベクターの産生のための方法を改善することが可能であることを認識している。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的の1つは、単一のプロモーターの制御下にあるcapおよびrep遺伝子を含む核酸分子を提供することであり;これによりCapおよびRepポリペプチドが同じmRNA内にコードされる。cap遺伝子の翻訳は、cap mRNAの5’末端にあるメチルグアニル酸cap(mG)の、リボソームにおけるドッキングによって開始されるであろう。rep遺伝子の翻訳は、rep遺伝子の上流に配置された配列内リボソーム進入部位(IRES)におけるリボソームのドッキングによって開始されるであろう。
【0008】
本発明の核酸分子の使用により、より高いウイルス力価が得られることがある。
【0009】
本発明の一部の実施形態においては、IRESで野生型p5プロモーターを置換する。p5プロモーターの除去のさらなる利点は、野生型ウイルスにおいてはp5プロモーターがE2A DNA結合タンパク質(DBP)と結合してこれにより活性化されることである。したがって、p5プロモーターの除去は、ウイルス粒子の産生にE2A遺伝子が必要とされないこと(ヘルパープラスミドにおいてなど)を意味する。
【0010】
1つの実施形態において本発明は、核酸分子であって:
(i)プロモーター、
(ii)cap遺伝子、および
(iii)rep遺伝子を、
上記の5’-3’の順で含み、cap遺伝子およびrep遺伝子の双方がプロモーターと機能的に関連し、且つrep遺伝子がIRESとも機能的に関連する核酸分子を提供する。
【0011】
また本発明は、核酸分子であって:
(i)cap遺伝子、および
(ii)rep遺伝子を、
上記の5’-3’の順で含み、rep遺伝子がIRESと機能的に関連する核酸分子も提供する。
【0012】
核酸分子はDNAまたはRNA、好ましくはDNAでありうる。核酸分子は単鎖または二重鎖、好ましくは二重鎖でありうる。
【0013】
本発明の核酸分子はrep遺伝子を含む。本願で用いる用語「rep遺伝子」は、1つ以上のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする遺伝子であって、前記ORFのそれぞれがAAV Rep非構造タンパク質、またはその変異体または誘導体をコードする遺伝子を意味する。これらのAAV Rep非構造タンパク質(またはその変異体または誘導体)は、AAVゲノム複製および/またはAAVゲノムパッケージングに関与する。
【0014】
野生型repおよびcap遺伝子の構成を例示する野生型AAVゲノムの構造を図1に示す。
【0015】
野生型rep遺伝子は3つのプロモーター:p5、p19およびp40を含む。p5およびp19から長さの異なる2種類の重複メッセンジャーリボ核酸(mRNA)を産生することができる。これらのmRNAのそれぞれは、スプライシングで除去されるか、単一のスプライスドナー部位を用いず2種類の異なるスプライスアクセプター部位を用いるイントロンを含有する。したがって、異なる6種類のmRNAを形成することが可能であり、そのうち4種類のみが機能的である。イントロンを除去できない2つのmRNA(一方はp5から、もう一方はp19から転写される)は、共有される転写終結配列までリードスルーされ、またそれぞれRep78およびRep52をコードする。イントロンの除去および5’-末端スプライスアクセプター部位の使用では、機能的Repタンパク質の産生はもたらされず-残りの配列のフレームがシフトするため正しいRep68またはRep40タンパク質を産生することができず、またその転写終結コドンがスプライシングで除去されるためRep78またはRep52の正しいC末端が産生されることもないであろう。反対に、イントロンを除去して3’スプライスアクセプターを用いることによりRep68およびRep40の正しいC末端が含まれる一方、Rep78およびRep52の転写終結コドンがスプライシングで除去されるであろう。したがって、機能的なスプライシングのみが全てのイントロンをスプライシングで除去することを回避するか(Rep78およびRep52を産生)、または3’スプライスアクセプターを使用する(Rep68およびRep40を産生)。その結果、これらのプロモーターからは重複配列を有する異なる4つの機能的Repタンパク質を合成することができる。
【0016】
野生型rep遺伝子において、p40プロモーターは3’末端に位置する。Capタンパク質(VP1、VP2およびVP3)の転写は、野生型AAVゲノムではこのプロモーターによって開始される。
【0017】
4種類の野生型タンパク質はRep78、Rep68、Rep52およびRep40である。したがって、野生型rep遺伝子は、4種類のRepタンパク質Rep78、Rep68、Rep52およびRep40コードするものである。
【0018】
Rep78および68は、ITRによって形成されるヘアピンと特異的に結合し、ヘアピン内の特定の領域(すなわち末端分解部位)でこれを開裂することができる。野生型ウイルスにおいては、それらはAAVゲノムのAAV特異的組込みにとっても必要である。Rep78およびRep68は、野生型ウイルスにおいてはp5プロモーターの制御下で転写され、またそれらの間の差異はスプライシングによるイントロンの除去(または除去のないこと)を反映し、それゆえそれらは異なるC末端タンパク質組成を有する。
【0019】
Rep52およびRep40はゲノムパッケージングに関与する。野生型ウイルスにおいては、Rep52およびRep40はp19プロモーターの制御下で転写され、またそれらの間の差異はスプライシングによるイントロンの除去(または除去のないこと)を反映し、それゆえそれらは異なるC末端タンパク質組成を有する。
【0020】
4種類のRepタンパク質は、いずれもATPと結合し且つヘリカーゼ活性を有する。それらはp40プロモーターからの転写をアップレギュレートするが、p5およびp19プロモーターはいずれもダウンレギュレートする。
【0021】
本願で用いる用語「rep遺伝子」は、野生型rep遺伝子およびその誘導体;および同等の機能を有する人工的rep遺伝子を含む。
【0022】
1つの実施形態においては、rep遺伝子は機能的Rep78、Rep68、Rep52およびRep40タンパク質をコードする
【0023】
この実施形態の好ましい実施例においては、Rep78およびRep68が、5’をRep78およびRep68 ATG開始コドンにドッキングするリボソームによって翻訳されるので、これらのタンパク質の双方の産生を可能とする。この実施例においては、Rep78およびRep68オープンリーディングフレームは、Rep52およびRep40の双方の発現を提供する活性p40プロモーターを含む。
【0024】
本発明の一部の実施形態においては、そのプロモーターからの望まれない転写の開始を防止するために、たとえばコドン変更および/またはTATAボックスの除去などにより、p5、p19およびp40プロモーターのうち1つ以上の機能が除去される/不能となる。
【0025】
好ましくは、p5プロモーターは非機能性である(すなわち転写の開始に用いることができない)。より好ましくは、p5プロモーターはIRESによって置換される(したがってp5プロモーターの機能を除去する)。これにより、Rep78またはRep68がcap遺伝子と同じmRNAに転写されることが可能となるが、Rep78およびRep68タンパク質の翻訳はIRESの制御下となるであろう
【0026】
p5プロモーターの除去のさらなる利点は、野生型ウイルスにおいてはp5プロモーターがE2A DNA結合タンパク質(DBP)と結合してこれにより活性化されることである。したがって、p5プロモーターの除去は、ウイルス粒子の産生にE2A遺伝子が必要とされないこと(ヘルパープラスミドにおいてなど)を意味する。
【0027】
1つの実施形態においては、rep遺伝子の上流にp5プロモーターがない。他の実施形態においては、p5プロモーターはAAVパッケージングに用いられない。
【0028】
好ましくは、rep遺伝子内のp19プロモーターは機能的である。
【0029】
一部の実施形態においては、p40プロモーターの機能は、Rep遺伝子内で1つ以上のコドン変更により除去される/不能にされる。
【0030】
好ましくは、cap遺伝子は再配置され、またその転写は代替的なプロモーター(CMV即時初期プロモーターなど)の制御下におかれる。
【0031】
異なるRepタンパク質の機能の間にはある程度の冗長性が存在するので、本発明の一部の実施形態においては、全てのRepタンパク質が必要とされるわけではない。
【0032】
一部の実施形態においては、rep遺伝子はRep78、Rep68、Rep52およびRep40のうち1つ、2つ、3つまたは4つ、好ましくはRep78、Rep68、Rep52およびRep40のうち1つ、2つまたは4つのみをコードする。
【0033】
一部の実施形態においては、rep遺伝子はRep78、Rep68、Rep52およびRep40のうち1つ以上をコードしない。
【0034】
一部の実施形態においては、rep遺伝子はRep78およびRep52をコードするが、Rep68またはRep40はコードしない。この実施形態においては、スプライスドナー部位はDNAにとどまるが、5’および3’スプライスアクセプター部位は除去される。したがって、イントロンはスプライシングによって除去することができず、またRep78およびRep52については転写終結配列まで転写が継続される(双方に共通)。Rep78タンパク質はcap遺伝子と同じmRNAに転写され(したがって同じプロモーターによって駆動され)、またRep78の翻訳はIRESによって駆動される。Rep52の転写はp19プロモーターによって駆動され;したがって別のmRNAを形成し、リボソームにおいて5’mG cap依存性ドッキングにより翻訳される。したがって、Rep68およびRep40はこの実施形態において産生することができない。
【0035】
他の実施形態においては、rep遺伝子はRep68およびRep40をコードするが、Rep78またはRep52はコードしない。この実施形態においては、スプライスドナーと3’スプライスアクセプターの間のイントロン配列はDNAレベルで除去され、Rep68およびRep40のC末端を上流のコード配列と共にフレーム内に配置させる。それゆえRep68およびRep40が産生される(ただしRep78およびRep52は産生されない)。明確にすると、Rep68はCapタンパク質と同じmRNAに転写され、且つIRESの制御下で翻訳される。対照的に、Rep40はp19プロモーターによって別のmRNAに転写され、且つリボソームにおいて5’mG capドッキングにより翻訳される。
【0036】
一部の実施形態においては、rep遺伝子はRep78およびRep68をコードするが、Rep52またはRep40はコードしない。これは、p19プロモーターを変異させることによって(p19 TATAボックスに変異を挿入するなど)達成しうる。
【0037】
一部の実施形態においては、rep遺伝子はRep52およびRep40をコードするが、Rep78またはRep68はコードしない。これは、Rep52/40のATG由来のコード配列を含めるだけで達成しうる。
【0038】
上記で用いる用語「コードする」は、rep遺伝子がそのRepタンパク質の機能的形態をコードすることを意味する。同様に、用語「コードしない」は、rep遺伝子がそのRepタンパク質の機能的形態をコードしないことを意味する。
【0039】
十分なRepタンパク質が欠如していると、パッケージングされるITRプラスミドがより少なく、また有効にパッケージングされないという事実により、低力価(ゲノムコピーなど)が観察されるであろう(これはqPCRによって判定可能である)。所見には、極度に高い空:充填粒子比率も含まれることもあり;これはELISAまたは光学密度測定によって判定することが可能である。
【0040】
野生型AAV(血清型2)rep遺伝子ヌクレオチド配列を配列番号1に示す。野生型AAV(血清型2)Rep78、Rep68、Rep52およびRep40アミノ酸配列を配列番号2、3、4および5にそれぞれ示す。Rep78をコードする野生型AAV(血清型2)ヌクレオチド配列を配列番号6に示す。Rep68をコードする野生型AAV(血清型2)ヌクレオチド配列を配列番号7に示す。Rep52をコードする野生型AAV(血清型2)ヌクレオチド配列を配列番号8に示す。Rep40をコードする野生型AAV(血清型2)ヌクレオチド配列を配列番号9に示す。
【0041】
1つの実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号1と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ1つ以上のRep78、Rep68、Rep52およびRep40ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を意味する。
【0042】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号6と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep78および/またはRep52ポリペプチドをコードする(且つ好ましくはRep68またはRep40ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0043】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号7と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep68および/またはRep40ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep78またはRep52ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0044】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号8と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep52ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep78ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0045】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号9と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep40ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep68ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0046】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号2をコードするヌクレオチド配列と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep78および/またはRep52ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep68またはRep40ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0047】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号3をコードするヌクレオチド配列と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep68および/またはRep40ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep78またはRep52ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0048】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号4をコードするヌクレオチド配列と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep52ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep78ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0049】
他の実施形態においては、用語「rep遺伝子」は、配列番号5をコードするヌクレオチド配列と少なくとも90%、95%、99%または100%の配列同一性を有し且つ機能的Rep40ポリペプチドをコードする(且つ好ましくは機能的Rep68ポリペプチドをコードしない)ヌクレオチド配列を意味する。
【0050】
一部の実施形態においては、本発明の核酸分子は機能的Rep78ポリペプチドをコードしない。一部の実施形態においては、本発明の核酸分子は機能的Rep68ポリペプチドをコードしない。一部の実施形態においては、本発明の核酸分子は機能的Rep52ポリペプチドをコードしない。一部の実施形態においては、本発明の核酸分子は機能的Rep40ポリペプチドをコードしない。
【0051】
核酸分子はcap遺伝子も含む。本願で用いる用語「cap遺伝子」は、1つ以上のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする遺伝子であって、前記ORFのそれぞれがAAV Cap構造タンパク質、またはその変異体または誘導体をコードする遺伝子を意味する。これらのAAV Cap構造タンパク質(またはその変異体または誘導体)は、AAVカプシドを形成する。
【0052】
適切な細胞に感染することが可能である感染性AAVウイルス粒子の産生を可能とするには、3種類のCapタンパク質が機能しなければならない。3種類のCapタンパク質はVP1、VP2およびVP3であり、それぞれのサイズは概ね87kDa、72kDaおよび62kDaである。したがって、cap遺伝子は3種類のCapタンパク質VP1、VP2およびVP3をコードするものである。
【0053】
野生型AAVにおいては、これら3種類のタンパク質はp40プロモーターから翻訳されて単一のmRNAを形成する。このmRNAが合成された後、長いイントロンまたは短いイントロンのいずれかを切り取り、2.3kbまたは2.6kbのmRNAの形成をもたらすことができる。
【0054】
通常、特にアデノウイルスの存在下では、長いイントロンが切り取られる。この形態では、そこからVP1タンパク質の合成が開始する第1AUGコドンが切り離され、VP1タンパク質合成の全般的なレベルの低下がもたらされる。残りの第1AUGコドンはVP3タンパク質の開始コドンである。しかし、同じオープンリーディングフレーム内のそのコドンの上流には、最適なKozakコンテキストに囲まれたACG配列(チロシンをコード)が位置する。これは、実際にはVP1と同様に追加的N末端残基を伴うVP3タンパク質である、VP2タンパク質の低い合成レベルに寄与する。
【0055】
長いイントロンがスプライシングで除去される場合、またメジャースプライスにおいてACGコドンはより弱い翻訳開始シグナルであるので、AAV構造タンパク質がインビボで合成される比率は約1:1:10であり、成熟ウイルス粒子におけるものと同じである。VP1タンパク質のN末端にある特異なフラグメントは、ホスホリパーゼA2(PLA2)活性を有することが示され、これはおそらく後期エンドソームからのAAV粒子の放出に必要とされる。
【0056】
AAVカプシドは、比率1:1:10で正二十面体対称に配列され、推定サイズが3.9MDaである60のカプシドタンパク質サブユニット(VP1、VP2、およびVP3)から構成される。
【0057】
本願で用いる用語「cap遺伝子」は、野生型cap遺伝子およびその誘導体、および同等の機能を有する人工的cap遺伝子を含む。AAV(血清型2)cap遺伝子ヌクレオチド配列およびCapポリペプチド配列を配列番号10および11にそれぞれ示す。
【0058】
本願で用いる用語「cap遺伝子」は、好ましくは配列番号10に示す配列を有するヌクレオチド配列または配列番号11をコードするヌクレオチド配列、または配列番号10と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%または99%の配列同一性または配列番号11をコードするヌクレオチド配列と少なくとも80%、90%、95%または99%の配列同一性を有し、且つVP1、VP2およびVP3ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を意味する。
【0059】
repおよびcap遺伝子は、好ましくはウイルス遺伝子であるかまたはウイルス遺伝子より誘導される。より好ましくは、それらはAAV遺伝子であるかまたはAAV遺伝子から誘導される。一部の実施形態においては、AAVはアデノ随伴デペンドパルボウイルスAである。他の実施形態においては、AAVはアデノ随伴デペンドパルボウイルスBである。
【0060】
異なる11種類のAAV血清型が知られている。全ての既知の血清型は、複数の多様な組織型に由来する細胞に感染することができる。組織特異性はカプシド血清型によって決定される。AAVは血清型1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11に由来しうる。好ましくは、AAVは血清型1、2、5、6、7または8である。最も好ましくは、AAV血清型は2(すなわちAAV2)である。
【0061】
repおよびcap遺伝子(およびそこにおけるタンパク質コードORFのそれぞれ)は、1つ以上の異なるウイルス(2、3または4種類の異なるウイルスなど)に由来することがある。たとえば、rep遺伝子はAAV2に由来することがある一方で、cap遺伝子はAAV5に由来することがある。AAVのrepおよびcap遺伝子はクレードおよび分離株によって異なることが、当業者により認識されている。このような全てのクレードおよび分離株に由来するこれらの遺伝子の配列は、その誘導体と共に本願に包含される。
【0062】
cap遺伝子およびrep遺伝子は、核酸中にこの5’→3’の順で存在する。しかし、Rep52および/またはRep40はそれ自身のp19プロモーターから転写されることがあるので、Rep52および/またはRep40をコードするコード配列の位置は変動することがある。たとえば、Rep52および/またはRep40をコードするコード配列は、cap遺伝子およびRep78/68をコードするrep遺伝子の上流または下流;または実際には本発明の核酸の逆の鎖または異なる核酸上に配置されることもある。
【0063】
capおよびrep遺伝子は、いずれも同じプロモーターと機能的に関連する。好ましくは、プロモーターはcapおよびrep遺伝子の5’(すなわち上流)にある。一部の実施形態においては、プロモーターは構成的プロモーターである。他の実施形態においては、プロモーターは誘導可能であるかまたは抑制可能である。
【0064】
構成的プロモーターの例は、CMV、SV40、PGK(ヒトまたはマウス)、HSV TK、SFFV、ユビキチン、延長因子α、CHEF-1、FerH、Grp78、RSV、アデノウイルスE1A、CAGまたはCMV-βグロビンプロモーター、またはこれから誘導されるプロモーターを含む。好ましくは、プロモーターはサイトメガロウイルス即時初期(CMV)プロモーター、またはこれから誘導されるプロモーターであるか、またはヒト細胞およびヒト細胞株(HEK293細胞など)におけるCMVプロモーターと比較して同等またはより強度の高いプロモーターである。
【0065】
一部の実施形態においては、プロモーターは誘導可能または抑制可能な調節(プロモーター)エレメントを含むことにより、誘導可能であるかまたは抑制可能である。たとえば、プロモーターはドキシサイクリン、テトラサイクリン、IPTGまたはラクトースによって誘導可能なものであり得る。
【0066】
好ましくは、誘導可能(誘導性)プロモーターエレメントは、Tetリプレッサータンパク質(TetR)がそこに結合することのできる複数のTetオペレーター配列を含む。結合状態においては、厳格な転写の抑制が得られる。しかし、ドキシサイクリン(より好ましくなくは、テトラサイクリン)の存在下では抑制が緩和されるので、プロモーターは完全な転写活性を得る。そのような誘導可能プロモーターエレメントは、好ましくはCMVプロモーターなどのもう1つのプロモーターの下流に配置される。
【0067】
TetR結合部位は、その多くが技術上既知である野生型配列を有することがある。好ましくは、TetR結合部位はわずかな配列変更を取り入れることによって1つ以上の改善を受けている。本発明の実施形態において用いることのできる好ましい変種は配列tccctatcagtgatagaga(配列番号12)を有する。
【0068】
TetRリプレッサータンパク質が使用するTetR結合配列変種と結合するのであれば、TetRタンパク質またはTetRタンパク質の誘導体と結合するリプレッサーエレメントの代替的な変種も、本発明の実施形態において使用しうる。一部のリプレッサー/結合部位変種は、互いに対する親和性が野生型よりも高くなり;これらは本発明の実施形態の1つにおいて好ましい。
【0069】
TetR遺伝子は、概ねヒト(宿主)細胞の染色体に組込まれる。遺伝子は、capまたはrep遺伝子に隣接して、またはこれと連携して組込まれることもあれば、そうでないこともある。一部の実施形態においては、TetR遺伝子はcap遺伝子またはrep遺伝子と共発現する。
【0070】
本発明の1つの実施形態においては、TetRタンパク質のヌクレオチド配列は配列番号13に示すものであるか、またはこれと少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%または95%の配列同一性を有し、かつTetRタンパク質をコードするヌクレオチド配列である。
【0071】
本発明の他の実施形態においては、TetRタンパク質のアミノ酸配列は配列番号14に示すものであるか、またはこれと少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%または95%の配列同一性を有し、かつTetRタンパク質をコードするアミノ酸配列である。
【0072】
好ましくは、cap遺伝子およびrep遺伝子と機能的に関連するプロモーターはCMV即時初期プロモーターまたはその誘導体である。一部の特に好ましい実施形態においては、プロモーターは国際公開第WO2017/149292号に定義されるプロモーター(より好ましくは、これにおいて「p565」と定義されるプロモーター)である。好ましくは、cap遺伝子およびrep遺伝子と機能的に関連するプロモーターはAAVプロモーターでなく、たとえばAAV p5、p19またはp40プロモーターでない。
【0073】
cap遺伝子の翻訳は、好ましくはmRNAの5‘末端において標準的な5’mG-capから開始される。
【0074】
rep遺伝子は、配列内リボソーム進入部位(IRES)とも機能的に関連する。IRESはrep mRNAの翻訳を調節する。IRESは、cap非依存的翻訳と呼ばれるプロセスにおいて、真核細胞リボソームをmRNAに動員することが可能な、核酸分子の特異な領域である。IRESは一般にRNAウイルスの5’-UTRに位置する。それらはウイルスRNAの翻訳をcap非依存的に促進する。
【0075】
ウイルスIRESの例は、ピコルナウイルスIRES(脳心筋炎ウイルス、EMCV IRES)、アフトウイルスIRES(口蹄疫ウイルス、FMDV IRES)、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルスIRES、A型肝炎IRES、C型肝炎IRES、ペスチウイルスIRES、クリパウイルス配列内リボソーム進入部位(IRES)、Rhopalosiphum padiウイルス配列内リボソーム進入部位(IRES)、および即時初期転写物(IRES)1の1.8kbファミリー内5’-リーダーIRESおよびシストロン間IRESを含む。
【0076】
また本発明は、真核細胞リポソームをmRNAに動員する能力を保持した、上記のIRESの非天然誘導体も包含する。一部の好ましい実施形態においては、IRESは脳心筋炎ウイルス(EMCV)IRESである。本発明の1つの実施形態においては、EMCV IRESのヌクレオチド配列は配列番号15に示すものであるか、またはこれと少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%または95%の配列同一性を有し、かつIRESをコードするヌクレオチド配列である。
【0077】
他の実施形態においては、IRESは口蹄疫ウイルス(FMDV)IRESである。本発明の1つの実施形態においては、FMDV IRESのヌクレオチド配列は配列番号16に示すものであるか、またはこれと少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%または95%の配列同一性を有し、かつIRESをコードするヌクレオチド配列である。
【0078】
rep遺伝子はIRESと機能的に関連する。好ましくは、IRESはcap遺伝子の下流且つRep78/68の翻訳開始部位の上流に位置する。
【0079】
哺乳類培養における安定細胞株の生成には、典型的には、任意の外因的に添加されるDNAを含有する細胞の増殖を促進する選択の方法が必要である。
【0080】
好ましくは、本発明の核酸分子は選択遺伝子または抗生物質耐性遺伝子を追加的に含む。この目的を達成するために、それをコードするDNAが哺乳類細胞ゲノムに挿入されるとき特定の化合物に対する耐性を提供する、多様な遺伝子が知られている。
【0081】
好ましくは、選択遺伝子はピューロマイシンN-アセチルトランスフェラーゼ(Puro)、ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(Hygro)、ブラストサイジンのデアミナーゼ(Blast)、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(Neo)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GS)、ゼオシン耐性遺伝子(Sh ble)またはジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)である。これらの遺伝子のそれぞれは、哺乳類細胞に対して毒性であることがわかっている低分子に対する耐性を提供し、あるいはGSの場合は、増殖培地にグルタチオンが存在しない場合に、グルタチオンを産生する方法を細胞に提供する。
【0082】
本発明の好ましい実施形態においては、耐性遺伝子はPuroである。一般的な組織培養に用いられる細胞株の多くがPuroに対して耐性でないので、この遺伝子は特に有効であり;Neoの場合は多くの、特にHEK293誘導株が、研究者らによる過去の遺伝子操作によってすでにNeo耐性となっているので(HEK293 T細胞など)、これが当てはまらない。Puro選択は、毒性である時間が短い(<72時間)という長所もあるので、変数を迅速に試験することが可能であり、且つゲノムに挿入しようとする外因性DNAを保持しない細胞は培養系から迅速に除去される。このことは、毒性の発現がより遅いHygroなどの他の一部の選択方法には当てはまらない。
【0083】
選択遺伝子(Puroなど)を用いた安定細胞株の発生は、耐性遺伝子が必ず細胞で発現されることが要件である。これは、配列内リボソーム進入部位(IRES)、2A開裂系、オルタナティブスプライシング、および専用プロモーターを含むがこれに限定されない多様な方法によって達成することができる。
【0084】
本発明の好ましい実施形態においては、選択遺伝子は専用プロモーターから発現される。このプロモーターは、ヒト細胞において、好ましくはrepまたはcap遺伝子を駆動する専用プロモーターよりも低いレベルで転写するであろう。
【0085】
ポリペプチドまたはRNAをコードする核酸分子内の各遺伝子は、好ましくは1つ以上の調節エレメントと機能的に関連するであろう。これにより、ポリペプチドまたはRNAが所望のレベル且つ所望の時期に発現されることが担保される。この文脈において、用語「調節エレメント」はエンハンサー、プロモーター、イントロン、polyA、インシュレーターまたは転写終結コドンのうち1つまたはそれ以上を含む。
【0086】
本願に開示されるAAVプラスミドまたはベクターに用いられるウイルスは、好ましくは、他の遺伝子への転写リードスルーを最小限とする取組みにおいて、polyAシグナルおよび/またはインシュレーターによって分離される。
【0087】
同じ調節エレメント(プロモーター配列など)の複数のコピーを、2つ以上のポリペプチドまたはRNAコードヌクレオチド配列と共に用いることにより(その協調発現という点で)いくつかの利点が得られるが、本発明の状況においては、各ポリペプチドまたはRNAコードヌクレオチド配列と共に異なる調節エレメントを用いることが非常に望ましい。
【0088】
したがって好ましくは、repおよびcap遺伝子は、異なるプロモーター、異なるイントロン、異なるpolyA、異なるインシュレーターおよび/または異なる転写終結配列などの、異なる調節エレメントと機能的に関連する。より好ましくは、repプロモーターとcapプロモーターの間のヌクレオチド配列同一性の度合いは95%未満または90%未満、より好ましくは85%、80%、70%または60%未満である。より好ましくは、rep転写終結コドンとcap転写終結コドンの間のヌクレオチド配列同一性の度合いは95%未満または90%未満、より好ましくは85%、80%、70%または60%未満である。こうして、これらの調節エレメント間の相同組換えのリスクが低減される。
【0089】
本発明の核酸分子は、大半の実施形態で、AAVの産生に有用であるプラスミドまたはベクターであろう。したがって、大半の実施形態においては、本発明の核酸分子(またはそれを含むベクターまたはプラスミド)は逆位末端反復(ITR)を含まないであろう。
【0090】
一部の実施形態においては、本発明の核酸分子(またはそれを含むベクターまたはプラスミド)はアデノウイルスE1A、E1B、E4、E2AまたはVAから選択される1つ以上の遺伝子を含まないであろう。一部の好ましい実施形態においては、本発明の核酸分子(またはそれを含むベクターまたはプラスミドまたはプラスミド系)はアデノウイルスE2A遺伝子を含まない。本願で用いる用語「E2A」または「E2A遺伝子」は、ウイルスE2A遺伝子またはその変異体または誘導体を意味する。好ましくは、E2A遺伝子はAd5などのヒトアデノウイルスに由来するか、またはこれより誘導される。本発明の1つの実施形態においては、アデノウイルスE2Aのヌクレオチド配列は配列番号17に示すものであるか、またはこれと少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%または95%の配列同一性を有し、且つウイルスDNA複製の延伸を補助するDNA結合タンパク質をコードするヌクレオチド配列である。
【0091】
他の実施形態においては、本発明の核酸分子を含むプラスミドまたはベクターが提供される。
【0092】
本発明の好ましい実施形態の例は、以下のエレメントをこの順で含む核酸分子を含む:
CMVプロモーター-AAV2 cap遺伝子-FMDV IRES-rep遺伝子
p565プロモーター-AAV2 cap遺伝子-EMCV IRES-rep遺伝子
CMVプロモーター-AAV2 cap遺伝子-EMCV IRES-rep遺伝子
【0093】
一部の好ましい実施形態においては、用語「rep gene」はRep78、Rep52、Rep68およびRep40ポリペプチドをコードする遺伝子を意味する。他の好ましい実施形態においては、用語「rep gene」はRep78およびRep52ポリペプチドをコードする(ただし好ましくは機能的Rep68またはRep40ポリペプチドをコードしない)遺伝子を意味する。
【0094】
2つのアミノ酸または核酸配列を整合するために利用可能な数多くの確立されたアルゴリズムが存在する。典型的には、一方の配列が、被験配列と比較することのできる参照配列の機能を果たす。配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づき、参照配列と比較した被験配列の配列同一性百分率を算出する。比較を目的としたアミノ酸または核酸配列の整合は、たとえばコンピューター実装アルゴリズム(GAP、BESTFIT、FASTAまたはTFASTA)、またはBLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムによって実施することができる。
【0095】
アミノ酸配列同一性および核酸配列同一性の百分率は、BLAST整合法を用いて得ることができる(Altschul他(1997)、「ギャップBLASTおよびPSI-BLAST:タンパク質データベース検索プログラムの新世代」Nucleic Acids Res.25:3389-3402;およびhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)。好ましくは、標準またはデフォルト整合パラメーターを用いる。
【0096】
標準タンパク質-タンパク質BLAST(blastp)を用いて、タンパク質データベース内の類似した配列を発見することができる。他のBLASTプログラムと同様に、blastpは類似した局所領域を発見するよう設計されている。配列の類似性が全配列に及ぶ場合、blastpは全般的整合も報告し、これはタンパク質同定の目的にとって好ましい結果である。好ましくは、標準またはデフォルト整合パラメーターを用いる。一部の場合では、「低複雑度フィルター」を外すこともある。
【0097】
BLASTタンパク質検索は、BLASTXプログラム、スコア=50、ワード長=3で実施することもある。比較を目的としたギャップ整合を得るために、Altschul他(1997)Nucleic Acids Res.25:3389の記載に従ってギャップBLAST(BLAST2.0に含まれる)を利用することができる.またその代わりに、PSI-BLAST(BLAST2.0に含まれる)を用いて、分子間の遠隔関係を検出する累次検索を実施することができる。(Altschul他(1997)前掲を参照)。BLAST、ギャップBLAST、PSI-BLASTを利用する場合、それぞれのプログラムのデフォルトパラメーターを用いることができる。
【0098】
ヌクレオチド配列の比較については、MEGABLAST、不連続megablastおよびblastnを用いてこの目標を達成してもよい。好ましくは、標準またはデフォルト整合パラメーターを用いる。MEGABLASTは、非常に類似した配列間で長い整合を効率よく発見するよう特に設計されている。不連続MEGABLASTを用いて、本発明の核酸と類似しているが、同一ではないヌクレオチド配列を発見することができる。
【0099】
BLASTヌクレオチドアルゴリズムは、クエリをワードと呼ばれる短いサブ配列に分解することによって類似した配列を発見する。プログラムは、始めにクエリワードとの完全な一致を特定する(ワードヒット)。次に、BLASTプログラムはこれらのワードヒットを多段階で拡張し、最終ギャップ整合を生成する。一部の実施形態においては、BLASTヌクレオチド検索はBLASTNプログラム、スコア=100、ワード長=12で実施することができる。
【0100】
BLAST検索の感度を支配する重要なパラメーターの1つはワードサイズである。blastnがMEGABLASTよりも感度が高い最も重要な理由は、より短いデフォルトワードサイズ(11)を用いることである。このためblastnは、他の生物に由来する関連ヌクレオチド配列に対する整合の発見において、MEGABLASTよりも優れている。blastnではワードサイズを調節することが可能であり、デフォルト値より短縮して最小で7とし、検索感度を高めることができる。
【0101】
新たに導入された不連続megablastページを用いることにより、より感度の高い検索を遂行することができる(www.ncbi.nlm.nih.gov/Web/Newsltr/FallWinter02/blastlab.html)。このページはMa他によって報告されたもの(Bioinformatics.2002Mar;18(3):440-5)と同様のアルゴリズムを用いる。不連続megablastは、整合拡張のシードとして完全ワードマッチを必要とするのではなく、テンプレートのより長いウインドウ内で非連続ワードを用いる。コーディングモードでは、第1および第2コドン位置での一致の発見に集中する一方で第3の位置の不一致を無視することにより、第3塩基のゆれを考慮に入れる。同じワードサイズを用いた不連続MEGABLASTにおける検索は、同じワードサイズを用いた標準的blastnよりも感度および効率が高い。不連続megablastに固有のパラメーターは:ワードサイズ:11または12;テンプレート:16、18、または21;テンプレートタイプ:コーディング(0)、非コーディング(1)、または両者(2)である。
【0102】
一部の実施形態においては、デフォルトパラメーターを用いたBLASTP 2.5.0+アルゴリズム(NCBIから入手できるものなど)を用いることがある。他の実施形態においては、ギャップコスト:Existence11およびExtension1による2タンパク質配列のNeedleman-Wunsch整合を用いたBLAST Global Alignmentプログラムを用いることがある(NCBIから入手できるものなど)。
【0103】
組換えAAVの産生のための1つの方法は、AAV産生に必要とされる全てのエレメントの、HEK293細胞などの宿主細胞への一過性トランスフェクションに基づく。これは、3種類のプラスミドによるAAV産生細胞の共トランスフェクションを全般的に包含する。
(a)目的の遺伝子を担持するAAV ITR含有プラスミド;
(b)AAV rep-cap遺伝子を担持するプラスミド;および
(c)アデノウイルスから分離された必要なヘルパー遺伝子を提供するプラスミド。
【0104】
一部の場合においては、ヘルパー遺伝子は宿主細胞ゲノムに安定に組込まれ(且つこれより発現可能であり);それゆえプラスミド(c)は必要とされない。
【0105】
したがって本発明は:
(a)本発明の核酸分子を含むプラスミドまたはベクターを、以下のうち1つ以上-
(b)ITRに隣接する導入遺伝子を含むAAV導入プラスミド;
(c)アデノウイルスE1A、E1B、E4およびVAから選択される1つ以上の遺伝子を含むヘルパープラスミドと共に含むキットを提供する。
【0106】
本発明の一部の実施形態においては、ヘルパープラスミドはE2A遺伝子を追加的に含む。他の実施形態においては、ヘルパープラスミドはE2A遺伝子を含まない。後者の場合、E2A遺伝子の脱落により、ヘルパープラスミドによって必要とされるDNAの量が相当減少する。
【0107】
また本発明は:
(a)本発明の核酸分子を含むプラスミドまたはベクターを、以下のうち1つ以上-
(b)ITRに隣接する導入遺伝子を含むAAV導入プラスミド;
(c)哺乳類宿主細胞(HEK293など)ゲノムから発現可能である、E1A、E1B、E4およびVAから選択される1つ以上のウイルス遺伝子を含む宿主細胞と共に含むキットも含む。
【0108】
本発明の一部の実施形態においては、哺乳類宿主細胞は、宿主細胞ゲノムから発現可能なE2A遺伝子を追加的に含む。他の実施形態においては、哺乳類宿主細胞はアデノウイルスE2A遺伝子を含まない。
【0109】
またキットは、1本以上の遠心管、イオジキサノール、透析バッファーおよび透析カセットなどの、ウイルス粒子の密度バンディングおよび精製に関与するものなどの、AAV粒子の精製のための材料も含む。
【0110】
また本発明は、本発明の核酸分子、プラスミドまたはベクターを含む哺乳類細胞も提供する。本発明の核酸分子は、哺乳類細胞の核ゲノムに安定的に組込まれるか、または細胞内のベクターまたはプラスミド(エピソームなど)内に存在しうる。
【0111】
好ましくは、本発明の核酸分子は、哺乳類細胞の核ゲノム内に安定的に組込まれる(且つこれよりrepおよびcap遺伝子が発現可能である)。
【0112】
細胞は、たとえば生存動物または哺乳動物に位置しない分離細胞であってもよい。哺乳類細胞の例は、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、サル、ウサギ、ロバ、ウマ、ヒツジ、ウシおよび類人猿に由来する任意の臓器または組織に由来するものを含む。好ましくは、細胞はヒト細胞である。細胞は初代細胞であっても不死化細胞であってもよい。
【0113】
好ましい細胞はHEK-293、HEK293T、HEK-293E、HEK-293FT、HEK-293S、HEK-293SG、HEK-293FTM、HEK-293SGGD、HEK-293A、MDCK、C127、A549、HeLa、CHO、マウス骨髄腫、PerC6、911およびVero細胞株を含む。HEK-293細胞はE1AおよびE1Bタンパク質を含有するよう修飾されており、またこれにより、ヘルパープラスミドでこれらのタンパク質を供給する必要性がなくなる。同様に、PerC6および911細胞は同様の修飾を含み、これもまた使用することができる。最も好ましくは、ヒト細胞はHEK293、HEK293T、HEK293A、PerC6または911である。他の好ましい細胞はCHOおよびVERO細胞を含む。
【0114】
好ましくは、本発明の細胞はrepおよびcap遺伝子を誘導可能に発現することが可能である。
【0115】
また本発明は、AAVパッケージング細胞、好ましくは哺乳類細胞、より好ましくはヒト細胞)であって、(a)本発明の核酸分子、および任意に(b)ITRと隣接する導入遺伝子を含むAAV導入プラスミド、および(c)E1A、E1B、E4およびVAから選択される1つ以上の遺伝子を含むヘルパープラスミドの一方または双方を含む細胞も提供する。本発明の一部の実施形態においては、ヘルパープラスミドはE2A遺伝子を追加的に含む。他の実施形態においては、ヘルパープラスミドはE2A遺伝子を含まない。後者の場合、E2A遺伝子の脱落により、ヘルパープラスミドによって必要とされるDNAの量が相当減少する。
【0116】
本発明の核酸分子、プラスミドおよびベクターは任意の適切な技術によって作製しうる。本発明の核酸分子およびパッケージング細胞の生成を目的とした組換え法は、技術上周知である(例『分子クローニング:実験室マニュアル』(第4版)、Green,MRとSambrook,J.,(2014年更新))。
【0117】
本発明の核酸分子からのrepおよびcap遺伝子の発現は、(本願の実施例に記載されるような)qPCRによって1mLあたりのゲノムコピー数を測定することなどによる、任意の適切な測定法によって測定することができる。
【0118】
さらなる実施形態においては、AAVパッケージング細胞を生成するためのプロセスであって、プロセスが:
(a)本発明の核酸分子を哺乳類細胞に安定的に組込み、それによりウイルスrepおよびcap遺伝子を発現する哺乳類細胞を生成するステップを含むプロセスが提供される。
【0119】
また本発明は、AAV粒子の産生における本発明のAAVパッケージング細胞の使用も提供する。
【0120】
また本発明は、AAVを産生するためのプロセスであって、プロセスが:
(a)導入遺伝子と隣接する5’-および3’-AAV ITRを含む導入プラスミドをAAVパッケージング細胞に導入するステップであって、AAVパッケージング細胞が本発明の核酸分子、および導入プラスミドをパッケージングするのに十分な(好ましくはE1A、E1B、E4およびVAのうち1つ以上から選択される)ヘルパー遺伝子を含み、ヘルパー遺伝子が細胞内のエピソームヘルパープラスミドに存在するか、またはパッケージング細胞ゲノムに組込まれるステップ;
(b)AAVが構築されて細胞から分泌されるような条件下で細胞を培養するステップ;および
(c)上清からパッケージングされたAAVを回収するステップを含むプロセスも提供する。
【0121】
本発明の一部の実施形態においては、ヘルパー遺伝子はE2A遺伝子を追加的に含む。他の実施形態においては、前記ヘルパー遺伝子はE2A遺伝子を含まない。
【0122】
好ましくは、回収されたAAVは続いて精製される。
【0123】
本願で用いる用語である、1つ以上のプラスミドまたはベクターを細胞に「導入すること」は、形質転換、およびとりわけ任意の形態のエレクトロポレーション、コンジュゲーション、感染、形質導入、またはトランスフェクションを含む。
【0124】
一部の好ましい実施形態においては、導入遺伝子はCRISPR酵素(Cas9、Cpf1など)またはCRISPR sgRNAをコードする。
【0125】
このような導入のプロセスは技術上周知である(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1995Aug1;92(16):7297-301など)。
【0126】
本願に記載された各参照文献の開示は、参照文献として本願にその全文を個別に援用する。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1】野生型AAVゲノムにおけるRepおよびCapタンパク質遺伝子の構成を示す。
図2A】本発明の核酸分子の3つの実施形態を示す。図2Bにおいては、「OXGP3」は2つのTetオペレーター部位を有するCMVプロモーター変異体を意味する。
図2B】同上
図2C】同上
図3】多様なrep-capプラスミドでトランスフェクトした細胞において産生されたAAVゲノムの、1mLあたりのコピー数の測定の結果を示す。OxG=遠位に配置されたp5プロモーターを含む、野生型ウイルスにみられるような標準的RepCap構造;CMV-CMV=RepおよびCap配列の双方がCMVプロモーターの下で5’-3’順にCMV-Cap-CMV-Repと配置されている構造;CMV-PGK=RepおよびCap配列が、それぞれPGKおよびCMVプロモーターの下で5’-3’順にCMV-Cap-PGK-Repと配置される構造;CMV-EMCV=Cap配列がCMVプロモーターの下にあり且つRep配列がIRES EMCVの制御下にあって5’-3’順にCMV-Cap-EMCV-Repと配置される構造。図4では、ウイルスを含有する細胞ライセートを500倍希釈し、qPCRを用いて定量した。これは物理的力価を示す。
図4】同上
図5】AAV粒子感染72時間後におけるHEK293T細胞のフローサイトメトリー分析後の結果を示す。データは、P1におけるGFP陽性細胞の百分率として示す。P1はサンプル中の生存可能細胞に対応する。
図6図5の結果および感染細胞数により算出した、感染ウイルスサンプル1mLあたりの形質導入単位を示す。これは感染力価を示す。
図7】多様なrep-capプラスミドでトランスフェクトした細胞において産生されたAAVゲノムの、1mLあたりのコピー数の測定の結果を示す。プラスミドの詳細については、上記の図3~4を参照されたい。Clontechは、クロンテックより供給される3プラスミド系を意味する(pAAV-CMV-EGFP;pHelper;pRepCap-miR342)。
図8】a)本発明の3プラスミドAAV系;b)pSF-ヘルパープラスミドがCMV-E4orf6(コード配列)のみを含むプラスミドで置換えられたa)の系;c)pSF-ヘルパープラスミドがpSF-E4orf6-VAIで置換えられたa)の系;およびd)pSF-ヘルパープラスミドが除去され且つスタッファーDNAで置き換えられたa)の系(対照)から産生されるウイルスから得られる力価(GC、ゲノムコピー)を示す。
【実施例
【0128】
本発明は以下の実施例によってさらに例示され、別段の言及がない限りその割合および百分率は重量によるものであり、温度は摂氏である。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方で、例示を目的としてのみ提示されることを理解すべきである。上記の考察およびこれらの実施例により、当業者は本発明の本質的特性を確認し、その主旨および範囲を逸脱することなく、本発明に多様な変更および変法を行って多様な用途および条件に適合させることができる。したがって、本願に提示および記載するものに加えて、本発明の多様な変法が、先行する記述により当業者に明らかになるであろう。そのような変法もまたは付属の請求項の範囲内となることを意図している。
【実施例1】
【0129】
(AAV cap-repプラスミドの産生)
図2A、2B、および2Cに示す遺伝因子を有する以下のプラスミドが産生された:
pSF-CMV-AAV2Cap-FMDV-AAV2Rep
pSF-CMV-AAV2Cap-EMCV-AAV2Rep
pSF-p565_2xTetO-AAV2Cap-EMCV-AAV2Rep
【0130】
OxGP3プロモーターは、国際公開第2017/149292号に定義されるp565プロモーターである。FMDVは口蹄疫ウイルスIRESである。CMVはサイトメガロウイルスプロモーターである。AAV2Cap はアデノ随伴ウイルス2 cap遺伝子である。Repは、Rep78およびRep52のみをコードするアデノ随伴ウイルスrep遺伝子である。
【0131】
(pSF-AAV-CMV-EGFP)
このプラスミドは、CMVプロモーターによって駆動され、2つのAAV2 ITR配列に隣接し、ITR-CMV-EGFP-ITR配列のAAVカプシドシェルへのパッケージングを可能とするEGFPタンパク質をコードする。
【0132】
(pSF-ヘルパー)
このプラスミドは、アデノウイルス5配列E2A、E4orf6およびVAI RNAを含み、HEK293細胞におけるAAV産生に必要とされるヘルパー機能を提供する。
【0133】
(pSF-RepCap)
このプラスミドは、野生型構造のRepCap配列を含み、Rep78/68の全体的発現を低下させるためにp5プロモーターが削除されて遠位に配置されている。
【0134】
(pSF-CMV-Cap-CMV-Rep78/52)
このプラスミドは、CMVによって駆動されるCap配列、およびCMVプロモーターによって別に駆動されるRep78/52配列を含む。これは、2つのコード配列の同等に強い発現をもたらす。
【0135】
(pSF-CMV-Cap-PGK-Rep78/52)
このプラスミドは、CMVによって駆動されるCap配列、およびPGKプロモーターによって別に駆動されるRep78/52配列を含み、これはCMVプロモーターよりも低い発現をもたらす。
【0136】
(pSF-CMV-Cap-EMCV-Rep78/52)
このプラスミドは、CMVプロモーターによって駆動されるCap配列、およびIRES EMCVより産生されるRep78/52タンパク質を含む。EMCVは、CMVプロモーターよりもさらに低い発現レベルをもたらす
【実施例2】
【0137】
(ゲノムコピー(GC)を測定すること)
プラスミドベクターpSF-AAV-CMV-EGFP、pSF-ヘルパーおよび:pSF-RepCap;pSF-CMV-Cap-CMV-Rep78/52;pSF-CMV-Cap-PGK-Rep78/52またはpSF-CMV-Cap-EMCV-Rep78/52のうち1つを、6ウェルプレート内の>80%コンフルエントHEK293T細胞に、総DNAが2.5μg/ウェルとなるよう、1:1:1モル比でトランスフェクトした。トランスフェクション試薬リポフェクタミン2000を、リポフェクタミンに対する総DNA質量比率1:2.4で用いた。48時間後にウェルの全内容物を回収し、フローサイトメトリーおよびqPCRの双方で分析した。データは、ライセート1mLあたりの形質導入単位(TU)(図6)およびライセート1mLあたりのゲノムコピー(図3~4)の双方で提示する。
【0138】
プラスミドpSF-CMV-Cap-EMCV-Rep78/52を用いることにより、感染力価および物理的力価は、いずれもOxG陽性対照において用いた野生型構造と比較して改善した。
【0139】
図5は、AAVによるインキュベーションの72時間後にGFP陽性である生存可能細胞の百分率を示す。ウイルス溶液を1→500、1→2500、および1→12500に希釈した。5%と25%の間のGFP陽性細胞をもたらす希釈を用いて、ウイルス溶液1mLあたりの形質導入単位を算出した。
【実施例3】
【0140】
プラスミドベクターpSF-AAV-CMV-EGFP、pSF-ヘルパーおよび:pSF-RepCap;pSF-CMV-Cap-EMCV-Rep78/52またはpSF-CMV-Cap-FMDV-Rep78/52のうち1つを、6ウェルプレート内の70~80%コンフルエントHEK293T細胞に、総DNAが2.5μg/ウェルとなるよう、1:1:1モル比でトランスフェクトした。これは、クロンテック3-プラスミド系(www.clontech.com/GB/Products/Viral_Transduction/AAV_Vector_Systems/Helper_Free_Expression_System?sitex=10030:22372:US)に沿って実行し、総DNA質量2.5μgとなるようモル比1:1:1でトランスフェクトした。リポフェクタミンに対する総DNA質量比率1:2.4で用いたトランスフェクション試薬リポフェクタミン2000。48時間後にウェルの全内容物を回収し、qPCRで分析した。データはライセート1mLあたりのゲノムコピーとして提示し(図7)、誤差棒は平均値の標準誤差を表した。
【0141】
この実験は、pSF-CMV-Cap-EMCV-Rep78/52が、pSF-RepCapおよびクロンテックpRepCap-miR342の双方で用いられる標準的な野生型構造よりも、高い信頼度で優れていることを示す。代替的なIRESであるFMDVを用いることで、野生型構造と比較してウイルス力価が上昇することも示す。
【実施例4】
【0142】
(E2Aを用いることなく高い力価が得られる)
本発明のAAV産生系からのE2Aの有無の影響を、Ad5 E2A遺伝子を含む/含まないプラスミド群を用いて判定した。
【0143】
全ての実験には以下のプラスミドを含めた:
(i)実施例1に定義するpSF-AAV-CMV-EGFP。
(ii)pSF-CMV-Cap-EMCV-Rep。このプラスミドはCMVプロモーターによって駆動されるCap配列、およびEMCV IRESより産生されるRepタンパク質を含む。
【0144】
上記の(i)および(ii)に加えて、続く実験には以下のプラスミドを含めた:
a)pSF-ヘルパー(これはAd5領域E2A、E4orf6およびVA RNA Iを含む);
b)pSF-nano-CMV-E4orf6(これはE4orf6タンパク質のコード配列のみを含む);
c)pSF-E4orf6-VA I(これはE4orf6領域全体およびVA RNA I配列全体を含む);および
d)OG10(これは空のpSF-CMV-Kanである)。
【0145】
結果は図8に示し、実験a)、b)、c)およびd)を(ゲノムコピー/mLとして)それぞれ「OxG Pro」、「E4Orf6/Pro」、「no E2A」および「no Ad5 Help」とラベリングして示す。
【0146】
結果より、AAV産生系において、本発明のCap/Repプラスミドを用いてE2Aを用いないことにより、より高いウイルス力価を得ることができることが示される。
【0147】
[配列表]
配列番号1-Repヌクレオチド配列(AAV血清型2)
atgccggggttttacgagattgtgattaaggtccccagcgaccttgacgagcatctgcccggcatttctgacagctttgtgaactgggtggccgagaaggaatgggagttgccgccagattctgacatggatctgaatctgattgagcaggcacccctgaccgtggccgagaagctgcagcgcgactttctgacggaatggcgccgtgtgagtaaggccccggaggcccttttctttgtgcaatttgagaagggagagagctacttccacatgcacgtgctcgtggaaaccaccggggtgaaatccatggttttgggacgtttcctgagtcagattcgcgaaaaactgattcagagaatttaccgcgggatcgagccgactttgccaaactggttcgcggtcacaaagaccagaaatggcgccggaggcgggaacaaggtggtggatgagtgctacatccccaattacttgctccccaaaacccagcctgagctccagtgggcgtggactaatatggaacagtatttaagcgcctgtttgaatctcacggagcgtaaacggttggtggcgcagcatctgacgcacgtgtcgcagacgcaggagcagaacaaagagaatcagaatcccaattctgatgcgccggtgatcagatcaaaaacttcagccaggtacatggagctggtcgggtggctcgtggacaaggggattacctcggagaagcagtggatccaggaggaccaggcctcatacatctccttcaatgcggcctccaactcgcggtcccaaatcaaggctgccttggacaatgcgggaaagattatgagcctgactaaaaccgcccccgactacctggtgggccagcagcccgtggaggacatttccagcaatcggatttataaaattttggaactaaacgggtacgatccccaatatgcggcttccgtctttctgggatgggccacgaaaaagttcggcaagaggaacaccatctggctgtttgggcctgcaactaccgggaagaccaacatcgcggaggccatagcccacactgtgcccttctacgggtgcgtaaactggaccaatgagaactttcccttcaacgactgtgtcgacaagatggtgatctggtgggaggaggggaagatgaccgccaaggtcgtggagtcggccaaagccattctcggaggaagcaaggtgcgcgtggaccagaaatgcaagtcctcggcccagatagacccgactcccgtgatcgtcacctccaacaccaacatgtgcgccgtgattgacgggaactcaacgaccttcgaacaccagcagccgttgcaagaccggatgttcaaatttgaactcacccgccgtctggatcatgactttgggaaggtcaccaagcaggaagtcaaagactttttccggtgggcaaaggatcacgtggttgaggtggagcatgaattctacgtcaaaaagggtggagccaagaaaagacccgcccccagtgacgcagatataagtgagcccaaacgggtgcgcgagtcagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacaggtaccaaaacaaatgttctcgtcacgtgggcatgaatctgatgctgtttccctgcagacaatgcgagagaatgaatcagaattcaaatatctgcttcactcacggacagaaagactgtttagagtgctttcccgtgtcagaatctcaacccgtttctgtcgtcaaaaaggcgtatcagaaactgtgctacattcatcatatcatgggaaaggtgccagacgcttgcactgcctgcgatctggtcaatgtggatttggatgactgcatctttgaacaaTAG
【0148】
配列番号2-Rep78アミノ酸配列(AAV血清型2)
MPGFYEIVIKVPSDLDGHLPGISDSFVNWVAEKEWELPPDSDMDLNLIEQAPLTVAEKLQRDFLTEWRRVSKAPEALFFVQFEKGESYFHMHVLVETTGVKSMVLGRFLSQIREKLIQRIYRGIEPTLPNWFAVTKTRNGAGGGNKVVDECYIPNYLLPKTQPELQWAWTNMEQYLSACLNLTERKRLVAQHLTHVSQTQEQNKENQNPNSDAPVIRSKTSARYMELVGWLVDKGITSEKQWIQEDQASYISFNAASNSRSQIKAALDNAGKIMSLTKTAPDYLVGQQPVEDISSNRIYKILELNGYDPQYAASVFLGWATKKFGKRNTIWLFGPATTGKTNIAEAIAHTVPFYGCVNWTNENFPFNDCVDKMVIWWEEGKMTAKVVESAKAILGGSKVRVDQKCKSSAQIDPTPVIVTSNTNMCAVIDGNSTTFEHQQPLQDRMFKFELTRRLDHDFGKVTKQEVKDFFRWAKDHVVEVEHEFYVKKGGAKKRPAPSDADISEPKRVRESVAQPSTSDAEASINYADRYQNKCSRHVGMNLMLFPCRQCERMNQNSNICFTHGQKDCLECFPVSESQPVSVVKKAYQKLCYIHHIMGKVPDACTACDLVNVDLDDCIFEQ*
【0149】
配列番号3-Rep68アミノ酸配列(AAV血清型2)
MPGFYEIVIKVPSDLDEHLPGISDSFVNWVAEKEWELPPDSDMDLNLIEQAPLTVAEKLQRDFLTEWRRVSKAPEALFFVQFEKGESYFHMHVLVETTGVKSMVLGRFLSQIREKLIQRIYRGIEPTLPNWFAVTKTRNGAGGGNKVVDECYIPNYLLPKTQPELQWAWTNMEQYLSACLNLTERKRLVAQHLTHVSQTQEQNKENQNPNSDAPVIRSKTSARYMELVGWLVDKGITSEKQWIQEDQASYISFNAASNSRSQIKAALDNAGKIMSLTKTAPDYLVGQQPVEDISSNRIYKILELNGYDPQYAASVFLGWATKKFGKRNTIWLFGPATTGKTNIAEAIAHTVPFYGCVNWTNENFPFNDCVDKMVIWWEEGKMTAKVVESAKAILGGSKVRVDQKCKSSAQIDPTPVIVTSNTNMCAVIDGNSTTFEHQQPLQDRMFKFELTRRLDHDFGKVTKQEVKDFFRWAKDHVVEVEHEFYVKKGGAKKRPAPSDADISEPKRVRESVAQPSTSDAEASINYAD*
【0150】
配列番号4-Rep52アミノ酸配列(AAV血清型2)
MELVGWLVDKGITSEKQWIQEDQASYISFNAASNSRSQIKAALDNAGKIMSLTKTAPDYLVGQQPVEDISSNRIYKILELNGYDPQYAASVFLGWATKKFGKRNTIWLFGPATTGKTNIAEAIAHTVPFYGCVNWTNENFPFNDCVDKMVIWWEEGKMTAKVVESAKAILGGSKVRVDQKCKSSAQIDPTPVIVTSNTNMCAVIDGNSTTFEHQQPLQDRMFKFELTRRLDHDFGKVTKQEVKDFFRWAKDHVVEVEHEFYVKKGGAKKRPAPSDADISEPKRVRESVAQPSTSDAEASINYADRYQNKCSRHVGMNLMLFPCRQCERMNQNSNICFTHGQKDCLECFPVSESQPVSVVKKAYQKLCYIHHIMGKVPDACTACDLVNVDLDDCIFEQ*
【0151】
配列番号5-Rep40アミノ酸配列(AAV血清型2)
MELVGWLVDKGITSEKQWIQEDQASYISFNAASNSRSQIKAALDNAGKIMSLTKTAPDYLVGQQPVEDISSNRIYKILELNGYDPQYAASVFLGWATKKFGKRNTIWLFGPATTGKTNIAEAIAHTVPFYGCVNWTNENFPFNDCVDKMVIWWEEGKMTAKVVESAKAILGGSKVRVDQKCKSSAQIDPTPVIVTSNTNMCAVIDGNSTTFEHQQPLQDRMFKFELTRRLDHDFGKVTKQEVKDFFRWAKDHVVEVEHEFYVKKGGAKKRPAPSDADISEPKRVRESVAQPSTSDAEASINYADRLARGHSL*
【0152】
配列番号6-Rep78ヌクレオチド配列(AAV血清型2)
atgccggggttttacgagattgtgattaaggtccccagcgaccttgacgggcatctgcccggcatttctgacagctttgtgaactgggtggccgagaaggaatgggagttgccgccagattctgacatggatctgaatctgattgagcaggcacccctgaccgtggccgagaagctgcagcgcgactttctgacggaatggcgccgtgtgagtaaggccccggaggcccttttctttgtgcaatttgagaagggagagagctacttccacatgcacgtgctcgtggaaaccaccggggtgaaatccatggttttgggacgtttcctgagtcagattcgcgaaaaactgattcagagaatttaccgcgggatcgagccgactttgccaaactggttcgcggtcacaaagaccagaaatggcgccggaggcgggaacaaggtggtggatgagtgctacatccccaattacttgctccccaaaacccagcctgagctccagtgggcgtggactaatatggaacagtacctcagcgcctgtttgaatctcacggagcgtaaacggttggtggcgcagcatctgacgcacgtgtcgcagacgcaggagcagaacaaagagaatcagaatcccaattctgatgcgccggtgatcagatcaaaaacttcagccaggtacatggagctggtcgggtggctcgtggacaaggggattacctcggagaagcagtggatccaggaggaccaggcctcatacatctccttcaatgcggcctccaactcgcggtcccaaatcaaggctgccttggacaatgcgggaaagattatgagcctgactaaaaccgcccccgactacctggtgggccagcagcccgtggaggacatttccagcaatcggatttataaaattttggaactaaacgggtacgatccccaatatgcggcttccgtctttctgggatgggccacgaaaaagttcggcaagaggaacaccatctggctgtttgggcctgcaactaccgggaagaccaacatcgcggaggccatagcccacactgtgcccttctacgggtgcgtaaactggaccaatgagaactttcccttcaacgactgtgtcgacaagatggtgatctggtgggaggaggggaagatgaccgccaaggtcgtggagtcggccaaagccattctcggaggaagcaaggtgcgcgtggaccagaaatgcaagtcctcggcccagatagacccgactcccgtgatcgtcacctccaacaccaacatgtgcgccgtgattgacgggaactcaacgaccttcgaacaccagcagccgttgcaagaccggatgttcaaatttgaactcacccgccgtctggatcatgactttgggaaggtcaccaagcaggaagtcaaagactttttccggtgggcaaaggatcacgtggttgaggtggagcatgaattctacgtcaaaaagggtggagccaagaaaagacccgcccccagtgacgcagatataagtgagcccaaacgggtgcgcgagtcagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacaggtaccaaaacaaatgttctcgtcacgtgggcatgaatctgatgctgtttccctgcagacaatgcgagagaatgaatcagaattcaaatatctgcttcactcacggacagaaagactgtttagagtgctttcccgtgtcagaatctcaacccgtttctgtcgtcaaaaaggcgtatcagaaactgtgctacattcatcatatcatgggaaaggtgccagacgcttgcactgcctgcgatctggtcaatgtggatttggatgactgcatctttgaacaaTAG
【0153】
配列番号7-Rep68ヌクレオチド配列(AAV血清型2)
ATGCCGGGGTTTTACGAGattgtgattaaggtccccagcgaccttgacgagcatctgcccggcatttctgacagctttgtgaactgggtggccgagaaggaatgggagttgccgccagattctgacatggatctgaatctgattgagcaggcacccctgaccgtggccgagaagctgcagcgcgactttctgacggaatggcgccgtgtgagtaaggccccggaggcccttttctttgtgcaatttgagaagggagagagctacttccacatgcacgtgctcgtggaaaccaccggggtgaaatccatggttttgggacgtttcctgagtcagattcgcgaaaaactgattcagagaatttaccgcgggatcgagccgactttgccaaactggttcgcggtcacaaagaccagaaatggcgccggaggcgggaacaaggtggtggatgagtgctacatccccaattacttgctccccaaaacccagcctgagctccagtgggcgtGGACTAATATGGAACAGTACCTCAGCGCCTGTTTGAATCTCACGGagcgtaaacggttggtggcgcagcatctgacgcacgtgtcgcagacgcaggagcagaacaaagagaatcagaatcccaattctgatgcgccggtgatcagatcaaaaacttcagccaggtacatggagctggtcgggtggctcgtggacaaggggattacctcggagaagcagtggatccaggaggaccaggcctcatacatctccttcaatgcggcctccaactcgcggtcccaaatcaaggctgccttggacaatgcgggaaagattatgagcctgactaaaaccgcccccgactacctggtgggccagcagcccgtggaggacatttccagcaatcggatttataaaattttggaactaaacgggtacgatccccaatatgcggcttccgtctttctgggatgggccacgaaaaagttcggcaagaggaacaccatctggctgtttgggcctgcaactaccgggaagaccaacatcgcggaggccatagcccacactgtgcccttctacgggtgcgtaaactggaccaatgagaactttcccttcaacgactgtgtcgacaagatggtgatctggtgggaggaggggaagatgaccgccaaggtcgtggagtcggccaaagccattctcggaggaagcaaggtgcgcgtggaccagaaatgcaagtcctcggcccagatagacccgactcccgtgatcgtcacctccaacaccaacatgtgcgccgtgattgacgggaactcaacgaccttcgaacaccagcagccgttgcaagaccggatgttcaaatttgaactcacccgccgtctggatcatgactttgggaaggtcaccaagcaggaagtcaaagactttttccggtgggcaaaggatcacgtggttgaggtggagcatgaattctacgtcaaaaagggtggagccaagaaaagacccgcccccagtgacgcagatataagtgagcccaaacgggtgcgcgagtcagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacagTAG
【0154】
配列番号8-Rep52ヌクレオチド配列:
CATGGAGCTGGTCGGGTGGctcgtggacaaggggattacctcggagaagcagtggatccaggaggaccaggcctcatacatctccttcaatgcggcctccaactcgcggtcccaaatcaaggctgccttggacaatgcgggaaagattatgagcctgactaaaaccgcccccgactacctggtgggccagcagcccgtggaggacatttccagcaatcggatttataaaattttggaactaaacgggtacgatccccaatatgcggcttccgtctttctgggatgggccacgaaaaagttcggcaagaggaacaccatctggctgtttgggcctgcaactaccgggaagaccaacatcgcggaggccatagcccacactgtgcccttctacgggtgcgtaaactggaccaatgagaactttcccttcaacgactgtgtcgacaagatggtgatctggtgggaggaggggaagatgaccgccaaggtcgtggagtcggccaaagccattctcggaggaagcaaggtgcgcgtggaccagaaatgcaagtcctcggcccagatagacccgactcccgtgatcgtcacctccaacaccaacatgtgcgccgtgattgacgggaactcaacgaccttcgaacaccagcagccgttgcaagaccggatgttcaaatttgaactcacccgccgtctggatcatgactttgggaaggtcaccaagcaggaagtcaaagactttttccggtgggcaaaggatcacgtggttgaggtggagcatgaattctacgtcaaaaagggtggagccaagaaaagacccgcccccagtgacgcagatataagtgagcccaaacgggtgcgcgagtcagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacaggtaccaaaacaaatgttctcgtcacgtgggcatgaatctgatgctgtttccctgcagacaatgcgagagaatgaatcagaattcaaatatctgcttcactcacggacagaaagactgtttagagtgctttcccgtgtcagaatctcaacccgtttctgtcgtcaaaaaggcgtatcagaaactgtgctacattcatcatatcatgggaaaggtgccagacgcttgcactgcctgcgatctggtcaatgtggatttggatgaCTGCATCTTTGAACAATAG
【0155】
配列番号9-Rep40ヌクレオチド配列
ATGGAGCTGGTCGGGTGGctcgtggacaaggggattacctcggagaagcagtggatccaggaggaccaggcctcatacatctccttcaatgcggcctccaactcgcggtcccaaatcaaggctgccttggacaatgcgggaaagattatgagcctgactaaaaccgcccccgactacctggtgggccagcagcccgtggaggacatttccagcaatcggatttataaaattttggaactaaacgggtacgatccccaatatgcggcttccgtctttctgggatgggccacgaaaaagttcggcaagaggaacaccatctggctgtttgggcctgcaactaccgggaagaccaacatcgcggaggccatagcccacactgtgcccttctacgggtgcgtaaactggaccaatgagaactttcccttcaacgactgtgtcgacaagatggtgatctggtgggaggaggggaagatgaccgccaaggtcgtggagtcggccaaagccattctcggaggaagcaaggtgcgcgtggaccagaaatgcaagtcctcggcccagatagacccgactcccgtgatcgtcacctccaacaccaacatgtgcgccgtgattgacgggaactcaacgaccttcgaacaccagcagccgttgcaagaccggatgttcaaatttgaactcacccgccgtctggatcatgactttgggaaggtcaccaagcaggaagtcaaagactttttccggtgggcaaaggatcacgtggttgaggtggagcatgaattctacgtcaaaaagggtggagccaagaaaagacccgcccccagtgacgcagatataagtgagcccaaacgggtgcgcgagtcagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacagattggctcgaggacactctctcTAG
【0156】
配列番号10-Capヌクレオチド配列(AAV血清型2)
CagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacaggtaccaaaacaaatgttctcgtcacgtgggcatgaatctgatgctgtttccctgcagacaatgcgagagaatgaatcagaattcaaatatctgcttcactcacggacagaaagactgtttagagtgctttcccgtgtcagaatctcaacccgtttctgtcgtcaaaaaggcgtatcagaaactgtgctacattcatcatatcatgggaaaggtgccagacgcttgcactgcctgcgatctggtcaatgtggatttggatgactgcatctttgaacaataaatgatttaaatcaggtatggctgccgatggttatcttccagattggctcgaggacactctctctgaaggaataagacagtggtggaagctcaaacctggcccaccaccaccaaagcccgcagagcggcataaggacgacagcaggggtcttgtgcttcctgggtacaagtacctcggacccttcaacggactcgacaagggagagccggtcaacgaggcagacgccgcggccctcgagcacgacaaagcctacgaccggcagctcgacagcggagacaacccgtacctcaagtacaaccacgccgacgcggagtttcaggagcgccttaaagaagatacgtcttttgggggcaacctcggacgagcagtcttccaggcgaaaaagagggttcttgaacctctgggcctggttgaggaacctgttaagacggctccgggaaaaaagaggccggtagagcactctcctgtggagccagactcctcctcgggaaccggaaaggcgggccagcagcctgcaagaaaaagattgaattttggtcagactggagacgcagactcagtacctgacccccagcctctcggacagccaccagcagccccctctggtctgggaactaatacgatggctacaggcagtggcgcaccaatggcagacaataacgagggcgccgacggagtgggtaattcctcgggaaattggcattgcgattccacatggatgggcgacagagtcatcaccaccagcacccgaacctgggccctgcccacctacaacaaccacctctacaaacaaatttccagccaatcaggagcctcgaacgacaatcactactttggctacagcaccccttgggggtattttgacttcaacagattccactgccacttttcaccacgtgactggcaaagactcatcaacaacaactggggattccgacccaagagactcaacttcaagctctttaacattcaagtcaaagaggtcacgcagaatgacggtacgacgacgattgccaataaccttaccagcacggttcaggtgtttactgactcggagtaccagctcccgtacgtcctcggctcggcgcatcaaggatgcctcccgccgttcccagcagacgtcttcatggtgccacagtatggatacctcaccctgaacaacgggagtcaggcagtaggacgctcttcattttactgcctggagtactttccttctcagatgctgcgtaccggaaacaactttaccttcagctacacttttgaggacgttcctttccacagcagctacgctcacagccagagtctggaccgtctcatgaatcctctcatcgaccagtacctgtattacttgagcagaacaaacactccaagtggaaccaccacgcagtcaaggcttcagttttctcaggccggagcgagtgacattcgggaccagtctaggaactggcttcctggaccctgttaccgccagcagcgagtatcaaagacatctgcggataacaacaacagtgaatactcgtggactggagctaccaagtaccacctcaatggcagagactctctggtgaatccgggcccggccatggcaagccacaaggacgatgaagaaaagttttttcctcagagcggggttctcatctttgggaagcaaggctcagagaaaacaaatgtggacattgaaaaggtcatgattacagacgaagaggaaatcaggacaaccaatcccgtggctacggagcagtatggttctgtatctaccaacctccagagaggcaacagacaagcagctaccgcagatgtcaacacacaaggcgttcttccaggcatggtctggcaggacagagatgtgtaccttcaggggcccatctgggcaaagattccacacacggacggacattttcacccctctcccctcatgggtggattcggacttaaacaccctcctccacagattctcatcaagaacaccccggtacctgcgaatccttcgaccaccttcagtgcggcaaagtttgcttccttcatcacacagtactccacgggacaggtcagcgtggagatcgagtgggagctgcagaaggaaaacagcaaacgctggaatcccgaaattcagtacacttccaactacaacaagtctgttaatgtggactttactgtggacactaatggcgtgtattcagagcctcgccccattggcaccagatacctgactcgtaatctgtaA
【0157】
配列番号11-Capアミノ酸配列(AAV血清型2)
MAADGYLPDWLEDTLSEGIRQWWKLKPGPPPPKPAERHKDDSRGLVLPGYKYLGPFNGLDKGEPVNEADAAALEHDKAYDRQLDSGDNPYLKYNHADAEFQERLKEDTSFGGNLGRAVFQAKKRVLEPLGLVEEPVKTAPGKKRPVEHSPVEPDSSSGTGKAGQQPARKRLNFGQTGDADSVPDPQPLGQPPAAPSGLGTNTMATGSGAPMADNNEGADGVGNSSGNWHCDSTWMGDRVITTSTRTWALPTYNNHLYKQISSQSGASNDNHYFGYSTPWGYFDFNRFHCHFSPRDWQRLINNNWGFRPKRLNFKLFNIQVKEVTQNDGTTTIANNLTSTVQVFTDSEYQLPYVLGSAHQGCLPPFPADVFMVPQYGYLTLNNGSQAVGRSSFYCLEYFPSQMLRTGNNFTFSYTFEDVPFHSSYAHSQSLDRLMNPLIDQYLYYLSRTNTPSGTTTQSRLQFSQAGASDIRDQSRNWLPGPCYRQQRVSKTSADNNNSEYSWTGATKYHLNGRDSLVNPGPAMASHKDDEEKFFPQSGVLIFGKQGSEKTNVDIEKVMITDEEEIRTTNPVATEQYGSVSTNLQRGNRQAATADVNTQGVLPGMVWQDRDVYLQGPIWAKIPHTDGHFHPSPLMGGFGLKHPPPQILIKNTPVPANPSTTFSAAKFASFITQYSTGQVSVEIEWELQKENSKRWNPEIQYTSNYNKSVNVDFTVDTNGVYSEPRPIGTRYLTRNL*
【0158】
配列番号12:TetR結合部位
tccctatcagtgatagaga
【0159】
配列番号13:TetRタンパク質のヌクレオチド配列
Atgtcgcgcctggacaaaagcaaagtgattaactcagcgctggaactgttgaatgaggtgggaattgaaggactcactactcgcaagctggcacagaagctgggcgtcgagcagccaacgctgtactggcatgtgaagaataaacgggcgctcctagacgcgcttgccatcgaaatgctggaccgccatcacacccacttttgccccctggagggcgaatcctggcaagattttctgcggaacaatgcaaagtcgttccggtgcgctctgctgtcccaccgcgatggcgcaaaagtgcacctgggcactcggcccaccgagaaacaatacgaaaccctggaaaaccaactggctttcctttgccaacagggattttcactggagaatgccctgtacgcactatccgcggtcggccactttaccctgggatgcgtcctcgaagatcaggagcaccaagtcgccaaggaggaaagagaaactcctaccactgactcaatgcctccgctcctgagacaagccatcgagctgttcgaccaccagggtgctgaacctgcatttctgttcgggcttgaactgattatctgcggcctggagaaacagttgaagtgcgagtcgggatcctag
【0160】
配列番号14:TetRタンパク質のアミノ酸配列
MSRLDKSKVINSALELLNEVGIEGLTTRKLAQKLGVEQPTLYWHVKNKRALLDALAIEMLDRHHTHFCPLEGESWQDFLRNNAKSFRCALLSHRDGAKVHLGTRPTEKQYETLENQLAFLCQQGFSLENALYALSAVGHFTLGCVLEDQEHQVAKEERETPTTDSMPPLLRQAIELFDHQGAEPAFLFGLELIICGLEKQLKCESGS
【0161】
配列番号15:EMCV IRES
CGTTACTGGCCGAAGCCGCTTGGAATAAGGCCGGTGTGCGTTTGTCTATATGTTATTTTCCACCATATTGCCGTCTTTTGGCAATGTGAGGGCCCGGAAACCTGGCCCTGTCTTCTTGACGAGCATTCCTAGGGGTCTTTCCCCTCTCGCCAAAGGAATGCAAGGTCTGTTGAATGTCGTGAAGGAAGCAGTTCCTCTGGAAGCTTCTTGAAGACAAACAACGTCTGTAGCGACCCTTTGCAGGCAGCGGAACCCCCCACCTGGCGACAGGTGCCTCTGCGGCCAAAAGCCACGTGTATAAGATACACCTGCAAAGGCGGCACAACCCCAGTGCCACGTTGTGAGTTGGATAGTTGTGGAAAGAGTCAAATGGCTCCCCTCAAGCGTATTCAACAAGGGGCTGAAGGATGCCCAGAAGGTACCCCATTGTATGGGATCTGATCTGGGGCCTCGGTGCACATGCTTTACATGTGTTTAGTCGAGGTTAAAAAACGTCTAGGCCCCCCGAACCACGGGGAC
【0162】
配列番号16:FMDV IRES
AGCAGGTTTCCCCAACTGACACAAAACGTGCAACTTGAAACTCCGCCTGGTCTTTCCAGGTCTAGAGGGGTAACACTTTGTACTGCGTTTGGCTCCACGCTCGATCCACTGGCGAGTGTTAGTAACAGCACTGTTGCTTCGTAGCGGAGCATGACGGCCGTGGGAACTCCTCCTTGGTAACAAGGACCCACGGGGCCAAAAGCCACGCCCACACGGGCCCGTCATGTGTGCAACCCCAGCACGGCGACTTTACTGCGAAACCCACTTTAAAGTGACATTGAAACTGGTACCCACACACTGGTGACAGGCTAAGGATGCCCTTCAGGTACCCCGAGGTAACACGCGACACTCGGGATCTGAGAAGGGGACTGGGGCTTCTATAAAAGCGCTCGGTTTAAAAAGCTTCTATGCCTGAATAGGTGACCGGAGGTCGGCACCTTTCCTTTGCAATTACTGACCAC
【0163】
配列番号17:Ad5 E2A
GGTACCCAACTCCATGCTCAACAGTCCCCAGGTACAGCCCACCCTGCGTCGCAACCAGGAACAGCTCTACAGCTTCCTGGAGCGCCACTCGCCCTACTTCCGCAGCCACAGTGCGCAGATTAGGAGCGCCACTTCTTTTTGTCACTTGAAAAACATGTAAAAATAATGTACTAGAGACACTTTCAATAAAGGCAAATGCTTTTATTTGTACACTCTCGGGTGATTATTTACCCCCACCCTTGCCGTCTGCGCCGTTTAAAAATCAAAGGGGTTCTGCCGCGCATCGCTATGCGCCACTGGCAGGGACACGTTGCGATACTGGTGTTTAGTGCTCCACTTAAACTCAGGCACAACCATCCGCGGCAGCTCGGTGAAGTTTTCACTCCACAGGCTGCGCACCATCACCAACGCGTTTAGCAGGTCGGGCGCCGATATCTTGAAGTCGCAGTTGGGGCCTCCGCCCTGCGCGCGCGAGTTGCGATACACAGGGTTGCAGCACTGGAACACTATCAGCGCCGGGTGGTGCACGCTGGCCAGCACGCTCTTGTCGGAGATCAGATCCGCGTCCAGGTCCTCCGCGTTGCTCAGGGCGAACGGAGTCAACTTTGGTAGCTGCCTTCCCAAAAAGGGCGCGTGCCCAGGCTTTGAGTTGCACTCGCACCGTAGTGGCATCAAAAGGTGACCGTGCCCGGTCTGGGCGTTAGGATACAGCGCCTGCATAAAAGCCTTGATCTGCTTAAAAGCCACCTGAGCCTTTGCGCCTTCAGAGAAGAACATGCCGCAAGACTTGCCGGAAAACTGATTGGCCGGACAGGCCGCGTCGTGCACGCAGCACCTTGCGTCGGTGTTGGAGATCTGCACCACATTTCGGCCCCACCGGTTCTTCACGATCTTGGCCTTGCTAGACTGCTCCTTCAGCGCGCGCTGCCCGTTTTCGCTCGTCACATCCATTTCAATCACGTGCTCCTTATTTATCATAATGCTTCCGTGTAGACACTTAAGCTCGCCTTCGATCTCAGCGCAGCGGTGCAGCCACAACGCGCAGCCCGTGGGCTCGTGATGCTTGTAGGTCACCTCTGCAAACGACTGCAGGTACGCCTGCAGGAATCGCCCCATCATCGTCACAAAGGTCTTGTTGCTGGTGAAGGTCAGCTGCAACCCGCGGTGCTCCTCGTTCAGCCAGGTCTTGCATACGGCCGCCAGAGCTTCCACTTGGTCAGGCAGTAGTTTGAAGTTCGCCTTTAGATCGTTATCCACGTGGTACTTGTCCATCAGCGCGCGCGCAGCCTCCATGCCCTTCTCCCACGCAGACACGATCGGCACACTCAGCGGGTTCATCACCGTAATTTCACTTTCCGCTTCGCTGGGCTCTTCCTCTTCCTCTTGCGTCCGCATACCACGCGCCACTGGGTCGTCTTCATTCAGCCGCCGCACTGTGCGCTTACCTCCTTTGCCATGCTTGATTAGCACCGGTGGGTTGCTGAAACCCACCATTTGTAGCGCCACATCTTCTCTTTCTTCCTCGCTGTCCACGATTACCTCTGGTGATGGCGGGCGCTCGGGCTTGGGAGAAGGGCGCTTCTTTTTCTTCTTGGGCGCAATGGCCAAATCCGCCGCCGAGGTCGATGGCCGCGGGCTGGGTGTGCGCGGCACCAGCGCGTCTTGTGATGAGTCTTCCTCGTCCTCGGACTCGATACGCCGCCTCATCCGCTTTTTTGGGGGCGCCCGGGGAGGCGGCGGCGACGGGGACGGGGACGACACGTCCTCCATGGTTGGGGGACGTCGCGCCGCACCGCGTCCGCGCTCGGGGGTGGTTTCGCGCTGCTCCTCTTCCCGACTGGCCATTTCCTTCTCCTATAGGCAGAAAAAGATCATGGAGTCAGTCGAGAAGAAGGACAGCCTAACCGCCCCCTCTGAGTTCGCCACCACCGCCTCCACCGATGCCGCCAACGCGCCTACCACCTTCCCCGTCGAGGCACCCCCGCTTGAGGAGGAGGAAGTGATTATCGAGCAGGACCCAGGTTTTGTAAGCGAAGACGACGAGGACCGCTCAGTACCAACAGAGGATAAAAAGCAAGACCAGGACAACGCAGAGGCAAACGAGGAACAAGTCGGGCGGGGGGACGAAAGGCATGGCGACTACCTAGATGTGGGAGACGACGTGCTGTTGAAGCATCTGCAGCGCCAGTGCGCCATTATCTGCGACGCGTTGCAAGAGCGCAGCGATGTGCCCCTCGCCATAGCGGATGTCAGCCTTGCCTACGAACGCCACCTATTCTCACCGCGCGTACCCCCCAAACGCCAAGAAAACGGCACATGCGAGCCCAACCCGCGCCTCAACTTCTACCCCGTATTTGCCGTGCCAGAGGTGCTTGCCACCTATCACATCTTTTTCCAAAACTGCAAGATACCCCTATCCTGCCGTGCCAACCGCAGCCGAGCGGACAAGCAGCTGGCCTTGCGGCAGGGCGCTGTCATACCTGATATCGCCTCGCTCAACGAAGTGCCAAAAATCTTTGAGGGTCTTGGACGCGACGAGAAGCGCGCGGCAAACGCTCTGCAACAGGAAAACAGCGAAAATGAAAGTCACTCTGGAGTGTTGGTGGAACTCGAGGGTGACAACGCGCGCCTAGCCGTACTAAAACGCAGCATCGAGGTCACCCACTTTGCCTACCCGGCACTTAACCTACCCCCCAAGGTCATGAGCACAGTCATGAGTGAGCTGATCGTGCGCCGTGCGCAGCCCCTGGAGAGGGATGCAAATTTGCAAGAACAAACAGAGGAGGGCCTACCCGCAGTTGGCGACGAGCAGCTAGCGCGCTGGCTTCAAACGCGCGAGCCTGCCGACTTGGAGGAGCGACGCAAACTAATGATGGCCGCAGTGCTCGTTACCGTGGAGCTTGAGTGCATGCAGCGGTTCTTTGCTGACCCGGAGATGCAGCGCAAGCTAGAGGAAACATTGCACTACACCTTTCGACAGGGCTACGTACGCCAGGCCTGCAAGATCTCCAACGTGGAGCTCTGCAACCTGGTCTCCTACCTTGGAATTTTGCACGAAAACCGCCTTGGGCAAAACGTGCTTCATTCCACGCTCAAGGGCGAGGCGCGCCGCGACTACGTCCGCGACTGCGTTTACTTATTTCTATGCTACACCTGGCAGACGGCCATGGGCGTTTGGCAGCAGTGCTTGGAGGAGTGCAACCTCAAGGAGCTGCAGAAACTGCTAAAGCAAAACTTGAAGGACCTATGGACGGCCTTCAACGAGCGCTCCGTGGCCGCGCACCTGGCGGACATCATTTTCCCCGAACGCCTGCTTAAAACCCTGCAACAGGGTCTGCCAGACTTCACCAGTCAAAGCATGTTGCAGAACTTTAGGAACTTTATCCTAGAGCGCTCAGGAATCTTGCCCGCCACCTGCTGTGCACTTCCTAGCGACTTTGTGCCCATTAAGTACCGCGAATGCCCTCCGCCGCTTTGGGGCCACTGCTACCTTCTGCAGCTAGCCAACTACCTTGCCTACCACTCTGACATAATGGAAGACGTGAGCGGTGACGGTCTACTGGAGTGTCACTGTCGCTGCAACCTATGCACCCCGCACCGCTCCCTGGTTTGCAATTCGCAGCTGCTTAACGAAAGTCAAATTATCGGTACCTTTGAGCTGCAGGGTCCCTCGCCTGACGAAAAGTCCGCGGCTCCGGGGTTGAAACTCACTCCGGGGCTGTGGACGTCGGCTTACCTTCGCAAATTTGTACCTGAGGACTACCACGCCCACGAGATTAGGTTCTACGAAGACCAATCCCGCCCGCCTAATGCGGAGCTTACCGCCTGCGTCATTACCCAGGGCCACATTCTTGGCCAATTGCAAGCCATCAACAAAGCCCGCCAAGAGTTTCTGCTACGAAAGGGACGGGGGGTTTACTTGGACCCCCAGTCCGGCGAGGAGCTCAACCCAATCCCCCCGCCGCCGCAGCCCTATCAGCAGCAGCCGCGGGCCCTTGCTTCCCAGGATGGCACCCAAAAAGAAGCTGCAGCTGCCGCCGCCACCCACGGACGAGGAGGAATACTGGGACAGTCAGGCAGAGGAGGTTTTGGACGAGGAGGAGGAGGACATGATGGAAGACTGGGAGAGCCTAGACGAGGAAGCTTCCGAGGTCGAAGAGGTGTCAGACGAAACACCGTCACCCTCGGTCGCATTCCCCTCGCCGGCGCCCCAGAAATCGGCAACCGGTTCCAGCATGGCTACAACCTCCGCTCCTCAGGCGCCGCCGGCACTGCCCGTTCGCCGACCCAACCGTAGATGGGACACCACTGGAACCAGGGCCGGTAAGTCCAAGCAGCCGCCGCCGTTAGCCCAAGAGCAACAACAGCGCCAAGGCTACCGCTCATGGCGCGGGCACAAGAACGCCATAGTTGCTTGCTTGCAAGACTGTGGGGGCAACATCTCCTTCGCCCGCCGCTTTCTTCTCTACCATCACGGCGTGGCCTTCCCCCGTAACATCCTGCATTACTACCGTCATCTCTACAGCCCATACTGCACCGGCGGCAGCGGCAGCAACAGCAGCGGCCACACAGAAGCAAAGGCGACCGGATAGCAAGACTCTGACAAAGCCCAAGAAATCCACAGCGGCGGCAGCAGCAGGAGGAGGAGCGCTGCGTCTGGCGCCCAACGAACCCGTATCGACCCGCGAGCTTAGAAACAGGATTTTTCCCACTCTGTATGCTATATTTCAACAGAGCAGGGGCCAAGAACAAGAGCTGAAAATAAAAAACAGGTCTCTGCGATCCCTCACCCGCAGCTGCCTGTATCACAAAAGCGAAGATCAGCTTCGGCGCACGCTGGAAGACGCGGAGGCTCTCTTCAGTAAATACTGCGCGCTGACTCTTAAGGACTAGTTTCGCGCCCTTTCTCAAATTTAAGCGCGAAAACTACGTCATCTCCAGCGGCCACACCCGGCGCCAGCACCTGTTGTCAGCGCCATTATGAGCAAGGAAATTCCCACGCCCTACATGTGGAGTTACCAGCCACAAATGGGACTTGCGGCTGGAGCTGCCCAAGACTACTCAACCCGAATAAACTACATGAGCGCGGGACCCCACATGATATCCCGGGTCAACGGAATACGCGCCCACCGAAACCGAATTCCCTTGGAACAGGCGGCTATTACCACCACACCTCGTAATAACCTTAATCCCCGTAGTTGGCCCGCTGCCCTGGTGTACCAGGAAAGTCCCGCTCCCACCACTGTGGTACTTCCCAGAGACGCCCAGGCCGAAGTTCAGATGACTAACTCAGGGGCGCAGCTTGCGGGCGGCTTTCGTCACAGGGTGCGGTCGCCCGGGC
【0164】
配列番号18:CMVプロモーターWT
AGTAATCAATTACGGGGTCATTAGTTCATAGCCCATATATGGAGTTCCGCGTTACATAACTTACGGTAAATGGCCCGCCTGGCTGACCGCCCAACGACCCCCGCCCATTGACGTCAATAATGACGTATGTTCCCATAGTAACGCCAATAGGGACTTTCCATTGACGTCAATGGGTGGAGTATTTACGGTAAACTGCCCACTTGGCAGTACATCAAGTGTATCATATGCCAAGTACGCCCCCTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGCTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTGGTTTAGTGAACCGTC
【0165】
配列番号19:CMV誘導可能プロモーター(p565-2xTetO)
CGTGAGGCTCCGGTGCCCGTCAGTGGGCAGAGCGCACATCGCCCACAGTCCCCGAGAAGTTGGGGGGAGGGGTCGGCAATTGAACCGGTGCCTAGAGAAGGTGGCGCGGGGTAAACTGGGAAAGTGATGTCGTGTACTGGCTCCGCCTTTTTCCCGAGGGTGGGGGAGAACCGTATATAAGTGCACTAGTCGCCGTGAACGTCAATGGAAAGTCCCTATTGGCGTTACTATGGGAACATACGTCATTATTGACGTCAATGACGGTAAATGGCCCGCCTGGCATTATGCCCAGTACATGACCTTATGGGACTTTCCTACTTGGCAGTACATCTACGTATTAGTCATCGCTATTACCATGCTGATGCGGTTTTGGCAGTACATCAATGGGCGTGGATAGCGGTTTGACTCACGGGGATTTCCAAGTCTCCACCCCATTGACGTCAATGGGAGTTTGTTTTGGCACCAAAATCAACGGGACTTTCCAAAATGTCGTAACAACTCCGCCCCATTGACGCAAATGGGCGGTAGGCGTGTACGGTGGGAGGTCTATATAAGCAGAGCTGtccctatcagtgatagagatgtccctatcagtgatagagatcgtcgagcagctcGTTTAGTGAACCGTCAGATC
【0166】
配列番号20:5’-UTR配列:Cap配列
CagttgcgcagccatcgacgtcagacgcggaagcttcgatcaactacgcagacaggtaccaaaacaaatgttctcgtcacgtgggcatgaatctgatgctgtttccctgcagacaatgcgagagaatgaatcagaattcaaatatctgcttcactcacggacagaaagactgtttagagtgctttcccgtgtcagaatctcaacccgtttctgtcgtcaaaaaggcgtatcagaaactgtgctacattcatcatatcatgggaaaggtgccagacgcttgcactgcctgcgatctggtcaatgtggatttggatgactgcatctttgaacaataaatgatttaaatcaggtatggctgccgatggttatcttccagattggctcgaggacactctctctgaaggaataagacagtggtggaagctcaaacctggcccaccaccaccaaagcccgcagagcggcataaggacgacagcaggggtcttgtgcttcctgggtacaagtacctcggacccttcaacggactcgacaagggagagccggtcaacgaggcagacgccgcggccctcgagcacgacaaagcctacgaccggcagctcgacagcggagacaacccgtacctcaagtacaaccacgccgacgcggagtttcaggagcgccttaaagaagatacgtcttttgggggcaacctcggacgagcagtcttccaggcgaaaaagagggttcttgaacctctgggcctggttgaggaacctgttaagacggctccgggaaaaaagaggccggtagagcactctcctgtggagccagactcctcctcgggaaccggaaaggcgggccagcagcctgcaagaaaaagattgaattttggtcagactggagacgcagactcagtacctgacccccagcctctcggacagccaccagcagccccctctggtctgggaactaatacgatggctacaggcagtggcgcaccaatggcagacaataacgagggcgccgacggagtgggtaattcctcgggaaattggcattgcgattccacatggatgggcgacagagtcatcaccaccagcacccgaacctgggccctgcccacctacaacaaccacctctacaaacaaatttccagccaatcaggagcctcgaacgacaatcactactttggctacagcaccccttgggggtattttgacttcaacagattccactgccacttttcaccacgtgactggcaaagactcatcaacaacaactggggattccgacccaagagactcaacttcaagctctttaacattcaagtcaaagaggtcacgcagaatgacggtacgacgacgattgccaataaccttaccagcacggttcaggtgtttactgactcggagtaccagctcccgtacgtcctcggctcggcgcatcaaggatgcctcccgccgttcccagcagacgtcttcatggtgccacagtatggatacctcaccctgaacaacgggagtcaggcagtaggacgctcttcattttactgcctggagtactttccttctcagatgctgcgtaccggaaacaactttaccttcagctacacttttgaggacgttcctttccacagcagctacgctcacagccagagtctggaccgtctcatgaatcctctcatcgaccagtacctgtattacttgagcagaacaaacactccaagtggaaccaccacgcagtcaaggcttcagttttctcaggccggagcgagtgacattcgggaccagtctaggaactggcttcctggaccctgttaccgccagcagcgagtatcaaagacatctgcggataacaacaacagtgaatactcgtggactggagctaccaagtaccacctcaatggcagagactctctggtgaatccgggcccggccatggcaagccacaaggacgatgaagaaaagttttttcctcagagcggggttctcatctttgggaagcaaggctcagagaaaacaaatgtggacattgaaaaggtcatgattacagacgaagaggaaatcaggacaaccaatcccgtggctacggagcagtatggttctgtatctaccaacctccagagaggcaacagacaagcagctaccgcagatgtcaacacacaaggcgttcttccaggcatggtctggcaggacagagatgtgtaccttcaggggcccatctgggcaaagattccacacacggacggacattttcacccctctcccctcatgggtggattcggacttaaacaccctcctccacagattctcatcaagaacaccccggtacctgcgaatccttcgaccaccttcagtgcggcaaagtttgcttccttcatcacacagtactccacgggacaggtcagcgtggagatcgagtgggagctgcagaaggaaaacagcaaacgctggaatcccgaaattcagtacacttccaactacaacaagtctgttaatgtggactttactgtggacactaatggcgtgtattcagagcctcgccccattggcaccagatacctgactcgtaatctgtaA
【0167】
配列番号21:3’-UTR:ポリアデニル化配列(SV40)
CAGACATGATAAGATACATTGATGAGTTTGGACAAACCACAACTAGAATGCAGTGAAAAAAATGCTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAACAACAATTGCATTCATTTTATGTTTCAGGTTCAGGGGGAGGTGTGGGAGGTTTTTT
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
0007140830000001.app