(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】III-窒化物マルチ波長発光ダイオード
(51)【国際特許分類】
H01L 33/08 20100101AFI20220913BHJP
H01L 33/06 20100101ALI20220913BHJP
H01L 33/24 20100101ALI20220913BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220913BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20220913BHJP
H04B 10/116 20130101ALI20220913BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/06
H01L33/24
H01L33/00 J
G09F9/33
H04B10/116
(21)【出願番号】P 2020534489
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 US2018067255
(87)【国際公開番号】W WO2019126728
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-08-05
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック,ハーシュマン
(72)【発明者】
【氏名】デブ,パリジャット,プラミル
(72)【発明者】
【氏名】アーミテージ,ロバート
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107068811(CN,A)
【文献】特開2002-324915(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0129009(KR,A)
【文献】特表2017-513225(JP,A)
【文献】特開2005-236667(JP,A)
【文献】特表2009-522755(JP,A)
【文献】国際公開第2007/126093(WO,A1)
【文献】特開平01-255327(JP,A)
【文献】特開平08-088407(JP,A)
【文献】特開2006-295132(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104022199(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0016752(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102185651(CN,A)
【文献】特開2017-028287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/12-31/14
H01L 31/16
H01L 33/00-33/64
H01S 5/00- 5/50
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)アレイであって、
第1の組のコンタクトを有する第1の画素、第2の組のコンタクトを有する第2の画素、および第3の組のコンタクトを有する第3の画素と、
前記第1の画素と前記第2の画素を分離し、基板まで延在する第1のトレンチと、
前記第2の画素と前記第3の画素とを分離する第2のトレンチであって、前記第2のトレンチは前記基板まで延在する、第2のトレンチと、
前記第1の画素、前記第2の画素、および前記第3の画素の少なくとも一部に形成された誘電体層と、
を有し、
前記第1の画素は、高さを有し、前記第2の画素は、高さを有し、前記第3の画素は、高さを有し、前記第3の画素の高さは、前記第1の画素の高さおよび前記第2の画素の高さよりも大きく、前記第2の画素の高さは、前記第1の画素の高さよりも大きく、
前記誘電体層の少なくとも一部は、前記第1の組のコンタクトの第
1コンタクトから、前記第2の組のコンタクトの第
4コンタクトまで延在し、
前記第1の画素は、
前記基板上の第1のLEDと、
前記第1のLED上の第1のトンネル接合と、
前記トンネル接合上の第1の半導体層と、
を有し、
前記第1の組のコンタクトの
前記第1コンタクトは、前記第1の半導体層に接続され、前記第1の組のコンタクトの
第2コンタクトは、前記第1のLED内の前記第1の半導体層と同じ導電型の半導体層に接続され、
前記第2の画素は、
前記基板上の第1のLEDと、
前記第1のLED上の第1のトンネル接合と、
前記第1のトンネル接合上の第2のLEDと、
前記第2のLEDの第2のトンネル接合と、
前記第2のトンネル接合上の第2の半導体層と、
を有し、
前記第2の組のコンタクトの第3コンタクトは、前記第2の半導体層に接続され、
前記第2の組のコンタクトの前記第4コンタクトは、前記第2のLED内の前記第2の半導体層と同じ導電型の半導体層に接続され、
前記第1の組のコンタクトの前記第1コンタクトは、前記第1のトレンチを介して前記第2の組のコンタクトの前記第4コンタクトと対面し、該第4コンタクトと同じ高さにあり、
前記第3の画素は、
前記基板上の第1のLEDと、
前記第1のLED上の第1のトンネル接合と、
前記第1のトンネル接合上の第2のLEDと、
前記第2のLEDの第2のトンネル接合と、
前記第2のトンネル接合上の第3のLEDと、
を有
し、
前記第3の組のコンタクトの第5コンタクトは、前記第2の半導体層と同じ導電型の半導体層に接続され、
前記第2の組のコンタクトの前記第3コンタクトは、前記第2のトレンチを介して前記第3の組のコンタクトの前記第5コンタクトと対面し、該第5コンタクトと同じ高さにある、LEDアレイ。
【請求項2】
前記第1の組のコンタクトは、前記第2の画素および前記第3の画素とは独立に、第1の電圧を受信するように構成される、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項3】
前記第2の組のコンタクトは、前記第1の画素および前記第3の画素とは独立に、第2の電圧を受信するように構成される、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項4】
前記第3の組のコンタクトは、前記第1の画素および前記第2の画素とは独立に、第3の電圧を受信するように構成される、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項5】
前記第1の画素は、第1の波長の光を放射するように構成され、前記第2の画素は、第2の波長の光を放射するように構成され、前記第3の画素は、第3の波長の光を放射するように構成される、請求項1に記載のLEDアレイ。
【請求項6】
システムであって、
基板まで延在する1または2以上のトレンチにより分離された、第1の画素、第2の画素、および第3の画素を有する、発光ダイオード(LED)アレイであって、
前記第1の画素は、高さを有し、前記第2の画素は、高さを有し、前記第3の画素は、高さを有し、前記第3の画素の高さは、前記第1の画素の高さおよび前記第2の画素の高さよりも大きく、前記第2の画素の高さは、前記第1の画素の高さよりも大きい、
LEDアレイと、
前記第1の画素上の第1の組のコンタクトに結合された第1の組の電極、前記第2の画素上の第2の組のコンタクトに結合された第2の組の電極、および前記第3の画素上の第3の組のコンタクトに結合された第3の組の電極を有する、LED装置取り付け領域と、
前記第1の組の電極、前記第2の組の電極、および前記第3の組の電極の1または2以上に、独立の電圧を提供するように構成された駆動回路と、
を有し、
前記第1の画素は、
前記基板上の第1のLEDと、
前記第1のLED上の第1のトンネル接合と、
前記トンネル接合上の第1の半導体層と、
を有し、
前記第1の組のコンタクトの
第1コンタクトは、前記第1の半導体層に接続され、前記第1の組のコンタクトの
第2コンタクトは、前記第1のLED内の前記第1の半導体層と同じ導電型の半導体層に接続され、
前記第2の画素は、
前記基板上の第1のLEDと、
前記第1のLED上の第1のトンネル接合と、
前記第1のトンネル接合上の第2のLEDと、
前記第2のLED上の第2のトンネル接合と、
前記第2のトンネル接合上の第2の半導体層と、
を有し、
前記第2の組のコンタクトの第3コンタクトは、前記第2の半導体層に接続され、
前記第2の組のコンタクトの第4コンタクトは、前記第2のLED内の前記第2の半導体層と同じ導電型の半導体層に接続され、
前記第1の組のコンタクトの前記第1コンタクトは、前記第1のトレンチを介して前記第2の組のコンタクトの前記第4コンタクトと対面し、該第4コンタクトと同じ高さにあり、
前記第3の画素は、
前記基板上の第1のLEDと、
前記第1のLED上の第1のトンネル接合と、
前記第1のトンネル接合上の第2のLEDと、
前記第2のLEDの第2のトンネル接合と、
前記第2のトンネル接合上の第3のLEDと、
を有
し、
前記第3の組のコンタクトの第5コンタクトは、前記第2の半導体層と同じ導電型の半導体層に接続され、
前記第2の組のコンタクトの前記第3コンタクトは、前記第2のトレンチを介して前記第3の組のコンタクトの前記第5コンタクトと対面し、該第5コンタクトと同じ高さにある、システム。
【請求項7】
前記第1の画素は、第1の波長を有する光を放射するように構成され、
前記第2の画素は、第2の波長を有する光を放射するように構成され、
前記第3の画素は、第3の波長を有する光を放射するように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
さらに、受信された光をデータ信号に変換するように構成された、VLC受信器を有し、
該VLC受信器は、増幅回路、光フィルタおよび集光器、光ダイオード、ならびにクロックおよびデータ再生(CDR)ユニットを有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記光ダイオードは、前記第1の画素、前記第2の画素、および前記第3の画素の1または2以上を有する、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年12月22に出願された米国仮特許出願第62/609,447号、2017年12月22日に出願された米国仮特許出願第62/609,359号、2018年3月22日に出願された欧州特許出願第18163287.8号、2018年3月26日に出願された欧州特許出願第18163994.9号、2018年12月20日に出願された米国特許出願第16/228,211号、および2018年12月20日に出願された米国特許出願第16/228,311号の優先権を主張するものであり、これらの内容は、本願の参照として取り入れられる。
【背景技術】
【0002】
マイクロ-LED(μLED)は、小型サイズのLED(通常、直径~50μmまたはそれ以下)であり、これらを使用して、赤色、青色、および緑色の波長のμLEDが近接して配置された際、超高解像のカラーディスプレイが形成される。μLEDディスプレイの製造は、通常、別個の青色、緑色、および色赤のWLウェハから、単体化されたμLEDをピックアップし、ディスプレイ上に、これらを交互に近接配列するステップを含む。各μLEDの小型サイズのため、このピックアップ、配列、および組立体の取り付けの一連のステップは、遅くて失敗しやすい傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さらに、通常、解像度の改善のためには、μLEDのサイズを低減することが要求されるため、高解像度μLEDディスプレイを装着させるためには、複雑で難しいピックアンドプレイス動作が必要となり、幅広い使用の場合、極めて高コストとなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発光ダイオード(LED)アレイは、基板上に第1の画素および第2の画素を有する。第1の画素および第2の画素は、1または2以上のLED上に、1または2以上のトンネル接合を有し得る。LEDアレイは、第1の画素と第2の画素の間に、第1のトレンチを有してもよい。トレンチは、基板まで延在してもよい。
【0005】
添付図面とともに一例として示される以下の記載から、より詳しい理解が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】多重量子井戸発光ダイオード(LED)を示した図である
【
図1B】第1のLED、第2のLED、第3のLED、第1のトンネル接合、および第2のトンネル接合をエッチングして、1または2以上のチャネルを形成することを示した図である。
【
図1C】第1のLED、第1のトンネル接合、第2のLED、第2のトンネル接合、および第3のLEDの異なる部分を除去することを示した図である。
【
図1D】さらに画素を定めるための、第3のエッチングステップを示した図である。
【
図1E】全体被覆共形誘電体層を形成するステップを示した図である。
【
図1F】共形誘電体層に開口を形成するステップを示した図である。
【
図1G】開口にコンタクトを形成するステップを示した図である。
【
図1H】開口に別のコンタクトを形成して、LEDアレイを形成するステップを示した図である。
【
図1I】LED装置取り付け領域に、LEDアレイを取り付けるステップを示した図である。
【
図1K】可視光通信(VLC)システムの一部を形成するLEDアレイを示した図である。
【
図1M】使用される方法を示したフローチャートである。
【
図1N】装置を形成する方法を示したフローチャートである。
【
図2A】発光ダイオード(LED)装置を示した概略図である。
【
図2C】二次光学機器を有するLEDシステムを示した概略図である。
【
図3】一実施形態による集積LED照明システム用の電子基盤の上面図である。
【
図4A】一実施形態による、LED装置取り付け領域において、基板に取り付けられたLEDアレイを有する電子基盤の上面図である。
【
図4B】回路基盤の2つの表面に取り付けられた電子部材を有する、2チャネル集積LED照明システムの一実施形態による図である。
【
図5】一例としてのアプリケーションシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、異なる光照明システムおよび/または発光ダイオードの例について、より詳しく説明する。これらの例は、相互に排他的ではなく、ある例に認められる特徴は、1または2以上の他の例に認められる特徴と組み合わされ、追加の実施例が得られてもよい。従って、添付図面に示された例は、単なる一例を示すために提供され、これらが決して本開示を限定することを意図するものではないことが理解される。全体を通して、同様の参照符号は、同様の素子を表す。
【0008】
本願において、第1、第2、第3等の用語は、各種素子を表すために使用されるものの、これらの素子は、これらの用語に限定される必要はないことが理解される。これらの用語は、一つの素子を別のものから区別するために使用され得る。例えば、本発明の範囲から逸脱しない限り、第1の素子は、第2の素子を表し、第2の素子は、第1の素子を表してもよい。本願に使用される「および/または」という用語は、1または2以上の関連する記載事項の任意の組み合わせを含み得る。
【0009】
層、領域、または物質のような素子が、別の素子の「上」にあり、または「上に」延在する場合、これは、他の素子上に直接配置され、または他の素子に直接延在し、あるいは介在素子が存在してもよいことが理解される。一方、素子が別の素子の「直上」にあり、または「直上に」延在すると称される場合、介在素子は存在しない。また、素子が別の素子に「接続」または「結合」されると称される場合、これは、他の素子に直接接続もしくは結合されても、および/または1または2以上の介在素子を介して、他の素子に接続もしくは結合されてもよいことが理解される。一方、素子が別の素子に「直接接続」もしくは「直接結合」されると称される場合、素子と他の素子の間に、介在素子は存在しない。これらの用語は、図面に示された任意の配向に加えて、素子の異なる配向をも網羅することが意図されることが理解される。
【0010】
「下部」、「上部」、「上」、「下」、「水平」または「垂直」のような相対的な用語は、一つの素子、層、または領域の、別の素子、層または領域に対する関係を説明するために使用され得る。これらの用語が、図面に示された配向に加えて、装置の異なる配向をも網羅し得ることが理解される。
【0011】
半導体発光装置、または紫外線(UV)もしくは赤外線(IR)光パワーを放射する装置のような、光パワー放射装置は、現在利用可能な最も効率的な光源である。これらの装置は、発光ダイオード、共振空洞発光ダイオード、垂直空洞レーザダイオード、またはエッジ放射レーザ等を含む(以下、「LED」と称する)。これらの小型サイズおよび低電力要求のため、例えば、LEDは、多くの異なる用途において、魅力的な候補になり得る。例えば、これらは、カメラまたは携帯電話のような、携帯型電池駆動装置の光源(例えば、フラッシュライトおよびカメラのフラッシュ)として使用され得る。また、これらは、例えば、車両のライト、ヘッドアップディスプレイ(HUD)照明、園芸用照明、街路灯、ビデオのトーチ、一般照明(例えば家庭、店舗、オフィス、およびスタジオの照明、劇場/ステージ照明、および検知器用照明)、拡張現実(AR)照明、仮想現実(VR)照明、ディスプレイのバックライト、ならびにIR分光装置として使用されてもよい。単一のLEDが、白熱光源よりも輝度の小さな光を提供してもよく、従って、より輝度が必要な、または望まれる用途に、LEDのマルチ接合装置またはアレイ(モノリシックLEDアレイ、マイクロLEDアレイ等)が使用されてもよい。
【0012】
本開示は、全般に、マイクロ発光ダイオード(μLED)ディスプレイ、および自由空間可視光通信用の大きなバンド幅を有するマルチ波長光エミッタの製造に関する。エピタキシャルトンネル接合を用いて、単一のLED装置内で、多重放射波長が組み合わされてもよい。
【0013】
μLEDの製造は、異なる波長を放射する2または3以上の活性領域が、単一のウェハ内に集積された場合、簡略化できる。そのようなアプローチは、AlInGaN材料系において可能となり得る。このシステムにおいて、青色、緑色、および赤色のLED全てが形成できることが実証されているためである。しかしながら、μLEDディスプレイにおけるマルチカラーチップの使用には、単一のエピタキシャル成長ラン内に、異なる波長を放射できる複数の層を積層することが必要である上、異なる波長のエミッタの間で、それぞれの放射強度比を変化させる機能が必要となる。
【0014】
マルチカラーμLEDチップを製造するための一つの想定される方法は、単一の活性領域内で、すなわち一つのp-n接合のp-層とn-層の間で、赤色、緑色、および青色の光を放射できる、多重量子井戸(MQW)を形成することである。多重量子井戸の最適化された成長秩序(order)により、駆動電流に応じて変更できる、ある支配的な色を有するLEDが得られる。例えば、低電流では赤色が優先的に現れ、中間電流では緑色が優先的に現れ、高電流では青色が優先的に現れる。しかしながら、この種のカラー制御機構は、相互に独立して、LEDの表面放射輝度および優先波長を調整することが難しく、その結果、色純度が劣る。
【0015】
別の方策として、同じエピタキシャルウェハ内にいくつかのp-n接合のLEDを成長させることにより、同じ装置面積内に、2または3以上の異なる波長の画素を形成することができる。マルチレベルのメサエッチング処理を実行して、p-n接合の各々に、独立した電気コンタクトを形成することができる。異なる波長の1または2以上のエミッタ層が、別個の電流経路を有する別個のp-n接合に埋設され、波長および放射輝度を独立に制御することができる。残念ながら、現在のポストエピタキシャル装置の処理の限界から、そのような複数の波長のμLEDを製造することは難しい。通常、埋設層を接触させるためのオープンビアのため、ドライエッチングが必要となる。ドライエッチングプロセスでは、結晶に原子レベルの損傷が導入され、これにより、その伝導性タイプが、p-型からn-型に変化してしまう。この伝送性タイプの変換のため、ドライエッチングにより露出された埋設p-型窒化物表面に、低抵抗のオーミック接触が得られなくなってしまう。実際、エッチングされたp-GaN表面に非オーミックコンタクトが形成されると、活性領域の一部において、1ボルト以上、順方向電圧に不利益が生じ得る。そのような大きな順方向電圧は、マイクロディスプレイの電力消費要求の観点から、現実的ではない。
【0016】
本発明の他の実施例では、ウェハスケールのμLEDに好適な多重量子井戸LEDは、第1の波長の光を放射できる量子井戸の群を含む、第1のLEDを有し得る。また、量子井戸の群を含む第2のLEDが形成されてもよく、第2のLEDは、第1のLEDにより放射される波長とは異なる、第2の波長の光を放射できる。トンネル接合層が形成され、第1のLEDと第2のLEDが分離されてもよい。LEDの量子井戸は、第1および第2のLEDの各々に延伸する独立の電気コンタクトから電流を注入する光を放射してもよい。ある実施例では、3つ以上のLEDが定められ、RGBのμLEDが可能となる。
【0017】
別の実施例では、多重量子井戸LEDを製造する方法は、基板上に量子井戸の群を有する第1のLEDを形成するステップを有する。第1のLED上にはトンネル接合層が形成され、第2のLEDは、トンネル接合層上に形成されてもよい。側壁を有する少なくとも一つのチャネルは、第1のLEDを介してエッチングされ、多重量子井戸LEDに、少なくとも2つの光放射領域が定められてもよい。金属コンタクトが設置され、量子井戸の第1および第2の群のそれぞれに、独立した電気コンタクトが提供されてもよい。エッチングチャネルの側壁を介した水素拡散を促進させる熱処理後に、p-GaN層の少なくとも一部が活性化されてもよい。ある実施例では、側壁を有するチャネルは、基板まで貫通してエッチングされてもよい。他の実施例では、エッチングは、基板に配置されたn-GaN層のみに進行する。
【0018】
図1Aには、LEDの形成に使用され得る基板上に形成された、複数のLEDを示す。LEDは、多重量子井戸を有し、複数の定められたチャネルが、LEDを、異なる画素、および/または可視光通信(VLC)用の別個の波長エミッタサイトに分離する。μLED装置は、メサ構造、および独立した電気コンタクトを有してもよい。
【0019】
以下の記載では、光放射、カラー、赤色/緑色/青色、およびRGBと言う用語は、大部分が、特定の波長で構成され、中心化され、またはこれを支配的に有する、任意の光を含むことが理解される。ある実施例では、光放射は、近IRおよびUV光を含む、非可視光を含んでもよい。他の実施例では、多重量子井戸は、未だ異なるものの、接近するように整合された放射波長(例えば、それぞれ、430nmおよび460nmのピーク波長を有する、独立調整ジュアル青色エミッタ)を支持してもよい。
【0020】
次に、
図1Aを参照すると、多重量子井戸LEDは、基板106を有し、これは、パターン化または未パターン化サファイアから形成されてもよい。ある実施例では、基板106は、研磨され、ディスプレイの少なくとも一部の形成に使用されてもよい。基板106は、発光LEDを支持し、このLEDは、量子井戸の1または2以上の群を挟む、複数のpおよびn-層を有してもよい。量子井戸の少なくとも一部は、光放射が可能な活性領域を形成する。例えば、基板106は、n-GaN層とp-GaN層の間に配置された、量子井戸の第1の群を支持し、第1の波長(例えば青色)の光を放射できる、第1のLED101が形成されてもよい。n-GaN層とp-GaN層の間に、量子井戸の第2の群が配置され、第1の波長とは異なる第2の波長(例えば緑色)の光を放射する、第2のLED103が形成されてもよい。第1のトンネル接合102は、第1のLED101と第2のLED103を分離する。第2のトンネル接合層104が第2のLED103の上に形成され、n-GaN層とp-GaN層の間に第3の量子井戸の群が配置され、第1および第2の波長とは異なる、第3の波長(例えば赤色)の光を放射可能な、第3のLED105が形成されてもよい。以下に示すように、コンタクト組として、独立した電気コンタクトが形成され、好適な印刷回路基盤から、第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105のそれぞれから、光を放射するのに十分な電圧および電流が提供されてもよい。ある実施例では、第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105の各々は、独立に電圧バイアス化されてもよい。
【0021】
有意には、従来の単一波長μLEDで構成されたμLEDディスプレイと比べて、μLEDディスプレイのソースダイを形成する上で必要なエピタキシャル成長ランの数は、既存の方法で必要となる数またはランの1/3(または積層が2波長のみの場合、1/2)に低減することができ、コストが軽減され、エピ製造ステージでのスループットが改善される。また、ディスプレイの設置に必要となるピックアンドプレイス動作の数は、半分になり、または1/3に削減される。各ピックアンドプレイス動作において、2または3以上の画素が移動可能となるためである。
【0022】
より効率的な製造のため、全ての必要な波長のため、1つのエピウェハの上に効率的に成長させるウェハスケールの実施例では、ピックアンドプレイス動作は使用されなくてもよい。ディスプレイμLEDは、該μLEDディスプレイのパッケージの一部を形成する、連続的な研磨サファイア支持/基板の上に留まる。
【0023】
別の利点は、埋設層に対する全てのコンタクトがn-GaN表面に構成されるため、開示の構造および方法では、被エッチングp-GaN表面にオーミック電気コンタクトを作製することに関する問題が回避され、低作動電圧および壁プラグの高効率化が可能となることである。また、全ての必要な電気コンタクトを作製するためのエッチングステップの数が低減され、エッチング速度の制御に関する制約が緩和される。なぜなら、トンネル接合の発明における全ての被エッチングコンタクトは、高いLED効率を維持する場合であっても、厚いn-GaN層(逆に、通常は薄いp-GaN層)に形成されるためである。
【0024】
図1Aを参照すると、各種波長の光放射が可能な複数の量子井戸LEDが、基板106上に形成される。基板106は、エピタキシャルIII-窒化物薄膜成長を支持できてもよい。基板106は、例えば、サファイア、パターン化されたサファイア、または炭化ケイ素を有してもよい。基板106上に、第1のLED101が形成されてもよい。第1のLEDは、任意のIII-V族半導体を有してもよく、これには、ガリウム、アルミニウム、インジウム、およびIII-窒化物材料とも称される窒素の、二次元、三次元、および四次元の合金が含まれる。ある例では、第1のLED101は、GaNで構成されてもよい。第1のLED101は、金属-有機化学気相成膜法(MOCVD)、分子ビームエピタキシー(MBE)法、または他のエピタキシャル技術のような、従来の成膜技術を用いて形成されてもよい。エピタキシャル成膜技術において、1または2以上のソースガスにより供給される化学反応体が制御され、システムパラメータは、成膜原子が十分な表面エネルギーで成膜表面に到達し、表面の周囲を移動し、それらが成膜表面の原子の結晶配置で配向されるように設定されてもよい。従って、第1のLED101は、従来のエピタキシャル技術を用いて、基板106上で成長してもよい。
【0025】
第1のLED101は、励起の際に光子を放射する、いかなる利用可能な材料から形成されてもよい。特に、第1のLED101は、これに限られるものではないが、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSを含むIII-V族半導体、これに限られるものではないが、ZnS、ZnSe、CdSe、CdTeを含むII-VI族半導体、これに限られるものではないが、Ge、Si、SiCを含むIV族半導体、およびこれらの混合物または合金から形成されてもよい。
【0026】
第1のLED101は、第1の半導体層107、該第1の半導体層107上の活性領域108、および該活性領域108上の第2の半導体層109を含んでもよい。第1の半導体層107は、n型層と、半導体材料の1または2以上の層と、であってもよい。後者は、異なる組成およびドーパント濃度を有し、例えば、バッファ層もしくは核生成層のような調整層、および/または成長基板の除去が容易になるように設計された層を含む。これらの層は、n型であっても、意図的にドープされていなくてもよく、あるいはp型装置層であってもよい。層は、効率的に光を放射する発光領域に望ましい、特定の光学的、材料的、または電気的特性のために設計されてもよい。活性領域108は、第1の半導体層107と第2の半導体層109の間にあり、活性領域108が光ビームを放射する電流を受容してもよい。第2の半導体層109は、p型層であり、組成、厚さおよびドーパント濃度が異なる、複数の層を含んでもよい。これには、意図的にドープされていない層、またはn型層が含まれる。活性領域108に、p-n接合(例えばビアコンタクト)を介して流れる電流が生じ、活性領域108は、材料のバンドギャップエネルギーにより少なくとも一部が定められた、第1の波長の光を生成してもよい。第1のLED101は、1または2以上の量子井戸を有してもよい。
【0027】
第1のLED101に、第1のトンネル接合102が形成されてもよい。第1のトンネル接合102は、薄い絶縁層または電気ポテンシャルのような、バリア層であってもよい。第1のトンネル接合は、2つの導電性材料の間にあってもよい。電子(または準粒子)は、量子トンネル化プロセスにより、第1のトンネル接合102を通過してもよい。第1のトンネル接合102は、MOCVD、MBE、または他のエピタキシャル技術のような、従来の成膜技術を用いて形成されてもよい。
【0028】
第2のLED103は、第1のトンネル接合102上に形成されてもよい。第2のLED103は、第1のLED101と同様であり、同様の層で構成されてもよい。第2のLED103は、前述の第1のLED101に関して記載されたものと同様の技術を用いて形成されてもよい。
【0029】
第2のLED103上に第2のトンネル接合104が形成されてもよい。第2のトンネル接合104は、第1のトンネル接合と同様であり、同様の層で構成されてもよい。第2のトンネル接合104は、前述の第1のトンネル接合102に関して記載されたものと同様の技術を用いて形成されてもよい。
【0030】
第2のトンネル接合104上に第3のLED105が形成されてもよい。第3のLED105は、第1のLED101と同様であり、同様の層で構成されてもよい。第3のLED105は、前述の第1のLED101に関して記載されたものと同様の技術を用いて形成されてもよい。
【0031】
各LEDの第1の半導体層107、活性領域108、および第3の半導体層109は、異なる材料で構成され、例えば、第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105の1または2以上は、異なる波長の光を放射してもよい。例えば、第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105は、異なる赤色、緑色、および青色の光を放射してもよい。別の例では、第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105は、特定の色範囲内(例えば、420乃至480nm)の異なる波長の光(例えば、約10乃至30nmだけ分離される)を放射してもよい。
【0032】
任意の順での異なるLED配置が可能であるが、ある実施例では、最短の波長を放射する活性領域を有するLEDは、一連の中で最初に成長するものであってもよい。この配置では、より長波長の活性領域による青色放射の内部吸収が、回避または最小限に抑制され得る。
【0033】
エピタキシャル成長条件は、パターン化、または非パターン化サファイア基板を用いて成長される、従来の青色LEDランに必要なものと同様であっても良い。n-GaN層の一連の成長が完遂した後、青色発光多重量子井戸、および青色光放射が可能なLED101を共同で形成するp-GaN層の成長条件が変化し、第1のトンネル接合102が成長してもよい。
【0034】
第1のトンネル接合102の形成後、緑色の光を放射できる第2のLED103が形成されてもよい。また、第2のLED103は、従来の緑色LEDと同様の方法で成長されてもよい。nコンタクト層の厚さおよび/または成長条件は、さらに変更されてもよい。第2のLED103の第2の半導体層109の完遂後、第2のトンネル接合104が成長されてもよい。
【0035】
第3のLED105は、赤色発光InGaNのLEDであってもよい。第3のLED105の成長は、従来の赤色LEDと同様であってもよいが、nコンタクト層の厚さおよび/または成長条件は、更に変更され得る。
【0036】
第1のトンネル接合102および第2のトンネル接合104またはLED活性領域のため、各種設計が使用され得る。第1のトンネル接合102および第2のトンネル接合104は、横方向電流の広がりに利用され、第1の半導体層107および第2の半導体層109の両方に、異なるIII族元素組成、および/または異なるドーピング濃度の、任意の層を含んでもよい。第1のトンネル接合102および第2のトンネル接合104は、異なるIII族元素組成の窒化物層同士の間の界面に自然発生する、分極ダイポールを利用してもよい。第1のトンネル接合102および第2のトンネル接合104は、中間ギャップ状態を形成できる各種不純物とともに、低抵抗のp型閉じ込めの層を形成することにより形成される。
【0037】
次に、
図1Bを参照すると、第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105は、各々が多重量子井戸を有し、第1のトンネル接合102および第2のトンネル接合104は、エッチングされてもよい。エッチングには、1または2以上のチャネルを定める、従来のフォトリソグラフィー、およびドライエッチングプロセスが含まれる。第1のチャネル111は、第1の画素113および第2の画素114を定めてもよい。第2のチャネル112は、第2の画素114および第3の画素115を定めてもよい。
【0038】
従来のドライエッチングプロセスを使用してもよいが、マスクおよびエッチング深さの各種組み合わせが必要となってもよい。従来のフォトレジストの露光、現像、剥離、および清浄化の各ステップは、従来より理解されており、図には示していない。従来のフォトレジスト116の層は、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115の上に形成されてもよい。
【0039】
第1のチャネル111および第2のチャネル112は、エッチングの間、LEDの未マスク部分を残すことにより、形成されてもよい。これらの配置では、基板106を深くエッチングすることが望ましいことがある。第1のエッチングプロセスは、LEDのエピタキシャル層に比べて、極めて遅いエッチング速度のため、サファイア上で効果的に停止され得る。
【0040】
第1のLED101における第1の半導体層107の表面は、エッチングプロセスの間、残され、第1の画素のnコンタクト110として機能してもよい。
【0041】
次に、
図1Cを参照すると、第2のエッチングプロセスにおいて、第1のLED101、第1のトンネル接合102、第2のLED103、第2のトンネル接合104、および第3のLED105の異なる部分が除去され、さらに異なる画素が定められる。
【0042】
第1のチャネル111および第2のチャネル112の各々は、基板106を露出させるように延伸してもよい。第1の画素113がエッチングされ、第2のLED103における第1の半導体層107の上部表面117が露出されてもよい。表面117は、第1の画素113用のp型コンタクトとして機能してもよい。同様に、第2の画素114がエッチングされ、第2のLED103における第1の半導体層107の上部表面117が露出されてもよい。表面118は、第2の画素114用のn型コンタクトとして機能してもよい。
【0043】
次に、
図1Dを参照すると、第3のエッチングステップが実施され、画素がさらに定められる。第2の画素114がエッチングされ、第3のLED105における第1の半導体層107の上部表面119が露出されてもよい。表面119は、第2の画素114用のp型コンタクトとして機能してもよい。
【0044】
第3の画素115がエッチングされ、第3のLED105における第1の半導体層107の上部表面120が露出されてもよい。表面120は、第3の画素115用のn型コンタクトとして機能してもよい。第3のLED105における未エッチングの第2の半導体層109は、第3の画素115用のn型コンタクトとして機能してもよい。実際には、第1の画素113および第2の画素114用のpコンタクトに対するエッチングにより、これらの画素(例えば、緑色および赤色のLEDが、青色LEDから放射される光を吸収してもよい)の光吸収層が除去されてもよい。
【0045】
第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115は、任意の組み合わせおよび任意の構成において、形成されてもよいことに留意する必要がある。例えば、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115の2以上が、相互に隣接されてもよい。また、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115は、第1の画素113が第3の画素115に隣接するように配置されてもよい。また、1種類の画素、2種類の画素、または3種類全ての画素を含む装置が形成されてもよい。また、上記LEDおよびトンネル接合の数は、限定されることを意図するものではない。
【0046】
ある例では、p-GaN活性化は、エッチングチャネルの側壁を介した、水素の横方向の拡散を容易にすることにより達成され、フォトレジストの剥離および清浄化に引き続き、熱処理がなされてもよい(すなわち、
図1Dにおける第3のドライエッチングの完了後)。プロセスの初期に比べて、このタイミングでの熱処理は有意である。なぜなら、画素同士の間に定められたチャネルは、横方向の拡散に有効な経路を提供し、水素がp-GaN層から逸脱できるからである。水素の拡散を促進する活性熱処理条件は、従来のLEDの場合と同様であっても、異なっていてもよく、特殊な熱処理条件は、ここでは必要ではない。あるいは、最小限の水素によるエピタキシャルプロセス(例えば、MBEまたはRPCVD)を用いて、トンネル接合を成長させると、横方向の拡散により水素を除去する熱処理が必要ではなくなる。
【0047】
p-GaN活性熱処理の後、画素に対する電気的接続を形成するため、各種追加のプロセスが必要となり得る。
【0048】
図1Eを参照すると、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115に、共形誘電体層122が形成される。共形誘電体層122は、プラズマ増強化学気相成膜法のような、従来の成膜プロセスを用いて形成されてもよい。共形誘電体層122は、二酸化ケイ素のような誘電体材料を有してもよい。電気絶縁共形誘電体層122は、メサ側壁をパッシベーション化し、後のプロセスステップにおいて成膜される各金属コンタクトパッドを、各々から分離させてもよい。
【0049】
次に、
図1Fを参照すると、共形誘電体層122に開口が形成される。前述の
図1Dに示すように、共形誘電体層122の一部は、レジスト116によりマスクされ、残りの部分が露出されてもよい。露出部分は、ドライ処理のような、従来のエッチングプロセスを用いて除去されてもよい。第1の画素113に第1の開口123が形成され、第1のLED101の第1の半導体層107が露出される。第1の画素113に第2の開口124が形成され、第2のLED103の第1の半導体層107が露出されてもよい。第2の画素114に第3の開口125が形成され、第2のLED103の第1の半導体層107が露出されてもよい。第2の画素114に第4の開口126が形成され、第3のLED105の第1の半導体層107が露出されてもよい。第3の画素115に第5の開口が形成され、第3のLED105の第1の半導体層107が露出されてもよい。第3の画素115に第6の開口128が形成され、第3のLED105の第2の半導体層109が露出されてもよい。
【0050】
次に、
図1Gを参照すると、金属化のため、金属、例えばアルミニウム/金バイレイヤが気化され、リフトオフによりパターン化され、第1のコンタクト129a、第2のコンタクト129b、第3のコンタクト129c、第4のコンタクト129c、および第5のコンタクト129dの1または2以上が形成される。
図1Gに示すように、リフトオフマスクの開口は、誘電体内の開口と一致してもよい。第1のコンタクト129aは、第1の開口123内に形成され、第1のLED101の第1の半導体層107にあってもよい。第1のコンタクト129aは、第1の画素113用のn型コンタクトであってもよい。第2のコンタクト129bは、第2の開口124内に形成され、第1の画素113における第2のLED103の第1の半導体層107にあってもよい。第2のコンタクト129bは、第1の画素113用のp型コンタクトであってもよい。
【0051】
第3のコンタクト129cは、第3の開口125に形成され、第2の画素114における第2のLED103の第1の半導体層107にあってもよい。第3のコンタクト129cは、第2の画素114用のn型コンタクトであってもよい。第4のコンタクト129dは、第4の開口126に形成され、第2の画素114における第3のLED105の第1の半導体層107にあってもよい。第4のコンタクト129dは、第2の画素114用のp型コンタクトであってもよい。
【0052】
第5のコンタクト129dは、第5の開口127に形成され、第3の画素115における第3のLED105の第1の半導体層107にあってもよい。第5のコンタクト129dは、第3の画素115用のn型コンタクトであってもよい。
【0053】
図1Hに示すように、第6のコンタクト130は、金属化プロセスを用いて、第3の画素115の第6の開口128に形成されてもよい。
図1Hに示すように、第6のコンタクト130は、銀を有し、同様に気化され、第3のLED105の第2の半導体層109にパターン化され、LEDアレイ121が形成されてもよい。
【0054】
図1Iを参照すると、ウェハの単体化の後、LEDアレイ121は、以下に詳しく示すように、LED装置取り付け領域318に取り付けられる。ある例では、LED装置取り付け領域318は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)集積回路(IC)アレイであり、LEDアレイ121に形成されたコンタクトに対応する、金属相互接続結合を有してもよい。LED装置取り付け領域318の第1の表面は、画素上のコンタクトに対応する、1または2以上の相互接続バンプを有してもよい。相互接続バンプは、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115に整合するように定められた、異なる高さを有してもよい。これにより、実質的に同じサイズの相互接続結合構造を使用することが可能となる。他の変形例では、LED装置取り付け領域318の第1の表面は、実質的に平坦であり、異なる高さのインターポーザまたは接続ピラーが使用され得る。
図4Bに示したような駆動回路は、LED装置取り付け領域318に結合され、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115の各コンタクトの組が、所望の電圧で、独立にバイアス化される。例えば、駆動回路は、第1の組のコンタクト(129a、129b)に結合された第1の組の電極152、第2の組のコンタクト(129c、129d)に結合された第2の組の電極154、ならびに第3の組のコンタクト(129e、130)に結合された第3の組の電極156に、第1の駆動電流を提供するように構成されたドライバを有してもよい。
【0055】
例えば、LED装置取り付け領域318は、第1の画素113の第1のコンタクト129aおよび第2のコンタクト129b(合わせて第1の組のコンタクトと称される)のみに電圧を提供し、第2の画素114の第3のコンタクト129cおよび第4のコンタクト129d(合わせて第2の組のコンタクトと称される)のみに電圧を提供し、ならびに第3の画素115の第5のコンタクト129eおよび第6のコンタクト130(合わせて第3の組のコンタクトと称される)のみに電圧を提供するように構成されてもよい。LED装置取り付け領域318は、前述の任意の組み合わせに、電圧を提供するように構成されてもよい。LED装置取り付け領域318は、
図3を参照して以下に示される、LED装置取り付け領域318に結合されてもよい。
【0056】
基板106を介して、第1の画素113から第1の波長の光が放射され、第2の画素114から第2の波長の光が放射され、第3の画素から第3の波長の光が放射されてもよい。
【0057】
次に
図1Jを参照すると、LEDアレイ138の別の例が示されている。LEDアレイ138は、前述のものと同じまたは同様のエピタキシャル成長プロセス、およびウェハ処理ステップを用いて形成されてもよいが、異なるマスク組を用いて異なる層がエッチングされてもよい。本実施例で使用されるマスクは、チャネルの基板106までのエッチングを回避するため、変更されてもよい。
【0058】
チャネル136、137、および139は、全てのエッチングステップにおいてマスクされてもよいが、前述の金属成膜ステップのため、未マスク部が残されてもよい。これにより、第1の共通電極132と、第2の共通電極133とを有するLEDアレイ138が得られる。第1の共通電極132は、第1の画素113のpコンタクト、および第2の画素114のnコンタクトに使用され、第2の共通電極133は、第2の画素114のpコンタクト、および第3の画素115のnコンタクトに使用される。個々の活性領域の任意の一つから、または(3つを含む)これらの任意の組み合わせから、グラウンド電極134に対して駆動電極132、133、または135に適切なバイアスを印加することにより、エレクトロルミネッセンスを発生できる。例えば、駆動電圧は、3/6/9Vの組み合わせであり、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115の同時照射が生じてもよい。3/3/6Vの組み合わせにより、第2の画素114に電流を通さずに、第3の画素115および第1の画素113の照射が生じてもよい。
【0059】
第1のLED101、第2のLED103、および第3のLED105が同時に光を放射する場合、潜在的により大きな電圧が必要となるものの、LEDアレイ138の全体の面積の低下により、LEDアレイ138は、高い画素解像度を支持し得る(すなわち、単一のμLEDは、これまで生成に3つのμLEDが必要であった、全ての波長を生成し得る)。小さな設置面積の結果、より小さな電気コンタクト面積が必要となり、別個の波長の画素同士の間の分離ギャップがなくなる。また、印刷回路基盤の複雑性も、低減され得る。
【0060】
無線通信を用いて伝送されるデータトラフィックの増加し続ける容積を支持するため、Gビット/秒クラスの通信システムの開発が必要となる。しかしながら、現在のところ、Gビット/秒範囲における速度を有するラジオ周波数無線システムを開発する上で、利用可能なラジオスペクトルは不十分である。ラジオ周波数無線に対する一つの代替案は、可視光領域のスペクトルの波長を利用する、可視光通信(VLC)により提供される。VLCは、データ通信の変形型であり、140と800THz(780乃至375nm)の間の光を利用する。VLCは、光無線通信技術のサブセットである。VLCは、10kビット/秒で信号を送信する蛍光ランプ(例えば、特殊な通信装置ではない、通常のランプ)、または短い距離では、112Mビット/秒までのLEDに使用され得る。システムは、1乃至2km(0.6乃至1.2マイル)の距離にわたって、最大イーサネット速度(10Mビット/秒)で伝送できる。
【0061】
通常、光ダイオードを有する特殊設計された電子装置は、光源からの信号を受信する。ただし、一部の場合には、これは、従来の携帯電話カメラまたはデジタルカメラで十分である。これらの装置に使用される画像センサは、光ダイオード(すなわち画素)のアレイであり、ある用途では、単一の光ダイオードにわたる、LEDアレイの使用が好ましい場合がある。そのようなセンサには、マルチチャネル(例えば、1画素=1チャネル)、または複数の光源の空間認識が提供され得る。
【0062】
VLCは、未認可のバンド幅のTHz/秒のオーダを提供し、高度な空間再利用性を支持し、固有の妨害困難性のため、高いセキュリティが潜在的に得られてもよい。また、VLCは、照明用に設計された、既存のインフラを使用でき、比較的小さな資本投資で、追加の無線通信容量を得ることが可能となる。
【0063】
従来の蛍光体変換白色LEDにより可能となるデータ伝送速度は、特に蛍光体の一時的な遅い応答のため、通常、100MBps以下に制限される。一方、2または3以上の独立した変調LED源から放射される波長を混合する白色光源は、増大したバンド幅を有し、最大5GBpsまでのデータ通信速度が可能となる。
【0064】
青色、緑色および赤色の3つの別個のLEDチップで構成される白色光源は、照明と高バンド幅VLC用途の両方の仕様を満たし得る。あるいは、ピーク波長(WL)が20nm以上異なる、複数の青色チップ(各々が白色光を構成する蛍光体を有する)が単一のパッケージに装着され、各検出器に使用されるフィルタによるバンド幅が高められ、異なる青色源の間のクロストークが軽減され得る。残念ながら、これらの代替例の両方において、複数の別個のチップの組立体には、顕著な空間が必要とされ、小型で高い方向性を有するVLCシステムの設計は難しい。
【0065】
前述の装置は、VLC用途を支援できる。第1のコンタクト129a、第2のコンタクト129b、第3のコンタクト129c、第4のコンタクト129c、第5のコンタクト129d、および第6のコンタクト130は、独立して駆動でき、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115の各々からの光放射が定められ、VLCプロトコルが支持される。
【0066】
図1Kを参照すると、組み合わされたディスプレイおよびVLCシステム140の図が示されている。ディスプレイ141、VLCエミッタ142、およびVLC受信器143(スケールは示されていない)を有するスマートフォン402を用いて、天井取り付けLEDライト144、またはLi-FiのようなVLCプロトコルを支持する別のスマートフォン145のような、他の装置との相互作用が可能となる。
【0067】
また、VLCエミッタ142は、ディスプレイして機能することも可能であるが、ディスプレイとVLCの機能は、分けられてもよい。VLCエミッタ142は、前述のLEDアレイ121およびLEDアレイ138を有してもよい。
【0068】
VLC受信器143は、アバランシェ光ダイオードを有してもよい。あるいは、より高感度の動作が必要な場合、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)を含んでもよい。スマートフォン402は、伝送が必要なデータを、選定されたVLCエミッタの好適な駆動変調に変換する回路を有してもよい。また、スマートフォン402は、VLC受信器から受信された光変調を、利用可能なデータに変換する回路を有してもよい。VLC受信器143は、以下に
図3を参照して示すような、センサモジュール314であってもよい。
【0069】
図1Lを参照すると、VLC受信器143を表す図が示されている。VLC受信器143は、増幅回路149と、光学フィルタおよび光学集光器146とを有してもよい。大面積照射の結果生じる減衰のため、LEDにおいてビームの発散が生じてもよい。光学集光器146は、この種の減衰の補償に使用されてもよい。また、VLCは、太陽光および他の照射のような、他のソース源からの干渉に影響を受けやすい。従って、光学フィルタ146は、受信信号に存在する直流ノイズ成分を軽減するために使用されてもよい。
【0070】
VLC受信器143において、光は、光ダイオード147を用いて検出され、光電流に変換されてもよい。光ダイオードは、シリコン光ダイオード、PINダイオード、およびアバランシェ光ダイオードの1または2以上を含んでもよい。光ダイオード451は、第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115の1または2以上を含んでもよい。クロックおよびデータ再生(CDR)ユニット148により、光電流が受信されてもよい。CDRユニット148は、VLCシステム140における1または2以上の回路に、出力を提供してもよい。
【0071】
光は、光学フィルタおよび光学集光器146を通過し、光ダイオード147により検出されてもよい。増幅回路149は、信号を増幅して、これをCDRユニット148に提供し、信号がデコードされ、処理されてもよい。
【0072】
第1の画素113、第2の画素114、および第3の画素115に、独立の電気接続が構成され、IEEE802.15.7または他の好適な無線プロトコルを用いて、高速光強度変調およびデータ伝送が可能となってもよい。複数の波長が支持されるため、光直交周波数分割多重(OOFDM)変調方式に基づく、改善されたプロトコルが使用されてもよい。VLC信号は、異なる波長の光を放射する、積層された活性領域を有するLEDアレイに誘導されてもよい。各画素は、異なる波長を放射し、あるいは各画素は、2以上の波長を放射してもよい。
【0073】
LEDアレイ121およびLEDアレイ138のような、多重波長システムの使用により、最大約5Gbpsのデータ転送速度を有する接続が提供される。同等の蛍光体被覆白色LEDでは、最大約100Mbpsしか供給できない。
【0074】
IEEE802.15.7にまとめられたカラーシフトキーイング方式(CSK)は、VLCの変調方式に基づく強度変調である。CSKは、変調信号が3つのRGBのLED瞬間強度の物理的な合計に等しい瞬間的な色を示す際の強度に基づく。この変調信号は、異なる可視色にわたって、シンボルからシンボルに瞬間的にジャンプする。従って、CSKは、周波数シフトの一形態と解される。ただし、人の視覚における限られた一時的な感度のため、この伝達色の瞬間的な変化は、人の目には知覚されない。臨界フリッカー融合閾値(CFF)および臨界色融合閾値(CCF)は、人間が0.01秒未満の一時的な変化を把握することを制限する。LEDアレイ121およびLEDアレイ138からの伝送は、特定の一定時間の色に対する(CFFおよびCCFにわたる)時間平均にプリセットされてもよい。人間は、時間にわたって一定に見えるプリセットされた色のみを知覚し、時間とともに急激に変化する瞬間的な色は知覚できない。換言すれば、CSK伝送は、そのシンボルのシーケンスが色度を急激に変化させた場合であっても、一定の時間平均光束を維持し得る。
【0075】
次に、
図1Mを参照すると、LEDアレイを使用する方法のフローチャートが示されている。ステップ180では、LEDアレイの第1の画素に、第1の電圧が提供され得る。ステップ182では、第2の電圧が、LEDアレイの第2の画素に提供され得る。第1の画素および第2の画素は、基板まで延在する第1のトレンチにより分離されてもよい。ステップ184では、LEDアレイの第3の画素に、第3の電圧が提供される。第2の画素および第3の画素は、基板まで延在する第2のトレンチにより分離されてもよい。
【0076】
次に、
図1Nを参照すると、装置を形成する方法のフローチャートが示されている。ステップ190では、基板上に、1または2以上のLED、ならびに1または2以上のトンネル接合が形成され得る。ステップ192では、1または2以上のトンネル接合および1または2以上のLEDを介して、第1のトレンチが形成され、第1の画素および第2の画素が定められる。第1のトレンチは、基板まで延在しても良い。任意のステップ194では、1または2以上のトンネル接合、および1または2以上のLEDを介して、第2のトレンチが形成され、第2の画素および第3の画素が定められてもよい。
【0077】
図2Aには、ある実施例におけるLED装置200の図を示す。LED装置200は、基板202、活性層204、波長変換層206、および一次光学機器208を有してもよい。別の実施例では、LED装置は、波長変換層および/または一次光学機器を含まなくてもよい。
【0078】
図2Aに示すように、活性層204は、基板202に隣接され、励起の際に光を放射してもよい。基板202および活性層204の形成の際に使用される好適な材料には、サファイア、SiC、GaN、シリコーンが含まれ、特に、これに限られるものではないが、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSbを含むIII-V族半導体、これに限られるものではないが、ZnS、ZnSe、CdSe、CdTeを含むII-VI族半導体、これに限られるものではないが、Ge、Si、SiCを含むIV族半導体、ならびにこれらの混合物および合金で形成されてもよい。
【0079】
波長変換層206は、活性層204から離されても、活性層204に近接されても、または活性層204の直上にあってもよい。活性層204は、波長変換層206に光を放射する。波長変換層206は、活性層204により放射された光の波長を、さらに変調するように機能する。波長変換層を含むLED装置は、しばしば、蛍光体変換LED(PCLED)と称される。波長変換層206は、例えば、ある波長の光を吸収して異なる波長の光を放射する、透明もしくは半透明バインダもしくはマトリクス内の蛍光体粒子、またはセラミック蛍光体素子のような、任意の発光材料を含み得る。
【0080】
一次光学機器208は、LED装置200の1または2以上の層の上、または上部にあり、光は、活性層204および/または波長変換層206から、一次光学機器208を通過する。一次光学機器208は、レンズであり、あるいは1または2以上の層を保護するように構成された包囲であり、LED装置200の出力の少なくとも一部を形成する。一次光学機器208は、透明および/または半透明材料を有してもよい。ある実施例では、一次光学機器を介した光は、ランバート分布パターンに基づいて放射されてもよい。一次光学機器208の1または2以上の特性が調整され、ランバート分布パターンとは異なる光分布パターンが形成されてもよいことが理解される。
【0081】
図2Bには、照明システム220の断面図を示す。ある実施例では、照明システム220は、画素201A、201B、201Cを有するLEDアレイ210と、二次光学機器212とを有する。LEDアレイ210は、画素201A、201B、201Cを有し、各々は、それぞれの波長変換層206B、活性層204B、および基板202Bを有する。LEDアレイ210は、ウェハレベル処理技術を用いて製造された、モノリシックLEDアレイ、またはサブ500ミクロンの寸法を有するマイクロLED等であってもよい。LEDアレイ210における画素201A、201B、201Cは、アレイ分割化、またはピックアンドプレイス技術を用いて形成されてもよい。
【0082】
LED装置200Bの1または2以上の画素201A、201B、201Cの間に示された空間203は、空気ギャップを有し、あるいはコンタクト(例えばnコンタクト)となる金属材料のような材料により充填されてもよい。
【0083】
二次光学機器212は、レンズ209および導波管207の一つまたは両方を有してもよい。二次光学機器は、示された例により説明されたが、ある実施例では、二次光学機器212は、入射光を広げ(発散光学機器)、または入射光を平行ビームに集光するように(平行化光学機器)、使用されてもよいことが理解される。ある実施例では、導波管207は、集光器であり、例えば、放物線状、円錐形状、または傾斜形状等のような、光を集光する任意の好適な形状を有しても良い。導波管207は、誘電体材料、または金属化層等で被覆され、入射光の反射または再誘導に使用されてもよい。別の実施例では、照明システムは、以下の1または2以上を含まなくてもよい:波長変換層206B、一次光学機器208B、導波管207、およびレンズ209。
【0084】
レンズ209は、これに限られるものではないが、SiC、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、またはこれらの組み合わせ等のような、任意の好適な透明材料から形成されてもよい。レンズ209は、該レンズ209に入射される光のビームの調整に使用されてもよく、レンズ209からの出力ビームは、所望の測光仕様に効率的に適合される。また、レンズ209は、LEDアレイ210のp201A、201B、および/または201Cの点灯および/または未点灯の外観を定めることにより、1または2以上の美観的目的を果たしてもよい。
【0085】
図3は、ある実施例による集積LED照明システムの電子基盤310の上面図である。別の実施例では、LED照明システムに、2または3以上の電子基盤が使用されてもよい。例えば、LEDアレイは、別個の電子基盤の上にあり、またはセンサモジュールが別個の電子基盤の上にあってもよい。示された例では、電子基盤310は、パワーモジュール312、センサモジュール314、接続性制御モジュール316、およびLEDアレイを基板320に取り付けるために準備された、LED取り付け領域318を有する。
【0086】
基板320は、機械的支持が可能で、トラック、トレース、パッド、ビア、および/またはワイヤのような導電性コネクタを用いて、電気部材、電子部材、および/または電子モジュールに、電気的結合を提供する、いかなる基盤であってもよい。パワーモジュール312は、電気素子および/または電子素子を有してもよい。ある実施例では、パワーモジュール312は、交流/直流変換回路、直流/直流変換回路、ディマー回路、およびLED駆動回路を含む。
【0087】
センサモジュール314は、LEDアレイが使用される用途に必要なセンサを有してもよい。
【0088】
接続性制御モジュール316は、システムマイクロ制御器と、外部装置からの制御入力を受信するように構成された、任意のタイプの有線または無線モジュールとを有してもよい。
【0089】
本願に使用されるモジュールという用語は、1または2以上の電子基盤310にハンダ付けされた個々の回路基盤に設置された、電気部材および/または電子部材を表し得る。ただし、モジュールという用語は、同じ領域または異なる領域において、1または2以上の回路基盤に個々にハンダ付けされたものの、同様の機能を提供する、電気部材および/または電子部材をも表し得る。
【0090】
図4Aは、ある実施例における、LED装置取り付け領域318において、基板320に取り付けられたLEDアレイ410を有する電子基盤310の上面図である。電子基盤310は、LEDアレイ410とともに、LEDシステム400Aを表す。また、パワーモジュール312は、Vin497で電圧入力を受信し、トレース418Bにわたって接続性制御モジュール316からの制御信号を受信し、トレース418AにわたってLEDアレイ410に駆動信号を提供する。LEDアレイ410は、パワーモジュール312からの駆動信号を介してオンオフされる。
図4に示された実施例では、接続性制御モジュール316は、トレース418Cにわたってセンサモジュール314からセンサ信号を受信する。
【0091】
図4Bには、回路基盤499の2つの表面に取り付けられた電子部材を有する、2つのチャネル集積LED照明システムの一実施例を示す。
図4Bに示すように、LED照明システム400Bは、ディマー信号および交流パワー信号を受信する入力を有する第1の表面445Aと、これに取り付けられた交流/直流変換器回路412とを有する。LEDシステム400Bは、ディマーインターフェース回路415と、直流-直流変換器回路440A、440Bと、マイクロ制御器472を有する接続性制御モジュール416(この例では無線モジュール)と、LEDアレイ410とを有する第2の表面445Bを有する。LEDアレイ410は、2つの独立チャネル411Aおよび411Bにより駆動される。代替実施例では、単一のチャネルを用いて、LEDアレイに駆動信号が提供される。あるいは任意の数の複数のチャネルを用いて、LEDアレイに駆動信号が提供されてもよい。
【0092】
LEDアレイ410は、2つのグループのLED装置を有してもよい。ある実施例では、グループAのLED装置は、第1のチャネル411Aに電気的に結合され、グループBのLED装置は、第2のチャネル411Bに電気的に結合される。2つの直流-直流変換器440Aおよび440Bの各々は、LEDアレイ410におけるそれぞれのLEDのグループA、Bを駆動するため、それぞれ、単一のチャネル411A、411Bを介して、それぞれの駆動電流を提供してもよい。LEDの一つのグループのLEDは、LEDの第2のグループにおけるLEDとは異なる色点を有する光を放射するように構成されてもよい。LEDアレイ410により放射される光の複合色点の制御は、それぞれ、単一のチャネル411Aおよび411Bを介して、個々の直流/直流変換器回路440A、440Bにより印加される電流および/またはジューティサイクルを制御することにより、範囲内に調整される。
図4Bに示した実施例では、センサモジュール(
図3および
図4Aに記載されている)は含まれていないが、代替実施例では、センサモジュールが含まれてもよい。
【0093】
示されているLED照明システム400Bは、集積システムであり、LEDアレイ410、および該LEDアレイ410を作動する回路は、単一の電子基盤上に提供される。回路基盤499の同じ表面上のモジュールの間の接続は、トレース431、432、433、434、および435、または金属化(図示されていない)のような、表面またはサブ表面相互接続により、例えば、電圧、電流、およびモジュール間の制御信号の交換のため、電気的に結合される。回路基盤499の反対側の表面におけるモジュール間の接続は、ビアおよび金属化(図示されていない)のような、貫通基盤相互接続により、電気的に結合されてもよい。
【0094】
ある実施例では、LEDシステムにおいて、LEDアレイがドライバおよび制御回路から離れた別個の電子基盤上に提供されてもよい。他の実施例では、LEDシステムは、駆動回路から離れた電子基盤上のいくつかの電子部材とともに、LEDアレイを有してもよい。例えば、LEDシステムは、LEDアレイとは別の電子基盤に配置されたパワー変換モジュール、およびLEDモジュールを有してもよい。
【0095】
ある実施例では、LEDシステムは、マルチチャネルLEDアレイ駆動回路を有してもよい。例えば、LEDモジュールは、埋設LED較正および設定データ、および例えば、3つのグループのLEDを有してもよい。1または2以上の用途に対応するように、任意の数のグループのLEDが使用され得ることが当業者には理解できる。各グループ内の個々のLEDが直列または並列に配置され、異なる色点を有する光が提供されてもよい。例えば、第1のグループのLEDにより、暖白色が提供され、第2のグループのLEDにより、冷白色が提供され、第3のグループにより、中性白色が提供されてもよい。
【0096】
図5には、一例としてのシステム550を示す。これは、アプリケーションプラットフォーム560と、LEDシステム552および556と、二次光学機器554および558とを有する。システム552は、矢印561aと561bの間に示された、光ビーム561を生成する。LEDシステム556は、矢印562aと562bの間に光ビーム562を生成してもよい。
図5に示した実施例では、LEDシステム552から放射される光は、二次光学機器554を通り、LEDシステム556から放射される光は、二次光学機器558を通る。代替実施例では、光ビーム561および562は、いかなる二次光学機器も通過しない。二次光学機器は、1または2以上の光ガイドであり、あるいはこれらを有してもよい。1または2以上の光ガイドは、端部点灯であってもよく、あるいは光ガイドの内端部を定める内部開口を有してもよい。LEDシステム552および/または556は、1または2以上の光ガイドの内部開口に挿入され、1または2以上の光ガイドの内端部(内部開口光ガイド)、または外端部(端部点灯光ガイド)に、光が注入されてもよい。LEDシステム552および/または556におけるLEDは、光ガイドの一部であるベース部の外周の周りに配置されてもよい。ある実施例では、ベース部は、熱伝導性であってもよい。ある実施例では、ベース部は、光ガイドにわたって配置された、熱逸散素子に結合されてもよい。熱逸散素子は、熱伝導性ベース部を介して、LEDにより生じた熱を受容し、受容した熱を放熱するように配置されてもよい。1または2以上の光ガイドにより、LEDシステム552および556により放射された光が、所望の方法で、例えば、傾斜、面取り(chamfered)分布、狭小分布、ワイド分布、または角度分布を有するように、形状化されてもよい。
【0097】
ある実施例では、システム500は、カメラフラッシュシステムの携帯電話、室内居住または商業用の照明、街路灯のような室外光、車両、医療装置、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)装置、およびロボット装置であってもよい。
図3に示した集積LED照明システム、
図4Aに示したLEDシステム400Aは、一実施例におけるLEDシステム552および556を示す。
【0098】
ある実施例では、システム500は、カメラフラッシュシステムの携帯電話、室内居住または商業用の照明、街路灯のような室外光、車両、医療装置、AR/VR装置、およびロボット装置であってもよい。
図4Aに示したLEDシステム400A、および
図4Bに示したLEDシステム400Bは、一実施例におけるLEDシステム552および556を示す。
【0099】
アプリケーションプラットフォーム560は、パワーバスビアライン565、または本願に記載の他の利用可能な入力を介して、LEDシステム552および/または556に電力を供給してもよい。また、アプリケーションプラットフォーム560は、LEDシステム552およびLEDシステム556の作動用のライン565を介して、入力信号を提供してもよい。この入力は、ユーザの入力/好み、検知された読み、または予めプログラム化されたもしくは自動的に定められた出力等に基づいてもよい。1または2以上のセンサが、アプリケーションプラットフォーム560のハウジングの内部にあっても、外部にあってもよい。
【0100】
各種実施例では、アプリケーションプラットフォーム560センサ、および/またはLEDシステム552および/または556は、画像データ(例えば、LIDARデータ、IRデータ、カメラを介して収集されたデータ等)、音声データ、距離系データ、移動データ、環境データ、またはこれらの組み合わせのような、データを収集してもよい。データは、物体、個人、車両等のような、物理的な事項または実体に関係してもよい。例えば、検知機器は、ADAS/AV系用途の物体接近データを収集してもよい。これは、物理的な事項または実体の検出に基づいて、検出およびその後の動作を優先付けしてもよい。データは、例えば、LEDシステム552および/または556による、IR信号のような、光信号の放射に基づいて収集され、放射された光信号に基づいてデータが収集されてもよい。データは、データ収集のため光信号を放射する部材とは異なる部材により、収集されてもよい。一例として、検知機器は、車両に配置され、垂直空洞面放射レーザ(VCSEL)を用いて、ビームを放射してもよい。1または2以上のセンサが、放射ビーム、または他の任意の利用可能な入力に対する応答を検知してもよい。
【0101】
ある実施例では、アプリケーションプラットフォーム560は、車両を表し、LEDシステム552およびLEDシステム556は、車両のヘッドライトを表してもよい。各種実施例では、システム550は、操舵可能な光ビームを有する車両を表し、LEDは、選択的に活性化され、操舵可能な光を提供してもよい。例えば、LEDのアレイを使用して、形状もしくはパターンを定め、投影し、または道路の選定された区画のみを照射してもよい。ある実施例では、LEDシステム552および/または556内の赤外線カメラまたは検出器画素は、照射が必要な場面(道路、歩行者横断歩道など)の一部を同定するセンサであってもよい。
【0102】
実施例について詳細に説明したが、本記載において、本発明の思想の範囲から逸脱せずに、記載された実施例に対して変更が可能であることは、当業者には明らかである。従って、本発明の範囲は、示され記載された特定の実施例に限定されることを意図するものではない。