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特許7140878端末装置、基地局装置、通信方法および集積回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】端末装置、基地局装置、通信方法および集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20220913BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20220913BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 132
H04W56/00 130
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021078794
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2018529494の分割
【原出願日】2017-07-11
(65)【公開番号】P2021121127
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-06-04
(31)【優先権主張番号】P 2016149692
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】横枕 一成
(72)【発明者】
【氏名】山田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】坪井 秀和
(72)【発明者】
【氏名】相羽 立志
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏樹
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/182742(WO,A1)
【文献】特開2014-143606(JP,A)
【文献】特開2014-072759(JP,A)
【文献】Status Report to TSG[online],3GPP RAN #72 RP-161304,2016年06月16日,p.9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信する受信部と、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出する検出部と、を備え、
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、
端末装置。
【請求項2】
端末装置であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信する受信部と、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出する検出部と、
第1の同期と第2の同期を行う同期部と、を備え、
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は前記第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は前記第2の同期のための信号である、
端末装置。
【請求項3】
前記第1のサブキャリア間隔は、前記第2のサブキャリア間隔とは異なる、
請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記物理セルアイデンティティに基づいて物理報知チャネルを受信する、
請求項1から3のいずれかに記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置に用いられる通信方法であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信し、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出し、
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、
通信方法。
【請求項6】
端末装置に搭載される集積回路であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信する第1受信機能と、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出する検出機能と、
を含む一連の機能を発揮させるための集積回路であって、
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、
集積回路。
【請求項7】
基地局装置であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を送信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を送信する送信部を備え、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は、物理セルアイデンティティに関連付けられており
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、
基地局装置。
【請求項8】
前記第1のサブキャリア間隔は、前記第2のサブキャリア間隔とは異なる、
請求項7に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記物理セルアイデンティティに基づいて物理報知チャネルを送信する、
請求項7または8に記載の基地局装置。
【請求項10】
基地局装置に用いられる通信方法であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を送信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を送信し、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は、物理セルアイデンティティに関連付けられており
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、
通信方法。
【請求項11】
基地局装置に搭載される集積回路であって、
第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を送信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を送信する送信機能を含む一連の機能を発揮させるための集積回路であって
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は、物理セルアイデンティティに関連付けられており
前記第1のサブキャリア間隔および前記第2のサブキャリア間隔は個々に構成され、
前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、端末装置、基地局装置、通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution : LTE」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access : EUTRA」)、および、より広帯域な周波数を利用して、より高速なデータの通信を実現する無線アクセス方式及び無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution-Advanced : LTE-A」、または、「Advanced Evolved Universal Terrestrial Radio Access : A-EUTRA」)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project :3GPP)において検討されている。また、更なる広帯域な周波数を利用して、更に高速なデータの通信を実現する無線アクセス方式及び無線ネットワーク(以下、「New Redigo : NR」、または、「5th Generation Mobile Communications: 5G」、または、「Radio Technology beyond LTE」)の検討が開始された(非特許文献1、2、3、4参照)。
LTE、LTE-Aでは、基地局装置をeNodeB(evolved NodeB)、端末装置をUE(User Equipment)とも称する。LTE、LTE-Aは、基地局装置がカバーするエリアをセル状に複数配置するセルラー通信システムである。1つの基地局装置が、複数のセルを管理することもある。
【0003】
NRでは、異なる複数のサブキャリア間隔を用いて通信することが検討されている。このため、端末装置は、異なる複数のサブキャリア間隔のうちのいずれのサブキャリア間隔を用いて基地局装置と通信するかを特定する必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“NR Numerology Design Principles”、R1-165112、 http://www.3gpp.org/ftp/Meetings_3GPP_SYNC/RAN1/Docs/R1-165112.zip、 2016年05月22日
【文献】Huawei、 HiSilicon、 “WF on NR forward compatibility”、 R1-165628、 http://www.3gpp.org/ftp/Meetings_3GPP_SYNC/RAN1/Docs/R1-165628.zip、 2016年05月24日
【文献】NTT DOCOMO、 “New SID Proposal: Study on New Radio Access Technology”, http://www.3gpp.org/ftp/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_AH/LTE_ChM_1603/Docs/R1-160671.zip、 2016年3月9日
【文献】Samsung、 “Discussion on phase noise modeling”, R1-163984、 http://www.3gpp.org/ftp/Meetings_3GPP_SYNC/RAN1/Docs/R1-163984.zip、 2016年5月22日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、NRでは、異なる複数のサブキャリア間隔のうちのいずれのサブキャリア間隔を用いて通信するかを特定するかが検討されておらず、基地局装置と端末装置との通信を、効率的に行うことができないという課題があった。
【0006】
本発明の一態様は、上記した事情に鑑みてなされたもので、通信を効率的に行うことができる端末装置、基地局装置、通信方法、および集積回路、を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、端末装置であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信する受信部と、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出する検出部と、を備え、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、端末装置である。
本発明の第1の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、端末装置に用いられる通信方法であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信し、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出し、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、通信方法。である。
本発明の第1の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、端末装置に搭載される集積回路であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信する第1受信機能と、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出する検出機能と、を含む一連の機能を発揮させるための集積回路であって、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、集積回路である。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、端末装置であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を受信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を受信する受信部と、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを検出する検出部と、第1の同期と第2の同期を行う同期部と、を備え、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は前記第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は前記第2の同期のための信号である、端末装置である。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、基地局装置であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を送信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を送信する送信部と、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを決定する決定部と、を備え、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、基地局装置である。
本発明の第3の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、基地局装置に用いられる通信方法であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を送信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を送信し、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを決定し、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、通信方法である。
本発明の第3の態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、基地局装置に搭載される集積回路であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号および第2の同期信号を送信し、第2のサブキャリア間隔でNZPチャネル状態情報参照信号(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)を送信する送信機能と、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号に基づいて物理セルアイデンティティを決定する決定機能と、を含む一連の機能を発揮させるための集積回路であって、前記第1のサブキャリア間隔は、複数のサブキャリア間隔の候補の1つであり、前記第1の同期信号および前記第2の同期信号は第1の同期のための信号であり、前記NZPチャネル状態情報参照信号は第2の同期のための信号である、集積回路である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、端末装置および基地局装置は、効率的に通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す概略図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る上りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置と端末装置との間の通信に用いられるサブフレームの一例を示す概略図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置と端末装置との間の通信に用いられるサブキャリアのサブキャリア間隔の一例を示す概略図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る異なるサブキャリア間隔のサブキャリアのそれぞれに対する周波数リソース割り当ての一例を示す概略図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る異なるサブキャリア間隔のサブキャリアごとのリソースグリッドの一例を示す概略図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置と端末装置との初期アクセス手順の一例を示す概略図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置によりマッピングされた第1のサブキャリア間隔で送信される参照信号の一例を示す概略図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置によりマッピングされた第2のサブキャリア間隔で送信される参照信号の一例を示す概略図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置によりマッピングされた第3のサブキャリア間隔で送信される参照信号の一例を示す概略図である。
図11】本発明の第1の実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
図12】本発明の第1の実施形態に係る端末装置の無線受信部の構成の一例を示す概略ブロック図である。
図13】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
図14】本発明の第1の実施形態に係る基地局装置と端末装置の初期アクセス手順の一例を示すフローチャートである。
図15】本発明の第2の実施形態に係る基地局装置と端末装置の初期アクセス手順の一例を示すフローチャートである。
図16】本発明の第3の実施形態に係る基地局装置と端末装置との初期アクセス手順の一例を示す概略図である。
図17】本発明の第5の実施形態に係る基地局装置と端末装置との初期アクセス手順の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態について詳しく説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の無線通信システムの構成の一例を示す概略図である。 図1において、無線通信システムSys1は、端末装置1、基地局装置3、およびコアネットワークにおけるMME(Mobility Management Entity)/GW(Gateway)装置4を含んで構成される。基地局装置3は、基地局装置3Aと、基地局装置3Bを含んで構成される。基地局装置3と称するときは、基地局装置3A、基地局装置3Bの両方の基地局装置を表すものとする。また、基地局装置3には、基地局装置3A、基地局装置3Bに加え、他の複数の基地局装置(非図示)を含む。なお、基地局装置3には、MME/GW4を含めてもよい。基地局装置3は、MME/GW4とバックホールリンクS1(S1リンクとも称する。)で接続される。基地局装置3Aと基地局装置3Bとは、バックホールリンクX2(X2リンクとも称する)で接続される。
【0014】
端末装置1は、基地局装置3への上りリンク、および基地局装置3から端末装置1への下りリンクを用いて基地局装置3と通信する。
基地局装置3は、複数のセルを形成(管理)して端末装置1と通信する。
【0015】
ここで、本実施形態の物理チャネルおよび物理シグナルについて説明する。
【0016】
端末装置1と基地局装置3との間の無線通信は、下記の物理チャネルが用いられてもよい。
・PCCH(Physical Control Channel)
・PSCH(Physical Shared Channel)
【0017】
PCCHとPSCHとは、下りリンクと上りリンクとの両方を含み、下りリンク制御情報および/または上位層各サブフレームおよび/またはリソースユニットが下りリンクであるか上りリンクであるかを指示してもよい。以下では、上りリンクと下りリンクとのそれぞれのチャネルが定義されるものとして説明する。
【0018】
端末装置1から基地局装置3への上りリンクの無線通信では、以下の上りリンク物理チャネルが用いられる。上りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために、物理層によって使用される。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel)
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)
・PRACH(Physical Random Access Channel)
【0019】
PUCCH(物理上りリンク制御チャネル)は、上りリンク制御情報(Uplink Control Information : UCI)を送信するために用いられるチャネルである。上りリンク制御情報は、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information : CSI)初期送信のためのPUSCH(Uplink-Shared Channel : UL-SCH)リソースを要求するために用いられるスケジューリングリクエスト(Scheduling Request : SR)、下りリンクデータ(Transport block、 Medium Access control Protocol Data Unit : MAC PDU、 Downlink‐Shared Channel : DL-SCH、 physical Downlink Shared Channel : PDSCH)に対するHARQ制御情報(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledgement : HARQ-ACK)を含む。HARQ-ACKは、ACK(acknowledgement)および/またはNACK(negative-acknowledgement)を表す。ここで、ACKは、端末装置1においてDL-SCH/PDSCHの受信に成功したことを示し、NACKは、端末装置1においてDL-SCH/PDSCHの受信に失敗したことを示す。
【0020】
CSIは、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、PTI(Precoding Type Indicator)、RI(Rank Indicator)を含む。各Indicatorは、Indicationと表記されてもよい。
【0021】
PUSCH(物理上りリンク共用チャネル)は、上りリンクデータ(Uplink-Shared Channel : UL-SCH)送信するために用いられる。また、PUSCHは、ランダムアクセスメッセージ3、レイヤ2メッセージ、レイヤ3メッセージとして、端末装置1に関する種々の上位層パラメータや各種設定情報、測定情報(例えば、測定レポート)を送信(通知)するために用いられる。また、PUSCHは、上りリンク制御情報を送信(通知)するためにも用いられる。また、PUSCHは、ランダムアクセスメッセージ3を含まない上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられてもよい。また、PUSCHは、チャネル状態情報のみ、または、HARQ-ACKおよびチャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。また、物理上りリンク共用チャネルの無線リソース割り当て情報は、物理下りリンク制御チャネルで示される。
【0022】
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(ランダムアクセスメッセージ1)を送信するために用いられる。PRACHは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャ、ハンドオーバプロシージャ、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャ、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、および/またはPUSCH(UL-SCH)リソースの要求を示すために用いられる。
【0023】
基地局装置3から端末装置1への下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理チャネルが用いられる。下りリンク物理チャネルは、上位層から出力された情報を送信するために、物理層によって使用される。
・PBCH(Physical Broadcast Channel)
・PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)
・PHICH(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel)
・PDCCH(Physical Downlink Control Channel)
・EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)
・PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)
・PMCH(Physical Multicast Channel)
【0024】
PBCH(物理報知情報チャネル)は、端末装置1で共通に用いられるマスターインフォメーションブロック(Master Information Block:MIB、Broadcast Channel : BCH、Essential System Information: 重要システム情報)を報知するために用いられる。
【0025】
PCFICH(物理制御フォーマット指示チャネル)は、PDCCHの送信に用いられる領域(OFDMシンボル)を指示する情報を送信するために用いられる。
【0026】
PHICH(物理HARQ指示チャネル)は、基地局装置3が受信した上りリンクデータ(Uplink Shared Channel : UL-SCH)に対するACK(ACKnowledgement)および/またはNACK(Negative ACKnowledgement)を示すHARQインディケータ(HARQフィードバック、応答情報、HARQ制御情報)を送信するために用いられる。
【0027】
PDCCH(物理下りリンク制御チャネル)および/またはEPDCCH(拡張物理下りリンク制御チャネル)は、下りリンク制御情報(Downlink Control Information : DCI)を送信するために用いられる。下りリンク制御情報を、DCIフォーマットとも称する。下りリンク制御情報は、下りリンクグラント(downlink grant)および/または上りリンクグラント(uplink grant)を含む。下りリンクグラントは、下りリンクアサインメント(downlink assignment)および/または下りリンク割り当て(downlink allocation)とも称する。
【0028】
1つの下りリンクグラントは、1つのサービングセル内の1つのPDSCHのスケジューリングに用いられる。下りリンクグラントは、該下りリンクグラントが送信されたサブフレームと同じサブフレーム内のPDSCHのスケジューリングに用いられる。
【0029】
1つの上りリンクグラントは、1つのサービングセル内の1つのPUSCHのスケジューリングに用いられる。上りリンクグラントは、該上りリンクグラントが送信されたサブフレームより4つ以上後のサブフレーム内のPUSCHのスケジューリングに用いられる。
【0030】
PDCCHで送信される上りリンクグラントは、DCIフォーマット0を含む。DCIフォーマット0に対応するPUSCHの送信方式は、シングルアンテナポートである。端末装置1は、DCIフォーマット0に対応するPUSCH送信のためにシングルアンテナポート送信方式を用いる。シングルアンテナポート送信方式が適用されるPUSCHは、1つのコードワード(1つのトランスポートブロック)の伝送に用いられる。
【0031】
PDCCHで送信される上りリンクグラントは、DCIフォーマット4を含む。DCIフォーマット4に対応するPUSCHの送信方式は、閉ループ空間多重である。端末装置1は、DCIフォーマット4に対応するPUSCH送信のために閉ループ空間多重送信方式を用いる。閉ループ空間多重送信方式が適用されるPUSCHは、2つまでのコードワード(2つまでのトランスポートブロック)の伝送に用いられる。
【0032】
下りリンクグラント、および/または、上りリンクグラントに付加されるCRC(Cyclic Redundancy Check)パリティビットは、C-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)、Temporary C-RNTI、SPS(Semi Persistent Scheduling)C-RNTIによってスクランブルされる。C-RNTIおよび/またはSPS C-RNTIは、セル内において端末装置を識別するための識別子である。Temporary C-RNTIは、コンテンションベースランダムアクセス手順の間に用いられる。
【0033】
C-RNTI(端末装置の識別子(識別情報))は、1つのサブフレームにおけるPDSCHおよび/またはPUSCHを制御するために用いられる。SPS C-RNTIは、PDSCHおよび/またはPUSCHのリソースを周期的に割り当てるために用いられる。Temporary C-RNTIは、ランダムアクセスメッセージ3の再送信、および/またはランダムアクセスメッセージ4の送信をスケジュールするために用いられる。
【0034】
PDSCH(物理下りリンク共用チャネル)は、下りリンクデータ(Downlink Shared Channel : DL-SCH)を送信するために用いられる。PDSCHは、ランダムアクセスメッセージ2(ランダムアクセスレスポンス)を送信するために用いられる。PDSCHは、ハンドオーバコマンドを送信するために用いられる。
【0035】
ランダムアクセスレスポンスは、ランダムアクセスレスポンスグラントを含む。ランダムアクセスレスポンスグラントは、PDSCHで送信される上りリンクグラントである。端末装置1は、ランダムアクセスレスポンスグラントに対応するPUSCH送信、および/または、同じトランスポートブロックに対する該PUSCH再送信のためにシングルアンテナポート送信方式を用いる。
【0036】
PMCHは、マルチキャストデータ(Multicast Channel : MCH)を送信するために用いられる。
【0037】
下りリンクの無線通信では、以下の下りリンク物理シグナルが用いられる。下りリンク物理シグナルは、上位層から出力された情報を送信するために使用されないが、物理層によって使用される。
・同期信号(Synchronization signal : SS)
・下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal : DL RS)
【0038】
同期信号は、端末装置1が下りリンクの周波数領域および/または時間領域の同期をとるために用いられる。
【0039】
下りリンク参照信号は、端末装置1が下りリンク物理チャネルの伝搬路補正を行うために用いられる。下りリンク参照信号は、端末装置1が下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。
【0040】
本実施形態において、以下の7つのタイプの下りリンク参照信号が用いられる。
・CRS(Cell-specific Reference Signal)
・PDSCHに関連するUERS(UE-specific Reference Signal)
・EPDCCHに関連するDMRS(Demodulation Reference Signal)
・NZP CSI-RS(Non-Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)
・ZP CSI-RS(Zero Power Chanel State Information-Reference Signal)
・MBSFN RS(Multimedia Broadcast and Multicast Service over Single Frequency Network Reference signal)
・PRS(Positioning Reference Signal)
【0041】
下りリンク物理チャネルおよび/または下りリンク物理シグナルを総称して、下りリンク信号と称する。上りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理シグナルを総称して、上りリンク信号と称する。下りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理チャネルを総称して、物理チャネルと称する。下りリンク物理シグナルおよび/または上りリンク物理シグナルを総称して、物理シグナルと称する。
【0042】
BCH、MCH、UL-SCHおよびDL-SCHは、トランスポートチャネルである。媒体アクセス制御(Medium Access Control : MAC)層で用いられるチャネルをトランスポートチャネルと称する。MAC層で用いられるトランスポートチャネルの単位を、トランスポートブロック(transport block : TB)および/またはMAC PDU(Protocol Data Unit)とも称する。MAC層においてトランスポートブロック毎にHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の制御が行われる。トランスポートブロックは、MAC層が物理層に渡す(deliver)データの単位である。物理層において、トランスポートブロックはコードワードにマップされ、コードワード毎に符号化処理が行われる。
【0043】
次に、本発明の第1の実施形態に係る無線フレームの概略構成の一例を説明する。
時間領域における種々のフィールドのサイズは、時間ユニットTs=1/(15000・2048)秒の数によって表現される。無線フレームの長さは、Tf=307200・Ts=10msである。それぞれの無線フレームは、時間領域において連続する10のサブフレームを含む。それぞれのサブフレームの長さは、Tsubframe=30720・Ts=1msである。それぞれのサブフレームiは、時間領域において連続する2つのスロットを含む。該時間領域において連続する2つのスロットは、無線フレーム内のスロット番号nsが2iのスロット、および/または、無線フレーム内のスロット番号nsが2i+1のスロットである。それぞれのスロットの長さは、Tslot=153600・ns=0.5msである。それぞれの無線フレームは、時間領域において連続する10のサブフレームを含む。それぞれの無線フレームは、時間領域において連続する20のスロット(ns=0,1,・・・,19)を含む。
【0044】
本実施形態において、以下の2つのタイプの上り参照信号もTA(Timing Advance、 Time alignment)を測る(測定する、計算する)ために用いられる。TAは、PUSCH送信やPUCCH送信等の送信タイミングである。
・DMRS(Demodulation Reference Signal)
・SRS (Sounding Reference Signal)
【0045】
DMRS(復調参照信号)は、PUCCH(Physical Uplink control Channel)および/またはPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と共に送信される。DMRSは、PUCCHおよび/またはPUSCHのリソースブロークに格納され、時間多重される。基地局装置3は、PUSCHおよび/またはPUCCHの伝搬路補正を行うためにDMRSを使用する。以下、PUSCHとDMRSを共に(多重して)送信することを、単にPUSCHを送信すると称する。以下、PUCCHとDMRSを共に(多重して)送信することを、単にPUCCHを送信すると称する。
【0046】
SRS(サウンディング参照信号)は、周波数スケジューリングを適用するための受信品質の測定やタイミング調整に用いられる。また、SRSは、PUSCHの送信やPUCCHの送信には関連しない。基地局装置3は、チャネル状態の測定のためにSRSを用いる。SRSは、上りリンクサブフレームにおける所定のシンボルにおいて送信される。具体的には、SRSは、最後のSC-FDMAシンボル、および/またはUpPTSにおけるSC-FDMAシンボルにおいて送信される。本実施形態では、基地局装置3A、基地局装置3Bは、SRSを利用してチャネル状態を把握してもよいし、上りタイミングを測定してもよい。
【0047】
上述したように、物理チャネルは、上位層から出力される情報を伝送するリソースエレメントのセットに対応する。物理信号は、物理層で使用され、上位層から出力される情報を伝送しない。つまり、無線リソース制御(Radio Resource Control : RRC)メッセージやシステム情報(System Information : SI)などの上位層の制御情報は、物理チャネルで伝送される。
【0048】
また、上述したように、下りリンク物理チャネルには、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)、物理報知情報チャネル(PBCH)、物理マルチキャストチャネル(PMCH)、物理制御フォーマットインディケータチャネル(PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリットARQインディケータチャネル(PHICH)、拡張物理下りリンク制御チャネル(EPDCCH)がある。なお、物理共用チャネル(Physical Shared Channel : PSCH)として、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)と、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)とを送信してもよい。
【0049】
また、上述したように、下りリンク物理信号は、種々の参照信号と種々の同期信号がある。下りリンク参照信号には、セル固有参照信号(CRS)、端末装置固有参照信号(UERS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)がある。同期信号には、プライマリー同期信号(Primary Synchronization Signal : PSS)とセカンダリー同期信号(Secondary Synchronization Signal : SSS)がある。
【0050】
同期信号(Synchronization Signal : SS)は、3種類のプライマリー同期信号(PSS)と、周波数領域で互い違いに配置される31種類の符号から構成されるセカンダリー同期信号(SSS)とで構成され、プライマリー同期信号とセカンダリー同期信号との組み合わせによって、基地局装置を識別する504通りのセル識別子(PCI(物理セルID) :(Physical layer Cell Identity、Physical Cell Identity、Physical Cell Identifier))と無線同期のためのフレームタイミングが示される。端末装置は、セルサーチによって受信した同期信号のセル識別子を特定する。
【0051】
種々の物理チャル/物理信号(PRACH、PUCCH、PUSCH、SRS、UL DMRS、CRS、CSI-RS、PDCCH、PDSCH、PSS/SSS、DL DMRS、PBCH、PMCHなど)を設定するために必要な情報要素は、同一セル内の端末装置間で共有する共有設定情報と、端末装置毎に設定される専用設定情報で構成される。共有設定情報は、システムインフォメーションで送信されてもよい。また、共有設定情報は、再設定を行う場合には、専用情報として送信されてもよい。
【0052】
次に、本実施形態における無線フレームの構成について説明する。
【0053】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る上りリンクスロットの概略構成の一例を示す図である。
無線フレームのそれぞれは、10ms長である。また、無線フレームのそれぞれは20個のスロットから構成される。スロットのそれぞれは、0.5ms長であり、0から19の番号がつけられる。サブフレームのそれぞれは、1ms長であり、2つの連続するスロットによって定義される。無線フレーム内のi番目のサブフレームは、(2×i)番目のスロットと(2×i+1)番目のスロットとから構成される。つまり、10ms間隔のそれぞれにおいて、10個のサブフレームが利用できる。
【0054】
スロットのそれぞれにおいて送信される信号および/または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現される。リソースグリッドは、複数のサブキャリアと複数のOFDMシンボルによって定義される。1つのスロットを構成するサブキャリアの数は、セルの上りリンクの帯域幅に依存する。1つのスロットを構成するOFDMシンボルの数は、標準サイクリックプレフィックス(NCP、Normal Cyclic Prefix)の場合、7である。また、1つのスロットを構成するOFDMシンボルの数は、NCPよりも長いCPが付与される拡張CP(ECP、Extended Cyclic Prefix)の場合、6である。つまり、1つのスロットを構成するOFDMシンボルの数は、付与されるCPの長さに基づいてもよい。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれをリソースエレメントと称する。リソースエレメントは、サブキャリアの番号とOFDMシンボルの番号とを用いて識別される。
【0055】
リソースブロックは、ある物理上りリンクチャネル(PUSCHなど)のリソースエレメントのマッピングを表現するために用いられる。リソースブロックは、仮想リソースブロックと物理リソースブロックが定義される。ある物理上りリンクチャネルは、まず仮想リソースブロックにマップされる。その後、仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマップされる。NCPの場合、1つの物理リソースブロックは、時間領域において7個の連続するOFDMシンボルと周波数領域において12個の連続するサブキャリアとから定義される。つまり、1つの物理リソースブロックは、(7×12)個のリソースエレメントから構成される。ECPの場合、1つの物理リソースブロックは、時間領域において6個の連続するOFDMシンボルと、周波数領域において12個の連続するサブキャリアとにより定義される。つまり、1つの物理リソースブロックは、(6×12)個のリソースエレメントから構成される。また、1つの物理リソースブロックは、時間領域において1つのスロットに対応し、周波数領域において180kHzに対応する。物理リソースブロックは、周波数領域において0から番号が付けられている。
【0056】
図3は、時間領域におけるサブフレーム(サブフレームタイプ、リソースユニット、時間間隔(Time Interval : TI)と称してもよい)の概略構成の一例を示す図である。 図3(A)は、サブフレーム内の時間リソースが全て下りリンク(Downlink)のリソースの場合であり、図3(B)は、サブフレーム内の先頭の一部のリソースが下りリンク(Dと示している)のリソースであり、ギャップを介して上りリンクの通信のためのリソースとなっている。例えば、図3(A)および/または図3(B)のオペレーションの一例として、下りリンクリソースを下りリンク制御チャネルとして適用し、下りリンク制御チャネルで送信されている下りリンク制御情報で下りリンクと指示されていれば図3(A)を時間リソースの構成であるとみなし、上りリンクと指示された場合には、図3(A)を時間リソースの構成であるとみなし、ギャップを介して残りの時間リソースで上りリンクの通信を行う。
【0057】
図3(C)は、サブフレーム内の先頭から下りリンクリソースとして図3(B)の下りリンクのリソースと上りリンクのリソースの割合と異なる。このオペレーションの一例として、下りリンクリソースで制御情報及び下りリンクデータを受信し、下りリンクデータに対するHARQ-ACKを、ギャップを介してHARQ-ACKのための上りリンクリソース(Uと示している)とみなす。
【0058】
図3(D)は、図3(B)および/または図3(C)の下りリンクリソースと上りリンクリソースの割合と異なる場合の一例である。例えば、図3(D)に示す例では、下りリンクリソースおよび/または上りリンクリソースで下りリンク制御情報及び下りリンクデータ通信、および/または上りリンク制御情報と上りリンクデータ通信をそれぞれ行うことができる。
【0059】
図3(E)は、サブフレーム内のリソースが全て上りリンクのリソースである場合を示している。例えば、大容量の上りリンクデータの送信を行う際に複数のサブフレームを使用する場合、端末装置は、上位層および/または時間的に前のサブフレームによる下りリンク制御情報のリソースから後のリソースが全て上りリンクのリソースであることを示す情報(および/またはパラメータ)を受信することで、図3(E)のようなサブフレームとみなすことができる。
【0060】
図3(A)から図3(E)における下りリンクパート(Downlinkおよび/またはDと示している時間リソース)、ギャップ、上りリンクパート(Uplinkおよび/またはUと示している時間リソース)の時間長(および/または時間間隔)は、基地局装置3により上位層で設定されてもよいし、下りリンク制御情報において無線リソースおよび/またはサブフレーム単位で設定されてもよい。
【0061】
次に本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3が端末装置1と通信に用いるサブキャリアのサブキャリア間隔について説明する。
【0062】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3と端末装置1との間の通信に用いられるサブキャリアのサブキャリア間隔の一例を示す概略図である。
図4(A)は、基地局装置3と端末装置1との間の通信に用いられるサブキャリアのサブキャリア間隔が15kHzであるときの一例である。図3(B)は、基地局装置3と端末装置1との間の通信に用いられるサブキャリアのサブキャリア間隔が30kHzであるときの一例である。図3(C)は、基地局装置3と端末装置1との間の通信に用いられるサブキャリアのサブキャリア間隔が60kHzであるときの一例である。
【0063】
基地局装置3および/または端末装置1は、異なる複数のサブキャリア間隔のサブキャリアを用いて通信を行ってもよい。すなわち、基地局装置3と端末装置1との間の通信は、図4(A)、図4(B)、図4(C)に示すような複数のサブキャリア間隔のサブキャリアのいずれか1つおよび/または複数を用いてもよい。
【0064】
ここで、図4(B)に図示するサブキャリア間隔は、例えば、図4(A)に図示するサブキャリア間隔の2の1乗倍のサブキャリア間隔であり、図4(C)に図示するサブキャリア間隔は、例えば、図4(A)に図示するサブキャリア間隔の2の2乗倍のサブキャリア間隔である。すなわち、基地局装置3と端末装置1とは、所定のサブキャリア間隔のサブキャリアと、該所定のサブキャリア間隔の2のべき乗倍のサブキャリア間隔のサブキャリアとを用いて通信を行ってもよい。
【0065】
なお、図4に示すサブキャリア間隔は一例であり、任意のサブキャリア間隔を用いてもよいし、該任意のサブキャリア間隔の2倍、3倍などのように任意の正数倍のサブキャリア間隔のサブキャリアを用いてもよいし、3のべき乗倍、4のべき乗倍のように任意の正数のべき乗倍のサブキャリア間隔のサブキャリアを用いてもよい。
【0066】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る異なるサブキャリア間隔のサブキャリアのそれぞれに対する周波数リソース割り当ての一例を示す概略図である。
また、図6は、本発明の第1の実施形態に係る異なるサブキャリア間隔のサブキャリアごとのリソースグリッドの一例を示す概略図である。
図5図6に図示する例では、周波数軸上において、NRに用いられるシステム帯域幅のうち、15kHzのサブキャリア間隔のサブキャリアを用いた通信と、60kHzのサブキャリア間隔のサブキャリアを用いた通信とに対して、それぞれ周波数リソースが割り当てられている。また、図5図6に図示する例では、周波数軸上において、60kHzのサブキャリア間隔のサブキャリアを用いた通信に対して割り当てられた周波数リソースが、30kHzのサブキャリア間隔のサブキャリアを用いた通信に対しても割り当てられている。
【0067】
次に、端末装置1における基地局装置3への初期アクセス手順について説明する。
【0068】
初期アクセスでは、端末装置1は下記の処理を行う。
・F1: ID detection
・F2: 荒い時間領域同期
・F3: 荒い周波数同期
・F4: 高精度な時間/周波数同期
・F5: フレーム同期
・F6: サブフレーム同期
【0069】
端末装置1は、初期アクセスとして基地局装置3の接続可能なセル(ビーム)を探索(セル(ビーム)サーチ)する。各セル(ビーム)は、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)により特定される。端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS)を検出する。例えば、端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出、同定)してもよい(F1、F2、F3ができる)。このとき、PSSの時間位置が無線フレーム内において仕様で定められている場合には無線フレームの同期もできる(F5ができる)。
【0070】
また、端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS)を検出する。例えば、端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS)を検出することにより、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)を特定(決定、検出、同定)してもよい(F1ができる)。このとき、セカンダリー同期信号(SSS)の時間位置やセカンダリー同期信号(SSS)の信号生成法が無線フレーム内のサブフレームやスロットに基づいていれば、サブフレーム同期もできる(F6ができる)。
【0071】
また、端末装置1は、プライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)に関連する情報を取得し、セカンダリー同期信号(SSS)を検出することができる。端末装置1は、プライマリー同期信号(PSS)、セカンダリー同期信号(SSS)の検出により、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。この場合、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得できなければ、セカンダリー同期信号(SSS)を正しく検出することができない。
【0072】
すなわち、端末装置1は、セル(ビーム)サーチにより、プライマリー同期信号(PSS)およびセカンダリー同期信号(SSS)のいずれか一方または両方を検出することでアイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)を特定(決定、検出、同定)する。端末装置1は、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)を特定(決定、検出、同定)することで、物理報知情報チャネル(PBCH)の受信することができる。
以下の説明において、プライマリー同期信号(PSS)を第1の同期信号とも称し、セカンダリー同期信号(SSS)を第2の同期信号とも称する。
【0073】
物理報知情報チャネル(PBCH)では、マスターインフォメーションブロック(MIB)が報知される。マスターインフォメーションブロック(MIB)には、サブキャリア間隔、システム帯域幅(dl-Bandwidth)、時間/周波数オフセット、時間/周波数リソース、システムフレーム番号(System frame number)、参照位置(Reference point)などの情報が含まれてもよい。参照位置(Reference point)の情報は、マスターインフォメーションブロック(MIB)の中心周波数、参照信号の位置、マスターインフォメーションブロック(MIB)が送信(報知)されるシステム帯域の周波数範囲などの情報が含まれてもよい。
【0074】
なお、参照位置(Reference point)の情報は、第2の同期信号(セカンダリー同期信号(SSS))に含まれてもよいし、第1の同期信号(PSS)、第2の同期信号(SSS)とは異なる第3の同期信号に含まれてもよいし、他の制御情報やパラメータなどに含まれてもよい。この場合、端末装置1は、参照位置(Reference point)に基づいてMIBを検出してもよいしブラインドデコーディングしてもよい。また、参照位置は、予め定められていてもよい。
また、サブキャリア間隔ごとに専用のマスターインフォメーションブロック(MIB)を用いてもよいし、あるサブキャリア間隔のマスターインフォメーションブロック(MIB)に異なるサブキャリア間隔のマスターインフォメーションブロック(MIB)を含めてもよい。
【0075】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3と端末装置1との初期アクセス手順の一例を示す概略図である。
基地局装置3は、所定周期で第1の同期信号(PSS)を、第1のサブキャリア間隔(例えば15kHzのサブキャリア間隔)で送信する。
また、基地局装置3は、所定周期で第2の同期信号(SSS)を、第1のサブキャリア間隔(例えば15kHzのサブキャリア間隔)で送信する。
端末装置1は、セルサーチ(ビームサーチ)を行い、基地局装置3から所定周期で送信される第1の同期信号(PSS)を検出する。端末装置1は、第1のサブキャリア間隔で送信された第1の同期信号(PSS)を検出すると、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)に関連する情報を取得する。端末装置1は、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)に関連する情報を取得すると、基地局装置3から所定周期で送信される第2の同期信号(SSS)を検出する。
【0076】
ここで、同期信号の周波数(搬送周波数・中心周波数)は、周波数間隔のラスタ単位で定められる。例えば、端末装置1は、100kHz間隔のラスタに対して第1の同期信号(PSS)の検出を行う。
【0077】
また、第2の同期信号(SSS)の時間リソースは、第1の同期信号(PSS)から特定されてもよい。第2の同期信号(SSS)の周波数リソースは、第1の同期信号(PSS)から特定されてもよい。第2の同期信号(SSS)をサーチする時間(タイミング)は、第1の同期信号(PSS)と時間を共有し、第1の同期信号の時間境界で第2の同期信号(SSS)を検出してもよい。また、第1の同期信号(PSS)のアイデンティティから第2の同期信号(SSS)の時間リソースが特定されてもよい。
【0078】
また、第1の参照信号および/または第2の参照信号の時間リソースおよび/または周波数リソースは、第1の同期信号(PSS)および/または第2の同期信号(SSS)の時間リソースおよび/または周波数リソースおよび/またはアイデンティティから特定されてもよい。第1の参照信号および/または第2の参照信号が配置される時間リソースおよび/または周波数リソースの範囲は、第1の同期信号(PSS)および/または第2の同期信号(SSS)の時間リソースおよび/または周波数リソースおよび/またはアイデンティティから特定されてもよい。前記時間リソースおよび/または周波数リソースの範囲の中に配置される第1の参照信号および/または第2の参照信号の時間および/または周波数リソースは、端末装置1によって検出されてもよい。第1の参照信号および/または第2の参照信号は、任意のサブキャリア間隔で時間および/または周波数リソースが定められてもよい。端末装置1は、任意のサブキャリア間隔で、第1の参照信号および/または第2の参照信号を検出してもよい。
【0079】
端末装置1は、第1の同期信号(PSS)および/または第2の同期信号(SSS)により、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)を特定(検出、決定、同定)する。端末装置1は、特定(検出、決定)したアイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)に基づいて、第1のサブキャリア間隔(例えば15kHzのサブキャリア間隔)とは異なる第2のサブキャリア間隔(例えば30kHzのサブキャリア間隔)で送信される第1の参照信号を受信する。第1の参照信号は、第2のサブキャリア間隔(例えば、30kHzのサブキャリア間隔)に対して定められた時間リソースおよび/または周波数リソースに配置(マップ)される。ここで、時間リソースおよび/または周波数リソースをリソースエレメントとも称する。換言すれば、リソースエレメントは時間リソースおよび/または周波数リソースによって規定される。
【0080】
なお、図示する例のように、第2の参照信号が送信されるサブキャリア間隔が第1の同期信号および/または第2の同期信号が送信されるサブキャリア間隔と同じサブキャリア間隔であってもよいし、第1の同期信号および/または第2の同期信号が送信されるサブキャリア間隔と、第1の参照信号が送信されるサブキャリア間隔と、第2の参照信号が送信されるサブキャリア間隔とがそれぞれ異なっていてもよい。
【0081】
第1の参照信号および/または第2の参照信号を用いてデータ通信ができる程度の高精度な同期(例えば、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform : FFT)の窓同期や、周波数オフセットの補償)ができる(F4ができる)。
【0082】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3によりマッピングされた第1のサブキャリア間隔で送信される参照信号の一例を示す概略図である。
図9は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3によりマッピングされた第2のサブキャリア間隔で送信される参照信号の一例を示す概略図である。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3によりマッピングされた第3のサブキャリア間隔で送信される参照信号の一例を示す概略図である。
具体的には、図8に示す例では、15KHzのサブキャリア間隔用の参照信号のマッピングの一例であり、図9に示す例では、30KHzのサブキャリア間隔用の参照信号のマッピングの一例であり、図10に示す例では、60KHzのサブキャリア間隔用の参照信号のマッピングの一例である。
【0083】
図8図9図10に図示する例は、1つのサブフレーム内の2つのリソースブロック(Resource Block : RB)ペアを示している。1つのリソースブロックは、周波数方向に予め定められた数のサブキャリアと、時間方向に予め定められた数のOFDMシンボルで構成される。1つのOFDMシンボルのうち、それぞれのサブキャリアをリソースエレメント(Resource Element : RE)と呼ぶ。
【0084】
ここで、リソースブロックは、通信システムが用いる周波数帯域幅(システム帯域幅)に応じて、その数を変えることができる。例えば、所定数のリソースブロックを用いることができ、それを1つの単位としてコンポーネントキャリア(Component Carrier、Carrier Component :CC)とも呼ぶ。
【0085】
例えば、参照信号(Reference Signal)は、図中の黒塗りで示すリソースエレメントにマッピングされる。ここで、図示する例は、1つのアンテナポート(One antenna port)の場合の一例であるが、その数を変えることができ、例えば、2つのアンテナポート(Two antenna port)、4つのアンテナポート(Four antenna port)に対する参照信号をマッピングすることも可能である。また、図示する例は、アンテナポートXの場合である場合の一例であるが、CRSは、所定数のアンテナポート(アンテナポート0からX)に設定することができる。
【0086】
なお、データ信号や制御信号は、図中の白塗りのリソースエレメントにマッピングされる。なお、CSI-RS、DMRSなどのその他の参照信号がマッピングされてもよい。
【0087】
なお、図8図9図10では、時間周領域および/または周波数領域においてスキャッタード構成で配置されているが、特定のOFDMシンボルの全サブキャリアに参照信号(RS)が配置されてもよい。例えば、サブフレームの先頭のAシンボル(Aは1より大きい整数)のみが参照信号(RS)シンボルであってもよい。
【0088】
以下、本発明の第1の実施形態における端末装置1、基地局装置3の構成について説明する。
【0089】
図11は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置1の構成の一例を示す概略ブロック図である。
端末装置1は、処理部101と、制御部103と、受信部105と、送信部107と、送受信アンテナ部109と、を含んで構成される。また、処理部101は、無線リソース制御部1011と、スケジューリング情報解釈部1013と、を含んで構成される。また、受信部105は、復号化部1051と、復調部1053と、多重分離部1055と、無線受信部1057と、チャネル測定部1059と、を含んで構成される。また、送信部107は、符号化部1071と、変調部1073と、多重部1075と、無線送信部1077と、上りリンク参照信号生成部1079と、を含んで構成される。
なお、端末装置1の各機能部を1つ又は複数の集積回路によって実現可能に構成にしてもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0090】
処理部101は、ユーザの操作等により生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、送信部107に出力する。また、処理部101は、媒体アクセス制御(Medium Access Control : MAC)、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol : PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control : RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control : RRC)層等の処理を行う。
【0091】
処理部101が備える無線リソース制御部1011は、自装置の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御部1011は、基地局装置3から受信した上位層の信号に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。すなわち、無線リソース制御部1011は、基地局装置3から受信した各種設定情報/パラメータを示す情報に基づいて各種設定情報/パラメータをセットする。また、無線リソース制御部1011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部107に出力する。無線リソース制御部1011を設定部1011とも称する。
【0092】
ここで、処理部101が備えるスケジューリング情報解釈部1013は、受信部105を介して受信したDCIフォーマット(スケジューリング情報、ULグラント)を解釈(解析)し、該DCIフォーマットを解釈した結果(解析結果)に基づき、受信部105、および送信部107の制御を行うために制御情報を生成し、制御部103に出力する。
【0093】
また、制御部103は、処理部101からの制御情報に基づいて、受信部105、および送信部107の制御を行う制御信号を生成する。制御部103は、生成した制御信号を受信部105、および送信部107に出力して受信部105、および送信部107の制御を行う。
【0094】
また、受信部105は、制御部103から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ部109を介して基地局装置3から受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を処理部101に出力する。
【0095】
また、無線受信部1057は、送受信アンテナ部109を介して受信した下りリンクの信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換し(ダウンコンバート: Down Covert)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1057は、変換したディジタル信号からCP(Cyclic Prefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform : FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。無線受信部1057において行われる処理の詳細は後述する。
【0096】
また、多重分離部1055は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、PDSCH、および、下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。また、多重分離部1055は、チャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値から、PHICH、PDCCH、PDSCHの伝搬路の補償を行う。また、多重分離部1055は、分離した下りリンク参照信号をチャネル測定部1059に出力する。
【0097】
また、復調部1053は、PHICHに対して対応する符号を乗算して合成し、合成した信号に対してBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式の復調を行い、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、自装置宛てのPHICHを復号し、復号したHARQインディケータを処理部101に出力する。復調部1053は、PDCCHに対して、QPSK変調方式の復調を行い、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、PDCCHの復号を試み、復号に成功した場合、復号した下りリンク制御情報と下りリンク制御情報が対応するRNTIとを処理部101に出力する。
【0098】
また、復調部1053は、PDSCHに対して、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等の下りリンクグラントで通知された変調方式の復調を行い、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、下りリンク制御情報で通知された符号化率に関する情報に基づいて復号を行い、復号した下りリンクデータ(トランスポートブロック)を処理部101へ出力する。
【0099】
また、チャネル測定部1059は、多重分離部1055から入力された下りリンク参照信号から下りリンクのパスロスやチャネルの状態を測定し、測定したパスロスやチャネルの状態を処理部101へ出力する。また、チャネル測定部1059は、下りリンク参照信号から下りリンクの伝搬路の推定値を算出し、多重分離部1055へ出力する。チャネル測定部1059は、CQI(CSIでもよい)の算出のために、チャネル測定、および/または/および/または、干渉測定を行う。
【0100】
また、送信部107は、制御部103から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、処理部101から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および/または変調し、PUCCH、PUSCH、および/または生成した上りリンク参照信号を多重し、送受信アンテナ部109を介して基地局装置3に送信する。また、送信部107は、上りリンク制御情報を送信する。
【0101】
また、符号化部1071は、処理部101から入力された上りリンク制御情報を畳み込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行う。また、符号化部1071は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づきターボ符号化を行う。
【0102】
また、変調部1073は、符号化部1071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式および/または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。変調部1073は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づき、空間多重されるデータの系列の数を決定し、MIMO(Multiple Input Multiple Output)、SM(Spatial Multiplexing)を用いることにより同一のPUSCHで送信される複数の上りリンクデータを、複数の系列にマッピングし、この系列に対してプレコーディング(precoding)を行う。
【0103】
また、上りリンク参照信号生成部1079は、基地局装置3を識別するための物理レイヤセル識別子(Physical layer cell identity : PCI、Cell IDなどと称する。)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値などを基に、予め定められた規則(式)で求まる系列を生成する。多重部1075は、制御部103から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform :DFT)する。また、多重部1075は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する。つまり、多重部1075は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎にリソースエレメントに配置する。
【0104】
また、無線送信部1077は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform : IFFT)して、SC-FDMAシンボルを生成し、生成されたSC-FDMAシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、ローパスフィルタを用いて余分な周波数成分を除去し、搬送波周波数にアップコンバート(up convert)し、電力増幅し、送受信アンテナ部109に出力して送信する。
【0105】
図12は、本発明の第1の実施形態に係る端末装置1の無線受信部1057の構成の一例を示す概略ブロック図である。
無線受信部1057は、RF(Radio Frequency)部110と、A/D(Analog to Digital)変換部111と、PSS受信部112と、SSS受信部113と、ID検出部114と、参照信号受信部115と、RSRP(Reference Signal Received Power)算出部116と、MIB検出部117と、を含んで構成される。
【0106】
RF部110は、送受信アンテナ部109を介して受信した信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換(ダウンコンバート: Down covert)し、不要な周波数成分を除去する。RF部110は、不要な周波数成分を除去する処理を施したアナログ信号をA/D変換部111に出力する。
【0107】
A/D変換部111は、RF部110から入力されたアナログ信号を、ディジタル信号に変換する。A/D変換部111は、変換したディジタル信号からCP(Cyclic Prefix)に相当する部分を除去し、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。A/D変換部111は、抽出した周波数領域の信号をPSS受信部112と、SSS受信部113と、参照信号受信部115と、RSRP算出部116と、MIB検出部117と、に出力する。
【0108】
PSS受信部112(第1の受信部、第1の同期信号受信部ともいう。)は、初期アクセスとして基地局装置3の接続可能なセル(ビーム)を探索(セル(ビーム)サーチ)する。各セル(ビーム)は、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)により特定される。PSS受信部112は、A/D変換部111から入力された周波数領域の信号から基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS、第1の同期信号)を検出する。PSS受信部112は、検出したプライマリー同期信号(PSS、第1の同期信号)をID検出部114に出力する。
【0109】
SSS受信部113(第2の受信部、第2の同期信号受信部ともいう。)は、A/D変換部111から入力された周波数領域の信号から基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS、第2の同期信号)を検出する。SSS受信部113は、検出したセカンダリー同期信号(SSS、第2の同期信号)をID検出部114に出力する。
【0110】
ID検出部114(アイデンティティ検出部、検出部ともいう。)は、PSS受信部112が検出した基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS)により、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。また、ID検出部114は、SSS受信部113が検出した基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS)により、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
【0111】
また、ID検出部114は、PSS受信部112がプライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得し、取得したアイデンティティに関連する情報をSSS受信部113に出力してもよい。この場合、SSS受信部113は、該アイデンティティに関連する情報によりセカンダリー同期信号(SSS)を検出することができる。
【0112】
また、ID検出部114は、プライマリー同期信号(PSS)、セカンダリー同期信号(SSS)の検出により、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。この場合、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得できなければ、セカンダリー同期信号(SSS)を正しく検出することができない。
【0113】
すなわち、ID検出部114は、セル(ビーム)サーチにより、周波数領域の信号からPSS受信部112および/またはSSS受信部113がプライマリー同期信号(PSS)および/またはセカンダリー同期信号(SSS)のいずれか一方または両方を検出することでアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
ID検出部114は、特定(決定、検出)したアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を、参照信号受信部115と、MIB検出部117とに出力する。
MIB検出部117は、ID検出部114がアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)し、特定(決定、検出)したアイデンティティに基づいて、物理報知情報チャネル(PBCH)を介してシステムインフォメーションブロック(MIB)を受信(検出)する。なお、MIB検出部117は、参照信号受信部115が受信した参照信号に基づいてシステムインフォメーションブロック(MIB)を受信(検出)してもよい。
【0114】
また、参照信号受信部115は、参照信号を受信する。参照信号は、システムインフォメーションブロック(MIB)とともにリソースエレメントにマップされる。例えば、参照信号受信部115は、15kHzのサブキャリア間隔に対して定められたリソースエレメントに配置された参照信号を受信してもよいし、30kHzのサブキャリア間隔に対して定められたリソースエレメントに配置された参照信号を受信してもよいし、60kHzのサブキャリア間隔に対して定められたリソースエレメントに配置された参照信号を受信してもよい。なお、本実施形態では、説明の便宜上、参照信号受信部115が受信する参照信号を第1の参照信号、第2の参照信号、第3の参照信号のように区別するときがある。
【0115】
RSRP算出部116は、参照信号受信部115が受信した参照信号から参照信号受信電力(RSRP)を算出(測定)してもよい。また、参照信号受信電力(RSRP)は、考慮される周波数帯域内の参照信号が配置されたリソースエレメントの線形平均電力により定義される。考慮される周波数帯域は、基地局装置3によって指示されてもよいし、上位層によって指示されてもよい。また、考慮される周波数帯域には、参照信号受信電力(RSRP)の算出(測定)用の参照信号が配置されていることが保証されていてもよい。参照信号の検出に基づいて上位層により指示される場合、RSRP算出部116は、参照信号を検出したサブフレームにおいて参照信号受信電力(RSRP)を算出(測定)してもよい。また、他のサブフレームに参照信号が存在していることを検出することができる場合、RSRP算出部116は、それらのサブフレームを用いて参照信号受信電力(RSRP)を算出(測定)してもよい。
【0116】
なお、RSRP算出部116は、それぞれのサブキャリア間隔のリソースエレメントに配置された参照信号に基づいて参照信号受信電力(RSRP)を算出(測定)してもよい。また、RSRP算出部116は、算出した参照信号受信電力(RSRP)を、送信部107を介して基地局装置3に送信(報告)してもよいし、チャネル測定部1059、処理部101を介して基地局装置3に送信(報告)してもよい。
【0117】
図13は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3の構成の一例を示す概略ブロック図である。
基地局装置3は、処理部301と、制御部303と、受信部305と、送信部307と、送受信アンテナ部309と、を含んで構成される。また、処理部301は、無線リソース制御部3011と、スケジューリング部3013と、を含んで構成される。また、受信部305は、復号化部3051と、復調部3053と、多重分離部3055と、無線受信部3057と、チャネル測定部3059と、を含んで構成される。また、送信部307は、符号化部3071と、変調部3073と、多重部3075と、無線送信部3077と、下りリンク参照信号生成部3079と、を含んで構成される。
なお、基地局装置3の各機能部を1つ又は複数の集積回路によって実現可能に構成にしてもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0118】
処理部301は、媒体アクセス制御(Medium Access Control : MAC)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol : PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control : RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行う。また、処理部301は、受信部305、および送信部307の制御を行うために制御情報を生成し、制御部303に出力する。
【0119】
また、処理部301が備える無線リソース制御部3011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ、MAC CE(Control Element)などを生成し、又は上位ノードから取得し、送信部307に出力する。また、無線リソース制御部3011は、端末装置1各々の各種設定情報/パラメータの管理をする。無線リソース制御部3011は、上位層の信号を介して端末装置1各々に対して各種設定情報/パラメータをセットしてもよい。すなわち、無線リソース制御部1011は、各種設定情報/パラメータを示す情報を送信/報知する。無線リソース制御部3011を設定部3011とも称する。
【0120】
また、処理部301が備えるスケジューリング部3013は、受信したチャネル状態情報および/またはチャネル測定部3059から入力された伝搬路の推定値やチャネルの品質などから、物理チャネル(PDSCH、および/またはPUSCH)を割り当てる周波数および/またはサブフレーム、物理チャネル(PDSCH、および/またはPUSCH)の符号化率および/または変調方式および/または送信電力などを決定する。スケジューリング部3013は、スケジューリング結果に基づき、受信部305、および/または送信部307の制御を行うために制御情報(例えば、DCIフォーマット)を生成し、制御部303に出力する。スケジューリング部3013は、さらに、送信処理および/または受信処理を行うタイミングを決定する。
【0121】
また、制御部303は、処理部301からの制御情報に基づいて、受信部305、および/または送信部307の制御を行う制御信号を生成する。制御部303は、生成した制御信号を受信部305、および/または送信部307に出力して受信部305、および/または送信部307の制御を行う。
【0122】
また、受信部305は、制御部303から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ部309を介して端末装置1から受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を処理部301に出力する。無線受信部3057は、送受信アンテナ部309を介して受信された上りリンクの信号を、直交復調によりベースバンド信号に変換し(ダウンコンバート: Down Covert)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および/または直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。また、受信部305は、上りリンク制御情報を受信する。
【0123】
また、無線受信部3057は、変換したディジタル信号からCP(Cyclic Prefix)に相当する部分を除去する。無線受信部3057は、CPを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform : FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出し多重分離部3055に出力する。
【0124】
また、多重分離部1055は、無線受信部3057から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号などの信号に分離する。尚、この分離は、予め基地局装置3が無線リソース制御部3011で決定し、各端末装置1に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割り当て情報に基づいて行われる。また、多重分離部3055は、チャネル測定部3059から入力された伝搬路の推定値から、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行う。また、多重分離部3055は、分離した上りリンク参照信号をチャネル測定部3059に出力する。
【0125】
また、復調部3053は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform : IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、16QAM、64QAM等の予め定められた、および/または自装置が端末装置1各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行う。復調部3053は、端末装置1各々に上りリンクグラントで予め通知した空間多重される系列の数と、この系列に対して行うプリコーディングを指示する情報に基づいて、MIMO SMを用いることにより同一のPUSCHで送信された複数の上りリンクデータの変調シンボルを分離する。
【0126】
また、復号化部3051は、復調されたPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、又は自装置が端末装置1に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行い、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号化部3051は、処理部301から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、復調された符号化ビットを用いて復号を行う。チャネル測定部3059は、多重分離部3055から入力された上りリンク参照信号から伝搬路の推定値、チャネルの品質などを測定し、多重分離部3055および/または処理部301に出力する。
【0127】
また、送信部307は、制御部303から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、処理部301から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、下りリンクデータを符号化、および/または変調し、PHICH、PDCCH、PDSCH、および/または、下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ部309を介して端末装置1に信号を送信する。
【0128】
また、符号化部3071は、処理部301から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および/または下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行う、および/または無線リソース制御部3011が決定した符号化方式を用いて符号化を行う。変調部3073は、符号化部3071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の予め定められた、および/または無線リソース制御部3011が決定した変調方式で変調する。
【0129】
また、下りリンク参照信号生成部3079は、基地局装置3を識別するための物理レイヤセル識別子(PCI)などを基に予め定められた規則で求まる、端末装置1が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。多重部3075は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号を多重する。つまり、多重部3075は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号をリソースエレメントに配置する。
【0130】
また、無線送信部3077は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform : IFFT)して、OFDMシンボルを生成し、生成したOFDMシンボルにCPを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、ローパスフィルタにより余分な周波数成分を除去し、搬送波周波数にアップコンバート(Up Convert)し、電力増幅し、送受信アンテナ部309に出力して送信する。
【0131】
図14は、本発明の第1の実施形態に係る基地局装置3と端末装置1の初期アクセス手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、端末装置1は、初期アクセスとして基地局装置3の接続可能なセル(ビーム)を探索(セル(ビーム)サーチ)する。端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS、第1の同期信号)を受信(検出)する。
【0132】
ステップS102において、端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS、第2の同期信号)を受信(検出)する。
【0133】
ステップS103において、端末装置1は、受信(検出)した第1の同期信号(PSS)と第2の同期信号(SSS)とからアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を決定(特定、検出)する。
なお、ステップS103において、端末装置1は、プライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得し、ステップS102において、セカンダリー同期信号(SSS)を検出し、ステップS103において、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出、同定)してもよい。この場合、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得できなければ、セカンダリー同期信号(SSS)を正しく検出することができない。
【0134】
なお、ステップS101において端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、ステップS102を実行せずにステップS103において、第1の同期信号に基づいてアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
なお、端末装置1は、ステップS101を実行せずにステップS102において基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS)を検出することにより、ステップS103において第2の同期信号に基づいてアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
【0135】
すなわち、ステップS103において、端末装置1は、セル(ビーム)サーチにより、プライマリー同期信号(PSS、第1の同期信号)およびセカンダリー同期信号(SSS、第2の同期信号)のいずれか一方または両方の検出によりアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出、同定)してもよい。
【0136】
ステップS104において、端末装置1は、決定(特定、検出)したアイデンティティに基づいて、第2のサブキャリア間隔(例えば30kHzのサブキャリア間隔)で、第1の参照信号を受信する。この第1の参照信号は、第2のサブキャリア間隔(例えば30kHzのサブキャリア間隔)に対して定められたリソースエレメントに配置されている。リソースエレメントとは、時間リソースおよび/または周波数リソースのことである。
【0137】
このように、第1の実施形態に係る端末装置1は、第1のサブキャリア間隔(例えば、15kHzのサブキャリア間隔)で第1の同期信号(PSS)を受信する第1受信部(PSS受信部112)と、前記第1のサブキャリア間隔(例えば、15kHzのサブキャリア間隔)で第2の同期信号(SSS)を受信する第2受信部(SSS受信部113)と、前記第1の同期信号および/または前記第2の同期信号からアイデンティティを検出する検出部(ID検出部114)と、前記アイデンティティに基づいて、前記第1のサブキャリア間隔とは異なる第2のサブキャリア間隔(例えば、30kHzのサブキャリア間隔)で第1の参照信号を受信する第3受信部(参照信号受信部115)と、を備え、前記第1の参照信号は、前記第2のサブキャリア間隔に対して定められた時間リソースおよび/または周波数リソースに配置される。
【0138】
このような構成によれば、異なる複数のサブキャリア間隔のサブキャリアを用いて通信を行う場合であっても、端末装置1および基地局装置3は、効率的に通信を行うことができる。
【0139】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、端末装置1が参照信号に基づいてシステムインフォメーションブロック(MIB)を復調(復号)する場合、および/または参照信号に基づいて参照信号受信電力を算出(測定)、該参照信号受信電力を基地局装置3に報告(送信)する場合について説明する。
なお、端末装置1の構成、基地局装置3の構成はそれぞれ第1の実施形態と同様であるため、説明および図示を省略する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0140】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る基地局装置3と端末装置1の初期アクセス手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS201において、端末装置1は、初期アクセスとして基地局装置3の接続可能なセル(ビーム)を探索(セル(ビーム)サーチ)する。端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS、第1の同期信号)を受信(検出)する。
【0141】
ステップS202において、端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS、第2の同期信号)を受信(検出)する。
【0142】
ステップS203において、端末装置1は、受信(検出)した第1の同期信号(PSS)と第2の同期信号(SSS)とからアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を決定(特定、検出)する。
なお、ステップS203において、端末装置1は、プライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得し、ステップS202において、セカンダリー同期信号(SSS)を検出し、ステップS203において、アイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。この場合、アイデンティティ(物理セルID、ビームID)に関連する情報を取得できなければ、セカンダリー同期信号(SSS)を正しく検出することができない。
【0143】
なお、ステップS201において端末装置1は、基地局装置3が所定周期で送信するプライマリー同期信号(PSS)を検出することにより、ステップS102を実行せずにステップS203において、第1の同期信号に基づいてアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
なお、端末装置1は、ステップS201を実行せずにステップS202において基地局装置3が所定周期で送信するセカンダリー同期信号(SSS)を検出することにより、ステップS203において第2の同期信号に基づいてアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
【0144】
すなわち、ステップS203において、端末装置1は、セル(ビーム)サーチにより、プライマリー同期信号(PSS、第1の同期信号)およびセカンダリー同期信号(SSS、第2の同期信号)のいずれか一方または両方の検出によりアイデンティティ(物理セルID、ビームIDなど)を特定(決定、検出)してもよい。
【0145】
ステップS204において、端末装置1は、決定(特定、検出)したアイデンティティに基づいて、第2のサブキャリア間隔(例えば30kHzのサブキャリア間隔)で、第1の参照信号を受信する。この第1の参照信号は、第2のサブキャリア間隔(例えば30kHzのサブキャリア間隔)に対して定められたリソースエレメントに配置されている。リソースエレメントとは、時間リソースおよび/または周波数リソースのことである。
【0146】
ステップS205において、端末装置1は、第1の参照信号に基づいて、第1の重要システム情報(30kHzのサブキャリア間隔のシステムインフォメーションブロック(MIB))を復調(復号)する。
【0147】
ステップS206において、端末装置1は、第1の参照信号に基づいて、第1の参照信号の参照信号受信電力(RSRP)を算出(測定)する。
なお、ステップS206において、端末装置1は、基地局装置3に対して算出(測定)した第1の参照信号の参照信号受信電力(RSRP)を報告(送信)してもよい。
【0148】
なお、端末装置1は、ステップS205を実行せずにステップS206を実行してもよい。
【0149】
このように、第2の実施形態に係る端末装置1は、第1のサブキャリア間隔(例えば、15kHzのサブキャリア間隔)で第1の同期信号(PSS)を受信する第1受信部(PSS受信部112)と、前記第1のサブキャリア間隔(例えば、15kHzのサブキャリア間隔)で第2の同期信号(SSS)を受信する第2受信部(SSS受信部113)と、前記第1の同期信号および/または前記第2の同期信号からアイデンティティを検出する検出部(ID検出部114)と、前記アイデンティティに基づいて、前記第1のサブキャリア間隔とは異なる第2のサブキャリア間隔(例えば、30kHzのサブキャリア間隔)で第1の参照信号を受信する第3受信部(参照信号受信部115)と、を備え、前記第1の参照信号は、前記第2のサブキャリア間隔に対して定められた時間リソースおよび/または周波数リソースに配置される。
また、前記端末装置1は、前記第1の参照信号に基づいて第1の重要システム情報(MIB)を復調してもよい。
また、前記端末装置1は、前記第1の参照信号に基づいて第1の参照信号受信電力(RSRP)を算出する参照信号電力算出部(RSRP算出部116)をさらに備えでもよい。
また、前記端末装置1は、前記第1の参照信号受信電力を基地局装置3に報告してもよい。
【0150】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の同期信号(PSS)と第2の同期信号(SSS)に加え、所定のサブキャリア間隔で送信される第3の同期信号(Common Synchronization Signal : CSS)が送信される。ここで、前述の実施形態では第1の同期信号(PSS)が所定のサブキャリア間隔の実施形態で説明したが、本実施形態では、第1の同期信号(PSS)と第2の同期信号(SSS)とが、データに用いるサブキャリア間隔と同じサブキャリア間隔で送信される。
【0151】
図16は、本発明の第3の実施形態に係る基地局装置3と端末装置1との初期アクセス手順の一例を示す概略図である。
【0152】
端末装置1は、複数のサブキャリア間隔の中から、仕様書で予め定められた(例えば1つの)サブキャリア間隔においてCSSの検出を行う。
【0153】
第3の同期信号(CSS)は、例えばZadoff-Chu系列をサブキャリアにマップして送信され、Zadoff-Chu系列のルートインデックスは第1の同期信号(PSS)の送信に用いられるサブキャリア間隔 (例えば、30kHz)を与えるために用いられてよい。
【0154】
例えば、「15」、「30}、「15、30」kHzといった第1の同期信号(PSS)のサブキャリア間隔の候補および/またはサブキャリア間隔を示すインデックをルートインデックスで示してもよい。また、Zadoff-Chu系列のルートインデックスと、Zadoff-Chu系列を用いて生成された信号に乗算するカバーコード(例えば、アダマール系列やM系列、PN系列、Gold系列など)および/またはサイクリックシフトのインデックスが「15」、「30」、「15、30」kHzといった第1の同期信号(PSS)のサブキャリア間隔の候補および/またはサブキャリア間隔を示してもよい。
【0155】
第3の同期信号(CSS)のルートインデックスから第1の同期信号(PSS)のサブキャリア間隔を把握し、端末装置1は、把握したサブキャリア間隔(例えば、30kHz)で第1の同期信号(Primary Synchronization Signal : PSS)を受信する。
【0156】
また、第3の同期信号(CSS)のルートインデックスから第1の同期信号(PSS)のサブキャリア間隔の候補が複数存在する場合、端末装置1は、例えば狭い、あるいは広いサブキャリア間隔で第1の同期信号(PSS)の検出を行ってもよい。また、端末装置1の能力に応じて第1の同期信号(PSS)の検出を行ってもよい。また、端末装置1が希望するサブキャリア間隔(端末装置1が希望するサービスに対応するサブキャリア間隔)で第1の同期信号(PSS)の検出を行ってもよい。
【0157】
端末装置1は、第1の同期信号の受信(PSS)に基づき、第2の同期信号(SSS)の検出を行う。第1の同期信号を受信したサブキャリア間隔と同じサブキャリア間隔(例えば、30 kHz)で第2の同期信号(SSS)を受信する。このとき、例えば、F1、F2、F3、及びF6が同定 (実行) される。
【0158】
端末装置1は、第2の同期信号(SSS)の受信に基づき、Essential system informationを復号できるパラメータを検出する(例えば、セルID、ビームIDなど)。
【0159】
また、スタンドアローンで通信できる端末装置1は、第3の同期信号(CSS)を受信しなくてもよい。
【0160】
第3の同期信号(CSS)を受信しない場合、第1の同期信号(PSS)と第2の同期信号(SSS)のサブキャリア間隔は、ブラインド検出してもよい。
【0161】
また、第3の同期信号(CSS)は、送信されなくてもよく、各サブキャリア間隔で第1の同期信号(PSS)および/または第2の同期信号(SSS)とのサブキャリア間隔は、ブラインドで検出されてもよい。
【0162】
端末装置1は、例えば端末装置1の能力に応じて第1の同期信号(PSS)の検出を行ってもよい。また、端末装置1が希望するサブキャリア間隔(端末装置1が希望するサービスに対応するサブキャリア間隔)で第1の同期信号(PSS)の検出を行ってもよい。
【0163】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第3の同期信号(CSS)が、任意のサブキャリア間隔(例えば15kHz、30kHzおよび60kHz)で送信される共通同期信号(CSS)であり、端末装置1は、任意のサブキャリア間隔で第3の同期信号(CSS)を検出する場合の一例について説明する。
【0164】
例えば、端末装置1の能力に応じて第1の同期信号(PSS)の検出を行う。例えば、端末装置1は、端末装置1が希望するサブキャリア間隔(端末装置1が希望するサービスに対応するサブキャリア間隔)で第1の同期信号(PSS)の検出を行う。
【0165】
なお、任意のサブキャリア間隔のそれぞれで送信される同期信号の生成方法が規定されてもよい。任意のサブキャリア間隔のそれぞれは15×2のべき乗(および/または15の整数倍)で表されてよい。
【0166】
例えば、1つの第3の同期信号(CSS)は、1つまたは複数の無線フレーム内(周波数/時間リソース)において定められた位置 (例えば、サブフレーム番号、スロット番号および/またはシンボル番号)に存在する。
【0167】
例えば、複数の第3の同期信号(CSS)は、1つまたは複数の無線フレーム内において定められた位置(例えば、サブフレーム番号、スロット番号および/またはシンボル番号)に存在してもよい。
【0168】
第3の同期信号(CSS)は、例えば1サブキャリアのみ(シングルトーン)で送信されてよい。また、第3の同期信号(CSS)は、PSSが存在するかどうかを示すために用いられてよい。また、第3の同期信号(CSS)は、任意のサブキャリア間隔および/またはおよび/または時間位置(1無線フレームにおける位置)において第2の同期信号が存在することを示すために用いられてよい。
【0169】
第1の同期信号(PSS)は、例えば基地局装置3が任意の帯域でオペレーションしているサブキャリア間隔(例えば、15kHzか30kHz)で送信される同期信号である。端末装置1は、第1の同期信号(PSS)の検出を行う。
【0170】
例えば、端末装置1は、各サブキャリア間隔のそれぞれに対応するピーク電力に基づいて、最も高いピーク電力に対応するサブキャリア間隔で第1の同期信号(PSS)を検出する。
【0171】
例えば、端末装置1は、第3の同期信号(CSS)の検出に基づき、仕様書によってあらかじめ定められたサブキャリア間隔において第1の同期信号(PSS)を検出する。
【0172】
例えば、端末装置1は、第3の同期信号(CSS)の検出に基づき、第3の同期信号(CSS)の送信に用いられる1つまたは複数の無線フレームと同じ無線フレーム内において定められた位置 (例えば、サブフレーム番号、スロット番号および/またはシンボル番号) において第1の同期信号(PSS)を検出してもよい。
【0173】
第1の同期信号(PSS)が送信される無線フレームのインデックスおよび/またはサブフレームのインデックスは、任意のサブキャリア間隔に基づいてもよい。また、CSSは、例えばZadoff-Chu系列で与えられる。
【0174】
第1の同期信号(PSS)の時間位置が仕様で固定されていれば、F3、F4に加え、F5もできる。
【0175】
第2の同期信号(SSS)は、Zadoff-Chu系列で生成されてもよい。このとき、Zadoff-Chu系列のルートインデックスから重要システム情報を復号できるパラメータを検出する(例えば、セルID、ビームIDなど)。また、第2の同期信号(SSS)は、他の系列(例えば、M系列、PN系列、アダマール系列、Gold系列など)で生成されてもよく、このときのアイデンティティは、シフトレジスタの初期値および/またはアダマール系列の場合は、行番号と基づいていてもよい。また、第1の同期信号(PSS)と第2の同期信号(SSS)とは、1つの無線フレーム内で同じ数送信されてもよいし、異なる数送信されてもよい。第2の同期信号(SSS)に例えば、F1および/またはF2、および/またはF6ができる。
【0176】
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、第1の同期信号(PSS)が、任意のサブキャリア間隔(例えば15kHz、30kHzおよび60kHz)で送信される共通同期信号であり、第2の同期信号(SSS)が、その無線リソースで通信に用いられているサブキャリア間隔で送信されている場合の一例について説明する。
【0177】
図17は、本発明の第5の実施形態に係る基地局装置3と端末装置1との初期アクセス手順の一例を示す概略図である。
基地局装置3は、所定周期で第1の同期信号(PSS)を、第1のサブキャリア間隔(例えば15kHzのサブキャリア間隔)で送信する。
また、基地局装置3は、所定周期および/または時間位置で第2の同期信号(SSS)を、第2のサブキャリア間隔(例えば30kHzのサブキャリア間隔)で送信する。
端末装置1は、セルサーチ(ビームサーチ)を行い、基地局装置3から所定周期で送信される第1の同期信号(PSS)を検出する。端末装置1は、第1のサブキャリア間隔で送信された第1の同期信号(PSS)を検出すると、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)に関連する情報を取得する。端末装置1は、アイデンティティ(物理セルID、ビームID、参照信号IDなど)に関連する情報を取得すると、基地局装置3から所定周期で送信される第2のサブキャリア間隔の第2の同期信号(SSS)を検出する。
【0178】
第1の同期信号(PSS)は、例えばZadoff-Chu系列をサブキャリアにマップして送信され、Zadoff-Chu系列のルートインデックスは第2の同期信号(SSS)の送信に用いられるサブキャリア間隔 (例えば、30kHz)やサーチする時間リソースおよび/または周波数リソースを与えるために用いられてよい。
【0179】
例えば、「15」、「30」、「15、30」kHz といった第2の同期信号(SSS)のサブキャリア間隔の候補および/またはサブキャリア間隔を示すインデックをルートインデックスで示してもよい。また、Zadoff-Chu系列のルートインデックスと、Zadoff-Chu系列を用いて生成された信号に乗算するカバーコード(例えば、アダマール系列やM系列、PN系列、Gold系列など)および/またはサイクリックシフトのインデックスが「15」、「30」、「15、30」kHzといった第2の同期信号(SSS)のサブキャリア間隔の候補および/またはサブキャリア間隔を示してもよい。
【0180】
このような構成によれば、異なる複数のサブキャリア間隔のサブキャリアを用いて通信を行う場合であっても、端末装置1および基地局装置3は、効率的に通信を行うことができる。
【0181】
本発明の一態様における基地局装置3、および/または端末装置1で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、CPU(Central Processing Unit)等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、Flash ROM(Read Only Memory)などの各種ROMやHDD(Hard Disk Drive)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0182】
なお、上述した各実施形態や変形例における端末装置1、基地局装置3の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0183】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、端末装置1、又は基地局装置3に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0184】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0185】
また、上述した各実施形態や変形例における基地局装置3は、複数の装置から構成される集合体(装置グループ)として実現することもできる。装置グループを構成する装置の各々は、上述した各実施形態や変形例に関わる基地局装置3の各機能および/または各機能ブロックの一部、および/または、全部を備えてもよい。装置グループとして、基地局装置3の一通りの各機能および/または各機能ブロックを有していればよい。また、上述した実施形態に関わる端末装置1は、集合体としての基地局装置3と通信することも可能である。
【0186】
また、上述した各実施形態や変形例における基地局装置3は、EUTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)であってもよい。また、上述した各実施形態や変形例における基地局装置3は、eNodeBに対する上位ノードの機能の一部および/または全部を有してもよい。
【0187】
また、上述した各実施形態や変形例における端末装置1、基地局装置3の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例における端末装置1、基地局装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0188】
また、上述した各実施形態や変形例では、通信装置の一例として端末装置を記載したが、本願発明の一態様は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、および/または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、自動車、自転車、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置にも適用出来る。
【0189】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0190】
例えば、上記各実施形態や各変形例の一部または全部を組み合わせることで本発明の一態様を実現してもよい。
【0191】
(付記1)第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号を受信する第1受信部と、前記第1のサブキャリア間隔で第2の同期信号を受信する第2受信部と、前記第1の同期信号および/または前記第2の同期信号からアイデンティティを検出する検出部と、前記アイデンティティに基づいて、前記第1のサブキャリア間隔とは異なる第2のサブキャリア間隔で第1の参照信号を受信する第3受信部と、を備え、前記第1の参照信号は、前記第2のサブキャリア間隔に対して定められた時間リソースおよび周波数リソースに配置される端末装置。
【0192】
(付記2)前記端末装置は、前記第1の参照信号に基づいて第1の重要システム情報を復調する(付記1)に記載の端末装置。
【0193】
(付記3)前記端末装置は、前記第1の参照信号に基づいて第1の参照信号受信電力を算出する参照信号電力算出部をさらに備える(付記1)に記載の端末装置。
【0194】
(付記4)前記端末装置は、前記第1の参照信号受信電力を基地局装置に報告する(付記3)に記載の端末装置。
【0195】
(付記5)端末装置に用いられる通信方法であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号を受信し、前記第1のサブキャリア間隔で第2の同期信号を受信し、前記第1の同期信号および/または前記第2の同期信号からアイデンティティを検出し、前記アイデンティティに基づいて、前記第1のサブキャリア間隔とは異なる第2のサブキャリア間隔で第1の参照信号を受信し、前記第1の参照信号は、前記第2のサブキャリア間隔に対して定められた時間リソースおよび周波数リソースに配置される通信方法。
【0196】
(付記6)前記第1の参照信号に基づいて第1の重要システム情報を復調する(付記5)に記載の通信方法。
【0197】
(付記7)前記第1の参照信号に基づいて第1の参照信号受信電力を算出する(付記5)に記載の通信方法。
【0198】
(付記8)前記第1の参照信号受信電力を基地局装置に報告する(付記7)に記載の通信方法。
【0199】
(付記9)端末装置に搭載される集積回路であって、第1のサブキャリア間隔で第1の同期信号を受信する第1受信機能と、前記第1のサブキャリア間隔で第2の同期信号を受信する第2受信機能と、前記第1の同期信号および/または前記第2の同期信号からアイデンティティを検出する検出機能と、前記アイデンティティに基づいて、前記第1のサブキャリア間隔とは異なる第2のサブキャリア間隔で第1の参照信号を受信する第3受信機能と、を含む一連の機能を発揮させるための集積回路であって、前記第1の参照信号は、前記第2のサブキャリア間隔に対して定められた時間リソースおよび周波数リソースに配置される(付記9)に記載の集積回路。
【0200】
(付記10)前記第1の参照信号に基づいて第1の重要システム情報を復調する機能をさらに発揮させるための(付記9)に記載の集積回路。
【0201】
(付記11)前記第1の参照信号に基づいて第1の参照信号受信電力を算出する機能をさらに発揮させるための(付記9)に記載の集積回路。
【0202】
(付記12)前記第1の参照信号受信電力を基地局装置に報告する機能をさらに発揮させるための(付記11)に記載の集積回路。
【符号の説明】
【0203】
1、1A、1B、1C 端末装置
3 基地局装置
101 処理部
1011 無線リソース制御部
1013 スケジューリング情報解釈部
103 制御部
105 受信部
1051 復号化部
1053 復調部
1055 多重分離部
1057 無線受信部
1059 チャネル測定部
107 送信部
1071 符号化部
1073 変調部
1075 多重部
1077 無線送信部
1079 上りリンク参照信号生成部
109 送受信アンテナ部
110 RF部
111 A/D変換部
112 PSS受信部
113 SSS受信部
114 ID検出部
115 参照信号受信部
116 RSRP算出部
117 MIB検出部
301 処理部
3011 無線リソース制御部
3013 スケジューリング部
303 制御部
305 受信部
3051 復号化部
3053 復調部
3055 多重分離部
3057 無線受信部
3059 チャネル測定部
307 送信部
3071 符号化部
3073 変調部
3075 多重部
3077 無線送信部
3079 下りリンク参照信号生成部
309 送受信アンテナ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17