(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-12
(45)【発行日】2022-09-21
(54)【発明の名称】クラッチハウジングを備えるアセンブリ及び冷却チャンバーが設けられる回転電気機械
(51)【国際特許分類】
H02K 9/193 20060101AFI20220913BHJP
【FI】
H02K9/193
(21)【出願番号】P 2021535636
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2019086191
(87)【国際公開番号】W WO2020127652
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-05
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、ティスランド
(72)【発明者】
【氏名】パトリシア、センドール
(72)【発明者】
【氏名】ラドスロウ、ブコウスキ
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-229161(JP,A)
【文献】特開2016-149900(JP,A)
【文献】特開2002-204550(JP,A)
【文献】特開2011-171449(JP,A)
【文献】特開2017-076659(JP,A)
【文献】実開昭61-038950(JP,U)
【文献】特開2015-109322(JP,A)
【文献】特開2012-064724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170169(US,A1)
【文献】特開平10-225060(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2083202(EP,A2)
【文献】米国特許第3652883(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第3000632(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/193
H02K 9/19
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子(2)及び回転子(3)を含む回転電気機械(1)を備えるアセンブリであって、前記固定子には、第1の壁(16)によって範囲が定められる冷却チャンバー(5)が設けられ、前記アセンブリはクラッチハウジング(60)を備え、当該クラッチハウジング(60)は、前記回転電気機械(1)及び前記冷却チャンバー(5)を収容するエンクロージャー(18)の範囲を定める第2の壁(19)を含み、前記冷却チャンバー(5)は、前記アセンブリの外部で冷却回路(6)とともに作動するように構成され、前記アセンブリは、前記冷却チャンバー(5)を前記冷却回路(6)と連通させるための少なくとも1つのユニット(17)を備え、連通させるための前記ユニット(17)は、ダクト(23)と、前記ダクト(23)と前記第1の壁(16)との間のシールを確保する第1のシール装置(30)と、前記ダクト(23)と前記第2の壁(19)との間のシールを確保する第2のシール装置(40)と、を含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のシール装置(30)は第1のリング(31)を備え、当該第1のリング(31)は、前記第1の壁(16)を通って設けられる第1のオリフィス(24)の内部に収容されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のリング(31)は内面(32)を備え、当該内面(32)は、第1のシールユニット(34)を収容する第1の溝(33)を含み、前記第1のシールユニット(34)は、前記第1のリング(31)の前記内面(32)と前記ダクト(23)の外面(25)との間に配置されることを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のリング(31)は、半径方向平面(P1)に平行な平面の内部に設けられる第1の半径方向ショルダー(35)を備え、前記半径方向平面(P1)は前記ダクト(23)の延在軸(A2)に直交することを特徴とする請求項2又は3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第2のシール装置(40)は、前記ダクト(23)に固定される第2の半径方向ショルダー(41)を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の半径方向ショルダー(41)は円形溝(42)を備え、当該円形溝(42)は、前記第2の半径方向ショルダー(41)と前記第2の壁(19)との間に配置される第2のシールユニット(43)を収容することを特徴とする請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アセンブリは、前記第2の壁(19)に前記ダクト(23)を固定するための固定ユニット(50)を備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記固定ユニット(50)は、前記ダクト(23)の外面(25)に追加される少なくとも第1のナット(51)を備え、前記第2の壁(19)に配置される軸方向ストッパー(52)に接触することを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記固定ユニット(50)は少なくとも1つのねじ(53)を備え、当該少なくとも1つのねじ(53)は、前記第2の壁(19)まで、前記第2の半径方向ショルダー(41)を軸方向へ一方の側から他方の側に貫通することを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のシール装置(40)は、前記ダクト(23)の周囲に追加される第2のナット(61)を含み、前記第2のナット(61)は、前記第2のナット(61)の内面(63)と前記ダクト(23)との間に配置される第3のシールユニット(64)を収容する円形チャネル(62)を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第2のナット(61)は第2のリング(65)を備え、当該第2のリング(65)は、前記第2の壁(19)を通して配置される第2のオリフィス(28)の内部に挿入されることを特徴とする請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第2のナット(61)の内面(63)及び前記ダクト(23)の外面(25)はねじ切りされていることを特徴とする請求項10又は11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のリング(31)の内面(32)は、前記第1の壁(16)における前記ダクト(23)の固定を可能にするために、ねじ切りされていることを特徴とする請求項3及び10~12のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子及び回転子を含む回転電気機械を含むアセンブリに関し、それは第1の壁によって区切られた冷却チャンバーとともに設けられる。アセンブリはクラッチハウジングを備え、当該クラッチハウジングは、回転電気機械及び冷却チャンバーを収容するエンクロージャーを区切る第2の壁を含む。冷却チャンバーは、アセンブリの外部において冷却回路と連通するように構成される。
【背景技術】
【0002】
動力車両は一般に、電気モーター、オルタネーター又はオルタネータースターターなどの回転電気機械、すなわちモーター又は発電機として動作することができる可逆機械、を備える。回転電気機械は固定子及び回転子を含み、回転子はシャフトに接続されている。回転電気機械は、その電気的及び機械的損失の結果として、その動作中に熱くなる傾向がある。したがって、回転電気機械には冷却チャンバーが装備され、当該冷却チャンバーは、回転電気機械から熱交換器に回転電気機械の外部においてカロリーを伝えるように設計される。冷却チャンバーは冷却回路を構成しており、当該冷却回路は流体を介してカロリーをこの外部熱交換器に伝え、当該流体は、冷却回路の内部において及び特に冷却チャンバーの内部において、循環する。冷却チャンバーは第1の壁によって区切られ、当該第1の壁は、冷却チャンバーへの流体の供給を可能にするために第1のダクトとともに設けられ、冷却チャンバーからの流体からの排出を可能にするために第2のダクトとともに設けられ、流体は、回転電気機械を冷却するために第1のダクトと第2のダクトとの間で冷却チャンバーの内部において循環する。
【0003】
しかしながら、回転電気機械から要求される使用のある構成において、回転電気機械はエンクロージャーの内部に収容され、当該エンクロージャーは、クラッチハウジングの構成要素、特にギアボックス(gearbox)の構成要素、などの第2の壁によって区切られ、エンクロージャーは、ギアボックスの構成要素を潤滑するように設計される第2の流体を含む。
【0004】
そして発生する第1の問題は、冷却チャンバーを設置すること及び固定することが困難なことであり、当該冷却チャンバーはエンクロージャーの内部において回転電気機械を装備し、それにもかかわらずこのタイプの設置及び固定は素早く且つ容易に実行されなければならない。
【0005】
第2の問題は、このようにエンクロージャーの内部に収容された冷却チャンバーの、エンクロージャーの外部における冷却回路への接続が困難なことであり、それにもかかわらずこのタイプの接続は、第1の流体と第2の流体との間のシールを保証しつつ、迅速且つ容易に実行されなければならず、当該第1の流体は冷却チャンバーに含まれ、当該第2の流体はエンクロージャーに含まれ、それは特に冷却チャンバーを浸す。
【0006】
第3の問題は、クラッチハウジングの外部におけるエンクロージャーと環境との間に必要なシールにあり、このシールは、エンクロージャーの内部に収容される冷却チャンバーの、エンクロージャーの外側での冷却回路への接続によって悪影響を受けてはならない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、固定子及び回転子を含む回転電気機械を含むアセンブリを提案することによって状況を改善し、固定子は、第1の壁によって区切られる冷却チャンバーとともに設けられる。アセンブリはクラッチハウジングを備え、当該クラッチハウジングは、回転電気機械及び冷却チャンバーを収容するエンクロージャーを区切る第2の壁を含む。冷却チャンバーは、アセンブリの外部で冷却回路とともに作動するように構成される。
【0008】
本発明によれば、アセンブリは、冷却チャンバーを冷却回路と連通させるための少なくとも1つのユニットを含み、連通させるためのユニットは、ダクトと、ダクトと第1の壁との間のシールを確実にする第1のシール装置とともに、ダクトと第2の壁との間のシールを確実にする第2のシール装置とを含む。
【0009】
アセンブリは、有利には、以下の技術的特徴のうちの少なくともいずれか1つを、単独で又は組み合わされて、含む:
-ダクトは円筒形であり、延在軸に沿って延びる;
-第1のシール装置は第1のリングを備え、当該第1のリングは、第1の壁を通じて与えられる第1のオリフィスの内部に収容される;
-第1のリングは、円筒形であり、第1のリングが第1の壁を装備する第1のオリフィスの内部に挿入される場合及びダクトが第1のリングの内側に挿入される場合、ダクトの延在軸と一致する対称軸の周りに与えられる;
-第1のリングは、第1のシールユニットを収容する第1の溝を含む内面を含み、第1のシールユニットは、第1のリングの内面とダクトの外面との間に置かれる;
-その内面は、対称軸とは反対側に配置される第1のリングの面である;
-第1の溝は平面の内部に設けられ、当該平面は、対称軸に直交する半径方向平面に平行である;
-第1のシールユニットは、Oリングなどのリングにおいて配置される;
-第1のシールユニットはダクトの外面と接触し、第1の溝の内部に挿入される;
-第1のリングは、半径方向平面に平行な平面の内部に設けられた第1の半径方向ショルダーを含み、半径方向平面は、ダクトの延在軸に直交している;
-第2のシール装置は、ダクトに固定される第2の半径方向ショルダーを備える;
-第2の半径方向ショルダーは、ダクトの外面におけるリングの溶着から得られる;
-第2の半径方向ショルダーは円形溝を備え、当該円形溝は、第2の半径方向ショルダーと第2の壁との間に挿入される第2のシールユニットを収容する;
-円形溝は、第2の半径方向ショルダーの半径方向面の内部に配置され、それは半径方向平面に平行な面において配置される;
-第2のシールユニットは第2の壁と接触しており、円形の溝の内部に挿入される;
-アセンブリは、ダクトを第2の壁に固定するための固定ユニットを備える;
-固定ユニットは少なくとも第1のナットを含み、当該少なくとも第1のナットは、ダクトの外面上に追加され、第2の壁に配置される軸方向ストッパーと接触している;
-軸方向ストッパーは、延在軸の周りに対称的に提供される半径方向カラーにおいて配置される;
-固定ユニットは少なくとも1つのねじを含み、当該少なくとも1つのねじは、第2の半径方向ショルダーを、軸方向に、一方の側から他方の側に第2の壁まで通る;
-第2のシール装置は、ダクトの周りに追加される第2のナットを含み、第2のナットは、第3のシールユニットを収容する円形チャネルを含み、当該第3シールユニットは、第2のナットの内面とダクトとの間に挿入される;
-第2のナットは第2のリングを備え、当該第2のリングは、第2の壁を通じて配置される第2のオリフィスの内部に挿入される;
-第2のナットの内面とともにダクトの外面には、ねじが切られる;
-第1のリングの内面は、第1の壁におけるダクトの固定を可能にするために、ねじが切られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
発明は、添付の図面を参照して提供される以下の非限定的な説明を読むことによってよりよく理解され、当該図面において:
【
図1】
図1は、本発明によるアセンブリを表し、当該アセンブリは、冷却チャンバーとともに設けられる回転電気機械と、クラッチハウジングとを備え、当該クラッチハウジングは、回転電気機械を収容するエンクロージャーと、エンクロージャーの外部において冷却回路と流体連通する冷却チャンバーとを区切る。
【
図2】
図2は、冷却チャンバーを冷却回路と連通させるためのユニットの第1の変形実施形態を示す。
【
図3】
図3は、冷却チャンバーを冷却回路と連通させるためのユニットの第2の変形実施形態を示す。
【
図4】
図4は、冷却チャンバーを冷却回路と連通させるためのユニットの第3の変形実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1において、動力車両は一般に、電気モーター、オルタネーター又はオルタネータースターターなどの回転電気機械1を、すなわちモーターとして又は発電機として作動することができる可逆機械を、備える。回転電気機械1は固定子2及び回転子3を備え、当該回転子3は、回転軸A1の周りで固定子2の内部において回転して可動である。回転子3は、回転軸A1に沿って延びるシャフト4に接続されている。
【0012】
回転電気機械1は、その動作中に熱くなる傾向がある。したがって、回転電気機械1には、回路6を構成する冷却チャンバー5が装備されており、当該回路6の内部で、グリコール水などの第1の流体7が循環し、当該流体は、回転電気機械1によって生成されるカロリーを放出するようにデザインされる。この目的のために、冷却チャンバー5は、固定子2を包むスリーブに配置され、好ましくは固定子2と接触している。回路6は、ラジエータタイプの交換器と、又は例えばクーラント流体/第1の流体熱交換器10によるクーラント流体9の循環のためのループ8と、接触している。
【0013】
内部でクーラント流体9が循環するループ8は、クーラント流体9を圧縮するためのコンプレッサー11、一定圧力で熱をエアー流13に伝えるための外部熱交換器12、クーラント流体9の膨張を可能にするための膨張ユニット14、及びクーラント流体9が第1の流体7にフリゴリ(frigories)を伝えることを許容するためのクーラント流体/第1の流体熱交換器10を、連続して備える。ループ8は、これが本発明にいかなる影響も与えることなく、前述のものとは異なって配置されることができる。
【0014】
第1の流体7の循環のための回路6は、回路6の内部での第1の流体7の循環のためのポンプ15、その内部でクーラント流体9が第1の流体7からのカロリーを捕捉するクーラント流体/第1の流体熱交換器10、及び冷却チャンバー5の内側に存在する第1の流体7が回転電気機械1からのカロリーを補足するように配置される冷却チャンバー5を、連続して備える。
【0015】
冷却チャンバー5は第1の壁16によって区切られ、当該第1の壁16は、冷却チャンバー5を回路6と連通させるための少なくとも1つのユニット17とともに設けられる。好ましくは、第1の壁16は、連通させるための2つのユニット17であって、冷却チャンバー5の内部への第1の流体7の取り込みを可能にする連通させるための第1のユニット17と、冷却チャンバー5からの第1の流体7の放出を可能にする連通させるための第2のユニット17とともに設けられる。したがって、冷却チャンバー5には第1の流体7が供給され、第1の流体7は、連通させるための第1のユニット17によって冷却チャンバー5の内部を通り、前記カロリーを回転電気機械1から第1の流体7に移した後に、連通させるための第2のユニット17によって冷却チャンバー5から放出される。
【0016】
回転電気機械1は、第2の壁19によって区切られたエンクロージャー18の内部に収容され、それは、特に、例えばギアボックス20を収容するクラッチハウジング60を構成する。エンクロージャー18は、第2の流体21、特に潤滑油、を含み、ギアボックス20の構成要素を潤滑するように設計される。言い換えれば、エンクロージャー18は、回転電気機械1とギアボックス20の構成要素とを一緒に収容し、それらは第2の流体21に一緒に浸される。
【0017】
連通させるためのユニット17は、連通させるための第1のユニット17又は連通させるための第2のユニット17で同様に十分にありうるものであり、第1の流体7を含む冷却チャンバー5と第2の流体21を含むエンクロージャー18との間のシールを確実にするように設計される。連通させるためのユニット17はまた、第2の流体21を含むエンクロージャー18と、第2の壁19の外側の環境22との間のシールを確実にするように設計される。
【0018】
図2~
図4において、連通させるためのユニット17は、ダクト23と、ダクト23と第1の壁16との間のシールを確保する第1のシール装置30と、ダクト23と第2の壁19との間のシールを確保する第2のシール装置40とを備える。ダクト23は、例えば円筒形であり、延在軸A2に沿って延びる。
【0019】
第1のシール装置30は第1のリング31を備え、当該第1のリング31は、第1の壁16を通って設けられる第1のオリフィス24の内部に収容される。第1のリング31は円筒形であり、第1のリング31が第1のオリフィス24の内部に挿入される際にダクト23の延在軸A2と一致する対称軸A3を有する。第1のリング31は内面32を備え、当該内面32は、第1のシールユニット34を収容する第1の溝33を含む。内面32は、好ましくは円筒形であり、スライドによって第1のリング31の内部におけるダクト23の挿入を可能にするために、ダクト23の直径よりも大きい直径を有する。したがって、第1のシールユニット34は、第1のリング31の内面32とダクト23の外面25との間に配置される。これにより、第1のシールユニット34は、冷却チャンバー5に含まれる第1の流体7と、エンクロージャー18に含まれる第2の流体21との間のシールを確保することが理解されるであろう。第1のシールユニット34は、例えば少なくとも1つのOリング又は他の任意の同様のシール手段を含む。第1のリング31は、半径方向平面P1に平行な平面の内部に設けられる第1の半径方向ショルダー35を含み、半径方向平面P1は、ダクト23の延在軸A2に対して及び第1のリングの31の対称軸A3に対して直交する。第1の半径方向ショルダー35は、特に第1のリング31の内部におけるダクト23の挿入の間、第1のオリフィス24の内部における第1のリング31の軸方向の保持を可能にする。第1の壁16を部分的に、特に第1のオリフィス24の境界で、覆うことにより、第1の半径方向ショルダー35はまた、第1のリング31の外面36と第1の壁16との間の第1の流体7のあらゆる漏れを防ぐ。第1のリング31の内部におけるこのタイプのダクト23の挿入は、第1のリング31の内部におけるダクト23の外部環境22からの並進から始まって、ダクト23の第1の端部26が冷却チャンバー5の内部に収容されるまで行われる。第2の壁19を通るダクト23の容易な挿入を可能にするために、第2の壁19を具備する第2のオリフィス28とダクト23との間に第1のギャップ27が配置されることに留意されるべきである。
【0020】
図2に示される第1の変形実施形態及び
図3に示される第2の変形実施形態によれば、第2のシール装置40は、ダクト23に固定された第2の半径方向ショルダー41を備える。第2の半径方向ショルダー41は、半径方向平面P1に平行な面の内部に設けられる。第2の半径方向ショルダー41は円形溝42を備え、当該円形溝42は、ダクト23の延在軸A2の周りにおいて対称的に且つ半径方向平面P1に平行な面の内部において配置される。円形溝42は、第2のシールユニット43を収容する。したがって、第2のシールユニット43は、第2の半径方向ショルダー41と第2の壁19との間に配置される。これにより、第2のシールユニット43は、エンクロージャー18に含まれる第2の流体21と外部環境22との間のシールを確保することが理解されるであろう。第2のシールユニット43は、例えば、少なくとも1つのOリング又は他の任意の同様のシール手段を備える。
【0021】
図2に示される第1の変形実施形態によれば、第1のギャップ27は、特に、第2のオリフィス28の内部においてダクト23の固定を可能にするために、ダクト23の外面25がねじ切りされているという事実に由来し、それは相補的なねじ山を含む。固定ユニット50は、第2の壁19上のダクト23の保持を可能にする。このタイプの固定ユニット50は例えば第1のナット51を備え、当該第1のナット51はダクト23の外面25に追加され、第2の壁19に配置された軸方向ストッパー52と接触する。軸方向ストッパー52は、例えば、第2の半径方向ショルダー41の周りに配置された半径方向カラーの形態である。
【0022】
図3に示される第2の変形実施形態によれば、ダクト23の外面25は、ねじ山がない。固定ユニット50は、第2の壁19上のダクト23の保持を可能にする。このタイプの固定ユニット50は例えば少なくとも1つのねじ53を備え、当該少なくとも1つのねじ53は、第2の壁19の内部に収容されるために、第2の半径方向ショルダー41を、軸方向に、すなわち延在軸A2と平行に、一方の側から他方の側に貫通する。好ましくは、固定ユニット50は、複数のねじ53、例えば4本のねじ53、を含み、当該複数のねじ53は、例えば、延在軸A2の周りに均等に半径方向に分布する。
【0023】
図4に示される第3の変形実施形態によれば、第2のシール装置40は、ダクト23の外面25の周りに追加される第2のナット61を備える。第2のナット61は円形チャネル62を備え、当該円形チャネル62は、第2のナット61の内面63の内部に、ダクト23の延在軸A2の周りに、半径方向平面P1に平行な平面の内部に配置される。円形チャネル62は、第3のシールユニット64を収容する。したがって、第3のシールユニット64は、第2のナット61の内面63とダクト23との間に配置される。これにより、第3のシールユニット64は、エンクロージャー18に含まれる第2の流体21と外部環境22との間のシールを確保することが理解されるであろう。第3のシールユニット64は、例えば少なくとも1つのOリング又は他の任意の同様のシール手段を備える。
【0024】
第2のナット61は第2のリング65を備え、当該第2のリング65は、第2のオリフィス28の内部に挿入されることができる。第2のナット61及び第2のリング65は、延在軸A2の周りに対称的に配置されている。第2のリング65は、ダクト23に隣接する第2のナット61の軸方向延長部を構成する。第2のリング65の周辺において、第2のナット61はベース66を備え、当該ベース66は、第2のナット61のベース66と第2の壁19との間に挿入される銅ワッシャなどの弾性保持ユニット67に対して軸方向に隣接するように設計される。
【0025】
この第3の変形実施形態によれば、第2のナット61上のダクト23の固定を可能にするために、ダクト23の外面25は、第2のナット61の内面63と同様にねじ切りされることに留意されるであろう。第1の壁16上のダクト23の固定を可能にするために、第1のリング31の内面32もまたねじ切りされる。