IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エンターライズの特許一覧

<>
  • 特許-遊技機 図1
  • 特許-遊技機 図2
  • 特許-遊技機 図3
  • 特許-遊技機 図4
  • 特許-遊技機 図5
  • 特許-遊技機 図6
  • 特許-遊技機 図7
  • 特許-遊技機 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
A63F5/04 620
A63F5/04 651
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020137464
(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公開番号】P2022033518
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】塩原 弘節
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-000201(JP,A)
【文献】特開2010-029273(JP,A)
【文献】特開2004-255032(JP,A)
【文献】特開2017-153781(JP,A)
【文献】特許第6713152(JP,B1)
【文献】特開2020-022693(JP,A)
【文献】特開2018-046928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
複数の前記回転リールの回転を開始させるための操作を受け付けるスタートスイッチと、
複数の前記回転リールの回転を停止させるための操作を受け付けるストップスイッチと、
前記スタートスイッチの操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のうち少なくとも1つが当せんしたか否かを決定する内部抽せん部と、
前記スタートスイッチおよび前記ストップスイッチそれぞれの操作に基づいて複数の前記回転リールの回転を制御する回転リール制御部と、
複数の前記役のうちの特別役が非当せん且つ非入賞である通常遊技状態と、前記特別役が当せんしたが入賞は持ち越されている内部中遊技状態と、当せんした前記特別役の入賞直後に開始される特別役実施状態と、を含む遊技状態の切り替え制御を行う遊技状態制御部と
を備え、
複数の前記役は、前記特別役に含まれる第1特別役および第2特別役と、複数の前記ストップスイッチの操作手順に関係なく入賞して遊技媒体が払出枚数払い出される所定役と、を含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第1特別役が当せんすることで遷移される第1モードと、前記通常遊技状態の間に前記第2特別役が当せんすることで遷移される第2モードと、を少なくとも含み、
前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数が、前記第1モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数より多いことにより、前記第2モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は、前記第1モードよりも大きく、
前記第2モードの継続ゲーム数が長いほど、すべての前記遊技状態を通しての前記遊技媒体の獲得期待値が大きくなる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
複数の前記回転リールの回転を開始させるための操作を受け付けるスタートスイッチと、
複数の前記回転リールの回転を停止させるための操作を受け付けるストップスイッチと、
前記スタートスイッチの操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のうち少なくとも1つが当せんしたか否かを決定する内部抽せん部と、
前記スタートスイッチおよび前記ストップスイッチそれぞれの操作に基づいて複数の前記回転リールの回転を制御する回転リール制御部と、
複数の前記役のうちの特別役が非当せん且つ非入賞である通常遊技状態と、前記特別役が当せんしたが入賞は持ち越されている内部中遊技状態と、当せんした前記特別役の入賞直後に開始される特別役実施状態と、を含む遊技状態の切り替え制御を行う遊技状態制御部と
を備え、
複数の前記役は、前記特別役に含まれる第1特別役および第2特別役と、複数の前記ストップスイッチの操作手順に関係なく入賞して遊技媒体が払出枚数払い出される所定役と、を含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第1特別役が当せんすることで遷移される第1モードと、前記通常遊技状態の間に前記第2特別役が当せんすることで遷移される第2モードと、を少なくとも含み、
前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数が、前記第1モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数より多いことにより、前記第2モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は、前記第1モードよりも大きく、
前記所定役が当せんした場合の前記払出枚数は、前記第2特別役の入賞直後に開始される第2特別役実施状態において前記所定役が当せんした場合よりも、前記第2モードにおいて前記所定役が当せんした場合の方が多い
ことを特徴とする遊技機。
【請求項3】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
複数の前記回転リールの回転を開始させるための操作を受け付けるスタートスイッチと、
複数の前記回転リールの回転を停止させるための操作を受け付けるストップスイッチと、
前記スタートスイッチの操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のうち少なくとも1つが当せんしたか否かを決定する内部抽せん部と、
前記スタートスイッチおよび前記ストップスイッチそれぞれの操作に基づいて複数の前記回転リールの回転を制御する回転リール制御部と、
複数の前記役のうちの特別役が非当せん且つ非入賞である通常遊技状態と、前記特別役が当せんしたが入賞は持ち越されている内部中遊技状態と、当せんした前記特別役の入賞直後に開始される特別役実施状態と、を含む遊技状態の切り替え制御を行う遊技状態制御部と
を備え、
複数の前記役は、前記特別役に含まれる第1特別役および第2特別役と、複数の前記ストップスイッチの操作手順に関係なく入賞して遊技媒体が払出枚数払い出される所定役と、を含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第1特別役が当せんすることで遷移される第1モードと、前記通常遊技状態の間に前記第2特別役が当せんすることで遷移される第2モードと、を少なくとも含み、
前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数が、前記第1モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数より多いことにより、前記第2モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は、前記第1モードよりも大きく、
前記第2モードは、前記遊技媒体の出玉率が100%以上のモードである
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記第1モードは、前記遊技媒体の出玉率が100%を下回るモードである
ことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記役には、前記第1モードおよび前記第2モードのいずれでも当せんする可能性のある複数の特定役が含まれており、
複数の前記特定役には、前記第1特別役を入賞させるための前記特定役と、前記第2特別役を入賞させるための前記特定役と、が含まれており、
前記第1特別役を入賞させるための前記特定役と、前記第2特別役を入賞させるための前記特定役とでは、役の種類、および/または、当せんした場合の前記回転リールの停止制御、が異なる
ことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記回転リール制御部は、前記回転リールの停止制御として、前記第1モードにおける前記所定役当せん時に図柄数優先制御を行い、かつ、前記第2モードにおける前記所定役当せん時に図柄数優先制御ではなく枚数優先制御を行うことにより、前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数は、前記第1モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数よりも多くなる
ことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記回転リール制御部は、前記回転リールの停止制御として、前記通常遊技状態における前記所定役当せん時に図柄数優先制御を行う
ことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
指示機能にかかる処理を実行することのできる有利区間と、前記指示機能にかかる処理を実行することのできない通常区間と、を含む遊技区間の切り替え制御を行う、区間制御部と、
前記遊技者に所定の報知を行う報知制御部と、
をさらに備え、
前記報知制御部は、
前記有利区間であって、かつ、前記第1モードである場合に、前記第1特別役を入賞させるための操作手順、および/または、
前記有利区間であって、かつ、前記第2モードである場合に、前記第2特別役の入賞を回避させるための操作手順、
を前記遊技者に報知可能である
ことを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記第1モードにおいて前記第1特別役が入賞する可能性があること、および/または、前記第2モードにおいて前記第2特別役が入賞する可能性があること、を前記遊技者に報知する報知制御部をさらに備える
ことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項10】
前記第1モード中の前記第1特別役の入賞確率は、前記第2モード中の前記第2特別役の入賞確率と異なっている
ことを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項11】
前記第1モード中の前記第1特別役の入賞確率は、前記第2モード中の前記第2特別役の入賞確率よりも低い
ことを特徴とする、請求項10に記載の遊技機。
【請求項12】
前記特別役は、第3特別役を更に含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第3特別役が当せんすることで遷移される第3モード、を更に含み、
前記第3モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数は、前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数よりも少ないことにより、前記第3モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は前記第2モードよりも小さくなっており、
前記第3モード中の前記第3特別役の入賞確率は、前記第1モード中の前記第1特別役の入賞確率よりも高い
ことを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の遊技機。
【請求項13】
前記遊技状態制御部は、前記第1モードおよび前記第2モードを含む前記内部中遊技状態の間の滞在モードを、モード移行のきっかけとなった前記特役の入賞を契機として終了させるとともに、入賞した前記特別役の前記特別役実施状態に前記遊技状態を切り替える、
ことを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項14】
前記遊技状態制御部は、前記内部中遊技状態における前記第2モードに滞在中、前記ストップスイッチの操作態様に基づく前記第2特役の入賞可否に応じて、前記第2モードの継続または終了を決定する
ことを特徴とする、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、スロットマシンには、通常遊技状態と、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態と、のいずれかによって遊技が進行されるものがある。有利遊技状態としては、AT、ART、ボーナスなどの、メダル(遊技媒体)の出玉に関する恩恵を遊技者が得ることのできる遊技形態が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6572457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有利遊技状態の際に押し順役が当せんした場合、アナウンスされた正解押し順に従ってストップスイッチを押下する操作を行うことで、遊技者は、メダル(遊技媒体)の払い出しを受ける。この操作は、有利遊技状態の間繰り返され、遊技者の手元のメダルは増えていく。
【0005】
しかし、当該操作を行い続けることは、単調な作業を繰り返すこととなる。そのため、遊技者はそのうち疲弊して操作を誤り、その結果手元のメダルの増加に悪影響が及ぶことがある。
【0006】
本開示の目的は、遊技が単調な作業とならないようなゲーム性を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
複数の前記回転リールの回転を開始させるための操作を受け付けるスタートスイッチと、
複数の前記回転リールの回転を停止させるための操作を受け付けるストップスイッチと、
前記スタートスイッチの操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のうち少なくとも1つが当せんしたか否かを決定する内部抽せん部と、
前記スタートスイッチおよび前記ストップスイッチそれぞれの操作に基づいて複数の前記回転リールの回転を制御する回転リール制御部と、
複数の前記役のうちの特別役が非当せん且つ非入賞である通常遊技状態と、前記特別役が当せんしたが入賞は持ち越されている内部中遊技状態と、当せんした前記特別役の入賞直後に開始される特別役実施状態と、を含む遊技状態の切り替え制御を行う遊技状態制御部と
を備え、
複数の前記役は、前記特別役に含まれる第1特別役および第2特別役と、複数の前記ストップスイッチの操作手順に関係なく入賞して遊技媒体が払出枚数払い出される所定役と、を含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第1特別役が当せんすることで遷移される第1モードと、前記通常遊技状態の間に前記第2特別役が当せんすることで遷移される第2モードと、を少なくとも含み、
前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数が、前記第1モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数より多いことにより、前記第2モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は、前記第1モードよりも大きい
ことを特徴とする遊技機である。
【0008】
また、第1の態様では、
前記第1モード中の前記第1特別役の入賞確率は、前記第2モード中の前記第2特別役の入賞確率と異なっている
ことができる。
【0009】
また、第1の態様では、
前記第1モード中の前記第1特別役の入賞確率は、前記第2モード中の前記第2特別役の入賞確率よりも低い
ことができる。
【0010】
また、第1の態様では、
前記特別役は、第3特別役を更に含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第3特別役が当せんすることで遷移される前記第3モード、を更に含み、
前記第3モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数は、前記第2モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数よりも少ないことにより、前記第3モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は前記第2モードよりも小さくなっており、
前記第3モード中の前記第3特別役の入賞確率は、前記第1モード中の前記第1特別役の入賞確率よりも高い
ことができる。
【0011】
また、第1の態様では、
前記所定役においては、複数の前記回転リールが停止した状態で有効ライン上に配置される図柄組み合わせが複数と、複数の前記図柄組み合わせそれぞれに対応する前記払出枚数と、が予め設定されており、
前記回転リール制御部は、
前記第1モードでは、前記所定役が当せんした際、前記所定役に対応する前記図柄組み合わせのうち、組み合わせ数が最も多い前記図柄組み合わせである最大組み合わせが前記有効ライン上に配置されるように、前記ストップスイッチの操作に基づいて前記回転リールを停止させる図柄数優先制御を行い、
前記第2モードでは、前記所定役が当せんした際、前記所定役に対応する前記図柄組み合わせのうち、前記払出枚数が前記最大組合わせに対応する前記払出枚数よりも多い前記図柄組み合わせが前記有効ライン上に配置されるように、前記ストップスイッチの操作に基づいて前記回転リールを停止させる枚数優先制御を行う
ことができる。
【0012】
また、第1の態様では、
前記通常遊技状態の間に前記所定役が当せんした場合、前記回転リール制御部が前記図柄数優先制御を行うことにより、前記第2モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は、前記通常遊技状態における前記遊技媒体の獲得期待値よりも大きい
ことができる。
【0013】
また、第1の態様では、
前記第1モードおよび前記第2モードを含む前記内部中遊技状態における滞在モードを報知部に報知させる報知制御部、
を更に備える
ことができる。
【0014】
また、第1の態様では、
前記遊技状態制御部は、前記第1モードおよび前記第2モードを含む前記内部中遊技状態の間の滞在モードを、モード移行のきっかけとなった前記特定役の入賞を契機として終了させるとともに、入賞した前記特別役の前記特別役実施状態に前記遊技状態を切り替える、
ことができる。
【0015】
また、第1の態様では、
前記遊技状態制御部は、前記内部中遊技状態における前記第2モードに滞在中、前記ストップスイッチの操作態様に基づく前記第2特定役の入賞可否に応じて、前記第2モードの継続または終了を決定する
ことができる。
【0016】
また、第1の態様では、
前記内部中遊技状態における前記第2モードに滞在中、前記第2特定役の入賞とは関係のないタイミングで、前記第2特定役の入賞に関連する前記ストップスイッチの操作の実行を、報知部を介してアナウンスさせることが可能な報知制御部、
を更に備える、
ことができる。
【0017】
また、第1の態様では、
前記特別役は、第4特別役を更に含み、
前記内部中遊技状態は、前記通常遊技状態の間に前記第2特別役が当せんすることで遷移される第4モード、を更に含み、
前記第4モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数が、前記第1モードにおける前記所定役当せん時の前記払出枚数より多く、且つ、前記第4モード中の前記第4特別役の入賞のし難さが、前記第2モード中の前記第2特別役の入賞のし難さよりも上回っていることで、前記第4モードにおける前記遊技媒体の獲得期待値は、前記第1モードおよび前記第2モードよりも大きい
ことができる。
【発明の効果】
【0018】
ストップスイッチの操作手順を意識することなく遊技媒体を獲得できる第2モードと、遊技媒体の獲得が期待できない第1モードとが少なくとも存在し、どのモードで遊技できるかは、通常遊技状態時にどの特別役が当せんするかによって決定される。従って、遊技は単調な作業とはなりにくく、面白みのあるゲームが展開される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】スロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。
図3】回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。
図4】内部抽せんテーブルの概念図である。
図5】RB1,RB2,RB3それぞれの入賞条件の詳細を表す図である。
図6】遊技状態の遷移図である。
図7】ベル1の入賞図柄組み合わせを示す図である。
図8】スロットマシンの動作処理の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[実施形態]
実施形態にかかる遊技機であるスロットマシン1について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本開示の一例にすぎず、本開示の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更することができる。
【0021】
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0022】
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20a,20b,20c,20dそれぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。
【0023】
リール窓200の上方には、遊技中の各種演出を行うための液晶画面3、スピーカ102、および電飾部(図示略)が設けられている。液晶画面3、スピーカ102および電飾部は、報知部に相当する。
【0024】
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
【0025】
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
【0026】
電飾部は、演出画面の表示や役の入賞に伴って、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0027】
リール窓200の下方には、操作部4が設けられている。操作部4は、複数のストップスイッチ40a,40b,40c,40d、投入口が設けられたメダル投入部41、ベットスイッチ42、レバー43、媒体表示部44、精算スイッチ45および演出ボタン46などを含む。
【0028】
各ストップスイッチ40a,40b,40c,40dは、各回転リール20a,20b,20c,20dに対応して設けられている。各ストップスイッチ40a,40b,40c,40dは、回転リール20a,20b,20c,20dが回転している間に、各回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させるための操作を受け付ける。
【0029】
メダル投入部41の投入口には、遊技媒体に相当するメダルが投入される。投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を制御部6に出力する。
【0030】
ベットスイッチ42は、メダルをベットする際に用いられる。
【0031】
レバー43は、各回転リール20a,20b,20c,20dを回転させるための操作を受け付けるスタートスイッチとして機能する。
【0032】
媒体表示部44は、メダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される。
【0033】
精算スイッチ45は、遊技者による遊技が終了して、払出口51からメダルが払い出される際に用いられる。
【0034】
演出ボタン46は、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、遊技データの確認などを行うために用いられるボタンである。また、演出ボタン46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出ボタン46が押下された場合、例えば電飾部が点灯するなど、演出に変化が生じる。
【0035】
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
【0036】
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(図2参照)。
【0037】
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
【0038】
回転リールユニット2は、図1および図2に示すように、4つの回転リール20a,20b,20c,20dと、4つのステッピングモータ21a,21b,21c,21dとを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20a,20b,20c,20dそれぞれには、図3に示すように、複数の図柄が、当該リール20a,20b,20c,20dの周方向に沿って間隔を開けて配置されている。ステッピングモータ21a,21b,21c,21dは、各回転リール20a,20b,20c,20dに対応して設けられており、対応する回転リール20a,20b,20c,20dを駆動させる。
【0039】
ステッピングモータ21a,21b,21c,21dは、回転リール20a,20b,20c,20dの回転中にストップスイッチ40a,40b,40c,40dが操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40a,40b,40c,40dに対応する回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させる。ステッピングモータ21a,21b,21c,21dは、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20a,20b,20c,20dは、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0040】
これらの回転リール20a,20b,20c,20dおよびステッピングモータ21a,21b,21c,21dは、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
【0041】
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
【0042】
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率を表した値である。複数段階の設定値それぞれには、互いに異なる出玉率が、予め対応付けられている。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値は、店舗開店前に、遊技者とは別の操作者(店舗スタッフ)によって設定される。
【0043】
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、メダル投入部41の投入口から投入されたメダルまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、レバー43の操作、すなわち遊技の開始が可能となる。
【0044】
図1では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、中段ラインが有効ラインLとして有効化される場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。
【0045】
以下では、ベルなどのメダルの払い出しのある役が有効ラインL上に揃うことのみならず、RB(レギュラーボーナス)やリプレイに対応する図柄が有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
【0046】
本実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、レバー43およびストップスイッチ40a,40b,40c,40dを操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作を云う。
【0047】
具体的には、遊技開始可能な状態でレバー43が操作(レバーオン)されると、当せん役を決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20a,20b,20c,20dの回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dのいずれかが操作されると、操作されたストップスイッチ40a,40b,40c,40dに対応する回転リール20a,20b,20c,20dが停止する。すべての回転リール20a,20b,20c,20dが停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0048】
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
【0049】
<制御部の構成>
図2に示すように、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部62を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20a,20b,20c,20dの制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部62は、メイン制御部61から送信された信号に基づいて、演出に関する制御を行う。
【0050】
メイン制御部61およびサブ制御部62それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部62それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、現在ゲーム数の他、遊技状態やモードが何であるかを示すデータなどが含まれる。サブ制御部62のRAMには、演出制御に関する各種データが記憶される。
【0051】
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、設定部614、遊技状態制御部615およびリセット部616として機能する。サブ制御部62は、演出制御部620(報知制御部に相当)として機能する。
【0052】
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、レバー43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のうち少なくとも1つの当せんを決定する。具体的に、内部抽せん部610は、レバー43が操作された時の遊技状態(後述)を判定し、判定した遊技状態に基づいて内部抽せんテーブルを選択する。内部抽せん部610は、選択した内部抽せんテーブルと、レバー43が操作された時の乱数とに基づいて、いずれかの当せん種別における役を当せんさせる。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、回転リール制御部611などに送信される。
【0053】
図4は、内部抽せんテーブルの概念図である。本実施形態では、遊技状態の種類(通常遊技状態、内部中遊技状態、RB実施状態)ごとに、内部抽せんにて当せんする可能性のある当せん種別(条件装置)が異なる。そのため、図4の内部抽せんテーブルは、遊技状態の種類ごとに当せん種別を表している。図4中の“〇”は、当せんする可能性があることを表し、“×”は、当せんする可能性がないことを表す。なお、図4中には“△”があるが、これは特殊な状態であることを表す。特殊な状態については、後述する。
【0054】
当せん種別には、リプレイ、ベル、第1種特別役物であるRBが含まれている。リプレイは、メダルをベットせずに次ゲームが再遊技できる役である。ベルは、当せんし入賞するとメダルの払い出しが行われる役であって、ベル1およびベル2の2種類がある。RBは、遊技状態の種類の切り替わりに関与する役であって、特別役に相当する。RBには、RB1,RB2,RB3の3種類がある。
【0055】
図4において、リプレイは、遊技状態がどの種類であっても、一定の当せん確率(本実施形態では1/7.3)で当せんし入賞する。
【0056】
ベル1は、遊技状態の種類に関係なく、一定の当せん確率(本実施形態では1/1.9)で当せんし入賞するが、遊技状態の種類に応じて、入賞時の払い出し枚数が異なる所定役である。このベル1の払い出し枚数については、<遊技状態について>にて詳述する。
【0057】
ベル2は、遊技状態の種類に関係なく、一定の当せん確率(本実施形態ではベル1よりも当せん確率が低い1/50)で当せんし入賞する。ベル2の入賞時の払い出し枚数は、遊技状態の種類に関係なく、常に15枚である。
【0058】
RB1,RB2,RB3それぞれはいずれも、通常遊技状態である間にのみ、各々の当せん確率で当せんする可能性がある。RB1,RB2,RB3は、内部中遊技状態の間、および、RB実施状態(特別役実施状態に相当)の間は、当せんしない。RB1,RB2,RB3はいずれも、通常遊技状態の間に当せんしたとしても、その入賞は内部中遊技状態の間に行われる。つまり、RB1,RB2,RB3のいずれかが通常遊技状態の間に一旦当せんさえすれば、当該通常遊技状態の間にRB1,RB2,RB3が重複して当せんすることはなく、既に当せんされたRB1,RB2,RB3のフラグは持ち越し状態となる。
【0059】
本実施形態では、RB1,RB2,RB3が当せんする際、1枚役が同時に当せんする。そのため、RB1,RB2,RB3の当せん時には、1枚役が優先して入賞し、RB1,RB2,RB3が当せんと同時に入賞することはない。これにより、通常遊技状態の間にRB1,RB2,RB3が当せんすると、RB1,RB2,RB3の入賞が持ち越された状態となり、従って遊技状態は通常遊技状態から内部中遊技状態へと遷移される。
【0060】
RB1,RB2,RB3が入賞して実施されている間、ベル1、ベル2およびリプレイ、全役のいずれかが当せんする。全役とは、RB1,RB2,RB3の実施中に、遊技者によるストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押し順および押下タイミングに関係なく入賞する役である。
【0061】
このような図4にかかる当せん種別の情報には、入賞時の図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。本実施形態では、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの正解押し順が定められている役、および、押し順に応じて払い出し枚数が異なる役は、存在しない。従って、ベル1(所定役に相当)およびベル2は、当せんすると、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押し順に関係なく入賞してメダルが払出枚数払い出される。そのため、本実施形態では、通常区間および有利区間の2つに区分される遊技区間の概念は、存在しない。
【0062】
ここで、図4の“△”にて表された特殊な状態について説明する。RB1,RB2,RB3それぞれの内部中遊技状態の間、内部中であるRB1,RB2,RB3の入賞チャンス(入賞の可能性)がたびたび到来する。その入賞チャンス時にRB1,RB2,RB3が入賞したか否かで、当該入賞チャンス時に取得できるメダルの枚数が異なる。内部中遊技状態に入賞持ち越し中(内部中)のRB1,RB2,RB3が入賞するか否かは、内部中遊技状態に当せんした1枚役の種類と、当せんした1枚役が入賞するか否かにより異なる。
【0063】
具体的に、図5に示すように、各RB内部中状態では、12種類の1枚役が当せん候補となる(1枚役A~L)。
【0064】
RB1内部中状態にて1枚役A~Dが当せんした場合、1枚の取りこぼし制御が作動される。そのため、RB1内部中状態にて1枚役A~Dが当せんしたゲームでは、1枚の取りこぼしに成功するとRB1の入賞をさせることができる。RB1内部中状態では、1枚役A~D以外の他の1枚役E~Lも当せんすることは可能だが、これらの役E~Lのいずれかが当せんしたとしても、1枚を取りこぼす制御は作動しないため、1枚は確実に払い出される代わりにRB1は入賞しない。従って、RB1内部中状態では、1枚役A~Dは、RB1の入賞チャンス役ということができる。
【0065】
同様に、RB2内部中状態では、1枚役E~HがRB2の入賞チャンス役、RB3内部中状態では、1枚役I~LがRB3の入賞チャンス役、の役割を担う。
【0066】
つまり、各RB内部中状態では、いずれの1枚役A~Lも当せん候補となるが、どの種類のRB1,RB2,RB3が入賞持ち越し中かに応じて、1枚役A~Lの役割が変化する。内部中のRBを入賞させることが可能な1枚役(入賞チャンス役)が当せんしたゲームにて、その1枚役(入賞チャンス役)に対応する図柄が有効ラインL上に揃えば、内部中のRBは入賞しない代わりに当該1枚役(入賞チャンス役)が入賞し、内部中であるRBの入賞はひきつづき持ち越される。逆に、内部中のRBを入賞させることが可能な1枚役(入賞チャンス役)が当せんしたゲームにて、その1枚役(入賞チャンス役)に対応する図柄が有効ラインL上に揃わず1枚役が取りこぼされれば(入賞しない)、代わりに、内部中のRBの図柄が有効ラインL上に現われ、当該RBが入賞する。
【0067】
RB1,RB2,RB3の入賞を契機として、遊技状態は、内部中遊技状態から、入賞したRB1,RB2,RB3のRB実施状態に遷移される。従って、RB1,RB2,RB3は、遊技状態の移行契機役と言える。
【0068】
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、レバー43または各ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作に基づいて各ステッピングモータ21a,21b,21c,21dの駆動を制御し、各回転リール20a,20b,20c,20dの回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0069】
具体的には、回転リール20a,20b,20c,20d全ての回転が停止している状態にて、レバー43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20a,20b,20c,20d全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20a,20b,20c,20dの回転中に、回転中の回転リール20a,20b,20c,20dに対応するストップスイッチ40a,40b,40c,40dが操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40a,40b,40c,40dに対応する回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させる。
【0070】
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作に基づいて、当せん役に対応する図柄の組み合わせが有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させることができる。
【0071】
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、内部抽せんにより当せんした役と、各ストップスイッチ40a,40b,40c,40dが操作された時の、対応する回転リール20a,20b,20c,20dの位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せんした役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させる制御である。
【0072】
内部抽せんによってRB1,RB2,RB3のいずれかが当せんした場合、回転リール制御部611は、同時当せんした1枚役に対応する図柄を揃えて当該1枚役を優先して入賞させる制御を行う。この1枚役入賞によりRB内部中となった状態では、1枚役A~Lのいずれかが当せんする。いずれの1枚役A~Lが当せんしたゲームでも、遊技者は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dを、任意の押し順および任意のタイミングで押下する。
【0073】
この際、当せんした1枚役が、内部中のRBの種類に対する入賞チャンス役である場合、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dが3番目に押下される(即ち第3停止)までの間、回転リール20a,20b,20c,20dの停止形を制御する。そして、回転リール制御部611は、4番目のストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下で有効ラインL上に並ばせ、1枚役の構成図柄パターン候補を絞り込む。実際にストップスイッチ40a,40b,40c,40dが4番目に押下された(即ち第4停止の)タイミングで、回転リール制御部611は、絞り込んだ1枚役の構成図柄が有効ラインL上に引き込み可能であれば引き込むようにして、4番目の回転リール20a,20b,20c,20dを停止させる制御を行う。従って、実際の第4停止のタイミングで、1枚役の構成図柄を有効ラインL上に引き込むことができれば、1枚役が入賞する。
【0074】
一方、当せんした1枚役が入賞チャンス役であるものの、実際の第4停止のタイミングにより、1枚役の構成図柄を有効ラインL上に引き込むことができなければ、1枚役は取りこぼされる。この際、回転リール制御部611は、4番目の回転リール20a,20b,20c,20dにおいては、入賞持ち越し中のRB1,RB2,RB3に対応する図柄を有効ラインL上に停止させる。
【0075】
なお、当せんした1枚役が、内部中のRBの種類に対する入賞チャンス役でない場合、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの実際の押下タイミングに関係なく、有効ラインL上に1枚役の構成図柄が並ぶように、回転リール20a,20b,20c,20dを停止させる制御を行う。従って、入賞チャンス役でない場合、確実に1枚役が入賞する。
【0076】
また、所定役であるベル1が当せんした時の遊技状態の種類が何かによって、回転リール制御部611は、回転リール20a,20b,20c,20dの制御方法を変更する。これについては、<遊技状態について>にて詳述する。
【0077】
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20a,20b,20c,20dの回転停止制御の各結果に基づいて、遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。
【0078】
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
【0079】
具体的に、媒体管理部613は、遊技者の操作に基づいてメダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、遊技者の操作に基づいてメダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
【0080】
内部抽せんによって、メダルの払い出しのある役が当せんし、かつ、遊技者の操作に基づいて当該役が入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。
【0081】
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果、または精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
【0082】
具体的に、当せんした役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
【0083】
―設定部―
設定部614は、店舗スタッフの操作に基づいて、複数の設定値のうちいずれかを設定する。この操作においては、設定変更ボタン72が利用される。設定された設定値は、メイン制御部61のRAM内に格納される。
【0084】
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部615は、遊技状態を切り替える制御を行う。本実施形態の遊技状態には、図4に示すように、「通常遊技状態」「内部中遊技状態」「RB実施状態(特別役実施状態に相当)」が含まれる。このうち「内部中遊技状態」「RB実施状態」それぞれには、既に説明した3つのRB(RB1,RB2,RB3)に対応して、3つの状態が含まれる。具体的に、「内部中遊技状態」には、「RB1内部中状態」「RB2内部中状態」「RB3内部中状態」が含まれ、「RB実施状態」には、「RB1実施状態」「RB実施状態」「RB3実施状態」が含まれる。
【0085】
遊技状態は、常に「通常遊技状態」「内部中遊技状態」「RB実施状態」の中の1つに設定されるが、この切り替え制御については<遊技状態について>にて詳述する。
【0086】
―リセット部―
リセット部616は、店舗スタッフの操作に基づいて、上述した遊技データをリセットするリセット処理、を行う。具体的に、リセット部616は、店舗スタッフがRAMクリアボタン71または設定変更ボタン72を押下した場合に、メイン制御部61のRAMを初期化することで、記憶中の遊技データを消去する。これにより、現在のゲーム数がゼロになり、現在の遊技状態はデフォルト設定である「通常遊技状態」に設定される。
【0087】
一例として、現在の遊技状態が「通常遊技状態」または「内部中遊技状態」である場合に設定変更ボタン72が押下された場合、当該ボタン72が押下される直前の遊技状態が引き継がれた状態で、遊技がスタートされる。現在の遊技状態が「RB実施状態」である場合に設定変更ボタン72が押下された場合、現在の遊技状態が「通常遊技状態」に設定された状態で、遊技がスタートされる。
【0088】
―演出制御部―
演出制御部620は、遊技の進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGM、音声などをスピーカ102から出力させる。
【0089】
演出制御部620は、現在の遊技状態がどのような種類かの報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせることができる。この報知態様としては、例えば以下が挙げられる。
(1)滞在中の遊技状態の種類に応じた静止画や動画を、液晶画面3に表示させる。
(2)滞在中の遊技状態の種類に応じた音声や音楽を、スピ―カ102から出力させる。
(3)液晶画面3上の静止画や動画は共通しているが、滞在中の遊技状態の種類に応じた色のエフェクトを、静止画や動画の背景として表示させる。
【0090】
詳しくは後述するが、本実施形態では、内部中遊技状態の種類(「RB1内部中状態」「RB2内部中状態」「RB3内部中状態」)に対応したモードが存在する。従って、現在の遊技状態がどのような種類かの報知は、現在の遊技状態が内部中遊技状態であれば、内部中遊技状態のうちどのモードに滞在しているかの報知に相当する。
【0091】
また、演出制御部620は、遊技者の遊技中に、設定示唆演出の報知条件が満たされた場合、設定示唆演出の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1の設定値の把握材料とすることができる。前記報知条件としては、モード移行時や、当せんしたRB1,RB2,RB3の入賞終了後、などが挙げられる。
【0092】
<遊技状態について>
遊技中は、各種条件に基づいて遊技状態の種類が切り替わる。図6は、その遊技状態の遷移態様を表す。
【0093】
既に述べたように、遊技状態制御部615は、遊技状態を、「通常遊技状態」「内部中遊技状態」「RB実施状態」のいずれかに切り替える。
【0094】
-通常遊技状態-
通常遊技状態は、特別役であるRB1,RB2,RB3のいずれもが非当せん且つ非入賞の状態であって、遊技者がまとまった出玉の恩恵を受けることができない一般遊技、が進行する状態である。
【0095】
通常遊技状態は、設定値のうちいずれかが設定された後未だ遊技されていない場合、RAMが初期化された後未だ遊技されていない場合、スロットマシン1が出荷された直後の場合に、遊技状態制御部615によって設定される。つまり、遊技状態のデフォルト設定が、通常遊技状態である。また、図6に示すように、通常遊技状態は、入賞したRB1,RB2,RB3の実施が終了した後に、遊技状態制御部615によって設定される。
【0096】
通常遊技状態の下では、図4に示すように、RB1,RB2,RB3,ベル1,ベル2,リプレイが、内部抽せんによる当せん候補となる。リプレイは1/7.3の確率で当せんし、当せんするとストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押し順に関係なく再遊技ができる。ベル1は1/1.9の確率で当せんし、当せんするとストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押し順に関係なく1枚の払い出しがなされる。ベル2は1/50の確率で当せんし、当せんするとストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押し順に関係なく15枚の払い出しがなされる。
【0097】
RB1,RB2,RB3は、当せんすることにより、遊技状態を通常遊技状態から内部中遊技状態へと移行するためのきっかけとなる。1/3.2の確率で、RB1,RB2,RB3のいずれかが1枚役と重複して当せんするが、どのRB1,RB2,RB3が当せんしているかの振り分けは、RB1“40%”、RB2“10%”、RB3“50%”と設定されている。
【0098】
RB1,RB2,RB3の当せん時には、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの正解押し順は存在しない。従って、通常遊技状態において内部的にRB1,RB2,RB3のいずれかが当せんした場合、遊技者がどのような順番でストップスイッチ40a,40b,40c,40dを押下したとしても、遊技状態は、通常遊技状態から内部中遊技状態に移行される。
【0099】
なお、既に説明したように、RB1,RB2,RB3のいずれが当せんした場合も、1枚役が重複して当せんする。当せんしたタイミングのゲームで、RB1,RB2,RB3よりも1枚役が優先して入賞し、RB1,RB2,RB3の入賞は持ち越される。例えば、当せんしたRBの種類に関係なく、1枚役の図柄を共通したものとすれば、RBが当せんして1枚役が入賞した際、遊技者は、50%の確率でRB3が当せんしており、残り50%の確率でRB1またはRB2が当せんしていると推測できる。
【0100】
なお、本実施形態では、通常遊技状態の間、RB1,RB2,RB3,ベル1,ベル2,リプレイのいずれが毎ゲームで当せんし、はずれは生じない場合を例示する。但し、通常遊技状態の間、15枚役であるベル2は1/50の確率でしか当せんせず、このベル2よりも当せん確率の高いRB1,RB2,RB3およびベル1は、いずれも1枚役である。従って、通常遊技状態の間、メダルの増加は見込めず、通常遊技状態の下での出玉率は100%を下回る。
【0101】
ところで、図3に示すように、ベルの図柄には、ベルA、ベルB、特殊ベルがある。このうち、図柄「特殊ベル」は、ベル2の入賞図柄組み合わせパターンを構成するものである(特殊ベル-特殊ベル-特殊ベル)。
【0102】
一方、図柄「ベルA」「ベルB」は、所定役に相当するベル1の、入賞図柄組み合わせパターンを構成する一要素である。具体的に、図7に示すように、ベル1の入賞図柄組み合わせパターンは、有効ラインL上にベルAまたはベルBが揃う図柄組み合わせA(「ベルA-ベルA-ベルA-ベルA」「ベルA-ベルA-ベルB-ベルA」など)と、回転リール20aに「リプレイ」が停止し他の回転リール20b,20c,20dの少なくとも1つに「ベルA」「ベルB」「ボーナス図柄(赤7,青7,紫7)」が停止する図柄組み合わせB(「リプレイ-リプレイ-リプレイ-ベルA」「リプレイ-リプレイ-ベルA-ベルA」「リプレイ-ベルB-ベルA―赤7」など)と、に大別される。
【0103】
図柄組み合わせAの数は、16個であり、この図柄組み合わせAのいずれかが入賞した場合、メダルの払出枚数は15枚である。一方、図柄組み合わせBの数は、図柄組み合わせAの数よりも多く、この図柄組み合わせBのいずれかが入賞した場合、メダルの払出枚数は1枚である。
【0104】
遊技状態いかんにかかわらず“ベル1”が当せんした際、内部的には、図柄組み合わせAおよび図柄組み合わせBは同時当せんされる。但し、遊技状態の種類により、回転リール制御部611は、同時当せんした図柄組み合わせA,Bのうち、図柄組み合わせ数を優先させたリール制御および払い出し枚数を優先させたリール制御のいずれかを行う。
【0105】
通常遊技状態にて、ベルが当せんした場合、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下タイミングなどに応じて、入賞図柄の組み合わせの数が多い図柄組み合わせBのうちいずれか1つが有効ラインL上に揃った状態で回転リール20a,20b,20c,20dを停止させ、ベル1を入賞させる制御を行う。つまり、通常遊技状態時にベル1が当せんした場合、回転リール制御部611は、図柄数を優先した回転リール20a,20b,20c,20dの停止制御を行う(図柄数優先制御)。従って、通常遊技状態時にベル1が当せんして入賞した場合、1枚のメダルが払い出される。
【0106】
例えば、通常遊技状態時、全ての回転リール20a,20b,20c,20dが回転している状態で、ストップスイッチ40aが押下されたとする。回転リール制御部611は、有効ラインL上の一番左にリプレイが停止するように、リプレイを引き込む。次いで、回転リール制御部611は、他のストップスイッチ40b,40c,40dが押下されたタイミングで、回転リール20b,20c,20dの少なくとも1つにベルA,ベルBを引き込む。
【0107】
従って、通常遊技状態の間にベル1が当せんした場合、メダルの払い出し枚数は1枚となる。
【0108】
-内部中遊技状態-
図6に示すように、内部中遊技状態は、特別役であるRB1,RB2,RB3のいずれかが当せんしたが入賞が持ち越されている状態であって、更に「RB1内部中状態」「RB2内部中状態」「RB3内部中状態」を含む。内部中遊技状態の間、遊技状態制御部615は、「RB1内部中状態」「RB2内部中状態」「RB3内部中状態」のいずれかに設定する。
【0109】
当せんしているRB1,RB2,RB3が入賞されるまでは、設定中の内部中遊技状態(具体的には、RB1内部中状態、RB2内部中状態、RB3内部中状態のいずれか)が維持される。従って、例えば「RB1内部中状態」から「RB2内部中状態」や「RB3内部中状態」へと遊技状態が遷移されることはない。
【0110】
なお、内部中遊技状態の種類が、RB1内部中状態、RB2内部中状態、RB3内部中状態のいずれかに関係なく、図5の1枚役A~Lそれぞれが当せんする確率は、1/240であるとする。
【0111】
-RB1内部中状態(ハマリモード)-
RB1内部中状態は、RB1の入賞が持ち越されている状態である。図6に示すように、通常遊技状態時にRB1が当せんした直後から当該RB1が入賞するまでの間、遊技状態は、内部中遊技状態のうちRB1内部中状態にてキープされる。
【0112】
このRB1内部中状態は、ハマリモードに相当する。ハマリモードでは、RB1の入賞チャンス役である1枚役A~Dいずれかが当せんする合算確率は、“4/240(=1/60)”であることから、RB1の入賞可能な機会は“4/240(=1/60)”の確率で到来する。1枚役A~Dのいずれかが当せんした際、回転リール制御部611は、“3/4”の確率で1枚役を引き込み可能なように、回転リール20a,20b,20b、20dの停止制御を行う。従って、ハマリモードでは、1枚役A~Dが当せんした際の“1/4”の確率で、RB1の入賞が成功する。
【0113】
これに鑑みると、RB1内部中状態であるハマリモードでは、RB1は、1/240の確率で入賞すると言える。このモードの間、図4に示すように、ベル1,ベル2およびリプレイが当せん候補であり、これらの各役の当せん確率および払い出し枚数は、通常遊技状態と同一である。つまり、ベル1は、1/1.9で当せんするものの、通常遊技状態時と同様に図柄数優先制御が行われるため、払い出し枚数は1枚である。ベル2は、15枚の払い出し役であるものの、当せん確率はベル1よりも低い1/50である。リプレイは、通常遊技状態時と同様、1/7.3で当せんする。
【0114】
しかも、図6に示すように、ハマリモードの終了契機は、RB1の入賞であるが、その入賞確率は1/240となっている。つまり、このハマリモードでは、メダルの所持数の増加は望めない上に、場合によっては長く滞在することが想定される。従って、ハマリモードでは、遊技者は、RB1をなるべく早く入賞させることを望みながら遊技を行うこととなる。
【0115】
なお、このハマリモードは、第1モードに相当し、RB1は、特別役のうちの第1特別役に相当する。
【0116】
-RB2内部中状態(引き戻しモード)-
RB2内部中状態は、RB2の入賞が持ち越されている状態である。図6に示すように、通常遊技状態時にRB2が当せんした直後から当該RB2が入賞するまでの間、遊技状態は、内部中遊技状態のうちRB2内部中状態にてキープされる。
【0117】
このRB2内部中状態は、引き戻しモードに相当する。引き戻しモードでは、RB2の入賞チャンス役である1枚役E~Hいずれかが当せんする合算確率は、“4/240(=1/60)”であることから、RB2の入賞可能な機会は“4/240(=1/60)”の確率で到来する。1枚役E~Hのいずれかが当せんした際、回転リール制御部611は、“1/4”の確率で1枚役を引き込み可能なように、回転リール20a,20b,20b,20dの停止制御を行う。従って、引き戻しモードでは、1枚役E~Hが当せんした際の“3/4”の確率で、RB2の入賞が成功する。
【0118】
これに鑑みると、RB2内部中状態である引き戻しモードでは、RB2は、“3/240(=1/80)”の確率で入賞すると言える。このモードの間、図4に示すように、ベル1,ベル2およびリプレイが当せん候補であり、これらの各役の当せん確率および払い出し枚数は、通常遊技状態およびハマリモードと同一である。つまり、ベル1は、1/1.9で当せんするものの、通常遊技状態時と同様に図柄数優先制御が行われるため、払い出し枚数は1枚である。ベル2は、15枚の払い出し役であるものの、当せん確率はベル1よりも低い1/50である。リプレイは、通常遊技状態時と同様、1/7.3で当せんする。
【0119】
しかも、図6に示すように、引き戻しモードの終了契機は、RB2の入賞であるが、その入賞確率は1/80となっている。引き戻しモード中のRB2の入賞確率(1/80)は、ハマリモード中のRB1の入賞確率(1/240)よりも高い。つまり、この引き戻しモードでは、ハマリモードよりは滞在が短いことが想定されるものの、ハマリモードと同様にメダルの所持数の増加は望めない。従って、引き戻しモードでは、遊技者は、RB2をなるべく早く入賞させることでモードを変更させることに期待をしながら遊技を行う。
【0120】
なお、このモードは、第3モードに相当し、RB2は、特別役のうちの第3特別役に相当する。
【0121】
-RB3内部中状態(小役集中モード)-
RB3内部中状態は、RB3の入賞が持ち越されている状態である。図6に示すように、通常遊技状態時にRB3が当せんした直後から当該RB3が入賞するまでの間、遊技状態は、内部中遊技状態のうちのRB3内部中状態にてキープされる。
【0122】
このRB3内部中状態は、小役集中モードに相当する。小役集中モードでは、RB3の入賞チャンス役である1枚役I~Lいずれかが当せんする合算確率は、“4/240(=1/60)”であることから、RB3の入賞可能な機会は“4/240(=1/60)”の確率で到来する。1枚役I~Lのいずれかが当せんした際、回転リール制御部611は、“2/4(=1/2)”の確率で1枚役を引き込み可能なように、回転リール20a,20b,20b,20dの停止制御を行う。従って、小役集中モードでは、1枚役I~Lが当せんした際の“1/2”の確率でRB3が入賞されてしまうものの、逆に言えば“1/2”の確率でRB3の入賞が回避される。
【0123】
これに鑑みると、RB3内部中状態である小役集中モードでは、RB3は、“1/120”の確率で入賞すると言える。このモードの間、図4に示すように、ベル1,ベル2およびリプレイが当せん候補である。これらの各役の当せん確率は、通常遊技状態と同一であるものの、ベル1の払出枚数のみ、通常遊技状態、ハマリモードおよび引き戻しモードとは異なる。
【0124】
具体的に、ベル1の当せん時、回転リール制御部611は、図柄数優先制御ではなく枚数優先制御を行うため、1/1.9の確率で当せんしたベル1の払出枚数は15枚となる。なお、ベル2は、1/50の確率で当せんし、15枚の払い出しとなる。リプレイは、通常遊技状態時と同様、1/7.3で当せんする。
【0125】
つまり、小役集中モードにおけるベル1(所定役)は、当せん確率は変化しないが、当せん時の払出枚数は、通常遊技状態、ハマリモードおよび引き戻しモードにおけるベル1(所定役)当せん時よりも多くなる。従って、小役集中モードにおけるメダルの獲得期待値は、通常遊技状態、ハマリモードおよび引き戻しモードそれぞれにおけるメダルの獲得期待値よりも大きい。
【0126】
但し、図6に示すように、小役集中モードの終了契機は、RB3の入賞であり、その入賞確率は1/120となっている。小役集中モード中のRB3の入賞確率(1/120)は、ハマリモード中のRB1の入賞確率(1/240)よりも高いが、引き戻しモード中のRB2の入賞確率(1/80)よりも低い。メダルの所持数を増加させることのできる小役集中モードでは、遊技者は、できる限りRB3が入賞しないことを望む。RB3の入賞可能タイミングが到来した時、遊技者は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dを押下した際に1枚役が入賞することで安堵しながら遊技を行う。従って、遊技者の遊技への面白みが増す。
【0127】
なお、このモードは、第2モードに相当し、RB3は、特別役のうちの第2特別役に相当する。
【0128】
-RB実施状態-
図6に示すように、RB実施状態は、当せんしていたRB1,RB2,RB3が内部中遊技状態にて入賞した直後に開始される状態であって、入賞したRB1,RB2,RB3が実施される状態である。RB実施状態は、更に「RB1実施状態」「RB2実施状態」「RB3実施状態」を含む。RB実施状態の間、遊技状態制御部615は、「RB1実施状態」「RB2実施状態」「RB3実施状態」のいずれかに設定する。
【0129】
遊技状態が「RB実施状態」である間、入賞したRB1,RB2,RB3の消化が終了するまでは、設定中のRB実施状態(具体的には、RB1実施状態、RB2実施状態、RB3実施状態のいずれか)が維持される。従って、例えば「RB1実施状態」から「RB2実施状態」や「RB3実施状態」へと遊技状態が遷移されることはない。
【0130】
-RB1実施状態-
図6に示すように、RB1実施状態は、RB1内部中状態においてRB1が入賞した直後に遷移され、RB1でのゲームが消化されている状態である。
【0131】
RB1実施状態は、役が8回入賞するか、または、12ゲーム消化されたところで終了する。図4に示すように、RB1実施状態の間に当せんする候補となる役は、ベル1,ベル2およびリプレイ、全役である。全役以外の各役の当せん確率および払い出し枚数は、通常遊技状態およびRB1内部中状態と同一である。全役は、1枚役と15枚役とが同時に揃う役であって、例えば1/5の確率で揃う。
【0132】
-RB2実施状態-
図6に示すように、RB2実施状態は、RB2内部中状態においてRB2が入賞した直後に遷移され、RB2でのゲームが消化されている状態である。
【0133】
RB2実施状態は、RB1実施状態と同様、役が8回入賞するか、または、12ゲーム消化されたところで終了する。RB2実施状態の間に当せんする候補となる役、各役の当せん確率、払い出し枚数も、RB1実施状態と同様である。
【0134】
-RB3実施状態-
図6に示すように、RB3実施状態は、RB3内部中状態においてRB3が入賞した直後に遷移され、RB3でのゲームが消化されている状態である。
【0135】
RB3実施状態は、RB1実施状態と同様、役が8回入賞するか、または、12ゲーム消化されたところで終了する。RB3実施状態の間に当せんする候補となる役、各役の当せん確率、払い出し枚数も、RB1実施状態と同様である。
【0136】
RB1,RB2,RB3それぞれの消化が終了すると、遊技状態制御部615は、遊技状態を、RB実施状態から通常遊技状態に移行させる。通常遊技状態の下で、RB1,RB2,RB3のいずれかが当せんすると、当せんした内部中遊技状態でのモードに移行して遊技が行われる。
【0137】
このように、本実施形態の内部中遊技状態には、特別役であるRB1,RB2,RB3の種類ごとに、遊技者のメダルの所持数の増加が望めず且つ滞在の長いことが想定される「ハマリモード(RB1内部中状態)」、メダルの増加は望めないものの他モードへの比較的早い移行に期待を寄せることができる「引き戻しモード(RB2内部中状態)」、メダルの所持数を増加させることができる「小役集中モード(RB3内部中状態)」、の3つのモードが含まれている。どのモードでの遊技となるかは、通常遊技状態時に、どのRB1,RB2,RB3が当せんしたかによって決まる。
【0138】
各モードは、対応するRB1,RB2,RB3を入賞させることを契機として終了するが、本実施形態では、RB1,RB2,RB3それぞれの入賞確率は、滞在中のモードに応じて異なる。それ故、滞在中のモードがいつまで続くのかは、遊技者の運や勘次第とも云える。遊技者は、「ハマリモード」では、RB1をできるだけ早く入賞させることで当該モードから抜け出すことを望み、「引き戻しモード」では、RB2をできるだけ早く入賞させて次のモードへ期待を繋ぎ、「小役集中モード」では、RB3の入賞を回避させることで入賞を先延ばしし当該モードでの長い滞在を望みながら、遊技を行うことができる。このように、通常遊技状態にて当せんしたRB1,RB2,RB3の種類に応じて、そのRB内部中状態におけるゲーム性が変化する。従って、展開が不確定であり、飽きのこない遊技を、遊技者は楽しむことができる。
【0139】
そして、内部中遊技状態では、内部中となっているRB(特別役)の種類に応じて、ベル1(所定役)当せん時の制御として、図柄数優先制御および枚数優先制御のどちらを行うかが決定される。決定された制御により、回転リール制御部611は、回転リール20a,20b,20c,20dの制御を行う。これにより、同じベル1が当せんしたとしても、内部中遊技状態の種類によって払い出し枚数に変化をつけることができるため、獲得する出玉が増減する波を作り出すことができる。
【0140】
<スロットマシン1の動作処理の流れ>
図8を用いて、本実施形態にかかるスロットマシン1の動作処理の流れを説明する。
【0141】
まず、遊技状態制御部615は、遊技状態を、通常遊技状態に設定したとする(ステップst1)。
【0142】
通常遊技状態にてゲームが消化されるごとに、内部抽せん部610は、内部抽せんを行う。この内部抽せんにてベル1が当せんした場合、回転リール制御部611は、図柄数を優先した回転リール20a,20b,20cの停止制御を行うため、1枚のメダルが払い出される。
【0143】
通常遊技状態での内部抽せんにて、RBが当せんした場合(ステップst2のYes)、遊技状態制御部615は、遊技状態を、通常遊技状態から内部中遊技状態に移行させる(ステップst3)。
【0144】
ステップst2で当せんしたRBがRB1であった場合(ステップst4のYes)、ステップst3における内部中遊技状態は、特にRB1内部中状態であるハマリモードに設定される(ステップst5)。以降では、ハマリモードにて遊技が進められるため、仮にベル1が当せんした場合は、図柄数優先制御により1枚のメダルが払い出される。
【0145】
ハマリモード中に、1枚役A~Lのいずれかが成立(当せん)し(ステップst6のYes)、その1枚役が取りこぼされることなく入賞した場合(ステップst7のNo)、RB1は非入賞となる(ステップst8)。
【0146】
特に、ステップst6で成立した1枚役が入賞チャンス役(1枚役A~Dのいずれか)の場合、RB1の入賞可能な機会が到来したこととなる。この場合、その1枚役が入賞すれば(ステップst7のNo)、RB1は非入賞となる(ステップst8)。一方で、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下でその1枚役が取りこぼされた場合は(ステップst7のYes)、RB1が入賞する(ステップst9)。
【0147】
ステップst6にて1枚役が成立しない場合(ステップst6のNo)、次に1枚役A~Lのいずれかが成立するまで、ハマリモードでの遊技が継続される。
【0148】
ステップst9にてRB1が入賞すると、遊技状態制御部615は、遊技状態を、RB1内部中状態からRB1実施状態に移行させる。これにより、小役が8回入賞または12ゲーム消化するまでRB1が実施される(ステップst10)。
【0149】
ステップst2で当せんしたRBがRB2であった場合(ステップst11のYes)、ステップst3における内部中遊技状態は、特にRB2内部中状態である引き戻しモードに設定される(ステップst12)。以降では、引き戻しモードにて遊技が進められるため、仮にベル1が当せんした場合は、図柄数優先制御により1枚のメダルが払い出される。
【0150】
引き戻しモード中に、1枚役A~Lのいずれかが成立(当せん)し(ステップst13のYes)、その1枚役が取りこぼされることなく入賞した場合(ステップst14のYes)、RB2は非入賞となる(ステップst15)。
【0151】
特に、ステップst13で成立した1枚役が入賞チャンス役(1枚役E~Hのいずれか)の場合、
RB2の入賞可能な機会が到来しこととなる。この場合、その1枚役が入賞すれば(ステップst14のNo)RB2は非入賞となる(ステップst15)。一方で、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下でその1枚役が取りこぼされた場合は(ステップst14のYes)、RB2が入賞する(ステップst16)。
【0152】
ステップst13にて1枚役が成立しない場合(ステップst13のNo)、次に1枚役A~Lのいずれかが成立するまで、引き戻しモードでの遊技が継続される。
【0153】
ステップst16にてRB2が入賞すると、遊技状態制御部615は、遊技状態を、RB2内部中状態からRB2実施状態に移行させる。これにより、小役が8回入賞または12ゲーム消化するまでRB2が実施される(ステップst17)。
【0154】
ステップst2で当せんしたRBがRB3であった場合(ステップst18のYes)、ステップst3における内部中遊技状態は、特にRB3内部中状態である小役集中モードに設定される(ステップst19)。以降では、小役集中モードにて遊技が進められるため、仮にベル1が当せんした場合は、払出枚数優先制御により15枚のメダルが払い出される。
【0155】
小役集中モード中に、1枚役A~Lのいずれかが成立(当せん)し(ステップst20のYes)、その1枚役が取りこぼされることなく入賞した場合(ステップst21のNo)、RB3は非入賞となる(ステップst22)。
【0156】
特に、ステップst20で成立した1枚役が入賞チャンス役(1枚役I~Lのいずれか)の場合、
RB3の入賞可能な機会が到来したこととなる。この場合、その1枚役が入賞すれば(ステップst21のNo)、RB3は非入賞となる(ステップst22)。一方で、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下でその1枚役が取りこぼされた場合は(ステップst21のYes)、RB3が入賞する(ステップst23)。
【0157】
ステップst20にて1枚役が成立しない場合(ステップst20のNo)次に1枚役A~Lのいずれかが成立するまで、小役集中モードでの遊技が継続される。
【0158】
ステップst23にてRB3が入賞すると、遊技状態制御部615は、遊技状態を、RB3内部中状態からRB3実施状態に移行させる。これにより、小役が8回入賞または12ゲーム消化するまでRB3が実施される(ステップst24)。
【0159】
遊技者が遊技を終了するまでは(ステップst25のNo)、ステップst1以降の動作が繰り返される。遊技者が遊技を終了した場合(ステップst25のYes)、スロットマシン1は一連の動作を終了する。
【0160】
以上をまとめると、スロットマシン1(遊技機)は、複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リール20a,20b,20c,20dと、複数の回転リール20a,20b,20c,20dの回転を開始させるための操作を受け付けるレバー43(スタートスイッチ)と、複数の回転リール20a,20b,20c,20dの回転を停止させるための操作を受け付けるストップスイッチ40a,40b,40c,40dと、レバー43(スタートスイッチ)の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役のうち少なくとも1つが当せんしたか否かを決定する内部抽せん部610と、レバー43(スタートスイッチ)およびストップスイッチ40a,40b,40c,40dそれぞれの操作に基づいて複数の回転リール20a,20b,20c,20dの回転を制御する回転リール制御部611と、複数の役のうちのRB1,RB2,RB3(特別役)が非当せん且つ非入賞である通常遊技状態と、RB1,RB2,RB3(特別役)が当せんしたが入賞は持ち越されている内部中遊技状態と、当せんしたRB1,RB2,RB3(特別役)の入賞直後に開始されるRB実施状態(特別役実施状態)と、を含む遊技状態の切り替え制御を行う遊技状態制御部615とを備え、複数の役は、特別役に含まれるRB1(第1特別役)およびRB3(第2特別役)と、複数のストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作手順に関係なく入賞してメダル(遊技媒体)が払出枚数払い出されるベル1(所定役)と、を含み、内部中遊技状態は、通常遊技状態の間にRB1(第1特別役)が当せんすることで遷移されるハマリモード(第1モード)と、通常遊技状態の間にRB3(第2特別役)が当せんすることで遷移される小役集中モード(第2モード)と、を少なくとも含み、小役集中モード(第2モード)におけるベル1(所定役)当せん時の払出枚数が、ハマリモード(第1モード)におけるベル1(所定役)当せん時の払出枚数より多いことにより、小役集中モード(第2モード)におけるメダル(遊技媒体)の獲得期待値は、ハマリモード(第1モード)よりも大きいものである。
【0161】
<効果>
本実施形態では、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作手順を意識することなくメダルを獲得できる小役集中モードと、メダルの獲得が期待できないハマリモードとが少なくとも存在し、どのモードで遊技できるかは、通常遊技状態時にどのRB1,RB3が当せんするかによって決定される。従って、遊技は単調な作業とはなりにくく、面白みのあるゲーム性が展開する。
【0162】
また、ハマリモード(第1モード)中のRB1(第1特別役)の入賞確率は、小役集中モード(第2モード)中のRB3(第2特別役)の入賞確率と異なることができる。本実施形態では、ハマリモード(第1モード)中のRB1(第1特別役)の入賞確率は、小役集中モード(第2モード)中のRB3(第2特別役)の入賞確率よりも低い。これにより、ハマリモードでの滞在が小役集中モードでの滞在よりも長くなる傾向となるが、実際にどの程度滞在するかは遊技者による運次第とし、不確定にできる。ゲーム展開は個々の遊技者に委ねられるため、飽きのこない遊技を、遊技者は楽しむことができる。
【0163】
また、内部中遊技状態は、通常遊技状態の間にRB2(第3特別役)が当せんすることで遷移される引き戻しモード(第3モード)、を更に含むことができる。この引き戻しモードにおけるベル1(所定役)当せん時の払出枚数は、小役集中モード(第2モード)におけるベル1当せん時の払出枚数よりも少ない。そのため、引き戻しモード(第3モード)におけるメダルの獲得期待値は小役集中モード(第2モード)よりも小さくなっている。但し、引き戻しモード(第3モード)中のRB2(第3特別役)の入賞確率は、ハマリモード(第1モード)中のRB1(第1特別役)の入賞確率よりも高い。これにより、ゲーム性は更に変化するため、より展開は不確定なものとなる。
【0164】
また、ハマリモード(第1モード)でのベル1(所定役)当せん時、回転リール制御部611は、ベル1に対応する図柄組み合わせのうち最大組み合わせが有効ラインL上に配置されるように、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作に基づいて回転リール20a,20b,20c,20dを停止させる図柄数優先制御を行うことができる。一方、小役集中モード(第2モード)でのベル1(所定役)当せん時、回転リール制御部611は、ベル1に対応する図柄組み合わせのうち、最大組合わせ時よりも既定枚数が多い図柄組み合わせが有効ラインL上に配置されるように、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作に基づいて回転リール20a,20b,20c,20dを停止させる枚数優先制御を行うことができる。これにより、モードの種類に応じて、ベル1の払出枚数が変化する仕様が実現されている。
【0165】
また、通常遊技状態の間にベル1(所定役)が当せんした場合、回転リール制御部611は、図柄数優先制御を行うことができる。これにより、小役集中モード(第2モード)におけるメダルの獲得期待値が、通常遊技状態よりも大きくなることが実現できる。
【0166】
また、演出制御部620(報知制御部)は、内部中遊技状態における滞在モードを、液晶画面3やスピーカ102などである報知部に報知させることができる。これにより、遊技者は、どのモードに現在滞在しているのかを把握できる。
【0167】
また、遊技状態制御部615は、内部中遊技状態の間の滞在モードを、モード移行のきっかけとなったRB1,RB2,RB3(特定役)の入賞を契機として終了させるとともに、入賞したRB1,RB2,RB3(特別役)のRB実施状態(特別役実施状態)に遊技状態を切り替えることができる。これにより、滞在中のモードがいつまで続くのかは、RB1,RB2,RB3の入賞次第となる。従って、展開が不確定であり、飽きのこない遊技を、遊技者は楽しむことができる。
【0168】
また、遊技状態制御部615は、内部中遊技状態における小役集中モード(第2モード)に滞在中、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下タイミングである操作態様に基づくRB3(第2特定役)の入賞可否に応じて、小役集中モード(第2モード)の継続または終了を決定することができる。つまり、RB1,RB2,RB3を入賞できるかどうかは、遊技者の運や勘次第と云える。
【0169】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本開示、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0170】
前記実施形態では、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72の両方が設けられており、いずれのボタン71,72が押下されることで、現在の遊技状態が通常遊技状態に設定される(リセット)と説明した。しかし、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72のいずれか一方のみが設けられていてもよい。また、設定変更ボタン72が押下されても遊技状態は押下前の状態が引き継がれ、RAMクリアボタン71が押下された場合にのみ、遊技状態がリセットされてもよい。
【0171】
遊技状態のリセット処理が行われるトリガは、ボタン71,72の押下以外であってもよい。例えば、メイン制御部61とサブ制御部62とを電気的につなぐハーネスを、一時的に断線させることをトリガとして、遊技状態のリセット処理が行われてもよい。
【0172】
また、遊技状態のリセット処理の実行指示を受け付けるためのボタンを、筐体10の外部に設けておき、遊技者が当該ボタンを押下することができてもよい。つまり、遊技者の意思により、滞在中の遊技状態が、デフォルト設定された「通常遊技状態」へと切り替えられてもよい。
【0173】
前記実施形態において、特別役であるRB1,RB2,RB3の当せん確率や入賞確率、RB1,RB2,RB3の当せん振り分け、ベル1の当せん確率、などが、設定値に応じて異なっていてもよい。例えば、設定値が高いほど、RB1,RB2の当せん確率は低くRB3の当せん確率が高くなるように設定されていたり、RB1,RB2の入賞確率は高くRB3の入賞確率は低くなるように設定されていたりすることができる。設定値が高いほど、ベル1の確率が高くなるように設定されることができる。
【0174】
前記実施形態では、各役の当せん確率が各モードで同一である場合を例示したが、各モードに応じて異なっていてもよい。
【0175】
前記実施形態では、特別役がRBである場合を例示した。しかし、特別役は、RB以外であってもよい。例えば、特別役は、1種BBや2種BBであることができる。特別役がボーナスであって、ボーナスの入賞中(特別役実施状態中)、2枚掛けで2枚または3枚のメダルが払い出されて終了する仕様であってもよい。これにより、ボーナスによるメダルの獲得枚数は、概ね0枚、微増もしくは微減となる。
【0176】
前記実施形態において、RBの当せん時と入賞時とで、ベット数(2枚掛け、3枚掛け)が異なっていてもよい。
【0177】
前記実施形態では、RBが当せんする場合、同時に1枚役が当せんすると説明したが、これに限定されない。RBが当せんする場合、RBが単独で当せんしてもよいし、1枚役以外の役(リプレイや3枚役など)がRBと同時当せんして、RBよりも優先的に入賞してもよい。RBが単独で当せんする場合、RBの入賞を外す手順を、演出制御部620は液晶画面3およびスピーカ102に報知させることができる。この場合の手順としては、目押しによって特定の図柄を所定タイミングに狙って押下すること、が挙げられる。
【0178】
前記実施形態では、RB内部中遊技状態において、入賞チャンス役である1枚役が成立した際、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの押下タイミングに応じて、1枚役が取りこぼされ代わりに対応するRB1,RB2,RB3が入賞して、対応するモードが終了すると説明した。しかし、RB1,RB2,RB3の入賞のし難さ(またはし易さ)は、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作タイミングと操作順との組み合わせに応じて変化してもよい。
【0179】
また、小役集中モードは、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作態様に応じたRB3の入賞可否によって終了する一方で、ハマリモードおよび引き戻しモードは、固定ゲーム数を消化することでRB1,RB2が入賞して終了してもよい。
【0180】
前記実施形態では、内部中遊技状態のモードが3つである場合を例示した。しかし、内部中遊技状態は、ハマリモードと小役集中モードの2つのモードを少なくとも有していればよく、引き戻しモードを有さずともよい。また、内部中遊技状態のモードは、4つ以上であってもよい。例えば、特別役であるRB4が当せんした場合の内部中遊技状態として、RB4の入賞確率が小役集中モードよりも大幅に低いために長期継続が見込まれる特殊モードが、が更に含まれていてもよい。特殊モードでは、RB4の入賞とは関係ないタイミングで、RB4の入賞に関連するストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作実行が、報知部を介してアナウンスされてもよい。例えば、RB4が実際には入賞しないタイミングで、「順押しか逆押しを選べ」との演出が報知される。この場合、どちらの押し順がなされても、RB4は入賞することはなく、特殊モードが継続される。これにより、遊技者は、自身の運や勘によって押し順が正解したためにRB4が入賞しなかった、のように思いながら、遊技を進めることができる。
【0181】
前記実施形態において、図6のRB実施状態の終了後、例えば終了後3ゲーム消化される間に、特殊リプレイが当せんするなどの所定条件が満たされた場合、遊技状態制御部615は、遊技状態を、リプレイの当せん確率が通常遊技状態よりも高い高リプレイ状態に切り替えてもよい。高リプレイ状態の継続ゲーム数は、固定であってもよいし、遊技者によるストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作態様に応じて、継続または終了が決定されたりしてもよい。高リプレイ状態の継続中に、RB1,RB2,RB2が当せんすれば、遊技状態制御部615は、遊技状態を、通常遊技状態を介することなく、高リプレイ状態から内部中遊技状態へと移行することができる。なお、RB実施状態の終了後に、上記所定条件が満たされない場合、遊技状態制御部615は、遊技状態を、通常遊技状態に滞在させる。
【0182】
前記実施形態では、スロットマシン1が液晶画面3を備えている場合を例示した。しかし、スロットマシン1は液晶画面3に代えて、絵柄を光らせるLEDなどが供えられていてもよい。
【0183】
前記実施形態では、回転リールが4リールである場合を説明した。しかし、回転リールは、複数であればよく、3リールであってもよい。
【0184】
前記実施形態では、4つの回転リール20a,20b,20c,20dそれぞれに対応するように、4つのストップスイッチ40a,40a,40dが備えられている場合を説明した。しかし、ストップスイッチの個数は、3つであってもよい。4つの回転リールのうち1つを演出用リールとし、3つのストップスイッチのうちの1つによって、演出用リールの回転と、出玉に関連する3つの回転リールのうちの1つの回転とを、同時に停止できる仕様であってもよい。
【0185】
前記実施形態において、演出制御部620は、これまでに遊技状態がどのように遷移したかや、出玉の推移を、演出や履歴画面を通じて遊技者に報知させてもよい。
【0186】
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。この場合、レバー43は、ベットスイッチ42によるメダルのベット機能を兼ねたものであることができる。
【0187】
前記実施形態において、各モード滞在時に、入賞チャンス役である1枚役が当せんしたことによりRB1,RB2,RB3が入賞できる機会が到来したものの、1枚役が入賞してしまいRB1,RB2,RB3が入賞できなかった場合、演出制御部620は、RB1,RB2,RB3入賞のための正解情報、即ちどのタイミングでストップスイッチ40a,40b,40c,40dを押せば1枚役を取りこぼすことができたかの情報を、液晶画面3およびスピ―カ102の少なくとも1つを介して遊技者に報知させてもよい。
【0188】
前記実施形態では、内部抽せん部610が複数の役のうちいずれかを当せんさせる場合、つまり、内部抽せんによって必ず何らかの役が当する場合を説明した。しかし、内部抽せんによって、いずれの役も当せんしない「はずれ」の場合があってもよい。この場合、内部抽せん部610は、複数の役のうち少なくとも1つが当せんしたか否かを決定する。はずれの場合、ストップスイッチ40a,40b,40c,40dの操作に応じて、対応する回転リール20a,20b,20c,20dが停止するものの、メダルの払い出しは行われない状態にて、1ゲームが終了することができる。
【0189】
前記実施形態では、小役集中モードの際、入賞チャンス役である1枚役I~Lの当せんの際、1/2で1枚役が取りこぼされる制御が行われると説明した。しかし、小役集中モードの場合も、ハマリモードと同様に、入賞チャンス役である1枚役I~Lの当せんの際、1/4で1枚役を取りこぼされる制御が行われてもよい。これにより、小役集中モードの継続期間が前記実施形態に比べて長くなるため、遊技者は、出玉の獲得により期待が持てる。
【0190】
また、小役集中モードとは別に、出玉増加モード(第4モードに相当)を設けてもよい。出玉増加モードは、通常遊技状態の間にRB4(第4特別役に相当)が当せんすることで遷移されるモードである。この出玉増加モードでは、小役集中モードと同様、所定役であるベル1当せん時の払出枚数は、ハマリモード時よりも多い。更に、出玉増加モードでは、RB4の入賞のし難さが、他モード(ハマリモード、引き戻しモード、小役集中モード)でのRB1,RB2,RB3の入賞し難さよりも上回っていることで、メダルの獲得期待値は、他モードよりも大きい。RB4の入賞し難さは、RB4の入賞条件が例えばRB1と同等の仕様とし、更にはどの図柄をどの順番で狙うかといった停止タイミングおよび操作順が付加されることで実現される。RB4の入賞条件がRB1~3の入賞条件に比して厳しくなることにより、RB4は入賞しづらくなるため、出玉が増加するモードをなかなか終わらせにくくなる。その分、遊技者にとっては、出玉を得られる期待が高まるため、遊技の面白みが更に増す。
【0191】
前記実施形態では、有利区間の概念が存在しない場合を例示した。しかし、遊技区間として、通常区間と有利区間とを存在させてもよい。有利区間とは、押し順にかかる指示機能を発揮させることが可能な区間である。この場合、有利区間の間であって、且つモードがハマリモードであれば、RB1の入賞手順(入賞させるための押し順)方法を、例えばハマリモードで所定ゲーム数遊技されたなどの所定条件が満たされた際に、報知することができる。また、有利区間の間であって、且つモードが小役集中モードであれば、RB3の入賞手順(入賞チャンス役である1枚役を取りこぼすための操作タイミングなど)を回避するための操作手順を報知してもよい。小役集中モードの際に、RB3の入賞を回避するための操作手順を報知する期間は、小役集中モード開始時から所定ゲーム数遊技されるまでの間のように、限られていてもよい。また、回避するための操作手順を報知する回数が、他モード(ハマリモード、引き戻しモード)での遊技ゲーム数や、何らかの役が当せんしたことを契機として、抽選などにより決定されてもよい。
【0192】
前記実施形態では、図5に示すように、1枚役A~Lそれぞれは、RB1内部中状態、RB2内部中状態、RB3内部中状態のうち、必ずいずれかにおいて入賞チャンス役となることが決定されている場合を例示した。しかし、1枚役には、どのRB内部中状態においても入賞チャンス役となる役が含まれていてもよいし、どのRB内部中状態においても入賞チャンス役とはならない役が含まれていてもよい。
【0193】
また、1枚役がどのRB内部中状態でも共通して入賞チャンス役となる場合、内部中であるRBの種類によって、RBを入賞することのできる(即ち1枚役を取りこぼせる)、正解となるストップスイッチ40の押下タイミングが異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0194】
1 スロットマシン(遊技機)
3 液晶画面(報知部)
20a,20b,20c,20d 回転リール
40a,40b,40c,40d ストップスイッチ
43 レバー(スタートスイッチ)
102 スピーカ(報知部)
610 内部抽せん部
611 回転リール制御部
615 遊技状態制御部
620 演出制御部(報知制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8