(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/329 20060101AFI20220914BHJP
H01L 29/866 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220914BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220914BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20220914BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20220914BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20220914BHJP
H01L 23/532 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H01L29/90 D
H01L27/04 H
H01L27/06 311B
H01L27/04 R
H01L27/06 102A
H01L27/092 G
H01L27/088 E
H01L21/88 M
H01L21/28 301R
(21)【出願番号】P 2020501961
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(86)【国際出願番号】 JP2018006748
(87)【国際公開番号】W WO2019163102
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】田中 英俊
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-111574(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0207075(US,A1)
【文献】特表2010-525557(JP,A)
【文献】特表2008-505476(JP,A)
【文献】特公昭48-043077(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/329
H01L 21/822
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/088
H01L 27/092
H01L 21/8234
H01L 21/8238
H01L 21/3205
H01L 21/28
H01L 21/768
H01L 23/532
H01L 29/866
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、
前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された
複数の第1接続部と、を備え、
前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、
前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、
を有
し、
複数の前記第1接続部は、前記第1の辺及び前記第1の辺と対向する前記マトリクス状の辺に沿って配置され、前記第2の辺及び前記第2の辺と対向する前記マトリクス状の辺に沿って配置されないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
半導体基板と、
前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、
前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された複数の第1接続部と、を備え、
前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、
前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、
を有し、
複数の前記第1接続部は、少なくとも前記第1の辺及び第2の辺に沿って並んで配置され、
前記第1ダイオード群は、少なくとも、前記第1の辺と前記第2の辺とが交わる前記マトリクス状の隅部に、前記第1突起が配置されないことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
半導体基板と、
前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、
前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された複数の第1接続部と、を備え、
前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、
前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、
を有し、
複数の前記第1接続部は、少なくとも前記第1の辺及び第2の辺に沿って並んで配置され、
前記第2の辺に配置される前記第1接続部に最も近い、前記第1の辺に配置される前記第1接続部は、前記第2の辺に配置される前記第1接続部に最も近い前記第1突起よりも、前記第1の方向の距離が離れて配置されることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
半導体基板と、
前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、
前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された第1接続部と、
前記第1導電層の上方に形成され、前記第1導電層と電気的に接続された第2接続部と、を備え、
前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、
前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、
前記複数の第1突起は、隣接して配置される2つの第1突起を有し、
前記2つの第1突起の一方と、前記第1突起の一方に最も近い前記第2接続部との平面視による距離が、前記2つの第1突起の他方と、前記最も近い前記第2接続部との平面視による距離と均一であることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記第1導電層の上方に形成され、前記第1導電層と電気的に接続された第2接続部を備えており、
前記第2接続部は、平面視で1つの前記第1突起と重なった位置に設けられていることを特徴とする請求項1
~3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1導電層の上方に形成され、前記第1導電層と電気的に接続された第2接続部を備えており、
前記第2接続部は、平面視で1つの前記第1突起とずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1
~3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の第1突起は、隣接して配置される2つの第1突起を有し、
前記2つの第1突起の一方と、前記第1突起の一方に最も近い前記第2接続部との平面視による距離が、前記2つの第1突起の他方と、前記最も近い前記第2接続部との平面視による距離と均一であることを特徴とする請求項
6に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板と、
前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、
前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、
前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された第1接続部と、
前記第1導電層の上方に形成され、前記第1導電層と電気的に接続された第2接続部と、
前記第2接続部上に形成され、前記第2接続部と電気的に接続され、平面視で第1の方向に延在する第1配線と、
前記第1接続部上に形成され、前記第1接続部と電気的に接続され、平面視で
前記第1の方向に延在する第2配線と
を備え、
前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、
前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、
前記複数の第1突起は、平面視で前記第1の方向に沿って配置され、
複数の前記第2接続部は、平面視で前記第1の方向に沿って配置され、
複数の前記第1接続部は、平面視で前記第1の方向に沿って配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
複数の前記第1接続部と、複数の前記第2接続部と、前記複数の第1突起と、前記第1配線と、前記第2配線と、を有する一単位が、平面視で前記第1の方向とは異なる第2の方向に複数並んで配置されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、前記半導体基板に接続する第2下端と、前記第2下端と反対側の第2上端とを持つ複数の第2突起と、
前記複数の第2突起に形成され、それぞれ前記第2下端に前記第2導電型の部分を有し、前記第2上端に前記第1導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第2ダイオード群と、を有し、
前記第1上端は、前記第1配線を介して前記第2上端と電気的に接続することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
電源配線及び接地配線を有し、
前記第1下端は前記電源配線に電気的に接続し、
前記第2下端は前記接地配線に電気的に接続することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記電源配線及び前記接地配線は、前記第1配線及び前記第2配線上で、平面視で前記第2の方向に延在することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体基板に形成され、前記第1導電型を有する第1不純物領域と、
前記半導体基板に形成され、前記第2導電型を有する第2不純物領域と、を有し、
前記第1ダイオード群は前記第1不純物領域上に位置し、
前記第2接続部は前記第1不純物領域に接続し、
前記第2ダイオード群は前記第2不純物領域上に位置し、
前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間であって前記半導体基板に寄生ダイオードが形成されることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【請求項14】
複数の第1ダイオード群及び複数の第2ダイオード群を有し、
前記第1ダイオード群及び前記第2ダイオード群が平面視で交互にマトリクス状に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスでは、その半導体パッケージへの組み立て時やハンドリング時に大きなサージ電流が発生し、トランジスタ等に静電破壊(ESD)が生じることがある。このESDを防止すべく、回路構成にESD保護ダイオードを有する保護回路が付加される場合がある。発生したサージ電流は、ESD保護ダイオードに流れ、トランジスタ等に流れることが抑制され、トランジスタ等のESDが抑止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9653585号明細書
【文献】米国特許第9646973号明細書
【文献】米国特許第9177924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近時では、半導体基板上に縦方向に立設された半導体材料からなる突起状のナノワイヤ(Vertical Nano Wire:VNW)を用いたダイオードが案出されている。VNWは、微細で占有面積が小さいものがある。そのため、VNWをESD保護ダイオードに適用し、回路構成におけるESD保護ダイオードの占有面積の低減を図ることが考えられる。
【0005】
ESD保護ダイオードは、大きなサージ電流が流れることを考慮することが必要である。ESD保護ダイオードとしてVNWを用いた場合、VNWにサージ電流が集中してVNWが破壊されることが懸念される。現在のところ、ESD保護ダイオードであるVNWへの電流集中を抑制する手法は検討されていない現況にある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ESD保護ダイオードに大電流が流れても電流集中を抑制してESD保護ダイオードの破壊を抑制することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
半導体装置の一態様は、半導体基板と、前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された複数の第1接続部と、を備え、前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、複数の前記第1接続部は、前記第1の辺及び前記第1の辺と対向する前記マトリクス状の辺に沿って配置され、前記第2の辺及び前記第2の辺と対向する前記マトリクス状の辺に沿って配置されない。
半導体装置の一態様は、半導体基板と、前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された複数の第1接続部と、を備え、前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、複数の前記第1接続部は、少なくとも前記第1の辺及び第2の辺に沿って並んで配置され、前記第1ダイオード群は、少なくとも、前記第1の辺と前記第2の辺とが交わる前記マトリクス状の隅部に、前記第1突起が配置されない。
半導体装置の一態様は、半導体基板と、前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された複数の第1接続部と、を備え、前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、複数の前記第1接続部は、少なくとも前記第1の辺及び第2の辺に沿って並んで配置され、前記第2の辺に配置される前記第1接続部に最も近い、前記第1の辺に配置される前記第1接続部は、前記第2の辺に配置される前記第1接続部に最も近い前記第1突起よりも、前記第1の方向の距離が離れて配置される。
半導体装置の一態様は、半導体基板と、前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、
前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された第1接続部と、前記第1導電層の上方に形成され、前記第1導電層と電気的に接続された第2接続部と、を備え、前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、前記複数の第1突起は、隣接して配置される2つの第1突起を有し、前記2つの第1突起の一方と、前記第1突起の一方に最も近い前記第2接続部との平面視による距離が、前記2つの第1突起の他方と、前記最も近い前記第2接続部との平面視による距離と均一である。
半導体装置の一態様は、半導体基板と、前記半導体基板上に前記半導体基板に対して垂直に形成され、半導体材料を有し、それぞれ半導体基板に接続する第1下端と、前記第1下端とは反対側の第1上端を持つ複数の第1突起と、前記複数の第1突起に形成され、それぞれ前記第1下端に第1導電型の部分を有し、それぞれ前記第1上端に前記第1導電型とは異なる第2導電型の部分を有する複数のダイオードを有する第1ダイオード群と、前記第1ダイオード群の上方に形成され、前記複数の第1突起の上端に共通して電気的に接続される第1導電層と、前記半導体基板上に形成され、前記複数の第1突起の前記第1下端に共通して電気的に接続された第1接続部と、前記第1導電層の上方に形成され、前記第1導電層と電気的に接続された第2接続部と、前記第2接続部上に形成され、前記第2接続部と電気的に接続され、平面視で第1の方向に延在する第1配線と、前記第1接続部上に形成され、前記第1接続部と電気的に接続され、平面視で前記第1の方向に延在する第2配線とを備え、前記第1ダイオード群は、前記複数の第1突起がマトリクス状に配置され、前記マトリクス状は、平面視で第1の方向に延在する第1の辺と、平面視で前記第1の方向とは異なる方向に延在する第2の辺と、を有し、前記複数の第1突起は、平面視で前記第1の方向に沿って配置され、複数の前記第2接続部は、平面視で前記第1の方向に沿って配置され、複数の前記第1接続部は、平面視で前記第1の方向に沿って配置されている。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、ESD保護ダイオードに大電流が流れても電流集中を抑制してESD保護ダイオードの破壊を抑制することができる半導体装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態によるESD保護ダイオードを備えた半導体装置の概略構成を示す回路図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態よる半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の変形例1による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の変形例1による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、他の例の概略構成を示す平面図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、他の例の概略構成を示す平面図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、他の例の概略構成を示す平面図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、他の例の概略構成を示す平面図である。
【
図13A】
図13Aは、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、他の例の概略構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態の変形例3による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態の変形例1による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
【
図17】
図17は、第2の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
【
図18】
図18は、第3の実施形態による半導体装置の有するI/O回路を示す模式図である。
【
図19】
図19は、第3の実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードの概略構成を示す平面図である。
【
図21】
図21は、第4の実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードの概略構成を示す平面図である。
【
図23】
図23は、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図24】
図24は、
図23に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図25】
図25は、
図24に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図26】
図26は、
図25に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図27】
図27は、
図26に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図28】
図28は、
図27に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図29】
図29は、
図28に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図30】
図30は、
図29に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図31】
図31は、
図30に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図32】
図32は、
図31に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図33】
図33は、
図32に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図34】
図34は、
図33に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【
図35】
図35は、
図34に引き続き、第5の実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、ESD保護ダイオードを備えた半導体装置の諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態によるESD保護ダイオードを備えた半導体装置の概略構成を示す回路図の例である。
図2は、本実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
図3は、本実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
図4Aは、
図3の破線I-Iに沿った断面を示す断面図である。
図4Bは、
図3の破線II-IIに沿った断面を示す断面図である。
図4Cは、
図3の破線III-IIIに沿った断面を示す断面図である。
【0012】
本実施形態による半導体装置は、
図1に示すように、ロジック回路1及び保護回路2を備えている。ロジック回路1は、サージ電流からの保護対象である半導体回路であり、例えばトランジスタや抵抗素子等の機能素子を備えている。保護回路2は、信号パッド3に電気的に接続するPad配線6のノードとVdd電源線5のノードとの間に接続されるダイオード2aを有する。また、保護回路2は、信号パッド3のノードとVss電源線4のノードとの間に接続されたダイオード2bを有する。ダイオード2a及びダイオード2bはそれぞれ、複数のVNWダイオード(VNWダイオード群)を有している。信号パッド3からサージ電流が入力された場合、保護回路2により、ロジック回路1がサージ電流によって破壊されることを抑制できる。なお、
図1では、ESD保護回路2はダイオード2a及びダイオード2bを有しているが、いずれか一方のみを有するものでも良い。
【0013】
ダイオード2aの構成を
図2~
図4Cに例示する。ダイオード2aは、複数のVNWダイオード11が例えば平面視でマトリクス状に集合して配置されたVNWダイオード群10を有する。マトリクス状に配置されたVNWダイオード群10は、例えば、X方向に延在する辺と、Y方向に延在する辺とを有する。なお、ダイオード2bについては、以下でVNWダイオード群の構成部材として説明する「Vdd電源線」の代わりに「パッド配線」とし、「パッド配線」の代わりに「Vss電源線」としても良い。また、VNWダイオード群10において、複数のVNWダイオード11は、平面視でマトリクス状以外に配置されても良い。
【0014】
図4A、
図4Bに示すように、STI素子分離領域14に画定された半導体基板12の領域に、例えばP型の導電型を有するPウェル13が形成されている。Pウェル13の上部には、N型の導電型を有するボトム領域16が形成されている。ボトム領域16の上部であって半導体基板12の表面には、シリサイド層17が形成されている。半導体基板12上には、複数の突起状の半導体ナノワイヤ19が、半導体基板12の表面から垂直に形成されている。
図2,3に示すように、複数の半導体ナノワイヤ19は、平面視でマトリクス状に配置されている。複数の半導体ナノワイヤ19のそれぞれに、下端部分19a、上端部分19b及び、下端部分19aと上端部分19bとの間の中央部分19cを持つVNWダイオード11が形成されている。下端部分19aはN型の導電型を有し、ボトム領域16と電気的に接続されている。上端部分19bはP型の導電型を有する。中央部分19cはP型の導電型を有し、下端部19aとPN接合を形成する。上端部分19bの側面には、絶縁膜のサイドウォール21が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19の下端部分19aは、ボトム領域16により互いに電気的に接続されている。なお、中央部分19cのP型の不純物濃度は、上端部分19bの不純物濃度よりも低くても良いし、同濃度でも良い。また、中央部分19cはP型の代わりにN型の導電型を有し、上端部分19bとPN接合を形成しても良い。また、半導体基板12がP型基板である場合、Pウェル13の形成を省略しても良い。
【0015】
半導体ナノワイヤ19の側面には、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19のゲート電極23は、それぞれ分離されて形成されても良く、全体または一部で1層の導電膜として形成されても良い。なお、ゲート絶縁膜22及びゲート電極23は、後述するようにロジック回路1のトランジスタのゲート絶縁膜及びゲート電極と同時形成されるものであり、VNWダイオード11には形成を省略しても良い。
【0016】
複数の半導体ナノワイヤ19には、シリサイドや金属等の導電膜である1枚のトッププレート24が形成されている。各VNWダイオード11の半導体ナノワイヤ19の上端部分19bは、トッププレート24を介して互いに電気的に接続されている。トッププレート24は、例えば、全体で1枚の導電膜として各VNWダイオード11と導通している。
【0017】
トッププレート24上には、複数のコンタクトプラグ25が平面視でマトリクス状に配置されており、各コンタクトプラグ25がトッププレート24と電気的に接続されている。各コンタクトプラグ25は、平面視で下方の各半導体ナノワイヤ19と位置がずれて配置されている。なお、各コンタクトプラグ25を、平面視で下方の各半導体ナノワイヤ19と重なって配置する場合もある。なお、重なって配置とは、製造上のばらつきや位置ずれ等によって配置が変動したものを含む。これは、他の実施形態や諸変形例においても同様である。
【0018】
このように、複数のVNWダイオード11の上端部分19bをそれぞれ接続し、下端部分19aをそれぞれ接続することで、サージ電流は各VNWダイオード11に分散される。そのため、各VNWダイオード11を流れるサージ電流は小さくなり、電流集中によるVNWダイオード11の破壊を抑制することが出来る。また、コンタクトプラグ25を複数配置した場合、サージ電流が各コンタクトプラグ25に分散される。そのため、コンタクトプラグ25の下方のVNWダイオード11を流れるサージ電流の分散効果を高めることが出来る。
【0019】
VNWダイオード群10の周囲には、VNWダイオード群10の各辺に沿って複数のコンタクトプラグ26が平面視で一列に並んで配置されている。各コンタクトプラグ26は、シリサイド層17と接触しており、シリサイド層17及びボトム領域16を介して下端部分19aと電気的に接続されている。
図4Cに示すように、コンタクトプラグ26の4辺のうち、
図3中でY方向(縦方向)の2辺については、当該2辺の各辺に並ぶ複数のコンタクトプラグ26上にローカルインターコネクト27が形成されている。当該2辺の各辺に並ぶ複数のコンタクトプラグ26は、ローカルインターコネクト27と一体に形成されても良い。
【0020】
コンタクトプラグ25,26及びローカルインターコネクト27上には、Vdd電源線5と、信号パッド3と電気的に接続されたパッド配線6とが形成されている。Vdd電源線5とパッド配線6とは、例えば平面視で平行に並ぶ(例えば
図3中でX方向に平行する)直線状(帯状)に配置されても良い。なお、Vdd電源線5及びパッド配線6は、互いに平行する直線状ではなく、例えば曲折したり、絶縁膜を介して一部で交差したりするように配置しても良い。また、
図3の例ではVdd
電源線5とパッド配線6とが平面視で2本配置されているが、それぞれ1本でも良く、3本以上でも良い。
【0021】
Vdd電源線5は、各コンタクトプラグ26と電気的に接続されている。Vdd電源線5は、配線部5a及びビア部5bが一体形成され、デュアルダマシン構造となっている。ビア部5bは、コンタクトプラグ26の上面またはローカルインターコネクト27と接触している。パッド配線6は、各コンタクトプラグ25と電気的に接続されている。パッド配線6は、配線部6a及びビア部6bが一体形成され、デュアルダマシン構造となっている。ビア部6bは、コンタクトプラグ25と接触している。なお、配線部5a及びビア部5bは、それぞれ別々に形成され、シングルダマシン構造となっていても良い。この場合、配線部5a及びビア部5bは、それぞれ異なる材料で形成されても良い。また、配線部6a及びビア部6bについても同様にそれぞれシングルダマシン構造としても良く、異なる材料で形成されても良い。これらは本実施形態だけに限られず、他の実施形態や変形例においても、配線をシングルダマシン構造で形成しても良い。
【0022】
VNWダイオード11及びコンタクトプラグ26の一部は、絶縁膜28及び層間絶縁膜29,31中に形成されている。トッププレート24、コンタクトプラグ25,コンタクトプラブ26の別の一部、及びローカルインターコネクト27は、層間絶縁膜32中に形成されている。Vdd電源線5、及びパッド配線6は、層間絶縁膜33中に形成されている。
【0023】
以上説明したように、本実施形態によれば、ESD保護ダイオードにおいて複数のVNWダイオードがトッププレートを介して電気的に接続されている。これにより、VNWダイオードに大電流が流れても電流集中を抑制してVNWダイオードの破壊を抑制することができる。なお、本実施形態では、ボトム領域16及び下端部分19aの導電型をN型とし、上端部分19bの導電型をP型としたが、それぞれ反対の導電型にしても良い。その場合、上端部分19bにパッド配線6が電気的に接続し、下端部分19aにVdd
電源線5が電気的に接続する。また、本実施形態のESD保護ダイオードを、ダイオード2aに適用しても良い。この場合、下端部分19aと上端部分19bのうち、導電型がN型の方にパッド配線6が電気的に接続し、導電型がP型の方にVss
電源線4が電気的に接続する。例えば、上端部分19bの導電型がP型であり、下端部分19aの導電型がN型の場合、
図3及び
図4A,B,Cのパッド配線6に代わってVss
電源線4が配置され、Vdd
電源線5に代わってパッド配線6が配置される。このように、本実施形態に限られず、別の実施形態や諸変形例においても、同様に各ダイオードの一部である部分の導電型や、電気的に接続される配線の種類を変更し得る。また、トッププレート24の形成を省略して、または、トッププレート24上に、複数のVNWダイオード11の上端部分19bに共通して電気的に接続するローカルインターコネクトを形成しても良い。また、第1の実施形態のVNWダイオードはESD保護ダイオードとして説明したが、これに限られず、別の用途のダイオードに適用しても良い。また、本実施形態に限られず、別の実施形態や諸変形例においても同様である。
【0024】
[変形例]
以下、第1の実施形態の半導体装置の諸変形例について説明する。
【0025】
(変形例1)
図5は、第1の実施形態の変形例1による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。
図6は、第1の実施形態の変形例1による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。なお、第1の実施形態の
図2~
図4Cで示した構成部材と同じものについては、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0026】
本例では、Vdd電源線5と電気的に接続された複数のコンタクトプラグ26は、VNWダイオード群10の周囲の4辺のうちVNWダイオード11の数が多い辺のみに沿って並んで設けられている。ここでは、複数のコンタクトプラグ26は、
図5中でX方向(横方向)とされた2辺に並んで設けられている。
図5では、VNWダイオード群10において、X方向に6個、Y方向(縦方向)に4個のVNWダイオード11を例示している。
【0027】
本例では、複数のコンタクトプラグ26は、VNWダイオード群10の周囲の4辺のうちVNWダイオード11の数が多いX方向に延在する2辺のみに並んで設けられている。この場合、
図6のように、矢印Aで示すY方向の電流パスが存在することとなる。なお、仮にVNWダイオード群10を囲むようにVNWダイオード群10の周囲の4辺にコンタクトプラグ26を配置した場合、Y方向の電流パスに加えて、X方向にも電流パスが存在することになる。その結果、VNWダイオード群10の4隅のVNWダイオード11にサージ電流が集中し、4隅のVNWダイオード11が破壊され易くなる。そこで本例では、X方向に延在する2辺のみにコンタクトプラグ26を配置ことにより、当該4隅のVNWダイオード11へのサージ電流の集中が緩和され、破壊が抑制される。
【0028】
(変形例2)
図7は、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
図8Aは、
図7の破線I-Iに沿った断面を示す断面図である。
図8Bは、
図7の破線II-IIに沿った断面を示す断面図である。なお、第1の実施形態の
図2~
図4Cで示した構成部材と同じものについては、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0029】
本例では、VNWダイオード群10は、複数のVNWダイオード11がY方向(縦方向)に並んで配置されてなる。図示の例では、VNWダイオード群10は1×4個のVNWダイオード11で構成される。VNWダイオード群10上にはトッププレート24が形成されている。トッププレート24は、各VNWダイオード11の半導体ナノワイヤ19の上端部分19bと電気的に接続されており、全体で1枚の導電層として各VNWダイオード11と導通している。なお、VNWダイオード11のY方向に配置される数は4個に限らず、例えば2個または3個でも良く、4個よりも多い数でも良い。
【0030】
トッププレート24上には、複数のコンタクトプラグ25が電気的に接続されている。任意のVNWダイオード11と当該VNWダイオード11に最も近いコンタクトプラグ25との平面視による距離が、各々のVNWダイオード11について均一とされている。本例では、複数(図示の例では2個)のコンタクトプラグ25は、平面視で隣り合う2個のVNWダイオード11間の箇所に配置され、当該隣り合う2個のVNWダイオード11との距離が平面視で均一である。コンタクトプラグ25をこのように配置することにより、各VNWダイオード11と、当該VNWダイオード11に最も近いコンタクトプラグ25との距離が均一となり、特定のVNWダイオード11への電流集中によるVNWダイオード11の破壊を抑制することができる。なお、距離が均一とは、例えば、製造上のばらつき等により、VNWダイオード11とコンタクトプラグ25との間の距離が変動したものも含む。
【0031】
なお、VNWダイオード11及びコンタクトプラグ25の個数に応じて配置を適宜変更しても良く、例えば各VNWダイオード11と、当該VNWダイオード11に最も近いコンタクトプラグ25との距離が均一とならなくても良い。
図9に示すように、コンタクトプラグ25をその下方のVNWダイオード11と平面視で重なるように配置しても良い。
【0032】
例えば
図10に示すように、複数のコンタクトプラグ25の代わりに、ローカル配線35を形成するようにしても良い。
図10では、図示の便宜上、トッププレート24から上方の部位のみを示す。
【0033】
複数(図示の例では2個)のコンタクトプラグ26は、コンタクトプラグ25の列に沿って並んで配置されている。パッド配線6は、一列に並ぶコンタクトプラグ25と電気的に接続されており、Vdd電源線5は、一列に並ぶコンタクトプラグ26と電気的に接続されている。本例では、隣り合うパッド配線6(1枚のトッププレート24と電気的に接続されている)及びVdd電源線5を一単位として、当該一単位が複数平行に並んで繰り返し配置されている。
図7等では、当該一単位の繰り返し数が2である場合を例示するが、繰り返し数を3以上としても良い。また、当該一単位が1つだけ配置され、繰り返しがないものであっても良い。
【0034】
なお、例えば
図11に示すように、コンタクトプラグ25を、VNWダイオード11と平面視でX方向(横方向)に位置がずれるように配置しても良い。この場合でも、任意のVNWダイオード11と当該VNWダイオード11に最も近いコンタクトプラグ25との平面視による距離が、各々のVNWダイオード11について均一であることが望ましい。
【0035】
また、例えば
図12に示すように、VNWダイオード群10が、VNWダイオード11がX方向(横方向)に2個、Y方向に複数個並んで配置されるようにしても良い。図示の例では、VNWダイオード群10は2×4個のVNWダイオード11で構成される。更に複数のVNWダイオード11を3列以上に配置してVNWダイオード群10を構成しても良い。VNWダイオード11を複数列に配置してVNWダイオード群10を構成することにより、各VNWダイオード11に流れるサージ電流が緩和され、VNWダイオード11の破壊が抑制される。但し、サージ電流の流れ易さを考慮して、VNWダイオード11の配列の個数は、X方向(横方向)よりもY方向(縦方向)の方が多いことが望ましく、例えばY方向に5個以上のVNWダイオード11が配列されても良い。
【0036】
半導体ナノワイヤの他の例を示す。
図13Aは、第1の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。
図13Bは、
図13Aの破線I-Iに沿った断面を示す断面図である。
図13Aでは、コンタクトプラグ25の図示を省略している。
【0037】
突起状の半導体ナノワイヤ19を有するVNWダイオード11の代わりに、半導体基板12上にVNW(Vertical Nano Wall)ダイオード37を形成するようにしても良い。図示の例では、VNWダイオード37は長手方向がY方向(縦方向)となるように配置される。VNWダイオード37は、半導体基板12上に立設され、下端部分36a及び上端部分36bを持つ板状の半導体ナノウォール36を有している。下端部分36aはN型の不純物を有しボトム領域16と一体形成され、上端部分36bはP型の不純物を有する。半導体ナノウォール36の下端部分36aと上端部分36bとの間の中央部分36cの不純物はP型とされ、上端部分36bよりも不純物濃度が低い。上端部分36bの側面には、絶縁膜のサイドウォール21が形成されている。複数の半導体ナノウォール36は、ボトム領域16により下端部分36aで電気的に接続されている。なお、VNWダイオード37は第1の実施形態の変形例2の一態様として例示するが、第1の実施形態及び変形例1、並びに後述する第2~第5の実施形態及び諸変形例においても、VNWダイオード11に代わって適用することができる。また、各実施形態及び諸変形例において、VNWダイオード11とVNWダイオード37とを併用しても良い。なお、
図13Aでは半導体ナノウォール36が、Y方向に2つ並んで配置されているが、配置数は1つでも良く、3以上の数でも良い。
【0038】
(変形例3)
図14は、第1の実施形態の変形例3による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を含む概略構成を示す平面図である。なお、第1の実施形態の
図2~
図4Cで示した構成部材と同じものについては、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0039】
本例では、VNWダイオード群10は、複数のVNWダイオード11がX方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。VNWダイオード群10上にはトッププレート24が形成されている。トッププレート24は、各VNWダイオード11の半導体ナノワイヤ19の上端部分19bと電気的に接続されている。
【0040】
トッププレート24上には、X方向に並ぶ複数(図示の例では4個)のコンタクトプラグ25の列が、所定間隔を置いて複数並んで電気的に接続されている。コンタクトプラグ25の隣り合う列間には、当該一列と平行に並ぶコンタクトプラグ26の列が設けられている。但し、当該列を構成するコンタクトプラグ26は、平面視でトッププレート24の外側に配置されている。コンタクトプラグ26の列は、トッププレート24の両側にも設けられている。
【0041】
パッド配線6は、トッププレート24上で一列に並ぶコンタクトプラグ25と電気的に接続されている。Vdd電源線5は、一列に並ぶコンタクトプラグ26と電気的に接続され、平面視でトッププレート24の上方を横切るように配置されている。本例では、隣り合うパッド配線6及びVdd電源線5を一単位として、当該一単位が複数平行に並んで繰り返し配置されている。但し
図14では、トッププレート24の両側に設けられたコンタクトプラグ26の列と接続されたVdd電源線5が両端に配置され、当該両端のVdd電源線5の隣にそれぞれパッド配線6が位置する場合を例示する。コンタクトプラグ25,26と接続されるローカルインターコネクトを、VNWダイオード群10を囲むように4辺に配置しても良い。
【0042】
[第2の実施形態]
次いで、第2の実施形態について説明する。
図15は、第2の実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。なお、第1の実施形態の
図2~
図4Cで示した構成部材と同じものについては、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0043】
本実施形態では、VNWダイオード群10は、複数のVNWダイオード11がX方向及びY方向にマトリクス状に配置される。Vdd電源線5と電気的に接続された複数のコンタクトプラグ26は、VNWダイオード群10の周囲の辺に沿って並んで設けられている。なお、
図15では、VNWダイオード群10の周囲の辺のうち、上辺の図示は省略している。ここで、VNWダイオード群10では、マトリクス状に配置されたVNWダイオード11のうち、コンタクトプラグ26の辺のうち非対向の2辺の交わる部位に近い隅部のVNWダイオード11(
図15中において破線の円で示す)が欠落している。
【0044】
上記の隅部にVNWダイオード11が存在する場合、当該隅部のVNWダイオード11からは、非対向の2列の各端に位置する2つのコンタクトプラグ26にサージ電流が流れるパスが存在する。そのため、当該隅部のVNWダイオード11にサージ電流が集中しやすく、他のVNWダイオード11に比べて破壊され易い。本実施形態では、上記の隅部にVNWダイオード11を設けないことにより、マトリクスを構成する複数のVNWダイオード11に流れるサージ電流の集中を抑制し、VNWダイオード11の破壊を抑制することができる。なお、
図15では左下隅及び右下隅のVNWダイオード11を設けないものとしているが、例えば、図示が省略された左上隅または右上隅のVNWダイオード11を設けないものとしても良い。すなわち、四隅のVNWダイオード11を設けないものとしても良い。
【0045】
[変形例]
以下、第2の実施形態の半導体装置の諸変形例について説明する。
【0046】
(変形例1)
図16は、第2の実施形態の変形例1による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。なお、第1の実施形態の
図2~
図4Cで示した構成部材と同じものについては、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0047】
本例では、VNWダイオード群10は、複数のVNWダイオード11がX方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。Vdd電源線5と電気的に接続された複数のコンタクトプラグ26は、VNWダイオード群10の周囲の辺に沿って並んで設けられている。なお、
図16では、VNWダイオード群10の周囲の辺のうち、上辺の図示は省略している。ここで、コンタクトプラグ26の非対向の2辺に着目する。本例では、当該2辺のコンタクトプラグ26のうち、マトリクス状における隅部のVNWダイオード11に近い2つのコンタクトプラグ26のうちの一方が欠落している。ここでは、Y方向に並ぶコンタクトプラグ26の列において、隅部のVNWダイオード11に近い一端のコンタクトプラグ26(
図16中において破線の矩形で示す)が欠落している。
【0048】
上記した隅部のVNWダイオード11に近い一端のコンタクトプラグ26が存在する場合、非対向の2辺の各端に位置する2つのコンタクトプラグ26にサージ電流が流れるため、隅部のVNWダイオード11にサージ電流が集中しやすい。そのため、当該隅部のVNWダイオード11が他のVNWダイオード11に比べて破壊され易い。本実施形態では、当該隅部のVNWダイオード11に近い2辺の各一端のコンタクトプラグ26の一方を設けないことにより、マトリクスを構成する複数のVNWダイオード11に流れるサージ電流の集中を抑制し、VNWダイオード11の破壊を抑制することができる。なお、
図16では左下端及び右下端のコンタクトプラグ26を設けないものとしているが、例えば、図示が省略された左上端または右上端のコンタクトプラグ26を設けないものとしても良い。また、下辺または上辺(図示せず)に沿って配置されたコンタクトプラグ26のうち、それぞれ左右端の一方または両方のコンタクトプラグ26を設けないものとしても良い。
【0049】
(変形例2)
図17は、第2の実施形態の変形例2による半導体装置のESD保護ダイオードについて、コンタクトプラグ上の配線構造を除いた概略構成を示す平面図である。なお、第1の実施形態の
図2~
図4Cで示した構成部材と同じものについては、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0050】
本例では、VNWダイオード群10は、複数のVNWダイオード11がX方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。Vdd電源線5と電気的に接続された複数のコンタクトプラグ26は、VNWダイオード群10の周囲の辺に沿って並んで設けられている。なお、
図17では、VNWダイオード群10の周囲の辺のうち、上辺の図示は省略している。第1の実施形態では、VNWダイオード群10の周囲に配置されたコンタクトプラグ26のうち、Y方向に並ぶ2辺のコンタクトプラグ26とローカルインターコネクト27とが一体形成されている。これに対して本例では、各辺に沿って配置されるローカルインターコネクト27が、隅部では形成されず、分離された配置となっている。また、ローカルインターコネクト27が配置されていない隅部では、コンタクトプラグ26も配置されていない。
【0051】
隅部にコンタクトプラグ26及びローカルインターコネクト27を形成した場合、VNWダイオード11と、隅部及び非対向の2辺の各端に位置するコンタクトプラグ26との間でサージ電流が流れる。そのため、隅部のVNWダイオード11にサージ電流が集中し易い。そのため、当該隅部のVNWダイオード11が他のVNWダイオード11に比べて破壊され易い。
本例では、隅部でコンタクトプラグ26とローカルインターコネクト27とを配置しないため、当該隅部のコンタクトプラグ26からその周辺のコンタクトプラグ26へ流れる電流のパスが減少する。そのため、当該隅部のVNWダイオード11への電流集中が抑制され、当該隅部のVNWダイオード11の破壊を抑制することができる。
【0052】
なお、
図17のように、下辺に配置されるローカルインターコネクト27の端が隅部から後退し、その位置にコンタクトプラグ26を配置しないものとしても良い。このような配置とすることで、隅部のVNWダイオード11から下辺のコンタクトプラグ26に流れるサージ電流が減少し、隅部のVNWダイオード11の電流集中による破壊をさらに抑制できる。また、
図17で図示が省略された上辺においても、同様の構成としても良い。また、各辺に位置するローカルインターコネクト27は、電気的に接続されていても良い。
【0053】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。
図18は、本実施形態による半導体装置の有するI/O回路を示す模式図である。
図19は、本実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードの概略構成を示す平面図である。
図20Aは、
図19の破線I-Iに沿った断面を示す断面図である。
図20Bは、
図19の破線II-IIに沿った断面を示す断面図である。
【0054】
本実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードは、I/O回路41の一部の保護回路42として設けられている。保護回路42は、第1ダイオード領域43Aと第2ダイオード領域43Bとを備えている。第1ダイオード領域43Aは第1の実施形態の
図1におけるダイオード2aに、第2ダイオード領域43Bは第1の実施形態の
図1におけるダイオード2bにそれぞれ対応している。
【0055】
第1ダイオード領域43Aでは、第1集合体44及び第2集合体45をそれぞれ一単位として、当該各一単位が平面視で複数平行に並んで繰り返し配置されている。
第1集合体44は、VNWダイオード群10A、トッププレート24A、及び複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ25を備えている。第2集合体45は、複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ26を備えている。なお、
図19では当該一単位が2つ配置されているが、当該一単位が1つのみでも良く、繰り返し数が3以上であっても良い。
【0056】
第1集合体44において、複数のVNWダイオード11Aが一列(複数列でも良い)に並んで配置されてVNWダイオード群10Aとされている。
図20A、
図20Bに示すように、第1ダイオード領域43Aの半導体基板12に例えばP型の導電型を有するPウェル13aが形成されている。Pウェル13aの上部には、N型の導電型を有するボトム領域16Aが形成されている。ボトム領域16Aの上部であって半導体基板12の表面には、シリサイド層17が形成されている。第1ダイオード領域43Aの半導体基板12上には、複数の突起状の半導体ナノワイヤ19Aが、半導体基板12の表面から垂直に形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Aのそれぞれに、下端部分19Aa、上端部分19Ab及び、端部分19Aaと上端部分19Abとの間の中央部分19Acを持つVNWダイオード11Aが形成されている。下端部分19AaはN型の導電型を有し、ボトム領域16Aと電気的に接続されている。上端部分19AbはP型の導電型を有する。中央部分19AcはP型の導電型を有し、下端部19AaとPN接合を形成する。上端部分19Abの側面には、絶縁膜のサイドウォール21が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Aの下端部分19Aaは、ボトム領域16Aにより互いに電気的に接続されている。なお、中央部分19AcのP型の不純物の濃度は、上端部分19Abよりも低くて良いし、同濃度でも良い。また、半導体基板12がP型基板である場合、Pウェル13aの形成を省略しても良い。
【0057】
半導体ナノワイヤ19Aの側面には、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Aのゲート電極23は、それぞれ分離されて形成されても良く、全体または一部で1層の導電膜として形成されても良い。なお、ゲート絶縁膜22及びゲート電極23は、後述するようにロジック回路のトランジスタのゲート絶縁膜及びゲート電極と同時形成されるものであり、VNWダイオード11Aには形成を省略しても良い。
【0058】
複数の半導体ナノワイヤ19A上には、シリサイドや金属等の導電膜である1枚のトッププレート24Aが形成されている。各VNWダイオード11Aの半導体ナノワイヤ19Aの上端部分19Abは、トッププレート24Aを介して互いに電気的に接続されている。トッププレート24Aは、例えば、全体で1枚の導電膜として各VNWダイオード11Aと導通している。
【0059】
トッププレート24A上には、複数のコンタクトプラグ25が一列(複数列でも良い)に配置されており、各コンタクトプラグ25がトッププレート24Aと電気的に接続されている。各コンタクトプラグ25は、平面視で各VNWダイオード11Aと重なって配置されている。但し、各コンタクトプラグ25を、平面視で各VNWダイオード11Aとずれた位置に配置する場合もある。
【0060】
第2集合体45は、平面視で、第1集合体44と平行して、複数のコンタクトプラグ26が一列に並んで配置される。各コンタクトプラグ26は、シリサイド層17と接触しており、シリサイド層17及びボトム領域16Aを介して各VNWダイオード11Aの下端部分19Aaと電気的に接続されている。
【0061】
第2ダイオード領域43Bでは、第1集合体46及び第2集合体47を一単位として、当該一単位が平面視で複数平行に並んで繰り返し配置されている。
第1集合体46は、VNWダイオード群10
B、トッププレート24B、及び複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ25を備えている。第2集合体47は、複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ26を備えている。なお、
図19では当該一単位が2つ配置されているが、当該一単位が1つのみでも良く、繰り返し数が3以上であっても良い。
【0062】
第1集合体46において、複数のVNWダイオード11Bが一列(複数列でも良い)に並んで配置されてVNWダイオード群10Bとされている。
図20A、
図20Bに示すように、第2ダイオード領域43
Bの半導体基板12に例えばN型の導電型を有するNウェル13bが形成されている。Nウェル13bの上部には、P型の導電型を有するボトム領域16Bが形成されている。ボトム領域16Bの上部であって半導体基板12の表面には、シリサイド層17が形成されている。第2ダイオード領域43Bの半導体基板12上には、複数の突起状の半導体ナノワイヤ19Bが、半導体基板12の表面から垂直に形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Bのそれぞれに、下端部分19Ba、上端部分19Bb及び、端部分19Baと上端部分19Bbとの間の中央部分19Bcを持つVNWダイオード11Bが形成されている。下端部分19BaはP型の導電型を有し、ボトム領域16Bと電気的に接続されている。上端部分19BbはN型の導電型を有する。中央部分19BcはN型の導電型を有し、下端部19BaとPN接合を形成する。上端部分19Bbの側面には、絶縁膜のサイドウォール21が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Bの下端部分19Baは、ボトム領域16Bにより互いに電気的に接続されている。なお、中央部分19BcのN型の不純物の濃度は、上端部分19Bbよりも低くて良いし、同濃度でも良い。また、半導体基板12がN型基板である場合、Nウェル13bの形成を省略しても良い。
【0063】
半導体ナノワイヤ19Bの側面には、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Bのゲート電極23は、それぞれ分離されて形成されても良く、全体または一部で1層の導電膜として形成されても良い。なお、ゲート絶縁膜22及びゲート電極23は、後述するようにロジック回路のトランジスタのゲート絶縁膜及びゲート電極と同時形成されるものであり、VNWダイオード11Bには形成を省略しても良い。
【0064】
複数の半導体ナノワイヤ19B上には、シリサイドや金属等の導電膜である1枚のトッププレート24Bが形成されている。各VNWダイオード11Bの半導体ナノワイヤ19Bの上端部分19Bbは、トッププレート24Bを介して互いに電気的に接続されている。トッププレート24Bは、例えば、全体で1枚の導電膜として各VNWダイオード11Bと導通している。
【0065】
トッププレート24B上には、複数のコンタクトプラグ25が一列(複数列でも良い)に配置されており、各コンタクトプラグ25がトッププレート24Bの表面と電気的に接続されている。各コンタクトプラグ25は、平面視で各VNWダイオード11Bと重なって配置されている。但し、各コンタクトプラグ25を、平面視で各VNWダイオード11Bとずれた位置に配置する場合もある。
【0066】
第2集合体47は、平面視で、第1集合体46と平行して、複数のコンタクトプラグ26が一列に並んで配置されてなる。各コンタクトプラグ26は、シリサイド層17と接触しており、シリサイド層17及びボトム領域16Bを介して各VNWダイオード11Bの下端部分19Baと電気的に接続されている。
【0067】
第1ダイオード領域43Aの複数のコンタクトプラグ26上には、第2集合体45と平面視で重なるように、例えば1本の配線構造48が配置されている。配線構造48は、例えばデュアルダマシン法で形成される。配線構造48は、第1ダイオード領域43Aの複数のコンタクトプラグ26と電気的に接続されている。第1ダイオード領域43Bの複数のコンタクトプラグ26上には、第2集合体47と平面視で重なるように、例えば1本の配線構造49が配置されている。配線構造49は、例えばデュアルダマシン法で形成される。配線構造49は、第2ダイオード領域43Bの複数のコンタクトプラグ26と電気的に接続されている。
【0068】
第1ダイオード領域43Aの複数のコンタクトプラグ25及び第2ダイオード領域43Bの複数のコンタクトプラグ25には、両領域に共通に、第1集合体44上及び第1集合体46と平面視で重なるように、例えば1本の配線構造51が配置されている。配線構造51は、例えばデュアルダマシン法で形成される。配線構造51は、コンタクトプラグ25と電気的に接続されている。配線構造51と配線構造48,49とは、平行に並んで配置されている。
【0069】
第1ダイオード領域43Aでは、平面視で配線構造48,51と交差するように、配線構造48,51上にVdd電源線5が配置されている。Vdd電源線5は、例えばデュアルダマシン法で形成される。Vdd電源線5は、配線構造48、コンタクトプラグ26、シリサイド層17及びボトム領域16Aを介して各VNWダイオード11Aの下端部分19Aaと電気的に接続されている。第2ダイオード領域43Bでは、平面視で配線構造49,51と交差するように、配線構造49、51上にVss電源線4が配置されている。Vss電源線4は、例えばデュアルダマシン法で形成される。Vss電源線4は、配線構造49、コンタクトプラグ26、シリサイド層17及びボトム領域16Bを介して各VNWダイオード11Bの下端部分19Baと電気的に接続されている。第1ダイオード領域43Aと第2ダイオード領域43Bとの間では、平面視で配線構造51と交差するように、配線構造51上にパッド配線6が配置されている。パッド配線6は、例えばデュアルダマシン法で形成される。パッド配線6は、配線構造51と電気的に接続されている。なお、VNWダイオード11Aの下端部分19Aa及びボトム領域16Aの導電型と、上端部分19Abの導電型を逆にし、Vdd電源線5が上端部分19Abに電気的に接続し、Pad配線6が下端部分19Aaに電気的に接続しても良い。また、VNWダイオード11Bの下端部分19Ba及びボトム領域16Bの導電型と、上端部分19Bbの導電型を逆にし、Vss電源線4が上端部分19Bbに電気的に接続し、Pad配線6が下端部分19Baに電気的に接続しても良い。
【0070】
VNWダイオード11A,11B及びコンタクトプラグ26の一部は、絶縁膜28及び層間絶縁膜29,31中に形成されている。トッププレート24A,24B、コンタクトプラグ25,及びコンタクトプラグ26の別の一部は、層間絶縁膜32中に形成されている。配線構造48,49,及び51は、層間絶縁膜33中に形成されている。Vss電源線4、Vdd電源線5、及びパッド配線6は、層間絶縁膜34中に形成されている。
【0071】
以上説明したように、本実施形態によれば、ESD保護ダイオードにおいて複数のVNWダイオードがトッププレートと電気的に接続されている。これにより、VNWダイオードに大電流が流れても電流集中を抑制してVNWダイオードの破壊を抑制することができる。
【0072】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について説明する。
図21は、本実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードの概略構成を示す平面図である。
図22Aは、
図21の破線I-Iに沿った断面を示す断面図である。
図22Bは、
図21の破線II-IIに沿った断面を示す断面図である。
図22Cは、
図21の破線III-IIIに沿った断面を示す断面図である。
図22Dは、
図21の破線IV-IVに沿った断面を示す断面図である。
【0073】
本実施形態による半導体装置のESD保護ダイオードは、第1ダイオード領域43Aに含まれ、第1領域43Aa及び第2領域43Abを備えている。第1領域43Aaと第2領域43Abとは、平面視で例えば千鳥状に配置されている。第1ダイオード領域43Aは、第1の実施形態の
図1におけるダイオード2aに対応している。
【0074】
第1領域43Aaでは、第1集合体44及び第2集合体45を一単位として、当該一単位が平面視で複数平行に並んで繰り返し配置されている。
第1集合体44は、VNWダイオード群10Aa、トッププレート24Aa、及び複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ25を備えている。第2集合体45は、複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ26を備えている。なお、
図21では、第1集合体44が3つ、第2集合体45が2つ配置されているが、例えば2つの第1集合体44及び1つの第2集合体45としたり、3つ以上の第
1集合体
44及び4つ以上の第2集合体45としたりしても良い。
【0075】
第1集合体44において、複数のVNWダイオード11Aaが一列(複数列でも良い)に並んで配置されてVNWダイオード群10Aaとされている。
図22A~図22Dに示すように、第1領域43Aaの半導体基板12に例えばP型の導電型を有するPウェル13が形成されている。Pウェル13の上部には、N型の導電型を有するボトム領域16Aaが形成されている。ボトム領域16Aaの上部であって半導体基板12の表面には、シリサイド層17が形成されている。第1領域43Aaの半導体基板12上には、複数の突起状の半導体ナノワイヤ19Aaが、半導体基板12の表面から垂直に形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Aaのそれぞれに、下端部分19Aaa、上端部分19Aab及び、下端部分19Aaaと上端部分19Aabとの間の中央部分19Aacを持つVNWダイオード11Aaが形成されている。下端部分19AaaはN型の導電型を有し、ボトム領域16Aaと電気的に接続されている。上端部分19AabはP型の導電型を有する。中央部分19AacはP型の導電型を有し、下端部19AaaとPN接合を形成する。上端部分19Aabの側面には、絶縁膜のサイドウォール21が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Aaの下端部分19Aaaは、ボトム領域16Aaにより互いに電気的に接続されている。なお、中央部分19AacのP型の不純物の濃度は、上端部分19Aabよりも低くて良いし、同濃度でも良い。また、半導体基板12がP型基板である場合、Pウェル13の形成を省略しても良い。
【0076】
半導体ナノワイヤ19Aaの側面には、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Aaのゲート電極23は、それぞれ分離されて形成されても良く、全体または一部で1層の導電膜として形成されても良い。なお、ゲート絶縁膜22及びゲート電極23は、後述するようにロジック回路のトランジスタのゲート絶縁膜及びゲート電極と同時形成されるものであり、VNWダイオード11Aaには形成を省略しても良い。また、ゲート電極23は全体で1層の導電体として導通してなくても良く、例えばVNWダイオード群10Aaの中で複数に分離されて形成されても良い。
【0077】
複数の半導体ナノワイヤ19Aa上には、シリサイドや金属等の導電膜である1枚のトッププレート24Aaが形成されている。各VNWダイオード11Aaの半導体ナノワイヤ19Aaは、トッププレート24Aaを介して互いに電気的に接続されている。トッププレート24Aaは、例えば、全体で1枚の導電膜として各VNWダイオード11Aaと導通している。
【0078】
トッププレート24Aa上には、複数のコンタクトプラグ25が一列(複数列でも良い)に配置されており、各コンタクトプラグ25がトッププレート24Aaの表面と電気的に接続されている。各コンタクトプラグ25は、平面視で各VNWダイオード11Aaと重なって配置されている。なお、各コンタクトプラグ25を、平面視で各VNWダイオード11Aaと位置がずれて配置する場合もある。
【0079】
第2集合体45は、平面視で、第1集合体44と平行して、複数のコンタクトプラグ26が一列に並んで配置されてなる。各コンタクトプラグ26は、シリサイド層17と接触しており、シリサイド層17及びボトム領域16Aaを介して各VNWダイオード11Aaの下端部分19Aaaと電気的に接続されている。
【0080】
第2領域43Abでは、第1集合体46及び第2集合体47を一単位として、当該一単位が平面視で複数平行に並んで繰り返し配置されている。
第1集合体46は、VNWダイオード群10Ab、トッププレート24Ab、及び複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ25を備えている。第2集合体47は、複数(ここでは例えば縦方向に一列に並ぶ4つ)のコンタクトプラグ26を備えている。なお、
図21では、第1集合体46が3つ、第2集合体47が2つ配置されているが、例えば2つの第1集合体46及び1つの第2集合体47としたり、3つ以上の第
1集合体46及び4つ以上の第2集合体47としたりしても良い。
【0081】
第1集合体46において、複数のVNWダイオード11Abが一列(複数列でも良い)に並んで配置されてVNWダイオード群10Abとされている。
図21A~
図21Dに示すように、第2領域43Abの半導体基板12に例えばP型の導電型を有するPウェル13が形成されている。Pウェル13の上部には、P型の導電型を有するボトム領域16Abが形成されている。ボトム領域16Abの上部であって半導体基板12の表面には、シリサイド層17が形成されている。第2領域43Abの半導体基板12上には、複数の突起状の半導体ナノワイヤ19Abが、半導体基板12の表面から垂直に形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Abのそれぞれに、下端部分19Aba、上端部分19Abb及び、下端部分19Abaと上端部分19Abbとの間の中央部分19Abcを持つVNWダイオード11Abが形成されている。下端部分19AbaはP型の導電型を有し、ボトム領域16Abと電気的に接続されている。上端部分19AbbはN型の導電型を有する。中央部分19AbcはN型の導電型を有し、下端部19AbaとPN接合を形成する。上端部分19Abbの側面には、絶縁膜のサイドウォール21が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Abの下端部分19Abaは、ボトム領域16Abにより互いに電気的に接続されている。なお、中央部分19AbcのN型の不純物の濃度は、上端部分19Abbよりも低くて良いし、同濃度でも良い。また、半導体基板12がP型基板である場合、Pウェル13の形成を省略しても良い。
【0082】
半導体ナノワイヤ19Abの側面には、ゲート絶縁膜22を介してゲート電極23が形成されている。複数の半導体ナノワイヤ19Abのゲート電極23は、それぞれ分離されて形成されても良く、全体または一部で1層の導電膜として形成されても良い。なお、ゲート絶縁膜22及びゲート電極23は、後述するようにロジック回路のトランジスタのゲート絶縁膜及びゲート電極と同時形成されるものであり、VNWダイオード11Abには形成を省略しても良い。また、ゲート電極23は全体で1層の導電体として導通してなくても良く、例えばVNWダイオード群10Abの中で複数に分離されて形成されても良い。
【0083】
複数の半導体ナノワイヤ19Aa上には、シリサイドや金属等の導電膜である1枚のトッププレート24Abが形成されている。各VNWダイオード11Abの半導体ナノワイヤ19Abは、トッププレート24Abを介して互いに電気的に接続されている。トッププレート24Abは、例えば、全体で1枚の導電膜として各VNWダイオード11Abと導通している。
【0084】
トッププレート24Ab上には、複数のコンタクトプラグ25が一列(複数列でも良い)に配置されており、各コンタクトプラグ25がトッププレート24Abの表面と電気的に接続されている。各コンタクトプラグ25は、平面視で下方の各VNWダイオード11Abと重なって配置されている。なお、各コンタクトプラグ25を、平面視で各VNWダイオード11Abと位置がずれて配置する場合もある。
【0085】
本実施形態では、第1領域43Aa及び第2領域43Abが平面視でX方向及びY方向の各々に交互に千鳥状となるように配置される。この場合、X方向及びY方向で隣り合う第1領域43Aaと第2領域43Abとの間にも、ダイオード(寄生ダイオード)が形成される。具体的には、第2領域43Abのボトム領域16Abが第1領域43AaのPウェル13と電気的に接続し、第1領域43Aaのボトム領域16Aaと当該Pウェル13との間のPN接合による寄生ダイオードが形成される。この構成では、各半導体ナノワイヤ19Aa及び各半導体ナノワイヤ19AbがESDダイオードとして機能する。更に、隣り合う第1領域43Aaと第2領域43Abとの間に生じる寄生ダイオードもESDダイオードとして機能することになる。
【0086】
第2集合体47は、第1集合体46と平行して、複数のコンタクトプラグ26が一列に並んで配置されてなる。各コンタクトプラグ26は、シリサイド層17と接触しており、シリサイド層17及びボトム領域16Abを介して各VNWダイオード11Abの半導体ナノワイヤ19Abと電気的に接続されている。
【0087】
本実施形態では、配置の効率を考慮して、Y方向に交互に並ぶ第1領域43Aa及び第2領域43Abにおいて、Y方向に沿って第1集合体44と第2集合体47とが並ぶように配置される。また、Y方向に沿って第2集合体45と第1集合体46とが並ぶように配置されている。
【0088】
Y方向に交互に並ぶ第1領域43Aaの複数のコンタクトプラグ25及び第2領域43Abの複数のコンタクトプラグ26は、配線構造61と電気的に接続されている。配線構造61は、両領域に共通に、第1集合体44上及び第2集合体47上でこれらと平面視で重なるように配置されている。配線構造61は、例えばデュアルダマシン法で形成される。
【0089】
Y方向に交互に並ぶ第1領域43Aaの複数のコンタクトプラグ26及び第2領域43Abの複数のコンタクトプラグ25は、配線構造62と電気的に接続されている。配線構造62は、両領域に共通に、第2集合体45上及び第1集合体46上でこれらと平面視で重なるように配置されている。配線構造62が電気的に接続されている。配線構造62は、例えばデュアルダマシン法で形成される。
【0090】
X方向に交互に並ぶ第1領域43Aa及び第2領域43Abにおいて、配線構造61,62の上方に、第1配線構造63が設けられている。第1配線構造63は、配線構造61,62と平面視で交差する。第1配線構造63は、例えばデュアルダマシン法で形成されており、第1領域43Aaでは第1集合体44のコンタクトプラグ25と、第2領域43Abでは第2集合体47の複数のコンタクトプラグ26とそれぞれ電気的に接続されている。X方向に交互に並ぶ第1領域43Aa及び第2領域43Abにおいて、配線構造61,62に、第2配線構造64が設けられている。第2配線構造64は、配線構造61,62と平面視で交差する。例えばデュアルダマシン法で形成されており、第1領域43Aaでは第2集合体45のコンタクトプラグ26と、第2領域43Abでは第1集合体46の複数のコンタクトプラグ25とそれぞれ電気的に接続されている。
【0091】
第1配線構造63と第2配線構造64とは、例えば平面視で交互に平行に並んで配置されている。第1配線構造63はパッド配線であり、第1領域43Aaの上端部分19Aabに電気的に接続し、第2領域43Abの下端部分19Abaに電気的に接続する。第2配線構造64はVdd配線であり、第1領域43Aaの上端部分19Aabに電気的に接続し、第2領域43Abの下端部分19Abaに電気的に接続する。
【0092】
VNWダイオード11Aa,11Abは、絶縁膜28及び層間絶縁膜29,31中に形成されている。トッププレート24Aa,24Ab及びコンタクトプラグ25,26は、層間絶縁膜32中に形成されている。配線構造61,62は、層間絶縁膜33中に形成されている。第1配線構造63及び第2配線構造64は、層間絶縁膜34中に形成されている
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、ESD保護ダイオードにおいて複数のVNWダイオードがトッププレートと電気的に接続されている。これにより、VNWダイオードに大電流が流れても電流集中を抑制してVNWダイオードの破壊を抑制することができる。なお、本実施形態では、ダイオード2aを例として説明したが、例えばダイオード2bにも適用できる。その場合、例えば、第1配線構造63はPad配線6とし、第2配線構造64はVss電源線4としてもよい。
【0094】
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について説明する。本実施形態では、第1乃至第4の実施形態で示したESD保護ダイオードと共に、抵抗及びMOSトランジスタについて、その製造方法を説明する。
【0095】
図23~
図35は、本実施形態による半導体装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。各図において、ESD保護ダイオードはダイオード形成領域R2に形成される。MOSトランジスタがトランジスタ形成領域R1に、抵抗素子が抵抗素子形成領域R3にそれぞれ形成される。なお、トランジスタ形成領域R1に形成されるMOSトランジスタや、抵抗素子形成領域R3に形成される抵抗素子は、ESD保護ダイオードの保護対象である半導体回路に配置されても良い。
【0096】
先ず、
図23に示すように、基板101の表面にマスク層102を形成する。
詳細には、先ず、基板101を用意する。基板101としては、バルクSi、ゲルマニウム(Ge)、Si又はGeの化合物や合金の基板、更にはSiC、SiP、SiPC、GaAs、GaP、InP、InAs、In、Sb、SiGe、GaAcP、AlInAs、GaInAs、GaInP、及びGaInAsPから選ばれた1種またはこれらの組み合わせ等の基板とする。SOI基板を用いることもできる。
【0097】
続いて、
図24に示すように、基板101にVNW101a及びSTI素子分離構造103が形成される。図示の便宜上、トランジスタ形成領域R1では活性領域100A及び100Bに配置された2本のVNW101aを例示する。また、ダイオード形成領域R2では活性領域100C及び100D、100E,100Fに配置された4本のVNW101aを例示する。また、抵抗形成領域R3では活性領域100G及び100Hに配置された2本のVNW101aを例示する。VNW101aは、その上に形成されるハードマスク104をマスクとして、基板101をエッチングして形成されても良い。ハードマスク104の材料は、例えばSiC,SiN,SiON,SiCNまたはこれらの組み合わせである。また、基板101上に半導体材料をエピタキシャル成長することにより、VNW101aを形成しても良い。また、VNW101aの平面形状は、例えば円形、楕円形、四角形または一方向に延在した形状であっても良い。
【0098】
また、基板101をエッチングして開口を形成し、その開口中に絶縁材料を形成することで、STI素子分離構造103が形成される。絶縁材料は、例えばSiO,PSG(リンシリケイトガラス),BSG(ボロンシリケイトガラス),BPSG(ボロンリンシリケイトガラス),USG(非ドープシリケイトガラス)またはこれらの組み合わせであっても良い。STI素子分離構造103は、VNW101aよりも先に形成されても良いし、後に形成されても良い。
【0099】
続いて、
図25に示すように、P型の導電型を持つウェル107を形成する。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、活性領域100B,100HのVNW101aを覆うマスク層(図示せず)を形成する。当該マスク層(図示せず)を用いて、活性領域100A,100C~100GにP型不純物をイオン注入する。P型不純物としては、B,BF
2,In,Nから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向から行うことが好ましい。
【0100】
続いて、マスク層(図示せず)をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、導入されたP型不純物を活性化する。以上により、基板101の活性領域100A,100C~100GにP型のウェル107が形成される。
【0101】
続いて、
図26に示すように、N型のウェル109を形成する。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、活性領域100A,100C~100GのVNW101aを覆うマスク層(図示せず)を形成する。当該マスク層(図示せず)を用いて、活性領域100B,100HにN型不純物をイオン注入する。N型不純物としては、As,P,Sb,Nから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向から行うことが好ましい。
【0102】
続いて、マスク層(図示せず)をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、導入されたN型不純物を活性化する。以上により、基板101の活性領域100B,100HにN型のウェル109が形成される。
【0103】
続いて、
図27に示すように、N型のボトム領域111を形成する。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、活性領域100B,100D,100F,100HのVNW101aを覆うマスク層(図示せず)を形成する。当該マスク層(図示せず)を用いて、活性領域100A,100C,100E,100Gのウェル107の表層部分にN型不純物をイオン注入する。N型不純物としては、As,P,Sb,Nから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向から行うことが好ましい。
【0104】
続いて、マスク層(図示せず)をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、導入されたN型不純物を活性化する。以上により、活性領域100A,100C,100E,100Gの表層部位及びVNW101aの下端部分101a1にN型のボトム領域111が形成される。ボトム領域111は、ダイオード形成領域R2ではESD保護ダイオードのカソード領域として、トランジスタ形成領域R1ではトランジスタのソース領域又はドレイン領域として機能する。なお、N型のボトム領域111の不純物濃度は、N型のウェル109の不純物濃度よりも高いものであっても良い。なお、N型の下端部分101a1の形成のためのイオン注入を、P型の下端部分101a1の形成のためのイオン注入よりも先に行っても良い。
【0105】
続いて、
図28に示すように、P型のボトム領域113を形成する。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、活性領域100A,100C,100E,100GのVNW101aを覆うマスク層(図示せず)を形成する。当該マスク層(図示せず)を用いて、活性領域100B,100D,100F,100Hのウェル109の表層部分にP型不純物をイオン注入する。P型不純物としては、B,BF
2,Inから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向から行うことが好ましい。
【0106】
続いて、マスク層(図示せず)をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、導入されたP型不純物を活性化する。以上により、活性領域100B,100D,100F,100Hの表層部位及びVNW101aの下端部分101a1にP型のボトム領域113が形成される。ボトム領域113は、ダイオード形成領域R2ではESD保護ダイオードのカソード領域として、トランジスタ形成領域R1ではトランジスタのソース領域又はドレイン領域として機能する。なお、P型のボトム領域113の不純物濃度は、P型のウェル107の不純物濃度よりも高いものであっても良い。なお、N型の下端部分101a1の形成のためのイオン注入を、P型の下端部分101a1の形成のためのイオン注入よりも先に行っても良い。
【0107】
続いて、
図29に示すように、シリサイド層115及び絶縁膜116を形成する。
シリサイド層115は、ボトム領域111及びボトム領域113の表面に金属膜を形成し、熱処理を施してボトム領域111及びボトム領域113の表面をシリサイド化することにより、形成される。金属膜の材料としては、例えばNi,Co,Mo,W,Pt,Ti等を用いる。なお、
図29に示すように、シリサイド層115は、VNW101の下端部分101a1から離間して形成されても良い。
絶縁膜116は、例えば、CVD法等により、VNW101aを覆うように全面に絶縁材料を堆積し、当該絶縁材料を平坦化し、エッチバックして形成される。絶縁膜116の材料としては、例えば、SiO
2,SiN,SiON,SiC,SiCN,SiOCN等の絶縁物を用いる。絶縁膜116の厚さは、例えば、基板101の上面からの、VNW101aの下端部分101a1の上端の高さ程度である。以上により、絶縁膜116が形成される。
【0108】
続いて、
図30に示すように、P型不純物のイオン注入を行う。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、基板101の活性領域100B,100D,100E,100Gを覆うマスク層117を形成する。マスク層117を用いて、マスク層117から露出する活性領域100A,100C,100F,100HにP型不純物を比較的低濃度(P型のボトム領域113よりも低濃度)にイオン注入する。P型不純物としては、例えばB,BF
2,Inから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向に対して所定角度だけ傾斜させた方向から行うことが好ましい。これにより、VNW101aに効率良くP型不純物が導入され、100A,100C,100F,100HのVNW101aの中央部分101a3がP型不純物領域とされる。
【0109】
次に、マスク層117をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、活性領域100A,100C,100F,100HのVNW101aの中央部分101a3に導入されたP型不純物を活性化する。
【0110】
続いて、
図31に示すように、N型不純物のイオン注入を行う。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、基板101の活性領域100A,100C,100F,100Hを覆うマスク層118を形成する。マスク層118を用いて、マスク層118から露出する活性領域100B,100D,100E,100GにN型不純物を比較的低濃度(N型のボトム領域111よりも低濃度)にイオン注入する。N型不純物としては、例えばAs,P,Sbから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向に対して所定角度だけ傾斜させた方向から行うことが好ましい。これにより、VNW101aに効率良くN型不純物が導入され、100B,100D,100E,100GのVNW101aの中央部分101a3がN型不純物領域とされる。なお、N型の中央部分101a3の形成のためのイオン注入を、P型の中央部分101a3の形成のためのイオン注入よりも先に行ってもよい。
【0111】
次に、マスク層118をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、活性領域100B,100D,100E,100GのVNW101aの中央部分101a3に導入されたN型不純物を活性化する。
【0112】
続いて、
図32に示すように、ゲート絶縁膜119、ゲート電極120、及び層間絶縁膜121を形成する。
ゲート絶縁膜119、ゲート電極120、及び層間絶縁膜121は、以下のように形成される。先ず、VNW101aを覆うように全面にゲート絶縁材料膜及び電極材料膜が順次形成し、これらの膜をパターニングして、ゲート絶縁膜119及びゲート電極120が形成される。トランジスタ形成領域R1では、例えば、活性領域100A及び100Bの2つのVNW101aを覆う1枚のゲート絶縁膜119及びゲート電極120が形成される。但し、ゲート絶縁膜119及びゲート電極120は、活性領域100A及び100BのそれぞれのVNW101aを覆うように分離して形成されていても良い。ダイオード形成領域R2及び抵抗素子形成領域R3では、例えば、ゲート絶縁膜119及びゲート電極120は、各VNW101aを覆い、各々分断されて形成される。但し、ダイオード形成領域R2及び抵抗素子形成領域R3では、各VNW101a上に形成されるゲート絶縁膜119及びゲート電極120の一部又は全てが接続されていても良い。全面に絶縁膜が堆積され、エッチバックされてVNW101aよりも低い所定の厚みに絶縁膜が残されて層間絶縁膜121が形成される。ゲート絶縁材料膜及び電極材料膜の層間絶縁膜121から上方に突出する部分がエッチバックにより除去され、VNW101aの側面にゲート絶縁膜119及びゲート電極120が形成される。VNW101a上のハードマスク104が除去され、層間絶縁膜121の表面からVNW101aの上端部分101a2が露出する。
【0113】
ゲート絶縁膜119の材料としては、例えば誘電率kが7以上の絶縁物、例えばSiN,Ta2O5,Al2O3,HfO2等が挙げられる。以上により、ゲート絶縁膜119が形成される。
ゲート電極120の材料としては、TiN,TaN,TiAl,TaAl,Ti含有金属、Al含有金属、W含有金属、TiSi,NiSi,PtSi,シリサイドを持つ多結晶シリコン等が挙げられる。
層間絶縁膜121の材料としては、SiO2,TEOS,PSG,BPSG,FSG,SiOC,SOG,SOP(Spin on Polymers)SiC等の絶縁物が挙げられる。
【0114】
続いて、
図33に示すように、P型不純物のイオン注入を行う。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、基板101の活性領域100A,100D,100F,100Gを覆うマスク層122を形成する。マスク層122を用いて、マスク層122から露出するVNW101aの上端部分10
1a2にP型不純物をイオン注入する。P型不純物としては、例えばB,BF
2,Inから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向に対して所定角度だけ傾斜させた方向から行うことが好ましい。これにより、層間絶縁膜121の表面から露出するVNW101aの上端部分101a2に効率良くP型不純物が導入される。なお、P型の上端部分10
1a2の不純物濃度は、P型の中央部分10
1a3又はP型のウェル107の不純物濃度よりも高くても良い。
【0115】
次に、マスク層121をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、活性領域100B,100C,100E,100Hの上端部分101a2に導入されたP型不純物を活性化する。
【0116】
続いて、
図34に示すように、N型不純物のイオン注入を行う。
詳細には、基板101の全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工して、基板101の活性領域100B,100C,100E,100Hを覆うマスク層123を形成する。マスク層123を用いて、マスク層123から露出する活性領域100A,100D,100F,100GにN型不純物にイオン注入する。N型不純物としては、例えばAs,P,Sbから選ばれた1種又は複数種が用いられる。イオン注入は、基板101の表面に垂直な方向に対して所定角度だけ傾斜させた方向から行うことが好ましい。これにより、層間絶縁膜121の表面から露出するVNW101aの上端部分101a2に効率良くN型不純物が導入される。なお、N型の上端部分102a2の不純物濃度は、N型の中央部分102a3またはN型のウェル109の不純物濃度よりも高くても良い。また、N型の上端部分101a2の形成のためのイオン注入を、P型の上端部分101a2の形成のためのイオン注入よりも先に行っても良い。
【0117】
次に、マスク層123をアッシング処理又はウェット処理により除去した後、基板101を熱処理し、活性領域100A,100D,100F,100Gの上端部分101a2に導入されたN型不純物を活性化する。
【0118】
なお、本実施形態では、導入されたP型不純物及びN型不純物を活性化するための熱処理を数回行う場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、
図25等の不純物活性化のための熱処理を行うことなく、
図34でN型不純物のイオン注入を行った後に、一回の熱処理を行い、導入された全てのP型不純物及びN型不純物を活性化することも可能である。
【0119】
図34において、トランジスタ形成領域R1には2種類のVNWトランジスタ100A1,100A2が、ダイオード形成領域R2にはESD保護ダイオードである4種類のVNWダイオード100B1~B4が、抵抗素子形成領域R3には2種類のVNW抵抗素子100C1,100C2がそれぞれ形成されている。ダイオード形成領域R2では、VNWダイオード100B1~B4の各々について、
図34の奥行き方向に沿って複数並んで配置されている。
【0120】
トランジスタ形成領域R1において、VNWトランジスタ100A1は、N型トランジスタであり、下端部分101a1及び上端部分101a2がN型、中央部分101a2がP型とされる。VNWトランジスタ100A2は、P型トランジスタであり、下端部分101a1及び上端部分101a2がP型、中央部分101a2がN型とされる。なお、VNWトランジスタ100A1及び100A2の中央部分101a2は、イオン注入がされず、ノンドープであっても良い。
【0121】
ダイオード形成領域R2において、VNWダイオード100B1は、上端部分101a2及び中央部分101a3がP型、下端部分101a1がN型とされてPN接合が形成される。VNWダイオード100B1では、上端部分101a2及び中央部分101a3がアノード、下端部分101a1がカソードとなる。VNWダイオード100B2は、下端部分101a1がP型、上端部分101a2及び中央部分101a3がN型とされてPN接合が形成される。VNWダイオード100B2では、下端部分101a1がアノード、上端部分101a2及び中央部分101a3がカソードとなる。VNWダイオード100B3は、上端部分101a2がP型、下端部分101a1及び中央部分101a3がN型とされてPN接合が形成される。VNWダイオード100B3では、上端部分101a2がアノード、下端部分101a1及び中央部分101a3がカソードとなる。VNWダイオード100B4は、下端部分101a1及び中央部分101a3がP型、上端部分101a2がN型とされてPN接合が形成される。VNWダイオード100B4では、下端部分101a1及び中央部分101a3がアノード、上端部分101a2がカソードとなる。
【0122】
抵抗素子形成領域R3において、VNW抵抗素子100C1は、N型抵抗素子であり、下端部分101a1、上端部分101a2、及び中央部分101a3が全てN型とされる。VNW抵抗素子100C2は、P型抵抗素子であり、下端部分101a1、上端部分101a2、及び中央部分101a3が全てP型とされる。
【0123】
そして、
図35に示すように、半導体装置が形成される。
サイドウォール絶縁膜124は、VNW101aの上端部分101a2の側面に形成されている。サイドウォール絶縁膜124の材料としては、SiO
2,SiN,SiON,SiC,SiCN,SiOCN等の絶縁物を用いる。
層間絶縁膜125は、上端部分101a2及びサイドウォール絶縁膜124が埋め込まれるように形成されている。層間絶縁膜125の材料としては、SiO
2,TEOS,PSG,BPSG,FSG,SiOC,SOG,SOP(Spin on Polymers)SiC等の絶縁物を用いる。
【0124】
トッププレート127aは、ダイオード形成領域R2において、例えば、半導体層上に金属膜が形成され、シリサイド化されることにより形成される。トッププレート127aは、VNWダイオード群6のVNWダイオード100B1~100B4上に設けられ、VNWダイオード100B1~100B4と接続されている。トッププレート127bは、トランジスタ形成領域R1及び抵抗素子形成領域R3において、例えば、半導体層上に金属膜が形成され、シリサイド化されることにより形成される。トッププレート127bは、個々のVNWトランジスタ100A1,100A2及びVNW抵抗素子100C1,100C2とそれぞれ接続されている。半導体層の材料としては、例えば多結晶シリコン又はアモルファスシリコン等の半導体を用いる。金属膜の材料としては、Ni,Co,Mo,W,Pt,Ti等を用いる。なお、シリサイド化された半導体層の代わりに、例えば、金属膜として、TiN又はTaN等の導電性窒化物等や不純物が導入された半導体等の導電膜を形成しても良い。
【0125】
層間絶縁膜128は、トッププレート127a,127bを覆うように形成される。層間絶縁膜128の材料としては、SiO2,TEOS,PSG,BPSG,FSG,SiOC,SOG,SOP(Spin on Polymers),SiC等の絶縁物を用いる。
【0126】
コンタクトプラグ130aは、トランジスタ形成領域R1、ダイオード形成領域R2、及び抵抗素子形成領域R3において、層間絶縁膜128内でトッププレート127a上又は127b上に接続するように形成される。コンタクトプラグ130bは、トランジスタ形成領域R1、ダイオード形成領域R2、及び抵抗素子形成領域R3において、絶縁膜116及び層間絶縁膜121,125,128を貫いてシリサイド層115と接続するように形成される。コンタクトプラグ130cは、トランジスタ形成領域R1において、層間絶縁膜121,125,128を貫いてゲート電極120と接続するように形成される。コンタクトプラグ130a,130b,130cは、各開口の内壁面を覆うように形成された下地膜129と、下地膜129を介して各開口内を充填する導電材料を含む。下地膜129の材料としては、例えばTi,TiN,Ta,TaN等が用いられる。導電材料としては、例えばCu,Cu合金,W,Ag,Au,Ni,Al,Co,Ru等が用いられる。なお、導電材料がCo又はRuである場合、下地膜129の形成を省略しても良い。
【0127】
層間絶縁膜131は、層間絶縁膜128上に形成される。層間絶縁膜131の材料としては、SiO2,TEOS,PSG,BPSG,FSG,SiOC,SOG,SOP(Spin on Polymers),SiC等の絶縁物を用いる。
【0128】
配線構造132aは、トランジスタ形成領域R1、ダイオード形成領域R2、及び抵抗素子形成領域R3において、層間絶縁膜131内でコンタクトプラグ130aと接続するように形成される。ダイオード形成領域R2では、配線構造132aはパッド配線又はVss電源線、配線構造132bはVdd電源線又はパッド配線となる。配線構造132bは、トランジスタ形成領域R1、ダイオード形成領域R2、及び抵抗素子形成領域R3において、層間絶縁膜131内でコンタクトプラグ130bと接続するように形成される。配線構造132cは、トランジスタ形成領域R1において、層間絶縁膜131内でコンタクトプラグ130cと接続するように形成される。配線構造132a,132b,132cは、デュアルダマシン法により、層間絶縁膜131内で連通するビア孔及び配線溝が形成され、メッキ法でビア孔及び配線溝が導電材料で充填されて形成される。導電材料としては、例えばCu,Cu合金,Co,Ru等が用いられる。
【0129】
以上説明したように、本実施形態によれば、トランジスタ形成領域R1、ダイオード形成領域R2、及び抵抗素子形成領域R3で行われるイオン注入工程等の諸工程を共通化することにより、各領域R1~R3について専用の工程を用いなくとも、VNWトランジスタ、VNWダイオード、及びVNW抵抗素子を形成することができる。
【0130】
なお、第5の実施形態では、ダイオード形成領域R2に4種のVNWダイオード100B1~100B4を形成する場合を例示したが、VNWダイオード100B1~100B4のうちの1種~3種のみを形成しても良い。
また、基板101のダイオード形成領域R2において形成されるウェルとして、P型ウェルのみを例示したが、P型ウェルの代わりにN型ウェルを形成したり、P型ウェル及びN型ウェルの双方を形成するようにしても良い。
【0131】
また、第1~第4の実施形態において、ダイオードとして、VNWダイオード100B1~100B4のうちの1種又は複数種を用いても良い。
また、第1~第5の実施形態において、ダイオードとしてESD保護ダイオードを例示したが、ESD保護ダイオード以外の別種のダイオードを用いても良い。
【0132】
なお、第1~第5の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。