(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】半導体集積回路装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20220914BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220914BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
H01L27/04 D
H01L27/04 A
H01L21/82 L
(21)【出願番号】P 2020539902
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(86)【国際出願番号】 JP2018031774
(87)【国際公開番号】W WO2020044438
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 功弥
(72)【発明者】
【氏名】田中 英俊
(72)【発明者】
【氏名】塚本 麻衣
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-78354(JP,A)
【文献】特開2009-32908(JP,A)
【文献】特開平4-312958(JP,A)
【文献】特開2009-49370(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169150(WO,A1)
【文献】特開平6-77444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 21/82
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップと、
前記チップ上に設けられたコア領域と、
前記チップ上の、前記コア領域
と前記チップの外辺との間に設けられたIO領域と、
前記IO領域に配置されており、前記チップの外辺に沿う方向である第1方向に並ぶ複数のIOセルからなるIOセル列と、
前記IO領域に配置されており、前記第1方向に延びる電源配線とを備え、
前記複数のIOセルは、前記第1方向と垂直をなす第2方向に分かれて設けられた、低電源電圧領域と高電源電圧領域とを有し、前記低電源電圧領域は、前記コア領域側に配置されており、
前記電源配線は、
前記低電源電圧領域において前記第1方向に延びており、第1電源電圧を供給する第1電源配線と、
前記低電源電圧領域において前記第1方向に延びており、第2電源電圧を供給する第2電源配線と、
前記高電源電圧領域において前記第1方向に延びており、前記第2電源電圧を供給する第3電源配線とを含み、
前記第1電源配線は、前記低電源電圧領域から前記コア領域側にはみ出た第1部分を有しており、
前記複数のIOセルの中の信号IOセルの1つである第1IOセルは、前記第2および第3電源配線よりも上層の配線層において、前記第2方向に延びており、前記第2および第3電源配線を互いに接続する第1補強配線を有する
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記第1電源配線の前記第1部分は、平面視で、前記コア領域に配置されたトランジスタと重なりを有している
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記第1電源配線は、前記第1方向に延びており、前記第2方向に並ぶ複数の配線からなり、
前記第1電源配線よりも上層の配線層において、前記第2方向に延びており、前記第1電源配線を構成する前記複数の配線を互いに接続する第2補強配線が設けられている
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記電源配線は、
前記高電源電圧領域において前記第1方向に延びており、第3電源電圧を供給する第4電源配線を含み、
前記第4電源配線は、前記第1方向に延びており、前記第2方向に並ぶ複数の配線からなり、
前記第1IOセルは、前記第4電源配線よりも上層の配線層において、前記第2方向に延びており、前記第4電源配線を構成する前記複数の配線を互いに接続する第3補強配線を有する
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体集積回路装置において、
前記第1補強配線の厚さは、前記第2および第3電源配線の厚さよりも大きい
ことを特徴とする半導体集積回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コア領域と、入出力セル(IOセル)が配置されるIO領域とが形成された半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路は、微細化が進み、配線抵抗が増大している。また、電源の低電圧化が進んでいる。このため、ESD(Electro-Static Discharge)耐性の低下や、電源電圧降下に起因した回路動作の不安定化、回路の誤動作等の問題が発生する。
【0003】
特許文献1では、電源配線を強化するために、IOセル内の電源配線(VDD)/接地配線(VSS)と、内部回路形成部に設けられた内部回路用電源配線とを、互いに接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1の技術では、コア領域に、VDD電源配線とVSS電源配線の両方について配線リソースが必要になるため、半導体集積回路装置の面積が増大してしまう。
【0006】
本開示は、IOセルが配置された半導体集積回路装置について、面積の増大を抑制しつつ、電源配線の強化が可能となる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様では、半導体集積回路装置であって、チップと、前記チップ上に設けられたコア領域と、前記チップ上の、前記コア領域の周囲に設けられたIO領域と、前記IO領域に配置されており、前記チップの外辺に沿う方向である第1方向に並ぶ複数のIOセルからなるIOセル列と、前記IO領域に配置されており、前記第1方向に延びる電源配線とを備え、前記複数のIOセルは、前記第1方向と垂直をなす第2方向に分かれて設けられた、低電源電圧領域と高電源電圧領域とを有し、前記低電源電圧領域は、前記コア領域側に配置されており、前記電源配線は、前記低電源電圧領域において前記第1方向に延びており、第1電源電圧を供給する第1電源配線と、前記低電源電圧領域において前記第1方向に延びており、第2電源電圧を供給する第2電源配線と、前記高電源電圧領域において前記第1方向に延びており、前記第2電源電圧を供給する第3電源配線とを含み、前記第1電源配線は、前記低電源電圧領域から前記コア領域側にはみ出た第1部分を有しており、前記複数のIOセルの中の信号IOセルの1つである第1IOセルは、前記第2および第3電源配線よりも上層の配線層において、前記第2方向に延びており、前記第2および第3電源配線を互いに接続する第1補強配線を有する。
【0008】
この態様によると、第1電源電圧を供給する第1電源配線は、IOセルの低電源電圧領域からコア領域側にはみ出た第1部分を有している。この第1部分により、配線抵抗が下がるので、電源電圧降下を抑制することができる。また、第2電源電圧を供給する第2および第3電源配線は、第1IOセルにおいて、第2および第3電源配線よりも上層の配線層に設けられた第1補強配線によって互いに接続されている。この第1補強配線により、コア領域に新たな電源配線を設けることなく、電源配線が強化されるので、電源電圧降下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る半導体集積回路装置によると、面積の増大を抑制しつつ、電源配線の強化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る半導体集積回路装置の全体構成を模式的に示す平面図
【
図2】第1実施形態におけるIO領域の構成例を示す平面図
【
図4】第2実施形態におけるIO領域の構成例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は実施形態に係る半導体集積回路装置(半導体チップ)の全体構成を模式的に示す平面図である。
図1に示す半導体集積回路装置100は、チップ1上に、内部コア回路が形成されたコア領域2と、インターフェース回路(IO回路)が形成されたIO領域3とが設けられている。IO領域3は、コア領域2の周囲に設けられている。IO領域3には、チップ1の外辺に沿うように、IOセル列5が設けられている。
図1では図示を簡略化しているが、IOセル列5には、インターフェース回路を構成する複数のIOセル10が並んでいる。
【0013】
ここでは、IOセル10は、信号の入力、出力または入出力を行う信号IOセル11、主にIO領域3に向けて電源(電源電圧VDDIO)を供給するためのIO電源IOセル21、接地電位(電源電圧VSS)を供給するためのVSSIOセル22、および、主にコア領域2に向けて電源(電源電圧VDD)を供給するためのコア電源IOセル23を含む。VDDIOはVDDよりも高く、例えば、VDDIOは3.3V、VDDは1.0Vである。本開示では、IO電源IOセル、VSSIOセルおよびコア電源IOセルを、適宜、まとめて電源IOセルと呼ぶ。
【0014】
IO領域3には、IOセル10が並ぶ方向に延びる電源配線4が設けられている。ここでは、電源配線4は、VSSを供給する電源配線41、VDDIOを供給する電源配線42、および、VDDを供給する電源配線43を含む。なお、
図1では、電源配線41,42,43はそれぞれ1本の配線として図示しているが、実際には、後述するとおり、電源配線41,42,43はそれぞれ、複数本の配線からなっていてもよい。また
図1では図示を省略しているが、半導体集積回路装置100には、複数の外部接続パッドが配置されている。
【0015】
図2は本実施形態に係る半導体集積回路装置100のIO領域3の構成例を示す平面図であり、
図1の部分Wの拡大図に相当する。
図2では、IOセル10の内部構成や信号配線等については図示を省略している。また、VDDIOを供給する電源配線、VSSを供給する電源配線、VDDを供給する電源配線には、それぞれ異なる種類のハッチを付している。以下の平面図においても同様である。
【0016】
図2において、IOセル列5は、X方向(図面横方向、チップ1の外辺に沿う方向であり、第1方向に相当する)に並ぶ複数のIOセル10、具体的には、信号IOセル11、並びに、電源セルであるIO電源IOセル21、VSSIOセル22、およびコア電源IOセル23を備えている。ここでは、IOセル10の高さすなわちY方向(図面縦方向、第1方向と垂直をなす第2方向に相当する)のサイズは同一としている。
【0017】
信号IOセル11には、半導体集積回路装置100の外部との間、または、コア領域2との間で信号のやりとりを行うために必要な回路、例えば、レベルシフタ回路、出力バッファ回路、ESD保護用回路等が含まれる。IO電源IOセル21、VSSIOセル22およびコア電源IOセル23は、外部接続パッドに供給される各電源を半導体集積回路装置100の内部に供給するものであり、ESD保護用回路等を含む。
【0018】
IOセルは一般に、ESD保護用回路や半導体集積回路装置外部へ信号を出力するための出力バッファ等を含む高電源電圧領域と、半導体集積回路装置内部へ信号を入出力するための回路等を含む低電源電圧領域とを有している。そして、
図2のIOセル10は、Y方向において、低電源電圧領域31と高電源電圧領域32とに分かれている。低電源電圧領域31はコア領域側にあり、高電源電圧領域32はチップエッジ側にある。
【0019】
IOセル列5の領域には、X方向に延びる複数の電源配線が設けられている。具体的には、VSSを供給する電源配線41を構成する電源配線411,412,413,414,415、VDDIOを供給する電源配線42を構成する電源配線421,422,423,424,425、VDDを供給する電源配線43を構成する電源配線431,432.433が設けられている。低電源電圧領域31には、VDD(第1電源電圧に相当する)を供給する電源配線431~433(第1電源配線に相当する)、および、VSS(第2電源電圧に相当する)を供給する電源配線415(第2電源配線に相当する)が設けられている。高電源電圧領域32には、VSSを供給する電源配線411~414(第3電源配線に相当する)、および、VDDIO(第3電源電圧に相当する)を供給する電源配線421~425(第4電源配線に相当する)が設けられている。
【0020】
なお、VDDを供給する電源配線432,433は、低電源電圧領域31からコア領域2側にはみ出た位置に、設けられている。言い換えると、VDDを供給する電源配線43は、低電源電圧領域31からコア領域2側にはみ出た部分(電源配線432,433)を有している。なお、電源配線432,433の下層には、コア領域2に配置されるトランジスタや配線等が配置されていてもよい。すなわち、低電源電圧領域31からコア領域2側にはみ出た部分は、平面視で、コア領域2に配置されたトランジスタと重なりを有していてもよい。あるいは、電源配線432,433の下層には、コア領域2とIOセル列10との間に設けられたスペースがあってもよい。
【0021】
外部接続パッド51,52,53,54が設けられている。外部接続パッド51は信号入出力用であり、Y方向に延びる配線61を介して、信号IOセル11と接続されている。外部接続パッド52はVDDIO用であり、Y方向に延びる配線62を介して、IO電源IOセル21と接続されている。外部接続パッド52はまた、配線62を介して、電源配線421~425と接続されている。外部接続パッド53はVSS用であり、Y方向に延びる配線63を介して、VSSIOセル22と接続されている。外部接続パッド53はまた、配線63を介して、電源配線411~415と接続されている。外部接続パッド54はVDD用であり、Y方向に延びる配線64を介して、コア電源IOセル23と接続されている。外部接続パッド54はまた、配線64を介して、電源配線431~433と接続されている。
【0022】
また、信号IOセル11(第1IOセルに相当する)において、電源配線411~415を互いに接続する補強配線81,82(第1補強配線に相当する)が設けられている。補強配線81,82は、電源配線411~415よりも上層の配線層において、Y方向に延びている。なお、補強配線81,82の厚さは電源配線411~415の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0023】
また、電源配線431~433は、Y方向に延びる補強配線71(第2補強配線に相当する)によって、互いに接続されている。補強配線71は、電源配線431~433よりも上層の配線層において、Y方向に延びている。なお、補強配線71の厚さは、電源配線431~433の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0024】
なお、ここでは、X方向に延びる電源配線411~415、421~425,431~433は、同一配線層に設けられているものとする。また、Y方向に延びる配線61~64、71、81,82は、X方向に延びる電源配線411~415、421~425,431~433よりも上層にあり、かつ、同一配線層に設けられているものとする。
【0025】
本実施形態に係る構成には、以下のような特徴がある。
【0026】
VDD電源配線に関して、VDDを供給する電源配線432,433は、低電源電圧領域31からコア領域2側にはみ出た位置に、設けられている。そして、VDDを供給する電源配線431~433は、Y方向に延びる補強配線71によって、互いに接続されている。これにより、VDD電源配線の強化が行われ、VDD電源配線の抵抗値を下げることができる。したがって、電源電圧降下を抑制し、ESD耐性を向上させることができる。
【0027】
なお、設計時において、電源配線432,433は、IOセルに含まれた配線とすればよい。この場合には、別途配線を設ける必要がないため、設計工数が削減できる。あるいは、電源配線432,433はIOセルに含まれない配線とし、設計時において、別途、配置してもかまわない。この場合は、必要に応じて配線幅を調整できるため、設計柔軟性が向上する。
【0028】
また、VSS電源配線に関して、低電源電圧領域31に電源配線415が配置されており、高電源電圧領域32に電源配線411~414が配置されている。そして、信号IOセル11において、電源配線411~415を互いに接続する補強配線81,82が設けられている。これにより、VSS電源配線の強化が行われ、VSS電源配線の抵抗値を下げることができる。したがって、電源電圧降下を抑制し、ESD耐性を向上させることができる。しかも、このVSS電源配線の強化は、コア領域側に新たなVSS電源配線を設けることなく実現されるので、半導体集積回路装置の面積の増大が抑制される。
【0029】
図3は本実施形態の対比例を示す平面図であり、
図2の構成例からVDDを供給する電源配線432,433、補強配線71、および、信号IOセル11における補強配線81,82を省いた構成を示す。ここで、ESD保護用回路は、コア電源IOセル23の高電源電圧領域32に配置されているものとする。コアトランジスタからESD保護用回路までの電源配線抵抗は、できるだけ低い方が好ましい。電源配線抵抗が低いほど、ESD放電時のVDD-VSS間の電位差を小さく抑えることができるので、コアトランジスタのESD耐性を向上させることができる。
【0030】
ところが
図3の構成では、コアトランジスタからESD保護用回路までのVDD電源配線抵抗R1およびVSS電源配線抵抗R2が、高くなってしまう。電源配線抵抗R1,R2を抑制するためには、信号セルのすぐ隣りにVDD電源セルやVSS電源セルを配置しなければならない。ところがこの場合には、VDD電源セルやVSS電源セルを多数配置する必要があるため、IO領域のサイズの増大を招いてしまう。
【0031】
これに対して本実施形態では、VDD電源配線およびVSS電源配線の両方が補強されているため、VDD電源セルやVSS電源セルを多数配置する必要が生じない。したがって、IO領域のサイズを抑制することができる。
【0032】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態に係る半導体集積回路装置100のIO領域3の構成例を示す平面図であり、
図1の部分Wの拡大図に相当する。
図4の構成例は、
図2の構成例とほぼ同様であり、
図2と共通の構成要素には
図2と同一の符号を付しており、ここではその詳細な説明を省略する場合がある。
【0033】
図4の構成例では、信号IOセル11において、VSSを供給する電源配線411~415を互いに接続する補強配線82が省かれており、その代わりに、VDDIOを供給する電源配線421~425を互いに接続する補強配線85(第3補強配線に相当する)が設けられている。補強配線85は、X方向に延びる配線86を介して、外部接続パッド52とIO電源セル21とを接続する配線62と接続されている。
【0034】
本実施形態によると、信号IOセル11に設けられた補強配線85によって、VDDIO電源配線が強化される。これにより、VDDIOの電源電圧降下を抑制することができる。なお、補強配線85は、外部接続パッド52と接続されていなくてもよい。ただし、補強配線85を外部接続パッド52と接続することによって、VDDIOの電源電圧降下を抑制する効果がより大きくなる。
【0035】
なお、VSSを補強する補強配線81と、VDDIOを補強する補強配線85とは、同一配線層に設けてもよいし、異なる配線層に設けてもかまわない。
【0036】
なお、上述の実施形態では、X方向に延びるVDD電源配線、VSS電源配線、およびVDDIO電源配線は同一配線層に設けられているものとしたが、異なる配線層に設けられていてもよい。また、各電源配線は、単一配線層で構成されていてもよいし、複数配線層で構成されていてもよい。また、VDD電源配線、VSS電源配線、およびVDDIO電源配線を構成する配線の本数は、上述の実施形態で示したものに限られず、例えば1本の配線で構成されていてもよいし、任意の本数の配線で構成されていてもよい。
【0037】
また、上述の実施形態では、Y方向に延びる補強配線は同一配線層に設けられているものとしたが、異なる配線層に設けられていてもよい。また、各補強配線は、単一配線層で構成されていてもよいし、複数配線層で構成されていてもよい。ただし、補強配線の最下層の配線は、X方向に延びる電源配線の最上層の配線よりも上層にある。また、補強配線の本数は、上述の実施形態で示したものに限られない。例えば、信号IOセル11において、2本の補強配線を設けているが、1本の補強配線を設けてもよいし、3本以上の補強配線を設けてもよい。
【0038】
また、上述の実施形態では、2種類の電源電圧VDDIO,VDDを供給するものとしたが、これ以外の電源電圧を供給する構成であってもよい。この場合でも、低電源電圧領域におけるVSS電源配線と高電源電圧領域におけるVSS電源配線とを互いに接続する補強配線を設けることによって、VSS電源配線の強化を行うことができる。
【0039】
(IO領域の他の構成例)
図5は半導体集積回路装置100のIO領域3の他の構成例を示す平面図である。
図5の構成例では、3個の信号IOセル11A,11B,11Cが配置されている。信号IOセル11Cには、第1実施形態と同様に、VSSを供給する電源配線411~415を互いに接続する補強配線91,92が設けられている。信号IOセル11Aには、第2実施形態と同様に、VSSを供給する電源配線411~415を互いに接続する補強配線93と、VDDIOを供給する電源配線421~425を互いに接続する補強配線94とが設けられている。一方、信号IOセル11Bには、補強配線は設けられていない。この構成例のように、VSS電源配線の補強配線を有する信号IOセル、VSS電源配線の補強配線およびVDDIO電源配線の補強配線を有する信号IOセル、並びに、電源配線の補強配線を有しない信号IOセルを、IOセル列5に混在させてもかまわない。
【0040】
なお、上述した各実施形態では、IOセル列5は、半導体集積回路装置100の周辺部全体に設けられているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、半導体集積回路装置100の周辺部の一部に設けられていてもよい。また、本実施形態の構成は、IOセル列5の全体にわたって適用されている必要はなく、その一部の範囲において適用されていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本開示によると、IOセルが配置された半導体集積回路装置について、面積の増大を抑制しつつ、電源配線の強化を行うことができるので、例えば、LSIの性能向上に有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 チップ
2 コア領域
3 IO領域
4,41,42,43 電源配線
5 IOセル列
10 IOセル
11 信号IOセル(第1IOセル)
31 低電源電圧領域
32 高電源電圧領域
71 補強配線(第2補強配線)
81,82 補強配線(第1補強配線)
85 補強配線(第3補強配線)
100 半導体集積回路装置
411~414 電源配線(第3電源配線)
415 電源配線(第2電源配線)
421~425 電源配線(第4電源配線)
431~433 電源配線(第1電源配線)