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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
A63F5/04 620
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021005067
(22)【出願日】2021-01-15
(65)【公開番号】P2022109652
(43)【公開日】2022-07-28
【審査請求日】2021-02-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】古田 大士
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隼人
(72)【発明者】
【氏名】永井 翔太
(72)【発明者】
【氏名】永田 良介
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035390(JP,A)
【文献】特開2015-104559(JP,A)
【文献】特開2020-116236(JP,A)
【文献】特開2020-078428(JP,A)
【文献】特開2018-191924(JP,A)
【文献】特開2017-113468(JP,A)
【文献】特開2020-005812(JP,A)
【文献】特開2019-217005(JP,A)
【文献】「真モグモグ風林火山 弐の陣」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2015年4月号,日本,株式会社プラントピア,2015年02月21日,pp.57-62,特に、p.57左上写真の画面、「ゲームの流れ」欄の「成立役で攻撃変化」画像、p.58「パラメータアップで合戦勝利を目指せ!」欄、p.59「モグラ叩き合戦中は成立役に注目!」欄、p.60「電光石火ゾーンはパラメータアップのチャンス!」欄、p.61「一騎決戦勝利が上乗せ特化ゾーンへのメインルート」欄等を参照。
【文献】「SLOTギルティクラウン」,パチスロ必勝本2017年8月号,日本,辰巳出版株式会社,2017年08月01日,pp.24-27,特に、p.24「基本ゲームフロー」欄、p.26「ART中はVストック&CZゲーム数上乗せ抽選」欄等を参照。
【文献】「戦コレ![泰平女君]徳川家康」,パチスロ必勝本2019年1月号,日本,辰巳出版株式会社,2019年01月01日,pp.35-41
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間を延長可能に構成されている期間延長部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記期間延長部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから経過した経過遊技数が第1遊技数に到達することが含まれ、
前記期間延長部は、前記経過遊技数から前記第1遊技数に到達するまでの第2遊技数が第1所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項2】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間を延長可能に構成されている期間延長部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記期間延長部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記期間延長部は、前記第1払い出し差数から前記第2払い出し差数に到達するまでの第3払い出し差数が第2所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項3】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間で獲得可能な遊技媒体を増加可能に構成されている獲得増加部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記獲得増加部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記獲得増加部は、前記有利区間が付与されたときから経過した経過遊技数から第1遊技数に到達するまでの第2遊技数が第1所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項4】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部を前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間で獲得可能な遊技媒体に変換可能に構成されている遊技媒体変換部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記遊技媒体変換部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記遊技媒体変換部は、前記有利区間が付与されたときから経過した経過遊技数から第1遊技数に到達するまでの第2遊技数が第1所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項5】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間には、第1の期間と、前記第1の期間の終了以降に開始される第2の期間とが含まれ、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記第2の期間の長さを決定する期間決定部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記期間決定部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記期間決定部は、前記有利区間が付与されたときから経過した経過遊技数から第1遊技数に到達するまでの第2遊技数が第1所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項6】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間で獲得可能な遊技媒体を増加可能に構成されている獲得増加部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記獲得増加部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記獲得増加部は、前記第1払い出し差数から前記第2払い出し差数に到達するまでの第3払い出し差数が第2所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項7】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部を前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間で獲得可能な遊技媒体に変換可能に構成されている遊技媒体変換部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記遊技媒体変換部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記遊技媒体変換部は、前記第1払い出し差数から前記第2払い出し差数に到達するまでの第3払い出し差数が第2所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【請求項8】
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間には、第1の期間と、前記第1の期間の終了以降に開始される第2の期間とが含まれ、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記第2の期間の長さを決定する期間決定部と、
指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、前記指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が前記一般遊技状態または前記特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から前記内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能であると共に、遊技区間が前記有利区間でありかつ終了条件が満たされる場合に前記通常区間を付与する区間制御部と
を備え、
前記期間決定部は、前記終了条件および現在の遊技情報に基づいて、前記特別遊技期間を延長すると共に、
前記終了条件には、前記有利区間が付与されたときから現在までの遊技媒体の第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、
前記期間決定部は、前記第1払い出し差数から前記第2払い出し差数に到達するまでの第3払い出し差数が第2所定値以下である場合に前記特別遊技期間を延長する、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一般遊技状態と、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態を有するスロットマシンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-77324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機分野においては、遊技者のニーズに応えるために、多種多様な遊技性を提供可能な遊技機が求められている。
【0005】
本発明は、新たな遊技性を提供可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の遊技機は、
複数の図柄がそれぞれ配置された複数の回転リールと、
遊技者によりそれぞれ操作可能なスタートスイッチおよび複数のストップスイッチと、
前記回転リールが全て停止している状態で行われた前記スタートスイッチの操作に伴って内部抽せんを行う内部抽せん部と、
前記回転リールが全て停止している状態で前記スタートスイッチが操作された場合は、前記回転リールを回転させ、前記回転リールが回転している状態で前記ストップスイッチが操作された場合は、前記内部抽せんにより当せんした役と前記ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じて、操作された前記ストップスイッチに対応する前記回転リールを停止させる回転リール制御部と
を備え、
遊技状態として、一般遊技状態と、前記一般遊技状態よりも前記遊技者にとって有利な特別遊技状態とを有し、
前記一般遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも前記特別遊技状態が付与され易い高確率状態とが含まれる、遊技機であって、
前記高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、
付与された前記高確遊技数の少なくとも一部に応じて、前記特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間を延長可能に構成されている期間延長部と
をさらに備える。
【発明の効果】
【0007】
前記態様の遊技機によれば、高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部と、付与された高確遊技数の少なくとも一部に応じて特別遊技状態で遊技可能な期間である特別遊技期間を延長可能に構成されている期間延長部とを備える。このような構成により、新たな遊技性を提供可能な遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の遊技機であるスロットマシンの前面図。
図2図1のスロットマシンのブロック図。
図3図1のスロットマシンの回転リールの配列を示す図。
図4図1のスロットマシンの有効ラインを示す模式図。
図5図1のスロットマシンの第1遊技状態を説明するための図。
図6図1のスロットマシンの第2遊技状態を説明するための図。
図7図1のスロットマシンの第3遊技状態を説明するための図。
図8図1のスロットマシンの遊技区間を説明するための図。
図9図1のスロットマシンの内部抽せんテーブルの内容を説明するための図。
図10図1のスロットマシンの特別遊技期間の延長処理を説明するためのフローチャート。
図11図1のスロットマシンの第1の変形例を示すブロック図。
図12図1のスロットマシンの第2の変形例を示すブロック図。
図13図1のスロットマシンの第3の変形例を示すブロック図。
図14図1のスロットマシンの第4の変形例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の遊技機の一例であるスロットマシン1は、図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、前面(すなわち、図1の紙面貫通方向の手前側の面)に図示しない開口部と、この開口部を開閉可能な板状の前扉20とを有している。
【0010】
前扉20は、その略中央部分に設けられた透光性の表示窓21を有し、筺体10に対してロック可能に取り付けられている。表示窓21は、前扉20により筺体10の開口部を閉鎖した状態で、後述する各回転リール41,42,43の表面に配置された複数の図柄を視認可能に配置されている。
【0011】
また、筺体10は、液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を有している。液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24の各々は、前扉20の表示窓21の上部に配置されている。遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を用いて行われる。例えば、液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。また、電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯し、スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。
【0012】
また、筺体10は、メダルが払い出される払い出し口25、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留する下皿26および操作部30を有している。払い出し口25、下皿26および操作部30の各々は、前扉20の表示窓21の下部に配置されている。
【0013】
操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、前扉20に操作可能に設けられ操作により各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、前扉20に操作可能に設けられ操作により回転中の各回転リール41,42,43を停止させるストップスイッチ34,35,36とを有している。操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
【0014】
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)および表示部の一例の貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。この貯留メダル表示部は、貯留されたメダルの数に加えて、後述する遊技区間が有利区間であることが表示可能に構成されている。
【0015】
また、スロットマシン1は、図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、ホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)、スロットマシン1の設定値を変更するときに管理者が操作する設定部45等と共に、筺体10の内部に配置されている。
【0016】
回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置され、複数の回転リール(この実施形態では、3つの回転リール41,42,43)と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。各回転リール41,42,43は、略円筒状で、その表面には、図3に示すように、各回転リール41,42,43の周方向に沿って間隔を空けて配列された複数の図柄と、基準点(図示せず)とが設けられている。基準点は、例えば、回転リール41,42,43のゼロ番の図柄(ベルA)の中心に配置されている。
【0017】
ここで、図1図9を参照して、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。
【0018】
図1に示すように、スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、または、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(すなわち、クレジット)を使用して、メダルをベットする。予め設定されている規定の枚数(例えば、1~3枚)のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
【0019】
有効ラインは、図4に示すように、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、表示窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、右下がりライン70で構成され、所定枚数(例えば、3枚)のメダルがベットされることにより有効化される。なお、一例として、このスロットマシン1の表示窓21に表示される図柄は、各回転リールにつき3図柄である。
【0020】
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという。)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、表示窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43が停止すると、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出され、1ゲームが終了する。この実施形態では、全ての回転リール41,42,43が停止した状態で、内部抽せんにより当せんした役毎に設定された図柄の組み合わせが、有効ライン70上に配置された場合に、有効ライン70上に配置された図柄の組み合わせに対応する役が入賞したと判定される。なお、有効ライン70上に役に対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合(いわゆるハズレ時)も、入賞に含まれる。
【0021】
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
【0022】
また、遊技中は、複数の遊技区間の中から1つの遊技区間が設定され、複数の遊技状態の中から1つ遊技状態が設定される。そして、設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんが行われる。遊技状態には、図5図7に示すように、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態が含まれる。
【0023】
第1遊技状態は、内部抽せんにより当せんする役(以下、単に当せん役という。)のうち、リプレイ役の種類(図9参照)およびその当せん確率を決定するための遊技状態であり、一例として、図5に示すように、RT0と、RT1とで構成されている。
【0024】
RT0は、第2遊技状態が特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に移行した場合、または、遊技状態の初期化時(例えば、RAMクリア時)に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT1からRT0に移行する)。また、スロットマシン1が店舗等に設置された直後の第1遊技状態もRT0に設定されている。言い換えると、第1遊技状態は、一種BBが実施されている場合を除いて、全てRT0に設定されている。
【0025】
RT1は、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態から特別役実施状態に移行した場合に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT0からRT1に移行する)。RT1では、図9に示すように、リプレイ役および一種BBに当せんする可能性はない。また、RT1では、後述する区間移行抽せんおよび後述するAT抽せんが行われない。
【0026】
第2遊技状態は、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されていない特別役非持ち越し状態と、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されている特別役持ち越し状態と、入賞した一種BBを実施するための特別役実施状態とを含む。
【0027】
特別役非持ち越し状態は、特別役実施状態に移行したときから払い出されたメダルが所定数(例えば、180枚または2枚)を超えた場合、または、遊技状態の初期化(例えば、RAMクリア時)などの所定条件を満たした場合に設定される。
【0028】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより一種BBに当せんしかつ後述する所定の条件を満たした場合に設定される。一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)であり、特別役の一例である。一種BBが持ち越されている場合、一種BBの抽せんは行われない。また、持ち越されている一種BBのフラグは、設定値を変更しても消滅しないように構成されているが、消滅するように構成しても構わない。
【0029】
特別役実施状態は、内部抽せんにより特別役に当せんしかつ入賞した場合に設定され、一種BB実施状態(図6中、BB一般で示す。)と、RB持ち越し状態(図6中、JAC内部で示す)およびRB実施状態(図6中、JAC中で示す)を含んでいる。BB一般は、特別役が入賞した場合に設定される。BB一般は、役物非内部状態の一例で、内部抽せんにより特別役物の一例のRB(図9のJAC1~4)に当せんしていない場合に設定される。JAC内部は、役物内部状態の一例で、第2遊技状態が一種BB実施状態BB一般であるときに、内部抽せんによりRB(すなわち、図9のJAC1~4)に当せんしかつRBが入賞していない場合に設定される。JAC中は、役物実施状態の一例で、当せんしたRBが入賞した場合に設定される。JAC中は、JAC中に移行したときから12ゲーム消化するか、または、JAC中に何らかの役が8回入賞することで、BB一般に移行する。
【0030】
第3遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一例として、図7に示すように、一般遊技状態とATとで構成されている。
【0031】
一般遊技状態は、指示機能が発生しない状態であり、例えば、設定値の変更後、RAMクリア後およびAT終了後、AT抽せんに当せんするまで設定される。スロットマシン1では、一般遊技状態として、通常状態と、AT抽せんに当せんする確率が通常状態よりも高い(言い換えると、通常状態よりもATが付与され易い)高確率状態とを有している。高確率状態は、例えば、指示機能が一時的に発生することができるが、ATよりも発生頻度が低くなるように構成されている。AT抽せんは、一例として、第1遊技状態がRT0であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役に応じて行われる。通常状態から高確率状態への移行は、例えば、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間である場合に内部抽せんが行われ、その結果、AT抽せんに当せんしなかった場合に行われる高確率状態移行抽せんに当せんすることで行われる。
【0032】
ATは、指示機能が発生する状態であり、第3遊技状態がATに移行したときから経過した遊技数が、ATで遊技可能な期間に到達するまで設定される。ATでは、メダルの払い出しのある押し順役の押し順の報知が行われ、一般遊技状態(例えば、通常状態)よりもメダルの獲得期待値が高くなるように構成されている。
【0033】
なお、ATは、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例であり、AT抽せんは、特別遊技状態抽せんの一例である。また、ATの延長抽せんも特別遊技状態抽せんに含んでも構わない。
【0034】
遊技区間は、指示機能に係る処理が行われるか否かを決定するための状態であり、一例として、図8に示すように、有利区間と通常区間とで構成されている。
【0035】
有利区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であり、遊技区間が通常区間で行われた内部抽せんの結果に基づいて行われる区間移行抽せんに当せんした後、有利区間が終了する条件を満たすまで設定される。なお、有利区間には、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、第3遊技状態が特別遊技状態(すなわち、AT)で進行する有利区間とが含まれる。
【0036】
通常区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であり、遊技区間として有利区間が設定されていない場合に設定される。通常区間は、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する。
【0037】
なお、指示機能とは、出玉に影響する操作手順(例えば、押し順役の押し順)または操作方法を何らかの方法によって遊技者に教える機能であり、例えば、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な押し順役の押し順を指示する機能、および/または、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われたときの回転リール41,42,43の位置が予め定められた操作位置であった場合に入賞可能な役の操作位置を指示する機能をいう。すなわち、遊技区間が有利区間である場合にのみ、第3遊技状態としてATが設定される。
【0038】
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。
【0039】
メイン制御部110およびサブ制御部120の各々は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムまたはデータ等を記憶しておく記憶装置(例えば、ROMおよびRAM)等を備えている。メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、区間制御部114と、遊技状態制御部115と、計測部116と、設定値制御部117とを有し、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部120は、演出制御部121を有し、各種演出等を行うための制御を行う。
【0040】
なお、以下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120の各部は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
【0041】
内部抽せん部111は、複数の内部抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、内部抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときの第1遊技状態(言い換えると、RT状態)を判定し、判定されたRT状態に基づいて内部抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、選択された内部抽せんテーブルと、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数とに基づいて、内部抽せんを行う。
【0042】
例えば、当せん役については、図9に示す内部抽せんテーブルに基づいて決定される。この内部抽せんテーブルは、RT状態毎に設けられており、内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域に関する情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
【0043】
図9では、RT状態および第2遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。すなわち、各内部抽せんテーブルには、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数の領域)が設けられており、この領域の各々が、図9の“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
【0044】
スロットマシン1は、内部抽せんに当せんする役として、操作態様に基づいてメダルの払い出し数が変化する操作態様役を有している。本実施形態では、操作態様には、ストップスイッチ34、35、36を所定の操作順で操作する第1操作態様と、第1操作態様とは異なる操作順でストップスイッチ34、35、36を操作する第2操作態様とが含まれる。操作態様役は、第1操作態様に基づくメダルの払い出し数よりも第2操作態様によるメダルの払い出し数が少なくなるように構成されている。
【0045】
一例として、操作態様役には、第1役と、第1役と同時に当せんしかつ第1役よりも入賞時におけるメダルの払い出し数が少ない第2役とが含まれている。第1役は、第1操作態様でストップスイッチ34、35、36を操作することで入賞し、第2役は、第1操作態様とは異なる第2操作態様でストップスイッチ34、35、36を操作することで入賞する。
【0046】
具体的には、スロットマシン1は、図9に示すように、第1役の一例として、「左ベル」、「中・左・右ベル」、「中・右・左ベル」、「右・左・中ベル」および「右・中・左ベル」の各押し順役を有し、第2役の一例として、「左1枚役」、「中・左・右1枚役」、「中・右・左1枚役」、「右・左・中1枚役」および「右・中・左1枚役」の各押し順役を有している。各押し順「ベル」に当せんした場合、同時に、各押し順「ベル」とは異なる押し順の押し順「1枚役」に当せんする。つまり、各押し順「ベル」に設定されている押し順通りに、言い換えると、第1操作態様でストップスイッチ34,35,36が操作された場合は、8枚のメダルが払い出される「ベル」が入賞する。一方、各押し順役に設定されている操作順とは異なる順番で、言い換えると、第2操作態様でストップスイッチ34,35,36が操作された場合、1枚のメダルが払い出される「1枚役」が入賞する。
【0047】
図9に示す各押し順役は、「ベル」または「1枚役」の直前に、設定されている押し順が記載されている。例えば、「左ベル」の場合、左のストップスイッチ34、中のストップスイッチ35および右のストップスイッチ36の順、または、左のストップスイッチ34、右のストップスイッチ36および中のストップスイッチ35の順に操作することで、「ベル」が入賞する。また、例えば、「中・右・左1枚役」の場合、中のストップスイッチ35、右のストップスイッチ36および左のストップスイッチ34の順に操作することで、「1枚役」が入賞する。
【0048】
なお、操作態様は、ストップスイッチ34、35、36の押し順に限らず、ストップスイッチ34、35、36の操作タイミングであってもよいし、ストップスイッチ34、35、36の押し順と操作タイミングとの組み合わせであってもよい。
【0049】
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33または各ストップスイッチ34、35、36の操作の受付に伴って回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始または停止させる(すなわち、回転リール41,42,43の回転を制御する)。
【0050】
例えば、全ての回転リール41,42,43が停止している状態でスタートスイッチ33が操作された場合、回転リール制御部112は、全ての回転リール41,42,43を回転させる。いずれかの回転リール41,42,43が回転している状態で、回転中の回転リール41,42,43に対応するストップスイッチ34,35,36が操作された場合、回転リール制御部112は、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43を停止させる。
【0051】
各回転リール41、42、43を停止させる場合、回転リール制御部112は、内部抽せんにより当せんした役と、各ストップスイッチ34,35,36が操作されたタイミング(すなわち、各ストップスイッチ34、35、36の操作が受け付けられたときの対応する回転リール41、42、43の位置)に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御は、当せんした役に対応する図柄を有効ライン70上に引き込むように各回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御は、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン70上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。
【0052】
遊技結果判定部113は、内部抽せんの結果および回転リール41,42,43の停止制御の結果に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。
【0053】
遊技結果判定部113は、判定した遊技の結果、または、精算スイッチの操作の受付に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技の結果に基づいて払い出されたメダル(すなわち、役の当せんまたは入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば、50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(すなわち、クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
【0054】
遊技結果判定部113は、例えば、第3遊技状態がATに移行した場合、第3遊技状態がATに移行したことを表す信号をホールコンピュータに出力して、管理者に報知する。
【0055】
区間制御部114は、複数の遊技区間(この実施形態では、通常区間および有利区間)の中から遊技区間を設定する。
【0056】
具体的には、区間制御部114は、遊技区間が通常区間である場合に、遊技区間を通常区間のままとするか、または、有利区間を付与するかの抽せんである区間移行抽せんを行い、区間移行抽せんに当せんした場合に遊技区間を有利区間に設定する。区間移行抽せんの当否は、例えば、当せんにより区間移行抽せんが行われる役(すなわち、抽せん対象役)に内部抽せんにより当せんした場合に行われる抽せんに当せんしたか否かで決定される。
【0057】
区間移行抽せんは、スロットマシン1の設定値によって当せん確率に差を設けてもよいし、設けなくてもよい。区間移行抽せんの当せん確率に差を設ける場合、例えば、抽せん対象役の内部抽せんにおける当せん確率に設定差を設けることで実現してもよいし、内部抽せんにより抽せん対象役に当せんしたときに行われる抽せんの当せん確率に設定差を設けることで実現してもよい。
【0058】
区間制御部114は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であって、遊技状態が一般遊技状態で遊技が進行する通常区間と、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であって、遊技状態が一般遊技状態または特別遊技状態で遊技が進行する有利区間とを含む複数の遊技区間の中から内部抽せんが行われる1つの遊技区間を付与可能に構成されている。
【0059】
本実施形態では、区間制御部114は、遊技区間が有利区間である場合、遊技区間を有利区間のままとするか、または、通常区間を付与するかを決定する。例えば、区間制御部114は、遊技区間が有利区間でありかつ所定の終了条件が満たされる場合に通常区間を付与する。終了条件は、例えば、計測部116で計測された遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)が所定値(例えば、1500ゲーム)に到達した場合、または、遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数が所定値(例えば、2400枚)に到達した場合に満たされる。メダルの差枚数(言い換えると、メダルの払い出し差数)は、ベットしたメダルの枚数と払い出したメダルの枚数との差を累計したものをいう。
【0060】
遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114は、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(すなわち、RBまたはCT)および役物連続作動装置(すなわち、一種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、操作部30に設けた表示部を介して、有利区間であることを表示する。
【0061】
遊技状態制御部115は、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態の移行を制御する。
【0062】
例えば、遊技状態制御部115は、複数のRT状態(この実施形態では、RT0およびRT1)の中から内部抽せんが行われる1つのRT状態を設定する。具体的には、遊技状態制御部115は、前述のとおり、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態に移行した場合、第1遊技状態をRT0に設定し、第2遊技状態が特別役実施状態に移行した場合、第1遊技状態をRT1に設定する。
【0063】
また、遊技状態制御部115は、予め設定された抽せん条件(以下、単に、抽せん条件という。)が満たされた場合に、遊技状態を通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの特別遊技状態抽せんを行う。前述の通り、特別遊技状態抽せんには、AT抽せん、高確率状態移行抽せん、および、ATまたは高確率状態の延長抽せんが含まれる。抽せん条件は、移行する特別遊技状態に応じて予め設定されている。例えば、AT抽せんは、内部抽せんにより所定の役(例えば、チェリー、スイカ等のいわゆるレア役)に当せんした場合に行われる。また、例えば、高確率状態移行抽せんは、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間であるときに内部抽せんによりレア役に当せんしたが、AT抽せんに当せんしなかった場合に行われる。
【0064】
遊技状態制御部115は、図2に示すように、高確遊技数付与部1151と、期間延長部1152とを有している。
【0065】
高確遊技数付与部1151は、高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている。
【0066】
例えば、高確遊技数付与部1151は、次に示す条件を満たした場合に、任意のタイミングで、高確遊技数を付与する。一度に付与される高確遊技数は、1ゲーム以上であり、例えば、設定値に応じて付与される高確遊技数の期待度が異なるように構成することもできる。
・第3遊技状態が「通常状態」であるときに高確率状態移行抽せんに当せんした場合。
・第3遊技状態が「高確率状態」であるときに高確状態の延長抽せんに当せんした場合。
・第3遊技状態が「AT」であるときに高確状態の延長抽せんに当せんした場合。「AT」には、疑似ボーナスを含むことができる。疑似ボーナス中は、例えば、当せんした役に応じて高確遊技数が付与される。
・遊技状態に関係なく、内部抽せんにより所定の役(例えば、いわゆるレア役)に当せんした場合。
・内部抽せんにより操作態様役に当せんしかつ第2操作態様による遊技が行われた場合。例えば、高確遊技数付与部1151は、遊技区間が有利区間でかつ第3遊技状態が一般遊技状態であるときに、第2操作態様によって第2役(例えば、「1枚役」)が入賞した場合、高確遊技数を付与する。
【0067】
期間延長部1152は、付与された高確遊技数の少なくとも一部に応じて、特別遊技状態(本実施形態では、AT)で遊技可能な期間である特別遊技期間を延長可能に構成されている。
【0068】
本実施形態では、期間延長部1152は、付与された高確遊技数のうち、遊技されていない未消化の高確遊技数に応じて、特別遊技期間を延長可能に構成されている。具体的には、期間延長部1152は、高確遊技数が多くなるに従って、延長する特別遊技期間を大きくする。
【0069】
高確遊技数がゼロよりも大きくかつ第1閾値よりも小さい場合に延長される特別遊技期間を第1特別遊技期間とし、高確遊技数が第1閾値以上である場合に延長される特別遊技期間を第2特別遊技期間とする。この場合、期間延長部1152は、第1特別遊技期間が第2特別遊技期間よりも小さくなるように、延長する特別遊技期間を段階的に大きくする。例えば、第2閾値が第1閾値よりも小さい値であるとすると、期間延長部1152は、高確遊技数がゼロよりも大きくかつ第2閾値よりも小さい場合、第1特別遊技期間をRB実施相当分(例えば、60枚)のメダルを獲得可能な長さに設定し、高確遊技数が第2閾値以上でかつ第1閾値よりも小さい場合、第1特別遊技期間をBB実施相当分(例えば、180枚)のメダルを獲得可能な長さに設定する。また、例えば、期間延長部1152は、高確遊技数に応じた数のパラメータを付与し、付与されたパラメータの数に応じて第2特別遊技期間の長さを決定する。第2特別遊技期間の長さは、例えば、付与されたパラメータの数を用いた演算により決定されるか、または、付与されたパラメータの数だけ抽せんを行い、行われた抽せんの結果に基づいて決定される。
【0070】
例えば、期間延長部1152は、有利区間の終了条件および現在の遊技情報に基づいて、特別遊技期間を延長する。具体例を以下に示す。
・有利区間の終了条件に、有利区間が付与されたときから経過した経過遊技数が第1遊技数(例えば、1500ゲーム)に到達することが含まれている場合、期間延長部1152は、経過遊技数から第1遊技数に到達するまでの第2遊技数(すなわち、有利区間終了までの残り遊技数)が第1所定値(例えば、300ゲーム)以下である場合に、特別遊技期間を延長する。
・有利区間の終了条件に、有利区間が付与されたときから現在までのメダルの第1払い出し差数が第2払い出し差数(例えば、2400枚)に到達することが含まれている場合、期間延長部1152は、第1払い出し差数から第2払い出し差数に到達するまでの第3払い出し差数(すなわち、有利区間終了までの残り払い出し差数)が第2所定値(例えば、900枚)以下である場合に特別遊技期間を延長する。
【0071】
計測部116は、例えば、遊技結果判定部113により判定された遊技の結果に基づいて、遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)、および、遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの払い出し差数を計測する。また、例えば、計測部116は、全ての回転リール41,42,43が定常回転となった以降に設定された起算点から経過した時間を計測する。
【0072】
設定値制御部117は、管理者が設定部45を操作することにより、遊技に対する有利度合い(例えば、機械割)が異なる複数の設定値(この実施形態では6つ)の中から1つの設定値を設定する。有利度合いの差は、例えば、所定の役に対する内部抽せんの当せん確率に差を設けることで実現している。また、設定値制御部117は、有利区間への移行率、AT抽せん、AT上乗せ抽せん等の出玉関連の有利度合を設定する。
【0073】
設定値を設定する方法の一例を以下に示す。この方法は、(1)から(7)の順に行われる。
(1)前扉20を開ける。
(2)スロットマシン1の主電源をオフする。スロットマシン1の主電源をオフすることで、回転中の回転リール41、42、43は全て停止するが、この回転リール41、42、43の停止による入賞判定は行われない。
(3)設定部45の所定箇所に設定変更キーを挿入し、設定変更モードをオフからオンに変更する。
(4)スロットマシン1の主電源をオンする。
(5)現在の設定値が、例えば、操作部30の貯留メダル表示部に表示される。所定のボタンを操作して、貯留メダル表示部に表示された設定値を所望の設定値に合わせる。
(6)スタートスイッチ33を操作する。スタートスイッチ33を操作することで、スロットマシン1の設定値が貯留メダル表示部に表示された設定値に変更される。
(7)設定変更モードをオンからオフに変更して、設定変更キーを抜出する。
【0074】
演出制御部121は、報知部1211を有し、内部抽せんが行われた遊技状態と、内部抽せんの結果とに基づいて、1ゲーム毎に演出を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して、決定された演出を出力する。
【0075】
報知部1211は、高確遊技数に関する情報を報知する(第1報知部の一例)。例えば、高確遊技数に関する情報は、未消化の高確遊技数、消化済みの高確遊技数、および、消化済みの高確遊技数と未消化の高確遊技数との合算値を含み、これらの情報の少なくともいずれかを報知する。特別遊技期間に関する情報の報知は、例えば、液晶表示装置22、電飾装置23またはスピーカ24を用いて行われる。
【0076】
また、報知部1211は、特別遊技期間が延長される場合に、高確遊技数を表すアイコンを用いて特別遊技期間の延長を報知可能に構成されている(第2報知部の一例)。高確遊技数を表すアイコンを用いた特別遊技期間の延長の報知は、例えば、液晶表示装置22を用いて行われる。特別遊技期間の延長が報知される演出の一例としては、メダルを模したアイコンが複数表示され、そのアイコンそれぞれには高確遊技数を表す文字が付されており、そのアイコンが消える代わりに、特別遊技期間の延長遊技数が表示される演出が挙げられる。
【0077】
続いて、図10を参照して、スロットマシン1の特別遊技期間の延長処理について説明する。以下に説明する処理は、一例として、CPUが所定のプログラムを実行することで実施される。
【0078】
図10に示すように、AT中、経過遊技数から第1遊技数(例えば、1500ゲーム)に到達するまでの第2遊技数が300ゲーム以下になるか、または、有利区間が付与されたときから現在までのメダルの第1払い出し差数から第2払い出し差数(例えば、2400枚)に到達するまでの第3払い出し差数が900枚以下になると(ステップS1)、期間延長部1152が、未消化の高確遊技数が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0079】
未消化の高確遊技数が第1閾値以上であると判定されると、期間延長部1152は、第1特別遊技期間よりも延長量の大きい第2特別遊技期間分、特別遊技期間を延長し(ステップS3)、特別遊技期間の延長処理が終了する。
【0080】
未消化の高確遊技数が第1閾値よりも小さいと判定されると、期間延長部1152は、第1特別遊技期間分、特別遊技期間を延長して、特別遊技期間の延長処置が終了する。詳しくは、期間延長部1152は、未消化の高確遊技数が第2閾値以上でかつ第1閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS4)。未消化の高確遊技数が第2閾値以上でかつ第1閾値よりも小さいと判定された場合、期間延長部1152は、BB実施相当分、すなわち、BBが実施された際に得られる出玉(180枚)と同等の出玉が得られる分、特別遊技期間を延長する(ステップS5)。また、未消化の高確遊技数が第2閾値よりも小さいと判定された場合、期間延長部1152は、RB実施相当分、すなわち、RBが実施された際に得られる出玉(例えば60枚)と同等の出玉が得られる分、特別遊技期間を延長する(ステップS6)。
【0081】
スロットマシン1は、次のような効果を発揮できる。
【0082】
スロットマシン1では、高確率状態で遊技可能な遊技数である高確遊技数を付与可能に構成されている高確遊技数付与部1151と、付与された高確遊技数の少なくとも一部に応じてAT(特別遊技状態の一例)で遊技可能な期間である特別遊技期間を延長可能に構成されている期間延長部1152とを備える。このような構成により、例えば、遊技の過程で遊技者自身によって蓄積された高確遊技数の少なくとも一部を用いて、特別遊技期間を延長させることができる。その結果、新たな遊技性を提供可能なスロットマシン1を実現できる。
【0083】
スロットマシン1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前記実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前記実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、有利区間の終了に起因する遊技者の遊技意欲の低下をより確実に防止できるスロットマシン1を実現できる。
【0084】
期間延長部1152が、付与された高確遊技数のうち、遊技されていない未消化の高確遊技数に応じて、前記特別遊技期間を延長可能に構成されている。これにより、未消化の高確遊技数も遊技において有効利用される。そのため、遊技者にとっては、これまでの遊技の過程で蓄積したものの消化されなかった高確遊技数の分が、無駄に蓄積されたものだと認識しにくくなる。また、未消化分の高確遊技数に応じて、特別遊技期間が延長されるため、未消化分の高確遊技数は出玉として遊技者に還元される。従って、未消化分の高確遊技数がより有効利用されていると、遊技者は感じることができる。
【0085】
期間延長部1152は、有利区間の終了条件および現在の遊技情報に基づいて、特別遊技期間を延長する。
【0086】
有利区間の終了条件には、有利区間が付与されたときから経過した経過遊技数が第1遊技数に到達することが含まれ、期間延長部1152は、経過遊技数から第1遊技数に到達するまでの第2遊技数が第1所定値以下である場合に特別遊技期間を延長する。これにより、有利区間で遊技可能な残り遊技数がある程度限られている場合に、高確遊技数に応じて特別遊技期間が延長される。有利区間の終了が近づくのに伴って高確遊技数が有効利用されるため、有利区間の終了に起因する遊技者の遊技意欲の低下をより確実に防止できる。
【0087】
有利区間の終了条件には、有利区間が付与されたときから現在までのメダルの第1払い出し差数が第2払い出し差数に到達することが含まれ、期間延長部1152は、第1払い出し差数から第2払い出し差数に到達するまでの第3払い出し差数が第2所定値以下である場合に特別遊技期間を延長する。これにより、有利区間で得られるメダルの払い出し差数がある程度限られている場合に、高確遊技数に応じて特別遊技期間が延長される。有利区間の終了が近づくのに伴って高確遊技数が有効利用されるため、有利区間の終了に起因する遊技者の遊技意欲の低下をより確実に防止できる。
【0088】
期間延長部1152は、高確遊技数が多くなるに従って、延長する特別遊技期間を大きくする。これにより、蓄積された高確遊技数が多い程、高確遊技数は出玉として遊技者に還元されるため、遊技者は、高確遊技数の量から、特別遊技期間の延長に期待を寄せながら遊技することができる。
【0089】
高確遊技数がゼロよりも大きくかつ第1閾値よりも小さい場合に延長される特別遊技期間を第1特別遊技期間とし、高確遊技数が第1閾値以上である場合に延長される特別遊技期間を第2特別遊技期間とすると、期間延長部1152は、第1特別遊技期間が第2特別遊技期間よりも小さくなるように、延長する特別遊技期間を大きくする。このように、高確遊技数の量に応じて特別遊技期間の延長期間が異なることから、遊技者にとっては、遊技を進めることに加えて、高確遊技数の量に応じて特別遊技期間がどの程度延長されるかを推測する楽しみが追加される。
【0090】
期間延長部1152は、高確遊技数に応じた数のパラメータを付与し、パラメータの数に応じて第2特別遊技期間の長さを決定する。高確遊技数に応じた数のパラメータを介して第2特別遊技期間の長さが決定されるため、パラメータを介さずに第2特別遊技期間の長さが高確遊技数によって一義的に決定される場合よりも、第2特別遊技期間がどの程度の長さになるかが分かり辛くなる。そのため、第2特別遊技期間に対応する特別遊技の実施の際、この特別遊技がどこまで続くか分からない面白さを、遊技者は感じることができる。従って、遊技性は、よりバラエティに富んだものとなる。
【0091】
高確遊技数付与部1151は、遊技状態が一般遊技状態である場合に加えて、遊技状態がATである場合にも高確遊技数を付与可能に構成されている。このように、高確遊技数が付与される機会は様々であり、その分特別遊技期間の延長可能性にも期待が持てる。
【0092】
高確遊技数に関する情報を報知する報知部1211を備える。これにより、遊技者は、高確遊技数を把握し、特別遊技期間の延長に期待を寄せながら遊技することができる。
【0093】
特別遊技期間が延長される場合に、高確遊技数を表すアイコンを用いて特別遊技期間の延長を報知可能に構成された報知部1211を備える。この報知内容により、遊技者は、これまでの遊技で蓄積してきた高確遊技数が特別遊技期間の延長に利用されていると実感できる。
【0094】
内部抽せんにより当せんする役として、操作態様に基づいてメダルの払い出し数が変化する操作態様役が含まれ、操作態様には、第1操作態様および第2操作態様が含まれる。操作態様役は、第1操作態様に基づくメダルの払い出し数よりも第2操作態様によるメダルの払い出し数が少なくなるように構成されている。高確遊技数付与部1151は、操作態様役に当せんした場合に、第2操作態様による遊技に基づいて高確率状態を付与する。このような構成により、遊技者は、操作態様役に当せんした場合、単なるメダルの払い出しで終わるのか、高確率状態が付与される可能性があるのかを意識しながら遊技することになる。その結果、新たな遊技性を提供可能なスロットマシン1を実現できる。
【0095】
スロットマシン1は、次のように構成することもできる。
【0096】
スロットマシン1は、前記実施形態に限らず、高確遊技数付与部1151および期間延長部1152を備えた任意の構成を採用できる。例えば、区間制御部114および報知部1211は、省略することができる。前記実施形態では、第1報知部および第2報知部を兼ねた報知部1211を設けているが、相互に独立した第1報知部および第2報知部を設けてもよい。前記実施形態では、内部抽せんにより当せんする役に操作態様役が含まれているが、内部抽せんにより当せんする役に操作態様役が含まれていなくてもよい。
【0097】
期間延長部1152は、付与された高確遊技数の少なくとも一部に応じて特別遊技期間を延長可能に構成されていればよい。例えば、期間延長部1152は、付与された高確遊技数のうち、未消化の高確遊技数の一部または全部に応じて特別遊技期間を延長可能に構成してもよいし、すでに消化された高確遊技数の一部または全部に応じて特別遊技期間を延長可能に構成してもよいし、消化/未消化を問わず付与された高確遊技数の一部または全部に応じて特別遊技期間を延長可能に構成してもよい。
【0098】
期間延長部1152は、有利区間の終了条件および現在の遊技状態に基づく場合に限らず、他の要素に基づいて特別遊技期間を延長するように構成してもよい。
【0099】
第1特別遊技期間は、高確遊技数がゼロよりも大きくかつ第2閾値よりも小さい場合、RB実施相当分のメダルを獲得可能な長さが設定され、高確遊技数が第2閾値以上でかつ第1閾値よりも小さい場合、一種BB実施相当分のメダルを獲得可能な長さが設定される場合に限らない。例えば、第1特別遊技期間は、閾値を設けず一律で同じ長さが設定されるようにしてもよいし、複数の閾値を設けて高確遊技数の数に応じて3以上の異なる長さが設定されるようにしてもよい。
【0100】
スロットマシン1は、高確遊技数付与部1151および期間延長部1152を備える場合に限らず、図11図14に示すように構成することもできる。図11図14の各スロットマシン1も、例えば、遊技の過程で遊技者自身によって蓄積された高確遊技数の少なくとも一部を用いて、特別遊技期間を延長させることができ、新たな遊技性を提供できる。
【0101】
図11のスロットマシン1は、期間延長部1152に代えて、獲得増加部1153を備えている。獲得増加部1153は、付与された高確遊技数の少なくとも一部に応じて特別遊技期間で獲得可能なメダルを増加可能に構成されている。図12のスロットマシン1は、期間延長部1152に代えて、遊技媒体変換部1154を備えている。遊技媒体変換部1154は、付与された高確遊技数の少なくとも一部を特別遊技期間で獲得可能なメダルに変換可能に構成されている。図13のスロットマシン1は、期間延長部1152に代えて、期間決定部1155を備えている。図13のスロットマシン1では、特別遊技期間に、第1の期間と、第1の期間の終了以降に開始される第2の期間とが含まれている。期間決定部1155は、付与された高確遊技数の少なくとも一部に応じて第2の期間の長さを決定する。図14のスロットマシン1は、高確遊技数付与部1151および期間延長部1152に代えて、パラメータ決定部1156およびパラメータ変換部1157を備えている。パラメータ決定部1156は、特別遊技状態に関する第1パラメータと、当該第1パラメータとは異なるパラメータであって遊技媒体(メダル)の獲得期待度に関する第2パラメータとを決定する。パラメータ変換部1157は、第2パラメータを第1パラメータに変換可能に構成されている。第1パラメータとしては、特別遊技状態の長さや特別遊技状態での獲得枚数などが該当し、第2パラメータとしては、高確率状態の長さや特別遊技状態への当せん期待度などが該当する。例えば、第2パラメータが高確率状態の長さである場合、パラメータ変換部1157は、使用されていない第2パラメータ(つまり、未消化の高確遊技数)を第1パラメータに変換可能に構成されている。
【0102】
特別遊技状態は、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利であり、特別遊技状態で遊技可能な期間を延長できる仕様であればよい。例えば、特別遊技状態は、ATに限らず、ARTであってもよい。高確率状態を特別遊技状態に含めることもできる。この場合、高確率状態移行抽せんは、特別遊技状態抽せんの一例であってもよい。高確率状態の延長抽せんを特別遊技状態抽せんに含めることもできる。また、特別遊技状態は、所定のゲーム数を1セットとしたセット管理型であってもよいし、ゲーム数管理型であってもよい。
【0103】
特別遊技期間が延長される場合、延長前のATが終了した後、連続して延長されたATが開始されてもよいし、延長前のATが終了した後、一旦、一般遊技状態に移行した後、再びATに移行して延長されたATが開始されてもよい。
【0104】
終了条件を満たすことで有利区間が終了する場合、例えば、終了する間際にエンディング演出を実行してもよい。エンディング演出実行中は、延長条件を満たしてもAT遊技期間の延長が行われない。このため、例えば、エンディング演出が有利区間移行後、1450ゲームに到達したときから実行される場合、期間延長部1152は、第1遊技数を1500ゲームではなく1450ゲームとみなすことができる。
【0105】
有利区間の終了条件には、有利区間での継続遊技数が1500ゲームに到達または払い出し差数が2400枚に到達した場合以外に、期間延長部1152が高確遊技数に応じて特別遊技期間の延長を付与(設定)したことが含まれてもよい。高確遊技数に応じて特別遊技期間の延長が付与されたことを契機として、区間制御部114は、有利区間を一旦終了させて再び有利区間に設定するリセット処理を行う。このリセット処理が行われても、特別遊技期間の延長を付与(設定)したとの情報は、維持されることが好ましい。これにより、リセット処理後の有利区間では、リセット処理前に付与(設定)された特別遊技期間の延長分の特別遊技が実施される。このため、有利区間が有限であることによる出玉の縛り(すなわち、有利区間の存在によって出玉がさほど得られない現象)が軽減される。
【0106】
図10のステップS2では、未消化分の高確遊技数が第1閾値以上であるか否かが判定されているが、これに代えて高確遊技数が存在するか否か(未消化の高確遊技数>ゼロであるか否か)が判定されてもよい。
【0107】
有利区間の終了条件(例えば、「有利区間の残りG数」および「有利区間終了までの残り差枚数」)を液晶表示装置22に表示してもよい。有利区間で遊技可能な期間の残りが表示されるので、特別遊技期間の延長に対する期待を遊技者に持たせることができる。
【0108】
区間制御部114による有利区間の通常区間への強制的設定の条件は、有利区間消化ゲーム数が1500ゲームに到達する、および、有利区間のメダルの払い出し差数が2400枚に到達することに限らない。これらの条件とは異なる条件で、有利区間を通常区間に強制的に設定してもよいし、また、有利区間を通常区間に強制的に設定する条件を設けなくてもよい。例えば、有利区間消化ゲーム数が1500ゲームに到達することで有利区間が通常区間に強制的に設定されるが、有利区間のメダルの払い出し差数が2400枚に到達することでは、有利区間が通常区間に強制的に設定されないように構成してもよい。また、例えば、有利区間が通常区間に強制的に設定された場合を除いて、一旦、遊技区間が有利区間に設定されると、いわゆるボーナス(例えば、一種BB)が1回入賞するか、または、メダルの払い出しが最大となる押し順役(例えば、押し順ベル)の押し順を1回報知するまでは、有利区間を通常区間に設定できないように構成してもよい。
【0109】
スロットマシン1の設定値が変更された場合、遊技区間は、スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態を引き継ぐように設定してもよいし、予め設定されている初期状態に設定される(すなわち、初期化される)ようにしてもよい。
【0110】
前記実施形態では、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物および役物連続作動装置を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、有利区間であることが表示部に表示されるように構成しているが、これに限らない。例えば、遊技区間が有利区間へ移行したときに、表示部に有利区間中であることを必ず表示されるように構成してもよい。
【0111】
前記実施形態では、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114が、操作部30に設けた表示部を介して、遊技区間が有利区間であることを表示するように構成しているが、これに限らない。例えば、液晶表示装置22が表示部を兼ねるように構成してもよいし、表示部を省略して遊技区間が有利区間であることを表示しないように構成してもよい。表示部に有利区間であることが表示された後は、有利区間が終了するまで、有利区間であることを表示し続けてもよいし、有利区間であることを表示し続けなくてもよい。
【0112】
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、または、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
【0113】
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
【0114】
押し順役は、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞する場合に限らない。押し順役は、例えば、所定の位置でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよいし、所定の位置に加え、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよい。
【0115】
内部抽せんテーブルは、図9に示されている情報に限らず、スロットマシンの設計に応じて、他の任意の情報を含むことができる。
【0116】
有効ラインは、少なくとも1本設定されていればよく、2本以上であっても構わない。
【0117】
可能であれば、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
【0118】
図1では、スロットマシン1が、実際にメダルを投入することでスタートスイッチ33が操作可能となり、クレジットが規定値(たとえば50)以上となった場合や精算スイッチを押された場合には、下皿26にメダルが払い出される仕様である場合を例示した。しかし、実際にメダルを投入せずともスタートスイッチ33が操作可能であり、下皿26にメダルが払い出されない仕様のスロットマシンにも適用できる。この場合、スロットマシンに、ホッパーユニット50を設けなくてもよく、メダルの払い出しは、物理的な方法ではなく、電子的な方法で行われ、払い出されたメダルはデータとして記憶される。つまり、本明細書における「遊技媒体」には、メダル等の有体物に限らず、データ等の無体物が含まれる。
【0119】
なお、前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 スロットマシン
10 筺体
20 前扉
22 液晶表示装置
33 スタートスイッチ
34,35,36 ストップスイッチ
41,42,43 回転リール
100 制御装置
1151 高確遊技数付与部
1152 期間延長部
1153 獲得増加部
1154 遊技媒体変換部
1155 期間決定部
1156 パラメータ決定部
1157 パラメータ変換部
1211 報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14