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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】車両用発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20220914BHJP
   F21S 43/15 20180101ALI20220914BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20220914BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20220914BHJP
   F21S 43/40 20180101ALI20220914BHJP
   F21S 43/31 20180101ALI20220914BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20220914BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220914BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/15
F21S43/14
F21S43/27
F21S43/40
F21S43/31
F21W103:00
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021020116
(22)【出願日】2021-02-10
(62)【分割の表示】P 2019151189の分割
【原出願日】2015-07-29
(65)【公開番号】P2021073676
(43)【公開日】2021-05-13
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】野村 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】大和 則之
(72)【発明者】
【氏名】釜野 健一
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-086007(JP,A)
【文献】特開2003-059312(JP,A)
【文献】特開2015-002032(JP,A)
【文献】特開2012-145829(JP,A)
【文献】特開平11-084490(JP,A)
【文献】実開平04-040352(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21S 43/15
F21S 43/14
F21S 43/27
F21S 43/40
F21S 43/31
F21W 103/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、当該光源から入射された光を拡散して出射するレンズとを有し、複数並んで配置される発光ユニットと、
前記複数の発光ユニットを保持し断面略コの字状を有する保持部と、
前記複数の発光ユニットを覆い、前記光源から前記レンズを介して出射された光を挿通する発光面を有するカバーと、を備え、
前記 複数の発光ユニットの間にも輝度のピーク値が1つ以上存在し、
前記保持部は、前記レンズから出射された光を前記発光面に向けて反射する反射部と、前記保持部側に延在する前記光源の延在部が内部に配置されるコの字形状の取付凹部と、を有し、
前記保持部において、前記取付凹部から前記レンズと略並行に延出する基部が、前記取付凹部よりも前記レンズに近い側に配置される ことを特徴とする車両用発光装置。
【請求項2】
前記発光ユニットの前記レンズから出射される光は、光の広がり方向に対し複数の輝度のピークを有し、
前記複数の前記発光ユニットから出射される光の複数の輝度のピークが略等間隔に並ぶように、前記複数の前記発光ユニットの配置間隔が設定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用発光装置。
【請求項3】
前記反射部は、前記光源と対向する位置に凸部が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用発光装置。
【請求項4】
前記保持部は、前記複数の発光ユニットを保持する領域の間に凹部が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用発光装置。
【請求項5】
記カバーは、前記保持部と係合し、前記レンズにおける光の出射側の端部において、前記レンズとの距離が最も近くなる形状であることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の車両用発光装置。
【請求項6】
前記レンズは、両端に係止爪部を有し、前記係止爪部により前記保持部にスナップ固定されることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の車両用発光装置。
【請求項7】
前記レンズは、前記保持部に対する回転を規制するリブが形成されることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の車両用発光装置。
【請求項8】
前記レンズは、前記光源と対向する位置に切欠きが形成されることを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の車両用発光装置。
【請求項9】
前記レンズは、前記切欠きの両側に設けられ、前記光源側に突出した光源導入部を有することを特徴とする請求項に記載の車両用発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用発光装置に係り、特に、複数の光源を備える車両用発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用発光装置には複数の光源を備えているものがある。こうした車両用発光装置においては、複数の光源を同時に光らせたり、順次光らせたりすることにより多様な照明効果を演出することがある。
【0003】
例えば下記の特許文献1においては、複数のLEDを備える車両用発光装置において、LEDからの出射光に輝度ムラが生じることを抑えるために、各LEDからの光を反射させて広範囲に拡散させる構造を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-17063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の光源の輝度ムラを抑えるために、複数の光源からの光を反射させて混ざり合わせるようにすると、どの光源が光っているのかが不鮮明となり、照明の演出性が低下する虞がある。一方で、光源の数を増やすと、消費電力やコストの点で問題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、実際の光源数より多くの光源があるように演出可能とし輝度のムラを低減できる車両用発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、光源と、当該光源から入射された光を拡散して出射するレンズとを有し、複数並んで配置される発光ユニット前記複数の発光ユニットを保持し断面略コの字状を有する保持部と、前記複数の発光ユニットを覆い、前記光源から前記レンズを介して出射された光を挿通する発光面を有するカバーと、を備え、前記複数の発光ユニットの間にも輝度のピーク値が1つ以上存在し、前記保持部は、前記レンズから出射された光を発光面に向けて反射する反射部と、前記保持部側に延在する前記光源の延在部が内部に配置されるコの字形状の取付凹部と、を有し、前記保持部において、前記取付凹部から前記レンズと略並行に延出する基部が、前記取付凹部よりも前記レンズに近い側に配置される車両用発光装置により解決される。
【0008】
上記の車両用発光装置では、それぞれ光源を備える複数の発光ユニットの間にも輝度のピークが1つ以上存在するようにしたことで、実際の光源数よりも多くの光源があるように演出可能とし、輝度のムラを低減することができる。
また、反射部を有することにより、光の照射方向を調整することができる。
【0009】
上記の車両用発光装置において、前記発光ユニットの前記レンズから出射される光は、光の広がり方向に対し複数の輝度のピークを有し、前記複数の前記発光ユニットから出射される光の複数の輝度のピークが略等間隔に並ぶように、前記複数の前記発光ユニットの配置間隔が設定されることとしてよい。これにより、複数の発光ユニットから照射される光の輝度のピークが略等間隔となるため、輝度のムラを更に低減することができる。
【0011】
上記の車両用発光装置において、前記反射部は、前記光源と対向する位置に凸部が形成されることとしてよい。これにより、反射部における光の反射方向を調整することができ、更に輝度ムラも低減することができる。
【0012】
上記の車両用発光装置において、前記保持部は、前記複数の発光ユニットを保持する領域の間に凹部が形成されることとしてよい。これにより、保持部側からの反射方向を制御し、輝度ムラを低減することができる。
【0013】
上記の車両用発光装置において、前記カバーは、前記保持部と係合し、前記レンズにおける光の出射側の端部において、前記レンズとの距離が最も近くなる形状であることとしてよい。これにより、カバー側に光が拡散してしまうことを抑制できる。
【0014】
上記の車両用発光装置において、前記レンズは、両端に係止爪部を有し、前記係止爪部により前記保持部にスナップ固定されることとしてよい。これにより、レンズを保持部に安定的に取り付けできる。
【0015】
上記の車両用発光装置において、前記レンズは、前記保持部に対する回転を規制するリブが形成されることとしてよい。これにより、レンズの保持部に対する回転が規制されるため、光の照射方向を安定させることができる。さらに、車両の振動時のレンズの動きも規制されるため、レンズが他の部材と衝突することによる音鳴りの発生も抑制される。
【0016】
上記の車両用発光装置において、前記レンズは、前記光源と対向する位置に切欠きが形成されることとしてよい。これにより、レンズに入射する光を拡散する方向に屈折させることができる。
【0017】
上記の車両用発光装置において、前記レンズは、前記切欠きの両側に設けられ、前記光源側に突出した光源導入部を有することとしてよい。これにより、レンズに対する光源の位置を定めやすくなるため、光源とレンズとの位置決め精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、実際の光源数よりも多くの光源があるように演出可能となり輝度のムラを低減できる。
【0019】
本発明の一側面によれば、複数の発光ユニットから照射される光の輝度のピークが略等間隔となるため、輝度のムラを更に低減できる。
【0020】
本発明の一側面によれば、光の照射方向を調整できる。
【0021】
本発明の一側面によれば、反射部における光の反射方向を調整でき、更に輝度ムラも低減できる。
【0022】
本発明の一側面によれば、保持部側からの反射方向を制御し、輝度ムラを低減できる。
【0023】
本発明の一側面によれば、カバー側に光が拡散してしまうことを抑制できる。
【0024】
本発明の一側面によれば、レンズを保持部に安定的に取り付けできる。
【0025】
本発明の一側面によれば、レンズの保持部に対する回転が規制されるため、光の照射方向を安定させることができる。
【0026】
本発明の一側面によれば、レンズに入射する光を拡散する方向に屈折させることができる。
【0027】
本発明の一側面によれば、レンズに対する光源の位置を定めやすくなるため、光源とレンズとの位置決め精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1の実施形態に係る車両用発光装置の平面図である。
図2図1のII-II断面図である。
図3】第1の実施形態に係る車両用発光装置のカバーを外した状態の斜視図である。
図4】第1の実施形態に係る車両用発光装置における発光ユニットの輝度ピークの特徴を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る車両用発光装置における配置間隔が設定された複数の発光ユニットの輝度ピークの特徴を示す図である。
図6】第2の実施形態に係る車両用発光装置の平面図である。
図7図7のVII-VII断面図である。
図8】回転規制機構を設けた場合のレンズの構成例を示し、(A)はレンズを含む発光ユニットの平面図であり、(B)は(A)の側面図である。
図9】複数の発光ユニットを連結した発光ユニット群の形状を説明する図である。
図10】第3の実施形態に係る車両用発光装置の平面図である。
図11図10のXI-XI断面図である。
図12】第3の実施形態に係る発光ユニットの輝度ピークの特徴を示す図である。
図13】第3の実施形態に係る車両用発光装置における配置間隔が設定された複数の発光ユニットの輝度ピークの特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係る車両用発光装置について、図1図13を参照しながら説明する。
【0030】
本実施形態は、光源と、当該光源から入射された光を拡散して出射するレンズとを備える発光ユニットが複数並んで配置され、複数の前記発光ユニットの間にも輝度のピーク値が1つ以上存在する車両用発光装置の発明に関するものである。
【0031】
<第1の実施形態>
まず、図1図5に基づいて、本発明の第1の実施形態に係る車両用発光装置1について説明する。
【0032】
図1は、第1の実施形態に係る車両用発光装置1の平面図であり、図2図1のII-II断面図であり、図3は車両用発光装置1のカバー50を外した状態の斜視図である。
【0033】
図1に示されるように、車両用発光装置1は主に、カバー50、光源となるLED部20、LED部20から入射する光を拡散して出射させるレンズ30、LED部20及びレンズ30等を保持するホルダー10(保持部)を備えている。また、ホルダー10には、凸部12と平面部13からなる鏡面仕上げがなされた反射部11が設けられており、反射部11によりレンズ30からの屈折光をカバー50の窓部51(発光面)に向けて反射するようになっている。なお以下において、LED部20の出射方向(すなわち、LED部20から切り欠き部に向かう側)を前方、その逆を後方とし、レンズ30の中心から遠くなる側を外側、その逆を内側とする。
【0034】
図1に示されるように、レンズ30は、レンズ本体部31、レンズ本体部31の中央であってLED部20と対向する位置に設けられた切欠き部32、切欠き部32の後方側においてLED部20側に突出し、LED部20からの入射光を導入する光源導入部33、レンズ本体部31の両側から外側に向けて突出し、レンズ30をホルダー10に取り付けるための取付構造部34を備えている。なお、取付構造部34の後側方端部には、係止爪部35が設けられており、係止爪部35によりホルダー10にスナップフィット固定されるようになっている。
【0035】
ここで、図1に示されるように、レンズ本体部31の前方縁部の曲率(例えば平均曲率)に対して、切欠き部32の曲率の方が大きくなっている。なお、レンズ本体部31の前方縁部の曲率は一定であってもよいし、一定でなくてもよい。一定でない場合には、例えば、前方縁部の中央の曲率を、中央よりも外側の曲率よりも小さくすることとしてもよい。
【0036】
また、図1乃至図3に示されるように、複数のレンズ30に対してそれぞれLED部20が1つ直列方向(すなわちレンズ30の中心軸と、LED部20の光軸とが並行(一致も含む)となる方向)に配置されており、LED部20と直列に配置されたレンズ30とを合わせて発光ユニット100とする。このように、LED部20とレンズ30を直列配置して発光ユニット100を構成することにより、発光ユニット100を薄型化することができる。こうした薄型の発光ユニット100を搭載することで、車両用発光装置1を薄型化することができるため、車両への設置の自由度を高めることができる。
【0037】
図1に示されるように、車両用発光装置1は、複数の発光ユニット100を備えており、複数の発光ユニット100は、窓部51の長手方向と平行に配列されている。ここで、図1及び図3に示されるように、反射部11のうち、発光ユニット100(すなわちLED部20)に対向する位置には凸部12を設け、発光ユニット100と隣り合う発光ユニット100とにそれぞれ対向する位置の間(すなわち凸部12と凸部12の間)においては平面部13を設けている。こうすることで、反射部11における光の反射方向を調整することができ、更に輝度ムラも低減することができる。
【0038】
図2に示されるように、カバー50はレンズ30の後方から前方にかけてレンズ30側に傾斜する形状となっており、特にカバー50とレンズ30とはレンズ30の前方端部において最も距離が近くなっている。これにより、レンズ30の前方端部から出射した光が、カバー50に反射して窓部51よりも後方側に戻ってしまうことを抑制できるため、窓部51から車両用発光装置1の外部に照射される光の輝度を低下させてしまうことを抑制できる。なお、以下において、車両用発光装置1の窓部51側を発光面側、その反対側を裏面側とする。
【0039】
また、図2に示されるように、ホルダー10は、前方から後方に延出するホルダー基部領域16と、ホルダー基部領域16の後方端部において裏面側に延出し、LED部20が取付固定されるLED取付領域17と、ホルダー基部領域16から発光面側に延出し、レンズ30が取付固定されるレンズ固定領域18と、ホルダー基部領域16の前方端部において発光面側と裏面側の両側に延出し、発光面側であってレンズ30と対向する斜面に反射部11が設けられる反射部形成領域19とを有する。ここで、反射面の角度(斜度)は、レンズ30から窓部51への反射光の強度が最大となるように設定されることとしてよい。
【0040】
また、図3に示されるように、ホルダー10のレンズ固定領域18には、レンズ30の光源導入部33が挿通される挿通孔14、レンズ30の取付構造部34の後方端部(係止爪部35を含む)が挿通される挿通孔15がそれぞれ設けられている。
【0041】
また、LED部20には、図示しない制御回路が接続されており、制御回路により複数のLED部20のそれぞれの発光タイミング、発光時間等が制御される。これにより、複数のLED部20を同時に発光させたり、複数のLED部20の一部を発光させたり、複数のLED部20が左右に流れるよう発光させたりすることで、多様な照明効果を演出することができる。
【0042】
次に、図4及び図5に基づいて、第1の実施形態に係る車両用発光装置1に備えられる発光ユニット100の輝度特性及び、複数の発光ユニット100の輝度特性について説明する。
【0043】
図4には、単体の発光ユニット100の輝度特性を示す。図4は、単体の発光ユニット100の前方側の発光面における位置(すなわち、発光面の幅方向における位置)と輝度の関係を示している。図4に示されるように、発光ユニット100では、LED部20から、切欠き部32の中心を通る位置に第1の輝度ピークがあり、さらに第1の輝度ピークの左右にも2つの輝度のピーク(第2の輝度ピーク及び第3の輝度ピーク)が存在している。このように、レンズ30のレンズ本体部31の形状(特にサイズ及び曲率)と、切欠き部32の形状(特にサイズ及び曲率)に応じて、発光ユニット100から出射される光の広がり方向において、複数の輝度のピークが出現することとなる。
【0044】
また、図5には、複数の発光ユニット100を所定の配置間隔(D)で配置した場合の輝度特性を示す。図5は、複数の発光ユニット100の前方側の発光面における位置と輝度との関係を示している。図5に示されるように、発光ユニット100の配置間隔を調整することにより、発光面における輝度のピークが略等間隔とすることができる。このように発光ユニット100の配置間隔を調整することで、発光面において発光ユニット100に対向する位置の間にもピークが存在するようになるため、発光ユニット100の数(すなわち光源の数)よりも多くの光源があるように演出可能となり、輝度ムラを低減させることができる。また、輝度のピークを略等間隔に設定することで、更に輝度ムラを低減させることもできる。
【0045】
<第2の実施形態>
次に、図6及び図7に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る車両用発光装置1Aについて説明する。
【0046】
図6は、第2の実施形態に係る車両用発光装置1Aの平面図であり、図7図6のVII-VII断面図である。なお、第2の実施形態に係る車両用発光装置1Aに搭載される発光ユニット100は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。以下では、第1の実施形態からの相違点を主に説明する。
【0047】
図6及び図7に示されるように、第2の実施形態に係る車両用発光装置1Aでは、カバー50A及びホルダー10Aの構造が第1の実施形態に係る車両用発光装置1とは異なる。すなわち、図7に示されるように、第2の実施形態では、発光ユニット100とカバー50Aの窓部51Aが直列方向に配置されており、ホルダー10Aには反射部形成領域19が設けられていない点で第1の実施形態と差異がある。また更に、第2の実施形態では、ホルダー10Aの基部(ホルダー基部領域16A)の発光面側であって、隣り合う発光ユニット100の間の表面に、お椀状の凹部60を形成するようにした点で第1の実施形態と差異がある。なお、凹部60は、ホルダー基部領域16Aの前方端部からレンズ30の中央の位置程度にまで、幅が徐々に小さくなるように形成されることとしてよい。
【0048】
上記のようにホルダー基部領域16Aにお椀状の凹部60を形成することにより、ホルダー10A側からの反射方向を制御し、輝度ムラを低減することができる。
【0049】
ここで、図8及び図9に基づいて、車両用発光装置1(1Aにも同様に適用可能である)に搭載されるレンズ30の他の構成例について説明する。
【0050】
図8には、レンズ30にホルダー10に対する回転規制機構を設けた場合のレンズ30の構成例について示した。図8(A)には、ホルダー10に固定されるレンズ30を含む発光ユニット100の平面図を、図8(B)には図8(A)の側面図を示している。図8(A)及び(B)に示されるように、発光ユニット100のレンズ30における取付構造部34の両面にそれぞれ取付構造部34から垂直に突出するリブ36が設けられている。
【0051】
図8(B)に示されるように、リブ36は、レンズ30のホルダー10に対する首振り動作(すなわち、レンズ30の前方端部がホルダー基部領域16に近づいたり遠ざかったりする回転動作)を、レンズ30のリブ36がホルダー10のレンズ固定領域18と突き当たることで規制する機能を果たす。これにより、レンズ30がホルダー10やLED部20に対して当初の配置からずれる動きを規制できるため、発光ユニット100からの照射方向を安定させることができる。さらに、レンズ30の動きが規制されているため、車両の振動時においてもレンズ30が他の部材と衝突することが抑制され、音鳴りも低減される。
【0052】
以上の実施形態においては、単体の発光ユニット100をホルダー10に取り付ける構造の例について説明したが、図9に示されるように、複数の発光ユニット100を連結部37により連結した発光ユニット群101をホルダー10に取り付けるようにしてもよい。
【0053】
<第3の実施形態>
次に、図10乃至図13に基づいて、本発明の第3の実施形態に係る車両用発光装置1Bについて説明する。
【0054】
図10は、第3の実施形態に係る車両用発光装置1Bの平面図であり、図11図10のXI-XI断面図である。
【0055】
図10に示されるように、第3の実施形態に係る車両用発光装置1Bは主に、カバー50B、光源となるLED部20、LED部20から入射する光を拡散して出射させるレンズ30B、LED部20及びレンズ30B等を保持するホルダー10B(保持部)を備えている。また、ホルダー10Bには、鏡面仕上げがなされた反射部11が設けられており、反射部11によりレンズ30Bからの屈折光をカバー50の窓部51B(発光面)に向けて反射するようになっている。
【0056】
図10に示されるように、レンズ30Bは、レンズ本体部31B、レンズ本体部31Bの中央であってLED部20と対向する位置に設けられた切欠き部32Bを備えている。なお、以下において、レンズ30Bと直列に配置されたLED部20とを合わせて発光ユニット100Bとする。
【0057】
図11に示されるように、カバー50Bはコの字形状となっており、カバー50Bのうち窓部51Bが設けられた発光面形成面とレンズ30Bとは略並行となっている。また、発光面形成面の前後方向の長さ(発光ユニット100Bの配列方向と垂直方向についての長さ)は第1の実施形態に比べて長くなっている。以下、車両用発光装置1Bの窓部51B側を発光面側、その反対側を裏面側とする。
【0058】
また、図11に示されるように、ホルダー10は、LED部20が取付固定されるコの字形状のLED取付領域17Bと、レンズ30Bを支持する、LED取付領域17Bからレンズ30Bと略並行に延出するホルダー基部領域16Bと、ホルダー基部領域16Bから発光面側に延出し、発光面側であってレンズ30Bと対向する斜面に反射部11が設けられる反射部形成領域19Bとを有する。ここで、反射面の角度(斜度)は、レンズ30Bから窓部51Bへの反射光の強度が最大となるように設定されることとしてよい。
【0059】
また、LED部20には、図示しない制御回路が接続されており、制御回路により複数のLED部20のそれぞれの発光タイミング、発光時間等が制御される。
【0060】
ここで、図10に示されるように、第3の実施形態に係る車両用発光装置1Bに搭載されるレンズ30Bは、第1の実施形態に係る車両用発光装置1に搭載されるレンズ30とレンズ本体部31(31B)と切欠き部32(32B)とR形状において相違する。すなわち、第3の実施形態においては、レンズ本体部31Bの曲率が、第1の実施形態におけるレンズ本体部31の曲率よりも大きくなっており、第3の実施形態においては、切欠き部32Bの曲率が、第1の実施形態における切欠き部32の曲率よりも小さくなっている。このように、レンズのR形状を調整することにより、図12及び図13に示すように、レンズからの光の拡散態様を調整し、輝度のパターンを変更することができる。
【0061】
図12には、第3の実施形態に係る単体の発光ユニット100Bの輝度特性を示す。図12は、単体の発光ユニット100Bの前方側の発光面の位置(すなわち、発光面の幅方向における位置)と輝度との関係を示している。図12に示されるように、発光ユニット100Bでは、LED部20から切欠き部32の中心を通る位置に、第1の実施形態に係る発光ユニット100に比べてなだらかな輝度ピークが存在している。すなわち、第3の実施形態に係るレンズ30Bでは、第1の実施形態に係るレンズ30に比べてより輝度ムラの低減された拡散光が出射される。
【0062】
また、図13には、第3の実施形態に係る複数の発光ユニット100Bを所定の配置間隔(d)で配置した場合の輝度特性を示す。図13は、複数の発光ユニット100Bの前方側の発光面位置(すなわち、発光面の幅方向における位置)と輝度との関係を示している。図13に示されるように、発光ユニット100Bの配置間隔を調整することにより、発光ユニット100Bに対向する位置の間にも輝度のピークが存在するようになる。このように発光ユニット100Bの配置間隔を調整し、発光面において発光ユニット100Bに対向する位置の間にもピークが存在させることで、発光面における輝度ムラを低減させることができる。
【0063】
以上説明したように、車両用発光装置に搭載される発光ユニットに関し、LED部から入射する光を拡散させるレンズのR形状を変更することによって、レンズからの光の拡散態様が変化するようになる。例えば、第1の実施形態に係る車両用発光装置1では、レンズの外周の曲率を第3の実施形態におけるレンズよりも小さくしたことにより、発光ユニットが小型化されるため、発光ユニットを搭載する車両用発光装置の小型化が可能となる。このように、レンズのR形状を設定することによって、輝度のムラを抑制させた車両用発光装置を、車両によって要求されるスペースの大きさに合うように対応させることができる。
【0064】
以上においては、主として本発明に係る第1乃至第3の実施形態に係る車両用発光装置に関して説明した。ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0065】
1,1A,1B 車両用発光装置
10,10A,10B ホルダー
11 反射部
12 凸部
13 平面部
14,15 挿通孔
16,16A,16B ホルダー基部領域
17,17B LED取付領域
18 レンズ固定領域
19,19B 反射部形成領域
20 LED部
30,30B レンズ
31,31B レンズ本体部
32,32B 切欠き部
33 光源導入部
34 取付構造部
35 係止爪部
36 リブ
37 連結部
50,50A,50B カバー
51,51A,51B 窓部
60 凹部
100,100B 発光ユニット
101 発光ユニット群
図1
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