(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】電力制御装置及び電力制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/34 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
H02J7/34 D
(21)【出願番号】P 2022069652
(22)【出願日】2022-04-20
【審査請求日】2022-04-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 隼人
(72)【発明者】
【氏名】久保田 透
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-225610(JP,A)
【文献】特開2003-079067(JP,A)
【文献】特開2013-134683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
G06F 1/26-1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPU電力制御及び充電電力制御を行うとともに、タイプCコネクタに対応するコンシューマパスを介した電力供給及び
タイプCコネクタに対応するプロバイダパスを介した電力供給を制御する電力制御装置であって、
前記プロバイダパスを流れる電流を検出する電流検出部と、
前記タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部と、
検出した前記電流に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしているか否かを判断する判断部と、
前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしている場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮して前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行い、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしていない場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずに前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行う電力制御部と、
前記CPU電力制御を行うためのCPU温度閾値及び前記充電電力制御を行うための充電器温度閾値を記憶する閾値記憶部と、を備え、
前記閾値記憶部は、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮した場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値並びに前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値を記憶している、
電力制御装置。
【請求項2】
前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値は独立して用いることが可能となっている、
請求項1
に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記電流検出部は、前記プロバイダパスに設けられた電流検出抵抗と、
前記電流検出抵抗の両端電圧を検出して、前記プロバイダパスを流れる電流を算出する電流演算部と、
を備える請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項4】
CPU電力制御及び充電電力制御を行うとともに、タイプCコネクタに対応するコンシューマパスを介した電力供給及び
タイプCコネクタに対応するプロバイダパスを介した電力供給を制御するとともに、前記タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部を備えた電力制御装置で実行される電力制御方法であって、
前記記憶部は、前記CPU電力制御を行うためのCPU温度閾値及び前記充電電力制御を行うための充電器温度閾値として、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮した場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値並びに前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値を前記制御条件として記憶する閾値記憶部を備え、
前記プロバイダパスを流れる電流を検出する過程と、
検出した前記電流に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した
前記制御条件を満たしているか否かを判断する過程と、
前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した
前記制御条件を満たしている場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮して前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行い、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した
前記制御条件を満たしていない場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずに前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行う過程と、
を備えた電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置及び電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型・軽量のタブレットが多く見られるようになってきており、ファンレスの装置も増えつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ファンレスの装置は、ファン搭載装置に比べて、CPUなどの熱源が冷えにくく、筐体の温度が熱くなりやすい。このため、熱暴走を防止したり、ユーザの使い勝手が悪くなるのを防止すべく、装置温度、ひいては、筐体表面温度を下げるためにCPUのパフォーマンスを下げざるを得なくなってしまうこととなっていた。
【0005】
筐体の表面温度を下げることと、装置のパフォーマンスを上げることとはトレードオフの関係になっており、従来の装置において直結する要因としては次の3つがあげられる。
(1) CPU電力
(2) バッテリー充電電流
(3) 外部ポートへの出力
【0006】
ところで、従来の装置では(1)CPU電力及び(2)バッテリー充電電流に関しては制御する仕組みとしては、CPU内部のDTS(Digital Thermal Sensor)の温度を監視して、予めBIOSで閾値を設定しておくことで電力を制御したり、充電回路(Charger)のコイル付近にサーミスタを実装しマイコンが温度を監視し、予めBIOSで閾値を設定しておくことで充電回路における電力を制御していた。
【0007】
しかしながら、(3)外部ポートへの出力に関しては制御する仕組みが現状ないため、例えば、外部ポートとしての外部USBポートからデバイスへ給電することで、(電源回路などの)温度が上昇し、表面温度が変わってしまうこととなっていた。
そのため外部USBポートへの出力の有無に関係なく、温度閾値を設定する必要があるため、必要以上にパフォーマンスを抑制してしまっている場合が生じるという課題があった。
【0008】
そこで、本発明は、外部USBポートへの出力の有無に基づいて、パフォーマンスを必要以上に抑制することなく、筐体の表面温度を下げることが可能な電力制御装置及び電力制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、実施形態の電力制御装置は、CPU電力制御及び充電電力制御を行うとともに、タイプCコネクタに対応するコンシューマパスを介した電力供給及びタイプCコネクタに対応するプロバイダパスを介した電力供給を制御する電力制御装置であって、前記プロバイダパスを流れる電流を検出する電流検出部と、前記タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部と、検出した前記電流に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしているか否かを判断する判断部と、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしている場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮して前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行い、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしていない場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずに前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行う電力制御部と、前記CPU電力制御を行うためのCPU温度閾値及び前記充電電力制御を行うための充電器温度閾値を記憶する閾値記憶部と、を備え、前記閾値記憶部は、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮した場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値並びに前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値を記憶している。
【0011】
また、上記構成において、前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値は独立して用いることが可能となっているようにしてもよい。
【0012】
また、上記構成において、前記電流検出部は、前記プロバイダパスに設けられた電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗の両端電圧を検出して、前記プロバイダパスを流れる電流を算出する電流演算部と、を備えるようにしてもよい。
【0013】
実施形態の電力制御方法は、CPU電力制御及び充電電力制御を行うとともに、タイプCコネクタに対応するコンシューマパスを介した電力供給及びタイプCコネクタに対応するプロバイダパスを介した電力供給を制御するとともに、前記タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部を備えた電力制御装置で実行される電力制御方法であって、前記記憶部は、前記CPU電力制御を行うためのCPU温度閾値及び前記充電電力制御を行うための充電器温度閾値として、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮した場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値並びに前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値を前記制御条件として記憶する閾値記憶部を備え、前記プロバイダパスを流れる電流を検出する過程と、検出した前記電流に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した前記制御条件を満たしているか否かを判断する過程と、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した前記制御条件を満たしている場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮して前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行い、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した前記制御条件を満たしていない場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずに前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行う過程と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、外部USBポートへの出力の有無に基づいて、パフォーマンスを必要以上に抑制することなく、筐体の表面温度を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態の電力制御装置の概要構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態の動作処理フローチャートである。
【
図3】
図3は、CPU温度閾値設定値及び充電器温度閾値設定値の記憶状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して電力制御装置に係る実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
【0017】
図1は、実施形態の電力制御装置の概要構成ブロック図である。
実施形態の情報処理装置10は、情報処理装置全体の制御を行うMPU11と、電力制御装置12と、を備えている。
また、情報処理装置10には、充電器13が接続されているものとする。
【0018】
電力制御装置12は、複数(
図1では2個)のタイプCコネクタユニット21(21-1,21-2)と、組込コントローラ22と、タイプCパワーデリバリコントローラ23と、を備えている。
【0019】
組込コントローラ22は、MPU11の制御下で、図示しないI/FスイッチやタイプCパワーデリバリコントローラ23の制御を行う。
タイプCパワーデリバリコントローラ23は、組込コントローラ22の制御下でパワーデリバリ制御を行う。
【0020】
タイプCコネクタユニット21は、タイプCコネクタ部31と、コンシューマスイッチ32と、プロバイダスイッチ33と、電流検出抵抗34と、を備えている。
タイプCコネクタ部31は、USB3.1規格において制定されたコネクタ規格に準拠したコネクタである。
【0021】
コンシューマスイッチ32は、情報処理装置10が受電側(SNK)として機能して、外部からの電力の供給を受ける場合の電力供給経路(コンシューマパス)を接続するスイッチである。
【0022】
プロバイダスイッチ33は、情報処理装置10が給電側(SRC)として機能して、外部ポートから電力を供給する場合の電力供給経路(プロバイダパス)を接続するスイッチである。
【0023】
電流検出抵抗34は、プロバイダスイッチ33を介して形成される電力供給経路(プロバイダパス)を流れる電流を検出するための抵抗素子であり、電力供給時に無駄に電力を消費しないように、非常に小さい抵抗値とされている。
【0024】
上記構成において、タイプCパワーデリバリコントローラ23は、各タイプCコネクタユニット21-1、21-2を構成している電流検出抵抗34を流れる電流をそれぞれ検出して、プロバイダスイッチ33を介してプロバイダパス、ひいては、一又は複数の外部ポートを介して供給される電力量を監視している。
【0025】
また、上記構成において、電流検出抵抗34及びやタイプCパワーデリバリコントローラ23は、電流検出部として機能している。
また、タイプCパワーデリバリコントローラ23は、記憶部及び判断部として機能している。
また、組込コントローラ22は、電力制御部として機能している。
【0026】
次に実施形態の動作を説明する。
図2は、実施形態の動作処理フローチャートである。
以下の説明においては、タイプCコネクタユニット21-1のタイプCコネクタ部31を第1ポートと呼ぶものとし、タイプCコネクタユニット21-2のタイプCコネクタ部31を第2ポートと呼ぶものとする。
【0027】
また、外部USBポートの出力を想定した制御(負荷が大きい制御)第1ポートの制御条件として、3A給電を行わせるものとし、第2ポートの制御条件として充電を行うものとする。これらの制御条件は、予め組込コントローラ22が記憶しておくものとする。
【0028】
まずタイプCパワーデリバリコントローラ23は、タイプCコネクタユニット21-1を構成している電流検出抵抗34を流れる電流による電圧を検出し、タイプCコネクタユニット21-2を構成している電流検出抵抗34を流れる電流を電圧として検出する(ステップS11)。
【0029】
そしてタイプCパワーデリバリコントローラ23は、I2C通信により組込コントローラ22に第1ポート及び第2ポートの接続情報及び電流(値)情報を通知する(ステップS12)。
これにより、組込コントローラ22は、予め記憶している第1ポートの制御条件及び第2ポートの制御条件を読み出す(ステップS13)。
【0030】
より詳細には、組込コントローラ22は、通知された第1ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第1ポートの制御条件を満たしているか否かを判断する(ステップS14)。
ステップS14の判断において、通知された第1ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第1ポートの制御条件を満たしていない場合には(ステップS14;No)、処理をステップS17に移行する。
【0031】
ステップS14の判断において、通知された第1ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第1ポートの制御条件を満たしている場合には(ステップS14;Yes)、組込コントローラ22は、通知された第2ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第2ポートの制御条件を満たしているか否かを判断する(ステップS15)。
【0032】
ステップS15の判断において、通知された第2ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第2ポートの制御条件を満たしていない場合には(ステップS15;No)、その旨をI2C通信により組込コントローラ22に通知して、処理をステップS17に移行する。
【0033】
ステップS15の判断において、通知された第2ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第2ポートの制御条件を満たしている場合には(ステップS15;Yes)、第2ポートの制御条件を満たしている旨をI2C通信により組込コントローラ22に通知する。
【0034】
これにより組込コントローラ22は、外部USBポート出力を想定した制御に対応するCPU温度閾値設定値B1及び充電器温度閾値設定値B2に設定して、CPU電力制御及び充電電流制御を行い(ステップS16)、所定時間待機後、処理を再びステップS11に移行する。
【0035】
この場合において、CPU電力制御としては、例えば、MPU11を構成しているCPU内部のデジタル温度センサにより温度を監視し、CPU温度閾値設定値B1を超えたらCPUのパワーリミット値を下げるように機能する。
【0036】
また充電電流制御としては、例えば、充電器13の近傍にサーミスタなどの温度検出センサを配置しておき、充電器温度閾値設定値B2を超えた場合には、充電器13の充電電流設定値を下げるように機能する。
【0037】
図3は、CPU温度閾値設定値及び充電器温度閾値設定値の記憶状態の説明図である。
一方、ステップS14の判断において、通知された第1ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第1ポートの制御条件を満たしていない場合(ステップS14;No)及びステップS15の判断において、通知された第2ポートに関する接続情報及び電圧情報が、第2ポートの制御条件を満たしていない場合には(ステップS15;No)、組込コントローラ22は、外部USBポート出力を想定していない、通常時制御に対応するCPU温度閾値設定値A1及び充電器温度閾値設定値A2に設定して、CPU電力制御及び充電電流制御を行い(ステップS17)、所定時間待機後、処理を再びステップS11に移行する。
【0038】
この場合において、CPU温度閾値設定値A1、充電器温度閾値設定値A2、CPU温度閾値設定値B1及び充電器温度閾値設定値B2の関係は、以下の通りとなっている。
A1<B1
A2<B2
【0039】
この結果、外部USBポート出力を想定していない通常時制御に対応する場合には、外部USBポート出力を想定した場合と比較して、必要以上に制限がかからないため、筐体の表面温度を下げつつ、情報処理装置のパフォーマンスの向上を図ることが可能となる。
【0040】
一方、外部USBポート出力を想定した制御を行う場合には、可能な限り、条件を緩和して、筐体温度(特に筐体表面温度)の上昇を抑制しつつ、可能な限り、パフォーマンスの向上を図ることが可能となる。
【0041】
そして、開示の技術は上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成および各処理は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
【0042】
例えば、以上の説明においては、組込コントローラがCPU電力制御を行うためのCPU温度閾値及び充電電力制御を行うための充電器温度閾値を記憶する閾値記憶部として機能していたが、閾値記憶部を別途設けるように構成することも可能である。
【0043】
さらに、以上の説明においては、閾値記憶部は、プロバイダパスを介した電力供給を考慮した場合に用いるCPU温度閾値B1及び充電器温度閾値B2並びにプロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合に用いるCPU温度閾値A1及び充電器温度閾値A2をそれぞれ1組ずつ記憶していたが、複数組記憶するように構成することも可能である。
【0044】
またCPU温度閾値及び充電器温度閾値を組として用いること無く、個別に用いるように構成することも可能である。これにより、より制御パターンの多様化を図ることができ、柔軟な制御が行える。
【0045】
また、上述した開示により本実施形態を当業者によって実施・製造することが可能である。
【0046】
以上の実施形態に関し、さらに他の態様について記載する。
【0047】
[1]第1の他の態様
第1の他の態様の電力制御装置は、CPU電力制御及び充電電力制御を行うとともに、タイプCコネクタに対応するコンシューマパスを介した電力供給及びイプCコネクタに対応するプロバイダパスを介した電力供給を制御する電力制御装置であって、前記プロバイダパスを流れる電流を検出する電流検出部と、前記タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部と、検出した前記電流に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしているか否かを判断する判断部と、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしている場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮して前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行い、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしていない場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずに前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行う電力制御部と、を備えるので、ので、外部USBポートへの出力の有無に基づいて、パフォーマンスを必要以上に抑制することなく、筐体の表面温度を下げることができる。
【0048】
[2]第2の他の態様
実施形態の第2の他の態様の電力制御装置は、前記CPU電力制御を行うためのCPU温度閾値及び前記充電電力制御を行うための充電器温度閾値を記憶する閾値記憶部を有し、前記閾値記憶部は、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮した場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値並びに前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合に用いる前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値を記憶しているので、プロバイダパスを介した電力供給を考慮する場合及びプロバイダパスを介した電力供給を考慮しない場合のそれぞれにおいて、より最適な状態でCPU電力制御及び充電電力制御を行える。
【0049】
[3]第3の他の態様
実施形態の第3の他の態様の電力制御装置は、前記CPU温度閾値及び前記充電器温度閾値は独立して用いることが可能となっているので、CPU電力制御及び充電電力制御のそれぞれについて、より好適な制御を行える。
【0050】
[4]第4の他の態様
実施形態の第4の他の態様の電力制御装置は、前記電流検出部が、前記プロバイダパスに設けられた電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗の両端電圧を検出して、前記プロバイダパスを流れる電流を算出する電流演算部と、を備えるので、プロバイダパスを介した電力供給を正確に考慮してCPU電力制御及び充電電力制御が行える。
【0051】
[5]第5の他の態様
第5の他の態様の電力制御方法は、CPU電力制御及び充電電力制御を行うとともに、タイプCコネクタに対応するコンシューマパスを介した電力供給及びイプCコネクタに対応するプロバイダパスを介した電力供給を制御するとともに、前記タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部を備えた電力制御装置で実行される電力制御方法であって、前記プロバイダパスを流れる電流を検出する過程と、検出した前記電流に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしているか否かを判断する過程と、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしている場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮して前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行い、前記判断の結果に基づいて、前記プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が前記記憶部に記憶した制御条件を満たしていない場合に、前記プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずに前記CPU電力制御及び前記充電電力制御を行う過程と、を備えるので、外部USBポートへの出力の有無に基づいて、パフォーマンスを必要以上に抑制することなく、筐体の表面温度を下げることができる。
【符号の説明】
【0052】
10 情報処理装置
11 MPU
12 電力制御装置
13 充電器
21、21-1、21-2 タイプCコネクタユニット
22 組込コントローラ(電力制御部)
23 タイプCパワーデリバリコントローラ(電流検出部、記憶部、判断部)
31 タイプCコネクタ部
32 コンシューマスイッチ
33 プロバイダスイッチ
34 電流検出抵抗(電流検出部)
【要約】
【課題】外部USBポートへの出力の有無に基づいて、パフォーマンスを必要以上に抑制することなく、筐体の表面温度を下げる。
【解決手段】実施形態の電力制御装置は、プロバイダパスを流れる電流を検出する電流検出部と、タイプCコネクタの外部ポートとしての制御条件を予め記憶する記憶部と、検出した電流に基づいて、プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が記憶部に記憶した制御条件を満たしているか否かを判断する判断部と、判断の結果に基づいて、プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が記憶部に記憶した制御条件を満たしている場合に、プロバイダパスを介した電力供給を考慮してCPU電力制御及び充電電力制御を行い、判断の結果に基づいて、プロバイダパスを介した電力供給の制御状態が記憶部に記憶した制御条件を満たしていない場合に、プロバイダパスを介した電力供給を考慮せずにCPU電力制御及び充電電力制御を行う電力制御部と、を備える。
【選択図】
図1