(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】布地の加工方法および布地を加工するための成形型
(51)【国際特許分類】
D06C 23/04 20060101AFI20220914BHJP
D06B 11/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
D06C23/04 B
D06B11/00 K
(21)【出願番号】P 2018130303
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-07-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 日本放送協会 あさイチ,平成30年1月10日 大同大学プロダクトデザイン専攻2017年度卒業研究発表会,平成30年2月7日 2018年大同大学プロダクトデザイン専攻卒業制作展,平成30年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】391002487
【氏名又は名称】学校法人大同学園
(73)【特許権者】
【識別番号】518245205
【氏名又は名称】有限会社絞染色 久野染工場
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100162293
【氏名又は名称】長谷 久生
(74)【代理人】
【識別番号】100126170
【氏名又は名称】水野 義之
(72)【発明者】
【氏名】岡田 心
(72)【発明者】
【氏名】水野 光基
(72)【発明者】
【氏名】山本 修也
(72)【発明者】
【氏名】久野 浩彬
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特公昭49-049236(JP,B1)
【文献】特開2013-036125(JP,A)
【文献】特開昭54-147287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06B 1/00 - 23/30
D06C 3/00 - 29/00
D06G 1/00 - 5/00
D06H 1/00 - 7/24
D06J 1/00 - 1/12
D06P 1/00 - 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地に立体形状を付与する
布地の加工方法であって、
(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、
(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、
を備え、
前記第1の型と前記第2の型とは、前記第1の型と前記第2の型との配列方向に直交する方向から2つの締結具を互いに近づけるように締め付けることで、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加えることが可能となるように構成されており、
前記工程(a)は、前記2つの締結具を締め付けることにより行われる、
布地の加工方法。
【請求項2】
布地に立体形状を付与する布地の加工方法であって、
(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、
(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、
を備え、
前記第1の型と前記第2の型との少なくとも一方には、前記布地において前記凸部と前記凹部とにより圧力が加えられる被加圧領域で囲まれる閉領域を外部と接続する接続部が設けられており、
前記布地の加工方法は、さらに、前記工程(a)の後、前記工程(b)に先立って、前記接続部に染色液を注入する工程を備える、
布地の加工方法。
【請求項3】
布地に立体形状を付与する布地の加工方法であって、
(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、
(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、
を備え、
前記第1の型と前記第2の型とは、前記布地において前記凸部と前記凹部とにより圧力が加えられる被加圧領域により囲まれる閉領域が外部と隔絶するように構成されており、
前記工程(b)は、前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを、染色液中に浸漬した状態で行われる、
布地の加工方法。
【請求項4】
請求項
2または3記載の布地の加工方法であって、
前記第1の型と前記第2の型とは、前記第1の型と前記第2の型との配列方向に直交する方向から2つの締結具を互いに近づけるように締め付けることで、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加えることが可能となるように構成されており、
前記工程(a)は、前記2つの締結具を締め付けることにより行われる、
布地の加工方法。
【請求項5】
前記第2の型は、外面が前記配列方向に対して傾斜した傾斜部を有しており、前記締結具には、前記傾斜部に対して相補的な傾斜面が形成されている、請求項
1または4記載の布地の加工方法。
【請求項6】
布地を加工するための成形型であって、
凸部が形成された第1の型と、
前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、
2つの締結具と、
を備え、
前記第1の型、前記第2の型および前記2つの締結具は、前記第1の型と前記第2の型との配列方向に直交する方向から前記2つの締結具を互いに近づけるように締め付けることで、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加えることが可能となるように構成されている、
成形型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、布地を加工する技術に関し、特に、布地に立体形状を付与する立体加工技術に関する。
【背景技術】
【0002】
布地の機能性等や意匠性を高めるため、布地に立体形状を付与することが行われている。このように布地に立体形状を付与する技術として、例えば、特許文献1には、表面に凹凸部が規則的に配置され互いに噛み合い形状になっている2つの押し型に原反不織布を介在させ、原反不織布を立体賦形することが記載されている。また、日本の伝統工芸である有松絞り等の絞り染めでは、布地を糸で括り、括られた布地を染色することで、布地を部分的に染色するとともに、布地に立体形状を付与することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によっては、立体形状が付与された布地の意匠性を十分に高くすることが困難である。一方、絞り染め等の技術は、意匠性の高い立体形状を付与することが可能であるが、括りの作業等に熟練を要するため、立体形状を付与することは必ずしも容易ではない。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、より簡便に意匠性の高い立体形状を布地に付与する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
本発明の第1の形態としての布地の加工方法は、布地に立体形状を付与する布地の加工方法であって、(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、を備え、前記第1の型と前記第2の型とは、前記第1の型と前記第2の型との配列方向に直交する方向から2つの締結具を互いに近づけるように締め付けることで、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加えることが可能となるように構成されており、前記工程(a)は、前記2つの締結具を締め付けることにより行われることを特徴とする。
第1の形態としての布地の加工方法によれば、第1の型に形成された凸部と、第2の型に形成された凹部とにより布地に圧力を加えた状態で、第1と第2の型を加熱することにより、圧力を加えられた領域において布地の繊維を安定的に変形させ、凸部と凹部との形状に対応した立体形状を布地に付与することができる。そのため、凸部と凹部との形状を適宜設定することにより、意匠性の高い立体形状を布地に付与することができる。また、この加工方法では、第1と第2の型に布地を挟み込み、布地を挟み込んだ第1と第2の型を加熱するという比較的簡便な方法により布地に立体形状を付与することができる。そのため、より簡便に、布地に意匠性の高い立体形状を付与することができる。
そして、第1の形態としての布地の加工方法によれば、凸部が形成された第1の型と、凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で布地を挟み込み、凸部と凹部とにより布地に圧力を加える工程が、2つの締結具を締め付けることにより行われるので、より容易に第1と第2の型を均一に締め付けることができる。
本発明の第2の形態としての布地の加工方法は、布地に立体形状を付与する布地の加工方法であって、(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、を備え、前記第1の型と前記第2の型との少なくとも一方には、前記布地において前記凸部と前記凹部とにより圧力が加えられる被加圧領域で囲まれる閉領域を外部と接続する接続部が設けられており、前記布地の加工方法は、さらに、前記工程(a)の後、前記工程(b)に先立って、前記接続部に染色液を注入する工程を備えることを特徴とする。
第2の形態としての布地の加工方法によれば、第1の型に形成された凸部と、第2の型に形成された凹部とにより布地に圧力を加えた状態で、第1と第2の型を加熱することにより、圧力を加えられた領域において布地の繊維を安定的に変形させ、凸部と凹部との形状に対応した立体形状を布地に付与することができる。そのため、凸部と凹部との形状を適宜設定することにより、意匠性の高い立体形状を布地に付与することができる。また、この加工方法では、第1と第2の型に布地を挟み込み、布地を挟み込んだ第1と第2の型を加熱するという比較的簡便な方法により布地に立体形状を付与することができる。そのため、より簡便に、布地に意匠性の高い立体形状を付与することができる。
そして、第2の形態としての布地の加工方法によれば、布地に立体形状を付与するとともに、被加圧領域で囲まれる閉領域を部分的に染色することができる。そのため、立体形状に加え、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となるので、さらに意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
本発明の第3の形態としての布地の加工方法は、布地に立体形状を付与する布地の加工方法であって、(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、を備え、前記第1の型と前記第2の型とは、前記布地において前記凸部と前記凹部とにより圧力が加えられる被加圧領域により囲まれる閉領域が外部と隔絶するように構成されており、前記工程(b)は、前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを、染色液中に浸漬した状態で行われることを特徴とする。
第3の形態としての布地の加工方法によれば、第1の型に形成された凸部と、第2の型に形成された凹部とにより布地に圧力を加えた状態で、第1と第2の型を加熱することにより、圧力を加えられた領域において布地の繊維を安定的に変形させ、凸部と凹部との形状に対応した立体形状を布地に付与することができる。そのため、凸部と凹部との形状を適宜設定することにより、意匠性の高い立体形状を布地に付与することができる。また、この加工方法では、第1と第2の型に布地を挟み込み、布地を挟み込んだ第1と第2の型を加熱するという比較的簡便な方法により布地に立体形状を付与することができる。そのため、より簡便に、布地に意匠性の高い立体形状を付与することができる。
そして、本発明の第3の形態としての布地の加工方法によれば、布地に立体形状を付与するとともに、被加圧領域で囲まれる閉領域以外の部分を染色することができる。そのため、立体形状に加え、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となるので、さらに意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
【0007】
[適用例1]
布地の加工方法であって、(a)凸部が形成された第1の型と、前記凸部に対応した凹部が形成された第2の型と、の間で前記布地を挟み込み、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加える工程と、(b)前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを加熱する工程と、を備え、前記布地に立体形状を付与する、布地の加工方法。
【0008】
第1の型に形成された凸部と、第2の型に形成された凹部とにより布地に圧力を加えた状態で、第1と第2の型を加熱することにより、圧力を加えられた領域において布地の繊維を安定的に変形させ、凸部と凹部との形状に対応した立体形状を布地に付与することができる。そのため、凸部と凹部との形状を適宜設定することにより、意匠性の高い立体形状を布地に付与することができる。
【0009】
また、この加工方法では、第1と第2の型に布地を挟み込み、布地を挟み込んだ第1と第2の型を加熱するという比較的簡便な方法により布地に立体形状を付与することができる。そのため、本適用例によれば、より簡便に、布地に意匠性の高い立体形状を付与することができる。
【0010】
[適用例2]
適用例1記載の布地の加工方法であって、前記第1の型と前記第2の型との少なくとも一方には、前記布地において前記凸部と前記凹部とにより圧力が加えられる被加圧領域で囲まれる閉領域を外部と接続する接続部が設けられており、前記布地の加工方法は、さらに、前記工程(a)の後、前記工程(b)に先立って、前記接続部に染色液を注入する工程を備える、布地の加工方法。
【0011】
この適用例によれば、布地に立体形状を付与するとともに、被加圧領域で囲まれる閉領域を部分的に染色することができる。そのため、立体形状に加え、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となるので、さらに意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
【0012】
[適用例3]
適用例1記載の布地の加工方法であって、前記第1の型と前記第2の型とは、前記布地において前記凸部と前記凹部とにより圧力が加えられる被加圧領域により囲まれる閉領域が外部と隔絶するように構成されており、前記工程(b)は、前記布地を挟み込んだ前記第1の型と前記第2の型とを、染色液中に浸漬した状態で行われる、布地の加工方法。
【0013】
この適用例によれば、布地に立体形状を付与するとともに、被加圧領域で囲まれる閉領域以外の部分を染色することができる。そのため、立体形状に加え、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となるので、さらに意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
【0014】
[適用例4]
適用例1ないし3のいずれか記載の布地の加工方法であって、前記第1の型と前記第2の型とは、前記第1の型と前記第2の型との配列方向に直交する方向から2つの締結具を互いに近づけるように締め付けることで、前記凸部と前記凹部とにより前記布地に圧力を加えることが可能となるように構成されており、前記工程(a)は、前記2つの締結具を締め付けることにより行われる、布地の加工方法。
【0015】
この適用例によれば、より容易に第1と第2の型を均一に締め付けることができる。
【0016】
[適用例5]
前記第2の型は、外面が前記配列方向に対して傾斜した傾斜部を有しており、前記締結具には、前記傾斜部に対して相補的な傾斜面が形成されている、適用例4記載の布地の加工方法。
【0017】
この適用例によれば、締結部に傾斜部に対して相補的な傾斜面を形成するのがより容易となる。
【0018】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、布地に立体形状を付与する立体加工方法、布地に立体形状を付与するとともに部分的な染色により布地に模様を付ける染色加工方法、あるいは、これらの加工方法に使用される成形型等の態様で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態として布地に立体加工を施す工程を示す工程図。
【
図2】布地が挟み込まれる成形型の構成を示す説明図。
【
図3】本発明の第2実施形態として布地に染色加工を施す工程を示す工程図。
【
図4】本発明の第3実施形態として布地に染色加工を施す工程を示す工程図。
【
図5】本発明の第4実施形態として布地に染色加工を施す工程を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.第2実施形態:
C.第3実施形態:
D.第4実施形態:
E.変形例:
【0021】
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態として布地TXに立体加工を施す工程を示す工程図である。この工程図では、立体加工に使用する成形型(後述する)の中心を通り、紙面に平行な平面における断面を示している。
図1に示す立体加工の工程(立体加工工程)では、加工対象である平面状の布地TXに立体形状を付与し、立体形状を有する布地TXaを形成する。ここで、立体形状を有する布地TXaとは、布地TXaに力を加えない自然な状態で、布地TXaが所定の立体形状を呈するようにすることを謂う。また、立体形状とは、布地TX,TXaの厚みよりも大きな凹凸を有する形状を謂う。
【0022】
第1実施形態の立体加工工程では、まず、
図1(a)に示すように、加工対象となる布地TXを準備する。具体的には、単層の布地(以下、「生地」とも謂う)を折りたたみ、生地が多層に重なり合った布地TXとする。このように、生地を折りたたんだ布地TXに立体加工を施すことにより、規則的に配列された複数の立体形状を有する生地(すなわち、単層の布地)を形成することが可能となる。但し、加工対象となる布地TXとして、折りたたんでいない単層の布地を使用することも可能である。
【0023】
生地としては、織布を用いても良く、不織布を用いても良い。但し、不織布を用いた場合、生地を折りたたんだ布地の厚みが厚くなり、布地の成形型への挟込等に困難が生じる虞がある。そのため、第1実施形態の立体加工工程は、織布に対してより好適に適用される。また、生地の素材としては、ポリエステルやアクリル等の化学繊維、木綿や麻等の植物繊維、あるいは、絹や羊毛等の動物繊維を用いることができる。但し、立体形状の付与がより容易である点で、第1実施形態の立体加工工程は、化学繊維を用いた生地に対してより好適に適用される。
【0024】
準備された布地TXは、
図1(b)および
図1(c)に示すように、3つの部材110,120,130からなる成形型に挟み込まれる。
図2は、この布地TXが挟み込まれる成形型の構成を示す説明図である。
【0025】
成形型は、
図2(a)および
図2(b)に示す凸型110と、
図2(c)および
図2(d)に示す凹型120と、
図2(e)および
図2(f)に示す締結具130とを有している。
図2において、
図2(a)、
図2(c)および
図2(e)は、
図1の紙面における上方から見た様子を示し、
図2(b)、
図2(d)および
図2(f)は、
図1の紙面を手前から見た様子を示している。なお、以下では、
図1の紙面における上方を単に「上方」あるいは「上」とも謂い、
図1の紙面における下方を単に「下方」あるいは「下」とも謂う。
【0026】
凸型110は、
図2(a)および
図2(b)に示すように、正四角柱状の柱状部111と、柱状部111の上端から伸び、上方に向かって断面が縮小する正四角錐台状の台状部112とを有している。この台状部112の上端部には、稜線の中央部から上方内側に向かう切欠119が設けられている。
【0027】
凹型120は、
図2(c)および
図2(d)に示すように、外形が正四角柱状の基部121と、基部121から上方に伸び、上方に向かって外形断面が縮小する正四角錐台状の傾斜部122とを有している。このように、傾斜部122は、上方に向かって外形断面が縮小するように形成されているので、傾斜部122の外面は、凸型110と凹型120の配列方向(
図1参照)に対して傾斜した状態となっている。
【0028】
基部121と傾斜部122とには、それぞれ、上下方向に貫通する正四角形の貫通孔128,129が設けられている。基部121に設けられた貫通孔128の内寸は、凸型110の柱状部111の外寸よりも大きく設定されている。また、傾斜部122に設けられた貫通孔129の内寸は、凸型110に設けられた切欠119の下端と台状部112の下端との中間部分における側面の外寸と略同程度に設定されている。
【0029】
締結具130は、
図2(e)および
図2(f)に示すように、直角二等辺三角形板状の底板部131と、底板部131の等辺部分から上方に伸びる略アングル材状の側板部132とを有している。側板部132の上端部の内方には、凹型120の傾斜部122の外面に対して相補的な傾斜面139が形成されている。
【0030】
このような成形型の各部材110,120,130は、例えば、ケミカルウッドを用いて作成することができる。ケミカルウッドを用いることにより、三次元切削機等を用いて成形型の各部材を削り出すことができるので、所望の形状の成形型をより容易に作成することができる。なお、成形型は、金属や木材を用いて作成することも可能である。但し、金属では成形型の作成が困難となり、また、木材では成形型に変形や割れが発生する虞がある。これらの点で、成形型は、ケミカルウッドを用いて作成するのが好ましい。
【0031】
図1に戻って、立体加工工程についての説明を続ける。布地TXの準備(
図1(a))の後、
図1(b)に示すように、準備された布地TXを凸型110と凹型120との間に挟み込む。具体的には、上方から被せるように凸型110に布地TXを掛け、白抜きの矢印で示すように、布地TXを掛けた凸型110を下方から凹型120の貫通孔128,129に挿入する。これにより、布地TXは、凸型110と凹型120との間にを挟み込まれる。なお、上述の通り、凹型120の基部121に設けられた貫通孔128は、その内寸が、凸型110の柱状部111の外寸よりも大きく設定されているため、凸型110と凹型120との間に布地TXを挟み込む際に、凸型110を凹型120に挿入することが可能となっている。
【0032】
次いで、
図1(c)に示すように、成形型の締付を行う。具体的には、2つの締結具130の底板部131に凸型110の下端面を接触させた状態で、白抜きの矢印で示すように、2つの締結具130を互いに近づけるように締め付ける。このような締結具130どうしの締付は、締結具130の側板部132にクランプを渡し、クランプを締め付けることにより行うことができる。なお、締結具130どうしの締付は、クランプの締付の他、ねじの締結等の種々の方法で行うことができる。また、
図1(c)から分かるように、締結具130どうしの締付は、凸型110と凹型120との配列方向(上下方向)に直交する方向から行われる。
【0033】
このとき、凸型110の下方への移動は、底板部131により規制される。一方、凹型120は、その傾斜部122の外面と、締結具130の傾斜面139とが相補的な傾斜形状となっているため、締結具130を締め付けることにより下方に押し下げられる。そのため、締結具130を締め付けることにより、凹型120は、凸型110に対して下方に押し付けられ、凸型110と凹型120とが締め付けられる。
【0034】
なお、上述の通り、傾斜部122に設けられた貫通孔129の内寸は、凸型110の台状部112の下端部における側面の外寸と略同程度に設定されている。そのため、凸型110と凹型120とが締め付けられることにより、台状部112の側面と、貫通孔129の下端縁との間の領域APにおいて、布地TXに圧力が加えられる。
【0035】
このように成形型を締め付けた状態で、圧力釜中に成形型を装入し、圧力釜内において成形型を加熱する。具体的には、成形型を圧力釜中に装入した後、圧力釜内を昇温させる。昇温により圧力釜内を所定の温度(加熱温度)とした後、所定の時間(加熱時間)に亘って圧力釜内を加熱温度に維持し、その後圧力釜内の温度を下げる。そして、圧力釜内の温度が十分低下した後、成形型を取り出す。なお、成形型の加熱は、均一に加熱することが可能であれば良く、圧力釜の他、オーブンや過熱水蒸気炉等の種々の加熱炉を用いることも可能である。また、加熱温度が100℃以下である場合には、常圧の蒸気釜を用いることもできる。
【0036】
加熱温度および加熱時間は、布地TX(生地)に用いられる素材によって種々設定される。例えば、ポリエステルを用いた場合、加熱温度は、80~150℃に設定するのが好ましく、110~130℃に設定するのがより好ましい。加熱時間は、5~30分にするのが好ましく、10~20分にするのがより好ましい。また、生地に用いられる素材を植物繊維とした場合、加熱温度はより高めに設定され、アクリルや絹等の高温に弱い繊維とした場合、加熱温度はより低めに設定される。
【0037】
成形型を加熱することにより、布地TXのうち凸型110と凹型120とにより加圧された領域(被加圧領域)APにおいて、繊維に安定的な変形が生じる。そのため、
図1(d)に示すように、布地TXaを取り出した状態においても、被加圧領域APにおける屈曲が維持され、布地TXaは立体形状が付与された状態となる。なお、
図1の例では、成形型を締め付けた状態で、被加圧領域APよりも外側の領域も屈曲した状態となる。そのため、被加圧領域APよりも外側にも弱いながらも立体形状が付与されるが、
図1(d)では、便宜上、被加圧領域APよりも外側において付与された立体形状については、その図示を省略している。
【0038】
このように、第1実施形態では、布地TXを成形型110,120,130に挟み込んで布地TXに圧力を加え、その状態で成形型を加熱することで、布地TXに立体形状を付与することができる。そのため、第1実施形態で例示される発明によれば、布地への立体形状を付与をより簡便に行うことが可能となる。
【0039】
また、第1実施形態では、
図2に示すように、凸型110の台状部112と、凹型120の貫通孔128,129とを比較的単純な形状としているが、台状部および貫通孔の形状を適宜変更すれば、所望の立体形状を布地に付与することができる。なお、台状部(凸部)と貫通孔(凹部)との形状は、互いに対応する形状であり、凸型と凹型の間に布地を挟み込んだ状態で、凸部と凹部とにより布地に圧力を加えることが可能であれば良い。このように、所望の立体形状を布地に付与することが可能となるため、第1実施形態で例示される発明によれば、より意匠性の高い立体形状を布地に付与することが可能となる。
【0040】
B.第2実施形態:
図3は、本発明の第2実施形態として布地TXに染色加工を施す工程(染色加工工程)を示す工程図である。なお、第2実施形態の染色加工工程において、成形型の締付までの工程は第1実施形態の立体加工と同様であるので、成形型の締付以前の工程までについては、図示と説明を省略する。
【0041】
第2実施形態では、このように成形型を締め付けた後、
図3(b)に示すように、凸型110の上方から染色液DSを注入する。このとき、第1実施形態において説明したように、布地TXの被加圧領域APには、凸型110の台状部112と凹型120の傾斜部122との間で圧力が加えられているので、被加圧領域APから下方への染色液DSの漏出が抑制される。このようにして、凸型110の上方から注入された染色液DSは、凸型110の台状部112と凹型120の傾斜部122との間に形成される空隙109に貯留される。なお、
図3(b)から分かるように、被加圧領域APで囲まれた部分(閉領域)は、貫通孔129を通して外部に接続されているものと捉えることができる。従って、貫通孔129は、当該閉領域と外部と接続する接続部とも謂うことができ、染色液DSはその接続部に注入されているとも謂うことができる。
【0042】
第2実施形態の染色加工工程では、染色液DSを注入した後、圧力釜により成形型を加熱する。加熱方法、加熱温度および加熱時間については、第1実施形態と同様である。但し、染色液DSの乾燥を抑制するため、成形型の加熱は、圧力釜内あるいは常圧の蒸気釜内等の湿潤環境下で行われる。
【0043】
成形型を加熱することにより、布地TXは、被加圧領域APで囲まれた閉領域が空隙109に貯留された染色液DSにより染色される。また、布地TXには、第1実施形態と同様に、立体形状が付与される。そのため、
図3(c)に示すように、取り出した布地TXbには、部分的な染色が施されるとともに、立体形状が付与される。
【0044】
このように、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、より簡便に意匠性の高い立体形状を布地に付与することが可能となる。さらに、第2実施形態では、立体形状に加え、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となる。従って、第2実施形態に例示される発明によれば、第1実施形態よりもさらに意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
【0045】
C.第3実施形態:
図4は、本発明の第3実施形態として布地TXに染色加工を施す染色加工工程を示す工程図である。第3実施形態において使用される成形型は、凸型210の台状部212の上下方向の長さが短縮され、切欠119(
図2(a))が省略されている点と、凹型220の傾斜部222の上端側に貫通孔228,229を閉塞する上蓋部223が設けられている点とで、第1および第2実施形態で使用される成形型と異なっている。他の点は、第1および第2実施形態で使用される成形型と同様である。
【0046】
第3実施形態においても、凸型210と凹型220との間に布地TXを挟み込み、
図4(a)に示すように、締結具130を取り付けて成形型の締付を行うことにより、台状部212と傾斜部222との間の領域AP2において、布地TXに圧力が加えられる。なお、
図4(a)から分かるように、布地TXの被加圧領域AP2に囲まれた閉領域は、台状部212,傾斜部222および上蓋部223により外部から隔絶されている。
【0047】
第3実施形態の染色加工工程では、成形型を締め付けた後、
図4(b)に示すように、成形型を加熱された染色液DSに浸漬する。このとき、布地TXの被加圧領域AP2に圧力が加えられているので、台状部212、傾斜部222および上蓋部223により囲まれた空隙209内への染色液DSの流入が抑制される。そのため、布地TXの被加圧領域AP2で囲まれた閉領域については、染色が抑制される。
【0048】
一方、被加圧領域AP2よりも外側の領域では、成形型が浸漬された染色液DSにより染色される。また、成形型を加熱された染色液DSに浸漬することにより、成形型および布地TXが加熱されるので、布地TXには、第1実施形態および第2実施形態と同様に、立体形状が付与される。そのため、
図4(c)に示すように、取り出した布地TXcには、部分的な染色が施されるとともに、立体形状が付与される。
【0049】
このように、第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、より簡便に意匠性の高い立体形状を布地に付与するとともに、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となる。従って、第3実施形態に例示される発明によっても、第1実施形態よりもさらに意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
【0050】
なお、第3実施形態では、加熱した染色液DS中に成形型を浸漬しているが、加熱していない染色液DS中に成形型を浸漬し、その後、染色液DSを貯留する容器ごと加熱することも可能である。この場合、圧力釜を用いることにより布地に加わる温度をより高くすることができるので、より確実に立体形状を布地に付与することが可能となる。但し、この場合、加熱した染色液DS中に成形型を浸漬した場合に比べ、加熱および冷却に要する時間が長くなる。この点において、成形型の加熱は、加熱した染色液DS中に浸漬して行うのが好ましい。
【0051】
D.第4実施形態:
図5は、本発明の第4実施形態として布地TXに染色加工を施す工程を工程図である。第4実施形態は、成形型(凸型310、凹型320および締結具330)の形状が変更されている点で、第2実施形態と異なっている。他の点は第2実施形態と同様である。
【0052】
図5(a)に示すように、第4実施形態において使用される凹型320には、基部321と傾斜部322とを上下方向に貫通する正四角形の貫通孔329が設けられている。この貫通孔329は、その内寸が、第2実施形態で使用される凹型120(
図2)において傾斜部122に設けられた貫通孔129と同一となるように、すなわち、基部121に設けられた貫通孔128よりも小さくなるように、形成されている。
【0053】
第4実施形態において使用される成形型では、基部321に形成された貫通孔329が小さくなることで凹型320が締結具322の上端から大きく突出することを抑制するため、凸型310の柱状部311と、凹型320の基部321との上下方向の長さを短縮するとともに、締結具322の側板部332の下端部(底板部331側の端部)の上下方向の長さを伸長している。他の部分については、第4実施形態において使用される成形型は、第2実施形態において使用される成形型と同様に形成されている。
【0054】
第4実施形態においても、
図5(a)に示すように、布地TXを凸型310と凹型320との間に挟み込んだ状態で、2つの締結具330を互いに近づけるように締め付け、凸型310と凹型320とを締め付ける。このように凸型310と凹型320とを締め付けることにより、台状部312の側面と、貫通孔329の下端縁との間の領域AP3において、布地TXに圧力が加えられる。
【0055】
このように成形型を締め付けた後、
図5(b)に示すように、凸型310の上方から染色液DSを注入することにより、染色液DSが凸型310の台状部312と凹型320との間に形成される空隙309に貯留される。そして、染色液DSの注入後、成形型を加熱することにより、布地TXは、第2実施形態と同様に、被加圧領域AP3で囲まれた閉領域が空隙309に貯留された染色液DSにより染色されるとともに、立体形状が付与される。そのため、
図5(c)に示すように、取り出した布地TXdには、部分的な染色が施されるとともに、立体形状が付与される。
【0056】
このように、第4実施形態においても、第2実施形態と同様に、より簡便に意匠性の高い立体形状を布地に付与するとともに、部分的な染色による模様を布地に付けることが可能となる。従って、第4実施形態に例示される発明によれば、第2実施形態と同様に、より意匠性の高い布地を得ることが可能となる。
【0057】
第4実施形態では、凹型320に、凹型320全体(すなわち、基部321および傾斜部322)を上下方向に貫通する単一の貫通孔329を形成している。そのため、第4実施形態は、凹型320の作成がより容易となる点で、第2実施形態よりも好ましい。一方、第2実施形態は、締付の際に屈曲させるような応力が加わる締結具130の側板部132を、第4実施形態よりも短くすることが容易となる。そのため、締結具130の変形をより容易に抑制することができる点で、第4実施形態よりも好ましい。
【0058】
なお、第4実施形態では、第1および第2実施形態で使用される成形型と形状の異なる成形型を使用して立体形状の付与および染色を行っているが、第4実施形態で使用される成形型を用いて、第1実施形態と同様に立体形状の付与のみを行うことも可能である。
【0059】
さらに、第4実施形態では、単一の貫通孔329が凹型320全体を貫通するように形成し、貫通孔329の上方部分を介して被加圧領域AP3で囲まれた閉領域を外部に接続しているが、第3実施形態のように、傾斜部の上端側に貫通孔を閉塞するするように上蓋部を設け、凹型と凸型とにより被加圧領域に囲まれた閉領域を外部から隔絶するものとしても良い。このようにすれば、第3実施形態と同様に、被加圧領域に囲まれた閉領域の染色を抑制することができる。
【0060】
E.変形例:
本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0061】
E1.変形例1:
上記各実施形態では、凸型110,210,310と凹型120,220,320とには、それぞれ、単一の台状部112,212,312(凸部)と貫通孔128,129,228,229,329(凹部)とが形成されているが、凸型と凹型とに、複数の凸部と凹部とを形成することも可能である。また、一方の型に凸部と凹部とを形成するとともに、他方の型に対応する凹部と凸部とを形成するものとしても良い。但し、1つの型に複数の凸部や凹部を形成した場合、成形型の締付が不均一になり、あるいは、締付そのものが困難となる虞がある。そのため、上記各実施形態に示すように、一方の型に単一の凸部を形成し、他方の型に当該凸部に対応する凹部を形成するのが好ましい。
【0062】
E2.変形例2:
上記各実施形態では、凹型120,220,320に外面が傾斜した傾斜部を設けるとともに、その傾斜部に対して相補的な傾斜面を締結具130,330に形成することで、締結具130,330を締め付けることにより、凸型110,210,310と凹型120,220,320とが締め付けられるようにしているが、凸型のみ、あるいは、凸型と凹型との双方に傾斜部を設け、当該傾斜部に相補的な傾斜面を締結具に形成するものとしても良い。但し、凸型と凹型との一方に傾斜部が形成されていれば、締結具の締付による凸型と凹型との締付が可能である。また、通常、凹型は凸型よりも外形が大きく形成されるので、凸型に設けられた傾斜部に対して相補的な傾斜面を締結具に形成するよりも、凹型に設けられた傾斜部に対して相補的な傾斜面を形成するのがより容易である。従って、上記各実施形態のように、凹型120,220,320に外面が傾斜した傾斜部を設けるとともに、その傾斜部に対して相補的な傾斜面を締結具130,330に形成するのが好ましい。
【0063】
E3.変形例3:
上記各実施形態では、締結具130,330を締め付けることにより、凸型110,210,310と凹型120,220,320とを締め付けているが、他の方法により凸型と凹型とを締め付けることも可能である。例えば、凸型の下端と凹型の上端との間に直接クランプを渡し、クランプを締め付けるようにすることも可能である。但し、凸型と凹型との締付をより均一にすることが可能となる点で、上記各実施形態に示すように、締結具130,330を締め付けることにより、凸型110,210,310と凹型120,220,320とを締め付けるのが好ましい。
【0064】
E4.変形例4:
上記第2実施形態では、傾斜部122に形成された貫通孔129が、被加圧領域APで囲まれる閉領域を外部と接続する接続部として機能している。また、上記第4実施形態では、傾斜部322および基部321(凹型320全体)に形成された貫通孔329が、被加圧領域AP3で囲まれる閉領域を外部と接続する接続部として機能している。しかしながら、異なる形態で、被加圧領域を外部と接続する接続部を形成することも可能である。例えば、第3実施形態において使用される成形型(
図4参照)において、接続部として、凸型210と凹型220の上蓋部223とのいずれかに上下方向に貫通する穴を設けるものとしても良い。一般的には、凸部が形成された型と、凹部が形成された型との少なくとも一方に接続部が設けられていれば良い。そして、当該接続部に染色液を注入することにより、被加圧領域で囲まれる閉領域を選択的に染色することができる。
【符号の説明】
【0065】
100…成形型
109,209,309…空隙
110,210,310…凸型
111,311…柱状部
112,212,312…台状部
119…切欠
120,220,320…凹型
121,321…基部
122,222,322…傾斜部
128,228…貫通孔
129,229,329…貫通孔
130,330…締結具
131,331…底板部
132,332…側板部
139…傾斜面
223…上蓋部
DS…染色液
TX,TXa,TXb…布地