(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】サスペンションシステムおよび操舵能力
(51)【国際特許分類】
B60G 3/01 20060101AFI20220914BHJP
B60G 11/14 20060101ALI20220914BHJP
B60G 13/00 20060101ALI20220914BHJP
B62D 7/14 20060101ALI20220914BHJP
B62D 7/16 20060101ALI20220914BHJP
B62D 7/18 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
B60G3/01
B60G11/14
B60G13/00
B62D7/14 A
B62D7/16
B62D7/18 Z
(21)【出願番号】P 2021561809
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 IL2020050446
(87)【国際公開番号】W WO2020212987
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-14
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520512878
【氏名又は名称】リー・オートモーティブ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REE AUTOMOTIVE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サーデス,アヒシャイ
(72)【発明者】
【氏名】デケル,ラン
(72)【発明者】
【氏名】アクニン,アミット
(72)【発明者】
【氏名】セゲブ,トメル
(72)【発明者】
【氏名】スタリック,エラン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマン,ダン
(72)【発明者】
【氏名】アビグル,エイロン
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-197222(JP,A)
【文献】米国特許第3927900(US,A)
【文献】中国特許出願公開第106627746(CN,A)
【文献】国際公開第2006/030532(WO,A1)
【文献】特開2010-18209(JP,A)
【文献】特開2007-62498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00 - 99/00
B62D 1/00 - 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のホイール用のインホイールシステムであって、
前記車両の前記ホイールを回転可能に支持するように適合されるホイールインターフェイスと、
サスペンションユニットとを備え、前記サスペンションユニットは、
長手方向軸を有するレールと、
前記レールに摺動可能に接続される摺動部材と、
動きを減衰し、前記レールの長手方向軸に沿って力を支持するように適合される緩衝およびばね手段とを含み、
前記レールおよび前記摺動部材は、前記レールの長手方向軸の周りにおける前記レールに対する前記摺動部材の回転運動を防止する横断面プロファイルを有するように成形され、前記インホイールシステムはさらに、
前記サスペンションユニットと前記ホイールインターフェイスとの間に配置され、操舵軸の周りで前記ホイールインターフェイスを操舵するように適合される操舵ユニットを備え、前記操舵軸は、前記レールの長手方向軸から前記ホイールインターフェイスに向かってオフセットされて
おり、
前記操舵ユニットは、
前記サスペンションユニットおよび前記ホイールインターフェイスに接続される2つの回動部材を含み、前記回動部材は、前記操舵軸を規定し、前記操舵軸の周りで前記サスペンションユニットに対する前記ホイールインターフェイスの回転を可能にするように適合され、前記操舵ユニットはさらに、
前記回動部材のうちの少なくとも1つに接続され、操舵機構に接続されるように適合される操舵機構インターフェイスを含み、前記操舵機構インターフェイスは、前記回動部材およびそれに接続される前記ホイールインターフェイスを前記サスペンションユニットに対して前記操舵軸の周りで回すように適合され、
操舵機構を備え、前記操舵機構は、
前記サスペンションユニットのばね上質量に接続され、回転運動を発生させるように適合される操舵モータと、
第1のギアアセンブリを用いて前記操舵モータに接続される操舵ロッドとを含み、前記第1のギアアセンブリは、前記操舵モータから前記操舵ロッドに回転運動を伝達するように構成され、前記操舵機構はさらに、
前記操舵ロッドからの回転運動を前記回動部材のうちの少なくとも1つのギアに伝達して、前記回動部材に接続された前記ホイールインターフェイスを前記サスペンションユニットに対して前記操舵軸の周りで回すように適合される第2のギアアセンブリを含む、
車両のホイール用のインホイールシステム。
【請求項2】
前記操舵ユニットの少なくとも一部は、前記ホイールが前記システム内に組み付けられると前記ホイールのリム内に配置されるように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記操舵ロッドおよび前記第1のギアアセンブリは、前記摺動部材が前記レール上で摺動するとき、前記操舵ロッド上で前記第1のギアアセンブリの摺動を可能にする一方、前記操舵モータによって生成された回転運動を前記操舵ロッドに伝達するように適合される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のギアアセンブリはウォームギアを含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記操舵ロッドは、前記長手方向軸に平行である、請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
前記操舵ロッドは伸縮自在である、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記操舵ユニットは、前記サスペンションユニットおよび前記ホイールインターフェイスに接続され、前記操舵軸の周りで前記サスペンションユニットに対して前記ホイールインターフェイスを回転させるように適合されるフレームレスモータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
車両のホイール用のインホイールシステムであって、
前記車両の前記ホイールを回転可能に支持するように適合されるホイールインターフェイスと、
サスペンションユニットとを備え、前記サスペンションユニットは、
長手方向軸を有するレールと、
前記レールに摺動可能に接続される摺動部材と、
動きを減衰し、前記レールの長手方向軸に沿って力を支持するように適合される緩衝およびばね手段とを含み、
前記レールおよび前記摺動部材は、前記レールの長手方向軸の周りにおける前記レールに対する前記摺動部材の回転運動を防止する横断面プロファイルを有するように成形され、前記インホイールシステムはさらに、
前記サスペンションユニットと前記ホイールインターフェイスとの間に配置され、操舵軸の周りで前記ホイールインターフェイスを操舵するように適合される操舵ユニットを備え、前記操舵軸は、前記レールの長手方向軸から前記ホイールインターフェイスに向かってオフセットされており、
前記操舵ユニットは、少なくとも1対のアームを含み、各対のアームは、第1のアームと第2のアームとを含み、前記第1のアームおよび前記第2のアームは、それらの第1の端部で前記ホイールインターフェイスに回動可能に接続され、それらの第2の端部で前記サスペンションユニットに回動可能に接続される、システム。
【請求項9】
前記第1のアームおよび前記第2のアームは、前記サスペンションシステムの前記レールおよび前記サスペンション
ユニットの前記摺動部材のうちの1つに回動可能に接続される、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のアームおよび前記第2のアームは、互いに交差して設定され、それらの間の仮想交点に動的操舵軸を規定し、前記ホイールインターフェイスが前記サスペンションユニットに対するその操舵角を変化させると、前記動的操舵軸が前記サスペンションユニットに対して動くようにする、請求項
8に記載のシステム。
【請求項11】
牽引ユニットを備え、前記牽引ユニットは、
牽引モータと、
前記牽引モータからの回転を前記ホイールインターフェイスによって回転可能に支持されるホイールハブに伝達するように適合されるシャフトとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記牽引モータは前記サスペンションユニットに接続される、請求項1
1に記載のシステム。
【請求項13】
前記牽引モータは、前記ホイールインターフェイスに接続される、請求項1
1に記載のシステム。
【請求項14】
車両のホイール用のインホイールシステムであって、
前記車両の前記ホイールを回転可能に支持するように適合されるホイールインターフェイスと、
サスペンションユニットとを備え、前記サスペンションユニットは、
長手方向軸を有するレールと、
前記レールに摺動可能に接続される摺動部材と、
動きを減衰し、前記レールの長手方向軸に沿って力を支持するように適合される緩衝およびばね手段とを含み、
前記レールおよび前記摺動部材は、前記レールの長手方向軸の周りにおける前記レールに対する前記摺動部材の回転運動を防止する横断面プロファイルを有するように成形され、前記インホイールシステムはさらに、
前記サスペンションユニットと前記ホイールインターフェイスとの間に配置され、操舵軸の周りで前記ホイールインターフェイスを操舵するように適合される操舵ユニットを備え、前記操舵軸は、前記レールの長手方向軸から前記ホイールインターフェイスに向かってオフセットされており、
前記システムは、
前記摺動部材の内側側面の少なくとも一部上の空洞内に配置されるころ軸受と、
前記空洞に螺合される軸受調整ピンとを備え、前記軸受調整ピンの前記空洞内への螺合の形状および度合いは、前記空洞内の前記ころ軸受の位置および整列のうちの少なくとも1つを決定する、システム。
【請求項15】
前記緩衝およびばね手段は、前記レール内に配置されるばね荷重式緩衝器を含み、
前記ばね荷重式緩衝器は、その第1の端部において前記レールに接続され、その第2の端部において、前記レールの1つ以上の側面上の対応する1つ以上のスロット内で摺動するように適合される1つ以上のピンを用いて、前記摺動部材に接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記レールの長手方向軸は湾曲しており、前記摺動部材は、前記湾曲した長手方向軸に沿って前記レール上を摺動するように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記レールおよび前記摺動部材のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、ホイールが前記サスペンションユニットに組み付けられるとホイールのリム内に配置されるように適合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記レールおよび前記摺動部材は、ホイールが前記サスペンションユニットに組み付けられると、ホイールのリムの外部に配置され、かつそれに隣接するように適合される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はサスペンションシステムの分野に関し、特に摺動部材を有するサスペンションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
初期の車両、例えば、20世紀初頭からの車両は、「スライディングピラー」または「摺動車軸」タイプのサスペンションシステムを組み込んでいた。これらのサスペンションシステムは、典型的には、円形スライダ上で摺動するように適合されたダンパユニットを含み、その摺動を可能にするために摩擦ブッシングを利用した。これらの車両では、操舵軸(例えば、車両を操舵するためにホイールがその周りを回り得る軸)が、典型的には、ダンパユニットの軸と整列された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明のいくつかの実施形態は、スライディングピラー式サスペンションユニットを提供し得、このサスペンションユニットは、長手方向軸を有するレールと、レールに摺動可能に接続される摺動部材と、動きを減衰し、レールの長手方向軸に沿って力を支持するように適合される緩衝およびばね手段とを含み、レールおよび摺動部材は、レールの長手方向軸の周りにおけるレールに対する摺動部材の回転運動を防止する横断面プロファイルを有するように成形される。
【0004】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材の横断面プロファイルの少なくとも一部は多角形である。
【0005】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材の横断面プロファイルの少なくとも一部は、それらの長手方向軸について非対称である。
【0006】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニットは、摺動部材の内側側面の少なくとも一部上の空洞内に配置されるころ軸受を含み得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニットは、空洞内に螺合するように適合される軸受調整ピンを含むことができ、空洞内への軸受調整ピンの螺合の形状および度合いは、空洞内のころ軸受の位置および整列のうちの少なくとも1つを決定する。
【0008】
いくつかの実施形態では、緩衝およびばね手段は、ばね荷重式緩衝器を含み得る。
いくつかの実施形態では、ばね荷重式緩衝器は、レール内に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、ばね荷重式緩衝器は、その第1の端部においてレールに接続され、その第2の端部において、レールの1つ以上の側面上の対応する1つ以上のスロット内で摺動するように適合される1つ以上のピンを用いて、摺動部材に接続される。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ以上のスロットは、1つ以上の可撓性スリーブで封止される。
【0011】
いくつかの実施形態では、緩衝およびばね手段は、摺動部材とレールとの間に発生可能な磁力によるものである。
【0012】
いくつかの実施形態では、レールは、車両のホイールに接続されるように適合され、摺動部材は、車両の基準フレームに接続されるように適合される。
【0013】
いくつかの実施形態では、レールは、車両の基準フレームに接続されるように適合され、摺動部材は、車両のホイールに接続されるように適合される。
【0014】
いくつかの実施形態では、レールの長手方向軸は湾曲しており、摺動部材は、湾曲した長手方向軸に沿ってレール上を摺動するように適合される。
【0015】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、ホイールがサスペンションユニットに組み付けられるとホイールのリム内に配置されるように適合される。
【0016】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材は、ホイールがサスペンションユニットに組み付けられると、ホイールのリムの外部に配置され、かつそれに隣接するように適合される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態は、車両のホイールのためのインホイールシステムを提供することができ、システムは、車両のホイールを回転可能に支持するように適合されるホイールインターフェイスと、サスペンションユニットとを備え得、サスペンションユニットは、長手方向軸を有するレールと、レールに摺動可能に接続される摺動部材と、動きを減衰し、レールの長手方向軸に沿って力を支持するように適合される緩衝およびばね手段とを含み、レールおよび摺動部材は、レールの長手方向軸の周りにおけるレールに対する摺動部材の回転運動を防止する横断面プロファイルを有するように成形され、システムはさらに、サスペンションユニットとホイールインターフェイスとの間に配置され、操舵軸の周りでホイールインターフェイスを操舵するように適合される操舵ユニットを備え得、操舵軸は、レールの長手方向軸からホイールインターフェイスに向かってオフセットされている。
【0018】
いくつかの実施形態では、操舵ユニットの少なくとも一部は、ホイールがシステム内に組み付けられるとホイールのリム内に配置されるように適合される。
【0019】
いくつかの実施形態では、操舵ユニットは、サスペンションユニットおよびホイールインターフェイスに接続される2つの回動部材を含むことができ、回動部材は、操舵軸を規定し、操舵軸の周りでサスペンションユニットに対するホイールインターフェイスの回転を可能にするように適合される。
【0020】
いくつかの実施形態では、回動部材は、サスペンションユニットのレールに接続される。
【0021】
いくつかの実施形態では、回動部材は、サスペンションユニットの摺動部材に接続される。
【0022】
いくつかの実施形態では、操舵ユニットは、回動部材のうちの少なくとも1つに接続され、操舵機構に接続されるように適合される操舵機構インターフェイスを含むことができ、操舵機構インターフェイスは、回動部材およびそれに接続されるホイールインターフェイスをサスペンションユニットに対して操舵軸の周りで回すように適合される。
【0023】
いくつかの実施形態では、システムは操舵機構を含み得、操舵機構は、サスペンションユニットのばね上質量に接続され、回転運動を発生させるように適合される操舵モータと、第1のギアアセンブリを用いて操舵モータに接続される操舵ロッドとを含み得、第1のギアアセンブリは、操舵モータから操舵ロッドに回転運動を伝達するように構成され、操舵機構はさらに、操舵ロッドからの回転運動を回動部材のうちの少なくとも1つのギアに伝達して、回動部材に接続されたホイールインターフェイスをサスペンションユニットに対して操舵軸の周りで回すように適合される第2のギアアセンブリを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、操舵ロッドおよび第1のギアアセンブリは、摺動部材がレール上で摺動するとき、操舵ロッド上で第1のギアアセンブリの摺動を可能にする一方、操舵モータによって生成された回転運動を操舵ロッドに伝達するように適合される。
【0025】
いくつかの実施形態では、第2のギアアセンブリはウォームギアを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、操舵ロッドは、長手方向軸に平行である。
【0026】
いくつかの実施形態では、操舵ロッドは伸縮式である。
いくつかの実施形態では、サスペンションユニットのばね上質量はそのレールである。
【0027】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニットのばね上質量は、その摺動部材である。
【0028】
いくつかの実施形態では、操舵ユニットは、サスペンションユニットおよびホイールインターフェイスに接続され、操舵軸の周りでサスペンションユニットに対してホイールインターフェイスを回転させるように適合されるフレームレスモータを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、フレームレスモータは、サスペンションユニットおよびホイールインターフェイスに接続されるステータと、ステータを回転させるように適合されるロータとを含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、ロータの回転軸は操舵軸と一致する。
いくつかの実施形態では、フレームレスモータは、サスペンションユニットのレールに接続される。
【0031】
いくつかの実施形態では、フレームレスモータは、サスペンションユニットの摺動部材に接続される。
【0032】
いくつかの実施形態では、操舵ユニットは、少なくとも1対のアームを含んでもよく、各対のアームは、第1のアームと第2のアームとを含んでもよく、第1のアームおよび第2のアームは、それらの第1の端部でホイールインターフェイスに回動可能に接続され、それらの第2の端部でサスペンションユニットに回動可能に接続される。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームは、サスペンションシステムのレールに回動可能に接続される。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームは、サスペンションシステムの摺動部材に回動可能に接続される。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1のアームおよび第2のアームは、互いに交差して設定され、それらの間の仮想交点に動的操舵軸を規定し、ホイールインターフェイスがサスペンションユニットに対するその操舵角を変化させると、動的操舵軸がサスペンションユニットに対して動くようにする。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、ブレーキユニットを含み得、ブレーキユニットは、ホイールインターフェイスに接続されるブレーキアクチュエータを含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、ブレーキユニットは、ブレーキアクチュエータと流体連通するブレーキ流体リザーバを含むことができ、ブレーキ流体リザーバは、サスペンションユニットの摺動部材に接続される。
【0038】
いくつかの実施形態では、ブレーキユニットはブレーキバイワイヤユニットである。
いくつかの実施形態では、ブレーキユニットは、ブレーキアクチュエータによるホイールインターフェイスの制動を制御するように構成されるコントローラを含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、システムは、牽引ユニットを含み得、牽引ユニットは、牽引モータと、牽引モータからの回転をホイールインターフェイスによって回転可能に支持されるホイールハブに伝達するように適合されるシャフトとを含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、牽引モータはサスペンションユニットに接続される。
いくつかの実施形態では、牽引モータは、ホイールインターフェイスに接続される。
【0041】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材の横断面プロファイルの少なくとも一部は、多角形である、またはそれらの長手方向軸について非対称である、の少なくとも1つである。
【0042】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニットは、摺動部材の内側側面の少なくとも一部上の空洞内に配置されるころ軸受と、空洞に螺合される軸受調整ピンとを含み得、軸受調整ピンの空洞内への螺合の形状および度合いは、空洞内のころ軸受の位置および整列のうちの少なくとも1つを決定する。
【0043】
いくつかの実施形態では、緩衝およびばね手段は、レール内に配置されるばね荷重式緩衝器を含み得、ばね荷重式緩衝器は、その第1の端部においてレールに接続され、その第2の端部において、レールの1つ以上の側面上の対応する1つ以上のスロット内で摺動するように適合される1つ以上のピンを用いて、摺動部材に接続される。
【0044】
いくつかの実施形態では、レールの長手方向軸は湾曲しており、摺動部材は、湾曲した長手方向軸に沿ってレール上を摺動するように適合される。
【0045】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、ホイールがサスペンションユニットに組み付けられるとホイールのリム内に配置されるように適合される。
【0046】
いくつかの実施形態では、レールおよび摺動部材は、ホイールがサスペンションユニットに組み付けられると、ホイールのリムの外部に配置され、かつそれに隣接するように適合される。
【0047】
本発明のこれらの、追加の、および/もしくは他の態様および/もしくは利点は、以下の詳細な説明に記載され、場合によっては、詳細な説明から推論可能であり、ならびに/または本発明の実施によって学習可能である。
【0048】
本発明の実施形態をよりよく理解し、かつその実施方法を示すために、ここで、単なる例示として、同様の数字が全体を通して対応する要素またはセクションを示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションユニットおよびサスペンションユニットに組み付けられるホイールの一実施形態の概略図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションユニットおよびサスペンションユニットに組み付けられるホイールの一実施形態の概略図である。
【
図1C】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションユニットおよびサスペンションユニットに組み付けられるホイールの一実施形態の概略図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態によるサスペンションユニットの実施形態の概略図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態によるサスペンションユニットの実施形態の概略図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態によるサスペンションユニットの実施形態の概略図である。
【
図2D】本発明のいくつかの実施形態によるサスペンションユニットの実施形態の概略図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムの実施形態の概略図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み立つけられたホイールの実施形態の概略図である。
【
図3C】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み立つけられたホイールの実施形態の概略図である。
【
図3D】本発明のいくつかの実施形態による、牽引能力を有するインホイールシステムの実施形態の概略図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムの実施形態の概略図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用のサスペンションユニットの概略図である。
【
図4C】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用のサスペンションユニットの概略図である。
【
図4D】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用のサスペンションユニットの概略図である。
【
図4E】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用のサスペンションユニットの概略図である。
【
図4F】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵ユニットの概略図である。
【
図4G】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵ユニットの概略図である。
【
図4H】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵ユニットの概略図である。
【
図4I】本発明の実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵機構の概略図である。
【
図4J】本発明の実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵機構の概略図である。
【
図4K】本発明の実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵機構の概略図である。
【
図4L】本発明の実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵機構の概略図である。
【
図4M】本発明の実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム用の操舵機構の概略図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの概略図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの概略図である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの概略図である。
【
図5D】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの概略図である。
【
図5E】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの概略図である。
【
図5F】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの概略図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【
図6C】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【
図7A】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【
図7B】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【
図7C】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステムに組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステムならびにインホイールシステム内に組み付けられるホイールの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
説明の簡略化および明確化のために、図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、明確化のために他の要素に対して強調されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合、参照番号は、対応するまたは類似の要素を示すために、図面間で繰り返されることがある。
【0051】
発明の詳細な説明
以下の説明では、本発明の様々な態様について説明する。説明のため、具体的な構成および詳細は、本発明の完全な理解を促すために記載される。しかしながら、本発明が本明細書に提示される具体的な詳細を伴わずに実施され得ることも当業者には明白であろう。さらに、周知の特徴は、本発明を不明瞭にしないために省略または簡略化され得る。図面を参照すると、示される詳細は、例示であり、本発明の説明のための議論の目的のためだけのものであり、本発明の原理および概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されることが強調される。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要なものよりも詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされておらず、図面を用いてなされる説明は、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者に明白にする。
【0052】
本発明の少なくとも1つの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、様々な方法で実施または実行され得る他の実施形態、ならびに開示される実施形態の組み合わせに適用可能である。また、本明細書で用いられる表現および用語は、説明を目的としており、限定と見なされるべきではないことを理解されたい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態は、車両のホイールのためのサスペンションシステムを提供することができる。サスペンションシステムは、サスペンションユニットを含み得る。例えば、サスペンションユニットは、スライディングピラー式サスペンションユニットであってもよい。サスペンションユニットは、長手方向レールに摺動可能に連結される摺動部材を含み得る。長手方向レールおよび/または摺動部材は、サスペンションユニットの長手方向軸の周りの摺動部材の回転運動を防止するように成形されてもよい。
【0054】
サスペンションユニットは、車両の基準フレーム(例えば、シャーシ)に接続されるように適合されてもよく、例えば、道路の隆起もしくはつぼ穴から生じる衝撃および/もしくは動きを減衰および吸収し、ならびに/またはサスペンションユニットの長手方向軸に沿って(または実質的に長手方向軸に沿って)車両の重量を支持するように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニットの少なくとも一部は、ホイールのリム内に位置するように適合され得る。いくつかの実施形態では、サスペンションユニットの長手方向軸は湾曲してもよい。これは、例えば、ホイールの湾曲運動を可能にする。
【0055】
いくつかの実施形態では、サスペンションシステムは、ホイールインターフェイスおよびホイールハブを含み得る。ホイールインターフェイスは、ホイールハブを回転可能に支持するように適合されてもよく、サスペンションユニットに接続されるように適合されてもよい。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態は、インホイールシステムを提供することができる。インホイールシステムは、サスペンションユニット(例えば、本明細書で説明されるスライディングピラー式サスペンションユニット)および操舵ユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、操舵ユニットはサスペンションユニットに連結されてもよい。いくつかの実施形態では、操舵ユニットは、サスペンションユニットから切り離されてもよい。操舵ユニットの様々な実施形態を用いることができる。操舵ユニットのいくつかの例を以下に記載する。
【0057】
ここで
図1A、
図1B、および
図1Cを参照して、本発明のいくつかの実施形態によるサスペンションシステム100およびサスペンションシステム100に組み付けられるホイール90の一実施形態の概略図を示す。
【0058】
図1Aは、サスペンションシステム100の概略上面図を示す。
図1Bは、サスペンションシステム100の概略側面図である。
図1Cは、サスペンションシステム100の概略縦断面図である。
【0059】
サスペンションシステム100は、サスペンションユニット110を含み得る。サスペンションユニット110は、車両の基準フレーム80およびホイール90に接続されるように適合され得る。基準フレーム80は、例えば、車両のシャーシとすることができる。サスペンションユニット110は、例えば、道路における隆起またはつぼ穴に起因する衝撃および動きを減衰ならびに吸収するように適合され得る。サスペンションユニット110は、それに加えられる横方向の力(例えば、車両の長手方向および/または横方向の力)に耐えるようにさらに適合され得る。サスペンションユニット110はさらに、その長手方向軸111に沿って(または実質的に長手方向軸111に沿って)車両の重量を支持するように適合され得る(例えば、長手方向軸111は、車両の垂直軸に平行または実質的に平行である)。
【0060】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット110は、サスペンションユニット110の長手方向軸111が、ホイールが回り得る地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように(例えば、長手方向軸111が車両の垂直軸に平行または実質的に平行であるように)、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。いくつかの実施形態では、サスペンションシステム100のホイールハブ104が周りを回転し得るホイールハブ回転軸104aに対してサスペンションユニット110の長手方向軸111が垂直(または実質的に垂直)であるように、サスペンションユニット110は基準フレーム80に接続されるように適合され得る。
【0061】
サスペンションユニット110は、摺動部材112およびレール114を含み得る。レール114の長手方向軸は、サスペンションユニット110の長手方向軸111と一致してもよい。いくつかの実施形態では、摺動部材112は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、レール114は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、レール114は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、摺動部材112は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。摺動部材112は、レール114上を摺動するように適合され得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、サスペンションシステム100は、ホイールインターフェイス102およびホイールハブ104を含み得る。ホイールインターフェイス102は、ホイールハブ104を回転可能に支持し、ホイールハブ回転軸104aを中心とするホイールハブ104の回転を可能にするように適合され得る。いくつかの実施形態では、ホイールハブ回転軸104aは、サスペンションユニット110の長手方向軸111に対して垂直(または実質的に垂直)であってもよい。様々な実施形態において、レール114は、ホイールインターフェイス102に(例えば、
図1A、1B、および1Cに示されるように、1つ以上のコネクタ103を用いて)接続されてもよい。様々な実施形態において、摺動部材112またはレール114は、ホイールインターフェイス102に接続されてもよい。(例えば、ばね下質量である)ホイール90へのレール114の接続、および(例えば、ばね上質量である)車両の基準フレーム80への摺動部材112の接続は、レール114に沿った摺動部材112の移動を最大にすることを可能にしてもよい。例えば、
図1Aおよび
図1Bの実施形態では、摺動部材112は、レール114の全長に沿って摺動する潜在性があってもよい。このようにして、サスペンションユニット110は、例えば、車両の基準フレーム80に伝達される力を最小にし、車両内の乗員の快適性を最大にすることができる。
【0063】
レール114および/または摺動部材112は、サスペンションユニット110の長手方向軸111周りの摺動部材112の回転運動を防止するように成形されてもよい。例えば、レール114および摺動部材112の横断面プロファイルは、概ね多角形(例えば、正方形、六角形、五角形など)を有してもよい。摺動要素112およびレール114の横断面プロファイルの形状は、例えば、サスペンションユニット110に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、レール114および摺動部材112のうちの少なくとも1つの横断面プロファイルは、概ね斜めの形状を有することができる。これは、例えば、サスペンションユニット110の長手方向軸111周りの摺動部材112の回転運動を防止する。
【0065】
様々な実施形態において、1つ以上の突出表面が、摺動部材112に面するレール114の外側表面のうちの1つ以上、および/もしくはレール114に面する摺動部材112の内側表面のうちの1つ以上において、成形または追加されてもよい。これは、例えば、サスペンションユニット110の長手方向軸111周りの摺動部材112の回転運動を防止する。
【0066】
サスペンションユニット110は、(例えば、
図1Cに示されるように、)緩衝手段116およびばね手段118を含み得る。緩衝手段116は、例えば、伸縮式緩衝器(例えば、ダンパ)を含み得る。ばね手段118は、例えば、ばねを含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、緩衝手段116およびばね手段118は、(例えば、
図1Cに示されるように、)レール114内に取り付けられてもよい。緩衝手段116は、レール114上での摺動部材112の摺動を可能にしながら、摺動部材112およびレール114に接続されてもよい。緩衝手段116は、例えばレール114に対する摺動部材112の相対運動を、減衰手段で減衰および/または吸収/散逸されるエネルギーに変換することによって、例えば道路の隆起またはつぼ穴に起因する衝撃および運動を減衰ならびに吸収するように適合され得る。
【0068】
ばね手段118は、例えばばね手段118の長さを変化させ、摺動部材112とレール114との間に支持力(例えば予荷重力)を導入することによって、サスペンションユニット110の長手方向軸111に沿って(または実質的に長手方向軸111に沿って)車両の重量を支持するように適合され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、緩衝およびばね動作は、サスペンションユニット110の摺動部材112とレール114との間に発生可能な磁力によるものであってもよい。磁力は、サスペンションユニット110の動作プロファイル(例えば、直線運動に対する抵抗、減衰速度、予荷重など)を規定するように設定することができる。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット110は、電気生成回路を含み得る。いくつかの実施形態では、電気生成回路は、摺動部材112とレール114との間の相互作用によって誘導される振動を吸収することによって電流を生成してもよい。いくつかの実施形態では、電気生成回路は、バッテリに電気的に接続されてもよく、バッテリを充電するために用いられる。いくつかの実施形態では、バッテリは、サスペンションシステム110に統合されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、レール114は、少なくとも部分的に湾曲していてもよく、湾曲した長手方向軸111を構築していてもよい。湾曲した長手方向軸111は、例えば、弓状の垂直移動で、ホイール90の動的挙動を可能にし得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット110は、車両のホイール90のリム92の外部に、かつそれに隣接するように(例えば、
図1Aおよび1Bに示されるように、)位置するように適合され得る。他の実施形態では、サスペンションユニット110の少なくとも一部は、ホイール90のリム92内に位置してもよい。一般に、サスペンションユニット110がホイール90のリム92から突出し得る突出距離は、緩衝手段116およびばね手段118の寸法(例えば、長さ、直径)によって決定されてもよく、それらは、サスペンションユニット110の用途によって決定されてもよい。他の例では、サスペンションユニット110がホイール90のリム92から突出し得る突出距離は、(例えば、以下に記載するように)ホイール90を操舵するように適合される操舵ユニットのサイズおよび位置によって決定され得る。例えば、突出距離は、リム92の直径の25%以下であってもよい。
【0072】
サスペンションユニット110は、例えば、
図1Cに示されるばね荷重式伸縮式ダンパに加えて、またはその代わりに、他の要素も含み得ることに留意されたい。例えば、サスペンションユニット110は、空気圧ばね、ロータリーダンパなどを含み得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、基準フレーム80とホイールハブ104/ホイールインターフェイス102との間の最大距離は、ホイールハブ104/ホイールインターフェイス102の最大の実質的に垂直な直線運動よりも小さくてもよい。例えば、基準フレーム80とホイールハブ104/ホイールインターフェイス102との間の距離は、ホイールハブ104/ホイールインターフェイス102の最大の実質的に垂直な直線運動の70%より小さくてもよい(例えば、70%未満、30%未満など)。
【0074】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット110の最大の実質的に垂直な長さは、基準フレーム80とホイールハブ104/ホイールインターフェイス102との間の最大距離よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット110の最大の実質的に垂直な長さは、ホイールのリムの直径よりも小さくてもよい。
【0075】
その寸法はより大きくてもより小さくてもよく、リムの寸法および/またはホイールハブ104/ホイールインターフェイス102の実質的に垂直の直線運動の必要な範囲に依存してもよいことに留意されたい。
【0076】
ここで
図2A、
図2B、
図2C、および
図2Dを参照して、本発明のいくつかの実施形態によるサスペンションユニット210の実施形態の概略図を示す。
【0077】
図2A、
図2Bおよび
図2Dはサスペンションユニット210の異なる斜視図を示し、
図2Cはサスペンションユニット210の長手方向断面図を示す。サスペンションユニット210は、
図1A、
図1B、および
図1Cに関して上で説明されたサスペンションユニット110と同様であり得る。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、サスペンションユニット210は、摺動部材212およびレール214を含み得る。例えば、摺動部材212およびレール214は、
図1Aおよび
図1Bに関して上述したように、それぞれ摺動部材112およびレール114のようであってもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210は、サスペンションユニット210の長手方向軸211が地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。レール214の長手方向軸は、サスペンションユニット210の長手方向軸211と一致してもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210は、サスペンションユニット210の長手方向軸211が、ホイール90がサスペンションユニット210に組み付けられると回転し得るホイール回転面に対して平行(または実質的に平行)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。例えば、ホイール回転面は、サスペンションシステムのホイールインターフェイスによって規定されてもよい。
【0080】
サスペンションユニット210は、サスペンションユニット210に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように適合され得る。そのような力は、例えば、横方向の力、例えば、サスペンションユニット210の長手方向軸211に対して垂直な方向の力を含み得る。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210の摺動要素212およびレール214の横断面プロファイルの形状は、指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。一般に、摺動要素212およびレール214の横断面プロファイルは、任意の多角形形状を有してもよい。摺動要素212およびレール214の横断面プロファイルの形状は、例えば、サスペンションシステム200/サスペンションユニット210に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。
【0081】
例えば、摺動要素212およびレール214は、摺動要素212がレール214に沿って自由に摺動することを可能にしながら、(例えば、
図2Aおよび
図2Bに示されるように、)サスペンションユニット210の長手方向軸211に対して垂直な様々な方向からの力またはサスペンションユニット210の長手方向軸の周りに作用する回転力に耐えるよう、六角形または五角形の形状の横断面プロファイルを有してもよい。
【0082】
別の例では、摺動要素212およびレール214は、(例えば、車両の前後方向および側方から側方への方向からかけられる)長手方向軸211に垂直な主方向からの力に耐えるよう、正方形形状の横断面プロファイルを有してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、摺動要素212およびレール214の横断面プロファイルの形状は、所定の仕様に従って、長手方向軸211に対して垂直な様々な方向からの力に耐えるよう、サスペンションユニット210の長手方向軸211について非対称であってもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、摺動要素212およびレール214の横断面プロファイルの形状は、サスペンションユニット210の長手方向軸211の周りにおける摺動要素212およびレール214の互いに対する回転を防止するように選択されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、サスペンションユニット210は、緩衝手段216およびばね手段218を含み得る。例えば、緩衝手段216およびばね手段218は、
図1Aおよび
図1Bに関して上述したように、それぞれ、緩衝手段116およびばね手段118などであってもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210は、例えば、
図2Cに示されるように、ばね(例えば、ばね手段218)で荷重をかけられる伸縮式ダンパ(例えば、緩衝手段216)を含んでもよい。緩衝手段216は、その第1の端部216aが摺動部材212に接続され、その第2の端部216bがレール214に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、緩衝手段216は、(例えば、
図2Cに示されるように、)レール214の対応する1つ以上の側面において対応する1つ以上のスロット214a内で摺動するように適合され得る1つ以上のピン217によって摺動部材212に接続され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、スロット214aおよびピン217は、例えば、可撓性スリーブによって封止され得る。その封止は、例えば、レール214内への塵埃および/または他の汚染物質の進入を防止する。
【0088】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210は、(例えば、
図2Dに示されるように、)ころ軸受213を含み得る。ころ軸受213は、サスペンションユニット210の摺動部材212とレール214との間に位置し得る。ころ軸受213は、レール214上での摺動部材212の転がり/相対直線運動を可能にし得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、摺動部材212は、(例えば、
図2Dに示されるように、)その内側側面のうちの少なくともいくつかに1つ以上の空洞212aを含み得る。空洞212aの各々は、ころ軸受213のうちの1つを収容するように適合され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210は、軸受調整ピン219を含み得る。軸受調整ピン219は、ころ軸受213を収容することができる空洞212aに螺合されるように適合され得る。軸受調整ピン219の形状および/または空洞212aへの軸受調整ピン219の螺合の度合いは、レールに対する摺動部材212の空洞212a内のころ軸受213の位置/整列を決定するように適合され得る。このようにして、サスペンションユニット210の設置中にころ軸受213の各々の予荷重を調整することができ、および/またはサスペンションユニット210の製造整列不良を補償することができる。
【0091】
様々な実施形態において、サスペンションユニット210の横断面プロファイルの形状、サスペンションユニット210の材料、サスペンションユニット210内の軸受213の種類および/または数および/または場所のうちの少なくとも1つが、サスペンションユニット210に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。
【0092】
様々な実施形態において、サスペンションユニット210は、ゼロそり角で、またはゼロではない所定のそり角で設置されてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210は、動的そり角機能を備えて設置されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、摺動部材212は、サスペンションユニット210を基準フレーム80に接続するためのサブフレームとして作用してもよい。いくつかの実施形態では、基準フレーム80へのサブフレーム(例えば、摺動部材212)の連結は、4個以下の締結具(例えば、ボルト、ピン、ラッチなど)によって行われてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、ホイールの操舵軸は、サスペンションユニットの長手方向軸211(例えば、レール214に対する摺動要素212の運動の軸である)から離れるように規定されてもよい。例えば、長手方向軸211から離れた操舵軸は、例えばサスペンションユニット210以外に操舵ユニットを必要としてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット210に組み付けられるホイールは、(例えば、操舵ユニットにおける必要性がなく)操舵可能でないことがある。
【0095】
以下の図および説明は、スライディングピラー式サスペンションユニット(例えば、上述のサスペンションユニット110、210等)と操舵ユニットおよび牽引ユニットのうちの少なくとも1つとを実現するインホイールシステムの例を示している。インホイールシステムの各々は、製造上の問題に起因するが概念的な問題に起因するものではない制約の下で、インホイールシステムの仕様に従って、上記および/もしくは下記に説明されるスライディングピラー式サスペンションユニットの任意の実施形態、操舵ユニットの任意の実施形態、および牽引ユニットの任意の実施形態(ならびに/またはそれらの任意の組合せ)を用いて実現されてもよい。
【0096】
ここで
図3Aを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム300の概略図を示す。
【0097】
また、
図3Bおよび
図3Cを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム300ならびにインホイールシステム300に組み付けられるホイール90の概略図を示す。
【0098】
いくつかの実施形態では、インホイールシステム300は、サスペンションユニット310および操舵ユニット320を含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合され得る。基準フレーム80は、例えば、車両のシャーシとすることができる。サスペンションユニット310は、例えば、上述のサスペンションユニット110および/またはサスペンションユニット210と同様であってもよい。
【0100】
サスペンションユニット310は、例えば、道路における隆起またはつぼ穴に起因する衝撃および動きを減衰ならびに吸収するように適合され得る。サスペンションユニット310は、それに加えられる横方向の力(例えば、車両の長手方向および/または横方向の力)に耐えるようにさらに適合され得る。サスペンションユニット310はさらに、その長手方向軸311に沿って(または実質的に長手方向軸311に沿って)車両の重量を支持するように適合され得る(例えば、長手方向軸311は、車両の垂直軸に平行または実質的に平行である)。
【0101】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310は、サスペンションユニット310の長手方向軸311が、ホイールが回り得る地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように(例えば、長手方向軸311が車両の垂直軸に平行または実質的に平行であるように)、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310は、サスペンションユニット310の長手方向軸311が、ホイール90がインホイールシステム300に組み付けられるとホイール90が周りを回転し得るホイール回転軸(例えば、以下で説明する軸325)に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。
【0102】
サスペンションユニット310は、摺動部材312およびレール314を含み得る。いくつかの実施形態では、摺動部材312は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、レール314は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、レール314は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、摺動部材312は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。摺動部材312は、レール314上を直線的に摺動するように適合されてもよい。レール314の長手方向軸は、サスペンションユニット310の長手方向軸311と一致してもよい。
【0103】
(例えば、ばね下質量である)ホイール90へのレール314の接続、および(例えば、ばね上質量である)車両の基準フレーム80への摺動部材312の接続は、レール314に沿った摺動部材312の移動を最大にすることを可能にしてもよい。例えば、
図3Aおよび
図3Bの実施形態では、摺動部材312は、レール314の全長に沿って摺動する潜在性があってもよい。このようにして、サスペンションユニット310は、例えば、車両の基準フレーム80に伝達される力を最小にし、車両内の乗員の快適性を最大にすることができる。
【0104】
サスペンションユニット310は、緩衝手段316およびばね手段318を含み得る。緩衝手段316は、例えば、伸縮式緩衝器(例えば、ダンパ)を含み得る。ばね手段318は、例えば、ばねを含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、緩衝手段316およびばね手段318は、レール314内に取り付けられてもよい。緩衝手段316は、レール314上での摺動部材312の摺動を可能にしながら、摺動部材312およびレール314に接続されてもよい。緩衝手段316は、例えばレール314に対する摺動部材312の相対運動を、減衰手段で減衰および/または吸収/散逸されるエネルギーに変換することによって、例えば道路の隆起またはつぼ穴に起因する衝撃および運動を減衰ならびに吸収するように適合され得る。
【0106】
ばね手段318は、例えばばね手段318の長さを変化させ、摺動部材312とレール314との間に支持力(例えば予荷重力)を導入することによって、サスペンションユニット310の長手方向軸311に沿って(または実質的に長手方向軸311に沿って)車両の重量を支持するように適合され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、レール314は、少なくとも部分的に湾曲していてもよく、湾曲した長手方向軸311を構成していてもよい。湾曲した長手方向軸311は、例えば、弓状の垂直移動で、ホイール90の動的挙動を可能にし得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310は、車両のホイール90のリム92の外部に、かつそれに隣接するように(例えば、
図3Bに示されるように、)位置するように適合され得る。他の実施形態では、サスペンションユニット310の少なくとも一部は、ホイール90のリム92内に位置してもよい。一般に、サスペンションユニット310がホイール90のリム92から突出し得る突出距離は、操舵ユニット320のサイズおよび位置によって、ならびに/または緩衝手段316およびばね手段318の寸法(例えば長さ、直径)によって決定されてもよく、それらは、サスペンションシステム300の用途によって決定されてもよい。例えば、突出距離は、リム92の直径の25%以下であってもよい。
【0109】
サスペンションユニット310は、例えば、
図3A、
図3B、および
図3Cに示すようなばね荷重式伸縮式ダンパに加えて、またはその代わりに、他の要素も含み得ることに留意されたい。例えば、サスペンションユニット310は、空気圧ばね、ロータリーダンパなどを含み得る。
【0110】
様々な実施形態において、サスペンションユニット310の(例えば、その長手方向軸311に沿った)長さは、ホイール90またはそのリム92の直径よりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310の長さは、様々なリム径内に適合するように設定することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、操舵ユニット320は、2つの回動部材322(例えば、第1の回動部材322aおよび第2の回動部材322b)ならびに操舵機構インターフェイス326を含み得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、インホイールシステム300は、ホイールインターフェイス324を含み得る。ホイールインターフェイス324は、車両のホイール90を回転可能に支持するように適合され得る。例えば、インホイールシステム300は、ホイールインターフェイス324によって回転可能に支持されるホイールハブ324aを含むことができ、ホイールハブ324aは、ホイール90がインホイールシステム300に組み付けられるとホイール90に接続されるように適合され得る。
【0113】
回動部材322は、(例えば、1つ以上のコネクタ321を用いて)サスペンションユニット310に接続され得る。例えば、回動部材322は、線形緩衝機構310のレール314に接続されてもよい。回動部材322は、ホイールインターフェイス324がその周りで回り得る操舵軸323を規定し得る。
【0114】
ホイールインターフェイス324は、回動部材322に回転可能に接続され、車両のホイール90に接続されるように適合され得る。例えば、ホイールインターフェイス324は、(例えば、
図3Bに示されるように、)ホイール90に接続されるように適合されるホイールハブ324aを含んでもよい。ホイールインターフェイス324は、回動部材322によって操舵軸323の周りを回るように適合され得る。いくつかの実施形態では、ホイールインターフェイス324は、サスペンションユニット310の長手方向軸311に対して垂直または実質的に垂直である軸325周りのホイールハブ324の回転を可能にするように適合され得る。
【0115】
操舵機構インターフェイス326は、回動部材322のうちの少なくとも1つに接続されてもよい。例えば、操舵機構インターフェイス326は、(例えば、
図3Aおよび
図3Bに示されるように、)第2の回動部材322bに接続されてもよい。操舵機構インターフェイス326は、操舵機構に接続されるように適合され得る。操舵機構インターフェイス326は、それに接続された回動部材322を回動させ、それによってホイールインターフェイス324を(回動部材312によって)サスペンションユニット310に対して(例えばレール314に対して)操舵軸323の周りで回すように適合され得る。
【0116】
様々な実施形態において、操舵機構は、任意の従来の操舵リンク機構(ラックアンドピニオン、ピットマンアームなど)または任意の機械電気操舵機構であってもよい。操舵機構全体は、
図3Aおよび
図3Bには示されていない。しかしながら、操舵機構のいくつかの実施形態は、
図4I、
図4J、
図4K、
図4L、および
図4Mに関して以下で説明される。
【0117】
いくつかの実施形態では、
図3Cに例示的に示されるように、サスペンションユニット310の長手方向軸311は、操舵ユニットによって規定される操舵軸323と一致(または実質的に一致)してもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310の全体(または実質的に全体、もしくは大部分)は、ホイール90のリム92内に位置するように成形されてもよく、サスペンションユニット310の長手方向軸311は操舵軸323と一致する。
【0118】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310の長手方向軸311および操舵軸323は両方とも、基準フレームの垂直寸法に対して傾斜している。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310の長手方向軸311および操舵軸323は、互いに平行であり、両方とも基準フレームの垂直寸法に対して傾斜している。
図3Cに示す実施形態では、サスペンションユニット310の長手方向軸311および操舵軸323は、基準フレームの垂直寸法に対して同じ角度でそり角CAだけ傾いている。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット310は、操舵キングピン(KPI)と一致する長手方向軸311を有するように適合され得る。いくつかの実施形態では、KPIは動的であり得、サスペンションユニット310は、KPIを追跡する長手方向軸311を有するように適合され得る。
【0119】
ここで
図3Dを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、牽引能力を有するインホイールシステム300の第1の実施形態の概略図を示す。
【0120】
いくつかの実施形態では、インホイールシステム300は、牽引ユニット340を含み得る。牽引ユニット340は、牽引モータ342を含み得る。牽引モータ342は、例えば、サスペンションユニット310とホイールインターフェイス324との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、牽引モータ342はサスペンションユニット310に接続される。例えば、牽引モータ342は、摺動部材312に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、牽引モータ342は、ホイールインターフェイス324に接続される。牽引ユニット340はシャフト344を含み得る。シャフト344は、牽引モータ342とホイールハブ324aとの間に延在し、牽引モータ342の回転に応答してホイールハブ324を回転させるように構成されてもよい。
【0121】
ここで
図4Aを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム400の実施形態の概略図を示す。
【0122】
いくつかの実施形態では、サスペンションシステム400は、サスペンションユニット410および操舵ユニット420を含み得る。例えば、サスペンションシステム400、サスペンションユニット410、および操舵ユニット420は、
図3A、
図3B、および
図3Cに関して上述したように、それぞれ、サスペンションシステム300、サスペンションユニット310、および操舵ユニット320などであってもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、サスペンションシステム400は、操舵機構430を含み得る。操舵機構430は、操舵ユニット420とインターフェイス可能であり、操舵ユニット420を操作するように適合され得る。操舵機構430のいくつかの実施形態は、
図4I、
図4J、
図4K、
図4L、および
図4Mに関して以下で説明される。いくつかの他の実施形態では、操舵ユニット420は、操舵機構430に連結される操舵リンクを含み得る。いくつかの実施形態では、操舵リンクは、操舵機構430に連結される操舵ロッド(例えば、タイロッド)を含み得る。
【0124】
ここで
図4B、
図4C、
図4D、および
図4Eを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム400の第2の実施形態のためのサスペンションユニット410の概略図を示す。
【0125】
図4B、
図4Cおよび
図4Eはサスペンションユニット410の異なる斜視図を示し、
図4Dはサスペンションユニット410の長手方向断面図を示す。
【0126】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、摺動部材412およびレール414を含み得る。例えば、摺動部材412およびレール414は、
図3A、
図3Bおよび
図3Cに関して上述したように、それぞれ、摺動部材312およびレール314のようであってもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、サスペンションユニット410の長手方向軸411が地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。レール414の長手方向軸は、サスペンションユニット410の長手方向軸411と一致してもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、サスペンションユニット410の長手方向軸411が、ホイール90がインホイールシステム400に組み付けられるとホイール90が周りを回転し得るホイール/ホイールハブ回転軸(例えば、以下で説明する軸425)に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、サスペンションシステム400/サスペンションユニット410に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように適合され得る。そのような力は、例えば、横方向の力、例えば、サスペンションユニット410の長手方向軸411に対して垂直な方向の力を含み得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410の摺動要素412およびレール414の横断面プロファイルの形状は、指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。一般に、摺動要素412およびレール414の横断面プロファイルは、任意の多角形形状を有してもよい。摺動要素412およびレール414の横断面プロファイルの形状は、例えば、サスペンションシステム400/サスペンションユニット410に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。
【0130】
例えば、摺動要素412およびレール414は、摺動要素412がレール414に沿って自由に摺動することを可能にしながら、(例えば、
図4Bおよび
図4Cに示されるように、)サスペンションユニット410の長手方向軸411に対して垂直な様々な方向からの力またはサスペンションユニット410の長手方向軸の周りに作用する回転力に耐えるよう、六角形または五角形の形状の横断面プロファイルを有してもよい。
【0131】
別の例では、摺動要素412およびレール414は、(例えば、車両の前後方向および側方から側方への方向からかけられる)長手方向軸411に垂直な主方向からの力に耐えるよう、正方形形状の横断面プロファイルを有してもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、摺動要素412およびレール414の横断面プロファイルの形状は、所定の仕様に従って、長手方向軸411に対して垂直な様々な方向からの力に耐えるよう、サスペンションユニット410の長手方向軸411について非対称であってもよい。
【0133】
いくつかの実施形態では、摺動要素412およびレール414の横断面プロファイルの形状は、サスペンションユニット410の長手方向軸411の周りにおける摺動要素412およびレール414の互いに対する回転を防止するように選択されてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、緩衝手段416およびばね手段418を含み得る。例えば、緩衝手段416およびばね手段418は、
図3A、
図3Bおよび
図3Cに関して上述したように、それぞれ、緩衝手段316およびばね手段318などであってもよい。
【0135】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、例えば、
図4Dに示されるように、ばね(例えば、ばね手段418)で荷重をかけられる伸縮式ダンパ(例えば、緩衝手段416)を含んでもよい。緩衝手段416は、その第1の端部416aにおいて摺動部材412に接続され、その第2の端部416bにおいてレール414に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、緩衝手段416は、(例えば、
図4Dに示されるように、)レール414の対応する1つ以上の側面において対応する1つ以上のスロット414a内で摺動するように適合され得る1つ以上のピン417によって摺動部材412に接続され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、スロット414aおよびピン417は、例えば、可撓性スリーブによって封止され得る。その封止は、例えば、レール414内への塵埃および/または他の汚染物質の進入を防止する。
【0137】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、(例えば、
図4Eに示されるように、)ころ軸受413を含み得る。ころ軸受413は、サスペンションユニット410の摺動部材413とレール414との間に位置し得る。ころ軸受413は、レール414上の摺動部材412の転がり/相対直線運動を可能にし得る。
【0138】
いくつかの実施形態では、摺動部材412は、(例えば、
図4Eに示されるように、)その内側側面のうちの少なくともいくつかに1つ以上の空洞414aを含み得る。空洞414aの各々は、ころ軸受413のうちの1つを収容するように適合され得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、軸受調整ピン419を含み得る。軸受調整ピン419は、ころ軸受413を収容することができる空洞414aに螺合されるように適合され得る。軸受調整ピン419の形状および/または空洞412aへの軸受調整ピン419の螺合の度合いは、レールに対する摺動部材412の空洞412a内のころ軸受413の位置/整列を決定するように適合され得る。このようにして、サスペンションユニット410の設置中にころ軸受413の各々の予荷重を調整することができ、および/またはサスペンションユニット410の製造整列不良を補償することができる。
【0140】
様々な実施形態において、サスペンションユニット410の横断面プロファイルの形状、サスペンションユニット410の材料、サスペンションユニット410内の軸受413の種類および/または数および/または場所のうちの少なくとも1つは、サスペンションシステム400/サスペンションユニット410に加えられることが予想される指定された力の領域に耐えるように選択されてもよい。
【0141】
様々な実施形態において、サスペンションユニット410は、ゼロそり角で、またはゼロではない所定のそり角で設置されてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410は、動的そり角機能を備えて設置されてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、摺動部材412は、サスペンションシステム400を基準フレーム80に接続するためのサブフレームとして作用してもよい。いくつかの実施形態では、サブフレーム(例えば、摺動部材412)は、4個以下の締結具(例えば、ボルト、ピン、ラッチ)によって基準フレーム80に連結されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、ホイールの操舵軸(例えば下記の操舵軸423)は、サスペンションユニットの長手方向軸411(例えば、レール414に対する摺動要素412の運動の軸である)から離れるように規定されてもよい。例えば、長手方向軸411から離れた操舵軸は、例えばサスペンションユニット410以外に操舵ユニット(例えば、以下に記載される操舵ユニット420)を必要としてもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット410に組み付けられるホイールは、(例えば、操舵ユニットにおける必要性がなく)操舵可能でないことがある。
【0144】
ここで
図4F、
図4G、および
図4Hを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム400の第2の実施形態のための操舵ユニット420の概略図を示す。
【0145】
図4Fおよび
図4Gは、操舵ユニット420の異なる斜視図を示し、
図4Hは、操舵ユニット420の長手方向断面図を示す。
【0146】
いくつかの実施形態では、操舵ユニット420は、回動部材422および操舵機構インターフェイス426を含み得る。例えば、回動部材422および操舵機構インターフェイス426は、
図3A、
図3Bおよび
図3Cに関して上述したように、それぞれ回動部材322および操舵機構インターフェイス326のようであってもよい。
【0147】
いくつかの実施形態では、インホイールシステム400は、ホイールインターフェイス424を含み得る。ホイールインターフェイス424は、車両のホイール90を回転可能に支持するように適合され得る。例えば、インホイールシステム400は、ホイールインターフェイス424によって回転可能に支持されるホイールハブ424aを含むことができ、ホイールハブ424aは、ホイール90がインホイールシステム400に組み付けられるとホイール90に接続されるように適合され得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、回動部材422は、(例えば、
図4Hに示されるように、)第1の回動部材424aおよび第2の回動部材424bを含み得る。回動部材422は、ホイールインターフェイス424が周りを回って操舵することができる操舵軸423(例えば、仮想軸)を規定してもよい。
【0149】
回動部材422は、サスペンションユニット410に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、回動部材422は、回動部材支持体427内で回動可能に支持されてもよく、回動部材支持体427は、サスペンションユニット410に接続されてもよい。例えば、(例えば、
図4Hに示されるように、)第1の回動部材424aは、第1の回動部材支持体427a内で支持されてもよく、第2の回動部材424bは、第2の回動部材支持体427b内で支持されてもよい。
【0150】
ホイールインターフェイス424は、回動部材422に接続されてもよく、ホイールハブ424aを含んでもよく、ホイールハブ424aは、車両のホイール90に接続されるように適合されてもよい。ホイールインターフェイス424は、回動部材422によって操舵軸423の周りで回るように適合され得る。ホイールインターフェイス424は、サスペンションユニット410の長手方向軸411に垂直な軸425周りのホイールハブ424aの回転を可能にし得る。長手方向軸411は、明確化のため、
図4F~
図4Hには示されていない。
【0151】
操舵機構インターフェイス426は、回動部材422のうちの少なくとも1つに接続されてもよい。例えば、操舵機構インターフェイス426は、(例えば、
図4Hに示されるように、)第2の回動部材支持体427b内に支持される第2の回動部材424bに接続されてもよい。操舵機構インターフェイス426は、回動部材422を回動させ/回し、それによって、それに接続されたホイールインターフェイス424を、サスペンションユニット410に対して(例えば、レール414に対して)、操舵軸423の周りで回すように適合され得る。
【0152】
操舵ユニットの回動部材420によって規定される操舵軸423(例えば、仮想操舵軸)は、サスペンションユニット410(またはその長手方向軸411)から独立および/または分離されてもよい。これは、例えば、ホイール90の垂直軸に対する操舵軸423の広範囲の可能な傾きを提供すること、および/または所定の仕様(例えば、スクラブ半径、キャスター角、そり角など)に従って操舵軸423の傾きを調整することを可能にする。
【0153】
ここで
図4I、
図4J、
図4K、
図4Lおよび
図4Mを参照して、本発明の実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム400の一実施形態のための操舵機構430の概略図を示す。
【0154】
いくつかの実施形態では、操舵機構430は、操舵モータ432と、操舵ロッド434と、ウォームギア436とを含み得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、操舵モータ432は、サスペンションユニット410の摺動部材412に接続されてもよい。摺動部材412は、例えば、ばね上質量であり得るので、操舵モータ432は、(ばね下質量、例えばレール414に接続される場合にそうであろうように)受ける振動および/または衝撃がより少なくあり得、それは、モータ432およびサスペンションシステム400全体の安全性、性能および寿命に寄与し得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、操舵ロッド434は、サスペンションユニット410の長手方向軸411に平行であってもよく、例えば、第1のギアアセンブリ433を用いて操舵モータ432に接続されてもよい。
【0157】
いくつかの実施形態では、操舵機構430は、ハウジング431を含み得る。ハウジング431は、操舵モータ431および第1のギアアセンブリ433を支持し、少なくとも部分的に収容するように適合され得る。ハウジング431は、サスペンションユニット410の摺動部材412に接続されてもよい。
【0158】
操舵ロッド434および第1のギアアセンブリ433は、摺動部材412がレール414上を摺動するとき、操舵ロッド434に沿って第1のギアアセンブリ433の摺動を可能にする一方で、操舵モータ432によって生成される回転/回る運動を操舵ロッド434に伝達するように適合され得る。例えば、操舵ロッド434は、側面上においてその長さに沿って1つ以上の突起434aを含むことができ、操舵ロッド434に接続される第1のギアアセンブリ433のギアは、対応する窪みを含み得る。操舵ロッド434の突起434aおよびそのギアの窪みは、操舵ロッド434に対するギアの相対的回転を防止し得る。
【0159】
いくつかの実施形態では、ウォームギア436は、操舵ロッド434に対して垂直であってもよく、例えば、第2のギアアセンブリ435を用いて操舵ロッド434に接続されてもよい。第2のギアアセンブリ435は、(例えば、第1ギアアセンブリ433によって操舵モータ432から伝達される)操舵ロッド434の回転/回る運動をウォームギア436に伝達することができる。いくつかの実施形態では、第2のギアアセンブリ435およびウォームギア436の少なくとも一部は、第2のハウジング437内に収容されてもよい。
【0160】
ウォームギア436は、操舵ユニット420の回動部材422(例えば、第2の回動部材424B)に接続される操舵機構インターフェイス426とインターフェイス可能である。
図4I~
図4Mの実施形態では、操舵ユニット426の操舵機構インターフェイス426はギアを含み得る。
【0161】
したがって、(例えば、第2のギアアセンブリ435によって操舵ロッド434から伝達される)ウォームギヤ436の回転/回る運動は操舵機構インターフェイス426によって回動部材420に伝達され得、それは、次いで、(例えば、
図4F、
図4G、および
図4Hに関して上述したように、)操舵部420のホイールインターフェイス424が、サスペンションユニット410に対して、操舵ユニット420の回動部材422によって規定される操舵軸423の周りを回る結果となり得る。
【0162】
操舵ロッド434および第1のギアアセンブリ433は、(例えば、上記のように)操舵ロッド434上の第1のギアアセンブリ433の摺動を可能にしつつ、操舵モータ432によって生成される回転/回る運動を操舵ロッド434に伝達するように適合され得るので、サスペンションシステム400のサスペンションユニット410および操舵ユニット420の両方は、同時にかつ互いに独立して動作し得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、操舵ロッド434は、少なくとも部分的に湾曲してもよい。これは、例えば、摺動部材412がレール414上を摺動するとき、操舵ロッド434に沿った第1のギアアセンブリ433の弓状の動きを提供し得る。その弓状の動きは、例えば、ホイール90の動的な挙動を、その弓状の垂直方向の移動とともに、可能にし得る。いくつかの実施形態では、レール414は、(例えば、操舵ロッド434のように)弓状であってもよい。
【0164】
いくつかの実施形態では、緩衝器をロッド434に取り付けることができる。例えば、緩衝器は、第1のギアアセンブリ433と第2のギアアセンブリ435との間に取り付けてもよい。緩衝器は、第1のギアアセンブリ433と第2のギアアセンブリ435との間の荷重および/または衝撃を低減し得る。緩衝器は、例えば、操舵ユニット420がサスペンションユニット410から少なくとも部分的に切り離されているとき、第1のギアアセンブリ433と第2のギアアセンブリ435との間に距離を維持してもよい。いくつかの実施形態では、緩衝器は、長手方向弾性スリーブであってもよい。いくつかの実施形態では、緩衝器は長手方向ばねであってもよい。いくつかの実施形態では、緩衝器は、予荷重をかけられてもよい。
【0165】
様々な実施形態では、ウォームギア436および/または操舵機構インターフェイス426は、(例えば、ウォームギア436-操舵機構インターフェイス426複合体のタイプおよび伝達比に基づいて)自己ロックギア機構を形成するように適合され得る。他の実施形態では、第2のギアアセンブリ435は、ギア-ロック解除アセンブリを含んでもよい。ギア-ロック解除アセンブリは、操舵機構430の自己ロックを無効にしてもよい。いくつかの実施形態では、ギア-ロック解除アセンブリは、軸受、クラッチ、およびラチェット状ギアのうちの1つ以上を含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、操舵機構430は、(例えば、電子手段によって制御することができる)操舵バイワイヤユニットとすることができる。
【0167】
操舵機構430の他の実施形態が使用されてもよいことに留意されたい。
いくつかの実施形態では、操舵機構430は、ウォームギア436の代わりに、ベルトドライブ、ダイレクトドライブ、チェーンドライブ、または任意の好適なタイプのギア(例えば、プラネタリ/ワーム/ベベル/ヘリカル/等)を含み得る。操舵力を提供するアクチュエータは、電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、別のトルク源によって生成され操舵アセンブリに伝達されるトルクであってもよい。いくつかの実施形態では、操舵トルクは、例えば操舵ラックを介して操舵ホイールから受け取られてもよい。
【0168】
ここで
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5Eおよび
図5Fを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム400の実施形態、ならびにインホイールシステム400に組み付けられるホイール90の概略図を示す。
【0169】
図5Aは、システム400およびホイール90の斜視図を示す。
図5Bの
図500aおよび
図500bは、システム400およびホイール90の正面図および長手方向断面図をそれぞれ示す。
【0170】
図5Cは、システム400およびホイール90の斜視図を示す。
図5Cの
図500cおよび
図500dは、それぞれ非圧縮状態および圧縮状態のサスペンションユニット410を示す。
【0171】
図5Dは、システム400およびホイール90の正面断面図を示す。
図5Dの
図500eおよび
図500fは、それぞれ非圧縮状態および圧縮状態のサスペンションユニット410を示す。
【0172】
図5Eは、車両のシステム400および右ホイール90の横断面図を示す。
図500gおよび
図500hは、それぞれシステム400およびホイール90の左回りおよび右回りを示す。
【0173】
図5Fは、システム400およびホイール90の側面図を示す。
いくつかの実施形態では、サスペンションシステム400は、システムの大部分がホイール90のリム92内に位置するように設計されてもよい。
【0174】
例えば、操舵ユニット420、サスペンションユニット410の少なくとも一部、および操舵機構430の大部分の要素は、ホイール90のリム92内に位置するように適合されてもよく、サスペンションユニット410の一部および操舵機構430の操舵モータ432のみが、リム92の外部に、かつリム92に隣接して位置してもよい。例えば、操舵ユニット420の体積の90%~100%および/または操舵機構430の体積の70%~100%は、ホイール90のリム92内に位置してもよい。
【0175】
いくつかの実施形態では、サスペンションシステム400は、(例えば、
図5Fに示されるように、)ブレーキユニット440を含み得る。いくつかの実施形態では、ブレーキユニット440は(例えば、電子手段によって制御することができる)ブレーキバイワイヤユニットであり得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、ブレーキユニット440はブレーキアクチュエータを含んでもよい。ブレーキアクチュエータは、例えば、ホイールインターフェイス424に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、ブレーキユニット440は、1つ以上の追加のブレーキモジュールを含み得る。追加のブレーキモジュールは、例えば、ブレーキコントローラおよび/またはブレーキ流体リザーバを含み得る。ブレーキ流体リザーバは、例えば、サスペンションユニット410の摺動部材412の外側表面に連結されてもよい。例えば、摺動部材412の少なくとも1つの外側表面は、平坦であり、例えばブレーキ流体リザーバをそこに接続することができるように構成されてもよい。
【0177】
有利なことに、操舵ユニット420全体および操舵機構430の大部分をホイール90のリム92内に位置するように適合させることによって、現在、ほとんどの車両において使用されている現在のサスペンションおよび操舵システムと比較して、システムによって占有される空間を大幅に低減させることができ、したがって、例えば、車両の乗員室のサイズを大幅に低減させることができる。
【0178】
さらに、レール414を(例えばばね下質量である)ホイール90に接続し、摺動要素412を(例えばばね上質量である)車両の基準フレーム80に接続することにより、(例えば、
図5A、
図5Bおよび
図5Cおよび
図4B、
図4C、
図4Dおよび
図4Eに関して上述したように、)レール414に沿った摺動部材412の移動を最大にすることができ、それによって、例えば、車両の基準フレーム80に伝達される力を最小にし、車両内の乗員の快適性を最大にすることができる。ホイールのリム92からのサスペンションユニット410の突出を制限することは、(現在のサスペンションおよび操舵システムと比較して)サスペンションシステム400をコンパクトに保つことをさらに可能にし得る。
【0179】
さらに、操舵ユニット420をサスペンションユニット410から分離することにより、ホイール90の垂直軸に対して(操舵ユニット420の回動部材422によって規定される)操舵軸423の広範な可能な傾きを提供することができ、および/または、例えば、
図4F、
図4G、および
図4Hに関して上述したように、所定の仕様(例えば、スクラブ半径、キャスター角、そり角など)に従ってその傾きを調節することができる。
【0180】
さらに、サスペンションシステム400のサスペンションユニット410は、(例えば、
図4B、
図4C、
図4Dおよび
図4Eに関して上述したように、)例えばその横断面プロファイルの特定の形状に起因して、現在のサスペンションユニットと比較して、より大きな横方向力に耐え得る。
【0181】
さらに、サスペンションシステム400のいくつかの実施形態は、ドライブバイワイヤ技術(例えば、
図4I、
図4J、
図4K、
図4L、
図4Mに関して上述した操舵バイワイヤ操舵機構430と、
図5Fに関して上述したブレーキバイワイヤブレーキユニット440)を利用し得る。
【0182】
ここで
図6A、
図6B、および
図6Cを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム600ならびにインホイールシステム600に組み付けられるホイール90の実施形態の概略図を示す。
【0183】
インホイールシステム600はサスペンションユニット610を含み得る。サスペンションユニット610は、上述のサスペンションユニット110,210,310および410と同様であり得る。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット610は、摺動部材612と、レール614と、緩衝およびばね手段とを含み得る。例えば、緩衝およびばね手段は、(例えば、上で説明されているように)レール614内に配置されてもよい。
【0184】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット610は、サスペンションユニット610の長手方向軸611が、ホイールが回り得る地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように(例えば、長手方向軸611が車両の垂直軸に平行または実質的に平行であるように)、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。レール614の長手方向軸は、サスペンションユニット610の長手方向軸611と一致してもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット610は、サスペンションユニット610の長手方向軸611が、ホイール90がインホイールシステム600に組み付けられるとホイール90が周りを回転し得るホイール/ホイールハブ回転軸(例えば軸625)に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、(例えば、
図6A、
図6Bおよび
図6Cに示されるように、)摺動部材612は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、レール614は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。
【0186】
インホイールシステム600は、操舵ユニット620を含み得る。いくつかの実施形態では、操舵ユニット620は、少なくとも一対のアーム622を含み得る。いくつかの実施形態では、インホイールシステム600は、ホイールインターフェイス624を含み得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、レール614は、少なくとも一対のアーム622をホイールインターフェイス624に連結することによって、ホイール90に接続されるように適合され得る。アームの対622は、第1の端部622aaおよび第2の端部622abを有する第1のアーム622aと、第1の端部622baおよび第2の端部622bbを有する第2のアーム622bとを含み得る。第1のアーム622aの第1の端部622aaおよび第2のアーム622bの第1の端部622baは、ホイールインターフェイス624に回転可能に接続され得る。第1のアーム622aの第2の端部622abおよび第2のアーム622bの第2の端部622bbは、サスペンションユニット610に回転可能に接続されるように適合され得る。いくつかの実施形態では、第1のアーム622aおよび第2のアーム622bは、(例えば、
図6A、
図6Bおよび
図6Cに示されるように、)サスペンションユニット610のレール612に回動可能に接続され得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、第1のアーム622aおよび第2のアーム622bは、(例えば、
図6Cに示されるように、)互いに交差して設定され、それらの間の仮想交点に動的操舵軸623(例えば、仮想動的操舵軸)を規定してもよく、動的操舵軸623は、ホイールインターフェイス624がサスペンションユニット610に対するその操舵角を変化させると、サスペンションユニット610に対して動くことができるようにしてもよい。一般に、動的操舵軸623の運動は、第1のアーム622aおよび第2のアーム622bの長さ、ならびにサスペンションユニット610および/またはホイールインターフェイス624に対する第1のアーム622aおよび第2のアーム622bの回転可能な接続の位置によって決定され得る。このようにして、車両のキャビン内へのホイール90の突出は、静止操舵軸を有するサスペンションシステムと比較して著しく低減され得る。
【0189】
ここで
図7A、
図7B、および
図7Cを参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム700ならびにインホイールシステム700に組み付けられるホイール90の実施形態の概略図を示す。
【0190】
インホイールシステム700はサスペンションユニット710を含み得る。サスペンションユニット710は、上述のサスペンションユニット110,210,310,410および610と同様であり得る。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット710は、摺動部材712と、レール714と、緩衝およびばね手段とを含み得る。例えば、緩衝およびばね手段は、(例えば、上で説明されているように)レール714内に配置されてもよい。
【0191】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット710は、サスペンションユニット710の長手方向軸711が、ホイールが回り得る地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように(例えば、長手方向軸711が車両の垂直軸に平行または実質的に平行であるように)、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。レール714の長手方向軸は、サスペンションユニット710の長手方向軸711と一致してもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット710は、サスペンションユニット710の長手方向軸711が、ホイール90がインホイールシステム700に組み付けられるとホイール90が周りを回転し得るホイール/ホイールハブ回転軸(例えば軸725)に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、(例えば、
図7A、
図7Bおよび
図7Cに示されるように、)レール714は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、摺動部材712は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。
【0193】
インホイールシステム700は、操舵ユニット720を含み得る。いくつかの実施形態では、操舵ユニット720は、少なくとも一対のアーム722を含み得る。いくつかの実施形態では、インホイールシステム700は、ホイールインターフェイス724を含み得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、摺動部材712は、少なくとも一対のアーム722をホイールインターフェイス724に連結することによって、ホイール90に接続されるように適合され得る。一対のアーム722は、第1の端部722aaおよび第2の端部722abを有する第1のアーム722aと、第1の端部722baおよび第2の端部722bbを有する第2のアーム722bとを含み得る。第1のアーム722aの第1の端部722aaおよび第2のアーム722bの第1の端部722baは、ホイールインターフェイス724に回転可能に接続され得る。第1のアーム722aの第2の端部722abおよび第2のアーム722bの第2の端部722bbは、サスペンションユニット710に回転可能に接続されるように適合され得る。システム700におけるようないくつかの実施形態では、(例えば、
図7A、
図7Bおよび
図7Cに示されるように、)第1のアーム722aおよび第2のアーム722bは、サスペンションユニット710の摺動部材714に回動可能に接続されてもよい。
【0195】
いくつかの実施形態では、第1のアーム722aおよび第2のアーム722bは、(例えば、
図7Cに示されるように、)互いに交差して設定され、それらの間の仮想交点に動的操舵軸723(例えば、仮想動的操舵軸)を規定してもよく、動的操舵軸723は、ホイールインターフェイス724がサスペンションユニット710に対するその操舵角を変化させると、サスペンションユニット710に対して動くことができるようにしてもよい。一般に、動的操舵軸723の運動は、第1のアーム722aおよび第2のアーム722bの長さ、ならびにサスペンションユニット710および/またはホイールインターフェイス724に対する第1のアーム722aおよび第2のアーム722bの回転可能な接続の位置によって決定され得る。このようにして、車両のキャビン内へのホイール90の突出は、静止操舵軸を有するサスペンションシステムと比較して著しく低減され得る。
【0196】
ここで
図8を参照して、本発明のいくつかの実施形態による、サスペンションおよび操舵能力を有するインホイールシステム800ならびにインホイールシステム800に組み付けられるホイール90の実施形態の概略図を示す。
【0197】
インホイールシステム800はサスペンションユニット810を含み得る。サスペンションユニット810は、上述のサスペンションユニット110,210,310,410,610および710と同様であり得る。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット810は、摺動部材812と、レール814と、緩衝およびばね手段とを含み得る。例えば、緩衝およびばね手段は、(例えば、上で説明されているように)レール814内に配置されてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態では、サスペンションユニット810は、サスペンションユニット810の長手方向軸811が、ホイールが回り得る地面/道路に対して垂直(または実質的に垂直)であるように(例えば、長手方向軸811が車両の垂直軸に平行または実質的に平行であるように)、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。レール814の長手方向軸は、サスペンションユニット810の長手方向軸811と一致してもよい。いくつかの実施形態では、サスペンションユニット810は、サスペンションユニット810の長手方向軸811が、ホイール90がインホイールシステム800に組み付けられるとホイール90が周りを回転し得るホイール/ホイールハブ回転軸(例えば軸825)に対して垂直(または実質的に垂直)であるように、基準フレーム80に接続されるように適合され得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、(例えば、
図8に示されるように、)摺動部材812は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、レール814は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。いくつかの実施形態では、レール814は、車両の基準フレーム80に接続されるように適合されてもよく、摺動部材812は、ホイール90に接続されるように適合されてもよい。
【0200】
インホイールシステム800は、操舵ユニット820を含み得る。いくつかの実施形態では、操舵ユニット820は、フレームレスモータ822を含み得る。いくつかの実施形態では、インホイールシステム800は、ホイールインターフェイス824(および任意選択でホイールハブ824a)を含み得る。
【0201】
いくつかの実施形態では、フレームレスモータ822は、サスペンションユニット810の摺動部材812および操舵ユニット820のホイールインターフェイス824に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、フレームレスモータ822は、サスペンションユニット810の摺動部材812と操舵ユニット820のホイールインターフェイス824との間に配置されてもよい。例えば、フレームレスモータ822のステータ822aは、摺動部材812およびホイールインターフェイス824に接続されてもよい。ステータ822aの回転は、サスペンションユニット810の摺動部材812に対してホイールインターフェイス824を回転させてもよい。いくつかの実施形態では、操舵ユニット820によって規定される操舵軸823は、フレームレスモータ822のロータ822bの回転軸と一致してもよい。
【0202】
本発明のいくつかの実施形態は、サスペンションユニット(例えば、上述のサスペンションユニット110、210など)および(例えば、上述のインホイールシステム300,400,600,700および800におけるような)インホイールシステム、ならびにその中に組み付けられるホイール、のうちの1つを提供し得る。
【0203】
本発明の様々な実施形態は、2つ以上のサスペンションユニット(例えば、上述のサスペンションユニット110、210等)または2つ以上のインホイールシステム(例えば、上述のインホイールシステム100,300,400,600,700,および800など)を含む車両を提供することができる。いくつかの実施形態では、車両は、2つ以上のサスペンションユニットまたは2つ以上のインホイールシステム内に組み付けられる2つ以上のホイール90を含んでもよい。車両は、例えば、乗用車、商用車両、スポーツユーティリティ車両、電気自動車、バン等であってもよい。
【0204】
上記の説明では、実施形態は、本発明の例または実現例である。「一実施形態」、「ある実施形態」、「特定の実施形態」または「いくつかの実施形態」の様々な表現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。本発明の様々な特徴は、単一の実施形態の文脈で説明され得るが、それらの特徴は、別々に、または任意の好適な組み合わせでも提供され得る。反対に、本発明は、本明細書において、明確化のために、別個の実施形態との関連で説明され得るが、本発明は、単一の実施形態でも実現され得る。本発明の特定の実施形態は、上記で開示した異なる実施形態からの特徴を含むことができ、特定の実施形態は、上記で開示した他の実施形態からの要素を組み込むことができる。特定の実施形態との関連での本発明の要素の開示は、その特定の実施形態のみにおけるそれら要素の使用を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、本発明は、様々な方法で実行または実施することができ、本発明は、上記の説明において概説されたもの以外の特定の実施形態において実施することができることを理解されたい。
【0205】
本発明は、これらの図または対応する説明に限定されない。例えば、流れ図は、各図示されたボックスもしくは状態を通って、または図示および説明されたものと全く同じ順序で動く必要はない。本明細書で用いられる技術用語および科学用語の意味は、特に定義しない限り、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるはずである。本発明は限られた数の実施形態に関して記載されてきたが、これらは本発明の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ好ましい実施形態のいくつかの例示として解釈されるべきである。他の可能な変形、修正、および用途も、本発明の範囲内にある。したがって、本発明の範囲は、これまでに記載されてきたものによって限定されるべきではなく、特許請求の範囲およびその法的均等物によって限定されるものである。