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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】サーバ装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20220914BHJP
【FI】
G06F30/10 100
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022535906
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(86)【国際出願番号】 JP2021015568
【審査請求日】2022-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392028321
【氏名又は名称】株式会社小林製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 靖典
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-175859(JP,A)
【文献】特開2006-244384(JP,A)
【文献】特開2002-182733(JP,A)
【文献】特開2002-259500(JP,A)
【文献】特開2002-006922(JP,A)
【文献】特開2001-249985(JP,A)
【文献】特開2020-166382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/398
G06Q 50/04 -50/08
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を製造する作業に関する見積りに用いられる図面を取得する取得手段と、
前記製品を製造する各作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが前記図面上に表示されるように、前記図面を加工する加工手段と、
前記加工された図面を端末装置に出力する出力手段とを備え、
前記図面は、各作業工程に対応するレイヤーを含み、
前記レイヤーは、対応する作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトを含む
ーバ装置。
【請求項2】
前記オブジェクトは、前記作業の対象となる部分を示す
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記オブジェクトは、前記作業の種類によって異なる外観を有する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記出力手段は、複数の端末装置のうち前記作業工程に対応する端末装置に、前記取得された図面の上に前記作業工程において行われる前記作業の内容を示す前記オブジェクトを含むレイヤーを重ねた図面を出力する
請求項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記製品の製造を一意に識別する識別子を示す符号化画像を生成する生成手段を更に備え、
前記出力手段は、読取装置により前記符号化画像が読み取られると、前記加工された図面を前記端末装置に出力する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項6】
読取装置により前記符号化画像が読み取られた日時に基づいて、前記作業の開始日時及び前記作業の終了日時のうち少なくとも一つを記憶部に記憶させる記憶制御手段を更に備える
請求項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
コンピュータに、
製品を製造する作業に関する見積りに用いられる図面を取得するステップと、
前記製品を製造する各作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが前記図面上に表示されるように、前記図面を加工するステップと、
前記加工された図面を端末装置に出力するステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記図面は、各作業工程に対応するレイヤーを含み、
前記レイヤーは、対応する作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者による製品を製造する作業を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図面から製品を製造する作業に関する見積りを行う技術が知られている。例えば特許文献1には、設計図から部品のコスト見積りを実行するための図面を生成し、生成した図面に基づき、部品のコスト見積りを実行する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-246487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、見積り用の図面は見積り以外には用いられない。そこで、見積り用の図面を見積もり以外にも活用することが望まれている。他方、現場の作業者は、基本的には製造図面に基づいて製品を製造する作業を行う。しかし、製造図面を見ただけでは、自分が作業を行う部分や作業の内容を把握するのに時間がかかる場合がある。作業者が作業内容を把握し易くなるように、例えば製造図面の他に作業指示書を別途作成することも考えられるが、その場合には作業指示書を作成する手間がかかる。
【0005】
本発明は、見積り用の図面を有効に活用して、作業者による作業内容の把握を促進することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、製品を製造する作業に関する見積りに用いられる図面を取得する取得手段と、前記製品を製造する各作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが前記図面上に表示されるように、前記図面を加工する加工手段と、前記加工された図面を端末装置に出力する出力手段とを備えるサーバ装置を提供する。
【0007】
前記オブジェクトは、前記作業の対象となる部分を示してもよい。
【0008】
前記オブジェクトは、前記作業の種類によって異なる外観を有してもよい。
【0009】
前記図面は、各作業工程に対応するレイヤーを含み、前記レイヤーは、対応する作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトを含んでもよい。
【0010】
前記出力手段は、複数の端末装置のうち前記作業工程に対応する端末装置に、前記取得された図面の上に前記作業工程において行われる前記作業の内容を示す前記オブジェクトを含むレイヤーを重ねた図面を出力してもよい。
【0011】
前記サーバ装置は、前記製品の製造を一意に識別する識別子を示す符号化画像を生成する生成手段を更に備え、前記出力手段は、読取装置により前記符号化画像が読み取られると、前記加工された図面を前記端末装置に出力してもよい。
【0012】
前記サーバ装置は、読取装置により前記符号化画像が読み取られた日時に基づいて、前記作業の開始日時及び前記作業の終了日時のうち少なくとも一つを記憶部に記憶させる記憶制御手段を更に備えてもよい。
【0013】
本発明の別の態様は、コンピュータに、製品を製造する作業に関する見積りに用いられる図面を取得するステップと、前記製品を製造する各作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが前記図面上に表示されるように、前記図面を加工するステップと、前記加工された図面を端末装置に出力するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、見積り用の図面を有効に活用して、作業者による作業内容の把握が促進される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る見積システムの一例を示す図である。
図2】サーバ装置の構成の一例を示す図である。
図3】見積管理テーブルの一例を示す図である。
図4】スケジュール管理テーブルの一例を示す図である。
図5】見積りを行う際の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6】図面の一例を示す図である。
図7】作業要素を示すオブジェクトの一例を示す図である。
図8】現品票の一例を示す図である。
図9】製品を製造する作業を行う際の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図10】変形例に係る見積図面の一例を示す図である。
図11】変形例に係る見積図面の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、実施形態に係る見積システム10の一例を示す図である。見積システム10は、製品の製造に関する見積りを作成するとともに、作業者による製品を製造する作業を支援する。ここでいう「製品」とは、製造の対象となる物品をいう。「製品」には、物品だけでなく、物品の部分も含まれる。見積システム10は、例えば板金加工品を製造する工場で用いられる。板金加工品を製造する工程には、例えば受注工程、曲げ工程、溶接工程等の複数の作業工程が含まれる。
【0017】
見積システム10は、画像処理装置100と、入力端末200と、サーバ装置300と、ユーザ端末400と、作業端末500A、・・・、500B(以下、総称して「作業端末500」ともいう。)とを備える。これらの装置は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク600を介して接続されている。
【0018】
画像処理装置100は、受注工程を担当する作業者により、顧客から受領した図面(以下、「顧客図面」という。)を読み取るために用いられる。画像処理装置100は、例えばプリンター、イメージスキャナ等の機能が一つにまとめられた機器である。この顧客図面に基づいて製品を製造する作業に関する見積りに用いられる図面(以下、「見積図面」という。)が生成される。
【0019】
入力端末200は、受注工程を担当する作業者により、サーバ装置300に見積情報を入力するために用いられる。入力端末200は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。入力端末200は、キーボード、マウス、ハードウェアボタン、タッチセンサ等の操作部201を備え、作業者の操作を受け付ける。
【0020】
サーバ装置300は、受注及び生産に関する情報を管理する。また、サーバ装置300は、見積図面と注文情報とに基づいて見積りを作成するとともに、見積図面上に作業の内容が表示されるように、見積図面を加工する機能を有する。
【0021】
受注工程が完了すると、製品の材料と、現品票と、製造図面とがセットで製品を製造する作業が行われる作業現場に運ばれる。現品票には、製品の製造番号を示す符号化画像が含まれる。符号化画像は、情報が符号化された画像である。符号化画像には、例えばバーコード又は二次元コードが含まれる。ただし、符号化画像は、バーコードや二次元コードに限定されず、情報が符号化された画像であればどのような画像であってもよい。
【0022】
ユーザ端末400は、製品を製造する作業を行う各作業者が作業を開始する際に、その作業に関連する符号化画像を読み取るために用いられる。符号化画像の読み取りにより、作業者が作業を開始することが認識される。ユーザ端末400は、例えば作業者により持ち運ばれて使用されるスマートフォンである。ユーザ端末400は、デジタルカメラ等の撮像部401を備え、撮像部401により撮影された符号化画像を読み取る。ユーザ端末400は、本発明に係る「読取装置」の一例である。
【0023】
作業端末500は、作業者が製品を製造する作業を行う際に、その作業に関する見積図面を表示するために用いられる。見積図面には、作業の内容が図示される。そのため、作業者は、作業端末500に表示された見積図面を見ることにより作業の内容を容易に把握することができる。複数の作業端末500は、それぞれ異なる作業工程が行われる作業現場に設置される。例えば作業端末500Aは、溶接工程が行われる作業現場に設置される。作業端末500Bは、曲げ工程が行われる作業現場に設置される。作業端末500は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。作業端末500は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示部501を備え、見積図面を表示する。作業端末500は、本発明に係る「端末装置」の一例である。
【0024】
図2は、サーバ装置300の構成の一例を示す図である。サーバ装置300は、制御部301と、通信部302と、記憶部303とを備える。これらの構成は、バス304を介して接続されている。制御部301は、プロセッサとも呼ばれ、サーバ装置300の各部の制御及び各種の処理を行う。制御部301には、例えばCPU(Central Processing Unit)が含まれる。記憶部303は、メモリとも呼ばれ、各種のデータ及びプログラムを記憶する。記憶部303には、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(hard disk drive)、及びSSD(Solid State Drive)のうち少なくとも一つが含まれる。通信部302は、サーバ装置300をネットワーク600に接続するための通信インターフェースである。通信部302は、ネットワーク600を介して接続された他の装置と通信を行うために用いられる。記憶部303には、サーバ装置300の機能を実現するためのプログラムが記憶される。また、記憶部303には、見積管理テーブル321と、スケジュール管理テーブル322とが記憶される。
【0025】
図3は、見積管理テーブル321の一例を示す図である。見積管理テーブル321には、注文番号と、製造番号と、図面番号と、注文情報と、品名と、数量と、素材情報と、加工情報と、作業工程と、見積工数と、見積金額とが含まれる。注文番号は、顧客からの注文を一意に識別する識別子である。製造番号は、顧客から注文された製品の製造を一意に識別する識別子である。図面番号は、顧客から注文された製品の図面を一意に識別する識別子である。注文情報は、顧客からの注文に関する情報である。注文情報には、顧客名と、納期とが含まれる。顧客名は、注文を行った顧客の名称である。納期は、顧客から製造を注文された製品を納入する期限である。品名は、顧客から製造を注文された製品の名称である。数量は、顧客から製造を注文された製品の数である。素材情報は、顧客から注文された製品の素材を示す情報である。加工情報は、顧客から注文された製品を製造するのに必要な加工を示す情報である。作業工程は、顧客から注文された製品を製造するのに必要な作業の工程を示す情報である。見積工数は、顧客からの注文に応じて製品を製造する作業に要すると見積もられた時間である。見積金額は、顧客からの注文に応じて製品を製造する作業に要すると見積もられた金額である。
【0026】
図4は、スケジュール管理テーブル322の一例を示す図である。スケジュール管理テーブル322には、製造番号と、図面番号と、作業の種類と、作業者名と、予定開始日時と、予定終了日時と、予定工数と、開始日時と、終了日時と、実績工数とが含まれる。製造番号及び図面番号は、見積管理テーブル321に含まれる製造番号及び図面番号と同様である。作業の種類は、作業の種別を一意に示す情報である。作業者名は、製品を製造する作業を行う作業者の名称である。作業者は、例えば各作業者の仕事量や能力に応じて予め割り当てられる。予定開始日時は、製品を製造する作業が開始される予定の日時である。予定終了日時は、製品を製造する作業が終了する予定の日時である。予定開始日時及び予定終了日時は、作業者の予定及び作業内容に応じて予め決められる。予定工数は、作業に要する予定の日時である。予定工数には、見積管理テーブル321に含まれる見積工数が用いられてもよい。開始日時は、製品を製造する作業が実際に開始された日時である。終了日時は、製品を製造する作業が実際に終了した日時である。実績工数は、製品を製造する作業に実際に要した日時である。
【0027】
図2に戻り、制御部301は、受信手段311と、取得手段312と、特定手段313と、加工手段314と、算出手段315と、生成手段316と、記憶制御手段317と、出力手段318として機能する。これらの機能は、制御部301が記憶部303に記憶されたプログラムを実行して、制御部301が演算を行い又はサーバ装置300の各部を制御することにより実現される。
【0028】
受信手段311は、画像処理装置100から顧客図面を受信する。取得手段312は、受信手段311により受信された顧客図面に基づいて、見積図面を生成して取得する。特定手段313は、受信手段311により受信された顧客図面に基づいて、製品を製造する作業要素を特定する。加工手段314は、特定手段313により特定された作業要素に基づいて、製品を製造する各作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが見積図面上に表示されるように、取得手段312により取得された見積図面を加工する。ここでいう「オブジェクト」とは、図形や画像により示される仮想的な物体をいう。ここでいう「加工」とは、見積図面に変更を加えることをいう。算出手段315は、加工手段314により加工された見積図面に基づいて、製品を製造する作業の見積工数及び見積金額を算出する。生成手段316は、加工手段314により加工された見積図面の図面番号を示す符号化画像を生成する。記憶制御手段317は、算出手段315により算出された見積工数及び見積金額を見積管理テーブル321に格納する。また、記憶制御手段317は、生成手段316により生成された符号化画像がユーザ端末400により読み取られた日時に基づいて、符号化画像に関連する作業の開始日時及び終了日時をスケジュール管理テーブル322に格納する。出力手段318は、加工手段314により加工された見積図面を作業端末500に出力する。
【0029】
なお、サーバ装置300と同様に、画像処理装置100、入力端末200、ユーザ端末400、作業端末500もそれぞれ制御部、通信部、及び記憶部を備える。そして、これらの装置の機能も、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを実行して、制御部が演算を行い又は装置の各部を制御することにより実現される。また、以下の説明において、これらの装置を動作の主体として記載する場合には、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより装置の動作が行われることを意味する。
【0030】
図5は、見積りを作成する際の見積システム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。見積りを作成する場合には、まず顧客から顧客図面を受領する。顧客図面は、例えば二次元の図面である。ステップS11において、画像処理装置100は、顧客図面を読み取ってデジタル形式の図面に変換する。このとき、画像処理装置100は、顧客図面に含まれる文字を認識するために、顧客図面にOCR(Optical Character Recognition)処理を施してもよい。
【0031】
図6は、図面の一例を示す図である。図6に示される顧客図面710には、図形711と、製造情報712とが含まれる。図形711には、製品の正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図、断面図、及び展開図のうち少なくとも一つが含まれる。製造情報712には、例えば製品の品名、製品の材質や板厚等の素材情報、曲げや溶接、バリ取り等の加工情報、顧客名や部署名、注文日、納期等の注文情報、図面の縮尺、表面処理や熱処理等の規格情報が含まれる。なお、製造情報712は、必ずしも文字で記載されなくてもよく、加工情報を表す製造用記号、図形、寸法を表す寸法線、又は寸法値で表されてもよい。
【0032】
図5に戻り、ステップS12において、画像処理装置100は、ステップS11において読み取られた顧客図面をサーバ装置300に送信する。ステップS13において、サーバ装置300の記憶制御手段317は、画像処理装置100から受信した顧客図面に図面番号を付与して記憶部303に記憶させる。
【0033】
ステップS14において、作業者は、入力端末200の操作部201を用いて、サーバ装置300の記憶部303に記憶された顧客図面の中から対象の顧客図面を選択し、見積情報を入力する操作を行う。この見積情報には、例えば注文番号、製造番号、注文情報、品名、数量、素材情報、加工情報、図面の縮尺、及び作業工程が含まれる。
【0034】
ステップS15において、入力端末200は、見積情報をサーバ装置300に送信する。ステップS16において、サーバ装置300の記憶制御手段317は、入力端末200から受信した見積情報を見積管理テーブル321に格納する。例えば「201」という図面番号の顧客図面が選択され、「001」という注文番号と、「101」という製造番号と、「顧客X」という顧客名と、「20XX/12/20」という納期と、「板金加工品O」という品名と、「4」という数量とを含む見積情報が入力された場合には、図3に示されるようにこれらの情報が関連付けられて見積管理テーブル321に格納される。
【0035】
ステップS17において、サーバ装置300の取得手段312は、ステップS13において記憶された顧客図面に基づいて見積図面を生成する。図6に示される例では、顧客図面710に含まれる図形711をトレースすることにより見積図面720が生成される。このトレースは、例えば作業者により入力端末200において行われる図形711をなぞる操作に従って行われてもよいし、画像処理によるライントレース技術を利用して行われてもよい。
【0036】
ステップS18において、サーバ装置300の特定手段313は、顧客図面及び見積情報に基づいて、製品を製造する作業の作業要素を特定する。図6に示される例では、顧客図面710には、製品を製造する作業要素が所定の形式で示されている。特定手段313は、顧客図面710に含まれる図形711を画像認識することにより作業要素を特定する。或いは、特定手段313は、顧客図面710に含まれる製造情報712から作業要素を特定してもよい。作業要素には、製品を製造する作業工程において加工等の作業が行われる箇所及びその作業量が含まれる。例えば作業工程に溶接工程が含まれる場合には、溶接箇所の数及び溶接の長さが含まれる。作業工程に曲げ工程が含まれる場合には、曲げの対象となる箇所及び曲げの長さが含まれる。
【0037】
ステップS19において、サーバ装置300の加工手段314は、ステップS18において特定された各作業要素を示すオブジェクトを見積図面に付加する。これにより、加工された見積図面が生成される。見積図面は、各作業工程に対応するレイヤーを有する。例えば製品を製造する作業工程に曲げ工程と溶接工程とが含まれる場合、図6に示されるように見積図面720には図形711が描画された原画像レイヤー721の他に、曲げ工程に対応する曲げレイヤー722と、溶接工程に対応する溶接レイヤー723とが含まれる。各レイヤーには、対応する作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが含まれる。オブジェクトが付加された見積図面は、見積りの作成に用いられるだけでなく、作業の内容を示す作業指示書としての役割を担う。
【0038】
図7は、作業要素を示すオブジェクトの一例を示す図である。ここでは、溶接工程において溶接が一箇所行われるものとする。この場合、図6に示されるように、見積図面720の溶接レイヤー723に、溶接オブジェクト731が付加される。これにより、加工された見積図面730が生成される。溶接オブジェクト731は、例えば図形711を形成する線とは色、線種、又は太さが異なる線である。溶接オブジェクト731は、例えば図形711よりも目立つ赤色等の色を有してもよい。図7に示されるように、この溶接オブジェクト731は、溶接の対象となる部分を示すために、図形711により示される溶接の対象となる部分に付加される。また、溶接オブジェクト731は、溶接の種類によって異なる外観を有してもよい。例えば溶接オブジェクト731は、電気溶接を行う場合とレーザー溶接を行う場合とで異なる色、線種、又は太さを有してもよい。
【0039】
ステップS20において、サーバ装置300の加工手段314は、加工された見積図面を作業工程毎に分解する。例えば作業工程に溶接工程と曲げ工程とが含まれる場合、分解後の見積図面には、溶接工程用の見積図面と曲げ工程用の見積図面とが含まれる。溶接工程用の見積図面は、図7に示されるように原画像レイヤー721の上に溶接レイヤー723を重ねることにより構成される。曲げ工程用の見積図面は、原画像レイヤー721の上に曲げレイヤー722を重ねることにより構成される。このようにして生成された作業工程毎の見積図面は、記憶部303に記憶される。
【0040】
ステップS21において、サーバ装置300の算出手段315は、加工された見積図面及び見積情報に基づいて、製品を製造する作業の見積工数及び見積金額を算出する。見積工数は、製品を製造する作業に要する時間である。見積工数は、例えば予め記憶部303に記憶された各作業要素の作業に要する時間を参照して、ステップS18において特定された作業要素に応じて算出される。見積金額には、材料費、作業費、及び購入費が含まれる。材料費は、製品の材料に要する費用である。例えば予め記憶部303に記憶された各材料の費用を参照して、製品のサイズ、材質、及び板厚により決定される材料に応じて算出される。製品のサイズは、例えば見積図面から特定されてもよい。作業費は、曲げや溶接等の、製品の製造に必要な加工に要する作業の費用である。例えば予め記憶部303に記憶された単位時間当たりの作業費を参照して、見積工数に応じて算出される。購入費は、ナットやネジ等の、製品の製造に必要な一般に流通している汎用部材の購入に要する費用である。購入費は、例えば予め記憶部303に記憶された各汎用部材の費用を参照して、製品の製造に必要な汎用部材に応じて算出される。製品の製造に必要な汎用部材は、例えば見積図面から特定されてもよい。なお、見積金額には、材料費、作業費、及び購入費の他に、所定の間接費が含まれてもよい。
【0041】
ステップS22において、サーバ装置300の記憶制御手段317は、ステップS20において算出された見積工数及び見積金額を見積管理テーブル321に格納する。例えば見積工数が「15」であり、見積金額が「30,000」円である場合、図3に示されるように、「201」という図面番号に関連付けてこれらの情報が格納される。
【0042】
ステップS23において、サーバ装置300の生成手段316は、所定のタイミングで見積図面に対応する製造番号を示す符号化画像を生成し、現品票を示す現品票データに付加する。この符号化画像751は、例えば製造番号を符号化することにより生成される。
【0043】
図8は、現品票750の一例を示す図である。現品票750は、製品の材料に添付される伝票である。現品票750には、例えば図3に示される見積管理テーブル321に含まれる製造番号「101」、納期「20XX/12/20」、品名「板金加工品O」、及び数量「4」が含まれる。また、現品票750には、製造番号「101」を示す符号化画像751が含まれる。
【0044】
ステップS24において、サーバ装置300の出力手段318は、現品票の印刷指示を画像処理装置100に送信する。この印刷指示には、現品票データが含まれる。
【0045】
ステップS25において、画像処理装置100は、サーバ装置300から受信した印刷指示に従って現品票を印刷する。例えば、図8に示される現品票750が印刷される。このようにして印刷された現品票は、製造図面とともに製品の材料に添付され、各作業工程の作業者へと運ばれる。なお、製造図面は、顧客図面に基づいて見積図面とは別に作成される。
【0046】
図9は、作業者が製品を製造する作業を行う際の見積システム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。作業者の下には、製品の材料、現品票、及び製造図面のセットが運ばれる。ステップS31において、作業者は、作業を開始する際に、ユーザ端末400を用いて現品票に付加された符号化画像を読み取る。例えばユーザ端末400はまず、撮像部401で図8に示される現品票750に含まれる符号化画像751を撮影する。続いて、ユーザ端末400は、撮影して得られた符号化画像751を復号して製造番号を取得する。ステップS32において、ユーザ端末400は、この製造番号と作業者が行う作業の種類とをサーバ装置300に送信する。ここでは、作業の種類は、ユーザ端末400の記憶部に予め記憶されている。例えばユーザ端末400が溶接工程の作業者により使用される場合、ユーザ端末400の記憶部には「溶接」という作業の種類が予め記憶されており、この作業の種類が読み出されて送信される。
【0047】
ステップS33において、サーバ装置300の記憶制御手段317は、符号化画像が最初に読み取られた日時を作業の開始日時としてスケジュール管理テーブル322に格納する。この符号化画像が最初に読み取られた日時としては、製造番号が受信された日時が用いられてもよい。例えば「20XX/12/10 10:10」に図8に示される符号化画像751が最初に読み取られ、ユーザ端末400から「101」という製造番号と「溶接」という作業の種類とが受信された場合には、図4に示されるように、この「101」という製造番号及び「溶接」という作業の種類に関連付けて、「20XX/12/10 10:10」という開始日時が格納される。
【0048】
ステップS34において、サーバ装置300の出力手段318は、符号化画像を読み取ったユーザ端末400に関連する作業端末500に、対応する作業工程の見積図面の表示指示を送信する。ここでは、ユーザ端末400が溶接工程の作業を行う作業者により使用されている場合を想定する。この場合には、溶接工程が行われる作業現場に設置された作業端末500Aに溶接工程用の見積図面の表示指示が送信される。この表示指示には、溶接工程用の見積図面が含まれる。溶接工程用の見積図面は、図7に示されるように、原画像レイヤー721の上に溶接レイヤー723だけを重ねたものである。
【0049】
ステップS35において、作業端末500は、サーバ装置300から受信した見積図面を表示部501に表示する。例えば図7に示される見積図面730が溶接工程の作業現場に設置された作業端末500Aに表示される。図7に示されるように、見積図面730上には溶接箇所を示す溶接オブジェクト731が表示されている。そのため、溶接を行う作業者は、この見積図面730を見ることにより、溶接箇所及び溶接の長さを容易に把握することができる。なお、見積図面730はあくまで見積り用であり、図面の精度は必ずしも高くないため、実際の溶接作業は、見積図面730ではなく製造図面に基づいて行われる。
【0050】
ここで、作業の見積りと実際の作業内容とが異なる場合があるが、作業者は、見積図面730に付加されたオブジェクトを見ることにより、作業の見積りと実際の作業内容とが異なることを認識することができる。また、作業の見積りと実際の作業内容とが異なる場合、作業者は、受注工程の担当者にその旨を伝えてもよい。これにより、見積りの内容を修正したり、次回の受注時に実際の作業内容に合わせた作業の見積を作成したりすることができる。
【0051】
作業が終了すると、ステップS36において、作業者は、上述したステップS31と同様に、ユーザ端末400を用いて現品票に付加された符号化画像を再び読み取る。ステップS37において、ユーザ端末400は、ステップS36において符号化画像から取得した製造番号とこの作業の種類とをサーバ装置300に送信する。
【0052】
ステップS38において、サーバ装置300の記憶制御手段317は、符号化画像が再び読み取られた日時を作業の終了日時としてスケジュール管理テーブル322に格納する。この符号化画像が再び読み取られた日時としては、製造番号が再び受信された日時が用いられてもよい。例えば「20XX/12/10 10:16」に図8に示される符号化画像751が再び読み取られ、ユーザ端末400から「101」という製造番号と「溶接」という作業の種類とが再び受信された場合には、この「101」という製造番号及び「溶接」という作業の種類に関連付けて、「20XX/12/10 10:16」という終了日時が格納される。
【0053】
ステップS39において、サーバ装置300の算出手段315は、開始日時及び終了日時に応じて実績工数を算出する。例えば図4に示されるように、「開始日時」が「20XX/12/10 10:10」であり、「終了日時」が「20XX/12/10 10:16」である場合には、開始日時から終了日時までの時間である「6」が実績工数として算出される。
【0054】
ステップS40において、サーバ装置300の記憶制御手段317は、ステップS39において算出された実績工数をスケジュール管理テーブル322に格納する。例えば図4に示されるように、「101」という製造番号及び「溶接」という作業の種類に関連付けて「6」という実績工数が格納される。
【0055】
スケジュール管理テーブル322に含まれる情報は、例えば管理者の操作に応じて作業端末500又はユーザ端末400に表示されてもよい。これにより、管理者は、各作業者の作業予定及び作業実績を把握することができる。
【0056】
以上説明した実施形態によれば、見積図面に付加されたオブジェクトにより作業の内容が示されるため、作業者による作業内容の把握が促進される。また、見積図面は、見積りの作成だけでなく、作業指示書として用いられるため、見積図面が有効に活用される。
【0057】
変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。また、上述した実施形態が以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0058】
上述した実施形態において、見積図面の加工方法は、オブジェクトの付加に限定されない。例えば見積図面に含まれる図形の線の色、太さ、及び線種のうち少なくとも一つが変更されてもよい。
【0059】
上述した実施形態において、作業の終了の際に必ずしも符号化画像が読み取られなくてもよい。例えば一の符号化画像が読み取られた後、他の符号化画像が読み取られた日時が、一の符号化画像に対応する作業の終了日時として用いられてもよい。
【0060】
上述した実施形態において、作業端末500に見積図面を表示させる契機は、符号化画像の読み取りに限定されない。例えば、ユーザ端末400に作業のスケジュールが表示される場合、このスケジュールの中から開始する作業を選択し、作業を開始することを示す操作が行われたことを契機として、作業端末500に見積図面を表示されてよい。この変形例では、この操作が行われると、サーバ装置300にその旨が通知され、サーバ装置300から作業端末500に見積図面を含む表示指示が送信される。
【0061】
上述した実施形態において、図面は必ずしも二次元の図面に限定されず、三次元の図面であってもよい。三次元の見積図面にも、作業の対象となる部分に作業要素を示すオブジェクトが付加される。
【0062】
上述した実施形態において、サーバ装置300は、他のハードウェア要素を備えてもよいし、サーバ装置300の一部のハードウェア要素が他の装置に設けられてもよい。また、サーバ装置300の少なくとも一部の機能が他の装置により実現されてもよい。
【0063】
本発明の別の態様は、画像処理装置100、入力端末200、サーバ装置300、ユーザ端末400、又は作業端末500において実行されるプログラムとして提供されてもよい。このプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよいし、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよい。
【0064】
上述した実施形態において、見積図面にはさらに見積情報が付加されてもよい。見積情報とは、見積金額の算出に用いられる情報をいう。見積情報の例としては、見積りの前提や見積条件となる作業の詳細な種類、作業の方法、作業内容、作業手順、作業に用いられる設定値等が挙げられる。作業が溶接工程の作業である場合、作業の詳細な種類には、レーザー溶接、スポット溶接等の溶接の種類が含まれる。また、設定値には溶接電流値が含まれる。作業が仕上げ工程の作業である場合、作業の詳細な種類には、鏡面仕上げ等の仕上げの種類が含まれる。ここでは、見積者が見積りを作成するものとする。この場合、見積情報は、例えば見積者による入力端末200の操作に応じてサーバ装置300に入力される。ここでは、見積情報には、図7の溶接オブジェクト731により示される溶接に関し、「レーザー溶接、溶接電流値A1」という文字情報が含まれる例を挙げて説明する。この場合、溶接レイヤー723の溶接オブジェクト731の近傍には、「レーザー溶接、溶接電流値A1」という文字情報が付加される。この表示により、作業者は、自分が担当する作業の見積情報を認識することができる。
【0065】
また、見積図面には注意情報が付加されてもよい。ここでは、サーバ装置300の記憶部303には作業工程毎に注意情報が記憶されているものとする。この場合、各作業工程の見積図面には、その作業工程の注意情報が付加されてもよい。この表示により、作業者は、自分が担当する作業の注意情報を認識することができる。
【0066】
さらに、見積情報により示される作業内容と実際の作業内容とに差異がある場合には、作業者によるユーザ端末400又は作業端末500の操作に応じて作業者のコメントが入力されてもよい。例えば見積情報に含まれる作業の詳細な種類はスポット溶接であるが、実際の作業ではレーザー溶接が行われた場合には、その旨を示すコメントが入力されてもよい。見積者は、入力端末200にこのコメントを表示させて見ることができる。このように、見積情報により示される作業内容と実際の作業内容とに差異がある場合には、作業者から見積者にフィードバックが行われることにより、見積者は、見積りの際に想定した作業内容が間違っていたことが分かる。これにより、見積者は、今後作成する見積りを修正することができるため、見積精度の向上につながる。
【0067】
さらに、見積図面には見積工数が付加されてもよい。この変形例では、見積工数は、作業工程毎に算出される。図7に示される例では、溶接レイヤー723には溶接工程の見積工数が付加される。この表示により、作業者は見積工数を認識することができる。
【0068】
さらに、実際の作業時間が見積工数に応じて定められた上限時間を超えると、アラームが出力されてもよい。この変形例では、見積工数は作業工程毎に算出される。また、サーバ装置300により見積工数に応じた上限時間が定められる。上限時間は、見積工数より大きい時間であってもよい。一の例において、上限時間は、見積工数に110%を乗じて得た時間である。なお、見積工数に乗じる値は110%に限定されず、110%より大きい値であってもよいし、小さい値であってもよい。溶接工程の作業の開始日時が格納されてから、この作業の終了日時が格納されずに上限時間が経過すると、アラームが出力される。このアラームの出力の例としては、作業端末500における画像の表示、音の出力、及びこれらの組合せが挙げられる。また、このアラームは、見積者が使用する入力端末200から出力されてもよい。アラームの出力により、作業者及び見積者は、実際の作業時間が見積工数を上回ったことを認識することができる。これにより、作業者は見積工数の範囲で作業が完了するように意識して作業を行うことができる。また、見積者は、見積りの際に想定した作業内容が間違っていたことが分かる。これにより、見積者は、今後作成する見積りを修正することができるため、見積精度の向上につながる。
【0069】
上述した実施形態において、作業の種類は、作業者によるユーザ端末400の操作に応じて入力されてもよい。一の例において、ユーザ端末400には、作業の種類を選択する操作に用いられる画面が表示される。作業者がこの画面を用いて操作を行うことにより、作業の種類が入力される。別の例において、現品票には、それぞれ異なる作業の種類と一の製造番号との組合せを示す複数の符号化画像が含まれる。例えば作業者が溶接工程の作業を行う場合には、ユーザ端末400を用いて、複数の符号化画像のうち、溶接工程の作業の種類と製造番号との組合せを示す符号化画像を読み取る。このような方法で作業の種類が取得されてもよい。
【0070】
上述した実施形態において、見積図面は図7に示される見積図面730に限定されない。見積図面は、三面図であってもよいし、六面図であってもよいし、これらの図面のうち作業の内容をよく表す少なくとも一の図面であってもよい。ここでは、作業により製造される製品がコの字の形状を有する場合を想定する。この場合、図10に示されるように、平面図が見積図面として用いられ、この平面図に含まれる図形760において溶接の対象となる部分に溶接オブジェクト761が付加されてもよい。或いは、図11に示されるように、断面図が見積図面として用いられ、この断面図に含まれる図形765において溶接対象となる部分に溶接オブジェクト766が付加されてもよい。溶接オブジェクト766は、円形の形状を有する。これは、溶接線が紙面の手前から奥行方向に沿って延びることを示す。この断面図においては、溶接線が紙面の手前から奥行方向に沿って延びる。そのため、溶接オブジェクト766は、溶接の対象となる部分に加え、溶接線が紙面の手前から奥行方向に沿って延びることを示す役割を担う。なお、溶接オブジェクト766は、図11に示される外観に限定されず、どのような外観を有していてもよい。
【0071】
上述した実施形態において、顧客図面は三次元の図面であってもよい。この場合、既知の技術を用いて三次元の図面を二次元の図面に展開してから見積図面が生成されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10:見積システム、100:画像処理装置、200:入力端末、300:サーバ装置、311:受信手段、312:取得手段、313:特定手段、314:加工手段、315:算出手段、316:生成手段、317:記憶制御手段、318:出力手段、400:ユーザ端末、500:作業端末
【要約】
サーバ装置は、製品を製造する作業に関する見積りに用いられる図面を取得する取得手段と、製品を製造する各作業工程において行われる作業の内容を示すオブジェクトが図面上に表示されるように、図面を加工する加工手段と、加工された図面を端末装置に出力する出力手段とを備える。
図1
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