(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】冷凍システム
(51)【国際特許分類】
F25D 3/00 20060101AFI20220914BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20220914BHJP
F25D 16/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
F25D3/00 Z
F25D11/00 101Z
F25D16/00
(21)【出願番号】P 2021027478
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】202020285852.0
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521065300
【氏名又は名称】プロアドヴァンサー ロジスティクス テクノロジー (スーチョウ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PROADVANCER Logistics Technology (Suzhou) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 107, Block 6, 25 Lushan Road, Huqiu District, Suzhou, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー ジアホン
(72)【発明者】
【氏名】ルー チアホ
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-092939(JP,A)
【文献】特開昭60-261738(JP,A)
【文献】特開昭61-153362(JP,A)
【文献】特開2001-066028(JP,A)
【文献】実開平02-016974(JP,U)
【文献】実開昭63-144568(JP,U)
【文献】実開平04-027368(JP,U)
【文献】実開平05-040779(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104276220(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 3/00
F25D 11/00
F25D 16/00
B60N 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷キャビネット、冷蔵/冷凍機構、冷凍装置及び少なくとも1つの保冷コンポーネントを含み、前記冷凍装置は、前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方を冷凍するために、前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方に連通され、前記冷蔵/冷凍機構は、少なくとも1つの移動可能な冷蔵/冷凍ユニットを含み、
前記冷蔵/冷凍ユニットは、冷蔵/冷凍保温箱を含み、前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記冷蔵/冷凍保温箱が着脱可能に配置され、前記冷蔵/冷凍
保温箱は、モノを冷蔵/冷凍するためのものであり、
前記製氷キャビネット又は前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記保冷コンポーネントが着脱可能に配置されており、
前記保冷コンポーネント上に、前記保冷コンポーネントの内側と外側を連通するポートが配置され、
前記製氷キャビネット内に前記保冷コンポーネントが配置されている場合、前記保冷コンポーネントのポートと前記製氷キャビネットとは、パイプによって連通され、前記パイプ内に、前記保冷コンポーネントを冷却するための冷媒が流れ、前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記保冷コンポーネントが配置されている場合、前記保冷コンポーネントは、前記冷蔵/冷凍ユニットを冷却するためのものであり、前記製氷キャビネット内に取り付け用ブラケットが配置され、前記取り付け用ブラケット内に前記保冷コンポーネントが着脱可能に配置されており、
前記冷凍装置は、第1の冷凍ホストと前記第1の冷凍ホストに連通される第2の冷凍ホストを含み、非輸送中には、前記冷凍装置が前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構に同時に連通されることで、前記製氷キャビネット内の前記保冷コンポーネント、及び前記冷蔵/冷凍機構内の前記モノの冷凍を実現し、輸送中には、前記冷蔵/冷凍保温箱を前記冷蔵/冷凍機構から取り外し、前記冷蔵/冷凍保温箱を輸送車両に搭載することで、輸送中には、前記冷蔵/冷凍保温箱内の前記モノの冷蔵/冷凍を実現する、冷凍システム。
【請求項2】
前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記保冷コンポーネントがある場合、前記保冷コンポーネントのポートは、密封状態にある、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項3】
前記冷蔵/冷凍保温箱の箱本体の内壁に保冷ボックスが配置され、前記保冷ボックス内に前記保冷コンポーネントが着脱可能に配置されている、請求項1に記載の冷凍システム。
【請求項4】
前記保冷コンポーネントは、外部ケースと、前記外部ケースの内部に配置されている内部ケースと、を含み、前記内部ケースの内部に冷凍するための保冷剤が格納され、前記外部ケースと前記内部ケースとの隙間に前記冷媒が格納され、
前記ポートは、前記外部ケース上に配置されている液体入口と液体出口を含み、前記液体入口は、前記冷媒が前記隙間内に流れ込み、前記冷媒と前記内部ケースが熱交換できるようにするためのものであり、前記液体出口は、熱交換された前記冷媒が外部ケースから流れ出すようにするためのものである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の冷凍システム。
【請求項5】
前記液体入口に近い前記パイプの一端、及び前記液体出口に近い前記パイプの一端にクイックコネクタが配置されている、請求項4に記載の冷凍システム。
【請求項6】
前記保冷コンポーネントは、換気パイプをさらに含み、前記外部ケース上に空気入口と空気出口が配置され、前記換気パイプは前記保冷コンポーネントの内部を貫通して配置される上に、前記換気パイプの両端はそれぞれ、前記空気入口と前記空気出口に連通され、前記空気入口は、前記換気パイプ内に冷却空気流を供給するためのものであり、前記空気出口は、熱交換された前記冷却空気流が流れ出すためのものである、請求項5に記載の冷凍システム。
【請求項7】
前記冷蔵/冷凍ユニットは、前記冷蔵/冷凍保温箱に連通される中間コンポーネントをさらに含み、前記中間コンポーネントは蒸発器、及び前記蒸発器の両端にそれぞれ配置されている第1のファンと第2のファンを含み、前記蒸発器は、前記冷凍装置に連通され、前記蒸発器は、前記第1のファンが吸い込んだ空気と前記冷凍装置に流れ込まれた冷媒を熱交換し、前記第2のファンが熱交換された空気を前記冷蔵/冷凍保温箱に送り込むようにする、請求項3に記載の冷凍システム。
【請求項8】
前記第1の冷凍ホストは、コンプレッサーと前記コンプレッサーに連通されるコンデンサーを含み、前記コンプレッサーは、ガス状冷凍剤を圧縮して前記コンデンサーに送るためのものであり、前記コンデンサーは、前記ガス状冷凍剤が放熱後に液体冷凍剤になるようにするためのものであり、
前記第2の冷凍ホストは、熱交換器と冷媒を保存するための水タンクとを含み、前記熱交換器の一端は、前記コンデンサーに連通され、前記熱交換器の他端は、前記水タンクに連通され、前記熱交換器は、前記液体冷凍剤と前記水タンク内の前記冷媒を熱交換するためのものである、請求項5に記載の冷凍システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍設備技術の分野に関し、特に、冷凍システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引の急速な発展は、高速で信頼性の高いことを最も基本的な要件としている物流業界の興起を推進した。コールドチェーンロジスティクスは、特別な物流分野であり、輸送する商品は、0℃から5℃、又は、-10℃から-18℃で保存する必要がある。
【0003】
従来の技術において、鮮度保持又は冷凍保存が必要なモノ、例えば、冷凍食品、乳製品、野菜や果物、ワクチン、医薬品などは、冷蔵/冷凍車を利用して輸送されるのが一般的である。一般的な冷蔵/冷凍車内に、冷凍ユニットの冷凍装置や、断熱コンパートメント(通常はポリウレタン素材、繊維強化プラスチック、カラー鋼板、ステンレス鋼などで構成されている)、コンパートメント温度レコーダーなどのコンポーネントが装備されている。冷蔵/冷凍車の断熱コンパートメントは、内部と外部との熱交換を減らすために、密封する必要があり、コンパートメント温度レコーダーは、コンパートメント内の温度をリアルタイムで検出して表示するためのものであり、冷凍設備は、断熱コンパートメントに連通し、継続的に冷凍を提供しつつ、これにより、モノの置かれている断熱コンパートメント内の温度が低く保たれるように保証される。
【0004】
しかしながら、上記の方法は、断熱コンパートメントを備えた冷蔵/冷凍車を利用して輸送する必要があり、輸送コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術で言及した少なくとも1つの課題を解決するために、本発明は、モノを常温車で輸送することを可能にし、配達コストをかなりの程度に削減する冷凍システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は、製氷キャビネット、冷蔵/冷凍機構、冷凍装置及び少なくとも1つの保冷コンポーネントを含む冷凍システムを提供し、前記冷凍装置は、前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方を冷凍するために、前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方に連通され、前記冷蔵/冷凍機構は、少なくとも1つの移動可能な冷蔵/冷凍ユニットを含み、前記冷蔵/冷凍ユニットは、モノを冷蔵/冷凍するためのものである。
【0007】
前記保冷コンポーネントは、前記製氷キャビネット又は前記冷蔵/冷凍ユニット内に着脱可能に配置されている。
【0008】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記保冷コンポーネント上に、前記保冷コンポーネントの内側と外側を連通するポートが配置され、前記製氷キャビネット内に前記保冷コンポーネントが配置されている場合、前記保冷コンポーネントのポートと前記製氷キャビネットとは、パイプによって連通され、前記パイプ内に、前記保冷コンポーネントを冷却するための冷媒が流れている。
【0009】
前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記保冷コンポーネントが配置されている場合、前記保冷コンポーネントは、前記冷蔵/冷凍ユニットを冷却するためのものである。
【0010】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記保冷コンポーネントがある場合、前記保冷コンポーネントのポートは、密封状態にある。
【0011】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記製氷キャビネット内に取り付け用ブラケットが配置され、前記取り付け用ブラケット内に前記保冷コンポーネントが着脱可能に配置されている。
【0012】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記冷蔵/冷凍ユニットは、冷蔵/冷凍保温箱を含み、前記冷蔵/冷凍保温箱の箱本体の内壁に保冷ボックスが配置され、前記保冷ボックス内に前記保冷コンポーネントが着脱可能に配置されている。
【0013】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記保冷コンポーネントは、外部ケースと前記外部ケース内部に配置されている内部ケースを含み、前記内部ケースの内部に冷凍するための保冷剤が格納され、前記外部ケースと前記内部ケースとの隙間に前記冷媒が格納される。
【0014】
前記ポートは、前記外部ケース上に配置されている液体入口と液体出口を含み、前記液体入口は、前記冷媒が前記隙間内に流れ込み、前記冷媒と前記内部ケースが熱交換できるようにするためのものであり、前記液体出口は、熱交換された前記冷媒が外部ケースから流れ出すようにするためのものである。
【0015】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記液体入口に近い前記パイプの一端、及び前記液体出口に近い前記パイプの一端にクイックコネクタが配置されている。
【0016】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記保冷コンポーネントは、換気パイプがさらに含まれ、前記外部ケース上に空気入口と空気出口が配置され、前記換気パイプは前記保冷コンポーネントの内部を貫通して配置される上に、前記換気パイプの両端はそれぞれ、前記空気入口と前記空気出口に連通され、前記空気入口は、前記換気パイプ内に冷却空気流を供給するためのものであり、前記空気出口は、熱交換された前記冷却空気流が流れ出すためのものである。
【0017】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記冷蔵/冷凍ユニットは、前記冷蔵/冷凍保温箱に連通する中間コンポーネントをさらに含み、前記中間コンポーネントは、蒸発器、及び前記蒸発器の両端にそれぞれ配置されている第1のファンと第2のファンを含み、前記蒸発器は、前記冷凍装置に連通され、前記蒸発器は、前記第1のファンが吸い込んだ空気と前記冷凍装置に流れ込まれた冷媒を熱交換し、前記第2のファンが熱交換された空気を前記冷蔵/冷凍保温箱に送り込むようにする。
【0018】
上記の冷凍システムには、選択的に、前記冷凍装置は、第1の冷凍ホストと前記第1の冷凍ホストに連通する第2の冷凍ホストを含み、前記第1の冷凍ホストは、コンプレッサーと前記コンプレッサーに連通するコンデンサーを含み、前記コンプレッサーは、ガス状冷凍剤を圧縮して前記コンデンサーに送るためのものであり、前記コンデンサーは、前記ガス状冷凍剤が放熱後に液体冷凍剤になるようにするためのものである。
【0019】
前記第2の冷凍ホストは、熱交換器と冷媒を保存するための水タンクを含み、前記熱交換器の一端は、前記コンデンサーに連通され、前記熱交換器の他端は、前記水タンクに連通され、前記熱交換器は、前記液体冷凍剤と前記水タンク内の前記冷媒を熱交換するためのものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、冷凍システムを提供し、当該冷凍システムは、製氷キャビネット、冷蔵/冷凍機構、冷凍装置及び少なくとも1つの保冷コンポーネントを含み、前記冷凍装置は、前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方を冷凍するために、前記製氷キャビネットと前記冷蔵/冷凍機構の少なくとも1つに連通され、前記冷蔵/冷凍機構は、少なくとも1つの移動可能な冷蔵/冷凍ユニットを含み、前記冷蔵/冷凍ユニットは、モノを冷蔵/冷凍するためのものであり、前記製氷キャビネット又は前記冷蔵/冷凍ユニット内に前記保冷コンポーネントが着脱可能に配置されている。
【0021】
非輸送中には、冷凍装置が製氷キャビネットと冷蔵/冷凍機構に同時に連通され、製氷キャビネット内に保冷コンポーネントを配置することで、製氷キャビネット内の保冷コンポーネント、及び冷蔵/冷凍機構内のモノの冷凍を実現することができる。輸送中には、冷蔵/冷凍保温箱を冷蔵/冷凍機構から取り外し、冷蔵/冷凍保温箱を輸送車両に搭載し、冷蔵/冷凍保温箱の保冷ボックス内に保冷コンポーネントを配置することで、輸送中には、冷蔵/冷凍保温箱内のモノの冷蔵/冷凍を実現することができる。したがって、本発明は、モノを常温車で輸送することを可能にし、配達コストをかなりの程度に削減する。
【0022】
本発明の構造、及びその他の発明の目的、有益な効果は、添付の図面と併せて好ましい実施例を説明することにより、より明白かつ理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するため、以下に実施例又は従来技術の記述において必要な図面を用いて簡単に説明を行うが、当然ながら、以下に記載する図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を想到しうる。
【
図1】本発明の実施例に係る冷凍システムの1つの構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係る冷凍システムのもう1つの構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係る冷凍システムの冷凍装置の第1の冷凍ホストの構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係る冷凍システムの冷凍装置の第2の冷凍ホストの構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例に係る冷凍システムの製氷キャビネットの構造概略図である。
【
図6】本発明の実施例に係る冷凍システムの保冷コンポーネントの構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例に係る冷凍システムの冷蔵/冷凍機構の構造概略図である。
【
図8】本発明の実施例に係る冷凍システムの冷蔵/冷凍機構の中間コンポーネントの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の好ましい実施例に係る図面を参照しながら、その技術的解決手段について明瞭かつ完全に説明する。図面において、同一又は類似の番号は、全体を通して同一又は類似の部品、又は、同一又は類似の機能を有する部品を示す。記載される実施例は本発明の実施例の一部にすぎず、そのすべての実施例ではない。以下に図面を参照して説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するためのものであると理解すべきではない。当業者は、本発明における実施例に基づいて創造的な労力を要することなく、取得されたその他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0025】
本発明の説明では、説明すべきものとして、「取り付ける」、「繋ぐ」、「接続する」という用語は、特に明確的に指定と限定されない限り、広い意味で理解されるべきであり、例えば、それは、固定接続であっても、又は中間媒体を介した間接接続であっても、2つの要素の内部接続又は2つの要素間の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、本発明における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に従って理解することができる。
【0026】
図1は、本発明の実施例に係る冷凍システムの1つの構造概略図である。
図2は、本発明の実施例に係る冷凍システムのもう1つの構造概略図である。
図3は、本発明の実施例に係る冷凍システムの冷凍装置の第1の冷凍ホストの構造概略図である。
図4は、本発明の実施例に係る冷凍システムの冷凍装置の第2の冷凍ホストの構造概略図である。
図5は、本発明の実施例に係る冷凍システムの製氷キャビネットの構造概略図である。
図6は、本発明の実施例に係る冷凍システムの保冷コンポーネントの構造概略図である。
図7は、本発明の実施例に係る冷凍システムの冷蔵/冷凍機構の構造概略図である。
図8は、本発明の実施例に係る冷凍システムの冷蔵/冷凍機構の中間コンポーネントの構造概略図である。
【0027】
図1と
図2に示すものを参照して、本発明の実施例は、冷凍システム100を提供し、当該冷凍システム100は、製氷キャビネット2、冷蔵/冷凍機構3、冷凍装置1及び少なくとも1つの保冷コンポーネント4を含み、冷凍装置1は、製氷キャビネット2と冷蔵/冷凍機構3の少なくとも1方を冷凍するために、製氷キャビネット2と冷蔵/冷凍機構3の少なくとも1方に連通される。
【0028】
例えば、冷凍装置1は、製氷キャビネット2を冷凍するために、製氷キャビネット2のみに連通されてもよいし、冷蔵/冷凍機構3を冷凍するために、冷蔵/冷凍機構3のみに連通されてもよいし、製氷キャビネット2と冷蔵/冷凍機構3を同時に冷凍するために、製氷キャビネット2と冷蔵/冷凍機構3に同時に連通されてもよい。
【0029】
冷凍装置1は、第1の冷凍ホスト11と第1の冷凍ホスト11に連通される第2の冷凍ホスト12を含む。そのうち、
図3に示すように、第1の冷凍ホスト11は、コンプレッサー111とコンプレッサー111に連通されるコンデンサー112を含み、コンプレッサー111は、ガス状冷凍剤を圧縮してコンデンサー112に送るためのものであり、コンデンサー112は、ガス状冷凍剤が放熱後に液体冷凍剤になるようにするためのものである。
【0030】
図4に示すように、第2の冷凍ホスト12は、熱交換器121と冷媒を保存するための水タンク122を含み、熱交換器121の一端は、コンデンサー112に連通され、熱交換器121の他端は、水タンク122に連通され、熱交換器121は、液体冷凍剤と水タンク122内の冷媒を熱交換するためのものである。
【0031】
1つの選択的な実施形態として、第2の冷凍ホスト12上には、ウォーターポンプ123をさらに配置してもよく、ウォーターポンプ123によって冷凍装置1と製氷キャビネット2とを連通するパイプ、及び/又は冷凍装置1と冷蔵/冷凍機構3とを連通するパイプに冷媒を送り込むことにより、製氷キャビネット2と冷蔵/冷凍機構3の急冷を実現できる。
【0032】
本実施例では、
図5に示すように、製氷キャビネット2内に取り付け用ブラケット22を配置してもよく、取り付け用ブラケット22内に保冷コンポーネント4が着脱可能に配置されている。この場合、保冷コンポーネント4と製氷キャビネット2とはパイプ21によって連通され、パイプ21内に保冷コンポーネント4を冷却するための冷媒が流れている。
【0033】
1つの選択的な実施形態として、パイプ21は、板状のパイプであってもよく、板状のパイプは、保冷コンポーネント4を冷凍するために、保冷コンポーネント4に対応して配置されている。板状のパイプ内に交差する複数のパイプラインを形成するラジエーターを配置してもよいため、冷媒が板状のパイプに流れ込む際の冷凍効率が高い。
【0034】
本実施例では、
図6に示すように、保冷コンポーネント4上に保冷コンポーネント4の内側と外側を連通するポート41が配置されている。製氷キャビネット2内に保冷コンポーネント4が配置されている場合、保冷コンポーネント4のポート41と製氷キャビネット2とはパイプ21によって連通され、パイプ21内に保冷コンポーネント4を冷却するための冷媒が流れている。
【0035】
図6を引き続き参照して、保冷コンポーネント4は、外部ケース42と外部ケース42の内部に配置されている内部ケース43を含み、内部ケース43の内部に冷凍するための保冷剤が格納され、外部ケース42と内部ケース43との隙間44に冷媒が格納される。内部ケース43が冷媒に浸漬されているため、冷媒は、内部ケース43の外殻を介して保冷剤の熱を吸収することで、内部ケース43中の保冷剤を冷凍し、さらに、保冷剤が自分自身及び周囲の小範囲内の低温環境を長期間保つことができるようにする。
【0036】
1つの選択的な実施形態として、内部ケース43と外部ケース42は着脱可能に接続されている。これにより、内部ケース43を予め取り出し、他の冷凍設備に入れて予冷却し、使用の時に、予冷却した内部ケース43を外部ケース42に入れ込み、冷媒によって内部ケース43を冷却し、これにより、内部ケース43の冷却時間を短縮する。
【0037】
具体的に、保冷コンポーネント4の内側と外側を連通するポート41は、外部ケース42上に配置されている液体入口411と液体出口412を含み、液体入口411は、冷媒が隙間44内に流れ込み、冷媒と内部ケース43が熱交換できるようにするためのものであり、液体出口412は、熱交換された冷媒が外部ケース42から流れ出すようにするためのものである。
【0038】
したがって、製氷キャビネット2内に保冷コンポーネント4が配置されている場合、低温の冷媒は、液体入口411より外部ケース42と内部ケース43との隙間44に流れ込み、液体出口412より外部ケース42から流れ出すようにすることができ、これにより、内部ケース43を冷凍することができる。
【0039】
冷蔵/冷凍保温箱311内に保冷コンポーネント4が配置されている場合、保冷コンポーネント4の内部ケース43に保冷剤が格納されているため、冷蔵/冷凍保温箱311内のモノの冷凍を実現できる上に、保冷剤が自分自身及び周囲の小範囲内の低温環境を長期間保持することができるため、これにより、冷凍時間をさらに延長して、冷凍効果を向上させることができる。
【0040】
本実施例では、当該保冷コンポーネント4は換気パイプ45をさらに含んでもよく、外部ケース42上に空気入口451と空気出口452が配置され、換気パイプ45は保冷コンポーネント4の内部を貫通して配置される上に、換気パイプ45の両端はそれぞれ、空気入口451と空気出口452に連通される。そのうち、空気入口451は、換気パイプ45内に冷却空気流を供給するためのものであり、空気出口452は、熱交換された冷却空気流が流れ出すためのものである。
【0041】
なお、
図5と
図6に示すものを合わせて、液体入口411に近いパイプ21の一端と液体出口412に近いパイプ21の一端にクイックコネクタ211が配置されることで、パイプ21と保冷コンポーネント4のポート41との間の迅速の接続と着脱を容易にすることができる。即ち、クイックコネクタ211を介した保冷コンポーネント4と製氷キャビネット2との連通は、保冷コンポーネント4の移動を容易にすることができる。
【0042】
説明すべきものとして、クイックコネクタは、ツールなしでパイプの連通又は切断を実現できるコネクタである。例示的に、本発明の実施例でのクイックコネクタ211は、エア用クイックコネクタ、液体用クイックコネクタなどであってもよい。本発明の実施例は、クイックコネクタ211の具体的なタイプを限定せず、上記例示的な例にも限定されない。
【0043】
本実施例では、
図7に示すように、冷蔵/冷凍機構3は、少なくとも1つの移動可能な冷蔵/冷凍ユニット31を含み、冷蔵/冷凍ユニット31は、モノを冷蔵/冷凍するためのものである。具体的に、冷蔵/冷凍機構3は、複数の冷蔵/冷凍ユニット31が着脱可能に接続して構成されてもよい。これにより、利用者は、冷蔵/冷凍機構3に装備された冷蔵/冷凍ユニット31の数を実際のニーズに応じて選択することができ、冷蔵/冷凍機構3が、異なる数の冷蔵/冷凍ユニット31の組み合わせによって異なるサイズと形を持ち、柔軟に操作し、使いやすくようにすることができる。
【0044】
そして、冷蔵/冷凍機構3は、2つ又は2つ以上の冷蔵/冷凍ユニット31を含む場合、さまざまな種類のモノを異なる冷蔵/冷凍ユニット31内に分類して保存することを実現でき、これにより、利用者が必要なモノを探すのは容易になり、冷蔵/冷凍機構3の利用の利便性を高める。
【0045】
本実施例では、冷蔵/冷凍ユニット31は、冷蔵/冷凍保温箱311を含んでもよく、冷蔵/冷凍ユニット31内に冷蔵/冷凍保温箱311が着脱可能に配置され、冷蔵/冷凍保温箱311の箱本体の内壁に保冷ボックス(図示せず)を配置してもよく、保冷ボックス内に保冷コンポーネント4が着脱可能に配置されている。保冷コンポーネント4を保冷ボックス内に着脱可能に配置することで、保冷コンポーネント4の移動を容易にすることができる。
【0046】
そのうち、冷蔵/冷凍保温箱311内に保冷コンポーネント4が配置されている場合、保冷コンポーネント4は、冷蔵/冷凍保温箱311を冷却するためのものである。
【0047】
保冷コンポーネント4が冷蔵/冷凍保温箱311内に位置する場合、保冷コンポーネント4のポート401は、密封状態にあり、これにより、保冷コンポーネント4の内部に流れている冷媒がポート401を介して冷蔵/冷凍保温箱311に流れ込むのを防止すると理解できる。
【0048】
説明すべきものとして、保冷ボックスは、冷蔵/冷凍保温箱311の箱本体の底部に配置されてもよいし、冷蔵/冷凍保温箱311の箱本体の側壁に配置されてもよいし、冷蔵/冷凍保温箱311の箱の蓋の上に配置されてもよい。上記解決手段のほか、保冷ボックスを冷蔵/冷凍保温箱311の箱本体の底部や、箱本体の側壁、箱の蓋の少なくとも2方に配置されてもよく、各保冷ボックス内には、いずれも少なくとも1つの保冷コンポーネント4を置くことができる。
【0049】
1つの選択的な実施形態として、冷蔵/冷凍保温箱311は、断熱箱本体であってもよく、断熱箱本体は、保冷コンポーネント4内の保冷剤と冷蔵/冷凍保温箱311の外部との熱交換を防止することができ、これにより、冷蔵/冷凍保温箱311内のモノに対する冷凍効果を保証する。
【0050】
本実施例では、製氷キャビネット2又は冷蔵/冷凍ユニット31内に少なくとも1つの保冷コンポーネント4が着脱可能に配置され、以下2つの可能な実現形態を含むが、これらに限定されない。
【0051】
1つの可能な実現形態には、冷蔵/冷凍保温箱311内に少なくとも1つの保冷コンポーネント4が着脱可能に配置され、例えば、非輸送中には、冷凍装置1は、製氷キャビネット2と冷蔵/冷凍保温箱311にそれぞれ同時に連通され、冷蔵/冷凍を必要とするモノが冷蔵/冷凍保温箱311内に置かれ、冷凍装置1は、冷蔵/冷凍保温箱311内のモノを冷凍することができる。この場合、製氷キャビネット2内に保冷コンポーネント4が配置され、冷凍装置1が製氷キャビネット2に連通されるため、冷凍装置1は、製氷キャビネット2内の保冷コンポーネント4を同時に冷凍することができる。
【0052】
もう1つの可能な実現形態には、冷蔵/冷凍保温箱311内に少なくとも1つの保冷コンポーネント4が着脱可能に配置され、例えば、輸送中には、製氷キャビネット2内の保冷コンポーネント4を取り出し、冷蔵/冷凍保温箱311に配置し、輸送車両を利用してモノが置かれている冷蔵/冷凍保温箱311を輸送する。保冷コンポーネント4は、冷蔵/冷凍保温箱311内のモノを冷蔵/冷凍することがで きるため、常温車を利用して冷蔵/冷凍保温箱311の輸送を実現することができ、これにより、配達コストをかなりの程度に削減する。
【0053】
説明すべきものとして、上記異なる実現形態は、冷凍システム100の異なる利用シーンを代表することができ、冷凍システム100は、異なるシーン(非輸送中又は輸送中)に従い、対応して異なる実現形態を選択することで、対応する冷凍効果を実現することができる。
【0054】
本実施例では、保冷コンポーネント4の数は、1つ、2つ又は複数であってもよく、本発明は、保冷コンポーネント4の具体的な数を限定しない。
【0055】
1つの選択的な実施形態として、保冷コンポーネント4は複数であり、各冷蔵/冷凍保温箱311内に、いずれも保冷コンポーネント4が着脱可能に取り付けられている。利用の際、保冷コンポーネント4を冷蔵/冷凍保温箱311から取り出し、製氷キャビネット2に入れ、冷凍装置1によって製氷キャビネット2を冷凍し、保冷コンポーネント4が設定温度に達するようにし、保冷コンポーネント4の設定温度は、各冷蔵/冷凍保温箱311のモノを保存するに必要な冷蔵/冷凍温度に従って決定されることができ、その後、設定温度に達した保冷コンポーネント4を対応する冷蔵/冷凍保温箱311内に入れ込み、保冷コンポーネント4が当該冷蔵/冷凍保温箱311内の密封空間を冷凍できるようにし、これにより、複数の冷蔵/冷凍保温箱311が異なる冷蔵/冷凍温度を持つようにすることができ、利用者は、冷蔵/冷凍を必要とするモノを対応する冷蔵/冷凍温度を持つ冷蔵/冷凍保温箱311に入れて冷蔵/冷凍することができ、これにより、モノに対する冷蔵/冷凍保温箱311の冷蔵/冷凍効果を向上させる。
【0056】
図8に示すように、冷蔵/冷凍ユニット31は、冷蔵/冷凍保温箱311に連通される中間コンポーネント312をさらに含み、中間コンポーネント312は、蒸発器3121、及び蒸発器3121の両端にそれぞれ配置されている第1のファン3122と第2のファン3123を含み、蒸発器3121は、冷凍装置1に連通され、蒸発器3121は、第1のファン3122が吸い込んだ空気と冷凍装置1に流れ込まれた冷媒を熱交換し、第2のファン3123が熱交換された空気を冷蔵/冷凍保温箱311に送り込むようにする。
【0057】
なお、冷蔵/冷凍箱311の底部にはユニバーサルホイール(図示せず)を配置してもよい。これにより、冷蔵/冷凍箱311の移動を容易にする。
【0058】
本発明の実施例は、冷凍システムを提供し、当該冷凍システムは、製氷キャビネット、冷蔵/冷凍機構、冷凍装置及び少なくとも1つの保冷コンポーネントを含み、冷凍装置は、製氷キャビネットと冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方を冷凍するために、製氷キャビネットと冷蔵/冷凍機構の少なくとも1方に連通される。冷蔵/冷凍機構は、少なくとも1つの移動可能な冷蔵/冷凍ユニットを含み、冷蔵/冷凍ユニットは、モノを冷蔵/冷凍するためのものであり、製氷キャビネット又は冷蔵/冷凍ユニット内に保冷コンポーネントが着脱可能に配置されている。
【0059】
非輸送中には、冷凍装置が製氷キャビネットと冷蔵/冷凍機構に同時に連通されて、製氷キャビネット内に保冷コンポーネントを配置することで、製氷キャビネット内の保冷コンポーネント、及び冷蔵/冷凍機構内のモノの冷凍を実現することができる。輸送中には、冷蔵/冷凍保温箱を冷蔵/冷凍機構から取り外し、冷蔵/冷凍保温箱を輸送車両に搭載し、冷蔵/冷凍保温箱の保冷ボックス内に保冷コンポーネントを配置することで、輸送中には、冷蔵/冷凍保温箱内のモノの冷蔵/冷凍を実現することができる。したがって、本発明は、モノを常温車で輸送することを可能にし、配達コストをかなりの程度に削減する。
【0060】
本発明の説明では、理解すべきものとして、「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で示す方向や位置関係は、図面に示す方向や位置関係に基づくものであり、本発明の説明と説明の簡略化の便宜のためだけのものであり、示された装置又は要素が特定の方向、特定の方向での構造と動作を持たなければならないことを示したり示唆したりするものではないため、本発明に対する制限として理解することができない。本発明の説明では、「複数」は、特に具体的に明記されていない限り、2つ又は2つ以上を意味する。
【0061】
本発明の明細書と特許請求の範囲、及び、上記の図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在する場合)は、類似の対象を区別するためのものであり、特定の順序又はシーケンスを説明するためのものを必要としない。本明細書に説明する本発明の実施例を、例えば、本明細書に図示又は説明したもの以外の順序で実施できるように、そのように使用されるデータを適宜交換できると理解すべきである。なお、「含む」と「持つ」という用語、及び、それらの全ての変形は、いずれも非排他的含有を網羅することを意図し、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、明示的にリストされているステップ又はユニットに限定される必要はなく、明示的にリストされていないか、又は、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0062】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものであって、これを制限するものではなく、前述の各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明するが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載の技術的解決手段を修正するか、又はそのうちの一部又はすべての技術的特徴に対して同等置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱しないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0063】
100 冷凍システム
1 冷凍装置
11 第1の冷凍ホスト
111 コンプレッサー
112 コンデンサー
12 第2の冷凍ホスト
121 熱交換器
122 水タンク
123 ウォーターポンプ
2 製氷キャビネット
21 パイプ
211 クイックコネクタ
22 取り付け用ブラケット
3 冷蔵/冷凍機構
31 冷蔵/冷凍ユニット
311 冷蔵/冷凍保温箱
312 中間コンポーネント
3121 蒸発器
3122 第1のファン
3123 第2のファン
4 保冷コンポーネント
41 ポート
411 液体入口
412 液体出口
42 外部ケース
43 内部ケース
44 隙間
45 換気パイプ
451 空気入口
452 空気出口