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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】パーテーション
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/04 20060101AFI20220914BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20220914BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
A47B96/04 Z
A47G5/00 A
A47G5/00 G
A47B13/00 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020195198
(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公開番号】P2022084034
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2022-01-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.令和2年10月14~16日にガーデンEXPOにて展示 2.令和2年7月12日にナフコ株式会社に卸した。 3.令和2年8月25日に丸嘉株式会社に卸した。 4.令和2年7月1日に太田紙販売株式会社にサンプルとチラシを提供 5.令和2年8月26日に新和商事株式会社にチラシを提供 6.令和2年7月13日に新生紙パルプ商事株式会社にサンプルとチラシを提供 7.令和2年7月10日に信濃化学工業株式会社にチラシを提供 8.令和2年7月31日に住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社にチラシを提供 9.令和2年7月31日に秋田東北商事株式会社にチラシを提供 10.令和2年8月5日に協栄産業株式会社に卸した。 11.令和2年8月17日に紀伊産業株式会社にサンプルを提示しチラシを提供 12.令和2年7月7日に株式会社鈴商にチラシを提供 13.令和2年7月30日に株式会社日比研究所にチラシを提供 14.令和2年7月31日に株式会社東北ネット工業にチラシを提供 15.令和2年7月10日に株式会社大東にチラシを提供 16.令和2年7月10日に株式会社大地にチラシを提供 17.令和2年7月30日に株式会社積水化成品北海道にチラシを提供 18.令和2年8月7日に株式会社室辰商店にチラシを提供 19.令和2年7月30日に株式会社ルイ高にチラシを提供 20.令和2年7月31日に株式会社ダイカにチラシを提供 21.令和2年6月19日に株式会社ジョイフル本田にサンプルとチラシを提供 22.令和2年7月29日に株式会社ジュンテンドーにチラシを提供 23.令和2年8月25日に株式会社サングリーン太陽園にチラシを提供 24.令和2年7月29日に株式会社コメリにチラシを提供 25.令和2年7月29日に株式会社カインズにチラシを提供 26.令和2年7月31日に株式会社オーシマ小野商事に卸した。 27.令和2年7月17日に株式会社インテリムジャパンにチラシを提供 28.令和2年7月29日に株式会社LIXILビバにチラシを提供 29.令和2年7月2日に井上ビニール株式会社にサンプルを提供 30.令和2年7月17日に愛和産業株式会社に卸した。 31.令和2年7月13日に愛国産業株式会社にチラシを提供 32.令和2年8月17日にレック株式会社にチラシを提供
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591012392
【氏名又は名称】日本マタイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100073450
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】村上 純一
(72)【発明者】
【氏名】大森 和良
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-093071(JP,A)
【文献】登録実用新案第3115190(JP,U)
【文献】登録実用新案第3228853(JP,U)
【文献】実公昭12-13473(JP,Y1)
【文献】実公昭43-20509(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/00
A47B 17/04
A47B 96/04
A47G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るための間仕切り部と、前記間仕切り部を支持する支持部とを備えたパーテーションであって、前記間仕切り部は、折り畳み可能なチューブと、前記チューブの内部に挿入されて前記チューブを面状に展張させる桁部とから成り、前記桁部は、前記チューブの内部の上端が跨がるように設置されて前記チューブを支持する上桁部と、前記チューブの内部の下端側に配置されて前記チューブを面状に保持する芯材となる下桁部とから成っていることを特徴とするパーテーション。
【請求項2】
請求項1に記載されたパーテーションであって、前記間仕切り部は、前記桁部に形成された溝を、前記支持部に形成された凹部に跨がらせることにより、前記支持部に支持されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項3】
請求項2に記載されたパーテーションであって、前記支持部のうち、前記桁部のうち少なくとも前記下桁部が跨がる下方の前記凹部の上方には、前記支持部の一部に切り込みを入れて形成され前記支持部に対して開閉可能なストッパが設けられ、前記ストッパは、前記下桁部の前記溝を前記支持部の前記下方の凹部に跨がらせる際には上方へ変位して前記下方の凹部の開口部を開放して前記下桁部の前記溝が前記支持部の前記下方の凹部へ進入することを許容する一方、前記下桁部の前記溝を前記下方の凹部に跨がらせて前記下桁部を前記支持部に嵌め込んで支持させた後は下方へ変位して前記下方の凹部の開口部を閉じることにより前記下桁部の上方への変位を抑制することを特徴とするパーテーション。
【請求項4】
請求項3に記載されたパーテーションであって、前記ストッパは、前記下桁部を前記支持部に嵌め込んで支持した状態から上方へ変位して前記下方の凹部の開口部を開放することにより、前記下桁部を前記支持部から取り外し可能な状態とすることを特徴とするパーテーション。
【請求項5】
請求項3又は請求項4のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記ストッパは、前記支持部の一部に設けられた凹字状の切り込みから成り、前記支持部と連続している部分を折り曲げ加工することにより前記支持部に対して開閉可能に形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記下桁部の前記溝の深さは、前記支持部の下端から下方の前記凹部の下端までの距離よりも短く設定されていることにより、下方に物の受け渡しができる間隙が形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項7】
請求項2乃至請求項5のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記下桁部の前記溝の深さは、前記支持部の下端から下方の前記凹部の下端までの距離と等しく設定されていることにより、前記間仕切り部を前記支持部の下端にまで位置させることを特徴とするパーテーション。
【請求項8】
請求項2乃至請求項7のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記桁部に形成された前記溝には、前記溝の開口側へ向けて拡がるように傾斜するテーパー部が形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記チューブは、透光性を有する樹脂製材料から形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記チューブは、耐ウィルス性を有する樹脂製材料から形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記桁部及び前記支持部は、段ボール又は厚紙その他の紙製材料から形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記間仕切り部は、面状に形成されていることを特徴とするパーテーション。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれかに記載されたパーテーションであって、前記チューブは、前記桁部が内部に挿入されることにより内部に空間が形成されていることを特徴とするパーテーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスのデスクや、店舗の受付カウンター、客席等に設置にされて、飛沫感染を防止するために用いられる卓上用のパーテーションの改良に関し、特に、工具やテープ、のり、接着剤等の固着剤等を一切用いることなく簡易に組み立て及び分解できると共に、軽量で小さく折り畳んでコンパクトに収納や運搬をすることができる取扱性を向上させることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時、ウィルス(雑菌を含む)の飛沫感染等を防止するために、卓上に簡易に設置することができるパーテーション(パーティション)が多数提案されている。このようなパーテーションとして、アクリル板を用いたパーテーション(例えば、特許文献1参照)や、パネルを用いたパーテーション(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0003】
これらのパーテーションは、卓上等に簡易に設置することができるものの、空間を仕切るための間仕切り部について、板状やパネル状の部材を使用すると、折り畳みが困難で、分解して収納、運搬、販売のために展示する際に、これらの板状やパネル状の間仕切り部材の面積分のスペースを必ず必要とする。しかし、これでは、これらの板状やパネル状の部材等を運搬したり、車内に収納する際に、折り畳むことが難しく、無駄なスペースを要し、とりわけ、販売業者にとっては、販売のための展示スペースが不必要に占拠される問題があった。また、これらの板状又はパネル状の部材は、所定の重量を有し、運搬や組み立ての際の作業性にも、影響を与える問題がある。
【0004】
この問題を回避するためには、間仕切り部を、折り畳み可能なシート状部材から構成させることが考えられる。しかし、シート状部材を使用すると、今度は、それを面状に展張させるためのフレームが必要となり、シート状部材のフレームへの組み付けに工具やテープ、のり、接着剤等の固着剤を必要としたり、あるいは、付属品としてクリップ等の小さな部品を使用する必要が生じて、その管理が面倒になり、使用者において組み立てる作業に手間と時間を要する問題が生じる。この問題を回避するためには、結局、シート状部材を予めフレームに保持した状態で販売する必要があり、上記板状又はパネル状の間仕切り部と同様の問題が生じるほか、対汚染性等の問題からシート状部材のみの交換が必要になっても、最悪、交換できないおそれがある。シート状部材が経年劣化等によりウィルスに対する対汚染性の能力が落ちた場合、シート状部材のみの交換ができなければ、対汚染性等の低下したパーテーションは、そのものを廃棄、交換するしかなくなる。
【0005】
また、アクリル板を用いたパーテーションでは、例えば、特許文献1に示すように、これを確実に保持するために、ヒンジ等の金属製部材を用いて組み立てる必要があり、製造、あるいは、使用者における組み立ての際に、ドライバー等の工具が必要となると共に、金属製材料を使用する分、更に重量も嵩む問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3228065号公報
【文献】実用新案登録第3227675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、分解時に折り畳み可能でコンパクトに保管、展示、運搬して省スペース化を実現しつつ、工具やテープ、のり、接着剤等の固着剤等を一切使用することなく、簡易に組み立て及び分解をすることができると同時に、その組み立て状態を確実に保持することができ、かつ、軽量で、廃棄処分も簡易に行うことができ、環境への影響を最小限に抑えることができるパーテーションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1.折り畳み可能なチューブ)
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、空間を仕切るための間仕切り部と、この間仕切り部を支持する支持部とを備えたパーテーションであって、間仕切り部は、折り畳み可能なチューブと、チューブの内部に挿入されてチューブを面状に展張させる桁部とから成り、この桁部は、チューブの内部の上端が跨がるように設置されてチューブを支持する上桁部と、チューブの内部の下端側に配置されて前記チューブを面状に保持する芯材となる下桁部とから成っていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0009】
(2.間仕切り部の支持部への組み付け)
また、本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、間仕切り部は、桁部に形成された溝を、支持部に形成された凹部に跨がらせることにより、この支持部に支持されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0010】
(3.ストッパ)
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第2の解決手段において、支持部のうち、桁部のうち少なくとも下桁部が跨がる下方の凹部の上方には、支持部の一部に切り込みを入れて形成され支持部に対して開閉可能なストッパが設けられ、このストッパは、下桁部の溝を支持部の下方の凹部に跨がらせる際には上方へ変位して下方の凹部の開口部を開放して下桁部の溝が支持部の下方の凹部へ進入することを許容する一方、下桁部の溝を下方の凹部に跨がらせて下桁部を支持部に嵌め込んで支持させた後は下方へ変位して下方の凹部の開口部を閉じることにより下桁部の上方への変位を抑制することを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0011】
(4.分解)
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第3の解決手段において、ストッパは、下桁部を支持部に嵌め込んで支持した状態から上方へ変位して下方の凹部の開口部を開放することにより、下桁部を支持部から取り外し可能な状態とすることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0012】
(5.ストッパの構成)
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第3又は第4のいずれかの解決手段において、ストッパは、支持部の一部に設けられた凹字状の切り込みから成り、この支持部と連続している部分を折り曲げ加工することにより支持部に対して開閉可能に形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0013】
(6.下方に間隙を設ける態様)
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第2乃至第5のいずれかの解決手段において、下桁部の溝の深さは、支持部の下端から下方の凹部の下端までの距離よりも短く設定されていることにより、下方に物の受け渡しができる間隙が形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0014】
(7.下方に間隙を設けない態様)
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第2乃至第5のいずれかの解決手段において、下桁部の溝の深さは、支持部の下端から下方の凹部の下端までの距離と等しく設定されていることにより、間仕切り部を支持部の下端にまで位置させることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0015】
(8.溝のテーパー)
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第2乃至第7のいずれかの解決手段において、桁部に形成された溝には、溝の開口側へ向けて拡がるように傾斜するテーパー部が形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0016】
(9.透光性の確保)
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、チューブは、透光性を有する樹脂製材料から形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0017】
(10.耐ウィルス性)
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、チューブは、耐ウィルス性を有するものであることを特徴とするパーテションを提供するものである。
【0018】
(11.紙製材料)
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第1乃至第10のいずれかの解決手段において、桁部及び支持部は、段ボール又は厚紙その他の紙製材料から形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0019】
(12.面状)
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第1乃至第11のいずれかの解決手段において、間仕切り部は、面状に形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【0020】
(13.チューブ内に空間)
本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、上記第1乃至第12のいずれかの解決手段において、チューブは、桁部が内部に挿入されることにより内部に空間が形成されていることを特徴とするパーテーションを提供するものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記のように、間仕切り部に折り畳み可能なチューブを使用し、上桁部により折り畳み可能なチューブを垂れ下げる一方、下桁部によりチューブを下方に押し下げる等してチューブを面状に保持する芯材としているため、折り畳み可能なチューブを使用しても、これらのチューブの内部に挿入される上桁部及び下桁部から成る桁部により、チューブの撓み、折れ、揺れを抑制して、チューブを面状に展張させることができ、このチューブを分解時には設置面積よりも大幅に小さく折り畳んでコンパクトに保管、展示、運搬して省スペース化を実現することができつつ、工具やテープ、のり、接着剤等の固着剤等を一切使用することなく簡易にかつ適切に間仕切り部を組み立てること及び分解することができる実益がある。
【0022】
この場合、本発明によれば、上記のように、間仕切り部を、桁部に形成された溝を支持部に形成された凹部に跨がらせることにより支持部に支持する際に、支持部に対して開閉可能なストッパにより、下桁部の溝を支持部の下方の凹部に跨がらせる際には下方の凹部の開口部を開放して下桁部が支持部を貫通するためのスペースを形成すると共に下桁部の溝が支持部の下方の凹部へ進入することを許容することができる一方、下桁部のを下方の凹部に跨がらせて下桁部を支持部に嵌め込んで支持させた後は下方の凹部の開口部を閉じることにより下桁部の上方への変位を抑制することができるため、間仕切り部に折り畳み可能なチューブを使用しても、このストッパの開閉により、工具やテープ、のり、接着剤等の固着剤等を一切使用することなくパーテーションを簡易に組み立て及び分解することができると同時に、組み立て時(設置時)において下桁部の上方への変位が抑制されているため、下桁部を持ってパーテーションを持ち上げても組み立て状態が解除されること(分解されること)がなく、その組み立て状態を確実に保持することができると同時に下桁部を持って簡易に運搬、移動させることができるのみならず、上桁部を持ち上げても、下桁部が変位しないことにより上桁部も下桁部との距離が保持されるため、上桁部を持って移動させても間仕切り部が面状を保持することができる実益がある。
【0023】
また、本発明によれば、上記のように、下桁部の溝の深さを、支持部の下端から下方の凹部の下端までの距離よりも短く設定することにより、下方に物の受け渡しができる間隙が形成することができるため、特に、間仕切り部を境に仕切られた空間間で書類等の受け渡しが必要な店舗等の受付カウンター等の設置に適したパーテーションとすることができる実益がある。
【0024】
一方、本発明によれば、上記のように、下桁部の溝の深さを、支持部の下端から下方の凹部の下端までの距離と等しく設定することにより、間仕切り部を脚部の下端にまで位置させることができるため、できるだけ空間を仕切って飛沫の飛散をより確実に防止することができ、例えば、パーテーションを介した物の受け渡しが特には必要とされないオフィスのデスク間等に設置するのに適したパーテーションとすることができる実益がある。
【0025】
更に、本発明によれば、上記のように、桁部に形成された溝には、溝の開口側へ向けて拡がるように傾斜するテーパー部が形成されているため、桁部の溝を、支持部の凹部に跨がらせて嵌合させる際に、桁部の溝と支持部の凹部との位置合わせを容易に行うことができる実益がある。
【0026】
本発明によれば、上記のように、チューブは、透光性を有する樹脂製材料から形成されているため、折り畳み可能な間仕切り部としつつ閉塞感なくパーテーションを通じた面通しをすることができ、板状やパネル状の部材を使用することなく折り畳み可能な間仕切り部としつつパーテーションとしての機能を損なうことがない実益がある。
【0027】
本発明によれば、上記の通り、桁部及び支持部は、段ボール又は厚紙その他の紙製材料から形成されているため、軽量性を確保して、運搬や組み立て及び分解の際の取扱性を向上させることができると共に、不要となった場合や交換する場合に廃棄処分も簡易に行うことができ、環境への影響を最小限に抑えることができる実益がある。
【0028】
加えて、本発明によれば、上記のように、間仕切り部に折り畳み可能なチューブを使用しているため、このチューブのとある面(表面)を外側に向けて使用した後に、裏返すことにより今度は他方の面(裏面)を外側に向けて配置することにより間仕切り部として使用することができるため、間仕切り部が汚れても2度使いすることができ、製品寿命を長期にわたって維持することができる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明のパーテーションの斜視図である。
図2】本発明のパーテーションを分解した状態の正面図である。
図3】本発明のパーテーションの組み立て状態を示す斜視図である。
図4】本発明のパーテーションに使用される支持部と桁部の拡大正面図である。
図5】本発明に使用される間仕切り部の端面図である。
図6】本発明のパーテーションの使用状態を示す斜視図である。
図7】本発明のパーテーションの他の形態の斜視図である。
図8】本発明のパーテーションの他の形態に使用される支持部と桁部の拡大正面図である。
図9】本発明のパーテーションの更に他の実施の形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明すると図1及び図2は、本発明のパーテーション10を示し、このパーテーション10は、図1に示すように、空間を仕切るための間仕切り部12と、この間仕切り部12を支持する支持部14とを備えている。このパーテーション10は、図6に示すように、例えば、オフィスのデスクや、店舗の受付カウンター、客席等に設置にされて、飛沫感染を防止するために用いられる卓上用のパーテーションである。
【0031】
(1.間仕切り部)
間仕切り部12は、図1及び図2に示すように、折り畳み可能なチューブ16と、チューブ16の内部に挿入されてチューブ16を面状に展張させる桁部18とから成っている。
【0032】
(1-1.チューブ)
このチューブ16は、例えば、折り畳み可能なポリエチレン等の透光性を有する樹脂製材料から形成されている。このチューブ16は、原料であるポリエチレンをインフレーション成形又はT-ダイ成形により、20μm~30μmの厚みで筒状に加工することにより形成することができる。従って、このチューブ16は、図2に示す分解時には設置面積よりも大幅に小さく、例えば、掌の上に載せることができる程度の大きさにまで小さく折り畳むことができ、コンパクトに保管、展示、運搬して省スペース化を実現することができる。
【0033】
なお、このように、チューブ16を、図2に示すように、面状に展張させた状態における大きさは、設置されるデスクや受付カウンター等に応じて適宜設定することができるが、卓上に設置するのに適したサイズとして、例えば、幅t(図2参照:面状に展張させた場合の閉じた辺の長さ)を約785mm、高さh(図2参照:面状に展張させた場合のチューブ16の開口部の長さ)を約655mmに設定することができる。勿論、この寸法には、特に限定はなく、設置箇所に応じて適宜設定することができる。
【0034】
また、このチューブ16は、透光性を有する樹脂製材料から形成されているため、図6に示すように、折り畳み可能な間仕切り部12としつつ閉塞感なくパーテーション10を通じた面通しをすることができ、板状やパネル状の部材を使用することなく折り畳み可能な間仕切り部12としつつパーテーション10としての機能を損なうことがない。この場合、この透光性を向上させるために、チューブ16の表面に皮膜加工をすることもできる。また、チューブ16の材質は、必ずしも、上記のポリエチレンに限定されるものではなく、折り畳み可能で透光性を有すれば、他の、例えば、より透明性を確保するために、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)や無延伸ポリプロピレンを使用することもできる。
【0035】
また、このチューブ16は、耐ウィルス性を有する樹脂製材料からコーティング法や練り込み法で形成されている。このため、チューブ16にウィルスが付着することがなく、長時間使用することができる。このようなチューブ16の材質としては、PET(ポリエステル)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、無延伸ポリプロピレン、PE(ポリエチレン)またはナイロンを使用することもできる。コーティングに用いる樹脂製材料としては、デカナール、ヘキサナール、シトラール、およびシンナムアルデヒド等のほか、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキシド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の界面活性剤を用いることができるほか、練りこみに用いる樹脂製材料としては亜鉛系無機添加剤や銀系無機添加剤等がある。
【0036】
更に、図示の実施の形態では、店舗等での会話等を可能にし、また、閉塞感を感じないように、透光性を有するチューブ16としたが、逆に、パーテーション10を通じた面通しが不要で、むしろ集中をするために外部から遮断した方が好ましい場合には、透光性を有しないチューブ16を使用することもできる。加えて、このチューブ16の表面には、何らかの伝達すべき情報等を印刷することもできる。
【0037】
また、このように、間仕切り部12に折り畳み可能なチューブ16を使用しているため、このチューブ16のとある面(表面)を外側に向けて使用した後に、裏返すことにより今度は他方の面(裏面)を外側に向けて配置することにより間仕切り部12として使用することができるため、間仕切り部12が汚れても2度使いすることができ、製品寿命を長期にわたって維持することができる。
【0038】
(1-2.桁部)
桁部18は、図1及び図5に示すように、チューブ16の内部の上端が跨がるように設置されてチューブ16を支持する上桁部18Aと、チューブ16の内部の下端側に配置されてチューブ16を面状に保持する芯材となる下桁部18Bとから成っている。この上桁部18Aは、特に図3及び図5に示すように、折り畳み可能なチューブ16の内部に挿入されて、このチューブ16の内部の上端に係合することにより、上桁部18Aに跨がるチューブ16を下方に垂れ下げる役割を有する。一方、下桁部18Bは、特に図3及び図5に示すように、チューブ16の内部の下端側に挿入されて、チューブ16の撓み、折れ、揺れを抑制する芯材として機能する。この場合、下桁部18Bは、チューブ16の芯材としてチューブ16の撓み、折れ、揺れを抑制することができれば、このチューブ16の内部の下端に係合し、チューブ16の下端を下方に押し下げる役割を有していても良いし、チューブ16の内部の下端の若干上方に位置してチューブ16の内部の下端との間に多少の隙間が形成される位置に配置することもできる。
【0039】
これにより、特に図5に示すように、設置時においてチューブ16は、桁部18が内部に挿入されることにより、いわば上桁部18Aと下桁部18Bの両方に上下で跨がるようにして配置され、チューブ16の内部に桁部18の厚みの分だけ空間が形成された状態で面状に形成される。従って、これらの上桁部18A及び下桁部18Bから成る桁部18により、図1図3図5に示すように、間仕切り部12に折り畳み可能なチューブ16を使用しても、工具やテープ、のり、接着剤等の固着剤やクリップ等の小さな部材等を一切使用することなく、桁部18がいわば芯材として機能してチューブ16の撓み、折れ、揺れが抑制されるため、チューブ16を適切に面状に展張させることができる。一方、チューブ16の内部から桁部18を取り出すだけで、間仕切り部12を、簡易に図2に示す分解状態にすることもできる。即ち、簡易にかつ適切に間仕切り部12を組み立てること及び分解することができる。
【0040】
また、この桁部18は、チューブ16を面状に展張させるものであるため、確実に展張できるよう、上桁部18A、下桁部18Bのいずれも、図1乃至図3に示すように、チューブ16の幅t(図2参照)よりも、長く形成される。具体的には、間仕切り部12の実効部分(面通し部分)は、このチューブ16の幅t(図2参照)により決定され、デスクやカウンターに設置するのに適した大きさとして、このチューブ16の幅t(図2参照)を、上記の通り、例えば785mに設定した場合、桁部18の長さは、これよりも長い、例えば900mmに設定することができる。但し、これらの寸法は、あくまで一例で、本発明を限定するものではなく、設置箇所に応じた、他の、例えば、桁部18の長さを600mm、450mm等の適宜な大きさに設定することができる。
【0041】
(2.支持部)
一方、支持部14は、図1乃至図4に示すように、間仕切り部12の左右を支持するように、2つ設けられている。これらの2つの支持部14は、図示の実施の形態では、安定性を確保するため、下端が広く、上端に向けて細まる略台形状の形状に形成されている。但し、この支持部14の形状には、パーテーション10としての安定した自立性を確保することができれば、特に限定はなく、他に、例えば、略長方形状等に設定することもできる。
【0042】
また、図1に示すように、この支持部14の高さが、そのままのパーテーション10全体の高さを規定することになるが、この場合、床上から140cm以上の位置にまで間仕切りが存在すれば、飛沫の飛散は効果的に抑制されるとの報告がなされていることから、パーテーション10を設置するデスクやカウンターの高さ等にもよるが、一般的には、支持部14の高さを700mm程度に設定すれば、この床上から140cmとの高さ基準をクリアすることができると考えられる。なお、これらの左右2つの支持部14は、全く同一の形状とすることができるため、左右の支持部14で異なる製造工程とする必要はない。
【0043】
(3.桁部と支持部の材質)
上記の桁部18及び支持部14は、紙製材料から形成することが好ましく、具体的には、段ボールを使用することが好適である。具体的には、桁部18については厚さ約8mm~10mmの段ボールを図示の略長方形状に切り抜くことにより、支持部14については厚さ約8mm~10mmの段ボールを図示の略台形状に切り抜くことにより、簡易に製造することができる。但し、紙製材料としては、必ずしも段ボールに限定されるものではなく、パーテーション10としての自立性を確保することができれば、他に、例えば、厚紙を使用することもできる。なお、桁部18は、チューブ16が透光性を有するため、図1図3図6に示すように、チューブ16内に挿入した場合にも、外部から視認することができる。従って、支持部14を含め、意匠性を確保するため、白色等の着色段ボールとすることが好ましい。
【0044】
このように、桁部18及び支持部14を、紙製材料から形成しているため、軽量性を確保して、運搬や組み立て及び分解の際の取扱性を向上させることができると共に、不要となった場合や交換する場合に廃棄処分も簡易に行うことができ、環境への影響を最小限に抑えることができる。この場合、パーテーション10の各構成部材の中で、展開した状態で最も大きな面積を有するのは、図2から解るように、間仕切り部12を構成するチューブ16であるため、少なくともチューブ16を折り畳み可能とすれば、即ち、チューブ16を除いた桁部18及び支持部14については紙製材料から形成して、必ずしも折り畳み可能とする必要はなく、これによっても、少なくとも、全体的に細長い形状を有する支持部14や桁部18の大きさ、面積をもって包装袋や包装箱にコンパクトに収納することができ、保管、運搬、展示の際の省スペース化を実現することができる。なお、このように、桁部18及び支持部14は折り畳み可能とする必要性はないことから、少なくとも、組み立て及び分解作業に影響を与えない軽量性を確保することができれば、必ずしも、これらの紙製材料に限定されるものではなく、他に、例えば、樹脂製材料から形成することもできる。
【0045】
(4.間仕切り部の支持部への組み付け)
本発明においては、間仕切り部12は、図1及び図3に示すように、桁部18に形成された溝18aを、支持部14に形成された凹部14aに跨がらせることにより、この支持部14に支持されている。具体的には、桁部18には、図2及び図4に示すように、上桁部18A、下桁部18Bのいずれにも、左右2箇所の位置に下方に向けて開口する溝18aが形成されている。この溝18aは、18aの位置に左右の支持部14が設置されることから、図2乃至図4に示すように、チューブ16が、ちょうど左右の支持部14に挟まれるように、チューブ16の幅t(図2参照)に対応する位置に形成される。
【0046】
また、この溝18aの幅は、固定強度を確保するため、支持部14の凹部14aに跨がって支持部14の壁面に係合するよう、支持部14の厚みとほぼ一致する幅に設定することが望ましい。但し、全ての幅が一定である必要はなく、図2及び図4に示すように、この桁部18に形成された溝18aには、溝18aの開口側へ向けて拡がるように傾斜するテーパー部20を形成することが望ましい。これにより、桁部18の溝18aを、支持部14の凹部14aに跨がらせて嵌合させる際に、桁部18の溝18aと支持部14の凹部14aとの位置合わせを容易に行うことができる。
【0047】
一方、この桁部18の溝18aが跨がって嵌合する支持部14の凹部14aは、図1乃至図4に示すように、左右2つの支持部14のいずれにおいても、支持部14のうち、上桁部18Aに対応する上方の位置と、下桁部18Bに対応する下方の位置の2箇所に設けられる。
【0048】
具体的には、上桁部18Aに対応する上方の凹部14aは、図2及び図4に示すように、支持部14を、上端から凹部状に切り欠くことにより、支持部14の上端に開口する位置に設置される。一方、下桁部18Bに対応する下方の凹部14aは、図1乃至図3に示すように、上桁部18Aの溝18aを上方の凹部14aに上方から差し込んで跨がらせた状態において、下桁部18Bの溝18aが位置すべき高さに対応する位置に、即ち、下桁部18Bの下端がチューブ16の高さ(面状に展張させた場合の開口部の長さ)に符合する位置に配置される位置において、支持部14を切り欠くことにより形成される。より具体的には、下方の凹部14aは、チューブ16を図5に示すように上桁部18Aに跨がらせて垂れ下げた場合に、チューブ16の下端が位置すべき位置から下桁部18Bの溝18aの深さ分だけ上方の位置に、下方の凹部14aの底辺が位置するように設定することで対応することができる。なお、この凹部14aは、図1乃至図4に示す実施の形態においては、支持部14の幅方向においては、支持部14が間仕切り部12を境に対称に(均等に)位置して、安定的に自立できるように、その中央に形成される。
【0049】
(5.ストッパ)
また、特に本発明においては、図1乃至図4に示すように、支持部14のうち、桁部18のうち少なくとも下桁部18Bが跨がる下方の凹部14aの上方には、支持部16の一部に切り込みを入れて形成され支持部14に対して開閉可能なストッパ22が設けられている。
【0050】
このストッパ22は、具体的には、図1乃至図4に示すように、支持部14の一部に設けられた凹字状の切り込みから成り、この支持部14と連続している部分を折り曲げ加工することにより支持部14に対して開閉可能に形成されている。この場合、凹字状に切り込む際に、その凹字の底辺が、下方の凹部14aの上端が開口する位置に配置されるように切り込むことによりストッパ22を形成する。これにより、下桁部18Bに対応する下方の凹部16aの上端は、特に図3から解るように、ストッパ22が上方に変位することにより、ストッパ22側に開口することができると同時に、ストッパ22により空いた下方の凹部14aの上方の空間が、図3に示すように、下桁部18Bが支持部14を貫通するための空間スペースを形成することができる。
【0051】
従って、このストッパ22の縦方向の切り込みの長さ(ストッパ22の高さ)は、下方の凹部14aの深さと合わせた場合に下桁部18Bの高さよりも高くなるように設定する。即ち、下方の凹部14aの深さとストッパ22の切り込み高さを足した縦方向への高さを、少なくとも下桁部18Bの高さよりも高く設定する。これは、上桁部18Aに対応する上方の凹部14aは、支持部14の上端から開口しているため、図3に示すように、上桁部18Aを単に上方から差し込むだけで支持部14に支持させることができるが、下方の凹部14aは、支持部14の高さ方向の途中に形成されているため、別途、下桁部18Bを支持部14に貫通させることが必要となるためである。
【0052】
このストッパ22は、図3に示すように、下桁部18Bの溝18aを支持部14の下方の凹部14aに跨がらせる際には、上方へ変位して下方の凹部14aの上端の開口部を開放して下桁部18Bの溝18aが支持部14の下方の凹部14aへ進入することを許容する。これにより、下桁部18Bを、図3に示すように、下桁部18Bを支持部14に貫通させた上で、下桁部18Bの溝を、下方の凹部14aに跨がらせて嵌合させることができる。
【0053】
一方、ストッパ22は、下桁部18Bの18aを下方の凹部14aに跨がらせて下桁部18Bを支持部14に嵌め込んで支持させた後は、図3に示す上方へ変位した状態から、図1に示す下方へ変位すること(元の位置に戻ること)により、下方の凹部14aの上端の開口部を閉じ、これにより、下桁部18Bの上方への変位を抑制することができる。
【0054】
これにより、組み立て時(設置時)において下桁部18Bの上方への変位が抑制されているため、下桁部18Bを持ってパーテーション10を持ち上げても組み立て状態が解除されること(分解されること)がなく、その組み立て状態を確実に保持することができると同時に下桁部18Bを持って簡易に運搬、移動させることができる。加えて、この場合、上桁部18Aは、上記の通り、支持部14の上端から差し込まれているだけで、その上方にはストッパは存在しないが、上桁部18Aを上方に持ち上げても、下桁部18Bが変位しないために上桁部18Aと下桁部18Bとの間の距離が一定に保持されるため、間仕切り部12が面状に保持され、上桁部を持って移動させても、同様に、その組み立て状態を確実に保持することができると同時に上桁部18Aを持って簡易に運搬、移動させることもできる。なお、図示の実施の形態では、支持部14の下方の凹部14aの上方にのみストッパ22を形成し、上桁部18Aに対応する上方の凹部14aは支持部14の上端から開口させたが(これだけでも、確実に組み立て状態を保持できる)、少なくとも下方の凹部14aの上方にストッパ22を設ければ、併せて、上方の凹部14aも、下方の凹部14aと同様に、支持部14の高さ方向の途中に設けて、上方の凹部14aの上方に同様にストッパ22を設置することもできる。
【0055】
(6.下方の間隙)
なお、図1乃至図4図6に示す実施の形態においては、パーテーション10の下方(下桁部18Bの下方)に、物の受け渡しができる間隙24が形成されている。具体的には、図4に示すように、下桁部18Bの溝18aの深さD(図4参照)を、支持部14の下端から下方の凹部14aの下端までの距離H(図4参照)よりも短く設定することにより、下桁部18Bを、接地面から浮かせた状態で組み立てることができる。これにより、特に、間仕切り部12を境に仕切られた空間の間で書類等の受け渡しが必要な店舗等の受付カウンター等の設置に適したパーテーション10とすることができる。
【0056】
(7.パーテーションの組み立て及び分解手順)
以上の構成を有する本発明のパーテーション10の組み立て手順について説明すると、図3(A)に示すように、まず、上桁部18Aの一方の溝18aを一方の支持部14の上方の凹部14aに差し込んで跨がらせることにより嵌め込む。次に、図3(A)に示すように、この上桁部18Aを跨がらせるようにして、チューブ16を上桁部18に垂れ下がらせ、次いで、上桁部18Aの他方の溝18aを他方の支持部14上方の凹部14aに差し込んで跨がらせることにより嵌め込む。
【0057】
その後、今度は、図3(B)に示すように、下桁部18Bをチューブ16内に挿入してチューブ16の芯材とし、チューブ16の内部の下端に係合させて、この下端を下方に押し下げることにより、チューブ16の撓み、折れ、揺れを抑制しながら、チューブ16を面状とする。次いで、同じく図3(B)に示すように、一方の支持部14のストッパ22を作業者の手や指でパーテーション10の外側(チューブ16とは反対側)へ向けて上方へ押し上げて変位させ、下桁部18Bの貫通スペースを形成する。この状態で、図3(B)に示すように、下桁部18Bを一方の支持部14に貫通させた上で、下桁部18Bの一方の溝18aを一方の支持部14の下方の凹部14aに差し込んで跨がらせることにより嵌め込む。同様に、図3(B)に示すように、今度は、他方の支持部14のストッパ22をパーテーション10の外側へ向けて上方へ押し上げて変位させ、下桁部18Bの貫通スペースを形成した状態で、下桁部18Bを他方の支持部14に貫通させた上で下桁部18Bの他方の溝18aを他方の支持部14の下方の凹部14aに差し込んで跨がらせることにより嵌め込めば、パーテーション10の組み立てが完了する。この場合、支持部14を、図3(B)に示すように、ストッパ22が外側へ向けて変位することができる向きに設置することが必要となるが、ストッパ22の折り曲げ加工の状態を見れば、向きは簡易に判別することができ、併せて、支持部14自体や取扱説明書において、その旨を表示することにより、対応することもできる。
【0058】
一方、パーテーション10を分解する場合には、上記とは逆の手順、即ち、ストッパ22を外側の上方へ押し上げて、下方の凹部14aの上端の開口部を開放することにより、下桁部18Bの上方への変位規制を解除して、下桁部18Bを支持部14から取り外し可能な状態として、下桁部18Bを支持部14及びチューブ16の内部から抜き取り、同様に、上桁部18Aを支持部14及びチューブ16の内部から抜き取るだけで、図2に示す分解状態とすることができる。
【0059】
この場合、特筆すべきは、間仕切り部12に折り畳み可能なチューブ16を使用しても、このストッパ22の開閉により、工具やテープ、のり、接着剤等の固着材、不足品としてクリップ等の小さな部品等を一切使用することなくパーテーション10を簡易に組み立て及び分解することができる点である。なお、上記の組み立て及び分解手順には、特に限定はなく、上記とは異なり、例えば、先に桁部18をチューブ16の内部に挿入して面状とした上で、桁部18の18aを支持部14の凹部14aに差し込むこともできる。
【0060】
(8.本発明の他の実施の形態)
なお、図1乃至図4図6に示す実施の形態においては、パーテーション10の下方(下桁部18Bの下方)に間隙24を設けたが、必ずしも、この間隙24が存在する形態には限定されず、他に、例えば、図7及び図8に示すように、間仕切り部12を支持部14の下端にまで位置させること、即ち、間隙24を設けない形態とすることもできる。
【0061】
この図7及び図8に示す実施の形態においては、具体的には、図8に示すように、下桁部18Bの溝18aの深さD(図8参照)を、支持部14の下端から下方の凹部の下端までの距離H(図8参照)と等しく設定することにより、間仕切り部12をパーテーション10の下端にまで配置させることができる。なお、この実施の形態においては、支持部14の高さを、チューブ16の高さt(図2参照)に一致させることになる。
【0062】
この実施の形態によれば、できるだけ空間を仕切って飛沫の飛散をより確実に防止することができ、例えば、パーテーション10を介した物の受け渡しが特には必要とされないオフィスのデスク間等に設置するのに適したパーテーションとすることができる。
【0063】
(8.本発明の更に他の実施の形態)
更に、図1乃至図8に示す実施の形態においては、凹部14aを支持部14の幅方向の中央に設置して、間仕切り部12を支持部14の幅方向における中央に配置したが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、図9に示すように、支持部14の凹部14aを支持部14のどちらかに偏った位置に設置することにより、間仕切り部12が偏った位置に配置された上方から見て略コの字状となる態様とすることもできる。但し、この図9に示す実施の形態においては、重心が偏るため、支持部14の幅を、図1乃至図8に示す実施の形態よりも、広く設定することが望ましい。これにより、支持部14により囲まれた遮断空間を形成することができ、パーテーション10の設置箇所において、作業に集中することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、例えば、オフィスのデスクや、店舗の受付カウンター、客席等の卓上に設置にされて、飛沫感染を防止することに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 パーテーション
12 間仕切り部
14 支持部
14a 支持部の凹部
16 チューブ
18 桁部
18A 上桁部
18B 下桁部
18a 桁部の溝
20 テーパー部
22 ストッパ
24 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9