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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018129151
(22)【出願日】2018-07-06
(65)【公開番号】P2020005857
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-02-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 貞人
(72)【発明者】
【氏名】堀田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】長井 智
(72)【発明者】
【氏名】根岸 昭博
(72)【発明者】
【氏名】須坂 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 陽祐
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011618(JP,A)
【文献】特開2013-132342(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0273150(US,A1)
【文献】特開平11-047487(JP,A)
【文献】特開2014-023747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する回転槽を収容する水槽と、
前記回転槽および前記水槽の外側に設けられている外箱と、
前記水槽への水の導入を断続する給水弁部と、
前記給水弁部と前記水槽との間を接続する給水経路部と、
前記給水経路部の途中に設けられ、手動で投入される洗濯処理剤を受け付ける処理剤ケースと、
前記水槽と前記外箱との間において前記水槽の上方に形成される空間に設けられ、自動で投入される異なる2種類以上の洗濯処理剤を前記洗濯処理剤ごとに貯蔵する2つ以上の貯蔵室が前記外箱の前後方向へ配列されている処理剤タンクと、を備え、
前記処理剤タンクは、前記給水経路部の途中であってかつ前記給水弁部から前記処理剤ケースまでの間に配置され、
2つ以上の貯蔵室は、互いに隣り合う前記貯蔵室同士が直接的に隣接している、
ドラム式洗濯機。
【請求項2】
前記処理剤タンクは、前記外箱の左右方向の幅に比較して、前記外箱の上下方向の高さが高い縦長の薄型形状である請求項1記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
前記外箱の前方において重力方向の上方に設けられ、手動で投入される洗濯処理剤を受け付ける処理剤ケースをさらに備え、
前記処理剤タンクと、前記処理剤ケースとは、前記外箱の左右方向において同一の側に設けられている請求項1または2記載のドラム式洗濯機。
【請求項4】
前記処理剤ケースは、前記外箱の前方において重力方向の上方に設けられ、
前記処理剤タンクと、前記処理剤ケースとは、前記外箱の左右方向において異なる側に設けられている請求項1または2記載のドラム式洗濯機。
【請求項5】
前記処理剤タンクは、前記外箱の後方にいくほど前記外箱の上下方向の全長が大きくなる請求項1から4のいずれか一項記載のドラム式洗濯機。
【請求項6】
回転する回転槽を収容する水槽と、
前記回転槽および前記水槽の外側に設けられている外箱と、
前記外箱の後端に設けられ、前記水槽への水の導入を断続する給水弁部と、
前記給水弁部と前記水槽との間を接続する給水経路部と、
前記給水経路部の途中に設けられ、手動で投入される洗濯処理剤を受け付ける処理剤ケースと、
前記水槽と前記外箱との間において前記給水弁部と隣り合って設けられ、自動で投入される異なる2種類以上の洗濯処理剤を前記洗濯処理剤ごとに貯蔵する2つ以上の貯蔵室が配列されている処理剤タンクと、を備え、
前記処理剤タンクは、前記給水経路部の途中であってかつ前記給水弁部から前記処理剤ケースまでの間に配置され、
2つ以上の貯蔵室は、互いに隣り合う前記貯蔵室同士が直接的に隣接している、
ドラム式洗濯機。
【請求項7】
2つ以上の前記貯蔵室は、前記外箱の左右方向へ並列して設けられている請求項6記載のドラム式洗濯機。
【請求項8】
2つ以上の前記貯蔵室は、前記外箱の前後方向に配列されている請求項6記載のドラム式洗濯機。
【請求項9】
2つ以上の前記貯蔵室は、前記外箱の上下方向に重ねられている請求項6記載のドラム式洗濯機。
【請求項10】
2つ以上の前記貯蔵室は、前記外箱の後方へいくほど前記外箱の上下方向の全長が大きくなる請求項7から9のいずれか一項記載のドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ドラム式洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗剤や柔軟剤などの洗濯処理剤を自動的に投入する洗濯機が公知である。このような洗濯機は、洗濯処理剤を自動的に投入する機能に加え、従来通りユーザが手動によって洗濯処理剤を投入するための処理剤ケースを備えている。特許文献1の場合、洗濯機は、本体の上方において、前方に配置される処理剤ケース、および後方に配置される給水弁部を備えている。そして、自動的に投入される洗濯処理剤を貯える処理剤タンクは、これら前方の処理剤ケースと後方の給水弁部との間に配置されている。洗濯機の自動化の進展にともない、処理剤タンクは容量の増加が求められている。
【0003】
しかしながら、処理剤タンクは、ドラム式洗濯機の外形に影響を受けやすい。そのため、処理剤タンクの容量を拡大すると、製品の高さをはじめとする体格の大型化を招くという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-11618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、体格の大型化を招くことなく処理剤タンクの容量を大型化し、貯蔵する洗濯処理剤の量が増大するドラム式洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本実施形態のドラム式洗濯機は、水槽と、外箱と、給水弁部と、給水経路部と、処理剤ケースと、処理剤タンクとを備える。水槽は、回転する回転槽を収容する。外箱は、前記回転槽および前記水槽の外側に設けられている。給水弁部は、前記水槽への水の導入を断続する。給水経路部は、前記給水弁部と前記水槽との間を接続する。処理剤ケースは、前記給水経路部の途中に設けられ、手動で投入される洗濯処理剤を受け付ける。処理剤タンクは、前記水槽と前記外箱との間において前記水槽の上方に形成される空間に設けられ、自動で投入される異なる2種類以上の洗濯処理剤を前記洗濯処理剤ごとに貯蔵する2つ以上の貯蔵室が前記外箱の前後方向へ配列されている。処理剤タンクは、前記給水経路部の途中であってかつ前記給水弁部から前記処理剤ケースまでの間に配置されている。2つ以上の貯蔵室は、互いに隣り合う前記貯蔵室同士が直接的に隣接している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態によるドラム式洗濯機の構成を示す模式図であって、(A)は正面図、(B)は(A)の矢印B方向、(C)は(A)の矢印C方向から見た図
図2】第1実施形態によるドラム式洗濯機の外観を示す概略斜視図
図3】第1実施形態によるドラム式洗濯機の構成を示す概略的な部分断面図
図4】第2実施形態によるドラム式洗濯機の構成を示す模式図であって、(A)は正面図、(B)は(A)の矢印B方向、(C)は(A)の矢印C方向から見た図
図5】第3実施形態によるドラム式洗濯機の構成を示す模式図であって、(A)は正面図、(B)は(A)の矢印B方向、(C)は(A)の矢印C方向から見た図
図6】第3実施形態の変形例によるドラム式洗濯機の構成を示す模式図であって、図5(B)に相当する方向から見た図
図7】第4実施形態によるドラム式洗濯機の構成を示す模式図であって、(A)は正面図、(B)は(A)の矢印B方向、(C)は(A)の矢印C方向から見た図
図8】第5実施形態によるドラム式洗濯機の構成を示す模式図であって、(A)は正面図、(B)は(A)の矢印B方向、(C)は(A)の矢印C方向から見た図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ドラム式洗濯機の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に共通する部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
図2および図3に示すようにドラム式洗濯機10は、外箱11、扉12、水槽13、回転槽14および処理剤ケース15を備えている。本明細書において、外箱11に対して扉12側を前方とする。また、前後方向に対する垂直な水平方向を左右方向とし、前後方向および左右方向に直交する重力方向を上下方向とする。ドラム式洗濯機10は、水槽13の中心軸および回転槽14の回転中心となる軸がいずれも地面に対し傾斜している。具体的には、水槽13および回転槽14は、扉12側の前方ほど上方に位置するように傾斜している。なお、ドラム式洗濯機10は、例えばヒートポンプやヒータ式の乾燥機能を有していてもよい。
【0009】
外箱11は、例えば鋼板などによってほぼ直方体の箱状に形成されている。水槽13は、外箱11の内側に収容されており、サスペンション16によって支持されている。回転槽14は、水槽13の内部に回転可能に収容されている。水槽13および回転槽14は、いずれも軸方向の一方の端部、つまり前端が開口するとともに後端に底を有する円筒状に形成されている。回転槽14は、水槽13の内側においてモータ17によって回転駆動される。
【0010】
処理剤ケース15は、外箱11の前方において上方に設けられている。また、処理剤ケース15は、外箱11の正面視において、左側に設けられている。処理剤ケース15は、洗濯物を処理するための洗濯処理剤を受け付ける。ドラム式洗濯機10のユーザは、ユーザ自身の希望に応じた洗濯を行なう場合、洗濯処理剤をユーザ自身の手によって手動でドラム式洗濯機10に提供する。この場合、処理剤ケース15は、ユーザが手動で提供する洗濯処理剤を受け付ける。ユーザは、1回の洗濯ごとに、1回分の洗濯処理剤を処理剤ケース15に提供する。処理剤ケース15は、外箱11に対して着脱可能または引き出し可能に設けられている。ユーザは、処理剤ケース15を外箱11から取り外し、または処理剤ケース15を外箱11から引き出すことにより、洗濯処理剤を処理剤ケース15に手動で提供することができる。処理剤ケース15は、ユーザの手動による洗濯処理剤の提供を容易にするために、取り扱いが容易な外箱11の前方において上方に設けられている。洗濯処理剤は、例えば洗濯物を洗浄するための洗剤をはじめ、柔軟剤や漂白剤などである。
【0011】
ドラム式洗濯機10は、上記に加え、給水弁部18および排水弁部19を備えている。給水弁部18は、図示しない水道管に接続され、水道管から水槽13への水の導入を断続する。給水弁部18は、図示しない制御装置によって開閉される電磁弁を有している。電磁弁が開放されると、水は水槽13へ導入される。給水弁部18は、外箱11の上方において後方側に設けられている。排水弁部19は、水槽13からの水の排出を断続する。排水弁部19は、図示しない制御装置によって開閉される電磁弁を有している。電磁弁が開放されると、水槽13の水は外部へ排出される。また、ドラム式洗濯機10は、図示しない水循環部を備えていてもよい。水循環部は、水槽13から排出された水の一部または全部を水槽13へ循環させる。本実施形態の場合、給水弁部18は、処理剤ケース15と同一の正面視において左側に設けられている。給水弁部18は、正面視において右側に設けてもよい。
【0012】
ドラム式洗濯機10は、図1に示すように処理剤タンク20を備えている。処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間に設けられている。具体的には、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間において水槽13の上方に形成される空間に設けられている。処理剤タンク20は、処理剤ケース15と異なり、自動で投入される洗濯処理剤を貯蔵する。処理剤タンク20に貯えられている洗濯処理剤は、図示しない制御装置によって、洗濯工程が開始されると、例えば洗濯物の重量および水槽13へ供給される水の量などに応じて自動的に洗濯物へ提供される。処理剤タンク20は、ユーザによる洗濯処理剤の提供作業を軽減するため、2回分以上の複数回の洗濯工程に対応する量の洗濯処理剤を貯蔵する。
【0013】
処理剤タンク20は、2つ以上の貯蔵室を有している。2つ以上の貯蔵室は、自動的に投入される2種類以上の洗濯処理剤をそれぞれ貯蔵する。すなわち、処理剤タンク20は、2種類上の洗濯処理剤にあわせて2つ以上の貯蔵室に区分され、それぞれ異なる洗濯処理剤を貯蔵している。複数の貯蔵室の容量は、それぞれ異なる容量としてもよいし、同一の容量としてもよい。第1実施形態の場合、処理剤タンク20は、洗剤を貯蔵する洗剤室21、および柔軟剤を貯蔵する柔軟剤室22の2つの貯蔵室を有している。当然ながら、処理剤タンク20は、3つ以上の貯蔵室を有していてもよい。また、2つ以上の貯蔵室がいずれの洗濯処理剤を貯蔵するかについても、任意に設定することができる。
【0014】
ドラム式洗濯機10は、給水経路部31およびポンプ32を備えている。給水経路部31は、水が流れる流路を形成し、給水弁部18と水槽13との間を接続している。給水弁部18を通して供給された水は、給水経路部31を通って水槽13へ注入される。また、処理剤ケース15は、給水弁部18と水槽13との間の給水経路部31の途中に設けられている。これにより、給水弁部18から供給された水は、処理剤ケース15を経由して水槽13へ注入される。この場合、給水経路部31は、処理剤ケース15からそのまま水槽13の前方に接続してもよく、処理剤ケース15から水槽13の後方へ向けて折り返した後に水槽13の後方に接続してもよい。ポンプ32は、処理剤タンク20とこの給水経路部31との間に設けられている。ポンプ32は、処理剤タンク20に貯えられている洗濯処理剤を吸引して給水経路部31へ吐出する。これにより、処理剤タンク20に貯えられている洗濯処理剤は、ポンプ32によって吸引され、給水経路部31を流れる水に提供される。これらの結果、処理剤タンク20から供給された洗濯処理剤、または処理剤ケース15に投入された洗濯処理剤は、給水経路部31を流れる水とともに水槽13へ提供される。
【0015】
処理剤タンク20は、ユーザにより手動で洗濯処理剤が提供される処理剤ケース15と同一の側に設けられている。すなわち、処理剤タンク20は、正面視の左右方向において、処理剤ケース15と同一の左側に設けられている。処理剤タンク20は、洗剤室21および柔軟剤室22が前後方向に並べて配置されている。処理剤タンク20は、左右方向の幅に対して、上下方向の高さが高い縦長の薄型の箱形状である。これにより、処理剤タンク20は、外箱11を大型化しなくても、外箱11と水槽13との間に形成される空間を利用して容量の確保が図られる。また、処理剤ケース15と同一の側に処理剤タンク20を配置することにより、処理剤タンク20は給水弁部18から処理剤ケース15を経由する給水経路部31の途中に配置される。そのため、処理剤タンク20のために別途の給水経路部は不要である。その結果、給水経路部31の取り回しが簡略化され、構造の簡略化および部品点数の低減が図られる。
【0016】
また、処理剤タンク20は、外箱11の後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。図1に示すように洗剤室21を前方、および柔軟剤室22を後方に配置する例の場合、柔軟剤室22は洗剤室21よりも上下方向の全長が大きくなっている。つまり、後方に位置する柔軟剤室22は、前方に位置する洗剤室21よりも深くなっている。水槽13は、中心軸が傾斜した状態で外箱11の内側に配置されている。そのため、外箱11と水槽13との間に形成される空間は、後方にいくほど拡大する。そこで、この後方にいくほど拡大する空間を利用して処理剤タンク20も後方の高さを大きくすることにより、外箱11を大型化しなくても、処理剤タンク20は容量の確保が図られる。また、処理剤タンク20の底部は、傾斜した水槽13の中心軸と概ね平行に形成されている。これにより、処理剤タンク20は、水槽13の近傍に沿って設けることができる。したがって、処理タンク20は、より容量の大型化を図ることができる。
【0017】
以上説明した第1実施形態では、処理剤タンク20は外箱11と水槽13との間に形成されている空間に設けられる。すなわち、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間において水槽13の上方に形成される空間に設けられる。そのため、既に存在する外箱11と水槽13との間の空間に処理剤タンク20が配置され、あらためて空間を確保する必要はない。したがって、外箱11の大型化を招くことがなく、処理剤タンク20の容量を大型化することができ、貯蔵する洗濯処理剤の量を増大することができる。
【0018】
また、第1実施形態では、2種類の洗濯処理剤に対応する2つの貯蔵室である洗剤室21および柔軟剤室22が前後方向へ配列されている。そのため、処理剤タンク20は外箱11と水槽13との間において水槽13の上方に形成される空間に沿って設けられる。また、処理剤タンク20は、外箱11の左右方向の幅に比較して、上下方向の高さが高い縦長の薄型形状である。そのため、処理剤タンク20は、空間の形状を有効に活用して外箱11と水槽13との間に収容される。したがって、外箱11の大型化を招くことがなく、処理剤タンク20の容量を大型化することができ、貯蔵する洗濯処理剤の量を増大することができる。
【0019】
第1実施形態では、処理剤タンク20は、外箱11の左右方向において処理剤ケース15と同一の側に設けられている。そのため、処理剤タンク20は、給水弁部18から処理剤ケース15に至る給水経路部31の途中に配置される。これにより、処理剤タンク20のための新たな給水経路は不要である。したがって、給水経路部31を簡略化することができ、構造の複雑化を招かない。
【0020】
第1実施形態では、処理剤タンク20は、外箱11の後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。すなわち、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間に形成される空間の形状にあわせて容量が確保される。したがって、空間の形状の制約を受けて処理剤タンク20の形状を縦長の薄型にする場合でも、処理剤タンク20の容量を十分に確保することができる。
【0021】
(第2実施形態)
第2実施形態によるドラム式洗濯機を図4に示す。
図4に示す第2実施形態では、処理剤タンク20は、外箱11の正面視において右側に設けられている。すなわち、処理剤タンク20は、外箱11の正面視において左側にある処理剤ケース15とは反対側に設けられている。処理剤タンク20を処理剤ケース15と反対側に配置することにより、処理剤タンク20は給水弁部18から遠ざかる。そのため、給水経路部31は処理剤タンク20のために全長が大きくなり、構造が複雑化する。一方、処理剤タンク20を処理剤ケース15と反対側に配置することにより、処理剤タンク20は処理剤ケース15との干渉が回避される。すなわち、処理剤タンク20は、処理剤ケース15が配置される空間の影響を受けることがない。そのため、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間に形成される空間をより多く利用できる。その結果、処理剤タンク20は、さらなる容量の増大が図られる。
【0022】
第2実施形態では、処理剤タンク20は、外箱11の正面視において処理剤ケース15と反対側に設けられている。したがって、処理剤タンク20のさらなる大型化を図ることができ、処理剤タンク20の容量をより十分に確保することができる。
なお、給水経路部31は、図4に示すように水槽13を迂回して全長を大きくする構造に限らず、給水弁部18の近傍で処理剤ケース15側と処理剤タンク20側とに分岐する構成としてもよい。
【0023】
(第3実施形態)
第3実施形態によるドラム式洗濯機を図5に示す。
図5に示す第3実施形態では、処理剤タンク20は、給水弁部18と隣り合って設けられている。すなわち、処理剤タンク20は、外箱11の後方に設けられている。そして、第3実施形態では、処理剤タンク20は、2つの貯蔵室である洗剤室21および柔軟剤室22が左右方向に並列して設けられている。上述のように水槽13は、扉12側である前方が上方へ傾斜している。そのため、外箱11と水槽13との間に形成される空間は、前方に比較して後方の方が大きい。そこで、比較的空間が大きな後方に処理剤タンク20を配置することにより、外箱11を大型化しなくても処理剤タンク20の容量は確保しやすくなる。また、処理剤タンク20を構成する洗剤室21および柔軟剤室22は、後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。そのため、処理剤タンク20は、水槽13の傾斜によって拡大する空間にあわせて容量が確保される。
【0024】
第3実施形態では、処理剤タンク20は給水弁部18と隣り合って外箱11の後方に設けられている。これにより、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間に形成される空間が大きな領域に配置される。また、処理剤タンク20は、後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。これにより、処理剤タンク20は、外箱11の大型化を招くことなく、容量の増大が図られる。したがって、処理剤タンク20の大型化を図ることができ、処理剤タンク20の容量を十分に確保することができる。
【0025】
また、第3実施形態では、処理剤タンク20は給水弁部18と隣り合っている。そのため、給水弁部18から供給された水は、短い経路で処理剤タンク20へ導入される。したがって、給水経路部31の短縮化および簡略化され、構造を簡単にすることができる。
さらに、第3実施形態では、処理剤タンク20の洗剤室21および柔軟剤室22は、左右方向に並列して設けられている。これにより、処理剤タンク20は、比較的空間の大きな外箱11の後端側に洗剤室21および柔軟剤室22を左右に並べて配置される。そのため、処理剤タンク20の洗剤室21および柔軟剤室22は、十分な容量が確保される。したがって、外箱11の大型化を招くことなく、容量の確保を容易にすることができる。
なお、給水経路部31は、図5に示す例に限らず、図6に示すような形状で配置してもよい。図6に示す例の場合、処理剤タンク20は図5に示す例に比較して前方に位置する。そのため、ユーザによる洗濯処理剤の充填が容易になり、利便性が向上する。
【0026】
(第4実施形態)
第4実施形態によるドラム式洗濯機を図7に示す。
図7に示す第4実施形態では、処理剤タンク20は、給水弁部18と隣り合って設けられている。すなわち、処理剤タンク20は、外箱11の後方に設けられている。そして、第4実施形態では、処理剤タンク20は、2つの貯蔵室である洗剤室21および柔軟剤室22が前後方向に配列して設けられている。上述のように水槽13は、扉12側である前方が上方へ傾斜している。そのため、外箱11と水槽13との間に形成される空間は、前方に比較して後方の方が大きい。そこで、比較的空間が大きな後方に処理剤タンク20を配置することにより、外箱11を大型化しなくても処理剤タンク20の容量は確保しやすい。また、処理剤タンク20を構成する洗剤室21および柔軟剤室22は、後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。そのため、処理剤タンク20は、水槽13の傾斜によって拡大する空間にあわせて容量が確保される。例えば図7に示すように前方に柔軟剤室22、後方に洗剤室21を配置する場合、洗剤室21は柔軟剤室22に比較して上下方向の全長が大きくなっている。これにより、洗剤室21の容量は増加する。例えば洗剤などのように一般的に消費量の大きな洗濯処理剤は、この洗剤室21のように容量の大きな後方の貯蔵室に貯蔵することが好ましい。これにより、消費量の大きな洗濯処理剤の補充頻度を低下させることができる。
【0027】
第4実施形態では、処理剤タンク20は給水弁部18と隣り合って外箱11の後方に設けられている。これにより、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間に形成される空間が大きな領域に配置される。また、処理剤タンク20は、後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。これにより、処理剤タンク20は、外箱11の大型化を招くことなく、容量の増大が図られる。したがって、処理剤タンク20の大型化を図ることができ、処理剤タンク20の容量を十分に確保することができる。
【0028】
また、第4実施形態では、処理剤タンク20は給水弁部18と隣り合っている。そのため、給水弁部18から供給された水は、短い経路で処理剤タンク20へ導入される。したがって、給水経路部31の短縮化および簡略化され、構造を簡単にすることができる。
【0029】
(第5実施形態)
第5実施形態によるドラム式洗濯機を図8に示す。
図8に示す第5実施形態では、処理剤タンク20は、給水弁部18と隣り合って設けられている。すなわち、処理剤タンク20は、外箱11の後方に設けられている。そして、第5実施形態では、処理剤タンク20は、2つの貯蔵室である洗剤室21および柔軟剤室22が上下方向に重ねて設けられている。上述のように水槽13は、扉12側である前方が上方へ傾斜している。そのため、外箱11と水槽13との間に形成される空間は、前方に比較して後方の方が大きい。そこで、比較的空間が大きな後方に処理剤タンク20を配置することにより、外箱11を大型化しなくても処理剤タンク20の容量が確保される。また、処理剤タンク20を構成する洗剤室21および柔軟剤室22は、後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。そのため、処理剤タンク20は、水槽13の傾斜によって拡大する空間にあわせて容量が確保される。例えば図8に示すように上側に柔軟剤室22、下側に洗剤室21を配置する場合、洗剤室21は後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。これにより、洗剤室21の容量は増加する。例えば洗剤などのように一般的に消費量の大きな洗濯処理剤は、この洗剤室21のように容量の大きな下方の貯蔵室に貯蔵することが好ましい。これにより、消費量の大きな洗濯処理剤の補充頻度を低下させることができる。
【0030】
第5実施形態では、処理剤タンク20は給水弁部18と隣り合って外箱11の後方に設けられている。これにより、処理剤タンク20は、外箱11と水槽13との間に形成される空間が大きな領域に配置される。また、処理剤タンク20は、後方へいくほど上下方向の全長が大きくなっている。これにより、処理剤タンク20は、外箱11の大型化を招くことなく、容量の増大が図られる。したがって、処理剤タンク20の大型化を図ることができ、処理剤タンク20の容量を十分に確保することができる。
【0031】
また、第5実施形態では、処理剤タンク20は給水弁部18と隣り合っている。そのため、給水弁部18から供給された水は、短い経路で処理剤タンク20へ導入される。したがって、給水経路部31が短縮化および簡略化され、構造を簡単にすることができる。
【0032】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
図面中、10はドラム式洗濯機、11は外箱、13は水槽、14は回転槽、15は処理剤ケース、18は給水弁部、20は処理剤タンク、21は洗剤室(貯蔵室)、22は柔軟剤室(貯蔵室)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8