(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】接合装置
(51)【国際特許分類】
B23K 20/10 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
B23K20/10
(21)【出願番号】P 2018201494
(22)【出願日】2018-10-26
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 忠杰
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-045737(JP,A)
【文献】特開2006-159204(JP,A)
【文献】特開2017-136642(JP,A)
【文献】特開平10-074787(JP,A)
【文献】特開2000-202644(JP,A)
【文献】特開2012-055907(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0036104(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/20 - 20/26
H01L 21/447 - 21/449、21/60 - 21/607
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上板と下板とを接合する接合装置であって、
前記下板を載置するアンビルと、
前記上板に振動を伝えるホーンと、
前記ホーンを前記アンビルに向けて加圧する加圧装置と、
前記ホーンに振動を加える加振装置と、
前記上板と前記下板の少なくともいずれか一方の振動を検出する振動検出部と、
前記加圧装置および前記加振装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記加圧装置によって前記ホーンを前記アンビルに向けて加圧し、かつ前記加振装置によって前記ホーンに振動を加えている接合
時間中において、
前記振動検出部が検出した振動の加速度の大きさがしきい値を超えないように前記加圧装置の加圧力を低下させることを繰り返す、接合装置。
【請求項2】
上板と下板とを接合する接合装置であって、
前記下板を載置するアンビルと、
前記上板に振動を伝えるホーンと、
前記ホーンを前記アンビルに向けて加圧する加圧装置と、
前記ホーンに振動を加える加振装置と、
前記上板と前記下板の少なくともいずれか一方の振動を検出する振動検出部と、
前記加圧装置および前記加振装置を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記加圧装置によって前記ホーンを前記アンビルに向けて加圧し、かつ前記加振装置によって前記ホーンに振動を加えている接合時間中において、前記振動検出部が検出した振動の加速度の大きさがしきい値を超えないように前記加振装置が前記ホーンを振動させる振幅
を低下させることを繰り返す、接合装置。
【請求項3】
前記接合時間は、予め設定されており、
前記制御装置は、前記接合時間が経過すると、前記加振装置による振動と前記加圧装置による加圧を停止させる、請求項1または2に記載の接合装置。
【請求項4】
前記振動検出部は、前記下板の加速度を検出する加速度センサを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の接合装置。
【請求項5】
前記振動検出部は、前記上板の加速度を検出する加速度センサを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
重ね合わせ超音波接合は、アンビル(作業台)とホーン(超音波工具)との間に2枚のワークを重ね合わせてセットし、ホーンを超音波振動させることによってワークを接合させる接合方法である。特許第3780637号公報(特許文献1)には、重ね合わせ超音波接合における接合品質判別方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許第3780637号公報(特許文献1)に開示された重ね合わせ超音波接合方法では、あらかじめ定められた設定圧力、振幅、時間などの接合パラメータに従って接合を行ない、接合完了時における接合ワーク(板)間の変位量によって、接合品質を判断する。しかし、この方法では接合進行中に品質を判断していないため、接合パラメータが適切でない場合には、接合品質が悪くなったり歩留まりが低下したりする可能性がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、初期設定の接合パラメータに関わらず良好な品質の接合が得られる接合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上板と下板とを接合する接合装置に関する。接合装置は、下板を載置するアンビルと、上板に振動を伝えるホーンと、ホーンをアンビルに向けて加圧する加圧装置と、ホーンに振動を加える加振装置と、上板と下板の少なくともいずれか一方の振動を検出する振動検出部と、加圧装置および加振装置を制御する制御装置とを備える。制御装置は、加圧装置によってホーンをアンビルに向けて加圧し、かつ加振装置によってホーンに振動を加えている接合時間中において、振動検出部が検出した振動の加速度の大きさがしきい値を超えないように前記加圧装置の加圧力を低下させることを繰り返す。
【0008】
この場合、制御装置が加圧装置の加圧力を調整するので、上板、下板、ホーン、アンビルを損傷することなく良好な接合が得られる。
【0010】
好ましくは、振動検出部は、下板の加速度を検出する加速度センサを含む。
加速度センサによって、制御装置は、下板の加速度を検出することができるため、接合の進行度合いを知ることができ、接合の進行度合いに合わせて接合パラメータを調整することができる。
【0011】
好ましくは、振動検出部は、上板の加速度を検出する加速度センサを含む。
加速度センサによって、制御装置は、上板の加速度を検出することができるため、接合の進行度合いを知ることができ、接合の進行度合いに合わせて接合パラメータを調整することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の接合装置によれば、初期設定の接合パラメータに関わらず、良好な品質の接合を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施の形態に係る接合装置の構成を示す図である。
【
図2】制御装置100の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】実施の形態1において制御装置100が実行する制御の内容を説明するためのフローチャートである。
【
図4】接合進行中に接合パラメータを調整する場合としない場合とを比較して説明するための波形図である。
【
図5】実施の形態1の変形例に係る接合装置の構成を示す図である。
【
図6】実施の形態2において制御装置100が実行する制御の内容を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態に係る接合装置の構成を示す図である。
図1を参照して、接合装置1は、電源20と、加振装置30と、支持部40と、加圧装置50と、振動センサ60と、制御装置100とを備える。
【0016】
支持部40は、第1母材である上板72と第2母材である下板71とを支持する。支持部40は、上板72に振動を与えるホーン41と、下板71を固定するアンビル42とを含む。支持部40は、加振装置30で振動が与えられることによって、上板72と下板71との間に相対運動を発生させる。加圧装置50は、上板72を下板71に向けて加圧する。振動センサ60は、上板72と下板71との間の相対運動を検出する運動検出部として用いられる。
【0017】
制御装置100は、支持部40を振動させる加振装置30および加圧装置50を制御する。制御装置100は、加圧装置50によって上板72を下板71に向けて加圧し、かつ支持部40によって相対運動を発生させている接合形成中において、振動センサ60の出力に応じて接合パラメータを調節する。実施の形態1では、この接合パラメータは、加圧装置50の加圧力である。
【0018】
以下、接合装置1が超音波接合装置である例について説明するが、本実施の形態の接合装置は、超音波接合に限定されない。第1母材と第2母材とを摩擦力によって発熱させ溶着する接合装置に対して、本実施の形態で開示される改良は広く適用可能である。
【0019】
超音波接合は、超音波帯の振動を第1部材と第2部材間に発生させこれらを接合する接合方法である。通常は、振動を発生する時間および振幅と、部材間に与える加圧力など接合パラメータをあらかじめ接合装置に設定し接合が実行される。
【0020】
各材料の接合パラメータを記憶させた接合データベースがあれば、それに従って接合が可能であるが、新しい組み合わせや材料の接合では、数多くの基礎実験を行って接合パラメータを決めることが必要である。
【0021】
本実施の形態では、超音波重ね合わせ接合において、設定した圧力、振幅、時間に対して、接合開始から接合完了までの間において、接合ワークの下板とアンビルの加速度差に基づいて圧力を自動で調整する。これにより、超音波接合の接合品質を確保することができる。
【0022】
再び
図1を参照して、接合装置1は、下板71を載置するアンビル42と、上板72に振動を伝えるホーン41と、ホーン41をアンビル42に向けて加圧する加圧装置50と、ホーン41に振動を加える加振装置30と、上板72と下板71の少なくともいずれか一方の振動を検出する振動センサ60と、加圧装置50および加振装置30を制御する制御装置100とを備える。
【0023】
加振装置30は、商用電源10から接合用の高周波交流電圧を発生させる電源20から高周波を受けて振動する振動子31と、振動子31の振動を増幅させる増幅器32とを含む。
【0024】
制御装置100は、加圧装置50によってホーン41をアンビル42に向けて加圧し、かつ加振装置30によってホーン41に振動を加えている接合形成中において、振動センサ60の出力に応じて接合パラメータを調節する。
【0025】
このように制御装置100が接合パラメータを調節するので、初期設定の接合パラメータの値に係わらず、品質が良好な接合が得られる。
【0026】
実施の形態1においては、接合パラメータは、加圧装置50の加圧力である。この場合、制御装置100が加圧装置50の加圧力を調整するので、上板72、下板71、ホーン41、アンビル42を損傷することなく良好な接合が得られる。
【0027】
好ましくは、振動センサ60として、下板71の加速度を検出する加速度センサを用いることができる。下板71とアンビル42との接触面積は、上板72とホーン41との接触面積よりも広いため、下板71とアンビル42との間に作用する摩擦力は上板72とホーン41との間に作用する摩擦力よりも大きい。また、アンビル42は静止しており、下板71はアンビル42とともに静止するように摩擦力が働く。一方、ホーン41は振動しており、上板72にはホーン41とともに振動するように摩擦力が働く。この場合上板72の重量が大きい場合や上板72の材質が柔らかい場合には、上板72がホーン41の振動に追従できない場合も考えられる。したがって、上板72と下板71が未接合である間、下板71とアンビル42との間の相対速度および相対加速度は上板72とホーン41との間の相対速度および相対加速度よりもゼロに近いと考えられる。接合が進むと、ホーン41の振動が下板71に伝わりやすくなるので、ゼロに近かった相対速度および相対加速度が増加する。
【0028】
加速度センサによって、制御装置100は、下板71の加速度Aspを検出することができるため、接合の進行度合いを知ることができ、接合の進行度合いに合わせて接合パラメータを調整することができる。
【0029】
図2は、制御装置100の構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照して、制御装置100は、加速度算出部101と、圧力計算部102と、圧力制御部103と、振動制御部104と、タイマー105と、設定パネル106とを含む。
【0030】
設定パネル106を経由して、作業者が初期の接合パラメータである設定時間St、設定振幅Svw、設定圧力Spを制御装置100に入力する。
【0031】
加速度算出部101は、振動センサ60から下板71の加速度Aspを受ける。圧力計算部102は、加速度算出部101が算出した加速度Auに基づいて加圧装置50で発生させる圧力を示す圧力補正指令値Pcaを計算する。
【0032】
タイマー105は、設定時間Stに基づいて、圧力制御部103の作動時間Tpおよび振動制御部104の作動時間Tvを算出する。
【0033】
圧力制御部103は、初期値である設定圧力Spおよび圧力補正指令値Pcaに基づいて、作動時間Tpの間、加圧装置50に対して圧力Psetを印加させる。
【0034】
振動制御部104は、初期値である設定振幅Svwおよび加速度Auに基づいて、作動時間Tvの間、加振装置30に対して振幅Vsetの振動を印加させる。
【0035】
制御装置100は、プロセッサとメモリとを内蔵したマイクロコンピュータで実現することができる。メモリに記憶されたプログラムがプロセッサに読み込まれ、プロセッサを
図2に示した各機能ブロックとして動作させる。
【0036】
図3は、実施の形態1において制御装置100が実行する制御の内容を説明するためのフローチャートである。
図1~
図3を参照して、ステップS1において、設定パネル106から圧力、時間、振幅などの接合パラメータの初期値が設定される。制御装置100は、ステップS2において接合開始入力の有無を判断する。例えば接合装置に設けられた操作ボタンが押されることによって接合開始入力が与えられる。
【0037】
接合開始入力があった場合(S2でYES)、ステップS3において、制御装置100は、加圧装置50に初期設定圧力での圧力印加を開始させる。続いてステップS4において、制御装置100は、加振装置30を作動させタイマーによる計時を開始させる。
【0038】
続くステップS5においては、制御装置100は、振動センサ60から加速度Aspを得る。加速度Aspの大きさがしきい値よりも小さい間(S6でYES)は接合が進行しておらずタイマー停止時間になるまでは、圧力を低下させずにステップS5に処理が戻される。
【0039】
加速度Aspの大きさがしきい値よりも大きくなると(S6でNO)は接合が進行し、上板72と接合されつつある下板71にもホーンの振動が伝わり始めている。この場合、ステップS7に処理が進められ、制御装置100は、加圧装置50に対して加圧力を低下させるように指示を行なう。
【0040】
ステップS8において、タイマーに設定された停止時間が到来すると、ステップS9に処理が進められ制御装置100は加振装置30を停止させ、ステップS10において加圧装置50の加圧を停止させ、ステップS11において接合処理を終了する。
【0041】
図4は、接合進行中に接合パラメータを調整する場合としない場合とを比較して説明するための波形図である。
図4の上段には、下板71の加速度Aspが示される。
図4の下段には、加圧装置50によって印加される加圧力Pが示される。
【0042】
図4において加速度A1および加圧力P1(実線)は、本実施の形態の接合装置1を用いた場合を示し、加速度A0および加圧力P0(破線)は、接合パラメータの調整機能がない接合装置を用いた場合を示す。
【0043】
時刻t1においては加圧装置50による加圧が開始される。このときの加圧力は初期設定値である。時刻t2においては、加振装置30による振動の印加が開始される。
【0044】
加圧力P0に示すように、加圧力を接合進行中も一定に保った場合には、接合が進行するにつれて、下板71が上板72とともに振動するようになる。このため加速度A0に示すように加速度が次第に上昇してしまう。これは、アンビル42に対して下板71が移動することを示し、アンビル42の突起が下板71を損傷させるので好ましくない。
【0045】
これに対し、加圧力P1に示すように、加速度A1が増大しない範囲内で加圧力を調整した場合は、アンビル42の突起が下板71を損傷させることを抑制することができる。
【0046】
[実施の形態1の変形例]
実施の形態1では、アンビル42に固定されていた下板71が、接合の進行に伴い上板72と一緒に振動することを捉えて加圧力を調整した。実施の形態1では、上板72と下板71が未接合である場合には、下板71とアンビル42との間の相対速度または相対加速度を検出する方が上板72とホーン41との間の相対速度または相対加速度を検出するよりも精度良く未接合状態を検出することを述べた。しかし、上板72と下板71が接合状態となった後については、アンビル42と下板71との間の固定が強力である場合には、上板72が下板71と一緒にアンビル42に固定され、ホーン41の振動が上板72に伝わらなくなることを検出する方が良い場合も考えられる。実施の形態1の変形例では、このような場合に加圧力を調整可能な構成を示す。
【0047】
図5は、実施の形態1の変形例に係る接合装置の構成を示す図である。
図5に示す接合装置100Aは、下板71を載置するアンビル42と、上板72に振動を伝えるホーン41と、ホーン41をアンビル42に向けて加圧する加圧装置50と、ホーン41に振動を加える加振装置30と、上板72と下板71の少なくとも一方の振動を検出する振動検出部と、加圧装置50および加振装置30を制御する制御装置100とを備える。この変形例では、振動検出部は、上板の加速度を検出する加速度センサ160と、ホーン41の加速度を検出する加速度センサ161とを含む。
【0048】
振動検出部以外については、
図5に示す接合装置100Aは
図1に示す接合装置1と同様な構成を有するので、ここでは説明は繰り返さない。
【0049】
加速度センサ160によって、制御装置100は、上板72の加速度Aspを検出することができる。また加速度センサ161によって制御装置100はホーン41の加速度Ashを検出することができる。制御装置100は、加速度Ashと加速度Aspとの差を算出し、算出した加速度差に基づいて接合の進行度合いを知ることができる。したがって、実施の形態1と同様に、接合の進行度合いに合わせて接合パラメータを調整することができる。
【0050】
以上説明したように、実施の形態1では、接合の進行度合いに合わせて接合パラメータを調整するため、接合不良を低減するとともに、ホーン41、アンビル42、上板72、下板71の損傷を防ぐことができる。
【0051】
[実施の形態2]
実施の形態1については、接合進行中に制御装置100が調整する接合パラメータは、加圧装置50の加圧力であった。これに対して、実施の形態2においては、接合進行中に制御装置100が調整する接合パラメータは、加振装置30がホーン41を振動させる振幅である。この場合、制御装置100が加振装置30の振動の振幅を調整するので、上板72、下板71、ホーン41、アンビル42を損傷することなく良好な接合が得られる。
【0052】
実施の形態2の接合装置の構成は、
図1で説明した接合装置1と同様であるため、ここでは説明は繰り返さない。
【0053】
図6は、実施の形態2において制御装置100が実行する制御の内容を説明するためのフローチャートである。
図6のフローチャートの処理は、
図3のフローチャートの処理においてステップS7に変えてステップS7Aが実行される。
【0054】
図6を参照して、ステップS1において、設定パネル106から圧力、時間、振幅などの接合パラメータの初期値が設定される。制御装置100は、ステップS2において接合開始入力の有無を判断する。例えば接合装置に設けられた操作ボタンが押されることによって接合開始入力が与えられる。
【0055】
接合開始入力があった場合(S2でYES)、ステップS3において、制御装置100は、加圧装置50に初期設定圧力での圧力印加を開始させる。続いてステップS4において、制御装置100は、加振装置30を作動させタイマーによる計時を開始させる。
【0056】
続くステップS5においては、制御装置100は、振動センサ60から加速度Aspを得る。加速度Aspの大きさがしきい値よりも小さい間(S6でYES)は接合が進行しておらずタイマー停止時間になるまでは、圧力を低下させずにステップS5に処理が戻される。
【0057】
加速度Aspの大きさがしきい値よりも大きくなると(S6でNO)は接合が進行し、上板72と接合されつつある下板71にもホーンの振動が伝わり始めている。この場合、ステップS7Aに処理が進められ、制御装置100は、加振装置30対して振動の振幅を低下させるように指示を行なう。
【0058】
ステップS8において、タイマーに設定された停止時間が到来すると、ステップS9に処理が進められ制御装置100は加振装置30を停止させ、ステップS10において加圧装置50の加圧を停止させ、ステップS11において接合処理を終了する。
【0059】
なお、実施の形態2においても、
図5に示した変形例の構成を適用することも可能である。
【0060】
以上説明したように、実施の形態2においても、接合の進行度合いに合わせて接合パラメータを調整するため、接合不良を低減するとともに、ホーン41、アンビル42、上板72、下板71の損傷を防ぐことができる。
【0061】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
1,100A 接合装置、10 商用電源、20 電源、30 装置、31 振動子、32 増幅器、40 支持部、41 ホーン、42 アンビル、50 加圧装置、60 振動センサ、71 下板、72 上板、100 制御装置、101 加速度算出部、102 圧力計算部、103 圧力制御部、104 振動制御部、105 タイマー、106 設定パネル、160,161 加速度センサ。