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特許7141341除菌液散布装置及びそれを備えた浴室環境調整装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】除菌液散布装置及びそれを備えた浴室環境調整装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/14 20060101AFI20220914BHJP
   B05B 17/06 20060101ALI20220914BHJP
   B06B 1/06 20060101ALI20220914BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20220914BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
A61L9/14
B05B17/06
B06B1/06 Z
A47K4/00
A61L2/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019007154
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020115938
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】白市 幸茂
(72)【発明者】
【氏名】荒木 開人
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-180470(JP,A)
【文献】特開2005-296218(JP,A)
【文献】特開2010-35591(JP,A)
【文献】特開2007-125291(JP,A)
【文献】特開2008-272252(JP,A)
【文献】特開平08-131530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0079660(US,A1)
【文献】特開2012-200534(JP,A)
【文献】実開昭54-124337(JP,U)
【文献】実開昭53-076311(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00- 9/22
F24F 6/00- 6/18
A61L 2/00- 2/28
A61H 33/06-33/12
B05B 17/06
B06B 1/06
A47K 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌液を散布する除菌液散布装置であって
記除菌液を収容する水槽と、
前記水槽の上端よりも下方に位置し、前記水槽の周囲から外方に向けて前記除菌液の霧を外部に送出する送出口と、
前記除菌液に超音波振動を与えて、前記除菌液の液面に対して傾斜するように前記除菌液の液柱を発生させる超音波発生素子と、
前記除菌液の液面に向けて送風する第1送風装置と、
前記除菌液が前記水槽の外に飛散することを規制する規制部と
を備え、
前記超音波発生素子は、前記液柱を発生させることにより、前記霧を発生させ、
前記規制部は、前記液柱が傾斜する方向において前記水槽の上端よりも上方に設けられるとともに、前記第1送風装置の送風方向において前記液柱よりも下流側に設けられる、除菌液散布装置。
【請求項2】
前記規制部は、規制面を含み、
前記規制面は、前記液柱から落下する前記除菌液が前記水槽の外に飛散することを規制し、
前記規制面の下端は、前記液面の上方に位置し、
前記規制面の下端の少なくとも一部は、前記水槽の外縁よりも内側に位置する、請求項1に記載の除菌液散布装置。
【請求項3】
空気を吸い込む吸込み口と、
前記空気を吹き出す吹出し口と、
請求項1又は請求項に記載の除菌液散布装置が装着される装着部と
を備え、
前記除菌液散布装置は、
前記規制部が配置される側の第1側部と、
前記第1側部とは反対側の第2側部と
を有し、
前記除菌液散布装置は、前記第1側部が、前記吸込み口側となるように、前記装着部に装着される、浴室環境調整装置。
【請求項4】
空気を吸い込む吸込み口と、
前記空気を吹き出す吹出し口と、
請求項1又は請求項に記載の除菌液散布装置が装着される装着部と
を備え、
前記除菌液散布装置は、
前記規制部が配置される側の第1側部と、
前記第1側部とは反対側の第2側部と
を有し、
前記装着部は、前記吹出し口のうち、前記空気を吹き出す方向と交差する方向において対向する2つの端部の一方よりも外側に配置され、
前記除菌液散布装置は、前記第2側部が前記吹出し口側となるように、前記装着部に装着される、浴室環境調整装置。
【請求項5】
前記空気を温風に変換する熱交換器と、
前記温風を前記除菌液散布装置へ送る第2送風装置と、
前記第2送風装置、及び前記超音波発生素子の動作を制御する制御装置と
を更に備え、
前記制御装置は、前記超音波振動を前記除菌液に与えて前記霧を発生させる除菌液散布処理を実行し、
前記除菌液散布処理が終了すると、除菌液乾燥処理を実行し、
前記除菌液乾燥処理において、前記制御装置は、前記第2送風装置を駆動させる、請求項又は請求項に記載の浴室環境調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌液散布装置及びそれを備えた浴室環境調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体に超音波振動を照射することにより霧を発生させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、霧化量を向上させることを目的とする超音波霧化ユニットが開示されている。特許文献1に開示の超音波霧化ユニットは、超音波振動子の振動面を水槽の底面に対して傾斜して配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭62-143131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、超音波振動子の振動面を水槽の底面に対して傾斜して配置させると、液柱が液面に対して傾斜して発生し、液柱から落下した液体の一部が水槽の外に飛散する虞がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水槽の外に除菌液が飛散することを抑制できる除菌液散布装置及び浴室環境調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る除菌液散布装置は、除菌液を散布する。当該除菌液散布装置は、送出口と、水槽と、超音波発生素子と、規制部とを備える。水槽は、前記除菌液を収容する。前記水槽は、前記送出口よりも上方に上端が位置する。前記超音波発生素子は、前記除菌液に超音波振動を与えて、前記除菌液の液面に対して傾斜するように前記除菌液の液柱を発生させる。前記規制部は、前記除菌液が前記水槽の外に飛散することを規制する。前記超音波発生素子は、前記液柱を発生させることにより、前記霧を発生させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、水槽の外に除菌液が飛散することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の上面図である。
図3】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の断面図である。
図4】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置のブロック図である。
図5】本発明の実施形態1に係る制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の第1他例の断面図である。
図7】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の第2他例の断面図である。
図8】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の第3他例の断面図である。
図9】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の第4他例の断面図である。
図10】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の第5他例の断面図である。
図11】本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置の第6他例の断面図である。
図12】本発明の実施形態2に係る除菌液散布装置の断面図である。
図13】本発明の実施形態2に係る除菌液散布装置の他例の断面図である。
図14】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の底面図である。
図15】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の構成を示す図である。
図16】本発明の実施形態3に係る本体ユニットの一部を拡大して示す図である。
図17】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の構成を示す図である。
図18】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置のブロック図である。
図19】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の他例を示す図である。
図20】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の第1他例を示す底面図である。
図21】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の第2他例を示す底面図である。
図22】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の第3他例を示す底面図である。
図23】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の第4他例を示す底面図である。
図24】本発明の実施形態3に係る浴室環境調整装置の第5他例を示す底面図である。
図25】本発明の実施形態4に係る浴室環境調整装置を示す底面図である。
図26】本発明の実施形態4に係る浴室環境調整装置の第1他例を示す底面図である。
図27】本発明の実施形態4に係る浴室環境調整装置の第2他例を示す底面図である。
図28】本発明の実施形態5に係る浴室環境調整装置の構成を示すブロック図である。
図29】本発明の実施形態5に係る制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図30】本発明の実施形態6に係る浴室環境調整装置の構成を示すブロック図である。
図31】本発明の実施形態6に係る制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図32】本発明の実施形態7に係る除菌液散布装置の構成を示す断面図である。
図33】本発明の実施形態7に係る浴室環境調整装置の構成を示すブロック図である。
図34】本発明の実施形態7に係る制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図35】本発明の実施形態8に係る制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図36】本発明の実施形態9に係る除菌液散布装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、説明が重複する箇所についても適宜説明を省略する場合がある。
【0010】
[実施形態1]
まず、図1を参照して、実施形態1に係る除菌液散布装置1について説明する。図1は、実施形態1に係る除菌液散布装置1を示す図である。除菌液散布装置1は、除菌液の霧を発生させて、例えば、浴室のような室内に除菌液を散布する。本実施形態において、除菌液散布装置1は、浴室に設置される。
【0011】
図1に示すように、浴室は、天井部C及び壁面部Wを有する。天井部Cは、天井面CSを有する、壁面部Wは、壁面WSを有する。本実施形態において、除菌液散布装置1は、天井部Cの天井面CSに設置される。
【0012】
除菌液散布装置1は、第1ユニット10と、第2ユニット20とを備える。また、除菌液散布装置1は、開口1aを有する。開口1aは、第1ユニット10と第2ユニット20との間に形成される。開口1aは、天井面CSよりも下方に設けられる。除菌液の霧は、開口1aの少なくとも一部から送出される。換言すると、開口1aの少なくとも一部は、除菌液の霧の送出口として機能する。
【0013】
開口1aから送出された除菌液の霧は、第1矢印D1、及び第2矢印D2で示すように、天井面CSに沿って水平方向へ流れる。また、天井面CSに沿って浴室の壁面WSまで導かれた除菌液の霧は、第3矢印D3で示すように、壁面WSに沿って下方に流れる。
【0014】
続いて、図2を参照して、実施形態1に係る除菌液散布装置1の構成について説明する。図2は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の上面図である。
【0015】
図2に示すように、第1ユニット10は、送風装置11と、支持体12と、供給管13と、水栓14と、調整弁15とを備える。送風装置11は、第1送風装置の一例である。
【0016】
送風装置11は、風を発生させる。送風装置11は、複数枚の羽根111と、ファンモータ112とを備える。ファンモータ112は、複数枚の羽根111を回転させる。本実施形態において、複数枚の羽根111は、上下方向に延びる軸心RXを中心として回転する。換言すると、送風装置11から発生する風の向きは、液面Lsに対して略直交する。送風装置11は、例えばDCファンである。送風装置11がDCファンである場合、ファンモータ112の回転数の調整が容易となる。換言すると、送風装置11の送風量の調整が容易となる。
【0017】
支持体12は、送風装置11及び第2ユニット20を支持する。本実施形態において、支持体12は、本体部121と、複数の支持部材122とを備える。
【0018】
本体部121は、送風装置11を支持する。本体部121は、蓋体121aを備える。蓋体121aは、送風装置11を支持する。本実施形態において、蓋体121aは、上面視略矩形形状であり、送風装置11を中央部において支持する。
【0019】
複数の支持部材122は、本体部121から下方に向けて突出する。複数の支持部材122は、第2ユニット20を着脱自在に支持する。複数の支持部材122の各々は、弾性力を有する。複数の支持部材122の各々は、第2ユニット20に設けられた嵌合孔に嵌ることにより、第2ユニット20を支持する。なお、開口1aは本体部121の周囲に形成される。詳しくは、複数の支持部材122の間に開口1aが形成される。
【0020】
供給管13は、第2ユニット20に水を供給する。例えば、供給管13は、水道水を供給する。水栓14は、供給管13に設けられる。水栓14は開閉可能である。水栓14が開状態である場合、供給管13は水を供給することができる。水栓14が閉状態である場合、供給管13による水の供給が遮断される。本実施形態において、水栓14は蓋体121aに配置される。調整弁15は、供給管13に設けられる。調整弁15については、図3を参照して後述する。
【0021】
続いて図3を参照して、除菌液散布装置1について更に説明する。図3は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の断面図である。詳しくは、図3は、図2のIII-III線に沿った断面を示す。図3に示すように、第1ユニット10は、浴室の天井部Cに設置される。
【0022】
続いて図3を参照して、第1ユニット10について更に説明する。図3に示すように、支持体12の本体部121は、下面が開放された箱形状を有し、蓋体121aに加えて壁部121bを更に備える。壁部121bは、蓋体121aの端部から下方に突出する。支持部材122は、壁部121bの下端部に接続する。送風装置11は、本体部121の外側から吸い込んだ空気を、第2ユニット20へ向けて送る。供給管13は、支持体12の蓋体121aから第2ユニット20の内部まで延びている。
【0023】
続いて図3を参照して、第2ユニット20について説明する。第2ユニット20は、収容部21と、電極対22と、超音波発生素子23と、水位センサー24と、第1ガイド部材25と、水槽26とを備える。なお、開口1aは、第1ガイド部材25の上端と支持体12の壁部121bとの間に形成される。
【0024】
収容部21は、上面が開放された箱形状を有する。本実施形態において、収容部21は、上面視略矩形形状である。収容部21の外形寸法は、水槽26の外形寸法よりも大きい。収容部21の外形形状は、水槽26の外形形状と略同一である。収容部21に水槽26が収容されると、収容部21と水槽26との間に霧流通空間Sが形成される。本実施形態において、霧流通空間Sは、水槽26の外縁に沿って均等に形成される。換言すると、水槽26は、収容部21の略真ん中に配置される。霧流通空間Sは、開口1aと連通する。
【0025】
水槽26は、溶媒を収容する。本実施形態において溶媒は水Lである。水槽26の上端26tは、開口1aよりも上方に位置する。水槽26は、上面が開放された箱形状を有する。水槽26は、上面視略矩形形状であって、4つの槽壁部を有する。4つの槽壁部は、水槽26の外縁を構成する。なお、供給管13は、4つの槽壁部(水槽26)の内側まで延びている。
【0026】
電極対22は、溶媒(水L)に浸漬される。本実施形態において、電極対22は、水槽26の床面に配置される。電極対22に電圧が印加されることにより、溶媒(水L)の中で除菌成分が生成される。この結果、溶媒(水L)と除菌成分とが混合された除菌液が水槽26内で生成される。換言すると、水槽26は除菌液を収容する。
【0027】
本実施形態において、除菌成分は銀イオンである。具体的には、電極対22を構成する各電極は、銀単体からなる金属プレートである。あるいは、各電極は、プレート状のチタン金属と、チタン金属の表面の一部又は全部に担持された銀とからなる金属プレートである。例えば、電極対22を構成する各電極のプレートサイズを5mm×30mm(厚さ0.3mm)とし、電極間距離を3mmとし、収容部21にpH7.6、硬度45mg/Lの水道水を100ml収容した場合、電極対22にDC5Vの電圧を印加すると、150mA以上170mA以下の電流が電極間を流れて、陽極から銀イオンが溶出する。
【0028】
超音波発生素子23は、除菌液に超音波振動を与えて、除菌液の霧を発生させる。詳しくは、超音波発生素子23は、圧電素子23aと、ベース部材23bとを有する。圧電素子23aが、除菌液に超音波振動を与える。圧電素子23aは、振動面231を有する。ベース部材23bは、水槽26の床面に対して振動面231が傾斜するように圧電素子23aを支持する。水槽26の底面に対する振動面231の第1傾斜角度α1は、例えば、7度以上10度以下である。なお、超音波の周波数は、例えば、1.6MHzである。
【0029】
本実施形態において、ベース部材23bは、水槽26の床面に配置される。ベース部材23bは、収容空間232を有する。収容空間232は、上面が開放されている。圧電素子23aは、振動面231が収容空間232の上面側を向くように、収容空間232に配置される。また、圧電素子23aは、水槽26の床面に対して振動面231が傾斜するように、収容空間232に配置される。具体的には、圧電素子23aが、水槽26の床面に対して傾斜する姿勢となる。
【0030】
詳しくは、ベース部材23bは、収容空間232のうち、圧電素子23aの振動面231側とは反対側の部分に、水L及び除菌液が流入することが抑制されるように、圧電素子23aを支持する。以下、収容空間232のうち、圧電素子23aの振動面231側とは反対側の部分を、「圧電素子23aの裏側の空間」と記載する。例えば、ベース部材23bは、収容空間232を構成する壁部に、圧電素子23aの外周部が嵌合する環状の溝部を有する。環状の溝部は傾斜しており、圧電素子23aの外周部が溝部に嵌合することにより、圧電素子23aが、傾斜した姿勢でベース部材23bに支持される。また、圧電素子23aの外周部が溝部に嵌合することにより、圧電素子23aの裏側の空間に水L及び除菌液が流入することが抑制される。
【0031】
超音波発生素子23は、液中から液面Lsに向けて超音波を照射する。この結果、音圧により液面Lsに噴水状の液柱Lpが液面Lsに対して傾斜するように発生し、液柱Lpから霧(除菌液の霧)が発生する。なお、液面Lsに対する液柱Lpの第2傾斜角度α2は、例えば、80度以上85度以下である。以下、液柱Lpが傾斜する方向のうちの水平方向を「傾斜方向WD1」と記載する。
【0032】
送風装置11は、風を発生させる。本実施形態において、送風装置11は、液面Lsに向かう風を発生させることにより、液柱Lpから発生する霧を霧流通空間Sへ向けて送る。この結果、霧が霧流通空間Sを通って、開口1aから送出される。換言すると、除菌液が散布される。
【0033】
なお、以下では、水槽26が有する4つの槽壁部のうち、液柱Lpが発生する箇所よりも傾斜方向WD1の下流側に位置する槽壁部を「第1槽壁部261」とし、第1槽壁部261に対して液柱Lpを挟んで対向する槽壁部を「第2槽壁部262」として実施形態を説明する。また、除菌液散布装置1の第1槽壁部261側の端部を「後端部1b」とし、その反対側の端部を「前端部1f」として実施形態を説明する。更に、除菌液散布装置1の前端部1f側を「除菌液散布装置1の前側」とし、その反対側を「除菌液散布装置1の後側」として実施形態を説明する。本実施形態において、後端部1bには、第1規制部材51が設けられる。このため、後端部1b側の開口1aから送出される霧量は、前端部1f側の開口1aから送出される霧量よりも少ない。換言すると、前端部1f側の開口1aから送出される霧量は、後端部1b側の開口1aから送出される霧量よりも多い。なお、除菌液散布装置1の後端部1bは、第1側部の一例であり、除菌液散布装置1の前端部1fは、第2側部の一例である。
【0034】
除菌液散布装置1が除菌液を散布すると、水槽26に収容されている除菌液の水位(液面Lsの高さ)が変動する。超音波によって霧を発生させる場合、超音波の節が液面Lsに位置するように、液面Lsの位置(水位)を調整する必要がある。
【0035】
水位センサー24は、除菌液の液面Lsの位置を検知する。調整弁15は、開閉可能である。調整弁15が開状態である場合、供給管13によって水が供給される。調整弁15が閉状態である場合、供給管13による水の供給が遮断される。調整弁15は、水位センサー24の検知結果に基づいて開閉して、超音波の節が液面Lsに位置するように、供給管13による水の供給を制御する。調整弁15は、例えば電磁弁である。水位センサー24は、例えばフロートスイッチである。水位センサー24がフロートスイッチである場合、水位センサー24は、超音波の節が液面Lsに位置するか否かを検知する。詳しくは、水位センサー24は、除菌液の水位が所定の水位であるか否かを検知する。所定の水位は、超音波の波長に応じて設定する。所定の水位は、例えば、振動面231から30mm以上40mm以下に調整される。
【0036】
第1ガイド部材25は、ガイド面251を有する。本実施形態において、第1ガイド部材25の上面がガイド面251を形成する。ガイド面251は、略水平方向に延びる。ガイド面251は、開口1aから送出された除菌液の霧を除菌液散布装置1の外部へ導く。
【0037】
また、除菌液散布装置1は、規制部5を更に備える。規制部5は、除菌液が水槽26の外に飛散することを規制する。詳しくは、規制部5は、液柱Lpから落下する除菌液が水槽26の外に飛散することを規制する。規制部5は、液柱Lpに対して傾斜方向WD1の下流側に設けられる。
【0038】
本実施形態において、規制部5は、第1規制部材51を含む。第1規制部材51は、側面視略矩形形状の板状の部材であって、規制面511及び裏面512を有する。規制面511は、第1規制部材51が有する2つの主面のうち、液柱Lpと対向する側の面である。裏面512は、規制面511とは反対側の面である。換言すると、裏面512は、第1規制部材51が有する2つの主面うち、液柱Lpから遠い側の面である。なお、除菌液散布装置1の左右方向において、第1規制部材51の長さは、水槽26の長さ以上、収容部21の長さ未満である。左右方向における第1規制部材51の長さが水槽26の長さ以上であることにより、第1規制部材51が除菌液に沈むことが抑制される。これにより、第1規制部材51と液面Lsとの間の隙間が確保される。
【0039】
規制面511は、除菌液が水槽26の外に飛散することを規制する。詳しくは、規制面511は、液柱Lpから落下する除菌液が水槽26の外に飛散することを抑制する。
【0040】
第1規制部材51は、規制面511が第1槽壁部261よりも内側となるように設けられる。換言すると、第1規制部材51は、規制面511が水槽26の外縁よりも内側となるように設けられる。本実施形態において、第1規制部材51は、規制面511が液面Lsに対して略直交するように配置される。
【0041】
第1規制部材51は、液面Lsよりも上方に配置される。詳しくは、規制面511の下端が、液面Lsよりも上方に位置する。本実施形態において、第1規制部材51は、水槽26の上端26tよりも上方に配置される。したがって、水槽26に収容される除菌液が満水になった場合であっても、第1規制部材51と液面Lsとの間に隙間が確保される。これにより、後端部1b側の開口1aから送出される霧量の低下を抑制できる。したがって、後端部1b側の開口1aから送出される霧量と前端部1f側の開口1aから送出される霧量との均一化を図ることができる。
【0042】
第1規制部材51は、下端51u及び上端51tを有する。なお、下端51uは、上端51tよりも液面Lsに近い。下端51uは、液面Lsよりも上方に位置する。本実施形態において、下端51uは、水槽26の上端26tと接続する。詳しくは、下端51uは、水槽26が有する4つの槽壁部のうち、左右方向において対向する2つの槽壁部の上端26tと接続する。上端51tは、本体部121に接続する。上端51tは、例えば、本体部121に固定される。
【0043】
続いて図4を参照して、除菌液散布装置1について更に説明する。図4は、実施形態1に係る除菌液散布装置1のブロック図である。図4に示すように、除菌液散布装置1は、操作部30、制御装置40、及び第1電源装置41~第4電源装置44を更に備える。
【0044】
操作部30は、ユーザーの操作を受け付ける。操作部30は、ユーザーの操作に応じた信号を制御装置40に送信する。操作部30は、例えば、浴室の壁面、又は浴室に隣接する脱衣所の壁面に設置される。
【0045】
本実施形態において、操作部30は、除菌ボタン31、停止ボタン32、及びディスプレー33を備える。また、操作部30は、プロセッサ、半導体メモリー及びインターフェース回路を備える。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)である。操作部30は、半導体メモリーとして、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を備える。プロセッサは、半導体メモリーに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)にしたがって、各種の処理を実行する。インターフェース回路は、操作部30と制御装置40との間の通信を実行する。
【0046】
除菌ボタン31は、除菌動作の開始を指示するボタンである。すなわち、ユーザーが除菌ボタン31を押下すると、操作部30は、除菌動作の開始を指示する信号を制御装置40に送信する。制御装置40が除菌動作の開始を指示する信号を受信すると、除菌液散布装置1は、所定の期間、除菌動作(除菌液散布処理)を実行する。
【0047】
停止ボタン32は、除菌動作の停止を指示するボタンである。すなわち、ユーザーが停止ボタン32を押下すると、操作部30は、除菌動作の停止を指示する信号を制御装置40に送信する。制御装置40が除菌動作の停止を指示する信号を受信すると、除菌液散布装置1は、除菌動作を開始してから所定の期間が経過する前であっても、除菌動作を停止する。
【0048】
ディスプレー33は、プロセッサによって制御されて、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレー33は、除菌液散布装置1が除菌動作を実行している場合、除菌動作が実行されていることを示すメッセージを表示する。また例えば、ディスプレー33は、除菌動作が開始してから経過した時間、又は、除菌動作が終了するまでの残り時間を表示する。
【0049】
制御装置40は、除菌液散布装置1の動作を制御する。具体的には、制御装置40は、プロセッサ、半導体メモリー、及びインターフェース回路を備える。プロセッサは、例えば、CPU又はMPUである。制御装置40は、半導体メモリーとして、例えば、RAM及びROMを備える。プロセッサは、半導体メモリーに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)にしたがって、各種の処理を実行する。インターフェース回路は、制御装置40と操作部30との間の通信を実行する。本実施形態において、制御装置40は、除菌動作の開始を指示する信号を操作部30から受信すると、除菌動作が実行されるように、第1電源装置41~第4電源装置44の動作を制御する。
【0050】
第1電源装置41は、制御装置40によって制御されて、電極対22を通電させる電圧を生成する。詳しくは、制御装置40は、銀イオンの濃度が所定の濃度となるまで電極対22が通電するように、第1電源装置41を制御する。所定の濃度は、例えば、2ppmである。
【0051】
第2電源装置42は、制御装置40によって制御されて、超音波発生素子23を駆動させる電圧を生成する。この結果、超音波発生素子23から超音波が発生する。
【0052】
第3電源装置43は、制御装置40によって制御されて、ファンモータ112を駆動させる電圧を生成する。この結果、図2を参照して説明した複数枚の羽根111が回転して、除菌液の霧を送る風が発生する。なお、制御装置40は、ファンモータ112の回転数を周期的に変化させて、送風装置11の送風量を周期的に変化させることが好ましい。送風装置11の送風量を変化させることで、除菌液の霧の飛散距離を変化させて、天井面CSや壁面WSにより均一に除菌液を付着させることができる。
【0053】
第4電源装置44は、制御装置40によって制御されて、調整弁15を駆動させる電圧を生成する。詳しくは、制御装置40は、水位センサー24の出力に基づき、除菌液の水位が所定の水位となるように第4電源装置44を制御する。具体的には、除菌動作によって除菌液の水位が下がると、制御装置40は、調整弁15を開く。この結果、図2を参照して説明したように、収容部21に供給管13から水が供給される。また、制御装置40は、除菌液の水位が所定の水位まで上昇すると、調整弁15を閉じる。
【0054】
続いて図4及び図5を参照して、制御装置40が実行する処理の流れについて説明する。図5は、実施形態1に係る制御装置40が実行する処理を示すフローチャートである。制御装置40は、除菌動作の開始を指示する信号を操作部30から受信すると、図5に示す処理を開始する。
【0055】
図5に示すように、制御装置40は、除菌動作の開始を指示する信号を受信すると、銀イオンの濃度が所定の濃度となるように電極対22を通電させる(ステップS1)。
【0056】
制御装置40は、電極対22を通電させた後、超音波発生素子23から超音波を発生させる(ステップS2)。また、制御装置40は、ファンモータ112を駆動して、除菌液の霧を送る風を発生させる(ステップS2)。この結果、図1を参照して説明した開口1aから除菌液の霧が送出される。
【0057】
制御装置40は、除菌液の霧の送出を開始すると、水位センサー24の出力に基づいて、除菌液の水位が所定の水位であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0058】
制御装置40は、除菌液の水位が所定の水位であると判定すると(ステップS3のYes)、除菌動作の開始を指示する信号を受信してから所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。
【0059】
一方、制御装置40は、除菌液の水位が所定の水位でないと判定すると(ステップS3のNo)、除菌液の水位が所定の水位となるように調整弁15を駆動する(ステップS5)。換言すると、制御装置40は、図2を参照して説明したように、供給管13から収容部21に水を供給して、除菌液の水位を所定の水位まで上昇させる。
【0060】
制御装置40は、除菌液の水位が所定の水位まで上昇すると、調整弁15を閉じた後、銀イオンの濃度が所定の濃度となるように電極対22を通電させる(ステップS6)。制御装置40は、電極対22を通電させた後、除菌動作の開始を指示する信号を受信してから所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS4)。
【0061】
制御装置40が、所定期間が経過していないと判定すると(ステップS4のNo)、処理はステップS3の処理に戻る。一方、制御装置40は、所定期間が経過していると判定すると(ステップS4のYes)、超音波発生素子23及びファンモータ112の駆動を停止させて、図5に示す処理を終了する。所定期間は、例えば、除菌液散布処理が開始されてから5分間以上10分間以下である。
【0062】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態の除菌液散布装置1は、規制部5を備える。規制部5は、液柱Lpに対して傾斜方向WD1の下流側に配置される。したがって、液柱Lpから落下する除菌液が水槽26の外へ飛散することが抑制される。
【0063】
また、霧化効率を向上させるためには、除菌液の水位を所定の水位にする必要がある。換言すると、水槽26を所定の深さ以上にする必要がある。図1を参照して説明したように、開口1aは、天井面CSよりも下方に設けられる。本実施形態では、水槽26の上端26tの位置を開口1aよりも上方することにより、水槽26の深さを確保する。しかしながら、水槽26の上端26tの位置が開口1aよりも上方である構成において、水槽26の外に除菌液が飛散すると、開口1aから除菌液が漏れる虞がある。開口1aから除菌液が漏れると、液漏れが発生したとユーザーが誤解する虞がある。あるいは、例えば、ユーザーの頭上に除菌液が落下することにより、ユーザーに不快感を与える。また、落下した除菌液が乾燥することにより、落下した箇所において、除菌液の濃度が高くなる。本実施形態によれば、規制部5は、水槽26の外に除菌液が飛散することを抑制する。したがって、水槽26の上端26tが開口1aよりも上方に位置した場合であっても、水槽26の外へ除菌液が飛散することが抑制される。よって、除菌液散布装置1の外部へ除菌液が漏れることが抑制される。この結果、水漏れが発生したとユーザーに誤解させることが抑制される。また、例えば、ユーザーの頭上に除菌液が落下することにより、ユーザーに不快感を与えることが抑制される。更に、落下した除菌液が乾燥することにより、落下した箇所において、除菌液の濃度が高くなることが抑制される。
【0064】
また、水槽26を所定の深さ以上にする別の方法として、第2ユニット20の天井面CSからの突出量を増加させる方法がある。しかしながら、第2ユニット20の天井面CSからの突出量が増加すると、美観上好ましくない。本実施形態によれば、除菌液散布装置1は、天井面CSからの突出量を抑制しつつ、水槽26の深さを確保する。したがって、美観の低下を抑制できる。
【0065】
また、本実施形態によれば、天井面CSからの第2ユニット20の突出量を抑制することにより、メンテナンスの作業効率の低下を抑制できる。
【0066】
なお、本実施形態において、第1規制部材51が、液面Lsに対して略垂直に設けられたが、第1規制部材51は、液面Lsに対して略垂直に設けられる構成に限定されない。図6は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の第1他例の断面図である。例えば、図6に示すように、第1規制部材51は、液面Lsに対して傾斜してもよい。詳しくは、第1規制部材51は、規制面511が液面Lsから離れるにつれて水槽26の外側に向けて傾斜してもよい。換言すると、第1規制部材51は、下端51uが上端51tよりも水槽26の内側となるように傾斜してもよい。これにより、水槽26の外に除菌液が飛散することが抑制される。
【0067】
また、下端51uが上端51tよりも水槽26の内側となるように、第1規制部材51が傾斜することにより、上端51tと液柱Lpの頂点との間の距離を確保することができる。これにより、第1規制部材51が霧の発生の妨げとなることが抑制される。したがって、霧化効率を向上させることができる。
【0068】
また、下端51uが上端51tよりも水槽26の内側となるように、第1規制部材51が傾斜することにより、液柱Lpから飛散した除菌液が規制面511を伝って水槽26へ戻りやすくなる。したがって、水槽26の外に除菌液が飛散することが抑制される。
【0069】
また、第1規制部材51は、下端51uが水槽26の中央部に位置するように傾斜することが好ましい。これにより、規制面511を伝って水槽26に戻る除菌液が水槽26の外に飛散することが更に抑制される。
【0070】
また、規制面511が液面Lsに対して傾斜する構成において、図7に示すように、送風装置11は、第1規制部材51の下端51uに向かう風を発生させてもよい。図7は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の第2他例の断面図である。図7に示すように、送風装置11は、蓋体121aのうち、第1規制部材51が配置される側とは反対側に配置され、複数の羽根111の軸心RXが液面Lsに対して傾斜するように配置される。送風装置11は、複数の羽根111が回転することにより、第1規制部材51の下端51uに向かう風を発生させる。この結果、液柱Lpから発生した霧が後端部1b側へ向けて流れる。これにより、後端部1b側の開口1aから送出される霧量の低下を抑制できる。よって、前端部1f側の開口1aから送出される霧量と後端部1b側の開口1aから送出される霧量との均一化を図ることができる。
【0071】
また、図8に示すように、除菌液散布装置1は、空気流通部6を更に備えてもよい。図8は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の第3他例の断面図である。空気流通部6は、第2ガイド部材61を有する。第2ガイド部材61は、第1規制部材51の上方に配置されて、本体部121との間に空気流通路62を形成する。
【0072】
空気流通路62には、送風装置11から発生した風が流れる。空気流通路62は、第1流通路621、第2流通路622、及び第3流通路623を含む。
【0073】
第1流通路621は、除菌液散布装置1の上部に形成される。詳しくは、第1流通路621は、第2ガイド部材61の上面と蓋体121aの内壁面との間に形成される。第1流通路621は、水平方向に延びる。第1流通路621の一端は、送風装置11の下方に設けられた空間と接続する。
【0074】
第2流通路622は、下方に向けて延びる。第2流通路622の一端は、第1流通路621の他端と接続する。第2流通路622は、第2ガイド部材61の側面と、壁部121bの内壁面との間に形成される。
【0075】
第3流通路623は、下方に向けて延びる。第3流通路623の一端は、第2流通路622の他端と接続する。第3流通路623は、第1規制部材51の裏面512と、壁部121bの内壁面との間に形成される。第3流通路623他端は、後端部1b側の霧流通空間Sと連通する。したがって、送風装置11が発生した風は、第1流通路621、第2流通路622、第3流通路623、及び後端部1b側の霧流通空間Sを流れて、後端部1b側の開口1aから送出される。換言すると、送風装置11から発生した風は、空気流通路62を流れて後端部1b側の開口1aから送出される。送風装置11から発生した風が空気流通路62を流れると、ベンチュリ効果によって霧が空気流通路62に引き込まれる。この結果、後端部1b側の開口1aから送出される霧量の低下を抑制できる。よって、前端部1fの開口1aから送出される霧量と後端部1b側の開口1aから送出される霧量との均一化を図ることができる。なお、除菌液散布装置1が空気流通部6を備える構成である場合、本体部121の形状が異なってもよい。本体部121は、第1規制部材51が配置される側の上部が外側に向けて突出してもよい。
【0076】
また、図9に示すように、除菌液散布装置1は、逆戻規制部7を更に備えてもよい。図9は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の第4他例の断面図である。図9に示すように、逆戻規制部7は、第1規制部材51の裏面512から後端部1b側へ向けて突出する。逆戻規制部7は、側面視略三角形状を有し、上面71、及び傾斜面72を有する。上面71は、第1規制部材51の裏面512から後端部1b側に近づくにつれて液面Lsに近づくように傾斜する。傾斜面72は、上端が上面71と接続する。傾斜面72は、液面Lsに近づくにつれて水槽26の内側となるように傾斜する。除菌液散布装置1が逆戻規制部7を備えることにより、逆戻規制部7は、空気流通部6に引き込まれた霧が液面Lsへ戻ることを規制する。
【0077】
また、本実施形態において、第1規制部材51の上端51tが蓋体121aに固定される構成を説明したが、上端51tは、蓋体121aに回転自在に支持されてもよい。換言すると、第1規制部材51は、第1規制部材51の上端51tを中心として回転自在であってもよい。図2を参照して説明したように、第2ユニット20は、第1ユニット10に対して着脱自在である。したがって、第2ユニット20を第1ユニット10に装着させる場合において、第2ユニット20を下方から上方へ移動させると、第1規制部材51の下端51uと水槽26の上端26tとが接触する。第1規制部材51の下端51uと水槽26の上端26tとが接触した状態において、第2ユニット20を更に上方へ移動させると、第1規制部材51が上端51tを中心として回転する。これにより、第1規制部材51が液面Lsに対して傾斜する。したがって、第1規制部材51と液面Lsとの間の隙間を確実に確保することができる。この結果、後端部1b側の開口1aから送出される霧量の低下を抑制できる。したがって、前端部1f側の開口1aから送出される霧量と、後端部1b側の開口1aから送出される霧量との均一化を図ることができる。
【0078】
また、図10に示すように、除菌液散布装置1は、第2規制部材52を更に備えてもよい。図10は、本発明の実施形態1に係る除菌液散布装置1の第5他例の断面図である。図10に示すように、第2規制部材52は、水槽26を挟んで第1規制部材51と対向する。具体的には、第2規制部材52は、複数枚の羽根111の軸心RXを軸として、第1規制部材51と線対称に設けられる。第2規制部材52は、第1規制部材51と同様に、液面Lsから離れるにつれて水槽26の外側に向けて傾斜する。なお、供給管13は、第2規制部材52に設けられた貫通孔を貫通する。第2規制部材52は、水槽26を挟んで第1規制部材51と線対称に設けられることにより、送風装置11から発生した風の流れが除菌液散布装置1の内部において均一化される。具体的には、送風装置11の軸心RXを挟んで空気の流れが対称になる。したがって、前端部1fの開口1aから送出される霧量と後端部1b側の開口1aから送出される霧量との均一化を図ることができる。
【0079】
また、本実施形態において、第1規制部材51が板状部材である構成を説明したが、第1規制部材51は、除菌液が水槽26の外に飛散することを抑制できればよく、板状部材に限定されない。図11は、実施形態1に係る除菌液散布装置1の第6他例の断面図である。例えば、図11に示すように、第1規制部材51は、両端に開口を有する中空の筒状部材であってもよい。筒状部材の開口は、液面Lsから発生する液柱Lpよりも大きい径を有する。筒状部材は、一方の開口が、液面Lsから発生する液柱Lpを内部に収容できる位置に設けられる。送風装置11は、筒状部材の他方の開口と対向するように配置される。筒状部材は、液面Lsに対して略垂直に設けられる。なお、筒状部材は、液面Lsに対して傾斜して設けられてもよい。図11に示す構成により、水槽26の外に除菌液が飛散することが抑制される。
【0080】
[実施形態2]
続いて図12を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、収容部21における水槽26の位置が異なる。
【0081】
図12は、実施形態2に係る除菌液散布装置1の断面図である。図12に示すように、水槽26は、収容部21の内部において、実施形態1で説明した水槽26が配置される位置よりも傾斜方向WD1の下流側に配置される。詳しくは、水槽26は、外縁の一部が本体部121と接触するように配置される。具体的には、水槽26は、第1槽壁部261の外壁面が傾斜方向WD1の下流側に位置する壁部121bと接触するように収容部21に配置される。換言すると、第1槽壁部261と収容部21との間には、霧流通空間Sが形成されない。したがって、霧は、後端部1b側の開口1aの一部からのみ送出される。詳しくは、霧は、後端部1b側の開口1aのうち、第1槽壁部261と対向する開口1aから送出されず、後端部1b側の開口1aのうち、第1槽壁部261と対向しない開口1aから送出される。換言すると、本実施形態において、前端部1f側の開口1aから送出される霧量は、後端部1b側の開口1aから送出される霧量よりも多くなる。
【0082】
送風装置11は、蓋体121aの中央部よりも傾斜方向WD1の下流側において、蓋体121aに支持される。送風装置11は、例えば、蓋体121aのうち、液柱Lpの頂点と対向する位置において、蓋体121aに支持される。本実施形態において、複数枚の羽根111の軸心RXは、上下方向に延びる。換言すると、送風装置11から発生する風の向きは、液面Lsに対して略直交する。
【0083】
本実施形態において、規制部5は、本体部121の壁部121bによって構成され、規制面511は、壁部121bの壁面によって構成される。詳しくは、規制面511は、壁部121bの水槽26と接触する側の内壁面のうち、水槽26よりも上方の内壁面によって構成される。
【0084】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、水槽26は、本体部121の壁部121bのうち、傾斜方向WD1の下流側に位置する壁部121bに接触し、壁部121bが規制部5を構成する。したがって、液柱Lpが液面Lsに対して傾斜して発生した場合であっても、除菌液が水槽26の外へ飛散することが抑制される。
【0085】
また、本実施形態によれば、規制面511は、本体部121の内壁面によって構成される。換言すると、規制部5は、本体部121(壁部121b)によって構成される。したがって、除菌液散布装置1は、第1規制部材51を備える構成と比べて、部品点数を削減することができる。よって、除菌液散布装置1の構成を簡略化できる。
【0086】
なお、本実施形態において、複数枚の羽根111の軸心RXが上下方向と一致する場合を説明したが、図13に示すように、複数枚の羽根111の軸心RXは、液面Lsに対して傾斜してもよい。図13は、実施形態2に係る除菌液散布装置1の他例の断面図である。図13に示す構成において、複数枚の羽根111の軸心RXは、送風装置11が傾斜方向WD1と反対方向へ向かう風を発生するように傾斜する。換言すると、送風装置11は、傾斜方向WD1と反対方向へ向かう風を発生するように配置される。この結果、霧の送出に寄与する風量が増加する。これにより、開口1aから送出される霧量を増加させることができる。また、送風装置11が傾斜方向WD1とは反対方向へ向かう風を発生させるように配置されることにより、液柱Lpから飛散する除菌液が水槽26の中央部に戻る。この結果、水槽26の外に除菌液が飛散することが抑制される。
【0087】
[実施形態3]
続いて図14図18を参照して本発明の実施形態3について説明する。但し、実施形態1~2と異なる事項を説明し、実施形態1~2と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態3は、除菌液散布装置1が浴室環境調整装置100に設置される点で実施形態1~2と異なる。
【0088】
図14は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の底面図である。なお、図14に示す矢印は、除菌液散布装置1から送出される霧を示す。浴室環境調整装置100は、例えば、浴室の天井部C(図1参照)に設置される。
【0089】
図14に示すように、浴室環境調整装置100は除菌液散布装置1を備える。本実施形態の除菌液散布装置1は、実施形態2で説明した除菌液散布装置1と略同様の構成である。詳しくは、実施形態2を参照して説明したように、後端部1b側の開口1aから送出される霧量は、前端部1f側の開口1aから送出される霧量に比べて少ない。
【0090】
浴室環境調整装置100は、パネル101と、可動風向板102と、ミストノズル203とを備える。ミストノズル203については図15を参照して後述する。本実施形態において、浴室環境調整装置100は、ミストサウナ付きの浴室暖房乾燥装置である。
【0091】
パネル101は、浴室の天井面CS(図1参照)から露出する。パネル101には、吸込み口103及び吹出し口104が形成されている。吸込み口103及び吹出し口104は横長矩形状に形成されている。以下、吸込み口103の長手方向を「浴室環境調整装置100の左右方向」とし、吸込み口103の短手方向を「浴室環境調整装置100の前後方向」として実施形態を説明する。浴室環境調整装置100の前後方向において、吸込み口103は、吹出し口104と対向する。以下、吹出し口104が設けられる側を「除菌液散布装置1の前側」と記載し、その反対側を「除菌液散布装置1の後側」として実施形態を説明する。本実施形態において、浴室環境調整装置100の左右方向において、吸込み口103の長さは、吹出し口104の長さと異なる。具体的には、浴室環境調整装置100の左右方向において、吸込み口103の長さは、吹出し口104の長さよりも長い。
【0092】
吹出し口104は、空気を浴室環境調整装置100の前側に向けて吹き出す。換言すると、吹出し口104は、吸込み口103から離れる方向へ向けて空気を吹き出す。
【0093】
可動風向板102は、吹出し口104に設けられる。可動風向板102は、吹出し口104に対応する形状を有する。可動風向板102は、吹出し口104に対して開閉自在である。本実施形態において、可動風向板102は回動自在であり、可動風向板102が回動することにより、吹出し口104から吹き出される風の向きを変更することができる。また、可動風向板102は、浴室環境調整装置100が暖房運転、乾燥運転及びミストサウナ運転を停止している際に吹出し口104を閉塞し(覆い)、浴室環境調整装置100が暖房運転、乾燥運転、又はミストサウナ運転を実行している際に吹出し口104を開放する。また、可動風向板102は、除菌液散布装置1が除菌運転している際に吹出し口104を開放している。なお、図14は、可動風向板102が吹出し口104を閉塞している状態を示している。
【0094】
浴室環境調整装置100は、装着部105を更に備える。装着部105は、パネル101に設けられる。本実施形態において、装着部105は、吹出し口104と左右方向において並ぶように設けられる。具体的には、装着部105は、浴室環境調整装置100の左右方向における吹出し口104の2つの端のうちの一方の外側に設けられる。また、装着部105は、吸込み口103よりも前側に設けられる。具体的には、浴室環境調整装置100の左右方向における吸込み口103の2つの端のうちの一方よりも内側に設けられる。
【0095】
装着部105は、装着口105hを含む。装着口105hは、パネル101に形成される開口1aである。装着口105hには、除菌液散布装置1(第1ユニット10)が装着される。除菌液散布装置1から送出された霧は、吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。
【0096】
本実施形態において、除菌液散布装置1は、後端部1bが吸込み口103側となるように装着部105に装着される。換言すると、除菌液散布装置1は、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に装着される。なお、除菌液散布装置1が有する2つの側端部の一方は、吹出し口104側となる。実施形態2で説明したように、除菌液散布装置1の前端部1f側の開口1aから送出される霧量は、後端部1b側の開口1aから送出する霧量よりも多い。したがって、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に除菌液散布装置1が装着されることにより、除菌液散布装置1から送出された霧が吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。また、後端部1bが吸込み口103側となるように除菌液散布装置1が装着部105に装着されることにより、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制される。なお、除菌液散布装置1が有する2つの側端部の一方の側端部側から送出された霧は、吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。
【0097】
続いて図15を参照して、浴室環境調整装置100(ミストサウナ付きの浴室暖房乾燥装置)の構成について説明する。図15は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の構成を示す図である。
【0098】
図15に示すように、浴室環境調整装置100は、本体ユニット200と、熱源機300とを備える。本体ユニット200は浴室の天井部Cに設置される。熱源機300は屋外に設置される。なお、図14を参照して説明したパネル101は、本体ユニット200の外装部材として、本体ユニット200に装着される。
【0099】
熱源機300は、暖房用の熱媒、及び給湯用水を加熱する。熱源機300は、暖房用の熱媒を循環させる循環ポンプ302を備える。暖房用の熱媒は、例えば温水又は不凍液である。熱源機300は供給路301に接続し、供給路301から供給される給湯用水を加熱する。
【0100】
本体ユニット200は、温水循環流路201と、ミスト用通水路202と、ミストノズル203と、暖房用熱交換器204と、ミスト用熱交換器205と、駆動装置206と、送風装置210と、制御装置220とを備える。なお、暖房用熱交換器204は、熱交換器の一例であり、送風装置210は、第2送風装置の一例である。
【0101】
温水循環流路201は、暖房用の熱媒を本体ユニット200と熱源機300との間で循環させる。具体的には、熱源機300が備える循環ポンプ302が作動することにより、熱源機300から流れ出た熱媒が温水循環流路201を流れる。詳しくは、熱媒は、暖房用熱交換器204及びミスト用熱交換器205をこの順に経由して、熱源機300に戻る。
【0102】
ミスト用通水路202は、供給路301から分岐する通水路であり、ミスト用の水を通水する。ミスト用通水路202は、ミスト用熱交換器205を経由してミストノズル203に至るように配設されている。ミストノズル203は、ミスト用通水路202から供給される水をミスト化して浴室に噴霧する。
【0103】
本実施形態において、除菌液散布装置1の供給管13は、供給路301から分岐する通水路であり、調整弁15が開くことにより、供給路301から除菌液散布装置1の供給管13に水が流入する。なお、供給路301から除菌液散布装置1の供給管13に水を流入させる際には、ミスト用通水路202が水を通水しないように、ミスト用通水路202に設けられた電磁弁を閉める。
【0104】
暖房用熱交換器204は、可動風向板102及び除菌液散布装置1に対向する。暖房用熱交換器204は、吸込み口103に吸い込まれた空気を温風に変換する。ミスト用熱交換器205は、ミスト用通水路202を流れる水を温水に変換する。
【0105】
駆動装置206は、可動風向板102を所定の回転角度範囲内で回動させる。駆動装置206は、例えば電動モータである。駆動装置206が可動風向板102を回動させることにより、可動風向板102の姿勢が、図14を参照して説明した吹出し口104を閉塞する姿勢から、吹出し口104を開く姿勢に変化する。また、可動風向板102の回転角度に応じて、浴室に供給される温風の送風方向が変化する。
【0106】
送風装置210は、風を発生させる風発生装置である。送風装置210は、回転ファン211と、ファンモータ212とを備える。ファンモータ212は、回転ファン211を回転させる。回転ファン211は、例えばシロッコファンである。
【0107】
回転ファン211が回転することにより、図14を参照して説明した吸込み口103に空気が吸い込まれる。吸込み口103に吸い込まれた空気は、図14を参照して説明した吹出し口104を可動風向板102が開放している場合、回転ファン211の回転により、暖房用熱交換器204を介して吹出し口104から吹き出す。また、可動風向板102が開放している場合、吸込み口103に吸い込まれた空気は、回転ファン211の回転により、暖房用熱交換器204を介して、除菌液散布装置1に向けて流れる。
【0108】
制御装置220は、浴室環境調整装置100の運転制御を行う。具体的には、浴室環境調整装置100の暖房動作、乾燥動作、及びミストサウナ動作を制御する。更に、制御装置220は、除菌液散布装置1の除菌動作を制御する。したがって、本実施形態において、除菌液散布装置1は、実施形態1において説明した制御装置40を備えていない。
【0109】
制御装置220は、プロセッサ、及び半導体メモリーを備える。プロセッサは、例えば、CPU又はMPUである。制御装置40は、半導体メモリーとして、例えば、RAM及びROMを備える。プロセッサは、半導体メモリーに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)にしたがって、各種の処理を実行する。
【0110】
続いて図16を参照して、本体ユニット200について更に説明する。図16は、実施形態3に係る本体ユニット200の一部を拡大して示す図である。詳しくは、図16は、本体ユニット200の一部を上方から見た図である。図16に示すように、本体ユニット200は、ホルダー230を更に備える。
【0111】
ホルダー230は、可動風向板102を回動可能に支持する。具体的には、可動風向板102は2つの回転軸102aを備え、ホルダー230は2つの回転軸102aを回動可能に支持する。2つの回転軸102aの一方は、駆動装置206の出力軸と接続している。また、ホルダー230は除菌液散布装置1を支持する。具体的には、ホルダー230は、第1ユニット10の本体部121を支持する。
【0112】
続いて図17を参照して、実施形態3に係る浴室環境調整装置100について説明する。図17は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の構成を示す図である。詳しくは、図17は、浴室環境調整装置100の風路を示す。
【0113】
図17に示すように、本体部121の蓋体121aは、蓋体121aを貫通する貫通孔125を有する。換言すると、本実施形態に係る除菌液散布装置1は、実施形態1において説明した送風装置11を備えていない。本実施形態では、除菌液の霧は、図15を参照して説明した浴室環境調整装置100の送風装置210を利用して散布される。
【0114】
続いて図17を参照して、本体ユニット200について更に説明する。図17に示すように、本体ユニット200は、第1固定風向板207を更に備える。第1固定風向板207は、暖房用熱交換器204から流れ出た風の向きを所定の方向(本実施形態では下方向)に整合させる。
【0115】
続いて図18を参照して、浴室環境調整装置100について更に説明する。図18は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100のブロック図である。図18に示すように、浴室環境調整装置100は、操作部30、及び第1電源装置41、第2電源装置42、及び第4電源装置44に加え、第5電源装置45を備える。
【0116】
操作部30は、ユーザーの操作を受け付ける。操作部30は、ユーザーの操作に応じた信号を制御装置220に送信する。操作部30は、例えば、浴室の壁面、又は浴室に隣接する脱衣所の壁面に設置される。
【0117】
本実施形態において、操作部30は、除菌ボタン31、停止ボタン32、ディスプレー33、暖房ボタン34、浴室乾燥ボタン35、及びミストサウナボタン36を備える。また、操作部30は、プロセッサ、半導体メモリー及びインターフェース回路を備える。プロセッサは、例えば、CPU又はMPUである。操作部30は、半導体メモリーとして、例えば、RAM及びROMを備える。プロセッサは、半導体メモリーに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)にしたがって、各種の処理を実行する。インターフェース回路は、操作部30と制御装置220との間の通信を実行する。なお、制御装置220も、制御装置220と操作部30との間の通信を実行するインターフェース回路を備えている。
【0118】
除菌ボタン31は、除菌動作の開始を指示するボタンである。すなわち、ユーザーが除菌ボタン31を押下すると、操作部30は、除菌動作の開始を指示する信号を制御装置220に送信する。制御装置220が除菌動作の開始を指示する信号を受信すると、除菌液散布装置1は、所定の期間、除菌動作を実行する。
【0119】
停止ボタン32は、各種の運転動作の停止を指示するボタンである。例えば暖房運転中にユーザーが停止ボタン32を押下すると、操作部30は、暖房動作(暖房運転)の停止を指示する信号を制御装置220に送信する。制御装置220が暖房動作の停止を指示する信号を受信すると、浴室環境調整装置100は、暖房動作(暖房運転)を停止する。また、除菌動作中にユーザーが停止ボタン32を押下すると、操作部30は、除菌動作の停止を指示する信号を制御装置220に送信する。制御装置220が除菌動作の停止を指示する信号を受信すると、除菌液散布装置1は、除菌動作を開始してから所定の期間が経過する前であっても、除菌動作を停止する。
【0120】
ディスプレー33は、プロセッサによって制御されて、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレー33は、現在実行中の運転動作を示すメッセージを表示する。また例えば、ディスプレー33は、除菌動作が開始してから経過した時間、又は、除菌動作が終了するまでの残り時間を表示する。
【0121】
暖房ボタン34は、暖房動作(暖房運転)の開始を指示するボタンである。すなわち、ユーザーが暖房ボタン34を押下すると、操作部30は、暖房動作の開始を指示する信号を制御装置220に送信する。制御装置220が暖房動作の開始を指示する信号を受信すると、浴室環境調整装置100は、暖房動作(暖房運転)を実行する。
【0122】
浴室乾燥ボタン35は、乾燥動作(乾燥運転)の開始を指示するボタンである。すなわち、ユーザーが浴室乾燥ボタン35を押下すると、操作部30は、乾燥動作の開始を指示する信号を制御装置220に送信する。制御装置220が乾燥動作の開始を指示する信号を受信すると、浴室環境調整装置100は、乾燥動作(乾燥運転)を実行する。
【0123】
ミストサウナボタン36は、ミストサウナ動作(ミストサウナ運転)の開始を指示するボタンである。すなわち、ユーザーがミストサウナボタン36を押下すると、操作部30は、ミストサウナ動作の開始を指示する信号を制御装置220に送信する。制御装置220がミストサウナ動作の開始を指示する信号を受信すると、浴室環境調整装置100は、ミストサウナ動作(ミストサウナ運転)を実行する。
【0124】
本実施形態において、制御装置220は、除菌動作の開始を指示する信号を操作部30から受信すると、図4を参照して説明した制御装置40と同様に、第1電源装置41、第2電源装置42、及び第4電源装置44の動作を制御することに加え、第5電源装置45の動作を制御する。これにより、図5を参照して説明した処理が制御装置220によって実行される。
【0125】
第1電源装置41は、制御装置220によって制御されて、電極対22を通電させる電圧を生成する。詳しくは、制御装置220は、銀イオンの濃度が所定の濃度となるまで電極対22が通電するように、第1電源装置41を制御する。所定の濃度は、例えば、2ppmである。
【0126】
第2電源装置42は、制御装置220によって制御されて、超音波発生素子23を駆動させる電圧を生成する。この結果、超音波発生素子23から超音波が発生する。
【0127】
第4電源装置44は、制御装置220によって制御されて、調整弁15を駆動させる電圧を生成する。詳しくは、制御装置220は、水位センサー24の出力に基づき、除菌液の水位が所定の水位となるように第4電源装置44を制御する。具体的には、除菌動作によって除菌液の水位が下がると、制御装置220は、調整弁15を開く。この結果、図6を参照して説明したように、収容部21に供給管13から水が供給される。また、制御装置220は、除菌液の水位が所定の水位まで上昇すると、調整弁15を閉じる。
【0128】
第5電源装置45は、制御装置220によって制御されて、ファンモータ212を駆動させる電圧を生成する。この結果、図15を参照して説明した回転ファン211が回転して、風が発生する。なお、制御装置220は、除菌動作中において、ファンモータ212の回転数を周期的に変化させて、送風装置210の送風量を周期的に変化させることが好ましい。送風装置210の送風量を変化させることで、除菌液の霧の飛散距離を変化させて、パネル101、天井面CS、及び壁面WSに、より均一に除菌液を付着させることができる。
【0129】
以上、実施形態3について説明した。本実施形態によれば、浴室環境調整装置100の送風装置210を利用して、除菌液の霧を送ることができる。これにより、除菌液散布装置1が送風装置を備える構成と比べて、送風装置の数を削減することができる。また、浴室環境調整装置100の構成を簡略化できる。
【0130】
また、浴室環境調整装置100の送風装置210は、実施形態1~2で説明した送風装置11よりも風量が大きい。したがって、本実施形態によれば、より大きい風量で霧を開口1aから送出することができる。この結果、霧をより広範囲に拡散させることができる。
【0131】
また、本実施形態によれば、送風装置210と液柱Lpとの間の距離をより広く確保できる。したがって、送風装置210に除菌液が付着することを抑制できる。
【0132】
また、浴室環境調整装置100は、浴室の天井面CSの中央部よりも壁面WS側に配置されることが多い。この場合において、浴室環境調整装置100は、浴室を区画する壁面WSのうち、浴室環境調整装置100から最も遠い壁面WS側が、浴室環境調整装置100の前側となるように設置されることが多い。本実施形態によれば、除菌液散布装置1の前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように、除菌液散布装置1が装着部105に装着される。換言すると、浴室環境調整装置100の前側に向けて散布される霧量は、左右方向及び後方へ向けて散布される霧量よりも多い。したがって、除菌液の霧は、最も遠い壁面WSまで送出される。この結果、浴室を区画する壁面WSに対して除菌液を均一に付着させることができる。
【0133】
なお、図19に示すように、除菌液散布装置1は、第2固定風向板113を更に備えてもよい。図19は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の他例を示す図である。第2固定風向板113は、貫通孔125の内部に配置される。第2固定風向板113は、例えば、送風装置210が発生した風が傾斜方向WD1とは反対方向へ向かうように配置される。換言すると、第2固定風向板113は、送風装置210から発生した風が第2槽壁部262側の霧流通空間Sへ向かうように配置される。したがって、霧の送出に寄与する風量を増加させることができる。この結果、開口1aから送出される霧量を増加させることができる。また、第2固定風向板113が傾斜方向WD1とは反対方向へ向かう風を発生させるように配置されることにより、液柱Lpから飛散する除菌液が水槽26の中央部に戻る。この結果、水槽26の外に除菌液が飛散することが抑制される。
【0134】
また、本実施形態において、浴室環境調整装置100の左右方向における吹出し口104の端の外側に装着部105が設けられる場合を説明したが、装着部105が設けられる位置は、これに限定されない。例えば、図20に示すように、装着部105は、浴室環境調整装置100の前後方向において、吹出し口104と吸込み口103との間に設けられてもよい。図20は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の第1他例を示す底面図である。なお、図20に示す矢印は、除菌液散布装置1から送出される霧を示す。図20に示す浴室環境調整装置100の構成において、除菌液散布装置1は、後端部1bが吸込み口103側となり、前端部1fが吹出し口104側となるように装着部105に装着されてもよい。浴室環境調整装置100は、後端部1bが吸込み口103側となるように装着部105に除菌液散布装置1が装着されることにより、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることを抑制できる。また、浴室環境調整装置100は、前端部1fが吹出し口104側となるように装着部105に除菌液散布装置1が装着されることにより、吹出し口104から吹き出される風によって、除菌液散布装置1から送出された霧を浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布することができる。
【0135】
また、図21に示すように、装着部105は、吹出し口104を挟んで吸込み口103と対向する位置に設けられてもよい。換言すると、装着部105は、吹出し口104よりも浴室環境調整装置100の前側に設けられてもよい。図21は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の第2他例を示す底面図である。なお、図21に示す矢印は、除菌液散布装置1から送出される霧を示す。図21に示す浴室環境調整装置100の構成において、除菌液散布装置1は、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に装着されてもよい。これにより、吹出し口104から吹き出される風によって、除菌液散布装置1から送出された霧が浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。また、図21に示す構成において、除菌液散布装置1は、後端部1bが浴室環境調整装置100の吸込み口103側となるように装着部105に装着される。これにより、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制される。
【0136】
また、図22に示すように、装着部105が2つの吹出し口104の間に設けられてもよい。図22は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の第3他例を示す底面図である。なお、図22に矢印は、除菌液散布装置1から送出される霧を示す。図22に示すように、浴室環境調整装置100は、2つの吹出し口104を有する。図22に示す浴室環境調整装置100の構成において、除菌液散布装置1は、後端部1bが吸込み口103側となるように装着部105に装着されてもよい。これにより、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制できる。また、図22に示す浴室環境調整装置100の構成において、除菌液散布装置1は、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に装着される。これにより、吹出し口104から吹き出される風によって、除菌液散布装置1の前端部1f側の開口1aから送出された霧が浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。また、除菌液散布装置1は、2つの側端部の各々が吹出し口104側となるように装着部105に装着される。これにより、2つの側端部側の開口1aから送出される霧が吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。したがって、浴室環境調整装置100は、前側に向けて散布する霧量を増加させることができる。よって、霧をより広範囲に散布させることができる。霧が広範囲に拡散することにより、浴室内の霧の分布の均一化を図ることができる。
【0137】
また、本実施形態において、後端部1bが吸込み口103側となるように除菌液散布装置1が装着部105に装着される場合を説明したが、図23に示すように、除菌液散布装置1は、前端部1fが吹出し口104側となるように装着部105に装着されてもよい。図23は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の第4他例を示す底面図である。なお、図23に示す矢印は、除菌液散布装置1から送出される霧を示す。図23に示す浴室環境調整装置100によれば、一方の側端部側の開口1aから送出された霧が浴室環境調整装置100の前方へ向けて散布される。また、前端部1f側の開口1aから送出された霧の一部が吹出し口104から吹き出される風によって浴室環境調整装置100の前側へ向けて散布される。したがって、浴室環境調整装置100は、前側に向けて散布する霧量を増加させることができる。よって、霧をより広範囲に散布させることができる。霧が広範囲に拡散することにより、浴室内の霧の分布の均一化を図ることができる。
【0138】
なお、図23に示す浴室環境調整装置100の構成において、除菌液散布装置1は、側端部側の開口1aを塞いでもよい。換言すると、開口1aは、前端部1f及び後端部1bにのみ設けられてもよい。これにより、前端部1f側の開口1aから送出される霧量を増加させることができる。したがって、浴室環境調整装置100は、前側へ向けて散布する霧量を増加させることができる。よって、霧をより広範囲に散布させることができる。霧が広範囲に拡散することにより、浴室内の霧の分布の均一化を図ることができる。
【0139】
また、本実施形態において、装着部105は、吸込み口103の前側に設けられたが、図24に示すように、装着部105は、吸込み口103の前側に設けられなくてもよい。図24は、実施形態3に係る浴室環境調整装置100の第5他例を示す底面図である。なお、図24に示す矢印は、除菌液散布装置1から送出される霧を示す。
【0140】
図24に示す浴室環境調整装置100において、吸込み口103は、吹出し口104と前後方向において対向する。浴室環境調整装置100の左右方向において、吸込み口103の長さは、吹出し口104の長さと略一致する。装着部105は、左右方向における吹出し口104の2つの端部の一方よりも外側に配置される。したがって、装着部105は、浴室環境調整装置100の前後方向において、吸込み口103と対向しない。この構成において、除菌液散布装置1は、後端部1bが浴室環境調整装置100の後側(吸込み口103側)となるように装着部105に装着される。換言すると、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に除菌液散布装置1が装着される。これにより、前端部1f側の開口1aから送出された霧が浴室環境調整装置100の前側に向けて散布される。また、一方の側端部側の開口1aから送出された霧が吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側へ向けて送出される。したがって、浴室環境調整装置100は、前側へ向けて散布する霧量を増加させることができる。よって、霧をより広範囲に散布させることができる。霧が広範囲に拡散することにより、浴室内の霧の分布の均一化を図ることができる。
【0141】
また、後端部1bが浴室環境調整装置100の後側(吸込み口103側)となるように装着部105に装着されることにより、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制される。
【0142】
また、本実施形態において、浴室環境調整装置100の制御装置220が除菌動作を制御する構成について説明したが、除菌液散布装置1が、実施形態1の除菌液散布装置1と同様に、制御装置40を備えてもよい。また、本実施形態において、浴室環境調整装置100はミストサウナ付きの浴室暖房乾燥装置であったが、浴室環境調整装置100は、浴室暖房乾燥装置、浴室暖房装置、又は浴室乾燥装置であってもよい。
【0143】
また、本実施形態において、除菌液散布装置1が実施形態2で説明した除菌液散布装置1と略同一の構成である場合を説明したが、除菌液散布装置1は、実施形態1で説明した除菌液散布装置1と略同一の構成であってもよい。
【0144】
また、本実施形態において、除菌液散布装置1は、本体部121を備えたが、除菌液散布装置1は、本体部121を備えなくてもよい。本体部121は、本体ユニット200又はパネル101に設けられた壁面によって構成される。
【0145】
[実施形態4]
続いて、図25を参照して、本発明の実施形態4について説明する。但し、実施形態1~3と異なる事項を説明し、実施形態1~3と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態4は、浴室環境調整装置100が仕切り部材106を更に備える点で実施形態1~3と異なる。本実施形態において、浴室環境調整装置100が備える除菌液散布装置1は、実施形態1で説明した除菌液散布装置1と略同様の構成を有する。詳しくは、実施形態1で説明したように、前端部1f側の開口1aから送出される霧量は、後端部1b側の開口1aから送出される霧量よりも少ない。
【0146】
図25は、実施形態4に係る浴室環境調整装置100の底面図である。図25に示すように、浴室環境調整装置100は、仕切り部材106を備える。
【0147】
装着部105は、浴室環境調整装置100の前後方向において、吹出し口104と略一致する位置に設けられる。また、装着部105は、浴室環境調整装置100の左右方向において、吹出し口104の2つの端部のうちの一方の外側に設けられる。
【0148】
仕切り部材106は、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることを規制する。仕切り部材106は、例えば、側面視略矩形形状を有し、パネル101から下方に向けて突出する。
【0149】
仕切り部材106は、浴室環境調整装置100の左右方向において、吸込み口103の2つの端部のうち、装着部105が設けられる側の端部の外側に設けられる。本実施形態において、仕切り部材106は、パネル101の後端部から前側へ向けて延びる。詳しくは、仕切り部材106は、吸込み口103の前端と吹出し口104の後端との間の位置まで延びる。したがって、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制される。
【0150】
以上、実施形態4について説明した。本実施形態によれば、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制される。したがって、浴室環境調整装置100は、霧を四方へ散布できる。この結果、浴室環境調整装置100は、霧の分布を均一化することができる。
【0151】
図25に示す構成において、除菌液散布装置1は、2つの側端部のうちの一方が浴室環境調整装置100の前側となるように配置される。また、除菌液散布装置1は、前端部1fが吹出し口104側となるように装着部105に装着される。これにより、前端部1f側の開口1aから送出された霧の一部が吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側に吹き出される。したがって、浴室環境調整装置100は、前側に向けて散布する霧量を増加させることができる。
【0152】
また、浴室環境調整装置100は、浴室の天井面CSの中央部よりも壁面WS側に配置されることが多い。この場合において、浴室環境調整装置100は、浴室を区画する壁面WSのうち、最も遠い壁面WS側が、浴室環境調整装置100の前側となるように設置されることが多い。本実施形態によれば、浴室環境調整装置100は、前側に向けて散布する霧量が増加させることができる。したがって、除菌液の霧は、最も遠い壁面WSまで送出される。この結果、浴室を区画する壁面WSに対して除菌液を均一に付着させることができる。
【0153】
なお、本実施形態において、除菌液散布装置1は、前端部1fが吹出し口104側となるように装着部105に装着されたが、図26に示すように、除菌液散布装置1は、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に装着されてもよい。図26は、実施形態4に係る浴室環境調整装置100の第1他例を示す底面図である。図26に示す浴室環境調整装置100の構成において、除菌液散布装置1は、前端部1fが浴室環境調整装置100の前側となるように装着部105に装着される。除菌液散布装置1は、2つの側端部のうちの他方が吹出し口104側となるように装着部105に装着される。2つの側端部のうちの他方側の開口1aから送出された霧は、吹出し口104から吹き出される風によって、浴室環境調整装置100の前側に吹き出される。したがって、浴室環境調整装置100は、前側に向けて散布する霧量を増加させることができる。
【0154】
また、本実施形態において、装着部105は、浴室環境調整装置100の前後方向において、吹出し口104と略一致するように設けられたが、図27に示すように、装着部105は、吸込み口103と吹出し口104との間に配置されてもよい。図27は、実施形態4に係る浴室環境調整装置100の第2他例を示す底面図である。図27に示す浴室環境調整装置100によれば、除菌液散布装置1から送出された霧が吸込み口103に吸い込まれることが抑制される。したがって、浴室環境調整装置100は、霧を四方へ散布できる。この結果、浴室環境調整装置100は、霧の分布を均一化することができる。
【0155】
また、本実施形態において、除菌液散布装置1が実施形態1で説明した除菌液散布装置1と略同一の構成である場合を説明したが、除菌液散布装置1は、実施形態2で説明した除菌液散布装置1と略同一の構成であってもよい。
【0156】
[実施形態5]
続いて、図28及び図29を参照して、本発明の実施形態5について説明する。但し、実施形態1~4と異なる事項を説明し、実施形態1~4と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態5は、浴室環境調整装置100が除菌液散布動作に続いて、除菌液乾燥動作(除菌液乾燥処理)を実行する点で実施形態1~4と異なる。
【0157】
図28は、実施形態5に係る浴室環境調整装置100の構成を示すブロック図である。図28に示すように、制御装置220は、除菌動作の開始を指示する信号を操作部30から受信すると、図18を参照して説明した第1電源装置41、第2電源装置42、及び第4電源装置44の動作を制御することに加え、図15を参照して説明した熱源機300を動作させる。詳しくは、制御装置220は、循環ポンプ302を作動させる。この結果、循環ポンプ302が作動して、熱源機300から流れ出た熱媒が温水循環流路201を流れる。
【0158】
続いて図29を参照して、制御装置220が実行する処理の流れについて説明する。図29は、実施形態5に係る制御装置220が実行する処理を示すフローチャートである。図29に示す処理は、制御装置220が除菌動作の開始を指示する信号を操作部30から受信すると、開始される。
【0159】
図29に示すように、制御装置220は、第1所定期間が経過していると判定すると(ステップS4のYes)、除菌液乾燥動作を実行する。詳しくは、制御装置220は、電極対22の通電を停止し、循環ポンプ302を作動させる(ステップS7)。なお、ファンモータ212の駆動は維持される。これにより、暖房用熱交換器204によって暖められた空気が送風装置210によって除菌液散布装置1の内部で流通する。次いで、制御装置220は、除菌液乾燥動作の実行を開始してから第2所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS8)。第2所定期間が経過していないと制御装置220が判定すると(ステップS8;No)、処理は、ステップS7の処理に戻る。一方、制御装置220は、第2所定期間が経過していると判定すると(ステップS8;Yes)、ファンモータ212及び循環ポンプ302の駆動を停止させることにより、除菌液乾燥動作を終了して、図29に示す処理を終了する。
【0160】
以上、実施形態5について説明した。本実施形態によれば、液柱Lpから飛散して除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液を乾燥させることができる。
【0161】
また、本実施形態によれば、図18を参照して説明した除菌ボタン31をユーザーが押下することにより、除菌液散布動作に加え、除菌液乾燥動作が続けて実行される。これにより、ユーザーの利便性が向上する。
【0162】
[実施形態6]
続いて、図30及び図31を参照して、本発明の実施形態6について説明する。但し、実施形態1~5と異なる事項を説明し、実施形態1~5と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態6は、除菌液乾燥動作が実施形態1~5と異なる。詳しくは、制御装置220は、除菌液散布装置1の内部の湿度及び浴室内の湿度に基づいて除菌液乾燥動作を終了するか否かを判定する。
【0163】
図30は、実施形態6に係る浴室環境調整装置100の構成を示すブロック図である。図30に示すように、除菌液散布装置1は、湿度センサー130を更に備える。湿度センサー130は、湿度を示す信号を出力する。詳しくは、湿度センサー130は、第1湿度センサー131及び第2湿度センサー132を含む。第1湿度センサー131は、除菌液散布装置1の内部の湿度を示す信号を出力する。第2湿度センサー132は、浴室の内部の湿度を示す信号を出力する。制御装置220は、第1湿度センサー131及び第2湿度センサー132から出力される信号が示す湿度に基づいて、除菌液乾燥動作を終了する。詳しくは、制御装置220は、第1湿度センサー131が示す第1湿度と、第2湿度センサー132が示す第2湿度との差分に基づいて、除菌液乾燥動作を終了する。以下、第1湿度センサー131が示す第1湿度と、第2湿度センサー132が示す第2湿度との差分を「差分湿度」と記載する。
【0164】
図31は、実施形態6に係る制御装置220が実行する処理を示すフローチャートである。図31に示すように、制御装置220は、循環ポンプ302を作動させると(ステップS7)、差分湿度が第1閾値以下であるか否かを判定する(ステップS9)。なお、第1閾値は、例えば、ユーザーによって予め設定される。第1閾値は、例えば、5%である。
【0165】
差分湿度が第1閾値以下ではないと制御装置220が判定すると(ステップS9;No)、処理は、ステップS7へ戻る。一方、制御装置220は、差分湿度が第1閾値以下であると判定すると(ステップS9;Yes)、除菌液乾燥動作を終了して、図31に示す処理を終了する。
【0166】
以上、実施形態6について説明した。本実施形態によれば、制御装置220は、差分湿度が第1閾値以下であると判定すると除菌液乾燥動作を終了する。したがって、除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液を乾燥させることができる。
【0167】
なお、本実施形態において、制御装置220は、差分閾値が第1閾値以上であるか否かを判定し、差分閾値が第1閾値以上であると、除菌液乾燥動作を終了したが、制御装置220は、第1湿度が第2閾値未満であるか否かを判定し、第1湿度が第2閾値未満であると判定すると、除菌液乾燥動作を終了してもよい。第2閾値は、例えば、ユーザーによって予め設定される。
【0168】
[実施形態7]
続いて、図32図34を参照して、本発明の実施形態7について説明する。但し、実施形態1~6と異なる事項を説明し、実施形態1~6と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態7は、除菌液乾燥動作が実施形態1~6と異なる。
【0169】
図32を参照して、実施形態7に係る除菌液散布装置1について説明する。図32は、実施形態7に係る除菌液散布装置1の構成を示す断面図である。図32に示すように、除菌液散布装置1は、送風装置11と加熱部91とを更に備える。送風装置11は、実施形態1で説明した送風装置11と略同様の構成である。本実施形態において、除菌液散布装置1は、加熱部91を備える以外の構成は、実施形態1を参照して説明した除菌液散布装置1の構成と略同じである。本実施形態の送風装置11は、除菌液散布装置1の内部において風を流通させる。本実施形態では、複数枚の羽根111は、蓋体121aの中央部において支持される。また、複数枚の羽根111の軸心RXは、上下方向に延びる。換言すると、送風装置11が発生する風の向きは、液面Lsに対して略直交する。
【0170】
加熱部91は、除菌液散布装置1の内部の空気を加熱する。例えば、加熱部91は、ペルチェ素子である。加熱部91は、例えば、本体部121の蓋体121aが有する壁面のうち、水槽26と対向する壁面に配置される。加熱部91が駆動すると、加熱部91の周囲の空気が加熱され、加熱部91によって加熱された空気が送風装置11によって液面Lsに向けて送られる。
【0171】
図33は、実施形態7に係る浴室環境調整装置100のブロック図である。図33に示すように、浴室環境調整装置100は、第1電源装置41~第5電源装置45に加え、第3電源装置43、及び第6電源装置46を更に備える。なお、以下では、送風装置210のファンモータ212を「第1ファンモータ212」と記載し、送風装置11のファンモータ112を「第2ファンモータ112」と記載する。
【0172】
第6電源装置46は、制御装置40によって制御されて、加熱部91を駆動させる電圧を生成する。これにより、加熱部91が駆動して、除菌液散布装置1の内部の空気が加熱される。この結果、加熱部91によって加熱された空気が発生する。
【0173】
図34は、実施形態7に係る制御装置220が実行する処理を示すフローチャートである。図34に示すように、制御装置220は、第1所定期間が経過していると判定すると(ステップS4のYes)、除菌液乾燥動作を実行する。詳しくは、制御装置220は、電極対22の通電を停止し、第2ファンモータ112、循環ポンプ302、及び加熱部91を駆動させる(ステップS10)。なお、第1ファンモータ212の駆動は維持される。
【0174】
したがって、暖房用熱交換器204によって暖められた空気が加熱部91によって更に加熱される。暖房用熱交換器204及び加熱部91によって加熱された空気は、第2ファンモータ112及び第1ファンモータ212によって除菌液散布装置1の内部で流通する。次いで、制御装置220は、除菌液乾燥動作を開始してから第2所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS8)。第2所定期間が経過していないと制御装置220が判定すると(ステップS8;No)、処理は、ステップS10の処理に戻る。一方、制御装置220は、第2所定期間が経過していると判定すると(ステップS8;Yes)、第1ファンモータ212、第2ファンモータ112、循環ポンプ302、及び加熱部91の駆動を停止させることにより、除菌液乾燥動作を終了して、図34に示す処理を終了する。
【0175】
以上、実施形態7について説明した。本実施形態によれば、制御装置220は、浴室環境調整装置100は、送風装置210及び送風装置11を利用し、暖房用熱交換器204及び加熱部91を利用して除菌液乾燥動作を実行する。したがって、除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液を効率良く乾燥させることができる。この結果、除菌液乾燥動作に要する時間を短縮することができる。
【0176】
また、本実施形態において、除菌液散布装置1は、第1規制部材51を備える。これにより、除菌液が浴室環境調整装置100の内部に付着することを抑制できる。
【0177】
なお、本実施形態において、複数枚の羽根111の軸心RXが液面Lsに対して略直交したが、複数枚の羽根111の軸心RXを液面Lsに対して傾斜させてもよい。これにより、送風装置11は、例えば、除菌液が付着しやすい箇所に向けて空気を送ることができる。この結果、除菌液を効率良く乾燥させることができる。
【0178】
また、本実施形態において、制御装置220は、加熱部91及び暖房用熱交換器204を利用して除菌液乾燥動作を実行したが、制御装置220は、加熱部91及び暖房用熱交換器204のうちの一方のみを利用して除菌液乾燥動作を実行してもよい。
【0179】
[実施形態8]
続いて、図35を参照して、本発明の実施形態8について説明する。但し、実施形態1~7と異なる事項を説明し、実施形態1~7と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態8は、除菌液乾燥動作が予備乾燥動作(予備乾燥処理)を含む点で実施形態1~7と異なる。
【0180】
図35は、本発明の実施形態8に係る制御装置220が実行する処理を示すフローチャートである。図35に示すように、制御装置220は、第2所定期間が経過したと判定すると(ステップS8;Yes)、予備乾燥動作を実行する。詳しくは、制御装置220は、第2所定期間が経過したと判定すると(ステップS8;Yes)、第1ファンモータ212及び循環ポンプ302の駆動を停止させる。なお、制御装置220は、第2ファンモータ112(送風装置11)及び加熱部91の駆動を維持させる。換言すると、制御装置220は、加熱部91によって加熱された空気を第2ファンモータ112によって除菌液散布装置1の内部に流通させる。次いで、制御装置220は、予備乾燥動作を実行してから第3所定期間が経過したか否かを判定する(ステップS12)。第3所定期間は、例えば、1時間である。第3所定期間が経過していないと制御装置220が判定すると(ステップS12;No)、処理は、ステップS11へ戻る。一方、制御装置220は、第3所定期間が経過していると判定すると(ステップS12;Yes)、第2ファンモータ112及び加熱部91の駆動を停止させて、予備乾燥動作を終了することにより、図35に示す処理を終了する。
【0181】
以上、実施形態8について説明した。本実施形態によれば、制御装置220は、予備乾燥動作を実行する。予備乾燥動作では、制御装置220は、第2ファンモータ112及び加熱部91を駆動させることにより、除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液を乾燥させることができる。
【0182】
また、本実施形態において、制御装置220は、予備乾燥動作において、第2ファンモータ112及び加熱部91のみを駆動させる。したがって、省電力で除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液を乾燥できる。
【0183】
[実施形態9]
図36を参照して、本発明の実施形態9について説明する。但し、実施形態1~8と異なる事項を説明し、実施形態1~8と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態9は、除菌液散布装置1が吸水素材92を更に備える点で実施形態1~8と異なる。図36は、実施形態9に係る除菌液散布装置1の断面図である。
【0184】
図36に示すように、除菌液散布装置1は、吸水素材92を更に備える。吸水素材92は、液柱Lpから発生した除菌液を吸収する。吸水素材92は、除菌液散布装置1の内部に配置される。具体的には、吸水素材92は、本体部121の内壁面に設けられる。吸水素材92は、スポンジのような多孔質体である。
【0185】
以上、実施形態9について説明した。本実施形態によれば、吸水素材92は、液柱Lpから飛散する除菌液を吸収することができる。これにより、除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液の滴が肥大化することが抑制される。また、除菌液の滴の肥大化を抑制することにより、除菌液散布装置1の内部に付着した除菌液の落下を抑制できる。なお、吸水素材92に吸収された除菌液は、例えば、送風装置11によって乾燥される。また、除菌液散布装置1は、実施形態8で説明した加熱部91を更に備えてもよい。加熱部91は吸水素材92に吸収された除菌液を乾燥させてもよい。この場合、加熱部材91は、吸水素材92の付近に配置されることにより、吸水素材92が吸収した水分が効率よく蒸発される。
【0186】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【0187】
例えば、本発明による実施形態では、除菌液散布装置1が浴室の天井部Cに設置されたが、除菌液散布装置1は、浴室の壁面部に設置されてもよい。例えば、除菌液散布装置1は、壁面部の上部に設置され得る。
【0188】
また、本発明による実施形態では、水位センサー24としてフロートスイッチを例示したが、水位センサー24は、除菌液の水位を検知できる限り、特に限定されない。例えば、水位センサー24として、測距センサー、又は重量センサーが用いられてもよい。
【0189】
また、本発明による実施形態では、ベース部材23bが水槽26の床面に配置されたが、ベース部材23bは、水槽26の床部の下方に配置され得る。この場合、水槽26の床部は、開口を有する。ベース部材23bは、水槽26の床部の開口を塞ぐように、水槽26の床部の下方に配置される。また、ベース部材23bは、収容空間232が、水槽26の床部の開口を介して水槽26の内側空間と連通するように、水槽26の床部の下方に配置される。
【0190】
また、各実施形態1~9において説明した事項は、適宜組み合わせ可能である。例えば、実施形態3で説明した事項と、実施形態9で説明した事項とを組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0191】
本発明は、浴室を除菌する装置に有用である。
【符号の説明】
【0192】
1 除菌液散布装置
1a 開口
1b 後端部
1f 前端部
5 規制部
11 送風装置(第1送風装置、第3送風装置)
12 支持体
21 収容部
23 超音波発生素子
26 水槽
26t 上端
40 制御装置
51 第1規制部材
51u 下端
91 加熱部
92 吸水素材
100 浴室環境調整装置
103 吸込み口
104 吹出し口
105 装着部
121 本体部
204 暖房用熱交換器
210 送風装置(第2送風装置)
511 規制面
Lp 液柱
Ls 液面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36