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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】電子タグ書き込みシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20220914BHJP
   B65C 9/26 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
G06K7/10 272
G06K7/10 428
B65C9/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019044001
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020149126
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592094519
【氏名又は名称】ダイオーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】別府 幸紀
(72)【発明者】
【氏名】大内 博英
(72)【発明者】
【氏名】西山 英司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亮人
(72)【発明者】
【氏名】小山 真
(72)【発明者】
【氏名】野口 竣太郎
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-204011(JP,A)
【文献】特開2008-009940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
B65C 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込み情報を電子タグに書き込む書き込み装置と、
電子タグと紐づけされる対象物に関する書き込み情報及びコンベヤによる前記対象物の搬送の処理順が関連付けて記憶された記憶部から、前記書き込み情報及び前記処理順を読み出す情報取得部と、を備え、
前記情報取得部は、コンベヤにより一定の順序で搬送中の前記対象物から個別情報を順次検出する個別情報センサを有するとともに、前記個別情報センサにより取得される個別情報の一部又は全部、並びに取得した個別情報に基づいて取得される二次情報の少なくとも一方に基づいて、コンベヤによる前記対象物の搬送の処理順及び各対象物の書き込み情報を前記記憶部に記憶させるものであり、
前記情報取得部により取得した前記処理順に従って、その処理順と関連付けられた前記書き込み情報を、前記書き込み装置により電子タグに書き込む、
ことを特徴とする、電子タグ書き込みシステム。
【請求項2】
前記書き込み装置に対して、電子タグを順次供給するタグ供給部と、
前記情報取得部により取得した前記処理順と同じ順序でコンベヤにより搬送中の前記対象物に対し、前記前記書き込み装置により前記書き込み情報が書き込まれた電子タグを順次付属させるタグ付属部とを備えた
請求項1記載の電子タグ書き込みシステム。
【請求項3】
前記書き込み装置に対して、電子タグを順次供給するタグ供給部と、
前記前記書き込み装置により前記書き込み情報が書き込まれた電子タグを、前記対象物に付属させるタグ付属部とを備え、
前記対象物の生産及び物流における第1の過程で、第1のコンベヤによる搬送過程にある前記対象物の搬送の処理順及び各対象物の書き込み情報が、前記情報取得部により取得されて前記記憶部に記憶され、
前記第1の過程よりも下流側前記第1のコンベヤと異なる第2のコンベヤにより前記第1の過程と同じ処理順で前記対象物を搬送する第2の過程で、前記処理順に従って前記処理順と関連付けられた前記書き込み情報を前記書き込み装置により順次電子タグに書き込むとともにその電子タグを前記処理順で搬送中の前記対象物に前記タグ付属部が順次付属させる、
請求項1記載の電子タグ書き込みシステム。
【請求項4】
電子タグを順次供給するタグ供給部と、
前記タグ供給部から供給される電子タグを、前記対象物に付属させるタグ付属部とを備え、
前記対象物の生産及び物流における第1の過程で、第1のコンベヤによる搬送過程にある前記対象物の搬送の処理順及び各対象物の書き込み情報が、前記情報取得部により取得されて前記記憶部に記憶され、
前記対象物の生産及び物流における第2の過程で、タグ付属部により前記対象物に前記電子タグを付属させ、
前記第1の過程及び第2の過程よりも下流側前記第1のコンベヤと異なる第2のコンベヤにより前記第1の過程と同じ処理順で前記対象物を搬送する第3の過程で、前記処理順に従って前記処理順と関連付けられた前記書き込み情報を前記書き込み装置により順次前記対象物に付属した電子タグに書き込む、
請求項1記載の電子タグ書き込みシステム。
【請求項5】
電子タグの供給部及び電子タグの付属部を備えず、
前記対象物の生産及び物流におけるコンベヤにより前記処理順で前記対象物を搬送する過程で、前記情報取得部により取得した前記処理順に従って、その処理順と関連付けられた前記書き込み情報を、前記書き込み装置により対象物に付属の電子タグに書き込む、
請求項1記載の電子タグ書き込みシステム。
【請求項6】
電子タグと紐づけされる対象物に関する書き込み情報及びコンベヤによる前記対象物の搬送の処理順が関連付けて記憶された記憶部から、前記書き込み情報及び前記処理順を読み出すステップと、
読み出した前記処理順に従って、その処理順と関連付けられた前記書き込み情報を電子タグに書き込むステップと、
を含むとともに、
これらのステップより前に、コンベヤにより一定の順序で搬送中の前記対象物から個別情報センサにより個別情報を順次検出するとともに、前記個別情報センサにより取得される個別情報の一部又は全部、並びに取得した個別情報に基づいて取得される二次情報の少なくとも一方に基づいて、コンベヤによる前記対象物の搬送の処理順及び各対象物の書き込み情報を前記記憶部に記憶させるステップを含む、ことを特徴とする、電子タグ書き込み方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タグ書き込みシステム及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、電子タグ(RFタグ、ICタグ、RFラベル等ともいわれる)は、情報の記憶及び読み出しを近距離無線通信により非接触で行うためにICチップとこれに接続されたアンテナとを有するものである。また、電子タグは対象物に貼付するために裏面が粘着面となっているものや、粘着面がなく、紐等により商品に付加されるものが一般的である。RFID(Radio frequency identification)は、このような電子タグを利用し、電子タグに対する対象物に関する情報の書き込み、及び電子タグに記憶された情報の読取りを、無線通信により行う自動認識システムである。
【0003】
電子タグは、様々な検討及び提案がなされており、実現しているものもあれば、実現していないものもある。例えば、電子タグは、バーコード等の光学的に読取可能なタグに代わるものとして商品の個品管理への応用が期待されているが、コンビニエンスストア等のように単価の安い小売業での利用は、わが国では実現に至っていない。この主な原因は、電子タグの単価が高いことにあるが、読み取り精度の問題(商品の内容物に含まれる水や金属製商品容器等による電波の遮断)や、個別商品に対する電子タグの書き込み技術の未完成等も、普及の足かせになっている。
【0004】
このうち、電子タグの書き込み技術については、一定の商品に対する電子タグに、一定の情報(例えば、製造情報、トラック積載情報、在庫情報、販売情報、ロス情報、配送情報、消費期限情報、消費情報)を書き込む技術は提案されている(例えば特許文献1~4参照)。
【0005】
しかし、一定の情報が書き込まれた電子タグを商品に付ける手法を用いて、商品の個品管理を実現するには、ほぼすべての商品でソースタギング(メーカーが商品に電子タグを付けること)がなされる必要があり、その環境整備には多大な時間が必要である。
【0006】
また、それが可能になったとしても、小売店側で対象物ごとに異なる情報を書き込んだ電子タグを付ける要望には対応できない。すなわち、小売店で電子タグを付ける場合、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の商品に対して、個々に異なる情報を書き込んだ電子タグを付ける必要があるが、これを手作業で行うことは現実的でない上、これを自動で行う装置も提供されていないのが現状である。もちろん、小売店以外でも、少量多品種製造のメーカー等であれば、小売店と同様の要望が存在することはいうまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-104521号公報
【文献】特開2007-091246号公報
【文献】特開2007-091298号公報
【文献】特開2008-044661号公報
【文献】特開2008-62965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、対象物に応じて異なる情報を電子タグに書き込む技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した電子タグ書き込みシステム及びその方法は以下のとおりである。
<第1の態様>
書き込み情報を電子タグに書き込む書き込み装置と、
電子タグと紐づけされる対象物に関する書き込み情報及び処理順が関連付けて記憶された記憶部から、前記書き込み情報及び前記処理順を読み出す情報取得部と、を備え、
前記情報取得部により取得した前記処理順に従って、その処理順と関連付けられた前記書き込み情報を、前記書き込み装置により電子タグに書き込む、
ことを特徴とする、電子タグ書き込みシステム。
【0010】
(作用効果)
本電子タグの書き込みシステムでは、電子タグと紐づけされる対象物に関する書き込み情報を取得し、対応する電子タグに対し書き込みを行うため、対象物に応じて異なる情報を電子タグに書き込むことができる。例えば、小売店で電子タグを貼付する場合、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の入荷商品に電子タグを付属させるにあたり、対象物に応じて異なる情報を電子タグに書き込むことができる。
また、記憶部から読み出した処理順に従って、その処理順と関連付けられた書き込み情報を電子タグに書き込むため、定まった順序で処理さ(取り扱わ)れる複数種の対象物に対して電子タグを付属させる場合に、対象物に応じて異なる情報を自動的に書き込むことができる。
【0011】
<第2の態様>
前記対象物の生産及び物流の過程で、その過程にある前記対象物の処理順及び各対象物の書き込み情報が、前記記憶部に記憶される、
第1の態様の電子タグ書き込みシステム。
【0012】
(作用効果)
対象物の生産及び物流の過程で、対象物の処理順及び各対象物の書き込み情報が定まるため、それに応じて対象物の処理順及び各対象物の書き込み情報を記憶部に記憶すること望ましい。
【0013】
<第3の態様>
前記書き込み装置に対して、電子タグを順次供給するタグ供給部を備え、
前記対象物の生産及び物流における第1の過程で、その過程にある前記対象物の処理順及び各対象物の書き込み情報が取得されて前記記憶部に記憶され、
前記第1の過程よりも下流側における、前記処理順で前記対象物を処理する第2の過程で、前記処理順に従って前記処理順と関連付けられた前記書き込み情報を前記書き込み装置により順次電子タグに書き込む、
第1又は2の態様の電子タグ書き込みシステム。
【0014】
(作用効果)
本システムでは、例えば対象物の生産設備における対象物の移送過程や検品過程、対象物の物流における搬送過程等のように、一定の順序で対象物を処理(取り扱う)する第1の過程で、その処理順及び対象物の書き込み情報を、予め記憶部に記憶しておき、その後、その処理順で対象物を処理する第2の過程で、その処理順に従い電子タグへの書き込みを順次行う。このため、書き込み後の電子タグを順次対象物に付属させることにより、自動的に対象物に応じて異なる情報が書き込まれた電子タグを対象物に付属させることができる。
【0015】
<第4の態様>
電子タグを順次供給するタグ供給部と、
前記タグ供給部から供給される電子タグを、前記対象物に付属させるタグ付属部とを備え、
前記対象物の生産及び物流における第1の過程で、その過程にある前記対象物の処理順及び各対象物の書き込み情報が取得されて前記記憶部に記憶され、
前記対象物の生産及び物流における第2の過程で、タグ付属部により前記対象物に前記電子タグを付属させ、
前記第1の過程及び第2の過程よりも下流側における、前記処理順で前記対象物を処理する第3の過程で、前記処理順に従って前記処理順と関連付けられた前記書き込み情報を前記書き込み装置により順次前記対象物に付属した電子タグに書き込む、
第1又は2の態様の電子タグ書き込みシステム。
【0016】
(作用効果)
本システムでは、例えば対象物の生産設備における対象物の移送過程や検品過程、対象物の物流における搬送過程等のように、一定の順序で対象物を処理(取り扱う)する第1の過程で、その処理順及び対象物の書き込み情報を、予め記憶部に記憶しておく。また、これと同時並行若しくはその前後の第2の過程で、電子タグを対象物に付属させる。その後、その処理順で対象物を処理する第3の過程で、その処理順に従い対象物に付属した電子タグへの書き込みを順次行う。これにより、自動的に対象物に応じて異なる情報が書き込まれた電子タグを対象物に付属させることができる。
より具体的には、物流センターから小売店等の商品搬入先に、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の商品を搬送する際、物流センターで記憶部に対する処理順及び書き込み情報の記憶、及び電子タグの付属を行い、商品の搬入先で電子タグへの書き込みを行うといったことが可能となる。なお、タグ付属部では、対象物一つごとに電子タグの付属及び書き込みを行うほか、一度に処理する対象物のすべてに電子タグを付属させた後、各対象物に付属する電子タグに順に書き込みを行うこともできる。
【0017】
<第5の態様>
電子タグの供給部及び電子タグの付属部を備えず、
前記対象物の生産及び物流における前記処理順で前記対象物を処理する過程で、前記情報取得部により取得した前記処理順に従って、その処理順と関連付けられた前記書き込み情報を、前記書き込み装置により対象物に付属の電子タグに書き込む、
第1又は2の態様の電子タグ書き込みシステム。
【0018】
(作用効果)
本電子タグ書き込みシステムは、電子タグを供給して対象物に付属させることは行わず、電子タグに書き込み情報を書き込むだけのシステムである。より具体的には、生産者から小売店等に、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の商品を搬送する際、生産者が商品や、その容器又は包装に未書き込みの電子タグを付属させて商品を出荷し、小売店又はその物流センターで、定まった順序で商品を取り扱う過程で、対象物に応じて異なる情報を自動的に書き込むことができる。
【0019】
<第6の態様>
電子タグと紐づけされる対象物に関する書き込み情報及び処理順が関連付けて記憶された記憶部から、前記書き込み情報及び前記処理順を読み出すステップと、
読み出した前記処理順に従って、その処理順と関連付けられた前記書き込み情報を電子タグに書き込むステップと
を含むことを特徴とする、電子タグ書き込み方法。
【0020】
(作用効果)
第1の態様と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、対象物に応じて異なる情報を電子タグに書き込むことが可能となる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図2】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図3】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図4】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図5】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図6】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図7】電子タグ書き込みシステムの概略図である。
図8】制御部の構成図である。
図9】電子タグの例を示す(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)平面図、(e)側面図、(f)底面図である。
図10】電子タグを貼付した対象物を示す斜視図である。
図11】電子タグ書き込みシステムを概略的に示す正面図である。
図12】電子タグ書き込みシステムを概略的に示す側面図である。
図13】タグ供給部の例を示す正面図である。
図14】電子タグの受け渡し部を示す正面図である。
図15】電子タグ書き込みシステムの要部を概略的に示す正面図である。
図16】電子タグ書き込みシステムの要部を概略的に示す正面図である。
図17】電子タグ書き込みシステムの要部を概略的に示す正面図である。
図18】電子タグ書き込みシステムの要部を概略的に示す正面図である。
図19】電子タグ書き込みシステムの要部を概略的に示す正面図である。
図20】電子タグ書き込みシステムを概略的に示す側面図である。
図21】電子タグ書き込みシステムを概略的に示す側面図である。
図22】タグ供給部の例を概略的に示す正面図である。
図23】電子タグ書き込みシステムの要部を概略的に示す正面図である。
図24】制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<基本的事項>
図1図7は、電子タグ書き込みシステム1の代表的な例を示している。これらの電子タグ書き込みシステム1は、書き込み情報を電子タグ10に書き込む書き込み装置60と、電子タグ10と紐づけされる対象物50に関する書き込み情報を取得する、情報取得部70と、情報取得部70により取得した書き込み情報を、対応する電子タグ10に対し書き込み装置60により書き込む制御部90とを備えている。
【0024】
したがって、本電子タグ書き込みシステム1では、電子タグ10と紐づけされる対象物50に関する書き込み情報を取得し、対応する電子タグ10に対し書き込みを行うため、対象物50に応じて異なる情報を電子タグ10に書き込むことができる。例えば、小売店で電子タグ10を貼付する場合、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の入荷商品に電子タグ10を付属させるにあたり、対象物50に応じて異なる情報を電子タグ10に書き込むことができる。
【0025】
(制御部)
制御部90は、システムを動作させるために、必要に応じて情報の入出力や演算を行いつつシステムの構成要素と通信を行い、各構成要素を制御するものである。したがって、制御部は、入出力装置、演算装置、通信装置、記憶装置等を有するものとすることができる。このような制御部90は、シーケンサ(PLC)やコンピュータ(PC、マイクロコントローラ)等の公知の産業用制御装置を単独で用いて、又は機能等に応じて複数組み合わせて構成することができる。例えば後述する応用例の場合、コンベヤ、センサやロボット等の基本制御及びインターフェースはシーケンサにより実現し、情報処理やそれに基づくシーケンサに対する指令(モード設定やパラメータ設定、動作開始の指示等)はコンピュータで実現する構成とすることができる。
【0026】
図8に示すように、制御部90は、作業員による入力を行うための入力装置81を備え、この入力に応じてシステムの各種動作(情報取得、書き込み等)を行うことができる。入力装置81は、キーボードやマウス、又は専用のスイッチとすることができる。作業員が処理を選択するために、処理を実行するためのボタン等のグラフィカルユーザーインターフェースを表示する表示装置82を備えているのも好ましい。この場合、入力装置81と表示装置82とが一体化されたタッチパネルを備え、表示装置82に表示された連続処理を実行するためのボタン等をタッチすることにより処理の選択入力を行うようになっていると特に好ましい。また、図示しないが、制御部90に対して、表示装置82及び入力装置81を有するスマートフォン等の携帯端末を、制御部90に対してネットワークや近距離無線通信、又は有線通信により接続可能とし、この携帯端末の表示装置82及び入力装置81を利用して、処理の選択を行うように構成することもできる。
【0027】
(電子タグ)
電子タグ10は、対象物に付属するものであれば、その形状、構造は特に限定されるものではなく、公知の電子タグ10を適宜使用することができる。電子タグ10は、例えば、値札、荷札等のように対象物に外的に付加されるものの他、対象物の容器、蓋、包装箱、搬送用段ボール箱に内蔵されるものであってもよい。対象物に外的に付加される電子タグ10は、粘着面や紐、タグピン等により対象物に固定又は連結されていてもよいが、対象物とともに処理さ(取り扱わ)れる限り、対象物に固定又は連結されておらず、自由に移動可能なものであってもよい。
【0028】
例えば、粘着面を有するタイプの電子タグ10の形状は、図9(a)~(c)示す例や、図9(d)~(f)示す例のように角をとった長方形のものが一般的であるが、これに限定されるものではない。また、電子タグ10の代表的なものの一つは、例えば図9(c)(f)に示すように、インレット10a,10iとしてICチップ10iとこれに接続されたアンテナ10aとを有するパッシブタイプの電子タグ10であるが、これに限定されるものでもない。
【0029】
電子タグ10は、通信品質の低下を防止するために、少なくともアンテナ10aの一部を貼付対象物50から離間させることが望ましい。このため、粘着面11を有する電子タグ10の場合、図9(d)~(f)に示すように、電子タグ10のアンテナ10aを含む一部分を折り位置10pで折り畳み、粘着面11同士を貼り合わせた粘着不能化部分12と、粘着面11が露出する残粘着部分13とを形成し、残粘着部分13の粘着面11により対象物50に貼付することができる。このような電子タグ10の折り畳みは、後述するようにタグ供給部20を備える場合には、タグ供給部20内の機構により行ってもよい(例えば特許文献5参照)し、予め一部が折り畳まれた電子タグ10を本電子タグ書き込みシステム1に供給してもよい。
【0030】
(書き込み情報)
電子タグ10に対する書き込み情報は、電子タグ10と紐づけされる対象物50に関する情報であって、対象物50に応じて異なる情報を含む。この限りにおいて、書き込み情報は特に限定されないが、対象物50の個別情報51の一部又は全部を含むのは好ましい。個別情報51は、対象物50を他の物と識別するための識別情報の他、その対象物50を他の物と識別することはできないが、その対象物50の特徴や性質等を表す属性情報の両方を含む。識別情報としては、商品コードやシリアルナンバー、製品番号、ロット番号等を例示することができる。また、属性情報としては、出荷順、製造年月日、消費期限、商品名等の商標の他、商品や包装の色、さらには商品重量等を例示することができる。また、書き込み情報は、識別情報や属性情報以外の付属情報を含むことができる。付属情報としては、製造に要した時間等の時間情報、製造時の気温等の温度情報、製造時の湿度等の湿度情報、占いやくじの当り外れ等に関する乱数情報等を例示することができる。
【0031】
対象物50の個別情報51や属性情報は、図10に示すように、一次元コードや二次元コードとして、又はそのままの文字や絵等として対象物50に印刷等により付加されている情報であると、対象物50から容易に取得できるため好ましいが、これに限定されるものではない。
【0032】
(情報取得部)
情報取得部70は、書き込み情報の一部又は全部を、対象物50から取得可能な一次情報とすることができる。これにより、書き込み情報の準備がより正確で、より容易となる。例えば、情報取得部70は、対象物50から個別情報51を検出する個別情報センサ71を含むことができる。
【0033】
個別情報センサ71は、対象物50からその個別情報51を検出できるものである限り、特に限定されるものではない。例えば、個別情報センサ71は、コードリーダ、光学的文字読取装置、カラーセンサ、重量センサ、磁気センサ、音声認識センサ等の少なくとも一つとすることができる。個別情報センサ71が一次元コードや二次元コード等のコードリーダである場合、その読取情報を書き込んだ電子タグ10をその対象物50に付属させることができる。よって、例えば小売事業者が、販売商品にこのような電子タグ10を付属させることにより、レジ・検品・棚卸業務や、防犯ゲートを用いた万引防止等における商品識別を、非接触で多数の商品をまとめて一度に行うことができる。また、個別情報センサ71が光学的文字読取装置である場合、対象物50(通常は商品外装又は商品自体)に付された、商品サイズや商品の色、内容量、製造日や消費期限等の表記を読み取り、その読取情報を書き込んだ電子タグ10をその対象物50に付属させることができる。さらに、個別情報センサ71がカラーセンサである場合には、対象物50の色に関する情報を書き込んだ電子タグ10をその対象物50に付属させることができ、個別情報センサ71が重量センサである場合、対象物50の重量に関する情報を書き込んだ電子タグ10をその対象物50に付属させることができる。よって、例えば小売事業者が、販売商品にこれらの電子タグ10を付属させることにより、通常付される一次元コードや二次元コードに含まれない個別情報51に基づいて商品管理を行うことができる。
【0034】
個別情報センサ71が磁気センサである場合、チケット、小切手(MICR)、通帳、クレジットカード等の磁気ストライプ付き対象物の磁気記録情報を読み取り、その読取情報を書き込んだ電子タグ10をその対象物50に付属させることができる。
【0035】
個別情報センサ71がマイク及び音声認識システムからなる音声認識センサである場合、作業員が対象物の個別情報を視認し、発声することにより、個別情報を認識し、その認識情報を書き込んだ電子タグ10をその対象物50に付属させることができる。
【0036】
個別情報センサ71による検出対象は、少なくとも識別情報を含むことが好ましく、識別情報と属性情報の両方を含むとより好ましい。
【0037】
コードリーダ、光学的文字読取装置、及びカラーセンサは、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像センサ(イメージセンサ)を用いて実現することが好ましい。撮像センサを用いた方式では、広範囲の検出が可能になるだけでなく、複数種類の検出対象を検出する多目的リーダとして活用することができる。つまり、この場合、検出対象別にセンサを設けることなく、一つのセンサで一次元コード又は二次元コード、文字及び色を検出することも可能となる。もちろん、個別情報センサ71はイメージセンサに限られるものではなく、例えばコードリーダの場合にはレーザスキャン方式等の公知の各種センサを用いることができる。
【0038】
個別情報センサ71は、対象物50の生産、物流の過程で使用されるコンベヤに設置するか、又は個別情報センサ71を備えたコンベヤを増設し、コンベヤにより搬送中の対象物50から個別情報51を検出すると好ましい。
【0039】
個別情報センサ71をハンディタイプ装置(ハンディタイプコードリーダ等)とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員がこれを手で持って対象物50にかざすことにより、複数の対象物50の個別情報51を順次検出することもできる。また、個別情報センサ71を据置きタイプの装置とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員が対象物50を手で持って据置きタイプの個別情報センサ71にかざすことにより、複数の対象物50の個別情報51を順次検出することもできる。
【0040】
情報取得部70が個別情報センサ71を含む場合、情報取得部70はデジタルカメラ、マイク等の個別情報センサ71を備えたコンピュータ(PC、マイクロコントローラ、タブレット端末、スマートフォン)により構成することができる。
【0041】
(記憶部)
情報取得部70は、書き込み情報の全部を対象物50から取得するのではなく、書き込み情報等が記憶された記憶部80から読み出すことができる。また、情報取得部70は、書き込み情報の一部を対象物50から取得するとともに、残りを記憶部80から読み出すことができる。
【0042】
記憶部80は、制御部90に内蔵又は外付けされたハードディスク、SSD等の記憶装置とする他、ローカルネットワークやインターネットを介して接続されたネットワークアクセスストレージ、クラウドストレージ、その他のストレージサーバ、データベースサーバとすることができる。記憶部80は、POSシステム等の物流システム、生産管理システム等の記憶部80であったり、又はそれら別システムの記憶部80の情報から複製された情報や、その情報に変更や付加を行った情報を含むものであったりしてもよい。この場合、対象物50の生産及び物流の過程で、その過程にある対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報が、記憶部80に記憶されることとなる。また、対象物50の生産及び物流の過程で、個別情報センサ71等により取得される一次情報の一部又は全部、並びに取得した一次情報に基づいて取得される二次情報の少なくとも一方に基づいて、その過程にある対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報を、記憶部80に記憶することもできる。
【0043】
記憶情報が複数種ある場合にはその種類別に記憶部80を設ける他、すべての記憶情報を記憶する単一の記憶部80を設けることもできる。例えば後述する応用例の場合、書き込み情報及び貼付位置情報は、図示例では単一の記憶部80に記憶することを想定しているが、これに限られるものではない。
【0044】
情報取得部70が記憶部80から書き込み情報を読み出す場合、情報取得部70は、コンピュータ(PC、マイクロコントローラ、タブレット端末、スマートフォン)により構成することができ、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力装置を含むことができる(つまり制御部90と同様とすることができる)。
【0045】
記憶部80は、対象物50の識別情報及びこれに関連付けられた書き込み情報を記憶するものであり、情報取得部70は、個別情報センサ71により読み出される識別情報に基づいて、又はマウス、キーボード、タッチパネル等の入力装置81により入力される識別情報に基づいて、記憶部80から書き込み情報を読み出すものであってもよい。つまり、書き込み情報は、対象物50から取得される一次情報に基づいて取得される二次情報を含むものであってもよい。例えば、商品に貼付する電子タグ10であれば、前述した一次元コード等の識別情報を個別情報センサ71により検出し、制御部90がその検出結果に基づいて、識別情報と商品名や消費期限等の属性情報とが関連付けて記憶された記憶部80から属性情報を取得し、取得した属性情報のみ又はこれと識別情報とを一緒に書き込み情報として電子タグ10に書き込むことができる。
【0046】
また、情報取得部70が記憶部80から書き込み情報を読み出す場合、情報取得部70は、入力装置等により、記憶部80から一つ又は複数の書き込み情報を選択し、一つずつ又は複数連続的に書き込み情報を読み出すものであってもよい。
【0047】
特に連続的に書き込み情報を読み出す場合、記憶部80に、対象物50の書き込み情報及び処理順が関連付けて記憶されていると、情報取得部70が、記憶部80から処理順に従って、その処理順と関連付けられた書き込み情報を読み出し、その読み出した書き込み情報記を書き込み装置60により電子タグ10に書き込むことができる。
【0048】
(書き込み装置)
書き込み装置60は、電子タグ10に対する書き込みが可能なもの(いわゆるリーダライタ)であり、その設置位置等は適宜定めることができる。例えば、電子タグ10に対して一定の距離から書き込みを行う場合には、書き込み装置60は、電子タグ10の移動経路に固定設置し、移動中又は移動の一時停止中の電子タグ10に順次書き込みを行うことができる。この場合、電子タグ10は対象物50に付属された後のものでも、対象物50に付属する前のものでもよい。前者の場合、例えば対象物50を搬送するコンベヤに書き込み装置60を設置することができ、後者の場合、例えばタグ供給部20に書き込み装置60を設置することができる。
【0049】
電子タグ10に対し、書き込み装置60を近付けて書き込みを行う場合には、書き込み装置60をハンディタイプ装置(ハンディタイプコードリーダ等)とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員がこれを手で持って電子タグ10にかざすことにより、複数の電子タグ10に対して順次書き込みを行うことができる。書き込み装置60をロボット40に取付け、ロボット40を制御して書き込み装置60を電子タグ10に対して近付け、書き込みを行うこともできる。
【0050】
また、書き込み装置60を据置きタイプの装置とし、対象物50の搬入、搬出、陳列等の際に、作業員が対象物50を手で持って据置きタイプの書き込み装置60にかざすことにより、複数の電子タグ10に順次書き込みを行うこともできる。
【0051】
書き込み装置60による書き込み処理は、公知の方法を特に限定なく採用することができる。
【0052】
(タグ付属部)
本電子タグ書き込みシステム1で電子タグ10を対象物50に付属させるために、タグ付属部を配備することができる。タグ付属部は、粘着面11を有する電子タグ10の場合には、後述する応用例のロボット40や、その他の公知の貼付装置(ラベラー)を採用することができる。タグ付属部は、作業員が手にもって対象物50に押し付けることにより電子タグ10の貼付を行うハンディタイプの貼付装置(ハンディラベラー)であってもよい。粘着面11を有しない電子タグ10の場合、タグ付属部は、紐やタグピン等を介して電子タグ10を衣類等の対象物50に取り付けるタグ付け装置であったり、商品の包装箱内に電子タグ10を投入する投入装置であったりしてもよい。
【0053】
(ロボット)
ロボット40としては、少なくとも水平方向の運動と、垂直方向の運動が可能な自由度が2以上のものであればよいが、コンベヤ30上の対象物50の位置が不規則な場合等に対応するために、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びZ軸を中心とする回転方向の運動が可能なように自由度が4以上のロボット40が好適である。これにより、図10(a)(c)に示すように、対象物50の上面に対してあらゆる向きで電子タグ10を貼付することができる。また、6以上の自由度のロボット40を用いると、対象物50の上面だけでなく、図10(b)に示すように、側面にも電子タグ10を貼り付けることができる。したがって、対象物50に応じて、商品に影響しにくい位置や、通信品質が低下しにくい位置に、電子タグ10を貼付することができる。ロボット40としては、図示例のようなパラレルリンクロボットだけでなく、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直交ロボット等、公知の産業用ロボットを用いることができる。
【0054】
(タグ供給部)
本電子タグ書き込みシステム1内に電子タグ10を供給するために、タグ供給部20を配備することができる。タグ供給部20は、電子タグ10を書き込み装置60又はタグ付属部に対して順次供給するものであり、その限りにおいて、公知のあらゆる供給機構(例えば特許文献1~5記載のもの等)を採用することができる。例えば、粘着面11を有する電子タグ10を供給する場合、電子タグ10が繰り返し貼付された帯状の剥離シート16から電子タグ10を順次剥離して供給するタグ供給部20を用いることができる。粘着面11を有しない電子タグ10を供給する場合、電子タグ10となる単位部分が繰り返し続く帯状材を、各単位部分の境界で切り離す又は打ち抜くことにより、電子タグ10を順次形成して供給するタグ供給部20を用いることができる。タグ供給部20はタグ付属部の機器に内蔵されていてもよい
【0055】
(機器構成)
本電子タグ書き込みシステム1では、構成要素のすべてが一つの機器として一体化されていてもよいし、一つ又は複数の構成要素からなる機器が複数組み合わされたシステムであってもよい。特に情報取得部70、制御部90、記憶部80等の構成要素のように、一つの機器上にハードウェア又はソフトウェアの組合せとして構築できるものは、一部又はすべてを一つの機器上に構築することが好ましい。また、構成要素の一部又は全部は、システムとして連動するために、有線又は無線で一方向又は双方向に通信(ネットワークを介しないものの他、ネットワークを介するものを含む)可能とすることができる。さらに、構成要素の一部は、他の構成要素から独立して動作するものであってよい。
【0056】
本電子タグ書き込みシステム1は、全体として一つのハンディタイプの機器であっても、机上に設置できる程度、又は小売店のレジスター程度の据置きタイプの機器であってもよい。また、後述する応用例のように、コンベヤやロボット40を含む、より大きな機器であってもよい。また、本電子タグ書き込みシステム1が複数の機器で構成される場合、各機器は、それぞれ一つのハンディタイプの機器であっていても、机上に設置できる程度、又は小売店のレジスター程度の据置きタイプの機器であっても、それ以上の大きさの機器であってもよい。
【0057】
以下、機器構成等の具体例について説明する。
<第1の例>
図1は、電子タグ書き込みシステム1の第1の例を示している。本例は、書き込み装置60と、この書き込み装置60に対して電子タグ10を供給するタグ供給部20と、情報取得部70とを有し、情報取得部70により取得した書き込み情報を、タグ供給部20から供給される電子タグ10に対し書き込み装置60により書き込むものである。したがって、本例のシステムでは、対象物50に応じて異なる情報が書き込まれた電子タグ10を自動的に順次作製することができる。
【0058】
第1の例において、情報取得部70は、前述したいずれのものであってもよいが、図1(a)に示す例は個別情報センサ71を備え、個別情報センサ71により検出した個別情報51を含む書き込み情報を、電子タグ10に書き込むものである。一方、図1(b)に示す例の情報取得部70は、記憶部80から書き込み情報を読み出すものとなっている。図1(c)に示す例は両者の情報取得部70を組合せ、個別情報センサ71により検出した個別情報51と、この個別情報51に基づいて、記憶部80から読み出した2次情報とを書き込み情報として、電子タグ10に書き込むものである。
【0059】
第1の例では、電子タグ10は対象物50に外的に付加されるものとなる。よって、後述する応用例等のように、書き込み装置60により書き込みが完了した電子タグ10を、対象物50に付属させるタグ付属部を有することが好ましいが、作業員が手作業で電子タグ10を対象物50に付属させてもよい。なお、ここにいう付属には、対象物50に固定又は連結することのほか、対象物50の包装内に入れるだけのことも含む。
【0060】
第1の例のシステムは、例えば図1(a)(c)に示す例のように、全体を据置きタイプの1つの機器E0とすることができる。この場合、機器E0に対する入力に応じて、又は情報取得部70で書き込み情報を取得するたび、自動で電子タグ10への書き込みを行うことができる。
【0061】
また、図1(b)に示す例のように、記憶部80以外を据置きタイプの第1の機器E1とし、記憶部80を第2の機器E2とし、第1の機器E1の情報取得部70が第2の機器E2の記憶部80から読み出しを行う構成とすることができる。この場合、第2の機器E2に対する処理開始入力に応じて順次、情報取得部70が書き込み情報を取得するとともに、電子タグ10への書き込みを行うことができる。
【0062】
これらの例で、対象物50への電子タグ10の付属を作業員が手作業で行う場合には、書き込み装置60を有する機器に電子タグ10の排出部又は受渡部を設け、そこから作業員が電子タグ10を受け取り、対象物50に付属させることができる。
<第2の例>
図2は、電子タグ書き込みシステム1の第2の例を示している。本例は、電子タグ10を対象物50に付属させるタグ付属部と、これに電子タグ10を供給させるタグ供給部20とを有し、書き込み装置60は、対象物50に付属した電子タグ10に、情報取得部70により取得した書き込み情報を書き込むものである。本電子タグ書き込みシステム1では、例えば、小売店等で、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の入荷商品に、未書き込みの電子タグ10を付属させた後、その電子タグ10に書き込み情報を書き込むことができる。この場合、対象物50一つごとに電子タグ10の付属及び書き込みを行うほか、一度に処理する対象物50のすべてに電子タグ10を付属させた後、各対象物50に付属する電子タグ10に順に書き込みを行うこともできる。
【0063】
第2の例において、情報取得部70は、前述したいずれのものであってもよいが、図2(a)に示す例は個別情報センサ71を備え、個別情報センサ71により検出した個別情報51を含む書き込み情報を、電子タグ10に書き込むものである。一方、図2(b)に示す例の情報取得部70は、記憶部80から書き込み情報を読み出すものとなっている。図2(c)に示す例は両者の情報取得部70を組合せ、個別情報センサ71により検出した個別情報51と、この個別情報51に基づいて、記憶部80から読み出した2次情報とを書き込み情報として、電子タグ10に書き込むものである。
【0064】
第2の例のシステムは、例えば図2(a)に示す例のように、全体を据置きタイプの1つの機器E0とすることができる。この場合、後述する応用例と同様に、コンベヤにより対象物50を搬送しながら、対象物50に対する電子タグ10の付属、その後(前でもよい)における個別情報センサ71による書き込み情報の取得、及び書き込み装置60による書き込みを自動で行うことができる。
【0065】
図2(b)に示す例のように、タグ付属部及びタグ供給部20を据置きタイプの第1の機器E1とし、情報取得部70、制御部90、書き込み部及び記憶部80を据置き第2の機器E2とすることもできる。この場合、作業員は第1の機器E1を操作して対象物50に対する電子タグ10の付属を行った後、第2の機器E2を操作して情報取得及び書き込みを行うことができる。この例は、第1の機器E1及び第2の機器E2を離して設置できるという利点がある。
【0066】
また、図2(c)に示すように、タグ付属部及びタグ供給部20をハンディタイプ又は据置きタイプの第1の機器E1とし、情報取得部70、制御部90、書き込み部をハンディタイプの第2の機器E2とし、記憶部80を据置きタイプの第3の機器E3とすることもできる。この場合、作業員は第1の機器E1を操作して対象物50に対する電子タグ10の付属を行う。その一方で、作業員は対象物50に第2の機器E2の個別情報センサ71にかざすことにより対象物50の個別情報51を検出し、これに基づいて第2の機器E2の情報取得部70で第3の機器E3の記憶部80から情報取得を行い、書き込み情報を作成した後、第2の機器E2の書き込み装置60を対象物50にかざし、対象物50に付属した電子タグ10に書き込みを行うことができる。
【0067】
<第3の例>
図3は、電子タグ書き込みシステム1の第3の例を示している。本例は、タグ供給部20及びタグ付属部を備えず、対象物50に予め付属する電子タグ10に書き込みを行う点が第2の例と異なるものである。例えば、生産者が商品や、その容器又は包装に未書き込みの電子タグ10を付属させて商品を出荷する場合、小売店が本システムを使用することにより、入荷商品に付属する電子タグ10に書き込みを行うことができる。
【0068】
第3の例において、情報取得部70は、前述したいずれのものであってもよいが、図3(a)に示す例は個別情報センサ71を備え、個別情報センサ71により検出した個別情報51を含む書き込み情報を、電子タグ10に書き込むものである。一方、図3(b)に示す例の情報取得部70は、記憶部80から書き込み情報を読み出すものとなっている。図3(c)に示す例は両者の情報取得部70を組合せ、個別情報センサ71により検出した個別情報51と、この個別情報51に基づいて、記憶部80から読み出した2次情報とを書き込み情報として、電子タグ10に書き込むものである。
【0069】
第3の例のシステムは、タグ付属部及びタグ供給部20を備えないため、コンパクトなシステムに適している。例えば図3(a)に示す例のように、全体をハンディタイプの1つの機器E0とすることができる。この場合、作業員が機器E0を手に持ち、機器E0の個別情報センサ71を対象物50にかざすことにより対象物50の個別情報51を検出し、その個別情報51を含む書き込み情報を作成した後、機器E0の書き込み装置60を対象物50に付属する電子タグ10にかざして書き込みを行う構成とすることができる。
【0070】
図3(b)に示す例のように、記憶部80以外をハンディタイプの第1の機器E1とし、記憶部80を据置きタイプの第2の機器E2とすることもできる。この場合、作業員が第1の機器E1を操作し、第2の機器E2から情報取得を行い、書き込み情報を作成した後、第1の機器E1の書き込み装置60を対象物50に付属する電子タグ10にかざして書き込みを行う構成とすることができる。
【0071】
また、図3(c)に示す例のように、記憶部80以外を据置きタイプの第1の機器E1とし、記憶部80を据置きタイプの第2の機器E2とすることもできる。この場合、作業員が対象物50を手に持ち、第1の機器E1の個別情報センサ71にかざすことにより対象物50の個別情報51を検出し、これに基づいて第1の機器E1の情報取得部70で第2の機器E2の記憶部80から情報取得を行い、書き込み情報を作成した後、第1の機器E1の書き込み装置60に対象物50をかざし、対象物50の電子タグ10に書き込みを行う構成とすることができる。
【0072】
<第4の例>
図4は、電子タグ書き込みシステム1の第4の例を示している。本例は、記憶部80に書き込み情報及び処理順が関連付けて記憶されており、情報取得部70により記憶部80から取得した処理順に従って、その処理順と関連付けられた書き込み情報を、書き込み装置60により電子タグ10に書き込む点が、第1の例と異なるものである。本例では、記憶部80から読み出した処理順に従って、その処理順と関連付けられた書き込み情報を電子タグ10に書き込むため、定まった順序で処理さ(取り扱わ)れる複数種の対象物50に対して電子タグ10を付属させる場合に、対象物50に応じて異なる情報を自動的に書き込むことができる。
【0073】
第4の例では、電子タグ10は対象物50に外的に付加されるものとなる。よって、後述する応用例等のように、書き込み装置60により書き込みが完了した電子タグ10を、対象物50に付属させるタグ付属部を有することが好ましいが、作業員が手作業で電子タグ10を対象物50に付属させてもよい。なお、ここにいう付属には、対象物50に固定又は連結することのほか、対象物50の包装内に入れるだけのことも含む。
【0074】
第4の例のシステムは、例えば図4に示す例のように、全体を据置きタイプの1つの機器E0とすることができる。この場合、機器E0に対して処理対象物50(処理対象の範囲)を指定する入力を行い、情報取得部70で必要な処理順及び書き込み情報を取得し、その処理順に従って、その処理順と関連付けられた書き込み情報を電子タグ10に書き込むことができる。
【0075】
<第5の例>
図5は、電子タグ書き込みシステム1の第の例を示している。本例は、対象物50の生産及び物流における第1の過程で、その過程にある対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報が取得されて記憶部80に記憶され、第1の過程よりも下流側における、処理順で対象物50を処理する第2の過程で、処理順に従って処理順と関連付けられた書き込み情報を書き込み装置60により順次電子タグ10に書き込む点で、第4の例と異なる。
【0076】
本システムでは、例えば対象物50の生産設備における対象物50の移送過程や検品過程、対象物50の物流における搬送過程等のように、一定の順序で対象物50を処理(取り扱う)する第1の過程P1で、その処理順及び対象物50の書き込み情報を、予め記憶部80に記憶しておき、その後、その処理順で対象物50を処理する第2の過程P2で、その処理順に従い電子タグ10への書き込みを順次行う。このため、書き込み後の電子タグ10を順次対象物50に付属させることにより、自動的に対象物50に応じて異なる情報が書き込まれた電子タグ10を対象物50に付属させることができる。
【0077】
第1の過程P1で対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報を記憶部80に記憶する場合、その記憶部80が、図5(a)に示すように、既存システム(生産管理システム、物流システム等)の記憶部80である場合や、既存システムの記憶部80の情報から複製された情報や、その情報に変更や付加を行った情報を含む記憶部80である場合、既存システムの稼働の結果として第1の過程P1で対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報が記憶部80に記憶されることとなる。また、図5(b)に示すように、第1の過程P1の設備に個別情報センサ71を設置し、個別情報センサ71により検出される個別情報51等の一次情報の一部又は全部、並びに取得した一次情報に基づいて取得される二次情報の少なくとも一方に基づいて、対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報を取得し、記憶部80に記憶することもできる。
【0078】
第5の例のシステムは、例えば図5(a)に示すように、生産設備や物流設備の単一の搬送ラインP0に構築することもできる。また、図5(b)に示すように、第1の過程P1を生産設備の出荷過程等とし、その設備に個別情報センサ71、及び記憶部80を設置し、第1の過程P1よりも下流側における、第1の過程P1と同じ処理順で対象物50を処理する第2の過程P2を物流設備の搬入過程等とし、その設備に情報取得部70、制御部90及び書き込み装置60を設置することもできる。図5に示す例は、いずれも、コンベヤ30により対象物50を搬送しながら処理を行うため、対象物50の処理順が変化しないものとなっているが、第1の過程P1と、その下流側における電子タグ10への書き込みを行う過程とで、連続的な搬送がなされる必要はない。
【0079】
これら第5の例で、対象物50への電子タグ10の付属を作業員が手作業で行う場合には、書き込み装置60を含む機器に電子タグ10の排出部又は受渡部を設け、そこから作業員が電子タグ10を受け取り、対象物50に付属させることができる。
【0080】
<第6の例>
図6は、電子タグ書き込みシステム1の第6の例を示している。本例は、電子タグ10を対象物50に付属させるタグ付属部と、これにタグを供給するタグ供給部20とを備え、対象物50の生産及び物流における第1の過程P1で、その過程にある対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報が取得されて記憶部80に記憶され、対象物50の生産及び物流における第2の過程P2で、タグ付属部により対象物50に電子タグ10を付属させ、第1の過程P1及び第2の過程P2よりも下流側における、同一の処理順で対象物50を処理する第3の過程P3で、その処理順に従ってその処理順と関連付けられた書き込み情報を書き込み装置60により順次対象物50に付属した電子タグ10に書き込むものである。
【0081】
本システムでは、例えば対象物50の生産設備における対象物50の移送過程や検品過程、対象物50の物流における搬送過程等のように、一定の順序で対象物50を処理(取り扱う)する第1の過程P1で、その処理順及び対象物50の書き込み情報を、予め記憶部80に記憶しておく。また、これと同時並行若しくはその前後の第2の過程P2で、電子タグ10を対象物50に付属させる。その後、その処理順で対象物50を処理する第3の過程P3で、その処理順に従い対象物50に付属した電子タグ10への書き込みを順次行う。これにより、自動的に対象物50に応じて異なる情報が書き込まれた電子タグ10を対象物50に付属させることができる。
【0082】
より具体的には、物流センターから小売店等の商品搬入先に、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の商品を搬送する際、物流センター(第1の過程、第2の過程)で記憶部80に対する処理順及び書き込み情報の記憶、及び電子タグ10の付属を行い、商品の搬入先(第3の過程)で電子タグ10への書き込みを行うといったことが可能となる。なお、タグ付属部では、対象物50一つごとに電子タグ10の付属及び書き込みを行うほか、一度に処理する対象物50のすべてに電子タグ10を付属させた後、各対象物50に付属する電子タグ10に順に書き込みを行うこともできる。
【0083】
第6の例における第1の過程P1で対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報を記憶部80に記憶する手法は、第5の例と同様である。
【0084】
第6の例のシステムは、例えば図6(a)に示すように、生産設備や物流設備の単一の搬送ラインに構築することもできる。また、図6(b)に示すように、第1の過程P1を生産設備の出荷過程等とし、その設備にタグ付属部、タグ供給部20、個別情報センサ71、及び記憶部80を設置し、第1の過程P1よりも下流側における、第1の過程P1と同じ処理順で対象物50を処理する過程を物流設備の搬入過程等とし、その設備に情報取得部70、制御部90及び書き込み装置60を設置することもできる。図6に示す例は、いずれも、コンベヤにより対象物50を搬送しながら処理を行うため、対象物50の処理順が変化しないものとなっているが、第1の過程P1と、その下流側における電子タグ10への書き込みを行う過程とで、連続的な搬送がなされる必要はない。
【0085】
<第7の例>
図7は、電子タグ書き込みシステム1の第の例を示している。本例は、タグ供給部20及びタグ付属部を備えず、対象物50に付属の電子タグ10に書き込みを行う点が第6の例と異なるものである。すなわち、本電子タグ書き込みシステム1は、電子タグ10を供給して対象物50に付属させることは行わず、生産及び物流における処理順で対象物50を処理する過程で、情報取得部70により取得した処理順に従って、その処理順と関連付けられた書き込み情報を、書き込み装置60により対象物50に付属の電子タグ10に書き込むシステムである。より具体的には、生産者から小売店等に、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の商品を搬送する際、生産者が商品や、その容器又は包装に未書き込みの電子タグ10を付属させて商品を出荷し、小売店又はその物流センターで、定まった順序で商品を取り扱う過程で、対象物50に応じて異なる情報を自動的に書き込むことができる。
【0086】
第7の例で対象物50の処理順及び各対象物50の書き込み情報を記憶部80に記憶する手法は、第5の例と同様とするほか、対象物50の生産及び物流の過程以外で取得される情報等に基づいて記憶部80に記憶するものであってもよい。
【0087】
第7の例のシステムは、例えば図7(a)に示すように、生産設備や物流設備の単一の搬送ラインに構築することもできる。また、図7(b)に示すように、物流設備の搬出過程(第1の過程P1)の設備に個別情報センサ71及び記憶部80を設置し、第1の過程P1よりも下流側における、第1の過程P1と同じ処理順で対象物50を処理する過程を小売店の搬入過程(第2の過程)の設備に、情報取得部70、制御部90及び書き込み装置60を含むハンディタイプの機器E4を設置することもできる。この場合、作業員がハンディタイプの機器E4の書き込み装置60を対象物50に付属する電子タグ10にかざすことにより、電子タグ10に書き込みを行うことができる。図7(a)に示す例は、コンベヤにより対象物50を搬送しながら処理を行うため、対象物50の処理順が変化しないものとなっているが、第1の過程P1と、その下流側における電子タグ10への書き込みを行う第2の過程P2とで、連続的な搬送がなされる必要はない。このため、図7(b)のようなシステム構成も可能となる。
【0088】
<他の例>
第1の例から第7の例までの各例の部分的構成は、他の例の基本的構成を損ねない範囲であれば、他の例に応用することができる。また、後述する応用例の部分的構成も、第2の例から第7の例に対して、その例の基本的構成を損ねない範囲内で応用することができる。
<応用例>
図11及び図12は、上述の第1の例を応用した電子タグ書き込みシステム1を示している。この電子タグ書き込みシステム1は、粘着面11を有する電子タグ10を順次供給するタグ供給部20と、タグ供給部20から供給される電子タグ10を、貼付対象である商品等の対象物50に貼付する貼付部30,40とを備えている。また、この電子タグ書き込みシステム1は、対象物50に関する書き込み情報を、対象物50に貼付するまでの過程にある電子タグ10に書き込む書き込み装置60と、対象物50の個別情報を検出する個別情報センサ71とを備えており、個別情報センサ71により検出した個別情報の一部又は全部、並びに検出した個別情報に関連する関連情報の少なくとも一方を含む書き込み情報を、書き込み装置60により、その個別情報の検出を行った対象物50に貼付することとなる電子タグ10に書き込む制御部90を備えている。
【0089】
したがって、本電子タグ書き込みシステム1では、装置内で、対象物50の個別情報を検出し、その検出結果に基づく書き込み情報を、その個別情報の検出を行った対象物50に貼付することとなる電子タグ10に書き込むものであるため、複数種の対象物50に対して順不同で電子タグ10を貼付する場合であっても、自動的に適切な情報が書き込まれた電子タグ10を貼付することができる。例えば、小売店で電子タグ10を貼付する場合、種類(大きさ、包装等)、数量等がばらばら(少量多品種)の入荷商品を、作業員が対象物50の種類が何であるかを意識せずに順次自動的に適切な情報が書き込まれた電子タグ10を貼付できるようになる。以下、各部について順に説明する。
【0090】
(貼付部)
貼付部30,40は、電子タグ10供給部から供給される電子タグ10を、貼付対象である対象物50に貼付しうる限り、ハンディタイプのラベラーのように作業員が操作するものであってもよく、この場合、個別情報センサ71や書き込み装置60を内蔵するものが好ましいが、電子タグ10供給部及び貼付部と、個別情報センサ71及び書き込み装置60の少なくとも一方を別体とすることもできる。図示例の貼付部30,40は、電子タグ10の貼付対象である対象物50を搬送するコンベヤ30と、タグ供給部20から供給される電子タグ10を受け取り、コンベヤ30上を搬送される対象物50に貼付する、ロボット40とを有するものとなっている。このように、コンベヤ30により対象物50を搬送しつつ、その搬送中の対象物50にロボット40により電子タグ10を貼付すると、多数の対象物50を自動で連続処理することができる。
【0091】
(コンベヤ)
コンベヤ30は、駆動源の駆動力により移動体を搬送方向に移動し、移動体上の対象物50を搬送しうる限り公知のあらゆるコンベヤを用いることができ、例えば、上面が積載面となるベルトコンベヤやプレートコンベヤ等を好適に用いることができる。コンベヤ30は、対象物50よりも幅広の積載面を有すると、例えば作業員が大きさの異なる多品種の対象物50を位置や向きを意識せずに載せることができるため好ましい。もちろん、コンベヤ30は、対象物50の種類及び積載位置(向きを含む)が一定のものであってもよい。またコンベヤ30への対象物50の積載を機械的に行うこともできる。
【0092】
コンベヤ30は、図11等に示す例のように、複数のコンベヤ31,32をつなげて構成することもできるし、図23に示すように一つのみ設けることもできる。また、コンベヤ30は、最下流にフリーローラコンベヤ33を設けておくと、対象物50はフリーローラコンベヤ33上に押し出されて停止するため、その後の作業が容易となる。
【0093】
コンベヤ30は、一定の速度で連続的に搬送を行うことが望ましいが、電子タグ10の貼付タイミング等、各種のタイミングを合わせるために適宜の位置での待機時間を挟んで断続的に駆動することもできる。
【0094】
(個別情報センサ)
個別情報センサ71は、対象物50のあらゆる面を検出できることが好ましい。このため、対象物50をコンベヤ30により搬送しつつ個別情報センサ71による検出を行う場合、図11等に示す装置構成とするのは好ましい。すなわち、この電子タグ書き込みシステム1は、対象物50を搬送する第1コンベヤ31と、この第1コンベヤ31の下流側に隙間を空けて連なり、第1コンベヤ31から送り出される対象物50を受け取り搬送する第2コンベヤ32と、を有し、個別情報センサ71は、第1コンベヤ31と第2コンベヤ32との隙間を通して、対象物50の下方から対象物50の個別情報を検出する下方センサ71Lと、ロボット40の貼付可能範囲よりも上流側で対象物50の上方から対象物50の個別情報を検出する上方センサ71Uとを含むものである。
【0095】
このように、コンベヤ30を第1コンベヤ31と第2コンベヤ32とに分けるだけでなく、その受渡部分の隙間を利用することにより上下両方から対象物50の個別情報の検出を行うことができるため、対象物50における個別情報の位置が上下異なる複数種の貼付対象物50を、上下の向きを意識することなく連続処理することができる。
【0096】
特に、個別情報センサ71に撮像センサを用いて広範囲での検出が可能な場合、図12に示すように、コンベヤ30を挟んでCD方向一方の斜め上から検出を行う上方センサ71Uと、CD方向他方の斜め上から検出を行う上方センサ71Uと、コンベヤ30の直下から検出を行う下方センサ71Lとを設けることにより、3つのセンサで対象物50の4面の検出を行うことができるため好ましい。つまり、図10(a)(b)(c)に示すように、対象物50の上面、側面、及び下面の個別情報を検出することができる。なお、MD方向は機械方向(搬送方向)を意味し、CD方向はMD方向と直交する横方向を意味する。
【0097】
(タグ供給部)
タグ供給部20は特に限定されるものではなく、貼付部30,40に対して電子タグ10を供給できる限り、公知のあらゆる供給機構(例えば特許文献1~5記載のもの等)を採用することができる。図13は、電子タグロール23Rを取り付けて使用するタグ供給部20の一例を示している。電子タグロール23Rは、連続帯状の電子タグシート15がロール状に巻き取られたものであり、電子タグシート15は連続帯状の剥離シート16の連続方向に所定の間隔で繰り返し貼り付けられた電子タグ10を有するものである。電子タグロール23Rは、図示しない回転軸に回転可能に支持される。
【0098】
また、このタグ供給部20は、後述するロボット40により対象物50に電子タグを貼付する場合を想定したものであり、電子タグシート15をその連続方向に移送するとともに、移送方向下流側から順に電子タグ10を剥離し、ロボット40に受け渡す受渡部と、電子タグ10を剥離した後の、連続帯状の剥離シート16を巻き取る巻取軸23Wとを有している。受渡部は、剥離シート16を、電子タグ10を有する側と反対側に折り返すように案内する折り返しガイド23G(図示例のような板状のもののほか、回転する軸や回転しない軸でもよい)を含むものであり、剥離シート16の折り返しにより電子タグシート15の剥離がなされるようになっている。巻取軸23Wは、図示しないステッピングモータで回転駆動されるようになっており、先頭の電子タグ10が剥離される度に、適宜の制御タイミングで後続の電子タグ10が先頭の位置に移動するように(つまり一枚分ずつ)巻き取りがなされるようになっている。
【0099】
電子タグシート15は、電子タグロール23Rから繰り出された後、折り返しガイド23Gで鋭角に折り返される。この折り返しの際に、剛性のある電子タグ10が剥離シート16から自然に剥離するため、ロボット40に対して直接又はベルトコンベヤ等を介して間接的に受け渡すことができる。電子タグ10が剥離された後に残る剥離シート16は、巻取軸23Wに巻き取られる。
【0100】
タグ供給部20は、電子タグシート15上の電子タグ10の表面(非粘着面11)に、小売店のロゴや電子タグ10に関する説明、これに関連するWEBサイトへ誘導するための二次元コード等の所定の付加情報を印刷するためのプリンタ23Pを備えることができる。これにより、使用する分だけ電子タグ10に付加情報を順次印刷することができる。
【0101】
(ロボットへの電子タグの受け渡し)
ロボット40により対象物50に電子タグを貼付する場合、ロボット40は、タグ供給部20から供給される電子タグ10を受け取り、コンベヤ30上を搬送される対象物50に貼付するものであれば特に限定されないが、図示例のように、エンドエフェクタとして空気の吸引により物を保持する吸着部41を有し、第1ベルトコンベヤ21の第1ベルト21B上に貼り付けられた電子タグ10を吸着部41により吸着し、この吸着部41の移動により、電子タグ10をベルトから剥離した後、対象物50に貼付するものであると好ましい。図示例の吸着部41は先端部にラバーカップが取り付けられた管状体であるが、これに限定されず、公知の構造・素材を採用することができる。
【0102】
吸着部41を有するロボット40への電子タグ10の受け渡しは、図14(a)に示すように、剥離シート16上に張り付けられた電子タグ10表面にロボット40の吸着部41を吸着させた状態で、吸着部41を上昇させることにより、電子タグ10をベルトから剥離することにより行うこともできる(例えば特許文献5参照)。しかし、このような吸着部41の上昇移動により、剥離シート16上に粘着された電子タグ10を剥離する場合、受け渡しが不確実になるおそれがある。
【0103】
そこで、図14(b)に示すように、ロボット40の駆動制御により、受渡部における剥離シート16の折り返し開始位置RPよりも前側で、剥離シート16上の電子タグ10に吸着部41を吸着させた後、吸着部41を、折り返し開始位置RPまでは電子タグ10を吸着したまま剥離シート16とともに移動させ、折り返し開始位置RP以降は電子タグ10を吸着したまま剥離シート16の移動方向MDの接線方向TDに剥離シート16と同速度で移動させることにより、剥離シート16の折り返しにより剥離シート16から剥離した電子タグ10を吸着部41に受け渡す受渡機構が提案される。この場合、剥離シート16の折り返しにより電子タグ10に働く剥離力を主に利用し、かつ吸着部41が剥離シート16から離れることによる力をほとんど利用せずに、吸着部41で電子タグ10と保持して剥離シート16から剥離することができる。よって、非常に簡素な仕組みでありながら、より少ない吸着力で確実な電子タグ10の受け渡しが可能となる。
【0104】
吸着部41が電子タグ10に吸着した状態では、吸着部41、電子タグ10及び剥離シート16は一体化しているため、吸着部41を駆動源により駆動せずに剥離シート16の移動方向に自由に可能なように支持するだけとし、剥離シート16の移動力を利用して吸着部41を移動させることも可能である。しかし、より確実な動作を可能とするために、ロボット40の駆動により、吸着部41を、折り返し開始位置RPまでは電子タグ10を吸着したまま剥離シート16とともに移動させ、折り返し開始位置RP以降は電子タグ10を吸着したまま剥離シート16の移動方向MDの接線方向TDに移動させることが好ましい。
【0105】
電子タグ10に吸着部41を吸着させる時、剥離シート16及びこれに貼り付けられた電子タグ10は停止していることが好ましいが、第1ベルト21Bを停止せずに、剥離シート16とともに移動する電子タグ10に吸着部41を吸着させてもよい。
【0106】
本受渡機構では、吸着部41は移動可能に支持されていれば、支持装置はロボット40でなくてもよく、一定の周期で動くような可動部であってもよい。さらに、本受渡機構の吸着部41は、電子タグ10を商品等の最終的な貼付対象物50に貼り付けずに、他のコンベヤ等の搬送装置や、一時的な貼り付け台や、他の吸着部に貼り付けることもできる。
【0107】
(書き込み装置)
書き込み装置60は、対象物50に貼付するまでの過程にある電子タグ10に書き込み可能である限り、その設置位置は特に限定されるものではない。例えば、図11及び図12に示すように、タグ供給部20とコンベヤ30との間(図示例ではコンベヤ30の脇)に、対象物50に関する書き込み情報を電子タグ10に書き込む書き込み装置60を設置し、ロボット40は、図15に示すように、タグ供給部20から供給される電子タグ10を受け取り、その電子タグ10を書き込み装置60による書き込み可能位置に移動させて一定時間保持し、この間に書き込み装置60はその電子タグ10に対象物50に関する情報を書き込み、しかる後、図18に示すように、ロボット40がその電子タグ10を書き込み装置60から対象物50に移動し、対象物50に貼付することができる。
【0108】
また、図21に示すように、書き込み装置60を吸着部41と一体化し、吸着部41に吸着した電子タグ10への書き込みを可能とすることもできる。この場合、電子タグ10を吸着部41に吸着した後から、対象物50に貼付するまでの適宜の段階(吸着部41の移動中の他、吸着部41を停止した状態でもよい)で、電子タグ10に情報を書き込むことができる。
【0109】
また、図22に示すように、タグ供給部20内における電子タグ10の搬送経路に書き込み装置60を設置し、ロボット40への受け渡し前に電子タグ10に情報を書き込むこともできる。図22に示す例は、書き込み装置60を、タグ供給部20における次に送出される電子タグ10の下方に設けたものであるが、側方に設けたりする等、適宜の変更が可能である。
【0110】
(ロボット)
ロボット40により電子タグ10の貼付を行う場合、対象物50の種類に応じて異なる適切な貼付位置を指定し、その指定貼付位置に貼付することが望ましい。これにより、例えば、対象物50に応じて、商品に影響しにくい位置や、通信品質が低下しにくい位置に、電子タグ10を貼付することができる。また、作業員がコンベヤ30上の対象物50の位置(向きを含む)を意識せずに、コンベヤ30上に対象物50を不規則に載せたとしても、対象物50の指定貼付位置に電子タグ10を貼付することができる。電子タグ10の貼付位置は、図10(a)(b)に示すように個別情報51の検出面と同一面かつ個別情報51と重ならない位置とすると、電子タグ10の貼付後に電子タグ10で個別情報51が隠れることがないため、電子タグ10の記憶内容と対象物50の個別情報51との比較確認が容易となるが、図10(c)に示すように個別情報51の検出面と異なる面としたり、図示しないが個別情報51と一部又は全部が重なる位置としたりすることもできる。
【0111】
具体的には、コンベヤ30における、ロボット40の貼付可能範囲よりも上流側に、コンベヤ30上を搬送される対象物50を撮像する撮像装置72を設け、個別情報センサ71はこの撮像装置72よりも上流側に設けられる。また、対象物50の画像情報と、対象物50における指定貼付位置とが関連付けて記憶された、記憶部80を設ける。そして、制御部90は、画像認識により撮像装置72による撮像情報と記憶部80に記憶された対象物50の画像情報とを比較し、コンベヤ30上に対象物50を認識したときには、その認識した対象物50と関連付けられた指定貼付位置を記憶部80から読み出すとともに、コンベヤ30上における対象物50の位置を検知し、これら指定貼付位置と対象物50の位置とに基づいて、ロボット40に、電子タグ10を、コンベヤ30上を搬送される対象物50における指定貼付位置に貼付させる。ここで、コンベヤ30上における対象物50の位置情報のうち、MD方向における位置座標は、撮像装置72による撮像タイミングと、コンベヤ30の搬送速度とに基づいて算出することができ、MD方向と直交する方向の位置座標と、向きとは撮像装置72による撮像情報から画像認識により求めることができる。また、コンベヤ30の搬送速度は、例えばコンベヤ30の駆動系(例えばベルト)に図示しないロータリーエンコーダを取り付けて検出することができる。よって、制御部90は、これらの位置情報に基づいて対象物50がロボット40による貼付可能範囲にあるタイミングで、ロボット40に対象物50における指定貼付位置に電子タグ10を貼付させることができる。
【0112】
<応用例の動作の流れ>
本電子タグ書き込みシステム1は、作業員が対象物50をコンベヤ30の供給位置に載せるステップと、コンベヤ30により搬送される対象物50の個別情報を個別情報センサ71により検出するステップと、コンベヤ30により搬送される対象物50の位置情報を検知するステップと、個別情報センサ71により検出した個別情報の一部又は全部、並びに検出した個別情報に基づいて取得される関連情報の少なくとも一方を含む書き込み情報を、電子タグ10に書き込むステップと、情報を書き込んだ電子タグ10を、コンベヤ30により搬送される対象物50に貼付するステップとを含むことを基本とする。これらのステップを実行可能である限り、各部の動作タイミング等、詳細な制御は適宜行うことができる。
【0113】
図24は、動作フローの一例である。本電子タグ書き込みシステム1の動作を開始すると、制御部90によりコンベヤ30が駆動されるとともに、個別情報センサ71、撮像装置72による検出、撮影が開始される。また、同時に図15に示すように、ロボット40がタグ供給部20から電子タグ10を受け取り、書き込み装置60による書き込み可能位置に電子タグ10を移動し、待機する。このように、予め電子タグ10を書き込み装置60による書き込み可能位置に待機させておくことにより、個別情報を検出してから電子タグ10への書き込みまでの時間を短縮することができる。これにより、全体としての貼付効率を向上できるのはもちろん、個別情報センサ71から貼付位置までの搬送距離を短縮することができ、装置の小型化を図ることができる。これに代えて、後述する電子タグ10への書き込みの際に、電子タグ10の受け取りから書き込みまでを一度に行うこともできる。
【0114】
次に、作業員がコンベヤ30上の供給位置(個別情報センサ71よりも上流側)に対象物50を載せ、搬送する。これにより、図16に示すように、対象物50はまず個別情報センサ71による検出位置を通過し、その際に対象物50の個別情報が検出される。ここで、図示例のように、個別情報センサ71の手前に対象物50の通過を検出する通過センサ73を設けておき、この通過センサ73により対象物50の通過を検知してから所定時間(例えば数秒程度)経過するまでに、個別情報センサ71により個別情報が検出されない場合、制御部90は個別情報の検出エラーと判断し、少なくともコンベヤ30を停止することができる。この場合、もちろん、システム1の全体を一時的に停止してもよい。例えば、対象物50における目的の個別情報(一次元コード等)の位置が、個別情報センサ71により検出できない面に存在していると、このような状況になる。この場合、対象物50を取り出した後、装置始動からやり直すことにより、電子タグ10も無駄にならずに運転を再開することができる。なお、個別情報の検出エラーが発生したときには、対象物50を排出可能な時間だけコンベヤ30の駆動のみ継続し、その後、自動的に正常運転に復帰するようにしてもよい。いずれにせよ、このような個別情報の検出エラーが発生すると、電子タグ10への書き込みは不可能となる。通過センサ73としては、コンベヤ30上の対象物50の通過位置を挟んで発光素子及び受光素子を対向配置し、対象物50の通過による発光素子の光の遮断を受光素子の出力の変化により検知するフォトセンサ等、公知の通過センサ73を用いることができる。
【0115】
対象物50の個別情報が検出された場合、制御部90は、個別情報センサ71により検出した個別情報の一部又は全部、並びに検出した個別情報に基づいて取得される関連情報の少なくとも一方を含む書き込み情報を取得又は作成し、書き込み装置60により、その個別情報の検出を行った対象物50に貼付することとなる電子タグ10に書き込む。この一方で、図17に示すように、対象物50はコンベヤ30上により先に進み、撮像装置72により撮影され、その撮像装置72による撮像結果が制御部90に連続的に入力されている。制御部90は、画像認識により撮像装置72による撮像情報と記憶部80に記憶された対象物50の画像情報とを比較し、コンベヤ30上に対象物50を認識したときには、その認識した対象物50と関連付けられた指定貼付位置を記憶部80から読み出すとともに、コンベヤ30上における対象物50の位置を検知する。そして、制御部90は、これら指定貼付位置と対象物50の位置とに基づいて、図18に示すように、対象物50がロボット40による貼付可能範囲にあるタイミングで、ロボット40に対象物50における指定貼付位置に電子タグ10を貼付させる。電子タグ10を貼付した対象物50は、図11に示すようにコンベヤ30により先に進み、作業員により取り出される。図11に示すように、コンベヤ30は、最下流にフリーローラコンベヤ33を設けておくと、対象物50はフリーローラコンベヤ33上に押し出されて停止するため、その後の作業が容易となる。ロボット40が電子タグ10を貼付した後は、開始時に戻り、コンベヤ30上の対象物50の有無に関係なく、ロボット40がタグ供給部20から電子タグ10を受け取り、書き込み装置60による書き込み可能位置に電子タグ10を移動し、待機する。
【0116】
電子タグ10への書き込みの際、書き込みエラーが発生することがある。この場合、書き込みエラーの検知タイミングが対象物50の搬送中であるため、書き込みのやり直しが間に合うタイミングであれば搬送を継続しつつ、又は書き込みのやり直しが間に合わない場合には一時的に搬送を停止して、図24のフローに示すように書き込みのやり直しを行うことが望ましい。しかし、図示例のようにロボット40が受け取った電子タグ10を、ロボット40により書き込み装置60に近接させて書き込みを行う手法では、電子タグ10の書き込みエラーが発生したときには、当該電子タグ10を離してからでなければ次の処理を行うことができない。そこで、図11等に示すように、コンベヤ30による対象物50の搬送空間以外に、廃棄する電子タグ10を貼り付けておくための仮貼付部35を設けておき、制御部90は、電子タグ10の書き込みエラーが発生したときには、図19に示すように、ロボット40が受け取った電子タグ10を仮貼付部35に貼付させるとともに、その電子タグ10を貼付することが予定されていた対象物50には電子タグ10を貼付せずにコンベヤ30から排出させるのが好ましい。対象物50をコンベヤ30から排出する場合、図19に示すように正常運転時と同様に排出するほか、図20に示すようにコンベヤの側方に排出シュート等の不良排出部36と、コンベヤ30上の対象物50を不良排出部36に押し出すエアシリンダー等の押し出し装置37を設けることも可能である。また、電子タグ10の書き込みエラーが連発するときには、書き込みのやり直しでは解決しないことが多いため、図24のフローに示すように、制御部90は書き込みエラーをカウントし、所定回数エラーが連発したときには少なくともコンベヤ30を停止することができる。この場合、もちろん、システム1の全体を一時的に停止してもよい。
【0117】
指定貼付位置の読み出しの際、画像認識のエラーや、対象物50の画像と指定貼付位置が記憶部80に記憶されていないものであること等により、指定貼付位置の読み出しエラーが発生することがある。この場合、ロボット40は既に受け取っている電子タグ10を対象物50に貼り付けることができない。しかも、前述のように、処理の高速化等のために、指定貼付位置の読み出しが完了する前に、電子タグ10がロボット40に受け渡され、書き込みが終了していると、その電子タグ10を離してからでなければ次の処理を行うことができない。そこで、仮貼付部35を設けておき、個別情報センサ71により個別情報を検出した後、対象物50がロボット40の貼付可能範囲を通過するまで指定貼付位置の読み出しがなかったときには、指定貼付位置の読み出しエラーとみなして、前述の電子タグ10の書き込みエラーの場合と同様に、ロボット40が受け取った電子タグ10を仮貼付部35に貼付させるとともに、その電子タグ10を貼付することが予定されていた対象物50には電子タグ10を貼付せずにコンベヤ30から排出させるのは好ましい。
【0118】
ここで、「個別情報センサ71により個別情報を検出した後、対象物50がロボット40の貼付可能範囲を通過するまで」とは、例えば、撮像装置72よりも上流側に位置する対象物50を検出するためのセンサ(このセンサとしては、前述の通過センサ73や個別情報センサ71を利用するほか、専用のセンサを設けてもよい)により対象物50を検出してからの時間経過により検知することができる。もちろん、撮像装置72よりも下流側に通過センサ73を設けて、この検出結果に基づいて対象物50がロボット40の貼付可能範囲を通過するタイミングを検知してもよい。
【0119】
他の例としては、入力装置81により同一の対象物50の連続処理が選択されたときには、制御部90は、最初の対象物50に電子タグ10を貼付するときには、個別情報センサ71により検出した個別情報の一部又は全部、並びに検出した個別情報に基づいて取得される関連情報の少なくとも一方を含む書き込み情報を、書き込み装置60により、その個別情報の検出を行った対象物50に貼付することとなる電子タグ10に書き込み、最初の対象物50以降の前記同一の対象物50に電子タグ10を貼付するときには、最初の対象物50における書き込み情報を、書き込み装置60により、最初の対象物50以降の対象物50に貼付することとなる電子タグ10に書き込むことも提案する。この場合、作業員が入力装置81を用いて連続処理を選択することにより、その選択が有効な間、同一の対象物50を複数個連続して処理することができるため、ある程度まとまった量の対象物50を処理するのであれば、かえって効率よく電子タグ10への情報の書き込みと貼付を行うことができる(半自動)。また、商品を自動認識する場合と比較して、制御が簡素となり、対象物50の誤認識のおそれもないものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、電子タグを商品等の対象物に付属させるにあたり、電子タグに対象物に関する情報を書き込むために利用できる。
【符号の説明】
【0121】
1…電子タグ書き込みシステム、10…電子タグ、10a,10i…インレット、10a…アンテナ、10i…ICチップ、11…粘着面、12…粘着不能化部分、13…残粘着部分、15…電子タグシート、16…剥離シート、20…タグ供給部、21…第1ベルトコンベヤ、21B…第1ベルト、23G…折り返しガイド、23R…電子タグロール、23W…巻取軸、30,40…貼付部、30…コンベヤ、31…第1コンベヤ、32…第2コンベヤ、33…フリーローラコンベヤ、35…仮貼付部、36…不良排出部、37…押し出し装置、40…ロボット、41…吸着部、50…対象物、51…個別情報、60…書き込み装置、70…情報取得部、71…個別情報センサ、71L…下方センサ、71U…上方センサ、72…撮像装置、73…通過センサ、80…記憶部、81…入力装置、82…表示装置、90…制御部、E1…第1の機器、E2…第2の機器、E0…1つの機器、E3…第3の機器、P1…第1の過程、P2…第2の過程、P3…第3の過程。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24