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特許7141413ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための方法および装置
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  • 特許-ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/18 20060101AFI20220914BHJP
   B65H 16/02 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
B65H19/18
B65H16/02
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019563432
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2018063219
(87)【国際公開番号】W WO2018211118
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】17171897.6
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】モンツォーニ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】マロッシ ステファノ
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-169599(JP,A)
【文献】特開昭55-084630(JP,A)
【文献】特開昭59-078060(JP,A)
【文献】特開2002-036657(JP,A)
【文献】米国特許第03610547(US,A)
【文献】特開昭48-049994(JP,A)
【文献】特開平04-028652(JP,A)
【文献】特開昭60-144267(JP,A)
【文献】特開平06-166462(JP,A)
【文献】特開2011-213452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 16/00-16/10
B65H 19/00-19/30
B65H 21/00-21/02
B65H 26/00-26/08
B65H 43/00-43/08
A24B 1/00-15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための方法であって、
第一、第二、第三、および第四のステーションを画定する少なくとも第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーを有する回転ホイールを提供することと、
前記第一のステーション内に提供された第一のボビンに巻かれた第一の材料シートを巻き出すことと、
前記第一のステーション内の前記第一のボビンに残っている前記第一の材料シートの量を検出することと、
前記第一の材料シートの量に依存して、前記第一のボビンから巻き出された前記第一の材料シートを、前記第二のステーション内に存在する第二のボビンから巻き出された第二の材料シートと接合することと、
前記第三のステーション内に存在する第三のボビンにおける第三の材料シートを接合するための準備をすることであって、
ステッカー、ラベル、またはタグに含有された前記第三のボビンについての情報を読み取ることと、
前記ステッカー、ラベル、またはタグを前記第三のボビンから取り外すことと、を含む準備をすることと、
実質的に空の前記第一のボビンが前記第四のステーションに動かされ、かつ前記第三のボビンが前記第二のステーションに動かされるように前記回転ホイールを回転させることと、を含む方法。
【請求項2】
前記第四のステーションにおいて実質的に空の前記第一のボビンを新しいボビンと変えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接合するための準備をする工程が、
前記第三のボビン上の追加的な情報を読み取ることと、
前記第三のボビンから包装を取り外すことと、
前記第三のボビン内または前記第三のボビン上に巻かれた第三の材料シートの種類をチェックし、品質を試験することと、
前記第三の材料シートの端部分を前記第三のボビンから取り外すこととのうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステッカー、ラベル、またはタグ内に含有された前記第三のボビンについての情報を読み取ることが、読み取られた前記情報が予期された情報と一致しない場合にエラー信号を発することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第一のボビンに巻かれた前記第一の材料シートを、前記第二のボビンに巻かれた前記第二の材料シートと接合することが、
前記第二のボビンに巻かれた前記第二の材料シートの端部分を吸引によって保持することを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記材料シートを接合することが、
溶接と、
熱溶接と、
超音波溶接と、
加湿および加圧と、
粘着と、
接着と、
糊付けと、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第一のボビンに巻かれた前記第一の材料シートを、前記第二のボビンに巻かれた前記第二の材料シートと接合することが、前記第一のボビンから巻き出された前記第一の材料シートを前記接合位置の上流で切断することを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記回転ホイールの下流にバッファユニットを提供することと、
前記第一のボビンから巻き出された前記第一の材料シートを、前記第二のボビンから巻き出された前記第二の材料シートと接合中に、前記バッファユニット内に貯蔵された材料シートを前記バッファユニットの下流に提供することと、を含む請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記回転ホイールを回転する一方で、前記第二のボビンに巻かれた前記第二の材料シートを巻き出すことを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記第一、第二、または第三の材料シートのうちの少なくとも一つが高分子材料またはアルカロイド含有材料を含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための装置であって、
第一、第二、第三、および第四のステーションを画定する少なくとも第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーを有する回転ホイールと、
前記第一のステーション内に提供された第一のボビンに巻かれた第一の材料シートを巻き出すように適合された巻き出し装置と、
前記第一のステーション内の前記第一のボビンに残っている前記第一の材料シートの量を検出するように適合されたセンサー装置と、
前記第一のボビンから巻き出された前記第一の材料シートを、前記第二のステーション内に存在する第二のボビンから巻き出された第二の材料シートと接合するように適合された接合機ユニットと、
前記第三のステーション内に存在する第三のボビンを接合するための準備をするように適合された準備ユニットであって、
ステッカー、ラベル、またはタグに含有された前記第三のボビンについての情報を読み取るための読み取り装置と、
前記ステッカー、ラベル、またはタグを前記第三のボビンから取り外すための第一の装置と、を含む準備ユニットと、
前記第一のボビンが前記第四のステーションに動き、また前記第三のボビンが前記第二のステーションに動くように、前記第一のボビンに残っている前記検出した第一の材料シートの量が所定の最小値未満に減少する時に前記回転ホイールを回転するように適合されたアクチュエータと、を含む装置。
【請求項12】
前記第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーが、平行な軸を中心に回転可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーが、等しく角度的に間隔を置いている、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記回転ホイールを回転するように適合された前記アクチュエータが、前記回転ホイールを駆動するための第一のモーターを含む、請求項11~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記センサー装置が、前記第一のボビンの外側表面上を転がるローラーと、前記第一のボビンホルダーの中心に向かう前記ローラーの移動距離を感知するための距離センサーまたは近接センサーとを含む、請求項11~14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記準備ユニットが、
前記第三のボビン上の情報を読み取るためのさらなる読み取り装置と、
前記第三のボビンから包装を取り外すための第二の装置と、
前記第三のボビン内にまたは前記第三のボビン上に巻かれた第三の材料シートの種類をチェックし、かつ/または品質を試験するための第三の装置と、
第三のボビンからの第三の材料シートの端部分を接合のために提供するために取り外すための取り外し装置とのうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項11~15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記接合機ユニットが、接合のために前記第二のボビンの前記第二の材料シートの端部分を把持し、かつ保持するための把持機構を含む、請求項11~16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記接合機ユニットが、前記接合位置の上流の前記第一のボビンから巻き出された前記第一の材料シートを切断するためのカッターを含む、請求項11~17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記巻き出し装置が、前記第一のステーション内に位置付けられた各ボビンホルダーを駆動するための前記回転ホイールの前記回転に対して静止して位置付けられている第二のモーターを含む、請求項11~18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記巻き出し装置が、各ボビンホルダーのための第二のモーターを含み、前記第二のモーターが前記回転ホイール上に位置付けられている、請求項11~18のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記センサー装置が、前記第一のステーション内に位置付けられた前記ボビンホルダーを駆動するために前記第二のモーターが生成しなければならないトルクを測定するためのトルクセンサーを含む、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
巻き出された材料シートを貯蔵するための前記回転ホイールの下流にあるバッファユニットを含む、請求項11~21のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための方法および装置に関する。特に、本発明は、こうしたシート材料または箔材料を含むエアロゾル発生物品の製造のために、ボビンに巻かれたシート材料または箔材料の供給および接合のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボビンに巻かれて提供されている材料シートが処理される製造プロセスまたは生産プロセスにおいて、ボビンから材料を高速度で巻き出すことが望ましい場合があり、これによって材料をそれに応じた高速度で処理することもできる場合がある。
【0003】
しかしながら、材料シートが完全に消費され、ボビンが巻き出されている、または空である時、巻き出されたまたは空のボビンを新しいものと交換するために、製造プロセスまたは生産プロセスを遅くしなければならない、または停止しなければならない。
【0004】
さらに、製造プロセスまたは生産プロセスを継続する前に、新しいボビンを準備する必要がある。これは、ボビンに巻かれた材料シートまたは材料シートを含むボビン全体が通常、包装によって囲まれている、またはそれに、例えば材料についての情報を有するステッカー、ラベル、またはタグが提供されているという事実に起因する。結果として、こうした情報を読み取って、チェックしなければならず、その後、関連する製造プロセスまたは生産プロセスを継続することができるようになる前に、ステッカー、ラベル、またはタグは包装とともに取り外されなければならない。
【0005】
通常、これらの動作のすべてまたは一部は、オペレーターによって手動で行われなければならない。さらに、これらの動作は時間がかかり、かつ欠陥や過失を生じやすく、また製造プロセスまたは生産プロセス全体の生産性に悪影響を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の根本的な目的は、ボビンに巻かれた材料シートの供給および接合のための方法および装置を提供することであり、これは巻き出されたまたは空のボビンを新しいものと交換する時に特に、材料処理の速度をより速くすることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様によると、本発明は、ボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための方法に関し、方法は第一、第二、第三、および第四のステーションを画定する少なくとも第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーを有する回転ホイールを提供することと、第一のステーション内に提供された第一のボビンに巻かれた第一の材料シートを巻き出すことと、第一のステーション内の第一のボビンに残っている第一の材料シートの量を検出することと、第一の材料シートの量に依存して第一のボビンから巻き出された第一の材料シートを第二のステーション内に存在する第二のボビンから巻き出された第二の材料シートと接合することと、ステッカー、ラベル、またはタグに含有された第三のボビンについての情報を読み取ることおよびステッカー、ラベル、またはタグを第三のボビンから取り外すことを含む第三のステーション内に存在する第三のボビン内の第三の材料シートを接合するための準備をすることと、実質的に空の第一のボビンを第四のステーションに動かし、かつ第三のボビンを第二のステーションに動かすようにホイールを回転させることとを含む。
【0008】
本発明によると、第一のボビン(製造ボビン)から第二のボビン(新しい)ボビンへの取り替え中に、実質的に製造を停止する、または製造の速度を実質的に減速する必要がないため、製造の速度を実質的に一定に保つことが可能でありうる。実際、幾つかの方法工程を同時に実施することが可能である。第一のボビンが実質的に空になった時またはその少し前に第一のボビンから巻き出された第一の材料を第二のボビンから巻き出された第二の材料と接合することは、速い材料処理速度、その結果全体的なプロセスの高い生産性を保つことを可能にする。有利なことに、ボビンは実質的に常に、接合の準備が整っている。
【0009】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。シートの幅は、約10ミリメートルより大きいことが好ましく、約20ミリメートルまたは約30ミリメートルより大きいことがより好ましい。シートの幅は、約100ミリメートル~約300ミリメートルであることがなおより好ましい。好ましい実施形態において、シートはアルカロイド含有材料(例えば、均質化したたばこ材料)のシートである。アルカロイドを含有するその他の植物由来の材料も使用されうる。高分子材料シートもまた、ロッドに変形されることができる可能性のあるシートである。
【0010】
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは一般的に、たばこダストと結合剤を混合してスラリーを形成する工程を含む。次に、たばこウェブを作り出すためにスラリーが使用される。例えば、粘性のあるスラリーを、移動する金属ベルト上にキャスティングすることによって、いわゆるキャストリーフを製造する。別の方法として、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ含水量が高いスラリーを、製紙と似たプロセスで使用することができる。
【0011】
たばこのシート材料は、再構成シート材料と呼ばれることができ、たばこ組成物を形成するために、粒子状のたばこ(例えば、再構成たばこ)またはたばこ粒子状のブレンド、湿潤剤、および水性溶剤を使用して形成されうる。このたばこ組成物は次に、キャスティング、押出成形、圧延、またはプレスされて、たばこ組成物からシート材料を形成する。紙様の材料を作製するためにたばこの微粉が使用される湿式プロセス、またはたばこの微粉が結合剤材料と一緒に混合されて、移動するベルトの上にキャスティングされてシートを形成するキャストリーフプロセスを利用して、たばこのシートを形成することができる。
【0012】
均質化したたばこ材料シートは、ボビンに巻き込まれて(さらに処理するために巻き出される)、例えばエアロゾル発生物品の一部となり、これがエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に含まれるようになる。「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体が、エアロゾルを形成しつつもたばこ材料の燃焼を防止するために、比較的低い温度に加熱される喫煙物品である。さらに、均質化したたばこシート中に存在するたばこは典型的に唯一のたばこであるか、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品の均質化したたばこ材料中に存在するたばこの大半を含む。これは、このような「燃やさない加熱式」エアロゾル発生物品によって発生されるエアロゾル組成物が実質的に、均質化したたばこ材料のみに基づくことを意味する。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル形成材料」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを生成する能力を有する材料を意味する。たばこは、エアロゾル形成材料、特にエアロゾル形成体を含む均質化したたばこのシートとして分類されうる。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成材料を含みうるか、またはエアロゾル形成材料から成ってもよい。
【0014】
均質化したたばこシートは概して、たばこに加えて、結合剤およびエアロゾル形成体を含む。この組成物は「粘着性」がある場合があるシートをもたらし、すなわち隣接した物体に接着するようになり、また同時に、やや脆弱性があり、比較的低い引張強さを有する。
【0015】
このシートは高分子材料シートを含んでもよい。これはPLAシートを含んでもよい。
【0016】
材料の種類に応じて、ボビン(またはコイル)は、担体を含むことができ、その上に材料シートが巻かれる、または材料がそのように、ボビンまたはコイルの形態へと巻かれる(自己担持されていることを意味する)と理解される。ボビンの形状はいかなるものであってもよい。ボビンは円筒状の形状を有することが好ましい。
【0017】
本発明の方法において、少なくとも三つのボビンが存在している。
【0018】
通常、シートを形成する材料は、すべてのボビン上で同じである。しかしながら、異なる種類の材料を用いたボビンも使用することもできる。
【0019】
本発明の方法は、四つの異なるステーションを含む回転ホイールを使用する。より多くのステーションもまた提供されうる。各ステーションは、ボビンホルダーに挿入された異なるボビンを処理してもよい。
【0020】
一般的に、本発明によると、ボビンの処理は四つの工程を経る。各工程は四つの可能なステーションのうちの一つと対応する。これらのステーションはホイール(このホイールに、またはこのホイールにて四つのボビンホルダーが提供されている)を適宜に回転させることによって循環的に到達されることが好ましい。従って、ホイールを回転する特定のボビンによってステーション(空間内の所与の位置である)に到達することができ、四つの異なるステーションの場合、ボビンがステーション変更する必要があるたびにホイールは90度回転することが好ましい。ステーションの数が四つではない場合、異なる角度も想定されうる。
【0021】
第一のステーションは、製造ステーションまたは巻き出しステーションであることが好ましい。この第一のステーション(「第一のボビン」または「製造ボビン」)に位置付けられているボビンは巻き出され、巻き出された材料は、例えば材料の意図されたさらなる処理のために製造機械に供給される。
【0022】
第二のステーションは、待機・接合ステーションである。この第二のステーションに位置付けられているボビン(「第二のボビン」)は、現行の第一のボビンがほぼまたは完全に巻き出されたことが検出されると(これは、第一のボビンの第一の材料または第一のボビン上の第一の材料がほぼまたは完全に消費されていることを意味する)すぐに第一のボビンになる準備が整っている。次いで、第一のボビンから巻き出された第一の材料は、第二のステーション内に存在する第二のボビンから巻き出された第二の材料と接合される。
【0023】
第三のステーションは、この第三のステーションに位置付けられているボビン(「第三のボビン」)が、適宜にホイールを回転することによって第二のステーションに動かされる前に準備される準備ステーションである。第三のボビンに巻かれた第三のシートの材料の種類に依存して、この準備は、ホイールが回転した後、第二のステーション内の材料を続いて接合する前に行うことが必要な、またはそうすることが好ましい任意の動作とすることができる。
【0024】
このステーションにおいて、ステッカー、ラベル、またはタグに含有された第三のボビンについての情報が読み取られる。ボビンは多くの場合、幾つかの情報が含有されているステッカー、ラベル、またはタグを含有する。これらの情報は、残りのプロセスに関連する。特に、間違った情報が存在する場合、プロセスの停止が命令される場合がある。さらに、このステーションにおいて、先述の情報を含有するステッカー、ラベル、またはタグを第三のボビンからの取り外すことが実施される。ステッカーはもはや必要なく、またその存在は本発明の方法のさらなる処理工程の妨げとなる場合がある。
【0025】
工程は、ステッカー、ラベル、またはタグをまず読み取り、その後取り外すという順序で実施されることが好ましい。
【0026】
ステッカーを取り外す工程の後には、第三のボビンの端部分を引き離すさらなる工程が続くことがより好ましい。
【0027】
ホイールの前記回転によって、実質的に空の第一のボビンが第四のステーションに動かされ、第二のボビンが第一のステーションに動かされ、第三のボビンが第二のステーションに動かされる。
【0028】
第四のステーションは、ホイールの回転によって第一のステーションから来た空またはほぼ空のボビンをこのステーションにて新しいボビンと交換することができるように、装填・取り外しステーションであることが好ましい。ホイールの次の回転に伴い、次いで新しいボビンが第三のステーションに動かされる。
【0029】
さらに、「巻き出し」という用語は本明細書全体を通して、ボビンの軸に直交する方向に巻き出すこと、またはボビンの軸と平行な方向に巻き出すことを包含するために使用される。第一の代替は通常、材料がシート材料または箔材料である場合に好ましい。材料がワイヤー、ケーブル、糸、またはより糸の形態を有する場合、両方の方向を選択することができる。
【0030】
この方法では、接合前にボビンを処理する時間の無駄がない。現在巻き出されている使用済みのボビンが空に近くなるとすぐに、材料シートは接合される準備が整った状態になる。
【0031】
方法は、第四のステーションにおいて、第一の実質的に空のボビンを新しいボビンと取り替える工程を含むことが好ましい。ボビンを取り替えるために装置を遮断する必要はない。枯渇したボビンはステーション内にあり、また別のボビンは異なるステーション内にあり、ボビンは巻き出されている。
【0032】
第三のボビンを接合するための準備をすることは、以下の動作、すなわち第三のボビン上のさらなる情報を読み取ることと、第三のボビンから包装を取り外すことと、第三のボビン内、または第三のボビン上に巻かれた第三の材料の種類をチェックし、かつ品質を試験することと、第三のボビンから第三の材料の端部分を取り外すことと、のうち少なくとも一つを包含しうることが好ましい。従って接合するための準備は、ホイールが回転した後の第二のステーション内の材料の後続の接合前に行う必要がある任意の動作を包含してもよい。選択される操作は、ボビンのタイプおよび材料に依存する。このマルチタスクアプローチは、製造時間を低減し、かつ人間が機械とやりとりすることを最小限に抑え、安全性を向上するのに役立つ。第三のボビンについての情報は、ステッカー上だけでなく、第三のボビン自体の他の部分にも含有されてもよい。
【0033】
ステッカー内に含有された第三のボビンについての情報を読み取ることは、読み取られた情報が予期された情報と一致しない場合に、エラー信号を発することを含むことが好ましい。情報は、例えば第三の材料の種類および品質、および第三のボビン内または第三のボビン上に巻かれた第三の材料の量のうちの少なくとも一つを示す。第三のボビン上の情報、またはステッカー、ラベル、またはタグ内に含有された情報が準備中に読み取られる場合、読み取った情報が予期された情報と一致しない場合に、エラー信号を発することが好ましい。従って、迅速なフィードバックが可能でありうる。
【0034】
第一のボビンに巻かれた第一の材料シートを、第二のボビンに巻かれた第二の材料シートと接合することは、吸引によって第二のボビンに巻かれた第二の材料の端部分を保持することを含むことが好ましい。ボビンに巻かれた材料シートは、材料シートの破損を回避するために「穏やかに」取り扱われることが好ましい。迅速かつ確実な接合を可能にするために、第二のボビンに巻かれた第二の材料の端部分を、例えば第二のステーション内、または第二のステーションにて提供されていることが好ましい吸引装置などの把持機構によって把持することが好ましい。
【0035】
材料を接合することは、溶接、熱溶接、超音波溶接、加湿および加圧、粘着、接着、糊付けのうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。接合の種類は、ボビンに巻かれたシートを形成するために使用される材料の種類によって選択される。接合は、例えば熱溶接もしくは超音波溶接のような溶接の形態、または粘着、接着、もしくは糊付けの形態、または好ましくは前に加湿しておいて両方の材料を相互に対して加圧することによって行われてもよい。
【0036】
第一のボビンに巻かれた第一の材料シートを、第二のボビンに巻かれた第二の材料シートと接合することは、第一のボビンから巻き出された第一の材料シートを接合位置の上流で切断することを含むことが好ましい。
【0037】
接合後、第一のボビンから巻き出された第一の材料シートは、接合位置の上流で切断され、また第二のボビンはここで巻き出され、新しい製造ボビンになることが好ましい。接合中に、または接合後に、新しい製造ボビンが第一のボビンとなるように、新しい製造ボビンを第一のステーションへと動かすためにホイールを回転することがさらに好ましい。第二のボビンに巻かれた第二の材料は、ホイールが回転している間に既に巻き出されていることが最も好ましい。
【0038】
例えば、材料の種類に依存して、材料が製造ボビンから巻き出される通常の(最高)速度が、分速約300メートルである場合、接合中の速度を分速約25メートルに保つことが可能である。
【0039】
方法は、回転ホイールの下流にバッファユニットを提供することと、第一のボビンから巻き出された第一の材料シートを、第二のボビンから巻き出された第二の材料シートと接合中に、バッファユニット内に貯蔵された材料シートをバッファユニットの下流に提供することとを含むことが好ましい。この速度をさらに高めるために、バッファユニットによって回転ホイールの下流の製造ボビンから巻き出された材料シートを貯蔵する、またはバッファすることが好ましい。これによって、バッファされた材料を、特にボビンの取り替え中に、また特に接合操作中に、さらに処理するためにバッファユニットの下流に提供することができる。これは、ボビンの取り替えおよび/または接合動作のために製造ボビンからの材料の巻き出しを減速または停止する必要がある場合に、さらなる処理のためにバッファユニットの下流に供給される材料の速度が、(バッファユニットの容量に依存して)通常の(最高)速度に保たれることができるか、またはボビンの取り替えもしくは接合中に、製造ボビンから材料が巻き出される速度と比較して少なくともより速い速度に保たれることができるかのいずれかであるという利点を有する。これは、全体的な生産性に対してプラスの影響を与える。
【0040】
方法は、ホイールを回転させながら、第二のボビンに巻かれた第二の材料シートを巻き出すことを含むことが好ましい。
【0041】
第一、第二、または第三の材料シートのうちの少なくとも一つは、高分子材料またはアルカロイド含有材料を含むことが好ましい。シートはその後、エアロゾル発生物品の構成要素の製造に使用されることがより好ましい。
【0042】
第二の態様によると、本発明は、ボビンに巻かれた材料を供給し、かつ接合するための装置に関し、装置は、少なくとも第一、第二、第三、および第四のステーションを画定する少なくとも第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーを有する回転ホイールと、第一のステーション内に提供された第一のボビンに巻かれた第一の材料シートを巻き出すように適合された巻き出し装置と、第一のステーション内の第一のボビンに残っている第一の材料シートの量を検出するように適合されたセンサー装置と、第一のボビンから巻き出された第一の材料シートを、第二のステーション内に存在する第二のボビンから巻き出された第二の材料シートと接合するように適合された接合機ユニットと、第三のステーション内に存在する第三のボビンを接合するための準備をするように適合された準備ユニットであって、ステッカー、ラベル、またはタグに含有された第三のボビンについての情報を読み取るための読み取り装置、および第三のボビンからステッカー、ラベル、またはタグを取り外すための第一の装置を含む準備ユニットと、第一のボビンが第四のステーションに動き、かつ第三のボビンが第二のステーションに動くように、第一のボビンに残っている第一の材料シートの検出された量が所定の最小値未満に減少した時にホイールを回転させるように適合されたアクチュエータとを含む。
【0043】
これによって、装置を停止することなく、第一のボビン(製造ボビン)を第二の(新しい)ボビンと取り替えることを可能にする装置が提供されている。第一のボビンが巻き出される時またはその少し前に、第一のボビン内の第一の材料シートを第二のボビンの第二の材料シートと接合することによって、接合中でさえも速い材料処理速度、およびその結果、装置の高い生産性を実現することができる。
【0044】
この装置の別の利点は、装置を停止することなく、空のボビンを手動で第四のステーションから取り外すことができ、かつ新しいボビンを手動で第四のステーションへと装填することができることである。これは、材料の処理速度をさらに増加させる。
【0045】
第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーは、平行軸を中心に回転可能であることが好ましい。
【0046】
第一、第二、第三、および第四のボビンホルダーは、同様に等しく角度的に間隔を置いていることが好ましい。このようにして、ホイールの回転によって、すべてのボビンは異なるステーションに到達する。この場合、各々のボビンホルダーを一つのステーションから次のステーションに動かすために、ホイールは各々90度回転される。
【0047】
ホイールを回転するように適合されているアクチュエータは、車輪を駆動するための第一のモーターを含むことが好ましい。巻き出し装置は、第一のステーション内の第一のボビンを巻き出すために第一のステーション内に位置付けられている時に、各ボビンホルダーを駆動するための第二のモーターを含むことがさらに好ましい。こうした第二のモーターは、ホイールの回転に対して静止して位置付けられていることが好ましく、また第一のステーションへと動かされる各ボビンホルダーが、関連するボビンホルダーを回転させるために第二のモーターの駆動軸と係合するように、ホイールの下または脇に位置付けられていることがより好ましい。
【0048】
巻き出し装置は各ボビンホルダーに対して第二のモーターを含み、第二のモーターは回転ホイール上に位置付けられていることが最も好ましい。言い換えれば、第一~第四のボビンホルダーには、各々独自のモーターが提供され、これは回転ホイール上に取り付けられ、かつ第一のステーションへと動かされた時に起動されることが好ましい。
【0049】
第一のステーション内に位置付けられている時に各ボビンホルダーを駆動することは、材料がボビンの軸と直交する方向に巻き出される場合に有利である。別の方法として、またボビンの軸に平行な材料を巻き出す場合に、材料を関連するボビンから引き出すことができる。
【0050】
第一のボビンに残っている第一の材料の量を検出するように適合されたセンサー装置は、第一のボビンの外側表面上を転がるローラーと、第一のボビンホルダーの中心へと向かうローラーの移動距離を感知するための距離センサーまたは近接センサーとを含むことがさらに好ましい。この距離を評価することによって、残っている第一の材料の量を判定することができる。
【0051】
センサー装置は、第一のボビンを巻き出すために第一のステーション内の第一のボビンホルダーを駆動する第二のモーターによって生成されなければならないトルクを測定するためのトルクセンサーを含んでもよい。ボビン内またはボビン上の第一の材料の量が減少するのに伴いこのトルクは減少するため、ボビン内またはボビン上に残っている第一の材料の量を、第二のモーターが生成しなければならないこのトルクを評価することによって判定することができる。
【0052】
第三のステーション内に存在する第三のボビンを接合するための準備をするように適合された準備ユニットは、以下の装置、すなわち第三の上の情報を読み取るためのさらなる読み取り装置、第三のボビンから包装を取り外すための第二の装置、第三のボビン内または第三のボビン上の巻かれた第三の材料シートの種類をチェックし、かつ/または品質を試験するための第三の装置、および第三のボビンから第三の材料シートの端部分を接合のために提供するために取り外すための取り外し装置のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0053】
第一のボビンから巻き出された第一の材料を接合位置の上流の位置にて切断するために、カッターが提供されることが好ましい。
【0054】
回転ホイールの下流にバッファユニットが提供されることが好ましい。こうしたバッファユニットは、相互に近接するように、および相互に離れるように、例えば相互に対して動くことができる少なくとも二つのバッファローラーを備えることができる。さらに、材料は、バッファローラーが動いてより近くなった時に、バッファローラーの周りに例えば、U字形状で、または一つ以上の蛇行部の形態で供給され、材料の余分な長さはバッファユニットから放出され、バッファユニットの下流に提供されている。
【0055】
ボビンの取り替え中に、余分な長さの材料を放出するためにバッファローラーのこうした動きを開始することが好ましく、また第一のボビンから巻き出された第一の材料を、第二のボビンから巻き出された第二の材料と接合中に、それを開始することが最も好ましい。これは、ボビンの取り替え中または接合中にバッファユニットの下流のさらなる処理に供給される材料の速度が、通常の(最高)速度に保たれることができるか、または材料が製造用ボビンから巻き出される速度と比較して少なくともより速い速度に保たれることができるかのいずれかであるという利点を有する。
【0056】
ボビンが取り替えられた後、および/または接合動作が終結した後、バッファユニットが製造用ボビンから余分な長さの材料を受け取るように、バッファローラーは相互からのその元の距離に動いて戻る。
【0057】
こうしたバッファユニットは、例えば第一のボビンからの巻き出し中の第一の材料の破裂を検出するために、不具合検出と組み合わされることが好ましい。こうした不具合または別の不具合が検出され、不具合を除去するために装置が停止した場合、装置の停止中のさらなる処理のために、バッファユニット内に貯蔵された材料が送達される。
【0058】
これによって、さらなる処理への材料の送達は、装置の不具合の場合でさえも速い速度に保たれることができる。
【0059】
本発明のさらなる利点は、添付の図面の非制限的な参照とともに、その詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1図1は、本発明によるボビンに巻かれた材料シートを供給および接合するための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
唯一の図(図1)では、本発明によるボビンに巻かれた材料シートの供給および接合のための装置が1で示されている。
【0062】
装置1は、中心軸101の周りに回転可能に取り付けられたプレートまたはホイール10を含む。ホイール10は、反時計回り方向にホイールを回転するための第一のモーター102を備えるアクチュエータによって回転することができる。
【0063】
ホイール10は、第一のボビンホルダー103、第二のボビンホルダー104、第三のボビンホルダー105および第四のボビンホルダー106を備える。ボビンホルダーは、等しい距離でホイール10の円周方向に沿って位置付けられていることが好ましい。
【0064】
各ボビンホルダー103~106は、第一のステーション、第二のステーション、第三のステーション、および第四のステーションのうちの一つ内でホイール10を回転することによって位置付けられている。図1では、第一のボビンホルダー103は第一のステーション内に位置付けられていて、第二のボビンホルダー104は第二のステーション内に位置付けられていて、第三のボビンホルダー105は第三のステーション内に位置付けられていて、第四のボビンホルダー106は第四のステーション内に位置付けられている。
【0065】
さらに、第一のボビンホルダー103は第一のボビン20を保持し、第二のボビンホルダー104は第二のボビン21を保持し、第三のボビンホルダー105は第三のボビン22を保持し、第四のボビンホルダー106は第四のボビン23を保持する。
【0066】
ボビンホルダー103~105は、ホイール10の平面と直交する軸を中心に回転可能なように、ホイール10上に取り付けられている。
【0067】
さらに、四つの第二のモーター1031、1041、1051、1061は、関連する第一~第四のボビン20~23上に材料を巻き出すために、四つのボビンホルダー103~105のうちの各一つを駆動するために、ホイール10上に位置付けられている。
【0068】
さらに、図1は、第一のボビン20内に残っている第一の材料201の量を検出するように適合されているセンサー装置40を示す。より詳細には、センサー装置40は、第一のボビン20の外側表面上を転がるローラー401を含むことが好ましく、また第一のボビンホルダー103の中心に向かうローラー401の移動距離を感知するための距離センサーまたは近接センサーを含むことが好ましい。この距離から第一のボビン20内に残っている第一の材料201の量が判定される。
【0069】
さらに、本発明による装置は接合機ユニット30を備える。この接合機ユニット30は、ホイール10の回転に対して静止して位置付けられていて、好ましくはホイール10の脇でほぼ第一のステーションと第二のステーションとの間に位置付けられている。接合機ユニット30は、第一のボビン20から巻き出された第一の材料201を、第二のボビン21から巻き出された第二の材料211と接合するように適合されている。接合の種類は、両方の材料201、211を安全に相互に接続することができるように、材料の種類に従って選択される。
【0070】
図1に概略的に示す通り、接合機ユニット30は、第二のボビン21の第二の材料211の端部分を把持し、かつ保持するための把持機構301を含むことが好ましい。この把持機構301を吸引または真空グリッパーの形態で提供することができ、これは、第二のボビン21の第二の材料211の把持された端部分が、第一のボビン20の第一の材料201と接合される接合機ユニット30内の位置に案内されるように移動可能である。
【0071】
さらに、接合機ユニット30には、接合動作が終結後、第一のボビン20から巻き出された第一の材料201を、接合位置の上流の位置にて切断するためのカッター302が提供されていることが好ましい。
【0072】
最終的に、本発明による装置は準備ユニット50を備える。
【0073】
この準備ユニット50は、ホイール10の回転に対して静止して位置付けられていて、かつ好ましくはホイール10の脇で第三のステーションの近傍に位置付けられている。準備ユニット50は、第三のステーション内に存在する第三のボビン22を接合するための準備をするように適合されている。こうした準備ユニット50は、第三のボビン22からステッカー、ラベル、またはタグを取り外すための第一の装置と、第三のボビン22上の情報、またはステッカー、ラベル、またはタグに含有された情報を読み取るための読み取り装置と、第三のボビン22から包装を取り外すための第二の装置と、第三のボビン22内もしくは第三のボビン上に巻かれた第三の材料の種類をチェックし、かつ/または品質を試験するための第三の装置と、第三のボビン22から第三の材料の端部分を接合するために、および/または把持機構211によって把持されるために提供するために取り外すための取り外し装置とのうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0074】
この装置は以下のように動作する。
【0075】
第一のステーション内に位置付けられている第一のボビン20内に巻かれた第一の材料201の巻き出し中に、センサー装置40は、第一のボビン20上に残っている第一の材料201の量を監視する。
【0076】
センサー装置40が、第一のボビン20内に残っている第一の材料201の量が所定の最小値未満に減少していることを検出した時、把持機構301が起動され、第二の材料211の端部分を第二のステーション内に存在する第二のボビン21から把持する。
【0077】
把持機構301は、第二のボビン20から対応する長さの第二の材料211を引き出すことによって、または対応する長さの第二の材料を巻き出すために第二のモーター1041を起動することによって、第二のボビンホルダー104を駆動することによって、端部分を接合機ユニット30内の位置に案内する。
【0078】
次いで、第一の材料201を第一のボビン20から巻き出し中に、この端部分は第一のボビン20の第一の材料201と接合される。
【0079】
材料の種類に依存して、通常の速度または全速で第一のボビン20から材料201を巻き出し中に接合を行うことができない場合、第一のボビンホルダー103を駆動する関連する第二のモーター1031は、接合動作中に適宜に減速または停止される。
【0080】
接合動作を終結後、接合位置の上流の第一の材料201を切断するためにカッター302が起動される。これによって、第二のボビン21はここで製造ボビンであり、関連する第二のモーター1041によって第二のボビンホルダー104を駆動することによって巻き出される。
【0081】
同時に、ホイール10が約90度回転するように、前記第一のモーター102がオンに切り替えられる。このホイール10の回転が完了すると、第二のボビン21は第一のステーションに到達し、実質的に空の第一のボビン20は第四のステーションに到達し、ここで新しいボビンと交換されることができる。さらに、第三のボビン22は第二のステーションに到達する。
【0082】
上述の通り、別の方法として、巻き出し装置が、第一のステーション内に位置付けられている各ボビンホルダーを駆動するためにホイール10の回転に対して静止して位置付けられている一つの第二のモーター1031のみを含む場合、第二の材料211は、把持機構301によって第二のボビン21から引き出される。
【0083】
さらに、ホイール10が第一のモーター102を起動することによって回転する時、第一のボビン20からの第一の材料201の巻き出しが停止するように、第二のモーター1031と第一のボビンホルダー103との間の係合が分離される。
【0084】
第一のモーター102を起動する前または起動した後に、接合動作が行われる。
【0085】
接合動作が終結するとすぐに、または接合動作が終結した直後に、第二のボビン21が第一のステーションに到達し、第二のボビンホルダー104が第二のモーター1031と係合し、これによって、これで第二のボビン21は巻き出しのために駆動され、かつ新しい第一のボビンになるように、第一のモーター102は動作する。同時に、第一のモーター102はオフに切り替えられ、これによってホイール10の回転が停止される。
【0086】
接合動作後、および第二のボビン21が巻き出しのために駆動される前に、第一のボビン20の第一の材料201を切断するためにカッター302が再度起動されることが好ましい。
【0087】
この場合も、ホイール10の回転の終結に伴い、実質的に空の第一のボビン20は第四のステーションに到達し、ここで新しいボビンと交換されることができ、第三のボビン22は第二のステーションに到達する。
【0088】
第一のステーション内での第一のボビン20の巻き出し中に、第三のステーション内に位置付けられている第三のボビン22は、接合のために準備ユニット50によって準備される。
【0089】
上述の通り準備ユニット50は、第三のボビンからステッカー、ラベル、またはタグを取り外すことと、第三のボビン上の情報、またはステッカー、ラベル、またはタグに含有された情報を読み取ることと、第三のボビンから包装を取り外すことと、第三のボビン内もしくは第三のボビン上に巻かれた第三の材料の種類をチェックし、かつ/または品質を試験することと、第三のボビンから第三の材料の端部分を取り外すことと、接合の前に行われなければならない任意の他の測定とのうちの少なくとも一つを行うために提供されている。
【0090】
読み取られた情報が予期された情報と対応しない場合、または種類もしくは品質が予期される通りではない場合、準備ユニット50は、第三のステーション内に存在する第三のボビン22を交換しなければならないことをオペレーターに示す信号を生成する。この準備中に、および場合によっては交換中に、現行の第一のボビンの巻き出しを停止する必要はない。
【0091】
これは、ボビンに巻かれた材料の全体的な処理速度に貢献する。
図1