(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】非密閉式バタフライバルブおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
F16K 1/22 20060101AFI20220914BHJP
F16K 51/02 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
F16K1/22 R
F16K51/02 A
(21)【出願番号】P 2020016103
(22)【出願日】2020-02-03
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 康典
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-233294(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102829198(CN,A)
【文献】特開平10-132141(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1561979(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/22
F16K 51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャンバと真空ポンプとを接続する配管上に配設され、前記真空チャンバの真空圧力制御を行う非密閉式バタフライバルブであって、流路と、前記流路に対して直交する方向に配置されたロッドと、前記ロッドに結合され、前記ロッドの軸心を中心とした回動に伴って回動されることで前記流路の開閉を行う円盤状のバタフライ弁体とを備え、弁閉時に、前記流路の内周面と前記バタフライ弁体の外周面との間に、所定の間隙を備える非密閉式バタフライバルブにおいて、
前記バタフライ弁体は、弁閉時に前記流路の下流側に面する下流側端面と、前記間隙が最も小さくなる最大外径部と、を備え、外周全周に、前記最大外径部から前記下流側端面に向かって、前記バタフライ弁体を縮径させる面取りを備えること、
前記面取りの前記バタフライ弁体の厚さ方向に対する角度は、5度以下であって、前記面取りと前記下流側端面とが交わる稜線が、前記軸心を中心とした、前記最大外径部を通る仮想円の範囲内に入ること、
を特徴とする非密閉式バタフライバルブ。
【請求項2】
請求項1に記載の非密閉式バタフライバルブにおいて、
前記バタフライ弁体の、前記最大外径部から前記下流側端面までの厚みは、前記流路の内径の4%以上であること、
を特徴とする非密閉式バタフライバルブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の非密閉式バタフライバルブを製造する非密閉式バタフライバルブの製造方法において、
前記流路に対して直交する方向に配置された前記ロッドに前記流路の上流側から前記バタフライ弁体を組み付けた後、前記ロッドに前記バタフライ弁体を固定する前に、前記バタフライ弁体の軸心と、前記流路の軸心を一致させるための位置決め工程を備えること、
前記位置決め工程は、前記流路に対し、前記流路の上流側から挿入する位置決め治具によって行われること、
前記バタフライ弁体は、弁閉時に上流側に面する端面に向かって前記バタフライ弁体を縮径させる第2面取りを、全周に備えており、
前記位置決め治具は、前記流路の内径と略同一の外径を有する円筒状の外形を備えるとともに、前記流路に挿入される側の端部に、前記第2面取りに当接する当接面を備えており、
前記流路に挿入された前記位置決め治具の前記当接面が、前記第2面取りに、少なくとも前記バタフライ弁体の円周方向の3箇所で当接することで、前記バタフライ弁体の軸心と、前記流路の軸心が一致されること、
を特徴とする非密閉式バタフライバルブの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバと真空ポンプとを接続する配管上に配設され、真空チャンバの真空圧力制御を行う非密閉式バタフライバルブであって、流路と、流路に対して直交する方向に配置されたロッドと、ロッドに結合され、ロッドの軸心を中心とした回動に伴って回動されることで流路の開閉を行う円盤状のバタフライ弁体と、を備え、弁閉時に、流路の内周面とバタフライ弁体の外周面との間に、所定の間隙を備える非密閉式バタフライバルブおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程では、真空チャンバと真空ポンプとの間に、真空圧力制御装置としてコンダクタンスが大きいバタフライバルブを配置し、真空チャンバの真空圧力を制御することが多い。例えば、モータによってロッドを回転させることでロッドに結合されたバタフライ弁体が環状の弁座に接離する、特許文献1に開示されるようなバタフライバルブが用いられる。
【0003】
また、ウエハへ被膜形成技術として近年普及している原子層堆積法(ALD法)では、真空チャンバの圧力が制御できていれば良く、バタフライバルブの弁閉時に完全に流路をシールする必要がないため、弁閉時でも流路の内周面とバタフライ弁体の外周面との間に所定の間隙を備える非密閉式バタフライバルブが用いられることがある。
【0004】
非密閉式バタフライバルブとしては、例えば
図11および
図12に示すような非密閉式バタフライバルブ101のようなものがある。バタフライ弁体109は円盤状であり、弁閉時には、バタフライ弁体109の円弧部109bの頂点である最大外径部109aが、流路130の内周面と数十μmの間隙をもって対向するようになっている。そして、当該間隙が流路130の絞り150として機能する。なお、絞り150は、流路130の内周面と最大外径部109aの稜線が支配的に絞りとしての機能を果たしており、最大外径部109a以外の円弧部109bは、最大外径部109aに比べて、絞りとして効果的に機能しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題があった。
非密閉式バタフライバルブ101の絞り150は、流路130の内周面と最大外径部109aによる稜線が支配的に絞りとしての機能を果たしており、流路130に平行な方向の長さが無いため、流路130に平行な方向の長さによる絞りの効果が望めず、弁閉時でも絞り150の効果が小さかった。また、ロッド110が回転し始める回転角度の小さい状態でも最大外径部109aと流路130との間激による絞りの機能が急激に失われるおそれがあった。このように絞り150の効果が小さいと、真空チャンバの排気が急激に行われてしまうおそれがあり、真空チャンバの排気が急激に行われると、真空チャンバの圧力値が急激に低下し、真空チャンバの壁面に付着しているパーティクルの巻き上げや、真空チャンバ内に固定されたウエハの位置ずれを引き起こすおそれがあった。パーティクルの巻き上げやウエハの位置ずれは、半導体の不良率の増大を招く点で問題である。
【0007】
また、最大外径部109aと流路130との間隙は、先述の通り数十μmと非常に小さいため、バタフライ弁体109の組付け位置の精度が低いと、ロッド110が回転してバタフライ弁体109の開閉が行われるときに、バタフライ弁体109の最大外径部109aが流路130の内周面に干渉するおそれがあった。この干渉を防ぐため、バタフライ弁体109の組付け位置について、非常に高い精度が要求されるため、組付け位置の精度の管理が困難であるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、真空チャンバが急激に排気されることを防ぐことができる非密閉式バタフライバルブを提供すること、およびバタフライ弁体の組付け位置の精度を高めることが容易な非密閉式バタフライバルブの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の非密閉式バタフライバルブおよびその製造方法は、次のような構成を有している。
(1)真空チャンバと真空ポンプとを接続する配管上に配設され、真空チャンバの真空圧力制御を行う非密閉式バタフライバルブであって、流路と、流路に対して直交する方向に配置されたロッドと、ロッドに結合され、ロッドの軸心を中心とした回動に伴って回動されることで流路の開閉を行う円盤状のバタフライ弁体とを備え、弁閉時に、流路の内周面とバタフライ弁体の外周面との間に、所定の間隙を備える非密閉式バタフライバルブにおいて、バタフライ弁体は、弁閉時に流路の下流側に面する下流側端面と、間隙が最も小さくなる最大外径部と、を備え、外周全周に、最大外径部から下流側端面に向かって、バタフライ弁体を縮径させる面取りを備えること、面取りのバタフライ弁体の厚さ方向に対する角度は、5度以下であって、面取りと下流側端面とが交わる稜線が、軸心を中心とした、最大外径部を通る仮想円の範囲内に入ること、を特徴とする。
【0010】
(1)に記載の非密閉式バタフライバルブによれば、真空チャンバが急激に排気されることを防ぐことができる。
【0011】
流路の内周面とバタフライ弁体の外周面との間の所定の間隙が最も小さくなる最大外径部と、最大外径部から下流側端面に向かってバタフライ弁体を縮径させる面取りを備えており、当該面取りのバタフライ弁体の厚さ方向に対する角度は5度以下であるとともに、面取りと下流側端面とが交わる稜線が、ロッドの軸心を中心とした、最大外径部を通る仮想円の範囲内に入るものとしている。これにより、ロッドが回転してバタフライ弁体の開閉が行われるときに、バタフライ弁体が流路の内周面に干渉することを防止しつつ、弁閉時の面取りと流路の内周面との間の間隙を可能な限り小さく保つことができる。よって、弁閉時に、流路の内周面と最大外径部と面取りとを、流路の絞りとして機能させることができる。そして、弁閉時の面取りと流路の内周面との間の間隙が可能な限り小さく保たれているため、弁閉時や、ロッドが回転し始める回転角度の小さい状態でも、絞りの機能を増大させることができ、真空チャンバの排気が急激に行われてしまうことを防止することができる。真空チャンバの排気が急激に行われることを防止できるため、真空チャンバの壁面に付着しているパーティクルの巻き上げや、真空チャンバ内に固定されたウエハの位置ずれを防止でき、半導体の不良率の増大を防ぐことができる。
【0012】
(2)(1)に記載の非密閉式バタフライバルブにおいて、バタフライ弁体の、最大外径部から下流側端面までの厚みは、流路の内径の4%以上であること、を特徴とする。
【0013】
(2)に記載の非密閉式バタフライバルブによれば、面取りのバタフライ弁体の厚さ方向の長さを確保するでき、弁閉時に流路の内周面と最大外径部と面取りとにより形成される絞りの、流路に平行な方向の長さを確保することができる。
【0014】
(3)(1)または(2)に記載の非密閉式バタフライバルブを製造する非密閉式バタフライバルブの製造方法において、流路に対して直交する方向に配置されたロッドに流路の上流側からバタフライ弁体を組み付けた後、ロッドにバタフライ弁体を固定する前に、バタフライ弁体の軸心と、流路の軸心を一致させるための位置決め工程を備えること、位置決め工程は、流路に対し、流路の上流側から挿入する位置決め治具によって行われること、バタフライ弁体は、弁閉時に上流側に面する端面に向かってバタフライ弁体を縮径させる第2面取りを備えており、位置決め治具は、流路の内径と略同一の外径を有する円筒状の外形を備えるとともに、流路に挿入される側の端部に、第2面取りに当接する当接面を全周に備えており、流路に挿入された位置決め治具の当接面が、第2面取りに、少なくともバタフライ弁体の円周方向の3箇所で当接することで、バタフライ弁体の軸心と、流路の軸心が一致されること、を特徴とする。
【0015】
(3)に記載の非密閉式バタフライバルブの製造方法によれば、バタフライ弁体をロッドに固定する前に、位置決め治具を用いてバタフライ弁体の位置決めを行う位置決め工程を備えているため、バタフライ弁体の組付け位置の精度を高めることが容易となる。
【0016】
位置決め治具は流路の内径と略同一の外径を有するため、流路に挿入されることで、位置決め治具の軸心が流路の軸心と一致する。そして、位置決め治具の軸心が流路の軸心と一致している状態で、位置決め治具の当接面が第2面取りに、少なくともバタフライ弁体の円周方向の3箇所で当接すると、バタフライ弁体の軸心と、流路の軸心が一致されるのである。なお、当接面が第2面取りと当接する箇所は3箇所に限られず、4箇所以上であってもよいし、第2面取りの全面と当接するものであっても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明の非密閉式バタフライバルブは、上記構成を有することにより、真空チャンバが急激に排気されることを防ぐことができる。また、本発明の非密閉式バタフライバルブの製造方法は、上記構成を有することにより、バタフライ弁体の組付け位置の精度を高めることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブを用いた真空圧力制御システムの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブの、回転軸の軸線に平行かつ流路に平行な方向に切断した断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブの、回転軸の軸線に平行かつ流路に直交する方向に切断した断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブの、回転軸の軸心に直交かつ流路に平行な方向に切断した断面図であり、バタフライ弁体が弁閉位置にある状態を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブの、回転軸の軸心に直交かつ流路に平行な方向に切断した断面図であり、バタフライ弁体が回転動作をし始めた回転角度の小さい状態にある状態を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係るバタフライバルブの、回転軸の軸心に直交かつ流路に平行な方向に切断した断面図であり、バタフライ弁体が弁開位置にある状態を示す。
【
図9】従来技術における非密閉式バタフライバルブを用いた場合の真空チャンバの圧力値の変動と、本実施形態に係る非密閉式バタフライバルブを用いた場合の真空チャンバの圧力値の変動を表したグラフである。
【
図10】バタフライ弁体をロッドに固定する工程の説明図である。
【
図11】従来技術に係る非密閉式バタフライバルブの、回転軸の軸心に直交かつ流路に平行な方向に切断した断面図であり、バタフライ弁体が弁閉位置にある状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の非密閉式バタフライバルブの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本実施形態に係る非密閉式バタフライバルブ1は、
図1に示すように、半導体製造工程において、真空チャンバ32と真空ポンプ33を接続する配管34上に配設され、ガス供給源37からガスが供給されている真空チャンバ32の圧力を制御する真空圧力制御装置として使用される。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブ1の、回転軸11aの軸線RAに平行かつ流路30に平行な方向に切断した断面図である。また、
図2は、本発明の実施形態に係る非密閉式バタフライバルブの、回転軸11aの軸線RAに平行かつ流路30に直交する方向に切断した断面図である。なお、
図2、
図3ともに閉弁状態を表している。
【0022】
図2および
図3に示すように、非密閉式バタフライバルブ1は、駆動部2と弁部3とからなる。駆動部2は、ダイレクトドライブモータ(以下DDモータ)11を有しており、
図1に示すように、DDモータ11は、モータドライバ12と、エンコーダ14に接続されている。また、モータドライバ12は、制御基板13に接続されている。DDモータ11は減速機等の中間機構を要さないため、駆動部2の小型化、騒音の低減の他、応答性能、速度安定性能、位置決め精度が向上される。よって、非密閉式バタフライバルブ1による真空圧力制御の精度が高まる。また、DDモータ11は、
図2および
図3に示すように、回転軸11aを有しており、回転軸11aの回転中心を軸線RAとする。
【0023】
制御基板13には、
図1に示すように、モータドライバ12と、真空チャンバ32の圧力を検出する圧力計35が接続されている。制御基板13は、記憶手段131を有しており、記憶手段131には、例えば、バタフライ弁体9の弁閉位置および弁開位置や、真空チャンバ32の任意の目標圧力等に対応する回転軸11aの回転角度(即ち、後述するロッド10の回転角度)が記憶されている。そして、記憶手段131から読み出される回転角度に基づき、モータドライバ12がDDモータ11の回転を制御する。
【0024】
回転軸11aには、
図2および
図3に示すように、金属板ばね式のカップリング17を介して、弁部3に挿入されるロッド10の一端が接続されており、カップリング17により、ロッド10が後述する流路30を流れるプロセスガス(例えば、200度程度のガス)によって熱せられても、その熱がDDモータ11に伝わりにくくなっている。
【0025】
また、駆動部2は、ヒートシンク15と断熱部材16を介して弁部3と接続されているため、プロセスガスや、後述するヒータ27により熱せられた弁部3の熱が、駆動部2に伝達されることを防ぐことができる。
【0026】
駆動部2と連結している弁部3は、バルブボディ8と、バタフライ弁体9とを有している。バルブボディ8は、耐腐食性や耐熱性を有するステンレス鋼からなる。
【0027】
バルブボディ8は、
図2中の左端部に継手5を、
図2中の右端部に継手6を備えており、継手5の内周面には入力側流路8bが形成され、継手6の内周面には出力側流路8cが形成されている。そして、入力側流路8bと出力側流路8cとの間には、断面円弧状の内周面からなる弁孔8aが形成されている。入力側流路8bと弁孔8aと出力側流路8cは、同軸上に設けられるとともに連通し、一連の流路30を構成する。そして、継手5は真空チャンバ32に、継手6は真空ポンプ33に、それぞれ配管34を介して接続され、流路30によって真空チャンバ32の排気を行う。
【0028】
また、バルブボディ8は、
図3に示すように、バルブボディ8の温度を計測する温度センサとしての熱電対28を備えている。さらに、バルブボディ8は、流路30を流れるプロセスガスの温度を保つため、弁孔8aを挟むように、一対のヒータ27を備えている。ヒータ27は、カートリッジヒータであり、非密閉式バタフライバルブ1の外部の制御装置(図示せず)と接続されている。そして、ヒータ27は、制御装置によって熱電対28の計測値に基づいたONまたはOFFの制御がされ、バルブボディ8の温度を調整する。また、バルブボディ8は、サーモスタット29を備えている。サーモスタット29は、ヒータ27が暴走して、バルブボディ8が過剰に加熱された場合に作動する。サーモスタット29が作動すると、制御装置は、ヒータ27を停止させる。
【0029】
さらに、バルブボディ8は、
図2および
図3に示すように、駆動部2側の端面(上端面)と弁孔8aとを貫通する挿通孔8dを有しており、挿通孔8dにはロッド10が挿通されている。挿通孔8dに挿通されたロッド10は、弁孔8aに、流路30に対して直交する方向に架設されている。
【0030】
ロッド10は、耐腐食性や耐熱性を有するステンレス鋼を削り出して、円柱状に形成されたものである。ロッド10の流路30に挿入されている部分は、弁体取付部10bを備えており、軸線RAに直交する方向の断面が略D字状となっている(
図4,
図5,
図6参照)。
【0031】
ロッド10と挿通孔8dの内周面と間には、シールのためOリング18、19、20がロッド10の軸方向に3つ並んで配置されている。Oリング18、19、20は、ロッド10の外周面と挿通孔8dの内周面とに圧縮され、流路30を流れる流体が、挿通孔8dを通って駆動部2側へ漏れることを防止している。なお、Oリング18、19、20は、3つとも全て同一の種類のものである。
【0032】
また、ロッド10は、流路30に挿通されている側の一端が、ブッシュ22によって回転可能に軸支されている。ブッシュ22は耐食性が高く、摺動性の良い樹脂からなる。さらにまた、ロッド10は、バルブボディ8の外側で、ロッド10の軸方向に隣接して並ぶ2つのボールベアリング21A,21Bによって、回転可能に軸支されている。ロッド10は、ボールベアリング21A,21Bと、ブッシュ22と、によって、両持ち状態に軸支されることで、回転中心軸が安定し、ぶれにくくなっている。
【0033】
ボールベアリング21A,21Bのそれぞれは、カラー23と、軸受け押さえ24と、ロッド10のフランジ部10aとによって予圧されており、内部すきまが発生しにくい状態となっている。これにより、ボールベアリング21A,21Bの剛性が高まるため、ロッド10が回転する際の振動が抑えられ、ロッド10の回転中心軸のぶれが抑えられる。
【0034】
ロッド10には、バタフライ弁体9が、
図2に示すように、ねじ25A,25B,25Cおよび座金26A,26B,26Cにより結合されている。なお、ねじ25A,25B,25Cは3つとも全て同一種類のねじであり、座金26A,26B,26Cも3つとも全て同一種類の座金である。
【0035】
バタフライ弁体9がロッド10に結合されているため、DDモータ11の回転軸11aが軸線RAを中心に正方向Kに回転すると、回転軸11aとカップリング17を介して接続されたロッド10が正方向Kに回転され、弁孔8aを塞いでいたバタフライ弁体9が同方向に回転される。
図6に示すように、回転角度が90度になると、バタフライ弁体9は、流路30が開放される弁開位置となるため、真空チャンバ32から大量の排気が可能となる。
【0036】
一方、バタフライ弁体9が弁開位置となった状態で、DDモータ11の回転軸11aが軸線RAを中心に、開弁時とは逆方向である負方向-Kに90度回転すると、ロッド10が-K方向に回転し、
図4に示すように、バタフライ弁体9が弁孔8aを塞ぐ弁閉位置となる。
【0037】
バタフライ弁体9は、耐腐食性や耐熱性を有するステンレス鋼を削り出して円盤状に形成されたものである。また、ロッド10の弁体取付部10bと当接する凹部9aを有しており、軸線RAに直交する方向の断面が略凹字状となっている(
図4,
図5,
図6参照)。さらに、バタフライ弁体9は、
図7および
図8に示すように、外周面に外径が最も大きくなる最大外径部9bと、最大外径部9bから下流側端面9dに向かってバタフライ弁体9を縮径させる第1面取り9fと、最大外径部9bから上流側端面9cに向かって、バタフライ弁体9を縮径させる第2面取り9eを備える。
【0038】
最大外径部9bは、バタフライ弁体9が弁閉位置にあるとき、流路30の内周面と対向することで、流路30と最大外径部9bとの間に数十μmの間隙を形成している。そして、この最大外径部9bと、第1面取り9fと、流路30(弁孔8a)の内周面とにより、流路30に絞り50が形成されている。つまり、非密閉式バタフライバルブ1は、バタフライ弁体9が弁閉位置となったときでも流路30が完全にシールされない。したがって、真空チャンバ32は、排気が停止されることなく、真空ポンプ33の吸引力により絶えず排気されている状態にある。これは、ALDでは真空チャンバの圧力が制御できていれば良く、完全に流路30をシールする必要がないためである。
【0039】
第1面取り9fのバタフライ弁体9の厚さ方向に対する角度θは、5度以下であるとともに、第1面取り9fと下流側端面9dとが交わる稜線RL1が、ロッド10の軸心を中心とした、最大外径部9bを通る仮想円VCの範囲内に入るように設定されている。これにより、ロッド10が回転してバタフライ弁体9の開閉が行われるときに、バタフライ弁体9が流路30(弁孔8a)の内周面に干渉することを防止しつつ、弁閉時の第1面取り9fと流路30(弁孔8a)の内周面との間の間隙を可能な限り小さく保っている。さらに、最大外径部9bから下流側端面までの厚みtは、流路30の内径の4%以上となっている。本実施例では、例えば、流路30の内径が100mmであるのに対し、厚みtは6mmとされている。
【0040】
弁閉時の第1面取り9fと流路30(弁孔8a)の内周面との間の間隙を可能な限り小さく保つことと、最大外径部9bから下流側端面までの厚みtは、流路30の内径の4%以上とすることにより、絞り50の流路30に平行な方向の長さ(絞り長さL11)を可能な限り長く確保することが可能となる。
絞り長さL11が可能な限り長く確保されていることで、バタフライ弁体9が回転をし始める回転角度の小さい状態でも、
図8に示すように、絞り長さL12を確保することができる。
【0041】
次に、以上の構成を有する非密閉式バタフライバルブ1の作用効果を説明する。
【0042】
バタフライ弁体9は、
図4に示す弁閉位置にある場合でも、流路30(弁孔8a)の内周面に対して数十μmの間激を持っているため、非密閉式バタフライバルブ1は、常に真空チャンバ32の排気を行っている。
図6に示すのが、バタフライ弁体9の弁開位置であり、バタフライ弁体9は、真空チャンバ32が目標の圧力となるように、弁閉位置(回転角度0°)から、弁開位置(回転角度90°)までの間で、任意の回転角度をもって回転し、流路面積を調整する。
【0043】
例えば、弁閉位置の状態、または、任意の回転角度で回転された位置から、より大量に排気を行い、真空チャンバ32の圧力を低下させる場合、非密閉式バタフライバルブ1の制御基板13は、記憶手段131から目標とする圧力に対応する回転角度を読み出す。そして、読み出された回転角度に基づき、モータドライバ12が、エンコーダ14を用いてDDモータ11を駆動する。ロッド10は、DDモータ11により、読み出された回転角度まで正方向Kに回転する。ロッド10に結合されたバタフライ弁体9は、ロッド10と一体的に正方向Kに回転し、絞られていた流路30の流路面積を拡大させていく。
【0044】
一方で、弁開位置の状態、または任意の回転角度で回転された位置から、排気する量を絞り、真空チャンバ32の圧力を上昇させる場合は、非密閉式バタフライバルブ1の制御基板13は、記憶手段131から目標とする圧力に対応する回転角度を読み出す。そして、読み出された回転角度に基づき、モータドライバ12が、エンコーダ14を用いてDDモータ11を駆動する。そして、ロッド10は、真空チャンバ32の圧力を低下させる場合とは逆方向である-Kに回転する。ロッド10に結合されたバタフライ弁体9は、ロッド10と一体的に-Kの方向に回転し、拡大されていた流路面積を絞っていく。
【0045】
ここで、バタフライ弁体9の弁閉時や、弁閉位置からロッド10が回転し始める際の、真空チャンバ32の圧力低下の速度が問題となる。
【0046】
従来の非密閉式バタフライバルブ101においては、絞り150は、流路130の内周面と最大外径部109aによる稜線が支配的に絞りとしての機能を果たしており、絞り150の流路130に平行な方向の長さが無いため、流路130に平行な方向の長さによる絞りの効果が望めず、弁閉時でも絞り150の効果が小さい。また、ロッド110が回転し始める回転角度の小さい状態でも絞り150の機能が急激に失われ、真空チャンバの排気が急激に行われてしまう。真空チャンバの排気が急激に行われると、真空チャンバの圧力値が急激に低下し、真空チャンバの壁面に付着しているパーティクルの巻き上げや、真空チャンバ内に固定されたウエハの位置ずれを引き起こすおそれがあった。
【0047】
一方で、本実施形態に係る非密閉式バタフライバルブ1は、バタフライ弁体9の弁閉時の第1面取り9fと流路30(弁孔8a)の内周面との間の間隙を可能な限り小さく保つことと、最大外径部9bから下流側端面までの厚みtは、流路30の内径の4%以上とすることにより、絞り長さL11が可能な限り長く確保されているため、例えば、
図4に示すような弁閉時や、
図5に示すようなロッド10が回転をし始める回転角度の小さい状態でも、
図8に示すように絞り長さL12が確保されており、絞り50の機能を増大させることができる。このため、真空チャンバ32の排気が急激に行われてしまうことを防止することができ、真空チャンバ32の排気が急激に行われることを防止できる。よって、真空チャンバ32の壁面に付着しているパーティクルの巻き上げや、真空チャンバ32内に固定されたウエハの位置ずれを防止することができる。
【0048】
図9は、従来技術における非密閉式バタフライバルブ101を弁閉状態として真空ポンプ32を動作させた場合の真空チャンバ32の圧力値の変動(波形P12)と、本実施形態に係る非密閉式バタフライバルブ1を弁閉状態として真空ポンプ32を動作させた場合の真空チャンバ32の圧力値の変動(波形P11)を表したグラフである。なお、真空ポンプ32は、グラフ横軸の0秒時点から動作している。
【0049】
波形P12を見ると分かる通り、真空ポンプが動作し始めた0秒時点から、急激に圧力値の低下が発生していることが分かる。これは、流路130の内周面と最大外径部109aによる稜線のみで形成された絞り150の効果が小さいことを意味する。
【0050】
一方で、波形P11は、波形P12に比べて緩やかに圧力値が低下していることが分かる。これは、絞り長さL11が可能な限り長く確保されているためであり、絞り50の効果が従来技術における非密閉式バタフライバルブ101よりも増大されており真空チャンバ32の排気が急激に行われてしまうことを防止していることを意味する。
【0051】
次に本実施形態に係る非密閉式バタフライバルブ1の製造方法について説明する。
【0052】
非密閉式バタフライバルブ1は、バタフライ弁体9の最大外径部9bと流路30(弁孔8a)の内周面との間隙が数十μmと極めて小さいため、バタフライ弁体9の開閉動作時に、バタフライ弁体9が流路30(弁孔8a)の内周面と干渉しないよう、バタフライ弁体9の組付け位置について、非常に高い精度が要求される。よって、バタフライ弁体9の組付け位置の精度を高めるため、バタフライ弁体9は以下のようにしてロッド10に対して組付けられる。
【0053】
まず、
図10(a)に示すように、流路30に対して直交する方向に架設されたロッド10に対して、バタフライ弁体9を組み付ける。バタフライ弁体9は、流路30の上流側である入力側流路8bから流路30に挿入され、バタフライ弁体9の凹部9aがロッド10の弁体取付部10bに乗せられるようにして、ロッド10に組付けられている。この段階では、バタフライ弁体9は、ロッド10に固定されていない状態である。
【0054】
次に、
図10(b)に示すように、流路30に挿入される位置決め治具60を用いて、バタフライ弁体9の軸心と、流路30の軸心CLを一致させる。位置決め治具60は円筒状に形成されており、その外径は弁孔8aの内径と略同一となっている。また、位置決め治具60の流路30に挿入される側の端部には、バタフライ弁体9の第2面取り9eに当接させるための当接面60aが、全周に渡って形成されている。なお、当接面60aは、第2面取り9eの面取り角度と同一の角度を持って形成されている。
【0055】
このような位置決め治具60を、入力側流路8bから流路30に挿入すると、位置決め治具60の外径と弁孔8aの内径とが略同一であるため、位置決め治具60の軸心が、流路30の軸心CLと一致する。そして、位置決め治具60の軸心が、流路30の軸心CLと一致しているため、位置決め治具60の当接面60aが、バタフライ弁体9の第2面取り9eに当接すると、バタフライ弁体9の軸心が流路30の軸心CLに一致される。なお、当接面60aは、位置決め治具60の全周に設けられているため、第2面取り9eの全面と当接するものであるが、必ずしも全面で当接する必要はない。例えば、当接面60aを、位置決め治具60の円周方向に等間隔に3箇所設け、第2面取り9eの3箇所で当接するものとしても、バタフライ弁体9の位置決めが可能である。
【0056】
最後に、
図10(c)に示すように、バタフライ弁体9の軸心が流路30の軸心CLに一致された状態で、ねじ25および座金26を用いてバタフライ弁体9をロッド10に固定する。なお、
図2に示すように、ねじ25A,25B,25Cおよび座金26A,26B,26Cにより、3箇所で結合されるが、
図10(c)においては、単にねじ25および座金26としている。
【0057】
以上のように、ロッド10にバタフライ弁体9を固定する前に、バタフライ弁体9の軸心と、流路30の軸心CLを一致させるための位置決め工程を備えることで、バタフライ弁体9の組付け位置の精度が向上される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態の非密閉式バタフライバルブ1およびその製造方法によれば、
(1)真空チャンバ32と真空ポンプ33とを接続する配管34上に配設され、真空チャンバ32の真空圧力制御を行う非密閉式バタフライバルブ1であって、流路30と、流路30に対して直交する方向に配置されたロッド10と、ロッド10に結合され、ロッド10の軸心を中心とした回動に伴って回動されることで流路30の開閉を行う円盤状のバタフライ弁体9とを備え、弁閉時に、流路30の内周面とバタフライ弁体9の外周面との間に、所定の間隙を備える非密閉式バタフライバルブ1において、バタフライ弁体9は、弁閉時に流路30の下流側に面する下流側端面9dと、間隙が最も小さくなる最大外径部9bと、を備え、外周全周に、最大外径部9bから下流側端面9dに向かって、バタフライ弁体9を縮径させる第1面取り9fを備えること、第1面取り9fのバタフライ弁体9の厚さ方向に対する角度θは、5度以下であって、第1面取り9fと下流側端面9dとが交わる稜線RL1が、軸心を中心とした、最大外径部9bを通る仮想円VCの範囲内に入ること、を特徴とするので、真空チャンバ32が急激に排気されることを防ぐことができる。
【0059】
流路30の内周面とバタフライ弁体9の外周面との間の所定の間隙が最も小さくなる最大外径部9bと、最大外径部9bから下流側端面9dに向かってバタフライ弁体9を縮径させる第1面取り9fを備えており、当該第1面取り9fのバタフライ弁体9の厚さ方向に対する角度θは5度以下であるとともに、第1面取り9fと下流側端面9dとが交わる稜線RL1が、ロッド10の軸心を中心とした、最大外径部9bを通る仮想円VCの範囲内に入るものとしている。これにより、ロッド10が回転してバタフライ弁体9の開閉が行われるときに、バタフライ弁体9が流路30の内周面に干渉することを防止しつつ、弁閉時の第1面取り9fと流路30の内周面との間の間隙を可能な限り小さく保つことができる。よって、弁閉時に、流路30の内周面と最大外径部9bと第1面取り9fとを、流路30の絞り50として機能させることができる。そして、弁閉時の第1面取り9fと流路30の内周面との間の間隙が可能な限り小さく保たれているため、弁閉時や、ロッド10が回転し始める回転角度の小さい状態でも、絞り50の機能を増大させることができ、真空チャンバ32の排気が急激に行われてしまうことを防止することができる。真空チャンバ32の排気が急激に行われることを防止できるため、真空チャンバ32の壁面に付着しているパーティクルの巻き上げや、真空チャンバ32内に固定されたウエハの位置ずれを防止でき、半導体の不良率の増大を防ぐことができる。
【0060】
(2)(1)に記載の非密閉式バタフライバルブ1において、バタフライ弁体9の、最大外径部9bから下流側端面9dまでの厚みは、流路30の内径の4%以上であること、を特徴とするので、第1面取り9fのバタフライ弁体9の厚さ方向の長さを確保するでき、弁閉時に流路30の内周面と最大外径部9bと第1面取り9fとにより形成される絞り50の、流路30に平行な方向の長さ(絞り長さL11)を確保することができる。
【0061】
(3)(1)または(2)に記載の非密閉式バタフライバルブ1を製造する非密閉式バタフライバルブ1の製造方法において、流路30に対して直交する方向に配置されたロッド10に流路30の上流側からバタフライ弁体9を組み付けた後、ロッド10にバタフライ弁体9を固定する前に、バタフライ弁体9の軸心と、流路30の軸心を一致させるための位置決め工程を備えること、位置決め工程は、流路30に対し、流路30の上流側から挿入する位置決め治具60によって行われること、バタフライ弁体9は、弁閉時に上流側に面する端面(上流側端面9c)に向かってバタフライ弁体9を縮径させる第2面取り9eを備えており、位置決め治具60は、流路30の内径と略同一の外径を有する円筒状の外形を備えるとともに、流路30に挿入される側の端部に、第2面取り9eに当接する当接面60aを全周に備えており、流路30に挿入された位置決め治具60の当接面60aが、第2面取り9eに、少なくともバタフライ弁体9の円周方向の3箇所で当接することで、バタフライ弁体9の軸心と、流路30の軸心が一致されること、を特徴とするので、バタフライ弁体9をロッド10に固定する前に、位置決め治具60を用いてバタフライ弁体9の位置決めを行う位置決め工程を備えているため、バタフライ弁体9の組付け位置の精度を高めることが容易となる。
【0062】
位置決め治具60は流路30の内径と略同一の外径を有するため、流路30に挿入されることで、位置決め治具60の軸心が流路30の軸心と一致する。そして、位置決め治具60の軸心が流路30の軸心と一致している状態で、位置決め治具60の当接面60aが第2面取り9eに、少なくともバタフライ弁体9の円周方向の3箇所で当接すると、バタフライ弁体9の軸心と、流路30の軸心が一致されるのである。なお、当接面60aが第2面取り9eと当接する箇所は3箇所に限られず、4箇所以上であってもよいし、第2面取り9eの全面と当接するものであっても良い。
【0063】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。例えば、位置決め治具60は、弁孔8aの内径と略同一の外径を有することとしているが、入力側流路8bの内径と略同一の外径を有することとしても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 非密閉式バタフライバルブ
9 バタフライ弁体
9b 最大外径部
9d 下流側端面
9f 第1面取り(面取りの一例)
10 ロッド
30 流路
32 真空チャンバ
33 真空ポンプ
34 配管
VC 仮想円
RL1 稜線