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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】中継器及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220914BHJP
【FI】
H04L27/26 420
H04L27/26 114
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020512842
(86)(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 KR2019008305
(87)【国際公開番号】W WO2020009540
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-03-03
(31)【優先権主張番号】10-2018-0078008
(32)【優先日】2018-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0080625
(32)【優先日】2019-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ナックウォン
【審査官】谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0124718(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0017828(US,A1)
【文献】国際公開第2013/061986(WO,A1)
【文献】特表2008-507192(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0135052(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0139715(US,A1)
【文献】国際公開第2017/034798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが相異なる周波数区間に属する複数の同期信号ブロックを含む通信信号を受信する段階と、
周波数区間別の信号のパワーに基づいて、前記複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める段階と、
定められた優先順位によって、前記周波数区間別内の任意の位置に存在する同期信号ブロックを検出する段階と、
前記同期信号ブロックが、第1の周波数区間において検出されるときに、前記検出された同期信号ブロックを使用して同期を検出し、かつ前記第1の周波数区間の次の優先順位を有する第2の周波数区間において前記同期信号ブロックを検出しない段階と、を含むことを特徴とする中継器の同期検出方法。
【請求項2】
前記複数の同期信号ブロックそれぞれは、
PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)を含むことを特徴とする請求項1に記載の中継器の同期検出方法。
【請求項3】
前記中継器の同期検出方法は、
検出された前記同期を用いて、前記中継器内でアップリンク通信とダウンリンク通信とをスイッチングするためのスイッチング信号を生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の中継器の同期検出方法。
【請求項4】
前記同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める段階は、
前記通信信号を周波数ドメインに変換し、周波数ドメインに変換された通信信号の周波数区間別の信号のパワーを検出する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の中継器の同期検出方法。
【請求項5】
前記同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める段階は、
前記周波数区間別の信号のパワーに基づいて、信号のパワーの大きい周波数区間を高い優先順位として定めることを特徴とする請求項1に記載の中継器の同期検出方法。
【請求項6】
それぞれが相異なる周波数区間に属する複数の同期信号ブロックを含む通信信号を受信し、受信した通信信号を周波数ドメインに変換するドメイン変換回路と、
周波数ドメインに変換された前記通信信号の周波数区間別の信号のパワーを測定するパワーディテクタと、
測定された周波数区間別の信号のパワーに基づいて、前記複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定め、定められた優先順位によって前記周波数区間別内の任意の位置に存在する同期信号ブロックを検出する同期検出器と、を備え、
前記同期信号ブロックが、第1の周波数区間において検出されるときに、前記同期検出器は、前記検出された同期信号ブロックを使用して同期を検出し、かつ前記第1の周波数区間の次の優先順位を有する第2の周波数区間において前記同期信号ブロックを検出しないことを特徴とする中継器。
【請求項7】
前記中継器は、
それぞれがアップリンク通信とダウンリンク通信とをスイッチングするための複数のアップリンク/ダウンリンク・スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の中継器。
【請求項8】
前記中継器は、
検出された前記同期信号ブロックを用いて、前記複数のアップリンク/ダウンリンク・スイッチをスイッチングするためのスイッチング信号を生成するスイッチング信号生成器をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の中継器。
【請求項9】
前記同期信号ブロックは、
PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)を含むことを特徴とする請求項8に記載の中継器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継器及びその動作方法に係り、周波数区間別の信号のパワーに基づいて、複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定め、定められた優先順位によって前記周波数区間別に含まれている同期信号ブロックを検出できる中継器及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、基地局のサービスカバレージの拡張またはサービス品質の向上のために、信号の強度が弱いか、または信号が到逹しにくい電波陰影地域で、通信中継器、干渉除去中継器、分散アンテナシステムなどの中継システムが使われている。
【0003】
5G NR(New Radio)は、TDD(Time Division Duplexing)方式であって、中継システムが5G NRを支援するためには、基地局との時間同期が必須である。時間同期のためには、PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)を探して同期を獲得せねばならない。既存のLTEは、中心周波数にPSS、SSSが常に位置していて、中心周波数のPSS、SSS帯域についてのみ相関関係を求めて同期を獲得すればよい。しかし、5G NRではPSS、SSSが8個が存在し、基地局ごとにそれぞれ周波数帯域に任意に配置される。これにより、PSS、SSSの相関関係を求めるためには、周波数の全帯域を順次に移動しつつ求めねばならないため、同期検出時間が増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、周波数区間別の信号のパワーに基づいて、複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定め、定められた優先順位によって前記周波数区間別に含まれている同期信号ブロックを検出できる中継器及びその動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態による中継器の動作方法は、それぞれが相異なる周波数区間に属する複数の同期信号ブロックを含む通信信号を受信する段階と、周波数区間別の信号のパワーに基づいて、前記複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める段階と、定められた優先順位によって前記周波数区間別に含まれている同期信号ブロックを検出する段階と、を含む。
【0006】
一部の実施形態において、前記複数の同期信号ブロックそれぞれは、PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)を含む。
【0007】
一部の実施形態において、前記中継器の同期検出方法は、前記検出された同期信号ブロックに含まれている前記PSSと前記SSSとの相関関係を用いて同期を検出する段階をさらに含む。
【0008】
一部の実施形態において、前記中継器の同期検出方法は、検出された前記同期を用いて、前記中継器内でアップリンク通信とダウンリンク通信とをスイッチングするためのスイッチング信号を生成する段階をさらに含む。
【0009】
一部の実施形態において、前記同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める段階は、前記通信信号を周波数ドメインに変換し、周波数ドメインに変換された通信信号の周波数区間別の信号のパワーを検出する段階を含む。
【0010】
一部の実施形態において、前記同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める段階は、前記周波数区間別の信号のパワーに基づいて、信号のパワーの大きい周波数区間を高い優先順位として定める。
【0011】
本発明の一実施形態による中継器は、それぞれが相異なる周波数区間に属する複数の同期信号ブロックを含む通信信号を受信し、受信した通信信号を周波数ドメインに変換するドメイン変換回路と、周波数ドメインに変換された前記通信信号の周波数区間別の信号のパワーを測定するパワーディテクタと、測定された周波数区間別の信号のパワーに基づいて前記複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定め、定められた優先順位によって前記周波数区間別に含まれている同期信号ブロックを検出する同期検出器と、を備える。
【0012】
一部の実施形態において、前記中継器は、それぞれがアップリンク通信とダウンリンク通信とをスイッチングするための複数のアップリンク/ダウンリンク・スイッチをさらに備える。
【0013】
一部の実施形態において、前記中継器は、検出された前記同期信号ブロックを用いて、前記複数のアップリンク/ダウンリンク・スイッチをスイッチングするためのスイッチング信号を生成するスイッチング信号生成器をさらに備える。
【0014】
一部の実施形態において、前記同期信号ブロックは、PSS、SSS、及びPBCHを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態による方法及び装置は、複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定め、定められた優先順位によって前記周波数区間別に含まれている同期信号ブロックを検出することで、信号の存在しない周波数帯域を含む周波数全帯域について同期を検出するという非効率を低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の詳細な説明で引用される図面をさらに十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
図1】本発明の一実施形態による通信システムの概念図である。
図2図1に示されている中継器の一実施形態によるブロック図である。
図3図2に示されているアップリンク/ダウンリンクのスイッチング信号生成器の一実施形態によるブロック図である。
図4】本発明の実施形態による中継器からサービスされる通信信号に含まれている同期信号ブロックの例示図である。
図5】本発明の実施形態による中継器からサービスされる通信信号に複数の同期信号ブロックが含まれる形態を示す例示図である。
図6】本発明の一実施形態による中継器の動作方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0018】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0019】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と“連結される”か、または“接続する”などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0020】
また、本明細書に記載の“~部”、“~器”、“~子”、“~モジュール”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現され、少なくとも一つの機能や動作の処理に必要なデータを保存するメモリと結合される形態で具現されてもよい。
【0021】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する2個以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に2個以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による通信システムの概念図である。図1を参照すれば、本発明の一実施形態による通信システム10は、基地局100、無線通信端末器200、及び中継器300を備える。
【0023】
中継器300は、基地局100と無線通信端末器200との通信を中継する。
【0024】
実施形態によって、中継器300は、GSM(登録商標(global system for mobile communication))またはCDMA(code division multiple access)などの2G移動通信網、WCDMA(登録商標(wideband code division multiple access))またはCDMA2000などの3G移動通信網、HSDPA(high speed downlink packet access)またはHSUPA(high speed uplink packet access)などの3.5G移動通信網、LTE(long term evolution)またはLTE-Advancedなどの4G移動通信網、5G移動通信網、C-RAN(Cloud Radio Access Network)、またはこれらの組合で構成された通信網で通信信号を中継する。
【0025】
中継器300は、基地局100から伝送された通信信号(例えば、基地局信号)を第1アンテナANT1を通じて受信し、受信した通信信号(例えば、基地局信号)を第2アンテナANT2を通じて無線通信端末器200に中継する。
【0026】
実施形態によって、通信信号は、無線通信信号(例えば、RF(Radio Frequency)信号)である。
【0027】
実施形態によって、通信信号は、5G-NR(New Radio)標準による通信信号でありうる。
【0028】
第1アンテナANT1は、ドナーアンテナと呼ばれ、第2アンテナANT2は、サービスアンテナまたはカバレージアンテナと呼ばれるが、これに限定されるものではない。
【0029】
実施形態によって、中継器300は、RF中継器またはICS(Interference Cancellation System)中継器などの無線通信信号を中継する中継器として具現される。
【0030】
図1では、説明の便宜のために、中継器300が一つの基地局100と一つの無線通信端末器200との通信を中継すると示されているが、中継器300は、複数の基地局と複数の無線通信端末器との通信を中継することもできる。他の実施形態によって、中継器300は、基地局100と他の中継器(図示せず)との通信を中継することもできる。
【0031】
中継器300の詳細な構造及び動作については、図2を参照して詳細に説明される。
【0032】
図2は、図1に示されている中継器の一実施形態によるブロック図である。
【0033】
図1及び図2を参照すれば、中継器300は、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ(UL/DL switch)305、ダウンリンク処理回路310、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316、アップリンク処理回路320、及びアップリンク/ダウンリンク・スイッチング信号生成器330を備える。
【0034】
第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、アップリンク通信及びダウンリンク通信で中継器300内の通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0035】
ダウンリンク通信において、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、第1アンテナANT1を通じて送信された通信信号を受信し、受信した通信信号をダウンリンク処理回路310に伝達するように通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0036】
アップリンク通信において、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、アップリンク処理回路320を通じて送信された通信信号を受信し、受信した通信信号を第1アンテナANT1に伝達するように通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0037】
実施形態によって、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、ダウンリンク通信で第1アンテナANT1を通じて受信された通信信号のノイズを除去し、ノイズ除去された通信信号を周波数下向き変換して出力してもよい。
【0038】
実施形態によって、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、アップリンク通信でアップリンク処理回路320を通じて伝達された通信信号を、第1アンテナANT1を通じて基地局100側に送信する。
【0039】
実施形態によって、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、アップリンク通信で、アップリンク処理回路320を通じて伝達された通信信号を線形化して出力する。
【0040】
第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305は、アップリンク/ダウンリンク・スイッチング信号生成回路330によって生成された第1スイッチング信号SW1によって、通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0041】
ダウンリンク処理回路310は、第1減衰器311、第1アナログ・デジタルコンバータ(ADC)312、第1デジタルフィルタ313、デジタル・アナログコンバータ(DAC)314、及び増幅器315を備える。
【0042】
第1減衰器311は、第1アップリンク/ダウンリンク・スイッチ305から伝達された通信信号のサイズを減衰させて出力する。
【0043】
第1アナログ・デジタルコンバータ312は、第1減衰器311によって信号のサイズが減衰して出力された通信信号をデジタル変換し、デジタル変換された通信信号を出力する。
【0044】
第1デジタルフィルタ313は、デジタル変換された通信信号に含まれている干渉信号をフィルタリグし、通過帯域の信号のみ出力する。
【0045】
実施形態によって、第1デジタルフィルタ313は、デジタル信号プロセッサの一部構成として具現される。
【0046】
第1デジタルフィルタ313のパラメータ(例えば、フィルタの形態(LPF、BPF、HPF、BSFなど)、フィルタの中心周波数、フィルタの通過帯域など)は、ユーザによって調節または設定されるか、または通信信号によって適応的に調節される。
【0047】
実施形態によって、第1デジタルフィルタ313は、帯域通過フィルタを備えて具現される。
【0048】
第1デジタル・アナログ変換器314は、第1デジタルフィルタ313によってフィルタリグされたデジタル通信信号をアナログ通信信号に変換して出力する。
【0049】
増幅器315は、第1デジタル・アナログ変換器314によって出力されたアナログ通信信号を増幅して出力する。
【0050】
実施形態によって、増幅器315は、低ノイズ増幅器として具現されてもよい。
【0051】
増幅器315によって増幅されて出力されたアナログ通信信号は、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316に伝達される。
【0052】
第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、アップリンク通信及びダウンリンク通信で中継器300内の通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0053】
ダウンリンク通信において、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、ダウンリンク処理回路310を通じて送信された通信信号を受信し、受信した通信信号を第2アンテナANT2に伝達するように通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0054】
アップリンク通信において、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、第2アンテナANT2を通じて送信された通信信号を受信し、受信した通信信号をアップリンク処理回路320に伝達するように通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0055】
実施形態によって、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、ダウンリンク通信でダウンリンク処理回路310を通じて伝達された通信信号を、第2アンテナANT2を通じて基地局100側に送信する。
【0056】
実施形態によって、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、ダウンリンク通信でダウンリンク処理回路310を通じて伝達された通信信号を線形化して出力する。
【0057】
実施形態によって、第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、アップリンク通信で第2アンテナANT2を通じて受信された通信信号のノイズを除去し、ノイズ除去された通信信号を周波数下向き変換して出力してもよい。
【0058】
第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、アップリンク/ダウンリンク・スイッチング信号生成回路330によって生成された第2スイッチング信号SW2によって、通信信号の移動経路をスイッチングする。
【0059】
アップリンク/ダウンリンク・スイッチング信号生成器330は、中継器300が受信した通信信号SINを入力され、入力された通信信号SINに基づいてアップリンク/ダウンリンク・スイッチ305及び316をスイッチングするためのスイッチング信号SW1及びSW2を生成する。
【0060】
アップリンク/ダウンリンク・スイッチング信号生成器330の詳細な構造及び動作については、図3ないし図5を参照して後述する。
【0061】
第2アップリンク/ダウンリンク・スイッチ316は、アップリンク通信で第2アンテナANT2を通じて送信された通信信号を受信し、受信した通信信号をアップリンク処理回路320に伝達する。
【0062】
アップリンク処理回路320は、第2減衰器321、第2アナログ・デジタルコンバータ322、第2デジタルフィルタ323、デジタル・アナログコンバータ324、及び増幅器325を備える。
【0063】
アップリンク処理回路320の各構成321ないし325は、ダウンリンク処理回路310の各構成311ないし315の逆方向に実質的な同じ信号処理を行える。
【0064】
図3は、図2に示されているアップリンク/ダウンリンクのスイッチング信号生成器の一実施形態によるブロック図である。図4は、本発明の実施形態による中継器からサービスされる通信信号に含まれている同期信号ブロックの例示図である。図5は、本発明の実施形態による中継器からサービスされる通信信号に複数の同期信号ブロックが含まれる形態を示す例示図である。
【0065】
図2及び図3を参照すれば、アップリンク/ダウンリンク・スイッチング信号生成器330は、ドメイン変換回路331、パワーディテクタ332、同期検出器333、及びスイッチング信号生成器334を備える。
【0066】
ドメイン変換回路331は、中継器300が受信した通信信号SINを周波数ドメインに変換する。
【0067】
実施形態によって、ドメイン変換回路331は、FFT(Fast Fourier Transform)を通じて、中継器300が受信した通信信号SINを周波数ドメインに変換する。
【0068】
パワーディテクタ332は、ドメイン変換回路331によって周波数ドメインに変換された通信信号SINの周波数区間別の信号のパワーを測定する。
【0069】
実施形態によって、通信信号SINの周波数区間が、第1周波数区間f1ないしf2、第2周波数区間f2ないしf3、及び第3周波数区間f3ないしf4に区分された場合、第1周波数区間f1ないしf2の信号成分の信号のパワー、第2周波数区間f2ないしf3の信号成分の信号のパワー、及び第3周波数区間f3ないしf4の信号成分の信号のパワーそれぞれを測定する。
【0070】
同期検出器333は、パワーディテクタ332によって測定された周波数区間別の信号のパワーに基づいて、通信信号SINI内で複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める。
【0071】
実施形態によって、周波数区間別の信号のパワーの手順が、第3周波数区間f3ないしf4、第1周波数区間f1ないしf2、第2周波数区間f2ないしf3の手順であれば、これと同じ手順で、通信信号SINI内で複数の同期信号ブロックを検出する周波数区間の優先順位を定める。
【0072】
実施形態によって、複数の同期信号ブロックは、相異なる周波数区間に属する。
【0073】
図4及び図5を共に参照すれば、中継器300によって中継される通信信号が5G-NR標準による通信信号である場合の、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block(SSB))が示されている。
【0074】
実施形態によって、同期信号ブロックSSBは、図4に示されているように、4個のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル及び20個のRB(Resource Block)で構成される。
【0075】
実施形態によって、同期信号ブロックSSBは、NR-PSS(Primary Synchronization Signal)、NR-SSS(Secondary Synchronization Signal)、及びNR-PBCH(Physical Broadcast Channel)を含む。
【0076】
図4では、同期信号ブロックSSBを探すために定義された候補周波数位置が例示的に示されているが、本発明の一実施形態では、候補周波数位置とは関係なく周波数区間別の信号のパワーに基づいて、同期信号ブロックSSBを探すための周波数区間の手順が定められる。
【0077】
他の実施形態によって、周波数区間は、候補周波数位置に基づいて定められてもよい。
【0078】
実施形態によって、図5のように、相異なる周波数区間に属する複数の同期信号ブロックSSB#1ないしSSB#Lが存在する場合、同期検出器333は、周波数区間別の信号のパワーに基づいて、信号の大きい周波数区間を高い優先順位として定め、高い優先順位の周波数区間から優先的に同期信号ブロックSSBを検出する。
【0079】
実施形態によって、同期検出器333は、同期信号ブロックSSBに含まれているNR-PSSとNR-SSSとの相関関係を用いて、同期を検出する。
【0080】
スイッチング信号生成器334は、同期検出器333によって検出された同期を用いて、中継器300に含まれているアップリンク/ダウンリンク・スイッチ305及び316をスイッチングするためのスイッチング信号SW1及びSW2を生成する。
【0081】
図6は、本発明の一実施形態による中継器の動作方法のフローチャートである。
【0082】
図1ないし図6を参照すれば、中継器300は、それぞれが相異なる周波数区間に属する複数の同期信号ブロックSSBを含む通信信号を受信する(S601)。
【0083】
中継器300は、受信した通信信号の周波数区間別の信号のパワーを検出する(S602)。
【0084】
実施形態によって、中継器300は、受信した通信信号を周波数ドメインに変換した後、周波数区間別に該周波数成分の信号のパワーを検出する。
【0085】
中継器300は、周波数区間別の信号のパワーに基づいて、同期信号ブロックSSBを検出する周波数区間の優先順位を定める(S603)。
【0086】
実施形態によって、中継器300は、信号のパワーの大きい周波数区間について優先順位を高く定める。
【0087】
中継器300は、定められた優先順位によって、通信信号の周波数区間別に含まれている同期信号ブロックを検出する(S604)。
【0088】
実施形態によって、中継器300は、優先順位の高い周波数区間から優先的に同期信号ブロックを検出する。
【0089】
中継器300は、検出された同期を用いて、中継器300内のアップリンク通信及びダウンリンク通信をスイッチングする(S605)。
【0090】
実施形態によって、中継器300は、検出された同期を用いて、中継器300内のアップリンク/ダウンリンク・スイッチ305及び316をスイッチングする。
【0091】
以上、本発明を望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲内で当業者によって様々な変形及び変更ができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6