IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

特許7141487生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム
<>
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図1
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図2
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図3
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図4
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図5
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図6
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図7
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図8
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図9
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図10
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図11
  • 特許-生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220914BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20220914BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021069519
(22)【出願日】2021-04-16
(65)【公開番号】P2021174541
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】202010321226.7
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】左濱
(72)【発明者】
【氏名】米内 誠
(72)【発明者】
【氏名】辻部 晃久
(72)【発明者】
【氏名】井上 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】足立 哲朗
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-240059(JP,A)
【文献】特開2010-128819(JP,A)
【文献】特開2005-071136(JP,A)
【文献】特開2016-018241(JP,A)
【文献】特開2014-225068(JP,A)
【文献】特開2003-067033(JP,A)
【文献】特開2017-162044(JP,A)
【文献】特開平07-072921(JP,A)
【文献】特開平10-080842(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103345209(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示インターフェースを有するコンピュータである生産リードタイム分析システムにより実行される、1又は複数の製品の生産リードタイムを分析する生産リードタイム分析方法であって、前記製品は、1又は複数の半製品により1又は複数の工程を経て加工されてなり、前記半製品は、1又は複数の工程を経て加工形成される、前記生産リードタイム分析方法において、
作業実績情報収集部による、前記各製品に対し、関係する各工程の作業実績情報を収集する作業実績情報収集ステップであって、前記作業実績情報は工程の作業開始時刻及び作業終了時刻を含むステップと、
工程作業時間算出部による、前記各製品の各工程に対し、前記作業実績情報に基づいて工程作業時間を算出する工程作業時間算出ステップであって、前記工程作業時間は該工程の作業開始時刻と作業終了時刻との時間差であるステップと、
工程標準作業時間取得部による、前記製品の各種工程に対し、対応する工程標準作業時間を取得する工程標準作業時間取得ステップと、
工程遅延時間算出部による、前記各製品の各工程に対し、当該工程における対応する工程標準作業時間に対する前記工程作業時間の遅延時間を算出し、当該工程の工程遅延時間とする工程遅延時間算出ステップと、
工程停滞時間算出部による、前記各製品における、各半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程及び当該製品における最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出する工程停滞時間算出ステップと、
製品生産リードタイム算出部による、前記各製品に対し、前記作業実績情報に基づいて製品生産リードタイムを算出するステップであって、前記製品生産リードタイムは、前記作業実績情報収集ステップで収集される各工程のうち最早の工程の作業開始時刻と、最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、製品生産リードタイム算出ステップと、
製品標準生産リードタイム取得部による、前記製品に対応する製品標準生産リードタイムを取得する製品標準生産リードタイム取得ステップと、
製品遅延時間算出部による、前記各製品に対し、当該製品における前記製品標準生産リードタイムに対する前記製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該製品の製品遅延時間とする製品遅延時間算出ステップと、
半製品生産リードタイム算出部による、前記各製品の各半製品に対し、前記作業実績情報に基づいて半製品生産リードタイムを算出するステップであって、前記半製品生産リードタイムは、当該半製品における前記加工形成に用いる工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、半製品生産リードタイム算出ステップと、
半製品標準生産リードタイム取得部による、前記製品の各種半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムを取得する半製品標準生産リードタイム取得ステップと、
半製品遅延時間算出部による、前記各製品の各半製品に対し、当該半製品における対応する半製品標準生産リードタイムに対する前記半製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該半製品の半製品遅延時間とする半製品遅延時間算出ステップと、
半製品停滞時間算出部による、相互組付に用いる複数の半製品の各々に対し、当該半製品の半製品停滞時間を算出するステップであって、前記半製品停滞時間は、当該半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程の作業終了時刻と前記相互組付に係る工程のうち最早の工程の作業開始時刻との時間差である、半製品停滞時間算出ステップと、
異常判定部による、前記工程遅延時間が予め設定した工程遅延閾値を超えた工程を異常遅延工程であると判定し、前記工程停滞時間が予め設定した工程停滞閾値を超えた工程を異常停滞工程であると判定し、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であると判定し、半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定するとともに、前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定する異常判定ステップと、
を含むことを特徴とする生産リードタイム分析方法。
【請求項2】
前記工程停滞時間は、当該工程の作業終了時刻と当該工程の次の工程の作業開始時刻との時間差である
ことを特徴とする請求項1に記載の生産リードタイム分析方法。
【請求項3】
表示部による、各工程の前記工程作業時間、各種工程の前記工程標準作業時間、及び工程異常情報のうちの少なくとも1つを表示する表示ステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の生産リードタイム分析方法。
【請求項4】
前記異常判定ステップにおいて、前記異常判定部により、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であるとさらに判定し、
前記表示ステップにおいて、前記表示部により、各製品の前記製品生産リードタイム、前記製品標準生産リードタイム、及び製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の生産リードタイム分析方法。
【請求項5】
前記異常判定ステップにおいて、前記異常判定部により、前記半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であるとさらに判定し、かつ前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定し、
前記表示ステップにおいて、前記表示部により、各半製品の前記半製品生産リードタイム、各半製品の前記半製品標準生産リードタイム、及び半製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の生産リードタイム分析方法。
【請求項6】
前記工程標準作業時間取得ステップにおいて、前記工程標準作業時間取得部により、前記製品の各種工程に対し、前記各製品の当該工程の前記工程作業時間から異常値を除去して前記工程標準作業時間を算出することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の生産リードタイム分析方法。
【請求項7】
表示インターフェースを有するコンピュータである生産リードタイム分析システムであって、1又は複数の製品の生産リードタイムを分析する生産リードタイム分析システムであって、前記製品は、1又は複数の半製品により1又は複数の工程を経て加工されてなり、前記半製品は、1又は複数の工程を経て加工形成される、前記生産リードタイム分析システムにおいて、
前記各製品に対し、関係する各工程の作業実績情報を収集する作業実績情報収集部であって、前記作業実績情報は工程の作業開始時刻及び作業終了時刻を含む、作業実績情報収集部と、
前記各製品の各工程に対し、前記作業実績情報に基づいて工程作業時間を算出する工程作業時間算出部であって、前記工程作業時間は該工程の作業開始時刻と作業終了時刻との時間差である、工程作業時間算出部と、
前記製品の各種工程に対し、対応する工程標準作業時間を取得する工程標準作業時間取得部と、
前記各製品の各工程に対し、当該工程における対応する工程標準作業時間に対する前記工程作業時間の遅延時間を算出し、当該工程の工程遅延時間とする工程遅延時間算出部と、
前記各製品における、各半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程及び当該製品における最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出する工程停滞時間算出部と、
前記各製品に対し、前記作業実績情報に基づいて製品生産リードタイムを算出する製品生産リードタイム算出部であって、前記製品生産リードタイムは、前記作業実績情報収集部で収集された各工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、製品生産リードタイム算出部と、
前記製品に対応する製品標準生産リードタイムを取得する製品標準生産リードタイム取得部と、
前記各製品に対し、当該製品における前記製品標準生産リードタイムに対する前記製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該製品の製品遅延時間とする製品遅延時間算出部と、
前記各製品の各半製品に対し、前記作業実績情報に基づいて半製品生産リードタイムを算出する半製品生産リードタイム算出部であって、前記半製品生産リードタイムは、当該半製品における前記加工形成に用いる工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、半製品生産リードタイム算出部と、
前記製品の各種半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムを取得する半製品標準生産リードタイム取得部と、
前記各製品の各半製品に対し、当該半製品における対応する半製品標準生産リードタイムに対する前記半製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該半製品の半製品遅延時間とする半製品遅延時間算出部と、
相互組付に用いる複数の半製品の各々に対し、当該半製品の半製品停滞時間を算出する半製品停滞時間算出部であって、前記半製品停滞時間は、当該半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程の作業終了時刻と前記相互組付に係る工程のうち最早の工程の作業開始時刻との時間差である、半製品停滞時間算出部と、
前記工程遅延時間が予め設定した工程遅延閾値を超えた工程を異常遅延工程であると判定し、前記工程停滞時間が予め設定した工程停滞閾値を超えた工程を異常停滞工程であると判定し、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であると判定し、半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定するとともに、前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定する異常判定部と、
を含むことを特徴とする生産リードタイム分析システム。
【請求項8】
前記工程停滞時間は、当該工程の作業終了時刻と当該工程の次の工程の作業開始時刻との時間差である
ことを特徴とする請求項7に記載の生産リードタイム分析システム。
【請求項9】
各工程の前記工程作業時間、各種工程の前記工程標準作業時間、及び工程異常情報のうちの少なくとも1つを表示する表示部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の生産リードタイム分析システム。
【請求項10】
前記異常判定部は、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であるとさらに判定し、
前記表示部は、各製品の前記製品生産リードタイム、前記製品標準生産リードタイム、及び製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の生産リードタイム分析システム。
【請求項11】
前記異常判定部はさらに、前記半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定し、かつ前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定し、
前記表示部は、各半製品の前記半製品生産リードタイム、各半製品の前記半製品標準生産リードタイム、及び半製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する
ことを特徴とする請求項9に記載の生産リードタイム分析システム。
【請求項12】
前記工程標準作業時間取得部は前記製品の各種工程に対し、前記各製品の当該工程の前記工程作業時間から異常値を除去して前記工程標準作業時間を算出する
ことを特徴とする請求項7~11のいずれか1項に記載の生産リードタイム分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の生産リードタイムを分析する生産リードタイム分析方法及び生産リードタイム分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商取引において、顧客ニーズが多様化し、企業間競争が熾烈化するなかで、生産企業にとっては、顧客の求める生産リードタイムを満たす必要がある。発注段階で、商品の価格と品質が理想的であっても、納品までに長い時間がかかる場合、注文が競合会社に流れてしまうこともあり得る。企業は生産リードタイムを短縮するために、各種IT技術を用いてその時点の生産リードタイムを収集しているが、データの利用はまだ十分ではなく、問題の分析と現場の改善に対して、主に用いられているのは人の経験や知識であるため、信頼性と汎用性に欠ける。
【0003】
特許文献1には、回路を製造し搭載するために、複数の工程を順次経て、各工程で特定の設備を用いることが記載されている。一般的な設備では、工程の違いや単位時間内に処理される製品の数、処理速度および作業時間によって変化が生じるため、製品の生産リードタイムは、理論上の作業時間を考慮する以外に、工程間の待機時間も考慮に入れる必要がある。生産計画を遵守するためには、生産ラインに投入される一単位である生産ロットの目標リードタイムを正確に測定する必要があるが、現時点では主に人の経験によって対処されており、こうした技術課題に対し、特許文献1では、半導体やICのメーカーを対象に、目標リードタイムの測定方法が記載され、それは、各工程設備の性能データ及び製品の理論作業時間に基づいて、各工程設備の利用率を算出するとともに、各工程設備の利用率を用いて、各工程における待機時間を算出し、最後に、各工程待機時間の合計値と製品の理論作業時間を加算して、目標リードタイムを算出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国特許出願公開第101727098号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る半導体やICメーカーのようなロット生産や生産ライン生産方式及び設備は、生産ラインに適用される技術でしかなく、汎用性に欠ける。また特許文献1は、目標リードタイムを正確に測定することで生産計画の最適化を行って、生産リードタイムの短縮を図っているが、生産リードタイム自体に対する分析は行われていないため、生産リードタイムの内部のどの段階で待機が発生したかを知ることはできず、そのため生産現場をピンポイントで改善して生産リードタイムを短縮させるということはできない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記技術課題を解決するためになされたもので、表示インターフェースを有するコンピュータである生産リードタイム分析システムにより実行される、1又は複数の製品の生産リードタイムを分析する生産リードタイム分析方法を提供しており、前記製品は、1又は複数の半製品により1又は複数の工程を経て加工されてなり、前記半製品は、1又は複数の工程を経て加工形成され、前記生産リードタイム分析方法は、下記ステップを含むことを特徴とする。即ち、作業実績情報収集部による、前記各製品に対し、関係する各工程の作業実績情報を収集する作業実績情報収集ステップであって、前記作業実績情報は工程の作業開始時刻及び作業終了時刻を含むステップと、工程作業時間算出部による、前記各製品の各工程に対し、前記作業実績情報に基づいて工程作業時間を算出する工程作業時間算出ステップであって、前記工程作業時間は該工程の作業開始時刻と作業終了時刻との時間差であるステップと、工程標準作業時間取得部による、前記製品の各種工程に対し、対応する工程標準作業時間を取得する工程標準作業時間取得ステップと、工程遅延時間算出部による、前記各製品の各工程に対し、当該工程における対応する工程標準作業時間に対する前記工程作業時間の遅延時間を算出し、当該工程の工程遅延時間とする工程遅延時間算出ステップと、工程停滞時間算出部による、前記各製品における、各半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程及び当該製品における最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出する工程停滞時間算出ステップと、製品生産リードタイム算出部による、前記各製品に対し、前記作業実績情報に基づいて製品生産リードタイムを算出するステップであって、前記製品生産リードタイムは、前記作業実績情報収集ステップで収集される各工程のうち最早の工程の作業開始時刻と、最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、製品生産リードタイム算出ステップと、製品標準生産リードタイム取得部による、前記製品に対応する製品標準生産リードタイムを取得する製品標準生産リードタイム取得ステップと、製品遅延時間算出部による、前記各製品に対し、当該製品における前記製品標準生産リードタイムに対する前記製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該製品の製品遅延時間とする製品遅延時間算出ステップと、半製品生産リードタイム算出部による、前記各製品の各半製品に対し、前記作業実績情報に基づいて半製品生産リードタイムを算出するステップであって、前記半製品生産リードタイムは、当該半製品における前記加工形成に用いる工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、半製品生産リードタイム算出ステップと、半製品標準生産リードタイム取得部による、前記製品の各種半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムを取得する半製品標準生産リードタイム取得ステップと、半製品遅延時間算出部による、前記各製品の各半製品に対し、当該半製品における対応する半製品標準生産リードタイムに対する前記半製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該半製品の半製品遅延時間とする半製品遅延時間算出ステップと、半製品停滞時間算出部による、相互組付に用いる複数の半製品の各々に対し、当該半製品の半製品停滞時間を算出するステップであって、前記半製品停滞時間は、当該半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程の作業終了時刻と前記相互組付に係る工程のうち最早の工程の作業開始時刻との時間差である、半製品停滞時間算出ステップと、異常判定部による、前記工程遅延時間が予め設定した工程遅延閾値を超えた工程を異常遅延工程であると判定し、前記工程停滞時間が予め設定した工程停滞閾値を超えた工程を異常停滞工程であると判定し、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であると判定し、半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定するとともに、前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定する異常判定ステップ
【0007】
上記生産リードタイム分析方法はまた、次のように構成されてもよい。即ち、前記工程停滞時間は、当該工程の作業終了時刻と、当該工程の次の工程の作業開始時刻との時間差である。
【0008】
上記生産リードタイム分析方法はまた、以下のように構成されてもよい。即ち、表示部による、各工程の前記工程作業時間、各種工程の前記工程標準作業時間、及び工程異常情報のうちの少なくとも1つを表示するステップと、をさらに含む。
【0009】
これにより、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題工程を特定し、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【0010】
上記生産リードタイム分析方法はまた、以下のように構成されてもよい。即ち、前記異常判定ステップにおいて、前記異常判定部により、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であるとさらに判定し、前記表示ステップにおいて、前記表示部により、各製品の前記製品生産リードタイム、前記製品標準生産リードタイム、及び製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する。
【0011】
これにより、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題製品を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【0012】
上記生産リードタイム分析方法はまた、以下のように構成されてもよい。即ち、前記異常判定ステップにおいてさらに、前記異常判定部により、前記半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定し、かつ前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定し、前記表示ステップにおいて、前記表示部により、各半製品の前記半製品生産リードタイム、各半製品の前記半製品標準生産リードタイム、及び半製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する。
【0013】
これにより、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題半製品を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【0014】
上記生産リードタイム分析方法はまた、以下のように構成されてもよい。即ち、前記工程標準作業時間取得ステップにおいて、前記工程標準作業時間取得部により、前記製品の各種工程に対し、前記各製品の当該工程の前記工程作業時間から異常値を除去して、前記工程標準作業時間を算出する。
【0015】
これにより、工程標準作業時間をより正確に取得することができる。
【0016】
本発明はさらに、表示インターフェースを有するコンピュータである生産リードタイム分析システムであって、1又は複数の製品の生産リードタイムを分析する生産リードタイム分析システムを提供しており、前記製品は、1又は複数の半製品により1又は複数の工程を経て加工されてなり、前記半製品は、1又は複数の工程を経て加工形成され、前記生産リードタイム分析システムは下記を含むことを特徴とする。即ち、前記各製品に対し、関係する各工程の作業実績情報を収集する作業実績情報収集部であって、前記作業実績情報は工程の作業開始時刻及び作業終了時刻を含むものと、前記各製品の各工程に対し、前記作業実績情報に基づいて工程作業時間を算出する工程作業時間算出部であって、前記工程作業時間は該工程の作業開始時刻と作業終了時刻との時間差であるものと、前記製品の各種工程に対し、対応する工程標準作業時間を取得する工程標準作業時間取得部と、前記各製品の各工程に対し、当該工程における対応する工程標準作業時間に対する前記工程作業時間の遅延時間を算出し、当該工程の工程遅延時間とする工程遅延時間算出部と、前記各製品における、各半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程及び当該製品における最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出する工程停滞時間算出部と、前記各製品に対し、前記作業実績情報に基づいて製品生産リードタイムを算出する製品生産リードタイム算出部であって、前記製品生産リードタイムは、前記作業実績情報収集部で収集された各工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、製品生産リードタイム算出部と、前記製品に対応する製品標準生産リードタイムを取得する製品標準生産リードタイム取得部と、前記各製品に対し、当該製品における前記製品標準生産リードタイムに対する前記製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該製品の製品遅延時間とする製品遅延時間算出部と、前記各製品の各半製品に対し、前記作業実績情報に基づいて半製品生産リードタイムを算出する半製品生産リードタイム算出部であって、前記半製品生産リードタイムは、当該半製品における前記加工形成に用いる工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、半製品生産リードタイム算出部と、前記製品の各種半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムを取得する半製品標準生産リードタイム取得部と、前記各製品の各半製品に対し、当該半製品における対応する半製品標準生産リードタイムに対する前記半製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該半製品の半製品遅延時間とする半製品遅延時間算出部と、相互組付に用いる複数の半製品の各々に対し、当該半製品の半製品停滞時間を算出する半製品停滞時間算出部であって、前記半製品停滞時間は、当該半製品の前記加工形成に用いる工程のうち最遅の工程の作業終了時刻と前記相互組付に係る工程のうち最早の工程の作業開始時刻との時間差である、半製品停滞時間算出部と、前記工程遅延時間が予め設定した工程遅延閾値を超えた工程を異常遅延工程であると判定し、前記工程停滞時間が予め設定した工程停滞閾値を超えた工程を異常停滞工程であると判定し、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であると判定し、半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定するとともに、前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定する異常判定部
【0017】
上記生産リードタイム分析システムはまた、以下のように構成されてもよい。即ち、前記工程停滞時間は、当該工程の作業終了時刻と当該工程の次の工程の作業開始時刻との時間差であるものをさらに含む。
【0018】
上記生産リードタイム分析システムはまた、以下のように構成されてもよい。即ち、各工程の前記工程作業時間、各種工程の前記工程標準作業時間、及び工程異常情報のうちの少なくとも1つを表示する表示部をさらに含む。
【0019】
これにより、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題工程を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【0020】
上記生産リードタイム分析システムはまた、以下のように構成されてもよい。即ち、前記異常判定部は、前記製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であるとさらに判定し、前記表示部は、各製品の前記製品生産リードタイム、前記製品標準生産リードタイム、及び製品異常情報のうちの少なくとも1つをさらに表示する。
【0021】
これにより、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題製品を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【0022】
上記生産リードタイム分析システムはまた、以下のように構成されてもよい。即ち、
前記異常判定部はさらに、前記半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定し、かつ前記半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定し、前記表示部はさらに、各半製品の前記半製品生産リードタイム、各半製品の前記半製品標準生産リードタイム、及び半製品異常情報のうちの少なくとも1つを表示する。
【0023】
これにより、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題半製品を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【0024】
上記生産リードタイム分析システムはまた、以下のように構成されてもよい。即ち、前記工程標準作業時間取得部は、前記製品の各種工程に対し、前記各製品の当該工程の前記工程作業時間から異常値を除去して、前記工程標準作業時間を算出する。
【0025】
これにより、工程標準作業時間をより正確に取得することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題点を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施例1の生産リードタイム分析システム100の構成を示したブロック図である。
図2】(a)は、作業実績情報収集部101で収集された作業実績情報の例を示しており、(b)は、製品PRD01における製品シリアル番号P0000001の製品に組付けられる半製品SM00001~SM00004の、横軸の時間に対するガントチャートを示しており、(c)は、半製品SM00002における半製品シリアル番号BD9AD01の半製品の加工形成のための4工程の、時間に対するガントチャートを示している。
図3】実施例1における表示部105に表示された工程分析部103の分析結果を示すグラフである。
図4】実施例2の生産リードタイム分析システム200の構成を示すブロック図である。
図5】実施例2における表示部105に表示された製品分析部201の分析結果を示すグラフである。
図6】実施例3の生産リードタイム分析システム300の構成を示すブロック図である。
図7】実施例3の4つの半製品の生産リードタイムの状況を例示したグラフである。
図8】実施例3における表示部105に表示された半製品分析部301の分析結果を示すグラフである。
図9】実施例4の生産リードタイム分析方法を示すフロー図である。
図10】処理工程が前後する2工程間に停滞時間が発生する原理を説明するためのグラフである。
図11】同じ製品に組付けられる各半製品間に停滞時間が発生する原理を説明するためのグラフである。
図12】工程の実際の作業時間と工程標準作業時間との比較を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。人手による製造及び機械製造を含む製造業の分野において、製品の注文から納入までに要する時間には通常、加工作業時間、運搬時間及び停滞時間が含まれる。このうち、比率が最も高くかつ削減が最も実現可能である時間は停滞時間である。停滞が発生する原因は主に2つあり、第一には、順次実行される工程間のシームレスな繋がりがないということである。例えば図10に示すように、用紙の水平方向を時間軸とするとき、2つの順次実行される工程において前の工程の作業終了時刻と後の工程の作業開始時刻との間に時間差が存在する場合、不要な停滞時間が発生する。
【0029】
第二には、同じ製品に組付けられる各半製品が同時生産されていないことである。例えば図11に示すように、用紙の水平方向を時間軸とするとき、ある製品は3つの半製品を組付けて形成され、また3つの半製品は製作完了後に組付工程が行われると仮定した場合、図示された3つの半製品の製作完了時刻は同時ではないため、半製品1及び半製品2には、不要な停滞時間が発生する。
【0030】
上記停滞時間を可能な限り取り除くためには、停滞が発生する部位が、どの工程又はどの半製品であるのかを明確にしなければ、製作フローをピンポイントに改善して、全製品の生産リードタイムの短縮効果を実現することはできない。
【0031】
さらに、加工作業時間及び運搬時間の短縮が検討される。手作業を中心とする工程では、作業の標準化が十分でないことが多いため、同一工程の実施であっても、或いは同一の製品や半製品の生産であっても、要する時間はまちまちである。これについては、標準作業を確立することで、工程作業、製品の生産、半製品の生産のピンポイントな改善を実現することができる。例えば図12に示すように、ある工程に対し工程標準作業時間を設定し、その工程の実際の作業時間と当該工程標準作業時間とを比較した時間差を工程遅延時間とすることで、工程遅延時間が長い工程を、改善を要する工程として認識する(例えば工程遅延閾値を設定して判定してもよい)。これにより、全製品の生産リードタイムをより確実に短縮することができる。
【0032】
上記技術的思想に基づき、本発明は、製造業における製品の生産リードタイムの短縮を図るため、現場で収集した工程作業実績情報を用いて、1又は複数の製品の生産リードタイムを分析する生産リードタイム分析方法及びシステムを提供する。
【0033】
次に具体的な実施例を例に挙げて、本発明の生産リードタイム分析方法及びシステムを説明する。
【実施例1】
【0034】
本実施例の生産リードタイム分析システムでは、ある製品PRD01の生産リードタイムに対する分析を行い、当該製品PRD01の各々は、複数の半製品により複数の工程を経て加工されてなり、各半製品はそれぞれ複数の工程を経て加工形成されている。
【0035】
当該生産リードタイム分析システム100の構成は図1に示すように、作業実績情報収集部101、記憶部102、工程分析部103、異常判定部104、及び表示部105を含む。
【0036】
ここで、作業実績情報収集部101は製品PRD01の各々に対し、関係する各工程の作業実績情報を収集する。当該作業実績情報は、例えば図2(a)に示すように、各工程の作業開始時刻及び作業終了時刻を含み、データ源は製造現場でリアルタイムに収集されてもよいし、他のデータベースから導入されてもよい。製品PRD01の各々は、半製品SM00001~SM00010を組付けて加工されてなり、各半製品はそれぞれ複数の工程を経て加工形成され、例えば半製品SM00002は、工程コードL3-DDL-01~L3-DDL-04の4つの工程により加工形成される。一例であるが、図2(b)は、製品PRD01における製品シリアル番号P0000001の製品に組付けられる半製品SM00001~SM00004の、時間に対する説明図を示しており、図2(c)は、半製品SM00002におけるシリアル番号BD9AD01の半製品の加工形成のための4工程の、時間に対するガントチャートを示している。
【0037】
記憶部102は、作業実績情報収集部101で収集された作業実績情報を記憶し、作業実績情報の記憶部102内での記憶形式は図2(a)に限定されることはなく、他の形式であってもよい。
【0038】
工程分析部103は、各工程の作業時間の分析に用いられ、工程作業時間算出部106、工程標準作業時間取得部107、工程遅延時間算出部108、及び工程停滞時間算出部109を含む。
【0039】
ここで、工程作業時間算出部106は、製品PRD01の各々の各工程に対し、図2(a)に示す作業実績情報に基づいて工程作業時間を算出して記憶部102に記憶し、当該工程作業時間とは、当該工程の作業開始時刻と作業終了時刻との時間差、即ち当該工程を完成するための処理時間を意味する。これにより、製品PRD01の各工程はいずれも、対応する工程作業時間が記憶される。
【0040】
工程標準作業時間取得部107は、製品PRD01の各工程に対し、対応する工程標準作業時間を取得して記憶部102に記憶する。ここでの工程標準作業時間の概念は上述の図12に示したように、製品PRD01の各々の当該工程の工程作業時間と比較して、対応する工程遅延時間を決定するためのものである。工程標準作業時間の取得方法の検討では、例えば工程コードL1-ASM-01の工程の工程標準作業時間について、記憶部102に記憶された作業実績情報のうち、製品PRD01の各々の工程L1-ASM-01の工程作業時間に対し、スミルノフ=グラブス検定を用いてその中から異常値を除去するとともに残りのデータの平均をとり、当該平均値を工程L1-ASM-01の工程標準作業時間としてもよい。これにより、製品PRD01の各工程はいずれも工程標準作業時間が対応的に記憶される。
【0041】
工程遅延時間算出部108は、製品PRD01の各々の各工程に対し、当該工程における対応する工程標準作業時間に対する工程作業時間の遅延時間を算出し、当該工程の工程遅延時間として記憶部102に記憶する。これにより、製品PRD01の各々の各工程はいずれも、工程遅延時間が対応的に記憶される。
【0042】
工程停滞時間算出部109は、製品PRD01の各々及び各半製品SM00001~SM00010の加工形成に用いる工程のうち、最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出して記憶部102に記憶する。即ち、工程停滞時間算出部109は、製品PRD01の各々における、各半製品の加工形成に用いる工程のうち最遅の工程及び全製品における最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出して記憶部102に記憶し、ここでの工程停滞時間は、当該工程の作業終了時刻と当該工程の次の工程の作業開始時刻との時間差である。
【0043】
ここで、まず、製品における最遅の工程はそもそも最後の一工程であるため、その工程停滞時間は算出されない。さらに「半製品の加工形成に用いる工程」とは、当該半製品を形成するための各工程を意味し、例えば当該半製品が、複数の別の半製品を組付ければ完成するのであれば、当該半製品の「加工形成に用いる工程のうち最遅の工程」とは即ち、これら別の半製品を相互組付するその組付工程(組付工程が複数であるときは、最遅の一組付工程)を意味する。当該半製品が複数の別の半製品の組付後、さらに若干の工程を経て加工されて完成する場合、或いは複数の別の半製品の組付によって完成されるものではない場合は、当該半製品の「加工形成に用いる工程のうち最遅の工程」とは即ち、当該半製品を生産する複数の工程のうちの最後の一工程を意味する。これにより、製品PRD01の各々における、半製品の加工形成用の最遅の工程及び当該製品における最遅の工程を除く各工程はいずれも、対応する工程停滞時間が記憶される。
【0044】
各工程の工程遅延時間及び工程停滞時間に対し、異常判定部104は、記憶部102に記憶されている予め設定した閾値を用いて判定する。具体的には、異常判定部104は、製品PRD01の各々の各工程のうち、工程遅延時間が予め設定した工程遅延閾値を超えた工程を異常遅延工程であると判定し、かつ製品PRD01の各々の各工程のうち、工程停滞時間が予め設定した工程停滞閾値を超えた工程を異常停滞工程であると判定する。
【0045】
表示部105は、本実施例の生産リードタイム分析システム100における工程分析部103の分析結果を外部に向けて表示する。図3に示すように、一定期間に生産された複数の製品PRD01における各工程の異常遅延率及び異常停滞率を、グラフ形式で表示してもよい。工程の異常遅延率及び異常停滞率はそれぞれ工程異常情報として、図示しない演算部により前記各項データに基づいて演算されて記憶部102に記憶され、ユーザはまた、コンピュータ表示インタフェース上で、当該グラフの様々な部位をクリックすることで、各工程の工程標準作業時間や、ある工程の工程作業時間、及びその他の工程異常情報(例えば各工程の工程遅延時間、各工程の工程停滞時間、異常遅延工程であると判定された工程コード及び他の識別情報、異常停滞工程であると判定された工程コード及び他の識別情報等)を、それぞれ取得することもできる。工程分析部103の分析結果は図3で例示的に示されているが、図示の形式はこれに限定されるものではない。
【0046】
このように、本実施例によれば、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題工程の位置を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【実施例2】
【0047】
本実施例の生産リードタイム分析システム200の構成は図4に示すように、実施例1の生産リードタイム分析システム100と同一の構成のほか、さらに製品分析部201を含み、それは各製品の生産リードタイムの分析に用いられ、製品生産リードタイム算出部202、製品標準生産リードタイム取得部203、及び製品遅延時間算出部204を含む。
【0048】
ここで、製品生産リードタイム算出部202は、製品PRD01の各々(即ち製品番号が同じで製品シリアル番号が異なる製品)に対し、上述した作業実績情報に基づいて製品生産リードタイムを算出して記憶部102に記憶し、この製品生産リードタイムとは、記憶部102に記憶された、作業実績情報収集部101で収集された各工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、当該製品を生産するための処理時間を意味する。これにより、製品PRD01の各々はいずれも、対応する製品生産リードタイムが記憶される。
【0049】
製品標準生産リードタイム取得部203は、製品PRD01に対応する製品標準生産リードタイムを取得して記憶部102に記憶する。ここでの製品標準生産リードタイムの定義は、上述した工程標準作業時間に類似し、製品PRD01の各々の製品生産リードタイムと比較して、対応する製品遅延時間を決定するために用いられる。当該製品標準生産リードタイムの取得方法も前記工程標準作業時間に類似し、例えば記憶部102に記憶されている各製品生産リードタイムにおいて、スミルノフ=グラブス検定を用いて異常値を除去するとともに残りのデータの平均をとり、当該平均値を製品PRD01の製品標準生産リードタイムとしてもよい。これにより、記憶部102内に製品PRD01に対して製品標準生産リードタイムが記憶される。
【0050】
製品遅延時間算出部は、製品PRD01の各々に対し、製品標準生産リードタイムに対する当該製品の製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該製品の製品遅延時間として記憶部102に記憶する。これにより、製品PRD01の各々はいずれも、製品遅延時間が対応的に記憶される。
【0051】
本実施例において、製品PRD01の各々の製品遅延時間に対し、異常判定部104もまた記憶部102に記憶されている予め設定した閾値を用いて判定する。具体的には、異常判定部104は、製品PRD01の各々のうち製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を、異常遅延製品であると判定する。
【0052】
表示部105は、本実施例の生産リードタイム分析システム200における製品分析部201の分析結果を外部に向けて表示する。本実施例の生産リードタイム分析システム200を用いて、一定期間に生産された複数の製品PRD01~PRD10のそれぞれを分析した場合において、図5に示すように、各製品の異常遅延率及び平均遅延日数をグラフ形式で表示してもよい。製品の異常遅延率及び平均遅延日数はそれぞれ製品異常情報として、図示しない演算部により前記各項データに基づいて演算されて記憶部102に記憶され、ユーザはまた、コンピュータ表示インタフェース上で、当該グラフの様々な部位をクリックすることで、各製品の製品標準生産リードタイムや、ある製品の製品生産リードタイム、及びその他の製品異常情報(例えば各製品の製品遅延時間、異常遅延製品であると判定された製品番号及び序列番号等)をそれぞれ取得することもできる。製品分析部201の分析結果は図5において例示的に示されているが、図示の形式はこれに限定されるものではない。
【0053】
これにより、本実施例によれば、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題製品を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【実施例3】
【0054】
本実施例の生産リードタイム分析システム300の構成は、図6に示したように、実施例1の生産リードタイム分析システム100と同一の構成のほか、さらに半製品分析部301を含み、それは各半製品の生産リードタイムの分析に用いられ、半製品生産リードタイム算出部302、半製品標準生産リードタイム取得部303、半製品遅延時間算出部304、及び半製品停滞時間算出部305を含む。
【0055】
ここで、半製品生産リードタイム算出部302は、製品PRD01の各々の各半製品に対し、上述した作業実績情報に基づいて半製品生産リードタイムを算出して記憶部102に記憶し、この半製品生産リードタイムとは、記憶部102に記憶された、当該半製品の加工形成に用いる工程のうち最早の工程の作業開始時刻と最遅の工程の作業終了時刻との時間差である、当該半製品を加工形成するための処理時間を意味する。これにより、各々の半製品はいずれも、半製品生産リードタイムが対応的に記憶される。
【0056】
半製品標準生産リードタイム取得部303は、製品PRD01の各半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムを取得して記憶部102に記憶する。ここでの半製品標準生産リードタイムの定義は、上述した工程標準作業時間に類似し、製品PRD01の各々の該半製品の半製品生産リードタイムと比較して、対応する半製品遅延時間を決定するために用いられる。当該半製品標準生産リードタイムの取得方法も、前記工程標準作業時間に類似し、例えば記憶部102に記憶されている製品PRD01の各々の該半製品の半製品生産リードタイムにおいて、スミルノフ=グラブス検定を用いて異常値を除去するとともに残りのデータの平均をとり、当該平均値を製品PRD01のその半製品の半製品標準生産リードタイムとしてもよい。これにより、記憶部102に製品PRD01のその半製品に対する半製品標準生産リードタイムが記憶される。
【0057】
半製品遅延時間算出部304は、製品PRD01の各々の各半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムに対する当該半製品の半製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該半製品の半製品遅延時間として記憶部102に記憶する。これにより、製品PRD01の各々の半製品はいずれも、対応する半製品遅延時間が記憶される。
【0058】
半製品停滞時間算出部305は、同じ製品に組付けられる複数の半製品の各々に対し、当該半製品の半製品停滞時間を算出し、ここでの半製品停滞時間は、当該半製品の加工形成に用いる工程のうち最遅の工程の作業終了時刻と、当該相互組付に係る工程のうち最早の工程の作業開始時刻との時間差である。
【0059】
ここでの「相互組付」に関して、例えば半製品Cは、半製品Aと半製品Bの組付後に加工形成され、また最終製品は、半製品Cと半製品Dを組付けて形成されるとすれば、半製品A及び半製品Bは「相互組付に用いる2つの半製品」であり、半製品C及び半製品Dは「相互組付に用いる2つの半製品」である。
【0060】
説明を簡略化するため、上記4つの半製品の生産リードタイムの状況を図7に示した。半製品Aは時刻t0から生産を開始し、時刻t1で生産が完了し、半製品Bは時刻t2で生産が完了する。時刻t2からt3の間は、半製品AとBはいずれも停滞している。t3からt4までは半製品Aと半製品Bの組付工程、即ち「半製品Aと半製品Bの相互組付に係る工程」であり、一工程であっても、複数の工程の組み合わせであってもよく、時刻t4で当該組付工程は終了し、組付が完了する。その後、一定時間(時刻t4からt6まで)の加工工程を経て、半製品Cは時刻t6に生産が完了する。半製品Dは時刻t5に生産が完了し、時刻t6からt7の間は、半製品CとDはいずれも停滞している。t7からt8までは半製品Cと半製品Dの組付工程、即ち「半製品Cと半製品Dの相互組付に係る工程」であり、時刻t8で当該組付工程は終了し、組付が完了して、製品が得られる。この例において、上記定義からわかるように、半製品Aの半製品停滞時間は(t3-t1)、半製品Bの半製品停滞時間は(t3-t2)、半製品Cの半製品停滞時間は(t7-t6)、半製品Dの半製品停滞時間は(t7-t5)である。
【0061】
これにより、製品PRD01の各々における各半製品はいずれも、対応する半製品停滞時間が記憶される。
【0062】
本実施例において、製品PRD01の各々の各半製品の半製品遅延時間に対し、異常判定部104も、記憶部102に記憶されている予め設定された閾値を用いて判定する。具体的には、異常判定部104は、製品PRD01の各々における半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定し、製品PRD01の各々における半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定する。
【0063】
表示部105は、本実施例の生産リードタイム分析システム300における半製品分析部301の分析結果を外部に向けて表示する。図8に示したように、一定期間に生産された複数の製品PRD01における各半製品の異常遅延率及び異常停滞率を、グラフ形式で表示してもよい。半製品の異常遅延率及び異常停滞率はそれぞれ半製品異常情報として、図示しない演算部により前記各項データに基づいて演算されて記憶部102に記憶され、ユーザはまた、コンピュータ表示インタフェース上で、当該グラフの様々な部位をクリックすることで、各半製品の半製品標準生産リードタイムや、ある半製品の半製品生産リードタイム、及びその他の半製品異常情報(例えば各半製品の半製品遅延時間、各半製品の半製品停滞時間、異常遅延半製品であると判定された半製品番号及び序列番号、異常停滞半製品であると判定された半製品番号及び序列番号等)をそれぞれ取得することができる。半製品分析部301の分析結果は図8において例示的に示されているが、図示の形式はこれに限定されるものではない。
【0064】
これにより、本実施例によれば、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題半製品を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
【実施例4】
【0065】
本実施例は生産リードタイム分析方法に関し、当該生産リードタイム分析方法のフロー図を図9に示した。
【0066】
当該生産リードタイム分析方法では、ある製品PRD01の生産リードタイムを分析しており、当該製品PRD01の各々は、複数の半製品により複数の工程を経て加工されてなり、各半製品はそれぞれ複数の工程を経て加工形成される。
【0067】
まず、ステップS901において、製品PRD01の各々に対し、関係する各工程の作業実績情報を収集し、当該作業実績情報は工程の作業開始時刻及び作業終了時刻を含むが、具体的な形態は実施例1と同じであるため、その説明は省略する。
【0068】
次に、ステップS902において、製品PRD01の各々の各工程に対し、上記作業実績情報に基づいて工程作業時間を算出し、工程作業時間とは当該工程の作業開始時刻と作業終了時刻との時間差を意味する。
【0069】
次に、ステップS903において、製品PRD01の各工程に対し、対応する工程標準作業時間を取得する。工程標準作業時間の定義に関しては、実施例1と同じであるため、その説明は省略する。
【0070】
次に、ステップS904において、製品PRD01の各々の各工程に対し、対応する工程標準作業時間に対する当該工程の工程作業時間の遅延時間を算出し、当該工程の工程遅延時間とする。工程遅延時間の具体的な定義に関しては、実施例1と同じであるため、その説明は省略する。
【0071】
次に、ステップS905において、製品PRD01の各々における、各半製品の加工形成に用いる工程のうち最遅の工程及び当該製品における最遅の工程を除く各工程に対し、当該工程の工程停滞時間を算出し、工程停滞時間は、当該工程の作業終了時刻と、当該工程の次の工程の作業開始時刻との時間差である。工程停滞時間の具体的な定義に関しては、実施例1と同じであるため、その説明は省略する。
【0072】
次に、ステップS906において、製品PRD01の各々に対し、前記作業実績情報に基づいて製品の生産リードタイムを算出し、当該製品生産リードタイムは、前記作業実績情報収集ステップで収集された各工程のうち最早の工程の作業開始時刻と、最遅の工程の作業終了時刻との時間差である。
【0073】
次に、ステップS907において、製品PRD01に対応する製品標準生産リードタイムを取得し、製品標準生産リードタイムの定義に関しては、実施例2と一致するため、その説明は省略する。
【0074】
次に、ステップS908において、製品PRD01の各々に対し、製品標準生産リードタイムに対する当該製品の製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該製品の製品遅延時間とする。製品遅延時間の具体的な定義に関しては、実施例2と一致するため、その説明は省略する。
【0075】
次に、ステップS909において、製品PRD01の各々の各半製品に対し、作業実績情報に基づいて半製品生産リードタイムを算出し、半製品生産リードタイムは、当該半製品の加工形成に用いる工程のうち最早の工程の作業開始時刻と、最遅の工程の作業終了時刻との時間差である。「加工形成に用いる工程」に関しては、実施例1と一致するため、その説明は省略する。
【0076】
次に、ステップS910において、製品PRD01の各半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムを取得する。半製品標準生産リードタイムの定義に関しては、実施例3と一致するため、その説明は省略する。
【0077】
次に、ステップS911において、製品PRD01の各々の各半製品に対し、対応する半製品標準生産リードタイムに対する当該半製品の半製品生産リードタイムの遅延時間を算出し、当該半製品の半製品遅延時間とする。半製品遅延時間の具体的な定義に関しては、実施例3と一致するため、その説明は省略する。
【0078】
次に、ステップS912において、相互組付に用いる複数の半製品の各々に対し、当該半製品の半製品停滞時間を算出し、半製品停滞時間は、当該半製品の加工形成に用いる工程のうち最遅の工程の作業終了時刻と、相互組付に係る工程のうち最早の工程の作業開始時刻との時間差である。半製品停滞時間の具体的な定義に関しては、実施例3と一致するため、その説明は省略する。
【0079】
次に、ステップS913において、異常判定を行い、具体的には、工程遅延時間が予め設定した工程遅延閾値を超えた工程を異常遅延工程であると判定するとともに、工程停滞時間が予め設定した工程停滞閾値を超えた工程を異常停滞工程であると判定し、製品遅延時間が予め設定した製品遅延閾値を超えた製品を異常遅延製品であると判定し、半製品遅延時間が予め設定した半製品遅延閾値を超えた半製品を異常遅延半製品であると判定するとともに、半製品停滞時間が予め設定した半製品停滞閾値を超えた半製品を異常停滞半製品であると判定する。
【0080】
次に、ステップS914において、表示を行う。具体的には、工程に関連する分析結果、製品に関連する分析結果、及び半製品に関連する分析結果を表示する。具体的な表示内容は実施例1から実施例3と一致するため、その説明は省略する。ここで、フローは終了する。
【0081】
これにより、本実施例によれば、製品の生産リードタイムを短縮するために、インテリジェント、視覚的かつ迅速に、生産リードタイムを長引かせる問題点を特定することで、ピンポイントに措置を講じて不要な待機時間を回避し、製品の生産リードタイムの短縮を図ることができる。
<変形例>
【0082】
以上、本発明の各実施例を図示して説明したが、当業者には明らかなように、本発明は必ずしも説明された全ての構成を備えた各実施例に限定されるわけではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、ある実施例の構成に別の実施例の構成を加えることができ、また、各実施例の構成の一部に対し別の構成の追加、削除、置換を行うことができる。このような変形例について、以下説明する。
【0083】
例えば、生産リードタイム分析システムは、実施例2の製品分析部201と実施例3の半製品分析部301を同時に含んでもよく、また、実施例1の工程分析部103は含まずに、実施例2の製品分析部201又は実施例3の半製品分析部301のみを含んでもよい。
【0084】
さらに、実施例1の工程分析部103において、工程停滞時間算出部109は含まずに、工程遅延時間のみを算出することもでき、同様に、実施例3の半製品分析部301において、半製品停滞時間算出部305は含まずに、半製品遅延時間のみを算出することもできる。
【0085】
さらに、上記の各実施例では、複数の半製品で加工されてなる複数の製品PRD01の分析について説明しているが、製品は1つの半製品のみで加工されていてもよく、この場合、半製品間の相互組付は存在しないため、当該半製品の「加工形成に用いる工程のうち最遅の工程」とは、全製品における最遅の工程となる。さらに、各半製品は、1種の工程のみを経て加工形成されてもよく、また、ある一製品のみに対し分析を行ってもよい。
【0086】
さらに、上記の各実施例において、ある工程の工程標準作業時間は、スミルノフ=グラブス検定を用いて各製品のその工程の複数の工程作業時間から異常値を除去した後、平均をとって算出されているが、当該算出方法はこれに限定されるものではなく、スミルノフ=グラブス検定以外の別のデータ処理方法であってもよい。また、当該工程標準作業時間の取得は、既存データに基づく計算により取得されてもよく、或いは人為的に事前に設定されてもよく、例えば業界標準を用いた工程作業時間を用いることもできる。製品標準生産リードタイム及び半製品標準生産リードタイムについても、上記と同じ理由で、別の計算方法により取得されるか又は事前に設定されてもよい。
【0087】
さらに、実施例4の生産リードタイム分析方法は、工程分析に係るステップS902~S905、製品分析に係るステップS906~S908、及び半製品分析に係るステップS909~S912を含むが、これらの間の実行順序は上記に限定されるものではなく、別の実行順序により順次実行するか又は同時に実行してもよい。また、当該生産リードタイム分析方法は、工程分析に係るステップのみを含む、又は製品分析に係るステップのみを含む、又は半製品分析に係るステップのみを含むとしてもよく、この場合には、ステップS913の異常判定ステップ及びステップS914の表示ステップにおいて、対応するターゲットのみを判定して表示する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12