(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法及び提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/38 20120101AFI20220914BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20220914BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20220914BHJP
【FI】
G06Q20/38 350
G06Q20/06 300
G06Q30/02 320
(21)【出願番号】P 2021140109
(22)【出願日】2021-08-30
【審査請求日】2021-08-30
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古木 哲平
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170358(JP,A)
【文献】特開2016-038695(JP,A)
【文献】登録実用新案第3131085(JP,U)
【文献】特開2007-299104(JP,A)
【文献】普通の会社はやってない 凄い売り方 「売れない時代」とは言わせない,日経ビジネス 第1826号 NIKKEI BUSINESS,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2016年02月01日,040~043
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付部と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付部により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、
前記利用者に付与可能な利益の付与過程に係る情報を閲覧可能な状態に更新したコンテンツであって、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供部と
を有することを特徴とする提供装置。
【請求項2】
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付部と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付部により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供部と
を有し、
前記提供部は、
電子化された所定の被封を備えたコンテンツであって、前記利益情報が示す利益のうち、前記取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態としたコンテンツを前記利用者に提供する
ことを特徴とす
る提供装置。
【請求項3】
利益の取得要求を前記利用者から受け付けた場合は、前記所定の利益の少なくとも一部に該当する利益であって、前記取引情報に基づく範囲に対応する利益を前記利用者に付与する付与部
をさらに有することを特徴とする請求項1
または2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記所定の利益のうち、前記取引情報に基づき前記利用者に付与できない利益を閲覧できない状態として、前記利益情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1から
3のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記所定の利益のうち、前記取引情報に基づき前記利用者に付与可能な利益を閲覧可能な状態として、前記利益情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1から
4のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記所定の利益が付与される条件のうち、前記取引情報により達成していない条件の範囲を閲覧できない状態として、前記利益情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1から
5のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記所定の利益が付与される条件のうち、前記取引情報により達成した条件の範囲
について、前記利用者に付与可能な利益の付与過程に係る情報を閲覧可能な状態
に更新して、前記利益情報を前記利用者に提供する
ことを特徴とする請求項1から
6のうちいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項8】
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付部と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益が付与される条件のうち、前記受付部により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、
前記利用者に付与可能な利益の付与過程に係る情報を閲覧可能な状態に更新したコンテンツであって、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供部と
を有することを特徴とする提供装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する提供方法であって、
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付工程と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付工程により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、
前記利用者に付与可能な利益の付与過程に係る情報を閲覧可能な状態に更新したコンテンツであって、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供工程と
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項10】
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付手順と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付手順により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、
前記利用者に付与可能な利益の付与過程に係る情報を閲覧可能な状態に更新したコンテンツであって、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。
【請求項11】
コンピュータが実行する提供方法であって、
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付工程と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付工程により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供工程と
を含み、
前記提供工程は、
電子化された所定の被封を備えたコンテンツであって、前記利益情報が示す利益のうち、前記取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態としたコンテンツを前記利用者に提供する
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項12】
電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付手順と、
前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付手順により受け付けられた取引情報に基づく範囲を、所定のインタフェースを伴うコンテンツを介して、前記利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ、
前記提供手順は、
電子化された所定の被封を備えたコンテンツであって、前記利益情報が示す利益のうち、前記取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態としたコンテンツを前記利用者に提供する
ことをコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法及び提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の電子決済の利用を促進するための各種のサービスを提供するための技術が知られている。このような技術の一例として、ユーザにキャンペーンを告知し、電子マネー事業に加盟している店舗にユーザが来店して電子マネーで決済を行った場合、決済代金の所定割合分を還元する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与えることができるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、単にキャンペーンを告知しているに過ぎず、利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与えることができるとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与えるできる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提供装置は、電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付部と、前記利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、前記受付部により受け付けられた取引情報に基づく範囲を前記利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与えることできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る決済サーバにより提供されるコンテンツの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る利益情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の提供装置等により実現される提供処理について説明する。
図1は、実施形態に係る提供処理の一例を示す図である。なお、
図1では、本実施形態に係る提供装置の一例である決済サーバ10によって、実施形態に係る提供処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る提供システム1は、決済サーバ10と、端末装置100とを含む。決済サーバ10及び端末装置100は、ネットワークN(例えば、
図3参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した提供システム1には、複数台の決済サーバ10及び複数台の端末装置100が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す決済サーバ10は、実施形態に係る提供処理を実行する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決済サーバ10は、端末装置100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、決済サーバ10は、取引対象の提供者や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0014】
図1に示す端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、端末装置100は、決済サーバ10によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0015】
なお、
図1に示す例では、端末装置100がスマートフォンである場合を示す。また、
図1に示す例では、端末装置100を利用する利用者に応じて、端末装置100を端末装置100-1~100-N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、端末装置100-1は、利用者ID「U1」により識別される利用者(利用者U1)により使用される端末装置100である。また、以下では、端末装置100-1~100-Nについて、特に区別なく説明する場合には、端末装置100と記載する。
【0016】
また、端末装置100は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ10から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、決済サーバ10から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0017】
〔1-1.端末装置100を用いた決済について〕
ここで、決済サーバ10が実行する提供処理に先立ち、端末装置100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、決済サーバ10から配信されるアプリケーションであって、端末装置100を用いる電子決済用のアプリケーション(以下、単に「決済アプリ」と記載する場合がある)が端末装置100にインストールされているものとする。また、以下の説明では、店舗に配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗を識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者U1が端末装置100-1を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の端末装置100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0018】
例えば、利用者U1が店舗にて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者U1は、端末装置100-1に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者U1は、決済アプリを介して、店舗に設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、端末装置100-1は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U1或いは店舗の店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、端末装置100-1は、利用者U1を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。
【0019】
このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗識別情報が示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ10は、決済が完了した旨の通知を端末装置100-1へと送信する。このような場合、端末装置100-1は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0020】
なお、端末装置100-1を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、端末装置100-1を用いた決済は、店舗に設置された店舗端末を用いたものであってもよい。具体的な例を挙げると、端末装置100-1は、利用者U1を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗に設置された店舗端末は、端末装置100-1に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者U1を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗を識別する情報とを示す決済情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗の店舗端末或いは端末装置100-1に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0021】
また、端末装置100-1を用いた決済は、利用者が予め電子マネーをチャージした口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、決済サーバ10は、店舗の口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者U1のクレジットカードの運用会社に対し、決済金額を請求してもよい。
【0022】
また、端末装置100-1を用いた決済は、利用者U1の口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者U1の口座から他の利用者の口座へと電子マネーを移行させる決済(すなわち、利用者間での送金)であってもよい。例えば、送金元の利用者U1が利用する端末装置100-1は、送金先の利用者を識別する利用者識別情報(例えば、送金先の利用者が利用する端末装置に表示される利用者識別情報)を読み取り、利用者U1から送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、利用者U1を識別する利用者識別情報とを示す情報を決済サーバ10へと送信する。このような場合、決済サーバ10は、利用者U1の口座から、送金先の利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、端末装置100-1或いは送金先の利用者が利用する端末装置に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。
【0023】
なお、端末装置100-1を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、端末装置100-1を用いた送金は、送金先の利用者の電話番号や、送金先の利用者を示す情報(例えば、利用者ID)を端末装置100-1に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置100-1は、送金先の利用者の電話番号或いは利用者IDと、送金金額との入力を利用者U1から受け付け、入力された電話番号或いは利用者IDと、送金金額と、利用者U1を識別する利用者識別情報とを決済サーバ10へと送信する。そして、決済サーバ10は、利用者U1の口座から、送信された電話番号或いは利用者IDに紐づけられた利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0024】
ここで、送金先の利用者の電話番号や利用者IDは、当該利用者に関する情報と紐付けて決済アプリに予め登録されていてもよい。この場合、端末装置100-1は、決済アプリに登録された利用者(送金先)の指定と、当該利用者への送金金額の入力とを利用者U1から受け付け、指定された利用者に紐付けられた電話番号或いは利用者IDと、送金金額と、利用者U1を識別する利用者識別情報とを決済サーバ10へと送信する。
【0025】
また、例えば、端末装置100-1を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先の利用者に提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、端末装置100-1は、利用者U1から送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をSNS(Social Networking Service)に投稿したりすることで、送金先の利用者が利用する端末装置にリンク情報を提供する。そして、送金先の利用者がリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、決済サーバ10は、利用者U1の口座から、送金先の利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0026】
なお、上述した決済手段や決済サービスは、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。例えば、上述したように、決済手段や決済サービスは、複数の利用者が有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した決済手段や決済サービスは、利用者や店舗等、電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段や決済サービスは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サーバ10は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0027】
〔1-2.実施形態の概要について〕
ここで、従来、利用者の電子決済の利用を促進するための各種のサービスを提供するための技術として、ユーザにキャンペーンを告知し、電子マネー事業に加盟している店舗にユーザが来店して電子マネーで決済を行った場合、決済代金の所定割合分を還元する技術が知られている。しかしながら、このような技術では、単にキャンペーンを告知しているに過ぎず、利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与えることができるとは限らない。
【0028】
そこで、決済サーバ10は、実施形態に係る提供処理を実行する。以下、
図1を用いて、決済サーバ10が実行する提供処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置100を利用者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を端末装置100-1と読み替えることもできる。
【0029】
また、以下の説明において、決済サーバ10が、電子化されたスクラッチくじに関するキャンペーンを示すコンテンツC11を、利用者U1に決済アプリを介して提供済みであるものとする。例えば、
図1の例において、決済サーバ10は、コンテンツC11に関するキャンペーンにより利用者U1に付与される特典であって、上述の決済アプリを用いた手法により1,000円以上の送金を行うたびに付与される特典の内容を示す情報に替えて、特典の各々に対応するアイコンIC11-IC16を含むコンテンツC11を提供する。言い換えると、決済サーバ10は、キャンペーンにより利用者U1に付与される特典の内容を秘匿したコンテンツC11を提供する。
【0030】
まず、決済サーバ10は、利用者U1から他の利用者への送金に関する送金情報を端末装置100-1から受け付ける(ステップS1)。例えば、決済サーバ10は、上述の決済アプリを用いた手法による送金に関する送金情報を受け付ける。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、利用者U1を識別する利用者IDや、送金金額、送金先の利用者の利用者IDなどの情報を含む送金情報を受け付ける。なお、
図1の例において、利用者U1は、送金先の利用者に対し1,000円以上の送金を行ったものとする。
【0031】
続いて、決済サーバ10は、受け付けた送金情報に基づいて、送金処理を実行する(ステップS2)。例えば、決済サーバ10は、利用者U1の口座から、送金先の利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0032】
続いて、決済サーバ10は、送金先の利用者に対し、送金が行われた旨を通知する(ステップS3)。例えば、決済サーバ10は、送金先の利用者に対し、利用者U1から送金を受け付けたことを示す通知を送信する。
【0033】
続いて、決済サーバ10は、送金情報に基づきコンテンツC11の内容を更新したコンテンツC12を端末装置100-1に提供する(ステップS4)。例えば、決済サーバ10は、コンテンツC11に関するキャンペーンにより利用者U1に付与される特典のうち、送金情報に基づき利用者U1に付与可能な特典を閲覧可能な状態に更新したコンテンツC12を提供する。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、キャンペーンにおける最初の特典として利用者U1に提示される特典#1に対応するアイコンIC11に替えて、特典#1の内容「100円CB(キャッシュバック)」を表示する領域AR11を含むコンテンツC12を提供する。
【0034】
ここで、利用者U1が、決済アプリを用いて他の利用者に対し1,000円以上の送金を新たに行ったものとする。この場合、決済サーバ10は、新たに行われた送金に関する送金情報に基づきコンテンツC12の内容を更新したコンテンツC13を端末装置100-1に提供する。例えば、決済サーバ10は、キャンペーンにおいて特典#1の次に利用者U1に提示される特典#2に対応するアイコンIC12に替えて、特典#2の内容「+300円CB」を表示する領域AR12を含むコンテンツC13を提供する。言い換えると、決済サーバ10は、特典#1よりもより高額な特典が設定された特典#2の内容を表示するコンテンツC13を提供する。
【0035】
続いて、決済サーバ10は、特典の取得要求に応じて特典を利用者U1に付与する(ステップS5)。例えば、決済サーバ10は、コンテンツC12及びC13にそれぞれ含まれるボタンBT11を利用者U1が押下した場合に、各コンテンツが示す特典を利用者U1に付与する。
【0036】
具体的な例を挙げると、利用者U1がコンテンツC12に含まれるボタンBT11を押下した場合、決済サーバ10は、コンテンツC12において閲覧可能に表示された特典#1が示す100円分の電子マネーを利用者U1に付与し、利用者U1に対するキャンペーンの提供を終了する。言い換えると、コンテンツC12に含まれるボタンBT11を押下した場合、決済サーバ10は、その後利用者U1が1,000円以上の送金を行ってもアイコンIC12-IC16に対応する特典を付与しない。
【0037】
また、利用者U1がコンテンツC13に含まれるボタンBT11を押下した場合、決済サーバ10は、コンテンツC13において閲覧可能に表示された特典#1及び#2に基づく金額である400円(特典#1が示す「100円」+特典#2が示す「300円」)分の電子マネーを利用者U1に付与し、利用者U1に対するキャンペーンの提供を終了する。
【0038】
なお、決済サーバ10は、特典の取得要求を受け付けた後、再度コンテンツC11を提供し、上述の処理を行ってもよい。
【0039】
また、決済サーバ10が提供するキャンペーンに関するコンテンツは、特典の内容を秘匿するコンテンツに限定されない。ここで、
図2を用いて、決済サーバ10が端末装置100-1に提供するコンテンツの例を説明する。
図2は、実施形態に係る決済サーバにより提供されるコンテンツの一例を示す図である。なお、
図2に示す例では、決済サーバ10が、利用者U1が決済アプリを用いて行った送金の回数に応じて特典を付与するキャンペーンに関するコンテンツを提供するものとする。
【0040】
まず、決済サーバ10は、キャンペーンの初期状態を示すコンテンツC21を提供する。例えば、決済サーバ10は、利用者U1が行った送金の回数に応じた位置に表示されるアイコンIC21と、初期状態においてアイコンIC21が表示される位置(スタート位置)P21と、送金の回数が所定の条件を満たした場合のアイコンIC21の移動先である位置P22-P29とを含むコンテンツC21を提供する。具体的な例を挙げると、決済サーバ10は、位置P23、P25、P27及びP29において、各位置に対応する条件を満たした場合に利用者U1に提供される特典の内容を表示する。
【0041】
ここで、コンテンツC21が提供された後、利用者U1が決済アプリを用いた送金を3回行ったものとする。この場合、決済サーバ10は、利用者U1が行った送金の回数に基づき、コンテンツC21が示す表示内容が更新されたコンテンツC22を提供する。例えば、決済サーバ10は、条件として「送金の回数:3回」が設定された位置P22にアイコンIC21を表示させ、位置P22について設定された条件を表示する領域AR21さらに表示するコンテンツC22を提供する。言い換えると、決済サーバ10は、位置P22-P29に対応する条件を秘匿し、条件を満たした場合に条件を閲覧可能な状態としたコンテンツを提供する。
【0042】
次に、コンテンツC22が提供された後、利用者U1が決済アプリを用いて2回(言い換えると、コンテンツC21が提供された後に5回の送金)を行ったものとする。この場合、決済サーバ10は、利用者U1が行った送金の回数に基づき、コンテンツC22が示す表示内容が更新されたコンテンツC23を提供する。例えば、決済サーバ10は、条件として「送金の回数:5回」が設定された位置P23にアイコンIC21を表示させ、位置P23について設定された条件を表示する領域AR22と、利用者U1が特典の取得要求を指示するためのボタンBT21とをさらに表示するコンテンツC23を提供する。ここで、ボタンBT21が押下された場合、決済サーバ10は、位置P23に対応する特典が示す1,000円分の電子マネーを利用者U1に付与し、利用者U1に対するキャンペーンの提供を終了する。
【0043】
なお、決済サーバ10は、
図1に示すコンテンツと、
図2に示すコンテンツとを、同時並行的に提供してもよく、いずれか一方のみを提供してもよい。
【0044】
以上のように、実施形態に係る決済サーバ10は、キャンペーンにおいて付与される特典の内容を秘匿したコンテンツを提供し、利用者の送金に応じて特典の内容を閲覧可能に更新したコンテンツを提供する。これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、特典の内容を秘匿することにより、利用者が秘匿されている内容ついて大きな期待を寄せ、秘匿されている内容を閲覧するために送金を行う、といった動機付けを行うことができる。すなわち、実施形態に係る決済サーバ10は、利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与えることできる。
【0045】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、
図3を用いて、決済サーバ10の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
図3に示すように、決済サーバ10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0046】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0047】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図3に示すように、記憶部30は、口座データベース31と、利益情報データベース32と、利用者情報データベース33とを有する。
【0048】
(口座データベース31について)
口座データベース31は、電子決済サービスの利用者の口座に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、口座データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る口座データベースの一例を示す図である。
図4の例において、口座データベース31は、「口座ID」、「所有者情報」、「口座残高」といった項目を有する。
【0049】
「口座ID」は、口座を識別するための識別情報を示す。「所有者情報」は、口座を所有する所有者(利用者)に関する情報を示し、例えば、所有者を識別するための識別情報(識別子)が格納される。「口座残高」は、利用者が所有する口座の残高を示す。
【0050】
すなわち、
図4では、口座ID「AID#1」によって識別される口座の所有者の情報が「利用者#1」であり、口座残高が「7800」である例を示す。
【0051】
(利益情報データベース32について)
利益情報データベース32は、利用者に付与される利益に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図5を用いて、利益情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る利益情報データベースの一例を示す図である。
図5の例において、利益情報データベース32は、「キャンペーンID」、「付与条件」、「利益内容」といった項目を有する。
【0052】
「キャンペーンID」は、キャンペーンを識別するための識別情報を示す。「付与条件」は、利益を利用者に付与する条件を示す。「利益内容」は、利用者に付与される利益の内容を示す。
【0053】
すなわち、
図5では、キャンペーンID「CID#1」によって識別されるキャンペーンの付与条件が「付与条件#1」であり、利益の内容が「利益内容#1」である例を示す。
【0054】
(利用者情報データベース33について)
利用者情報データベース33は、電子決済サービスの利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、利用者情報データベース33が記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図6の例において、利用者情報データベース33は、「利用者ID」、「決済履歴」、「送金履歴」、「キャンペーン利用状況」といった項目を有する。
【0055】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「決済履歴」は、電子決済サービスを利用して行った決済の履歴を示し、例えば、決済先を識別する識別情報(例えば、店舗ID)や、決済金額などといった情報が格納される。「送金履歴」は、電子決済サービスを利用して行った送金の履歴を示し、例えば、送金先を識別する識別情報(例えば、利用者ID)や、送金金額などといった情報が格納される。「キャンペーン利用状況」は、利用者のキャンペーンの利用状況を示し、「キャンペーンID」、「利用状況」といった項目を有する。
【0056】
「キャンペーンID」は、キャンペーンを識別するための識別情報を示す。「利用状況」は、キャンペーンの利用状況を示し、例えば、キャンペーンにおいて利用者に付与済みの利益や、利用者が満たした条件などといった情報が格納される。
【0057】
すなわち、
図6では、利用者ID「UID#1」によって識別される利用者の決済履歴が「決済履歴#1」、送金履歴が「送金履歴#1」、キャンペーンID「CID#1」により識別されるキャンペーンの利用状況が「利用状況#1」である例を示す。
【0058】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決済サーバ10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図3に示すように、受付部41と、決済処理部42と、提供部43と、付与部44とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0059】
(受付部41について)
受付部41は、利用者から取引対象の提供者(店舗等)に対する決済に関する決済情報を受け付ける。例えば、受付部41は、利用者を識別する利用者識別情報と、決済アプリを介して撮影された店舗識別情報と、利用者或いは店舗の店員から入力された決済金額とを示す決済情報を端末装置100から受け付ける。
【0060】
なお、受付部41は、取引対象の提供者が利用する端末装置から決済情報を受け付けてもよい。例えば、受付部41は、端末装置100に表示された、利用者を識別するための利用者識別情報を、店舗端末が読み取ることで決済が行われた場合、当該決済を示す決済情報を店舗端末から受け付ける。
【0061】
また、受付部41は、電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、利用者U1を識別する利用者IDや、送金金額、送金先の利用者の利用者IDなどの情報を含む送金情報を端末装置100-1から受け付ける。
【0062】
また、受付部41は、取引の内容を示す取引情報を受け付けてもよい。例えば、
図1の例において、受付部41は、送金金額や、送金先の利用者の利用者IDなどの情報を示す送金情報を受け付ける。
【0063】
(決済処理部42について)
決済処理部42は、受付部41が受け付けた決済情報に従い、決済処理を実行する。例えば、決済処理部42は、利用者識別情報が示す利用者の口座から、店舗識別情報が示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0064】
なお、決済処理部42は、受付部41が受け付けた送金情報に従い、送金処理を実行してもよい。例えば、
図1の例において、決済処理部42は、送金情報に基づいて、利用者U1の口座から、送金先の利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0065】
(提供部43について)
提供部43は、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、受付部41により受け付けられた取引情報に基づく範囲を利用者に提供する。ここで、本願における「送金情報に基づく範囲」とは、利益情報(
図1及び
図2に示すコンテンツ)において秘匿されている情報のうち、送金情報に基づき利用者が閲覧可能となる情報を示す。例えば、
図1の例において、提供部43は、利益情報データベース32及び利用者情報データベース33を参照し、キャンペーンにより利用者U1に付与される特典であって、利用者U1に対して内容が秘匿された特典(アイコンIC11-IC16に対応する特典)のうち、送金情報に基づき利用者U1に付与可能な特典#1の内容を閲覧可能に表示(アイコンIC11に替えて領域AR11を表示)するコンテンツC12を提供する。
【0066】
また、提供部43は、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益が付与される条件のうち、受付部41により受け付けられた取引情報に基づく範囲を利用者に提供してもよい。例えば、
図2の例において、提供部43は、利用者U1に対して内容が秘匿された条件(位置P22-P29に対応する条件)のうち、利用者U1が満たした条件の内容を閲覧可能に表示(位置P22に対して設定された条件を示す領域AR21を表示)するコンテンツC22を提供する。
【0067】
また、提供部43は、利用者に付与される複数の利益のそれぞれが付与される条件のうち、取引情報が示す取引の内容が満たした条件を利用者に提供してもよい。例えば、
図2の例において、提供部43は、利用者U1に対して内容が秘匿された条件のうち、利用者U1の送金情報が示す送金の内容が満たした条件の内容を示すコンテンツC22を提供する。
【0068】
また、提供部43は、取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態として、利益情報を利用者に提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、コンテンツC11に関するキャンペーンにより利用者U1に付与される特典であって、利用者U1に対して内容が秘匿された特典のうち、送金情報に基づき利用者U1に付与可能な特典#1の内容を閲覧可能に表示し、当該キャンペーンにおいて利用者に付与される他の特典(アイコンIC12-IC16に対応する特典)の内容を秘匿した状態のコンテンツC12を提供する。また、
図2の例において、提供部43は、位置P22-P29に対応する条件のうち、利用者U1が満たした条件の内容を閲覧可能に表示(位置P22に対応する条件の内容を示す領域AR21を表示)し、位置P23-P29に対応する条件の内容を秘匿した状態のコンテンツC22を提供する。
【0069】
また、提供部43は、電子的化されたスクラッチくじを示すコンテンツであって、利益情報のうち、取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態としたコンテンツを利用者に提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、電子化されたスクラッチくじに関するキャンペーンにより利用者U1に付与される特典のうち、送金情報に基づき利用者U1に付与可能な特典を閲覧可能な状態に更新したコンテンツC12を提供する。
【0070】
また、提供部43は、所定の利益のうち、取引情報に基づき利用者に付与できない利益を閲覧できない状態として、利益情報を利用者に提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、キャンペーンにより利用者U1に付与される特典のうち、送金情報に基づき利用者U1に付与できない特典を閲覧できない状態としたコンテンツを提供する。
【0071】
また、提供部43は、所定の利益のうち、取引情報に基づき利用者に付与可能な利益を閲覧可能な状態として、利益情報を利用者に提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、キャンペーンにより利用者U1に付与される特典のうち、送金情報に基づき利用者U1に付与可能な特典を閲覧可能な状態に更新したコンテンツC12を提供する。
【0072】
また、提供部43は、所定の利益が付与される条件のうち、取引情報により達成していない条件の範囲を閲覧できない状態として、利益情報を利用者に提供してもよい。例えば、
図2の例において、提供部43は、送金情報により達成していない条件を閲覧できない状態としたコンテンツを提供する。
【0073】
また、提供部43は、所定の利益が付与される条件のうち、取引情報により達成した条件の範囲を閲覧可能な状態として、利益情報を利用者に提供してもよい。例えば、
図2の例において、利用者U1が決済アプリを用いた送金を5回行った場合、提供部43は、条件として「送金の回数:5回」が設定された位置P23にアイコンIC21を表示させ、位置P23について設定された条件を表示する領域AR22を表示するコンテンツC23を提供する。
【0074】
(付与部44について)
付与部44は、利益の取得要求を利用者から受け付けた場合は、所定の利益の少なくとも一部に該当する利益であって、取引情報に基づく範囲に対応する利益を利用者に付与する。例えば、
図1の例において、利用者U1がコンテンツC12に含まれるボタンBT11を押下した場合、付与部44は、コンテンツC12において閲覧可能に表示された特典#1が示す100円分の電子マネーを利用者U1に付与する。また、利用者U1がコンテンツC13に含まれるボタンBT11を押下した場合、付与部44は、コンテンツC13において閲覧可能に表示された特典#1及び#2に基づく金額である400円分の電子マネーを利用者U1に付与する。
【0075】
〔3.提供処理のフロー〕
図7を用いて、実施形態に係る決済サーバ10の提供処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0076】
図7に示すように、決済サーバ10は、送金情報を受け付ける(ステップS101)。続いて、決済サーバ10は、利益情報が示す利益のうち、送金情報に基づく範囲を利用者に提供する(ステップS102)。続いて、決済サーバ10は、利益の取得要求を利用者から受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。取得要求を受け付けていない場合(ステップS103;No)、決済サーバ10は、処理を終了する。
【0077】
一方、取得要求を受け付けた場合(ステップS103;Yes)、決済サーバ10は、送金情報に基づく範囲に対応する利益を付与し(ステップS104)、処理を終了する。
【0078】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0079】
〔4-1.決済サーバ10による提供処理について〕
上述の実施形態において、決済サーバ10が、送金情報を利用者から受け付け、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、送金情報に基づく範囲を利用者に提供する例を示したが、決済サーバ10による提供処理はこのような例に限定されない。例えば、決済サーバ10は、決済情報を利用者から受け付け、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、決済情報に基づく範囲を利用者に提供してもよい。すなわち、決済サーバ10は、決済や送金等といった電子マネーの取引に関する取引情報が生じると、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、取引情報に基づく範囲を利用者に提供する。
【0080】
〔4-2.コンテンツについて〕
上述の実施形態において、提供部43が、電子化されたスクラッチくじに関するコンテンツであって、利用者に付与される特典の内容を秘匿したコンテンツ(
図1に示すコンテンツ)や、特典を付与する条件を秘匿したコンテンツ(
図2に示すコンテンツ)を提供する例を示したが、提供部43が提供するコンテンツはこのような例に限定されない。例えば、提供部43は、電子化されたスクラッチくじに関するコンテンツであって、特典の内容を閲覧可能とし、特典を付与する条件を秘匿したコンテンツを提供してもよい。また、提供部43は、
図2に示す例において、利用者に付与される特典の内容を秘匿し、特典を付与する条件を閲覧可能としたコンテンツを提供してもよい。また、提供部43は、特典の内容、並びに、特典を付与する条件を秘匿したコンテンツを提供してもよい。
【0081】
また、提供部43が提供するコンテンツの態様は
図1及び
図2に示す例に限定されず、任意の態様のコンテンツを利用者に提供してよい。
【0082】
〔4-3.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0083】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0084】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0085】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ10は、受付部41と、決済処理部42と、提供部43と、付与部44とを有する。受付部41は、電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける。また、受付部41は、取引の内容を示す取引情報を受け付ける。決済処理部42は、受付部41が受け付けた取引情報に従い、送金処理を実行する。提供部43は、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、受付部41により受け付けられた取引情報に基づく範囲を利用者に提供する。提供部43は、取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態として、利益情報を利用者に提供する。また、提供部43は、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益が付与される条件のうち、受付部41により受け付けられた取引情報に基づく範囲を利用者に提供する。また、提供部43は、利用者に付与される複数の利益のそれぞれが付与される条件のうち、取引情報が示す取引の内容が満たした条件を利用者に提供する。また、提供部43は、電子的化されたスクラッチくじを示すコンテンツであって、利益情報のうち、取引情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態としたコンテンツを利用者に提供する。付与部44は、利益の取得要求を利用者から受け付けた場合は、所定の利益の少なくとも一部に該当する利益であって、取引情報に基づく範囲に対応する利益を利用者に付与する。
【0086】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、利益情報の内容を秘匿することにより、利用者が秘匿されている内容ついて大きな期待を寄せ、秘匿されている内容を閲覧するために送金を行う、といった動機付けを行うことができる。
【0087】
また、実施形態に係る決済サーバ10において、例えば、提供部43は、所定の利益のうち、取引情報に基づき利用者に付与できない利益を閲覧できない状態として、利益情報を利用者に提供する。また、提供部43は、所定の利益のうち、取引情報に基づき利用者に付与可能な利益を閲覧可能な状態として、利益情報を利用者に提供する。また、提供部43は、所定の利益が付与される条件のうち、取引情報により達成していない条件の範囲を閲覧できない状態として、利益情報を利用者に提供する。また、提供部43は、所定の利益が付与される条件のうち、取引情報により達成した条件の範囲を閲覧可能な状態として、利益情報を利用者に提供する。
【0088】
これにより、実施形態に係る決済サーバ10は、取引情報に基づき、秘匿していた利益情報の内容を利用者が閲覧できる状態とすることができるため、秘匿されている内容を閲覧するために送金を行う、といった動機付けを利用者に対して行うことができる。
【0089】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決済サーバ10は、例えば、
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決済サーバ10を例に挙げて説明する。
図8は、決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0090】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0091】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0092】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0093】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0094】
例えば、コンピュータ1000が決済サーバ10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、決済サーバ10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0095】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0096】
また、上述した決済サーバ10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0097】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0098】
10 決済サーバ
20 通信部
30 記憶部
31 口座データベース
32 利益情報データベース
33 利用者情報データベース
40 制御部
41 受付部
42 決済処理部
43 提供部
44 付与部
100 端末装置
【要約】 (修正有)
【課題】利益が得られるまで電子決済を利用する動機付けを利用者に与える、提供装置、提供方法及び提供プログラムを提供する。
【解決手段】決済サーバ及び複数の端末装置が、ネットワークを介して有線又は無線により相互に通信可能に接続される提供システムにおいて、提供装置である決済サーバは、電子マネーのやり取りを制御する所定の取引手段を用いて利用者が行う電子マネーの取引に関する取引情報を受け付ける受付部と、利用者に付与される所定の利益に関する利益情報が示す利益のうち、受付部により受け付けられた取引情報に基づく範囲を前記利用者に提供(例えば、電子的化されたスクラッチくじを示すコンテンツであって、利益情報のうち、送金情報に基づく範囲を閲覧可能な状態とし、他の部分を閲覧できない状態としたコンテンツを提供)する提供部と、を有する。
【選択図】
図3