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特許7141534三次元プリントのための精密光学アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-13
(45)【発行日】2022-09-22
(54)【発明の名称】三次元プリントのための精密光学アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/25 20170101AFI20220914BHJP
   B29C 64/129 20170101ALI20220914BHJP
   B29C 64/264 20170101ALI20220914BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220914BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220914BHJP
【FI】
B29C64/25
B29C64/129
B29C64/264
B33Y30/00
B33Y50/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021529303
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 US2019063926
(87)【国際公開番号】W WO2020123168
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-07-12
(31)【優先権主張番号】62/779,755
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597013711
【氏名又は名称】スリーディー システムズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】サボ,デヴィッド
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/112653(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107097419(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元プリンタであって、
上向きのフランジ表面を有する横方向に伸長するフランジを含む投影レンズモジュールを含むプロジェクタ;
前記上向きのフランジ表面と対向関係にある下向きの表面を有する適応支持装置;
樹脂を含有するよう構成され、以下:
前記樹脂内の構築平面に近接して樹脂についての下限を画定する透明シート;および
下向きの表面
を含む、樹脂支持装置;および
前記適応支持装置の上向きの表面を前記樹脂支持装置の前記下向きの表面に連結する、複数の垂直支柱
を備え、
前記プロジェクタが、前記投影レンズモジュールの下部を受け取る上側ハウジングを含み、前記適応支持装置が、前記上側ハウジングに連結されることを特徴とする
三次元プリンタ。
【請求項2】
前記適応支持装置が、
該適応支持装置の下向きの表面を画定するインターフェースプレート;および
該インターフェースプレートの前記下向きの表面に連結される上向きの表面を有する横出しアダプタ
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の三次元プリンタ。
【請求項3】
前記上向きのフランジ表面と前記適応支持装置の前記下向きの表面との間に固定されたスペーサーリングをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の三次元プリンタ。
【請求項4】
前記樹脂支持装置が、
前記樹脂を含有し前記透明シートを含むための樹脂容器;および
前記樹脂容器を支持し、前記樹脂支持装置の前記下向きの表面を画定する支持プレート
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の三次元プリンタ。
【請求項5】
前記透明シートが、柔軟なポリマーシートであり、前記支持プレートが、前記透明シートに作用して引張り、それによって前記構築平面の垂直位置を決定する、上方に伸長するリッジを含むことを特徴とする、請求項4に記載の三次元プリンタ。
【請求項6】
主垂直サポートをさらに含み、樹脂支持装置が前記主垂直サポートに直接連結されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の三次元プリンタ。
【請求項7】
前記樹脂支持装置の上方で支持トレーを支持するための電動サポートをさらに含み、前記支持トレーが、三次元物体を支持するための下面を有することを特徴とする、請求項6に記載の三次元プリンタ。
【請求項8】
前記プロジェクタおよび前記電動サポートを制御して、層ごとの態様で前記三次元物体を製造するよう構成されるコントローラをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の三次元プリンタ。
【請求項9】
三次元プリンタであって、
垂直サポート;
前記垂直サポートに連結され、下側に透明シートを有する樹脂容器を支持するための、支持プレート;
前記支持プレートから下方に伸長する複数の支柱;
前記複数の支柱の下端に連結される、適応支持装置;
上側ハウジングおよび投影レンズモジュールを含む光エンジンであって、前記適応支持装置が、前記上側ハウジングに連結され、前記投影レンズモジュールに固定される、光エンジン;
前記樹脂容器の上方の支持トレーを支持するための電動サポートであって、前記垂直サポートに沿って垂直に移動するよう構成される、電動サポート;および
前記光エンジンおよび前記電動サポートを動作し、前記支持トレーの下面上に一連の樹脂の層を選択的に硬化することによって三次元物体を製造するよう構成される、コントローラ
を含む、三次元プリンタ。
【請求項10】
前記投影レンズモジュールが、側方に伸長するフランジを有し、前記適応支持装置が、前記フランジと対向関係にある下向きの表面を有することを特徴とする、請求項9に記載の三次元プリンタ。
【請求項11】
前記投影レンズモジュールが、前記フランジから上方に伸長する上部および前記フランジから下方に伸長する下部を有することを特徴とする、請求項10に記載の三次元プリンタ。
【請求項12】
前記上側ハウジングが開口を画定し、前記投影レンズモジュールの前記下部が前記開口中に伸長し、前記フランジが前記開口の上方にあることを特徴とする、請求項11に記載の三次元プリンタ。
【請求項13】
前記適応支持装置が、適応支持装置の下向きの表面を画定するインターフェースプレートを含み、該インターフェースプレートが、前記上側ハウジングに連結されることを特徴とする、請求項12に記載の三次元プリンタ。
【請求項14】
前記インターフェースプレートと前記フランジとの間に圧縮して挟まれた1つまたは複数のスペーサーリングをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の三次元プリンタ。
【請求項15】
前記適応支持装置が、上向きの表面を画定する横出しアダプタを含み、前記上向きの表面が、前記支柱および前記インターフェースプレートに連結されることを特徴とする、請求項13に記載の三次元プリンタ。
【請求項16】
前記フランジと前記適応支持装置との間に1つまたは複数のスペーサーリングをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の三次元プリンタ。
【請求項17】
前記適応支持装置が、前記フランジに対して直接押圧されることを特徴とする、請求項10に記載の三次元プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この非仮特許出願は、U.S.C.119(e)の下でここに参照することによって援用される、2018年12月14日出願のDavid Saboによる「PRECISION OPTICAL ASSEMBLY FOR THREE DIMENSIONAL PRINTING」と題された米国仮特許出願第62/779,755号に対する優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、放射線硬化(光硬化)樹脂から製造対象の固体三次元(3D)物体を作製する装置および方法に関する。より詳細には、本開示は、光路の変動を低減することにより製造対象の三次元(3D)物体の作製精度を改良する。
【背景技術】
【0003】
三次元(3D)プリンタは、使用が急速に増加している。3Dプリンタの1つの種類には、放射線硬化(光硬化)液体樹脂の選択的硬化および固化を含むオペレーションの原則を有するステレオリソグラフィプリンタが含まれる。一般的なステレオリソグラフィシステムには、光硬化樹脂を保持する樹脂容器、支持表面に連結される移動機構、およびコントロール可能な光エンジンが含まれる。ステレオリソグラフィシステムは、光硬化樹脂の層を選択的に硬化することにより製造対象の三次元(3D)物体を形成する。それぞれの選択的に硬化された層は、樹脂内の「構築平面」に形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステレオリソグラフィシステムにおける1つの課題は、光エンジンから構築平面までの光路の機械的変動である。この変動によって、「台形ひずみ(keystone distortion)」およびスケーリングを含むエラーが生じる。台形ひずみは、光路の精確な軌道の維持が困難であることの結果である。スケーリングエラーは、光エンジン自体および光エンジン光学素子から構築平面までの距離の制御における変動から生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様において、三次元プリンタは、プロジェクタ、適応支持装置、樹脂支持装置、および複数の垂直支柱を含む。プロジェクタは、プロジェクタから構築平面上に画像を投影するための一連のレンズを含む、光学的ハウジングを含む投影レンズモジュールを含む。投影レンズモジュールは、上向きのフランジ表面を有する側方に伸長するフランジを含む。適応支持装置は、上向きのフランジ表面と対向関係にある下向きの表面を含む。樹脂支持装置は、樹脂を含有するように構成され、透明シートおよび下向きの表面を含む。透明シートは、構築平面に近接する樹脂のための下限を定める。構築平面において、三次元物体の層ごとの形成中に樹脂が硬化される。複数の垂直支柱は、適応支持装置の上向きの表面を樹脂支持装置の下向きの表面に連結する。
【0006】
1つの実装形態において、プロジェクタは、投影レンズモジュールの下部を受容する開口を有する上側ハウジングを含む。適応支持装置は、上側ハウジングに連結される。
【0007】
別の実装形態において、適応支持装置は、インターフェースプレートおよび横出し(lateral)アダプタを含む。インターフェースプレートは、適応支持装置の下向きの表面を画定する。横出しアダプタは、インターフェースプレートの下向きの表面に連結される上向きの表面を有する。
【0008】
さらに別の実装形態において、プリンタは、上向きのフランジ表面と適応装置の下向きの表面との間に固定されたスペーサーリングを含む。このようにして、適応支持装置は、投影レンズモジュールを機械的に基準とする。スペーサーリングは、同じまたは様々の厚さの1つまたは複数のスペーサーリングを含んでもよい。
【0009】
さらなる実装形態において、樹脂支持装置は、樹脂容器および支持プレートを含む。樹脂容器は、樹脂を含有するためのものであり、透明シートを含む。支持プレートは、樹脂容器を支持し、樹脂支持装置の下向きの表面を画定する。透明シートは、硬いまたは柔軟なシートあるいは柔軟なポリマーシートでもよい。支持プレートは、上方に伸長するリッジを含んでもよく、リッジは、透明シートに作用して引張り、それによって構築平面の垂直位置を決定する。いくつかの代替的な実装形態において、リッジは樹脂容器に組み込まれてもよい。
【0010】
さらなる実装形態において、プリンタは、主垂直サポートを含む。樹脂支持装置は、主垂直サポートに直接連結される。
【0011】
本開示の第2の態様において、三次元プリンタは、垂直サポート、支持プレート、複数の支柱、光エンジン、電動サポート、およびコントローラを含む。支持プレートは、垂直サポートに連結される。支持プレートは、下側で透明シートを有する樹脂容器を支持するためのものである。複数の支柱は、支持プレートから下方に伸長する。適応支持装置は、支柱の下端に連結される。光エンジンは、上側ハウジングおよび投影レンズモジュールを含む。適応支持装置は、上側ハウジングに連結され、投影レンズモジュールを機械的に基準とする。電動サポートは、樹脂容器の上方の支持トレーを支持するためのものである。電動サポートは、垂直サポートに沿って垂直に移動するよう構成される。コントローラは、光エンジンおよび電動サポートを動作し、支持トレーの下面上に一連の樹脂の層を選択的に硬化することによって三次元物体を製造するよう構成される。
【0012】
1つの実装形態において、投影レンズモジュールは、側方に伸長するフランジを有する。適応アセンブリは、フランジと対向関係にある下向きの表面を有する。投影レンズモジュールは、フランジから上方に伸長する上部およびフランジから下方に伸長する下部を有する。上側ハウジングは、開口を画定する。投影レンズモジュールの下部は、開口中に伸長する。フランジは、開口の上にある。
【0013】
別の実装形態において、適応支持装置は、適応アセンブリの下向きの表面を画定するインターフェースプレートを含む。インターフェースプレートは、上側ハウジングに連結される。適応サポートは、上向きの表面を画定する横出しアダプタを含む。上向きの表面は、支柱およびインターフェースプレートに連結される。
【0014】
さらに別の実装形態において、投影レンズモジュールは、側方に伸長するフランジを有する。適応アセンブリは、フランジと対向関係にある下向きの表面を有する。プリンタはさらに、フランジと適応アセンブリとの間に1つまたは複数のスペーサーリングを含む。
【0015】
さらなる実装形態において、投影レンズモジュールは、側方に伸長するフランジを有する。適応アセンブリは、フランジと対向関係にありフランジを直接押圧する下向きの表面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】三次元プリントシステムの一実施形態の概略ブロック図
図2】三次元プリントシステムの一実施形態の機械的態様を示す等角図
図3】樹脂容器のある実施形態の平面図
図4】樹脂容器および樹脂容器を支持する支持プレートの部分を通る断面を示す図
図5図2からのシステムの一部の側面図
図6】三次元プリントシステムの一部の詳細を示す等角図
図7】光エンジンの上部におけるアセンブリを示す拡大等角図
図8】光エンジンの上部に取り付けられたインターフェースプレートの側面図
図9】インターフェースプレートに連結寸前の横出しアダプタを示す等角図であり、インターフェースプレートに連結された光エンジンの上部および横出しアダプタに連結された支柱も示される図
図10】三次元プリントシステムの部分を組み立てるための方法の一実施形態のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、三次元プリントシステム2の一実施形態の概略ブロック図である。システム2の図示において、相互に直交する軸X、YおよびZが様々の見方で使用される。軸XおよびYは、概して水平な横軸である。軸Zは、重力参照(gravitational reference)と概して位置合わせされる垂直軸である。上に向かうのが+Z方向であり、下に向かうのが-Z方向である。上面は概して上向きであり、下面は概して下向きである。「概して」上向きまたは下向きとは、表面が、特定の方向に正確には向かないが全体的な表面がそれぞれ上面または底面である凹凸部または凹状部を有しうることを意味する。
【0018】
垂直サポート4は、樹脂支持装置6に連結される。樹脂支持装置6は、垂直サポート4に連結される支持プレート8を含む。支持プレート8は、光硬化樹脂12を含有する樹脂容器10を支持する。樹脂容器10は、下底に透明シート14を含み、透明シート14は、樹脂容器10に含有される樹脂12についての下限を定める。
【0019】
複数の支柱18が、支持プレート8の下向きの表面16から下方に伸長する。支柱18は、支持プレート8から所定の距離で光エンジン20を支持する。光エンジン20は、透明シート14を通して光を上方に投影し、三次元物体28の下面34に近接する構築平面32を画定する。
【0020】
支持トレー22は、電動サポート24に連結される。支持トレー22は、システム2によって製造中の三次元物体28を支持する下面26を有する。コントローラ30は、光エンジン20および電動サポート24にコントロール可能に連結される。
【0021】
コントローラ30は、プロセッサおよび情報記憶装置を含んでいる。情報記憶装置は、ソフトウェア命令を記憶する非一時的なまたは不揮発性の記憶装置を含んでいる。プロセッサにより実行されると、ソフトウェア命令は、光エンジン20および電動サポート24を動作して、層ごとの態様で三次元物体28を作製する。コントローラは、三次元プリントシステム2の内部および/または外部の1つの位置または複数の位置で実施されてもよい。
【0022】
1つの実施形態において、コントローラ30は、以下の工程を用いて三次元物体を製造するよう構成される:(1)電動サポート24を動作して、支持トレー22の下面26を構築平面32に位置づける。(2)光エンジン30を動作して、構築平面において樹脂12を選択的に硬化し、これは支持トレー22の下面26上に固着する。(3)電動サポート24を動作して、硬化した樹脂の下面34を構築平面32に位置づける。(4)工程2を繰り返す。次いで、工程(3)および(4)を繰り返して、残った樹脂の層を下面34上に選択的に固着し、三次元物体28の作製を完了する。
【0023】
図2は、システム1の一実施形態の追加の機械的詳細を示す等角図である。支持プレート8は、リッジ36を含む。樹脂容器10が支持プレート8上に取り付けられると、リッジ36が透明シート14の下面に突き当たる。これは図3および4にさらに示される。
【0024】
図3は、樹脂容器10の一実施形態の平面図である。樹脂容器10は、透明シート14を支持する傾斜フレーム38を有する。図示される実施形態において、透明シート14は、柔軟なポリマー材料から形成される。図4は、フレーム38、透明フィルム14,および支持プレート8の部分で取られた断面を示す図である。フレームの下向きの力(重量および外力)が、透明フィルム14上でリッジ36の上向きの力により反対に作用される。これは、透明フィルム14を引っ張る効果を有する。リッジ36は、透明フィルム14の高さを制御する。これは、光エンジン20と構築平面32との間の垂直距離の制御において重要な要素である。
【0025】
図示される実施形態において、リッジ36は、支持プレート8の一部である。他の実施形態において、リッジ36は、樹脂容器10の一体部分でありうる。そのような配置によっても、リッジ36は、引っ張られた透明フィルム14および構築平面32の高さを依然として制御できる。
【0026】
図2を再び参照すると、追加の詳細が図示される。図示される光エンジン20は、DMD(デジタルミラーデバイス)光エンジン20である。光エンジンは、投影レンズモジュール40を含み、これは構築平面32上に結像光の焦点を合わせる一組のレンズを含む。適応支持装置42は、支柱18を光エンジン20に連結しそれを参照する。これは、以下でより詳細に論じられる。
【0027】
以下に論じられるように、適応支持装置42は、投影レンズモジュール40を機械的に基準とする。適応支持装置42は、投影レンズモジュール40の上向きのフランジ表面を機械的に基準とする下向きの表面を有する。
【0028】
図5は、図2からのシステム2の一部の側面図である。樹脂支持装置6が、樹脂容器10なしで図示される。装置6は、樹脂容器10を支持プレート8上に位置合わせし固定するよう構成されるラッチカバー9を含む。例示的な実施形態において、支持プレート8は、垂直サポート4に直接接続される。
【0029】
垂直サポート4には、送りネジ25をコントロール可能に回転させるモータ23が連結される。送りネジ25は、電動サポート24中にねじ込まれる。コントローラ30は、電動サポート24の垂直移動および配置のためにモータ23を制御する。
【0030】
支持プレート8の下には、取外し可能な樹脂流出容器(spill vessel)11がある。樹脂流出容器11は、樹脂容器10が損傷するまたはいっぱいになった場合に任意の流出した樹脂12を回収する。樹脂流出容器11は、透明な下部(図示せず)を有し、光エンジン20からの光が透明シート14に達することを可能にする。
【0031】
図6は、図2からの追加された詳細を示す等角図である。支持プレート8は、上側44を有する。上側44は、樹脂容器10のフレーム38の下部を受け取るための凹部46を含む。リッジ36は、支持プレート8内で開口48を囲む。動作中、光エンジン20は、開口48を通って透明シート14まで上方に放射線を投影し、透明シート14はリッジ36によって引っ張られている。
【0032】
支柱18は、それぞれ上端18Uおよび下端18Lを有する。支柱18の上端は、支持プレート8の下向きの表面16(図1)に連結される。支柱18の下端は、適応サポート42の下向きの表面50に連結される。適応サポート42は、インターフェースプレート52および横出しアダプタ54を含む2つのパーツを含む。インターフェースプレート52は、横出しアダプタ54を光エンジン20に連結する。横出しアダプタ54は、支柱18の下端18Lに連結される下向きの表面50を画定する。
【0033】
図7~9は、光エンジン20、適応サポート42、および支柱18の組立ての詳細を示す。図7は、光エンジン20の上部におけるアセンブリを示す拡大等角図である。光エンジン20は、投影レンズモジュール40を含み、これは、光信号を構築平面32に投影する一連の光学部品(例えば、レンズ)を含む。投影レンズモジュール40は、上向きのフランジ表面58を有する横方向かつ放射状に伸長するフランジ56を含む。
【0034】
光エンジン20はまた、開口62を画定する上側ハウジング60を含む。投影レンズモジュール40は、管状の下部64を含み、これは、開口62中に受け取られてフランジ56が上側ハウジング60の上または上方に配置される。投影レンズモジュール40はまた、フランジ56の上方に伸長する管状の上部66を有する。
【0035】
インターフェースプレート52は、上向きのフランジ表面58と対向関係にある下向きの表面68(または下向きのアダプタ表面68)を有する。インターフェースプレート52とフランジ56との間にスペーサーリング70がある。スペーサーリング70は、様々の厚さの複数のスペーサーリング70でもよい。スペーサーリング70を用いて、投影レンズモジュール40と構築平面32との間の距離を精確に調整する。これは、光エンジン20から構築平面32までの投影のための倍率の非常に精確かつ機械的に強固な方法である。
【0036】
上側ハウジング60は、複数の補強材72を含んでもよく、これを用いて、光エンジン20へのインターフェースプレート52の組立てを堅固にする。この目的は、全体アセンブリの搬送中でも、投影レンズモジュール40に対するインターフェースプレート52の非常に精確な垂直配置を維持することである。ネジ74は、インターフェースプレート52内の開口を通過し、補強材72内を含む上側ハウジング60内へ入る。ネジ74を締めることにより、インターフェースプレート52の下向きの表面68をスペーサーリング70上に固定する。次いで、スペーサーリング70は、フランジ56の上向きの表面58上に固定される。
【0037】
下向きの表面68は、上向きのフランジ表面58を「機械的に基準」とする。言い換えれば、これらはネジまたはボルトあるいは他の取付け機構によって取り付けられていない。むしろ、これらは、直接一緒にまたはそれらの間に介在するスペーサーリング70で押圧される。他方、インターフェースプレート52は、上側ハウジング60に取り付けられるがそれを基準としない。
【0038】
図8は、光エンジン20の上部に取り付けられたインターフェースプレート52の側面図である。締め付けられたボルト74が、インターフェースプレート52を通過し上側ハウジング60内に入る。インターフェースプレート52とフランジ56との間に、スペーサーリング70が押圧され挟まれる。以下に論じられるように、代替的な実施形態において、インターフェースプレート52は、介在するスペーサーリング70なしにフランジ56に対して直接押圧されてもよい。
【0039】
図9は、インターフェースプレート52に取り付けられる寸前の横出しアダプタ54を示す等角図である。インターフェースプレート52の下向きの表面68が、横出しアダプタ54の上向きの表面50と対向関係にある。ネジ76は、インターフェースプレート52を通過し、横出しアダプタ54内に入る。ネジ76を締め付けることにより、表面68および50が一緒に押圧される。横出しアダプタ54の上向きの表面50内に取り付けられた支柱18の下端18Lも図示される。
【0040】
図9および前の図面に示されるように、上向きのフランジ表面58と適応支持装置42の下向きの表面との間に適応サポートの機械的基準がある。フランジ56と適応支持装置42との間の機械的基準は、光エンジン20の光軸21から半径R内にある。この半径Rは、概してフランジの半径R内である(図8参照)。支持プレート8のために機械的安定性を提供するため、支柱18と適応支持装置42の上向きの表面50との間の機械的基準は、光軸21から2R超の距離にある。例示的な実施形態において、支柱18のおおよその中心は、光軸21から少なくとも約3Rまたは3R超にあってもよい。
【0041】
図10は、システム2の一部を組み立てる方法の一実施形態のフローチャートである。構築平面に対する投影レンズモジュール40の適切な位置決めに関するものを除き、特定の詳細が省略される。
【0042】
82に従って、以下の物体が提供される:(1)上側ハウジング60および投影レンズモジュール40を備えたプロジェクタ20;(2)適応支持装置42;(3)支柱18;(4)支持プレート8;(5)複数のスペーサーリング70。例示的な実施形態において、列記される物体は、図1~9に関して説明されるものを含む。
【0043】
1つの実施形態において、スペーサーリング70は、様々の厚さを有する。1つの特定の実施形態において、個々に、1ミリメートル、500マイクロメートル(0.5mm)、250マイクロメートル、100マイクロメートル、および50マイクロメートルの厚さを有する5つのスペーサーリングがある。ある実施形態において、1ミリメートルのスペーサーリングは、「名目上の(nominal)」スペーサーリングである。
【0044】
84に従って、プロジェクタ20倍率が測定される。倍率は、構築平面32における投影された画像特徴の形状寸法と相関する。形状寸法が小さすぎる場合、プロジェクタは構築平面から離される必要がある。適応支持装置42および支柱18がサイズ決めされ、それによって、投影された画像特徴が、名目上の垂直位置を画定する名目上のスペーサーリングの取付けによって補正される。測定された工程84からの倍率は、プロジェクタが名目上の位置から下方に移動させられる必要があるかおよびどの程度移動させられる必要があるかを特定する。
【0045】
工程84の1つの実施形態において、複数のスペーサーリング70は、名目上の厚さを有するスペーサーリングを含む。倍率を測定する工程は、以下を含む:(1)光エンジンの上部と適応支持装置との間に名目上のスペーサーリングを配置する工程を含む、構成要素を部分的に組み立てる工程;(2)光エンジンからシミュレートされた構築平面まで画像を投影する工程;および(3)画像の寸法を測定する工程。例示的な実施形態において、画像の寸法を測定する工程は、画像内の特徴(または特徴の重心)間の1つまたは複数の距離を測定する工程を含む。別の例示的な実施形態において、画像の寸法を測定する工程は、画像内の特徴の寸法または面積を個々に測定する工程を含む。
【0046】
86に従って、スペーサーリング70の1つまたは複数の選択を特定する。特定は、測定された倍率に基づく。
【0047】
88に従って、選択された1つまたは複数のスペーサーリング70が、上向きのフランジ表面58上に配置される。90に従って、残りの組立ては、上述の構成要素間で生じる。
【0048】
1つの特定の実施形態において、工程88および90は、以下の工程を含む:(1)選択された1つまたは複数のスペーサーリングを、インターフェースプレート52とフランジ56との間に配置する工程。(2)インターフェースプレート52をハウジング60に取り付ける工程。(3)横出しアダプタ54をインターフェースプレート52に取り付ける工程。(4)支持プレート8と横出しアダプタ54との間で支柱18を連結する工程。他の実施形態において、これらの工程の順序は変化してよい。
【0049】
上記で説明した具体的な実施形態およびそのアプリケーションは、専ら説明目的のためのものであり、特許請求の範囲により包含される変更形態およびバリエーションを、除外するものではない。
他の実施形態
1. 三次元プリンタであって、
上向きのフランジ表面を有する横方向に伸長するフランジを含む投影レンズモジュールを含むプロジェクタ;
前記上向きのフランジ表面と対向関係にある下向きの表面を有する適応支持装置;
樹脂を含有するよう構成され、以下:
前記樹脂内の構築平面に近接して樹脂についての下限を画定する透明シート;および
下向きの表面
を含む、樹脂支持装置;および
前記適応支持装置の上向きの表面を前記樹脂支持装置の前記下向きの表面に連結する、複数の垂直支柱
を備える、三次元プリンタ。
2. 前記プロジェクタが、前記投影レンズモジュールの下部を受け取る上側ハウジングを含み、前記適応支持装置が、前記上側ハウジングに連結されることを特徴とする、実施形態1に記載の三次元プリンタ。
3. 前記適応支持装置が、
該適応支持装置の下向きの表面を画定するインターフェースプレート;および
該インターフェースプレートの前記下向きの表面に連結される上向きの表面を有する横出しアダプタ
を含むことを特徴とする、実施形態1に記載の三次元プリンタ。
4. 前記上向きのフランジ表面と前記適応支持装置の前記下向きの表面との間に固定されたスペーサーリングをさらに含むことを特徴とする、実施形態1に記載の三次元プリンタ。
5. 前記樹脂支持装置が、
前記樹脂を含有し前記透明シートを含むための樹脂容器;および
前記樹脂容器を支持し、前記樹脂支持装置の前記下向きの表面を画定する支持プレート
を含むことを特徴とする、実施形態1に記載の三次元プリンタ。
6. 前記透明シートが、柔軟なポリマーシートであり、前記支持プレートが、前記透明シートに作用して引張り、それによって前記構築平面の垂直位置を決定する、上方に伸長するリッジを含むことを特徴とする、実施形態5に記載の三次元プリンタ。
7. 主垂直サポートをさらに含み、樹脂支持装置が前記主垂直サポートに直接連結されることを特徴とする、実施形態1に記載の三次元プリンタ。
8. 前記樹脂支持装置の上方で樹脂トレーを支持するための電動サポートをさらに含むことを特徴とする、実施形態7に記載の三次元プリンタ。
9. 前記プロジェクタおよび前記電動サポートを制御して、層ごとの態様で三次元物体を製造するよう構成されるコントローラをさらに含むことを特徴とする、実施形態8に記載の三次元プリンタ。
10. 三次元プリンタであって、
垂直サポート;
前記垂直サポートに連結され、下側で透明シートを有する樹脂容器を支持するための、支持プレート;
前記支持プレートから下方に伸長する複数の支柱;
前記複数の支柱の下端に連結される、適応支持装置;
上側ハウジングおよび投影レンズモジュールを含む光エンジンであって、前記適応支持装置が、前記上側ハウジングに連結され、前記投影レンズモジュールを機械的に基準とする、光エンジン;
前記樹脂容器の上方の支持トレーを支持するための電動サポートであって、前記垂直サポートに沿って垂直に移動するよう構成される、電動サポート;および
前記光エンジンおよび前記電動サポートを動作し、前記支持トレーの下面上に一連の樹脂の層を選択的に硬化することによって三次元物体を製造するよう構成される、コントローラ
を含む、三次元プリンタ。
11. 前記投影レンズモジュールが、側方に伸長するフランジを有し、前記適応アセンブリが、前記フランジと対向関係にある下向きの表面を有することを特徴とする、実施形態10に記載の三次元プリンタ。
12. 前記投影レンズモジュールが、前記フランジから上方に伸長する上部および前記フランジから下方に伸長する下部を有することを特徴とする、実施形態11に記載の三次元プリンタ。
13. 前記上側ハウジングが開口を画定し、前記投影レンズモジュールの前記下部が前記開口中に伸長し、前記フランジが前記開口の上方にあることを特徴とする、実施形態12に記載の三次元プリンタ。
14. 前記適応支持装置が、前記適応アセンブリの下向きの表面を画定するインターフェースプレートを含み、該インターフェースプレートが、前記上側ハウジングに連結されることを特徴とする、実施形態13に記載の三次元プリンタ。
15. 前記インターフェースプレートと前記フランジとの間に圧縮して挟まれた1つまたは複数のスペーサーリングをさらに含むことを特徴とする、実施形態14に記載の三次元プリンタ。
16. 前記適応サポートが、上向きの表面を画定する横出しアダプタを含み、前記上向きの表面が、前記支柱および前記インターフェースプレートに連結されることを特徴とする、実施形態13に記載の三次元プリンタ。
17. 前記フランジと前記適応アセンブリとの間に1つまたは複数のスペーサーリングをさらに含むことを特徴とする、実施形態11に記載の三次元プリンタ。
18. 前記適応アセンブリが、前記フランジに対して直接押圧されることを特徴とする、実施形態11に記載の三次元プリンタ。
【符号の説明】
【0050】
2 三次元プリントシステム
4 垂直サポート
6 樹脂支持装置
8 支持プレート
10 樹脂容器
14 透明シート
18 支柱
20 光エンジン
28 三次元物体
30 コントローラ
40 投影レンズモジュール
54 横出しアダプタ
56 フランジ
70 スペーサーリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10