(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】送風バーナ装置
(51)【国際特許分類】
F23L 5/02 20060101AFI20220915BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20220915BHJP
F23L 15/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
F23L5/02
H02K7/14 A
F23L15/00 A
(21)【出願番号】P 2021176039
(22)【出願日】2021-10-28
【審査請求日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】P 2021130885
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597125416
【氏名又は名称】コロナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100193518
【氏名又は名称】平野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】小山 均
(72)【発明者】
【氏名】南部 裕二
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-324063(JP,A)
【文献】実開平06-002056(JP,U)
【文献】国際公開第2012/114370(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23L 5/02
F23L 15/00
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が流入する第1通気孔と第2通気孔とが設けられた筐体と、前記筐体内に収納され、ファンを回転させる三相モータとを有し、前記筐体内に流入した空気を前記ファンの回転により圧縮して前記第2通気孔から送風する送風機と、
前記第2通気孔に接続するバーナと、を備え、
前記三相モータは、前記第1通気孔と前記ファンの間に位置し、
前記筐体には燃料が流入する流入孔が設けられ、
前記流入孔の出口は、前記ファン及び前記三相モータの間に位置するとともに、前記ファンに対向し、
前記送風機は、前記流入孔から流入した燃料と圧縮した空気との混合体を前記第2通気孔から前記バーナ内に送風し、
前記バーナは、
前記混合体を燃焼させ、火炎を発生させる、送風バーナ装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記第1通気孔の開口量を調整する調整部を有する、請求項1に記載の送風バーナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料及び空気の混合体を燃焼させ、火炎を発生させるバーナを備える送風バーナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、燃料及び空気の混合体を燃焼させ、火炎を発生させるバーナが広く知られている。燃料は例えば液化天然ガスなどである。例えば特許文献1は
図15(a) (b) (c)に示すように、送風機1から送風された混合ガスを燃焼させ、火炎を発生させるガスバーナ3を開示している。
図15(a)は特許文献1に関するガスバーナ3と送風機1の接続関係を示す概要図である。
図15(b)は
図15(a)に示すガスバーナ3の横断面図である。
図15(c)は
図15(a)に示すガスバーナ3の水平断面図である。
【0003】
図15(a) (b) (c)は、送風機1、ミキサー2、ガスバーナ3、外箱4、2次空気配管5、予混合ガス管6、炎孔7、及び予混合ガス配管8を開示している。白抜きの矢印は2次空気の流れ、網掛けの矢印は炎を示す。送風機1はミキサー2を介してガスバーナ3と予混合ガス配管8で連結されている。ガスバーナ3において外箱4の中には横に長い構造をした予混合ガス管6が設けられ、予混合ガス管6には複数の炎孔7が一列に設けられている。
【0004】
送風機1から送風された空気と燃料ガスは、ミキサー2に流入し、ミキサー2で混合する。予めミキサー2により0.6程度の空気比に調整された混合ガスは、予混合配管8より予混合ガス管6内に導入される。着火シーケンスにより着火を行った後、炎が複数の炎孔7より噴出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガスバーナ3を含む従来のバーナにおいて、燃焼ガスの炎孔からの噴出速度が80m/s以上の燃焼が「高速燃焼」に分類される。この「高速燃焼」を達成するため、送風機1を含む従来の送風機ではファンを高速度で回転させる必要がある。高速度で回転させるファンの駆動源としては三相モータが使用される。
【0007】
しかしながら、三相モータはファンを高速度で回転させることにより高温まで発熱する。そのため、三相モータは外扇等の冷却手段を別途備える必要がある。
【0008】
したがって、従来のバーナ及び送風機は「高速燃焼」を達成する場合、部品点数が多く、製造コストが高かった。またこの外扇の回転は騒音の発生源となっていた。
【0009】
本発明は、外扇等の冷却手段を別途設けなくても、三相モータを冷却できる送風バーナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の送風バーナ装置は上記の目的を達成するために以下の手段を備える。
【0011】
(1)本発明の送風バーナ装置は、空気が流入する第1通気孔と第2通気孔とが設けられた筐体と、筐体内に収納され、ファンを回転させる三相モータとを有し、筐体内に流入した空気をファンの回転により圧縮して第2通気孔から送風する送風機と、
第2通気孔に接続するバーナと、を備える。
【0012】
三相モータは、第1通気孔とファンの間に位置する。
【0013】
筐体には燃料が流入する流入孔が設けられ、流入孔の出口は、ファン及び三相モータの間に位置するとともに、ファンに対向し、送風機は、流入孔から流入した燃料と圧縮した空気との混合体を第2通気孔からバーナ内に送風する。そして、バーナは、混合体を燃焼させ、火炎を発生させる。
【0014】
この構成では、この構成ではファンの回転時、第1通気孔から流入した空気が三相モータを通過してファンに吸引される。すなわち、三相モータを筐体内に収納することで、第1通気孔から三相モータを介してファンに向けて空気の流れが生じる。そのため、本発明は外扇等の冷却手段を別途設けなくても、発熱する三相モータを空気により冷却できる。また、外扇の回転が無くなるとともに、三相モータが筐体内に収納されるため、三相モータに起因する騒音を大幅に抑制できる。また、この構成では、流入孔から流入した燃料が三相モータを通過せずにファンに直接吸引される。すなわち三相モータを通過する気体は空気だけとなる。そのため、三相モータに燃料が付着することを防止できる。
【0015】
(2)筐体は、第1通気孔の開口量を調整する調整部を有する。
【0016】
この構成は、第1通気孔から流入する空気の流入量を調整できる。これにより、燃料ガスに対する空気の割合(空気比)を調整できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、外扇等の冷却手段を別途設けなくても、三相モータを冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に関する送風バーナ装置100の概略図である。
【
図2】
図1に示す送風バーナ装置100の外観斜視図である。
【
図3】
図1に示す送風バーナ装置100の内部の外観斜視図である。
【
図4】
図1に示す送風バーナ装置100の要部を拡大した外観斜視図である。
【
図5】
図1に示す送風バーナ装置100の側面図である。
【
図6】
図1に示す送風バーナ装置100の正面図である。
【
図7】
図1に示す送風バーナ装置100の背面図である。
【
図9】
図1に示す送風バーナ装置100に備えられる各部の構成を示すブロック図である。
【
図10】
図8に示す三相モータMを駆動させ、ファンF1を回転させた時におけるS-S線の断面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に関する送風バーナ装置200の概略図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に関する送風バーナ装置300の概略図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に関する送風バーナ装置400の概略図である。
【
図14】本発明の第5実施形態に関する送風バーナ装置500の概略図である。
【
図15】
図15(a)は特許文献1に関するガスバーナ3と送風機1の接続関係を示す概要図である。
図15(b)は
図15(a)に示すガスバーナ3の横断面図である。
図15(c)は
図15(a)に示すガスバーナ3の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態に関する送風バーナ装置100について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態に関する送風バーナ装置100の概略図である。
図2は、
図1に示す送風バーナ装置100の外観斜視図である。
図3は、
図1に示す送風バーナ装置100の内部の外観斜視図である。
図4は、
図1に示す送風バーナ装置100の要部を拡大した外観斜視図である。
図5は、
図1に示す送風バーナ装置100の側面図である。
図6は、
図1に示す送風バーナ装置100の正面図である。
図7は、
図1に示す送風バーナ装置100の背面図である。
図8は、
図7に示すS-S線の断面図である。
【0023】
送風バーナ装置100は所謂予混合式ガスバーナ(プレミックスガスバーナ)である。送風バーナ装置100は、空気を圧縮して送風する送風機10と、送風機10から送風された圧縮空気及び燃料の混合体を燃焼させ、火炎を発生させるガスバーナ80とを備える。第1実施形態において燃料は例えば水素ガスやメタンガスなどの燃料ガスである。
【0024】
なお、ガスバーナ80が本発明のバーナの一例に相当する。
【0025】
送風機10は、ファンF1を軸Aにより軸支する三相モータMと、三相モータMを収納するケース21と、ファンF1を収納するケース11と、を備える。ファンF1は、三相モータMから所定距離T離れて設けられている(
図8参照)。
【0026】
ケース21は、直方体状であり、例えば金属で構成される。ケース21には、空気が流入する第1通気孔28と燃料ガスが流入する流入孔29とが設けられている。流入孔29は、ケース21の内部空間22に連通せず、ケース11の内部空間16に連通する(
図8参照)。すなわち流入孔29の出口29Aは、ファンF1及び三相モータMの間に位置するとともに、ファンF1に対向する。
【0027】
また、ケース21は、第1通気孔28の開口量を調整する調整板27を有する。調整板27はボルトBにより、矢印に示す方向へ可動する(
図8、
図10参照)。例えば調整板27がケース21に当接したとき、第1通気孔28を閉鎖することもできる。
【0028】
なお、調整板27が、本発明の調整部の一例に相当する。
【0029】
ケース11は、円柱状であり、例えば金属で構成される。ケース21の内部空間22とケース11の内部空間16とは連通している。ケース11には、圧縮空気及び燃料の混合体が流出する第2通気孔12が設けられている。
【0030】
なお、ケース21及びケース11が、本発明の筐体の一例を構成する。
【0031】
ガスバーナ80は、不図示の着火シーケンスと、この着火シーケンスを収納する円筒状のケース82とを備える。ケース82には流入孔81が設けられている。ケース82には炎孔83が設けられている。ケース82の内部には、流入孔81及び炎孔83に連通する内部空間87が形成されている。ケース82の先端部は炉壁90の開口部91に挿入されている。
【0032】
なお、説明簡略化のため、
図2から
図8では炉壁88の図示を省略している。
【0033】
送風機10とガスバーナ80は直接連結し、一体となっている。これにより、ケース82の流入孔81は、ケース11の第2通気孔12に連通する。
【0034】
図9は、
図1に示す送風バーナ装置100に備えられる各部の構成を示すブロック図である。送風バーナ装置100は、三相モータMと、操作員の操作入力を受け付ける操作部31と、バーナ装置100に備えられる各部を制御する制御部30とを備える。操作員は、三相モータMに供給する電流値、電圧値、及び周波数を操作部31から入力する。
【0035】
制御部30は例えばマイクロコンピュータ及びインバータ回路で構成される。制御部30は、商用交流電源から、操作部31で入力された電流値、電圧値、及び周波数を示す交流電圧を取り出し、三相モータMに印加する。これにより制御部30は三相モータMをインバータ制御する。
【0036】
次に、送風機10が駆動した時における空気、燃料ガス、及び混合ガスの流れについて
図1及び
図10を用いて説明する。
【0037】
図10は、
図8に示す三相モータMを駆動させ、ファンF1を回転させた時におけるS-S線の断面図である。
図1及び
図10において実線白色の矢印は、空気の流れを示している。実線斜線の矢印は、燃料ガスの流れを示している。点線白色の矢印は、混合ガスの流れを示している。
【0038】
送風機10が駆動した時、ファンF1の回転により燃料ガス及び空気が吸引され、空気が第1通気孔28からケース21の内部空間22に流入するとともに、燃料ガスが流入孔29からケース11の内部空間16に流入する。
【0039】
そして送風機10は、ケース11の内部空間16に流入した燃料ガス及び空気をファンF1の回転により圧縮して第2通気孔12からガスバーナ80の内部空間87へ送風する。この際、燃料ガス及び空気は内部空間16で混合され、混合ガス(混合体)となる。ガスバーナ80は、着火シーケンスにより着火を行った後、第2通気孔12から内部空間87へ送風された混合ガスを燃焼させ、火炎を炎孔83より発生させる。
【0040】
ここでガスバーナ80において、燃焼ガスの炎孔83からの噴出速度が80m/s以上の燃焼が「高速燃焼」に分類される。この「高速燃焼」を達成するため、送風バーナ装置100ではファンF1を高速度で回転させる。高速度で回転させるファンF1の駆動源としては三相モータMが使用される。これにより、送風機10は、高い流量且つ高い気圧の混合ガスをファンF1の回転により第2通気孔12から送風する。噴出速度が例えば80m/s以上300m/s以下であれば、「高速燃焼」に分類される。
【0041】
しかしながら、三相モータMはファンF1を高速度で回転させることにより高温まで発熱する。そのため、三相モータMは冷却手段を別途備える必要がある。
【0042】
そこで、本実施形態の送風バーナ装置100では三相モータMが、第1通気孔28とファンF1の間に位置している。
【0043】
この構成ではファンF1の回転時、第1通気孔28から流入した空気が三相モータMを通過してファンF1に吸引される(
図10参照)。すなわち、三相モータMをケース21内に収納することで、第1通気孔28から三相モータMを介してファンF1に向けて空気の流れが生じる。
【0044】
そのため、本実施形態の送風バーナ装置100は外扇F2(
図4、
図8参照)等の冷却手段を別途設けなくても、発熱する三相モータMを空気により冷却できる。また、外扇F2の回転が無くなるとともに、三相モータMがケース21内に収納されるため、三相モータMに起因する騒音を大幅に抑制できる。そのため、従来では三相モータMの発熱や騒音を考慮して電流値や周波数を低めに設定せざるを得なかったが、本実施形態の送風バーナ装置100では三相モータMへ供給可能な電流値や周波数に余裕ができるため、電流値や周波数を従来より高めに設定できる。すなわち送風機10は騒音を抑えつつ、高い流量且つ高い気圧の混合ガスを第2通気孔12から送風できる。
【0045】
また、三相モータMを通過することで空気が予熱されるため、温められた空気を第2通気孔12からガスバーナ80へ供給できる。これによりガスバーナ80の燃焼効率を向上できる。
【0046】
また、この構成では送風機10とガスバーナ80が一体となっている。そのため、送風機10とガスバーナ80が別々の場合に比べて、送風バーナ装置100を運搬する際の物流コストを低減できる。
【0047】
また、
図15(a) (b) (c)に示すように従来の送風機1はミキサー2を介してガスバーナ3と予混合ガス配管8で連結されているが、この構成では送風機10とガスバーナ80が直接接続されている。そのため、送風機1とガスバーナ3を連結するために特別な連結管8を用意する必要がなく、部品点数を削減できる。そのため製造コストを低減できる。
【0048】
また、流入孔29の出口29AはファンF1及び三相モータMの間に位置するとともに、ファンF1に対向する。
【0049】
そのため、流入孔29から流入した燃料ガスが三相モータMを通過せずにファンF1に直接吸引される。すなわち三相モータMを通過する気体は空気だけとなる。したがって、三相モータMに燃料が付着することを防止できる。
【0050】
また、ケース21は、第1通気孔28の開口量を調整する調整板27を有する。調整板27はボルトBにより、矢印に示す方向へ可動する(
図8、
図10参照)。
【0051】
そのため、第1通気孔28から流入する空気の流入量を調整できる。これにより、燃料ガスに対する空気の割合(空気比)を調整できる。
【0052】
なお、本実施形態では、調整板27の位置をボルトBにより調整し、第1通気孔28の開口量を調整しているが、これに限るものではない。実施の際、送風バーナ装置が調整板27を移動させる駆動機構を備え、駆動機構を制御部30に制御させ、第1通気孔28の開口量を操作部31で受け付けても構わない。この構成では、操作部31で受け付けた第1通気孔28の開口量に基づいて制御部30が調整板27の位置を駆動機構により調整し、第1通気孔28の開口量を調整する。駆動機構は例えばモーターである。
【0053】
また、本実施形態では、調整板27により第1通気孔28の開口量を調整しているが、これに限るものではない。実施の際は、調整板27以外の調整部により第1通気孔28の開口量を調整しても構わない。
【0054】
次に、本発明の第2実施形態に関する送風バーナ装置200について説明する。
【0055】
図11は、本発明の第2実施形態に関する送風バーナ装置200の概略図である。
【0056】
送風バーナ装置200は所謂、先混合式ガスバーナ(ノズルミックスガスバーナ)である。送風バーナ装置200が送風バーナ装置100と相違する点は、送風機220のケース221とガスバーナ280である。その他の点については同じ構成であるため説明を省略する。
【0057】
なお、ガスバーナ280が本発明のバーナの一例に相当する。
【0058】
ケース221は、ケース21と異なり流入孔29を有さない。
【0059】
ガスバーナ280は、不図示の着火シーケンスと、この着火シーケンスを収納する円筒状のノズル289と、ノズル289が中心軸に挿入された円筒状のケース282とを備える。ケース282には、圧縮空気が流入する流入孔281が設けられている。ケース282の内部には、流入孔281に連通する内部空間287が形成されている。ケース282の先端部は炉壁90の開口部91に挿入されている。
【0060】
ノズル289には、燃料ガスが流入する流入孔285と、内部空間287及び流入孔285に連通する混合空間284と、混合空間284に連通する炎孔283を有する保炎板288とが設けられている。
【0061】
送風機220とガスバーナ280は直接連結し、一体となっている。これにより、ケース282の流入孔281は、ケース11の第2通気孔12に連通する。
【0062】
次に、送風機220が駆動した時における空気、燃料ガス、及び混合ガスの流れについて
図11を用いて説明する。
図11において実線白色の矢印は、空気の流れを示している。実線斜線の矢印は、燃料ガスの流れを示している。点線白色の矢印は、混合ガスの流れを示している。
【0063】
送風機220が駆動した時、ファンF1の回転により空気が吸引され、空気が第1通気孔28からケース221の内部空間222に流入する。そして送風機220は、ケース211の内部空間222に流入した空気をファンF1の回転により圧縮して第2通気孔12からガスバーナ280の内部空間287へ送風する。
【0064】
一方、燃料ガスは流入孔285から流入する。流入孔285から流入した燃料ガスと、第2通気孔12から内部空間287へ送風された圧縮空気とは、ノズル289内部の混合空間284で混合され、混合ガス(混合体)となる。ガスバーナ280は、着火シーケンスにより着火を行った後、この混合ガスを燃焼させ、火炎を炎孔283より発生させる。さらに、第2通気孔12から内部空間287へ送風された圧縮空気が保炎板288の周囲から、炎孔283から排出される未燃焼の燃料と混合し、未燃焼の燃料を燃焼させる。
【0065】
以上の構成においても三相モータMが、第1通気孔28とファンF1の間に位置している。そして、ファンF1の回転時、第1通気孔28から流入した空気が三相モータMを通過してファンF1に吸引される(
図11参照)。すなわち、三相モータMをケース221内に収納することで、第1通気孔28から三相モータMを介してファンF1に向けて空気の流れが生じる。そのため、送風バーナ装置200は外扇等の冷却手段を別途設けなくても、三相モータMを冷却できる。
【0066】
よって、本実施形態の送風バーナ装置200も送風バーナ装置100と同様の効果を生じる。
【0067】
次に、本発明の第3実施形態に関する送風バーナ装置300について説明する。
【0068】
図12は、本発明の第3実施形態に関する送風バーナ装置300の概略図である。
【0069】
送風バーナ装置300は所謂、油圧噴霧式液体燃料バーナ(油圧噴霧式オイルバーナ)である。送風バーナ装置300が送風バーナ装置200と相違する点は、ガスバーナ280の代わりにオイルバーナ380を備える点である。その他の点については同じ構成であるため説明を省略する。
【0070】
なお、オイルバーナ380が本発明のバーナの一例に相当する。
【0071】
オイルバーナ380は、不図示の着火シーケンスと、この着火シーケンスを収納する円筒状のノズル389と、ノズル389が中心軸に挿入された円筒状のケース382とを備える。ケース382には、圧縮空気が流入する流入孔381が設けられている。ケース382の内部には、流入孔381に連通する内部空間387が形成されている。ノズル389には、油圧ポンプ等によりスプレー状に加圧噴霧された液体燃料が流入する流入孔385が設けられている。液体燃料は例えば灯油、軽油、重油である。
【0072】
ノズル389にはさらに、内部空間387及び流入孔385に連通する混合空間384と、混合空間384に連通する炎孔383を有するノズルチップ388とが設けられている。ケース382の先端部は炉壁90の開口部91に挿入されている。
【0073】
送風機220とオイルバーナ380は直接連結し、一体となっている。これにより、ケース382の流入孔381は、ケース11の第2通気孔12に連通する。
【0074】
次に、送風機220が駆動した時における空気及び燃料の流れについて
図12を用いて説明する。
図12において実線白色の矢印は、空気の流れを示している。実線斜線の矢印は、燃料の流れを示している。
【0075】
送風機220が駆動した時、ファンF1の回転により空気が吸引され、空気が第1通気孔28からケース221の内部空間222に流入する。そして送風機220は、ケース211の内部空間222に流入した空気をファンF1の回転により圧縮して第2通気孔12からガスバーナ380の内部空間387へ送風する。
【0076】
一方、油圧ポンプ等によりスプレー状に加圧噴霧された液体燃料は流入孔385からノズル389の内部に流入する。流入孔385から流入した液体燃料と、第2通気孔12から内部空間387へ送風された圧縮空気とは、混合空間384及びノズルチップ388で混合され、混合体となる。オイルバーナ380は、着火シーケンスにより着火を行った後、この混合体を燃焼させ、火炎を炎孔383より発生させる。さらに、第2通気孔12から内部空間387へ送風された圧縮空気がノズルチップ388の周囲から、炎孔383から排出される未燃焼の燃料と混合し、未燃焼の燃料を燃焼させる。
【0077】
以上の構成においても三相モータMが、第1通気孔28とファンF1の間に位置している。そして、ファンF1の回転時、第1通気孔28から流入した空気が三相モータMを通過してファンF1に吸引される(
図12参照)。すなわち、三相モータMをケース221内に収納することで、第1通気孔28から三相モータMを介してファンF1に向けて空気の流れが生じる。
【0078】
そのため、本実施形態の送風バーナ装置300も送風バーナ装置100と同様の効果を生じる。
【0079】
次に、本発明の第4実施形態に関する送風バーナ装置400について説明する。
【0080】
図13は、本発明の第4実施形態に関する送風バーナ装置400の概略図である。
【0081】
送風バーナ装置400は所謂、二流体噴霧式内部混合型液体燃料バーナ(二流体噴霧式内部混合型オイルバーナ)である。送風バーナ装置400が送風バーナ装置200と相違する点は、ガスバーナ280の代わりにオイルバーナ480を備える点である。その他の点については同じ構成であるため説明を省略する。
【0082】
なお、オイルバーナ480が本発明のバーナの一例に相当する。
【0083】
オイルバーナ480は、不図示の着火シーケンスと、この着火シーケンスを収納する円筒状のノズル489と、ノズル489が中心軸に挿入された円筒状のケース482とを備える。ケース482には、圧縮空気が流入する流入孔481が設けられている。ケース482の内部には、流入孔481に連通する内部空間487が形成されている。ケース482の先端部は炉壁90の開口部91に挿入されている。
【0084】
ノズル489には、油圧ポンプ等によって液体燃料が所定圧力の空気または蒸気とともに加圧噴霧され、流入する流入孔485が設けられている。液体燃料は例えば灯油、軽油、重油である。所定圧力は例えば196kPaから980kPaである。さらに、またノズル489には、空気又は蒸気等の噴霧媒体が流入する流入孔486が設けられている。またノズル489は、流入孔485及び流入孔486に連通する炎孔483を有する。
【0085】
送風機220とオイルバーナ480は直接連結し、一体となっている。これにより、ケース482の流入孔481は、ケース11の第2通気孔12に連通する。
【0086】
次に、送風機220が駆動した時における空気、液体燃料、及び噴霧媒体の流れについて
図13を用いて説明する。
図13において実線白色の矢印は、空気の流れを示している。実線斜線の矢印は、液体燃料の流れを示している。点線斜線の矢印は、噴霧媒体の流れを示している。
【0087】
送風機220が駆動した時、ファンF1の回転により空気が吸引され、空気が第1通気孔28からケース221の内部空間222に流入する。そして送風機220は、ケース211の内部空間222に流入した空気をファンF1の回転により圧縮して第2通気孔12からガスバーナ480の内部空間487へ送風する。
【0088】
一方、加圧噴霧された液体燃料は流入孔485からノズル489の内部に流入する。流入孔485から流入した液体燃料と、流入孔486から流入した噴霧媒体とは、ノズル489内部の混合室484で混合される。オイルバーナ480は、着火シーケンスにより着火を行った後、液体燃料及び噴霧媒体を燃焼させ、火炎を炎孔483より発生させる。さらに、第2通気孔12から内部空間487へ送風された圧縮空気がノズル489先端部の周囲から、炎孔483から排出される未燃焼の燃料と混合し、未燃焼の燃料を燃焼させる。
【0089】
以上の構成においても三相モータMが、第1通気孔28とファンF1の間に位置している。そして、ファンF1の回転時、第1通気孔28から流入した空気が三相モータMを通過してファンF1に吸引される(
図13参照)。すなわち、三相モータMをケース221内に収納することで、第1通気孔28から三相モータMを介してファンF1に向けて空気の流れが生じる。
【0090】
そのため、本実施形態の送風バーナ装置400も送風バーナ装置100と同様の効果を生じる。
【0091】
次に、本発明の第5実施形態に関する送風バーナ装置500について説明する。
【0092】
図14は、本発明の第5実施形態に関する送風バーナ装置500の概略図である。
【0093】
送風バーナ装置500は所謂、二流体噴霧式外部混合型液体燃料バーナ(二流体噴霧式外部混合型オイルバーナ)である。送風バーナ装置500が送風バーナ装置200と相違する点は、ガスバーナ280の代わりにオイルバーナ580を備える点である。その他の点については同じ構成であるため説明を省略する。
【0094】
なお、オイルバーナ580が本発明のバーナの一例に相当する。
【0095】
オイルバーナ580は、不図示の着火シーケンスと、この着火シーケンスを収納する円筒状のノズル589と、ノズル489が中心軸に挿入された円筒状のケース582とを備える。ケース582には、圧縮空気が流入する流入孔581が設けられている。ケース582の内部には、流入孔481に連通する内部空間587が形成されている。ケース582の先端部は炉壁90の開口部91に挿入されている。
【0096】
ノズル589には、油圧ポンプ等によって液体燃料が所定圧力の空気または蒸気とともに加圧噴霧され、流入する流入孔585が設けられている。液体燃料は例えば灯油、軽油、重油である。所定圧力は例えば196kPaから980kPaである。さらに、またノズル589には、空気又は蒸気等の噴霧媒体が流入する流入孔586が設けられている。またノズル589は、流入孔585及び流入孔586に連通する炎孔583を有するチップ584を有する。
【0097】
なお、混合室484を有さないオイルバーナ580では液体燃料と噴霧媒体とが、オイルバーナ480に比べて炎孔583に近い領域で混合する。
【0098】
送風機220とオイルバーナ580は直接連結し、一体となっている。これにより、ケース582の流入孔581は、ケース11の第2通気孔12に連通する。
【0099】
次に、送風機220が駆動した時における空気、液体燃料、及び噴霧媒体の流れについて
図14を用いて説明する。
図14において実線白色の矢印は、空気の流れを示している。実線斜線の矢印は、液体燃料の流れを示している。点線斜線の矢印は、噴霧媒体の流れを示している。
【0100】
送風機220が駆動した時、ファンF1の回転により空気が吸引され、空気が第1通気孔28からケース221の内部空間222に流入する。そして送風機220は、ケース211の内部空間222に流入した空気をファンF1の回転により圧縮して第2通気孔12からガスバーナ580の内部空間587へ送風する。
【0101】
一方、加圧噴霧された液体燃料は流入孔585からノズル589の内部に流入する。流入孔585から流入した液体燃料と、流入孔586から流入した噴霧媒体とは、ノズルチップ584で混合される。オイルバーナ580は、着火シーケンスにより着火を行った後、液体燃料及び噴霧媒体を燃焼させ、火炎を炎孔583より発生させる。さらに、第2通気孔12から内部空間587へ送風された圧縮空気がチップ584の周囲から、炎孔583から排出される未燃焼の燃料と混合し、未燃焼の燃料を燃焼させる。
【0102】
以上の構成においても三相モータMが、第1通気孔28とファンF1の間に位置している。そして、ファンF1の回転時、第1通気孔28から流入した空気が三相モータMを通過してファンF1に吸引される(
図14参照)。すなわち、三相モータMをケース221内に収納することで、第1通気孔28から三相モータMを介してファンF1に向けて空気の流れが生じる。
【0103】
そのため、本実施形態の送風バーナ装置500も送風バーナ装置100と同様の効果を生じる。
【0104】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
1…送風機
2…ミキサー
3…ガスバーナ
4…外箱
5…2次空気配管
6…予混合ガス管
7…炎孔
8…予混合ガス配管
100、200、300、400、500…送風バーナ装置
10、220…送風機
80、280…ガスバーナ
11…ケース
12…第2通気孔
21、221…ケース
27…調整板
28…第1通気孔
29…流入孔
380、480、580…オイルバーナ
F1…ファン
M…三相モータ
【要約】
【課題】外扇等の冷却手段を別途設けなくても、三相モータを冷却できる送風バーナ装置を提供する。
【解決手段】送風バーナ装置100は、空気を圧縮して送風する送風機10と、送風機10から送風された圧縮空気及び燃料の混合体を燃焼させ、火炎を発生させるガスバーナ80とを備える。送風機10は、ファンF1を軸Aにより軸支する三相モータMと、三相モータMを収納するケース21と、ファンF1を収納するケース11と、を備える。ファンF1は、三相モータMから所定距離T離れて設けられている。ケース21には、空気が流入する第1通気孔28と燃料が流入する流入孔29とが設けられている。ケース11には、燃料ガス及び圧縮空気が流出する第2通気孔12が設けられている。三相モータMは、第1通気孔28とファンF1の間に位置している。
【選択図】
図1