(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】タイヤ滑り止め装置
(51)【国際特許分類】
B60C 27/20 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
B60C27/20 C
(21)【出願番号】P 2021090630
(22)【出願日】2021-04-12
【審査請求日】2021-04-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515240887
【氏名又は名称】神田 久一
(72)【発明者】
【氏名】神田 久一
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-263463(JP,A)
【文献】特開平2-120102(JP,A)
【文献】実開平4-28103(JP,U)
【文献】特開2020-117202(JP,A)
【文献】特開平09-156334(JP,A)
【文献】特開平11-48727(JP,A)
【文献】特開平1-164610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 27/00 - 27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
前記裏側ケーブル(4
)は変形自在で形状維持の機能を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ滑り止め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はジャッキアップも自動車の移動も不要で、容易に着脱できるタイヤ滑り止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都会のドライバーは冬でも殆んど積雪しない為に本格的な滑り止め装置をもたない。又、突発的な雪に対しては簡易的な滑り止め装置がある。この様な簡単に着脱できる滑り止め装置として、例えば下記特許文献に開示されているものがあり、本出願人は先に特許文献1と特許文献2に係る滑り止め装置を開発している一方、現在、裏側ケーブルを設けた滑り止め装置は装着後も走行中に外れたりしない堅固なものが主流であるが、滑り止め装置が重たく又、装着が容易でなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6414759号
【文献】特許第6667751号
【文献】特開2007-112443号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の裏側ケーブルを設けた特許文献3のような滑り止め装置は、地面からケーブルの両端をそれぞれの手でタイヤの裏側から表側頂上まで一気に持ち上げて接続する作業は滑り止め装置が重たく又、持ち上げる途中で引っ掛かったりして力のない女性や老人等には容易ではなかった。
又、次の作業のタイヤ表側の滑り止め装置の固定作業もタイヤの裏側から引出過ぎると対向側が引っ込んで、均一に引き出すことは容易でなかった。
更に、最初の段階で、滑り止め装置をタイヤの接地面の裏側で押して通す作業は、押すと地面の抵抗で滑り止め装置が曲がってしまう為に前に進まず、簡単な作業ではなかった。
特に気象条件の厳しい現場では装着が困難で、本人のみならず装着場所を待っている他車にも迷惑を懸け、又、装着を諦めて走り出して交通渋滞を招いている現状もある。
本発明は、装着後も走行中に外れたりしない堅固で装着が容易でしかも、収納し易い滑り止め装置を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明に係るタイヤ滑り止め装置は、タイヤの裏側に配される裏側ケーブル(4)とタイヤの表側に配する本留め固定部(B)を介してタイヤに取り付けるタイヤ滑り止め装置であって、
前記タイヤのトレッド外周上に配する滑り止め部(1)を幅方向の中央部に設け、その両端部の一端側に前記裏側ケーブル(4)に接続する裏側ケーブル接続部(2)と、他端側に前記本留め固定部(B)に固定する表側固定部(3)を、それぞれ前記タイヤの幅方向に設けて構成した滑り止め把持体(A)を、両端が着脱可能なジョイント部(4a)、(4b)を有する前記裏側ケーブル(4)上に複数の前記裏側ケーブル接続部(2)を介してスライド可能に連結すると共に、前記滑り止め把持体(A)は前記タイヤ表裏の外周上の任意の位置を前記滑り止め把持体(A)の内面で把持できる仮留め機能を有するタイヤ滑り止め装置である。
【0006】
[2]複数の前記裏側ケーブル接続部(2)の一部のスライドを制限する[1]のタイヤ滑り止め装置。
【0007】
[3]前記裏側ケーブル(4)若しくは前記滑り止め把持体(A)、又は該裏側ケーブル(4)及び前記滑り止め把持体(A)は変形自在で形状維持の機能を有する[1]又は[2]のタイヤ滑り止め装置。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、滑り止め装置の滑り止め把持体(A)に仮留め機能を有したことで、力のない女性や老人等も、タイヤの接地面から一気に頂上まで持ち上げてのジョイント部(4a)、(4b)の接続作業や、タイヤの表側での表側固定部(3)を本留め固定部(B)へ固定する作業も、仮留め状態を段階的に維持出来るので滑り止め装置の装着が容易になった。
このように、走行中に外れたりしない堅固な裏側ケーブルを設けた、従来の滑り止め装置の課題であった、装着が容易でない難作業を本発明は同時に解決した。
特に自動車を常用している多くのドライバー達から切望されていた軽量で着脱が容易で滑り止め効果の大きい、簡易的なタイヤ滑り止め装置が提供されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図2】同、実施例1に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図3】同、実施例2に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図4】同、実施例2に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図5】同、実施例3に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図6】同、実施例3に係るタイヤ滑り止め装置を示す斜視図。
【
図7】同、実施例4に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図8】同、実施例4に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図9】同、実施例5に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図10】同、実施例5に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図11】同、実施例6に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【
図12】同、実施例1に係るタイヤ滑り止め装置を示す形態図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の構成を簡単に記すと、両端に着脱可能なジョイント部(4a)、(4b)を有し、自動車タイヤの裏側に配される裏側ケーブル(4)と、該裏側ケーブル(4)上に設けられる滑り止め把持体(A)とを備え、該滑り止め把持体(A)は前記タイヤの外周上に配する滑り止め部(1)と該滑り止め把持体(A)の一端側に設けた前記裏側ケーブル接続部(4)に接続する裏側ケーブル接続部(2)と同滑り止め把持体(A)の他端側に設けた本留め固定部(B)に固定する表側固定部(3)とから成り、
該滑り止め把持体(A)は前記裏側ケーブル接続部(4)を介して前記裏側ケーブル(4)と接続しつつ、前記滑り止め把持体(A)の両端によって前記タイヤの外周上を幅方向に挟んで任意の位置に仮留めできることを特徴とするタイヤ滑り止め装置である。
又、本発明において本留め固定部(B)は、滑り止め把持体(A)の表側固定部(3)を固定できるものであれば何でも良く、タイヤの一部を利用しても良いし、タイヤとは別に表側固定部(3)を相互に固定する別体を配しても良い。
以下、本発明を実施するための形態について
図1から
図12に基づき説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の滑り止め装置を示す実施例1に係る実施形態図であり、滑り止め効果を増すスパイクピンを複数設けた滑り止め部(1)とその両端にタイヤの幅方向に設けた裏側ケーブル接続部(2)と表側固定部(3)とから湾曲して成る滑り止め把持体(A)で、両端が着脱可能なジョイント部(4a)、(4b)を設けた裏側ケーブル(4)上に裏側ケーブル接続部(2)が接続してある。
そして、滑り止め把持体(A)はC字状の形状をした弾性体バネ効果でタイヤを把持して仮留めする。
又、滑り止め把持体(A)が湾曲しているものは巻物状に詰めて巻いて元に戻らぬように留めておけば実施例2も同様に収納スペースをとらない。
そして、表側固定部(3)は本留め固定部(B)に固定するフック孔が設けてある。
【0012】
図2は本発明の滑り止め装置全体を示す実施例1に係る実施形態図であり、又、滑り止め把持体(A)の一端側に設けた裏側ケーブル接続部(2)が裏側ケーブル(4)に数珠つなぎ状に連結してある。
そして、本留め固定部(B)は、金属スプリング製の固定バンドで表側固定部(3)のフック孔に挿入するフックは各滑り止め把持体(A)が、ずれぬように環状バンドに等間隔で固定してある。
なお、実施例1の裏側ケーブル(4)と裏側ケーブル接続部(2)の接続の仕方は各々のジョイント部(4a)、(4b)に近い2個のみ固定し、内側の他2個は自由にスライド接続すると、裏側ケーブル(4)の両端のジョイントのケーブルが掴み易くなるので接続し易く又、タイヤへ仮留め、し易い。
【0013】
又、本発明での裏側ケーブル(4)はジョイントの先端部を手で掴まなくても、ケーブルの素材にハリが有り、接続の仕方がスライドせずに固定又は、限り無く固定してあれば、滑り止め把持体(A)を掴めば、更に扱い易い。
ここでは実施例1の説明であるが他の実施例についても同様である。
【0014】
そして、表側固定部(3)のフック孔に本留め固定部(B)の固定バンドのフックを挿入して引っ張りながらに対角線上の各々の滑り止め把持体(A)の表側固定部(3)のフック孔にフックを挿入すると、軟質ポリウレタン樹脂などの滑り止め把持体(A)は表側に引っ張られるとタイヤの幅方向のタイヤ形状に変形し密着して装着が完了する。
【実施例2】
【0015】
図3は実施例2に係る実施形態図であり、滑り止め把持体(A)は円筒形状を上から下に縦に切り離した形状をした弾性体のバネ効果でタイヤを把持する。
又、表側固定部(3)にリピートタイプの結束バンドが設けてあるので本留め固定部(B)であるタイヤホイールのスポーク部に結ぶように通してからロック部に挿入して引っ張り上げて固定する。
利点としては滑り止め把持体(A)が、走行中に緩んでもロック機能で後戻りせずに何回でも増し締めができ、又、装置を外すにもロックを解除すれば容易である。
【0016】
図4は実施例2に係る実施形態図であり、
図4(a)は滑り止め把持体(A)が4ブロックの構成では表側固定部(3)の結束バンドを各々タイヤホイールのスポーク部である本留め固定部(B)へ回し通して固定したタイヤの表側の図である。
そして、
図4(b)は、実施例2のタイヤの裏側の図である。
又、この実施例の表側固定部(3)の結束バンドは樹脂製のリピートタイプであるが、他にも長さ調整バックル付のナイロン繊維製バンドや結束ゴムバンド、そして長さ調整が容易な面ファスナー製のバンドでも良い。
【実施例3】
【0017】
図5は本発明の滑り止め装置を示す実施例3に係る実施形態図である。
ここでは、タイヤの幅方向に、柔らかい軟鉄やアルミニウム等の形状保持の針金又は、新素材のプラスチック線材等を合成樹脂の滑り止め把持体(A)内に貫通して設けた浅溝付きの板形状である。
【0018】
このように、滑り止め部(1)の両側に浅溝が複数設けてあり、滑り止め把持体(A)を装着タイヤの幅に応じて、この溝で少し内側まで両端を近づけてコの字状に湾曲させて、きつい摩擦効果でタイヤを把持して仮留めする。
そして、この実施例3での表側固定部(3)はギザ溝が突設してある。
【0019】
ここでも、裏側ケーブル(4)は軟鉄やアルミニウム等の針金を樹脂で被覆したものや、新素材のプラスチック線材等の変形自在で形状維持機能を有したケーブルはハリが強く、曲がり難いので長く延した滑り止め装置をタイヤの接地面の裏側に押して通す作業が容易となる。
【0020】
そして、
図6は本発明の滑り止め装置を示す実施例3に係る実施形態図である。
又、
図6(a)は、タイヤに滑り止め把持体(A)の4ブロックをドーナツ板状の本留め固定部(B)である
図6(b)を用いて、装着が完了したタイヤの表側の図である。
【0021】
このように本留め固定部(B)である
図6(b)は表側固定部(3)のギザ溝を挿入するロック機構が等間隔に設けてあるドーナツ板状の固定装置であり、実施例2と同様な、リピートタイプの結束バンド対応のロック機構が各々に設けてある。
利点として、滑り止め把持体(A)の等間隔の位置が必然的に決まることと、走行中に各ブロックがお互いに干渉して協働するので緩みにくく、定位置を保つこと。
又、
図6(b)とは構成が逆で、表側固定部(3)にギザ溝を挿入するロック機構を設け、ドーナツ板状側の本留め固定部(B)にギザ溝を各々に突設しても良い。
【実施例4】
【0022】
図7(a)は本発明の滑り止め装置を示す実施例4に係る実施形態図である。
この実施例は実施例3と異なり、柔らかな軟鉄やアルミニウム等の薄い金属板に樹脂で被覆したものや、板状のプラスチック新素材であって、どちらも変形自在で形状維持の機能を有する板状の滑り止め把持体(A)の図である。
又、
図7(b)は滑り止め把持体(A)を布製の滑り止め効果のある起毛繊維やフェルト繊維等の滑り止め部(1)の縁枠に同じ
図7(a)の素材を使用したものである。
【0023】
ここでも、裏側ケーブル(4)は実施例3と同様で軟鉄やアルミニウム等の針金を樹脂で被覆したものや、新素材のプラスチック線材等の変形自在で形状維持機能を有したケーブルである。
【0024】
そして、
図8は、スパイクピンを複数設けた時の
図7(a)の図で、同様に滑り止め部(1)の両側に浅溝が複数設けてあり、滑り止め把持体(A)を装着タイヤの幅に応じて、この溝で少し内側まで両端を近づけて湾曲させて、きつい摩擦効果でタイヤを把持して仮留めする。
又、本留め固定部(B)は金属スプリング製の固定バンドで表側固定部(3)のフック孔に挿入するフックが環状バンドに等間隔で固定してある。
【0025】
この実施例3と実施例4の利点は滑り止め把持体(A)を変形させて板形状に戻し、又、裏側ケーブル(4)も変形するので、重ねてまとめておけば、車のトランク内の収納や保管に場所をとらない。
【実施例5】
【0026】
図9は本発明の滑り止め装置を示す実施例5に係る実施形態図である。
滑り止め把持体(A)がバネ効果を有した金属製の薄板又は、硬化性樹脂製の、やや内側にコの字状の形状で、摩擦と弾性体バネ効果とでタイヤを把持して仮留めする。
又、表側固定部(3)にはフックが設けてある。
【0027】
そして、
図10(a)はタイヤに滑り止め把持体(A)の4ブロックを
図10(b)であるゴムバンドの環状の本留め固定部(B)を用いて装着完了したタイヤの表側の図である。
このように、本留め固定部(B)である
図10(b)は環状で弾性の強い合成ゴムや金属スプリング製の本留め固定部(B)である。
又、
図10(c)は更に弾性の強い形状をした合成ゴムの本留め固定部(B)である。
しかし、
図10(d)はリピートタイプの結束バンドで4ブロックの表側固定部(3)の各フックを同時に強い締め付けが出来、又、増し締め可能な本留め固定部(B)である。
或いは、2本又は、X状の本留め固定部(B)で、対向する滑り止め把持体(A)の表側固定部(3)を対角線上に互いに引っ張りっこするように固定しても良い。
【0028】
又、この実施例は滑り止め把持体(A)が軟質ポリウレタン樹脂等ではなく、実施例2と同じタイヤの幅方向のタイヤ形状に変形し辛いので、表側固定部(3)をフックでなく、リピートタイプの結束バンドを設けて本留め固定部(B)のスポークに固定すれば、滑り止め把持体(A)のブロックが走行中に緩んでもロック機能で後戻りせずに何回でも増し締めができ、又、装置を外すにもロックを解除すれば容易である。
【実施例6】
【0029】
次の
図11は実施例6に係る実施形態図であり、この滑り止め装置では滑り止め把持体(A)を複数個で構成して、各々の滑り止め部(1)を連結させたタイヤ滑り止め装置である。
なお、この実施例に
図7(b)の滑り止め部把持体(A)の起毛繊維やフェルト繊維等を使用しても良い。
そして、裏側ケーブル接続部(2)は裏側ケーブル(4)上に全て固定せずにスライドフリーで連結してある。
【0030】
又、図で示すように、滑り止め把持体(A)を追加して間隔を縮めてもタイヤのトレッド上の各連結部が、たわむので、図のように裏側ケーブル(4)のジョイント部(4b)に近い口径を大きく設けた裏側ケーブル接続部(2)をジョイントの接続部に、スライドして被せれば、滑り止め部(1)も増えて滑り止め効果が増すばかりか、タイヤの全周を覆うので段差が無くなり乗り心地が良くなる。
そして、本留め固定部(B)である環状の金属スプリング製の固定バンドの固定フックの数も表側固定部(3)の数に応じて増やして固定する。
【0031】
図12は本発明の滑り止め装置の装着順序に係る実施形態図である。
本発明の装着法をここでは実施例1により
図12で説明すると、
(イ)
図12の(1)は、滑り止め装置を地面に置いて裏側ケーブル(4)の片側端のジョイント部(4a)をタイヤ裏側にくぐらせてから各々滑り止め把持体(A)と両端のジョイント部を表側に出した図である。
(ロ)
図12の(2)は滑り止め把持体(A)をタイヤ表裏に把被せて持し、タイヤ下から段階的にタイヤ頂上に向かって移動して裏側ケーブル(4)の両端のジョイント部(4a)、(4b)の接続が寸前の図である。
もし、タイヤの裏側の軸に裏側ケーブル(4)が当たる迄に両端のジョイント部(4a)、(4b)が接続出来れば、滑り止め把持体(A)を全てタイヤ頂上付近に移動せずに、次の作業に移ることが出来る。
(ハ)
図12の(3)はタイヤの上部の滑り止め把持体(A)を把持したまま、他の滑り止め把持体(A)が対角線上の位置に移動中の仮留めの図である。
(ニ)
図12の(4)は滑り止め把持体(A)が各対角線上の位置に仮留めされ、本留め固定部(B)である金属スプリング製の固定バンドのフックで表側固定部(3)の差込口に対角線上に挿入すれば、軟質ポリウレタン樹脂などの滑り止め把持体(A)は裏側ケーブル接続部(2)を介して裏側ケーブル(4)と共に、タイヤ表側に引っ張られて、タイヤの幅方向のタイヤ形状に変形して装着が完了した図である。
【0032】
以上、各実施例で説明した滑り止め把持体(A)の形状や、裏側ケーブル接続部(2)の形状は、図で示したような外側から潰すとスライド調整が容易なパイプ形状若しくはスライドを固定又は、限りなく固定及び固定しないなどの接続の仕方や、表側固定部(3)の形状、又は、本留め固定部(B)などの各々の組み合わせは自由で各実施例に限定しない。
【0033】
このように、本発明は必要な時はいつでも素早く着脱できるので滑り止め装置の寿命や粉塵等の環境問題にも良い。
又、軟質ポリウレタン樹脂などが滑り止め把持体(A)ではタイヤの表側に引っ張られるとタイヤの幅方向のタイヤ形状に変形することで、殆どのタイヤサイズに適合するので生産性や利便性も上がる。
【0034】
更に、本発明は以上のように、タイヤ適合サイズが広いので滑り止め装置を家族や他の自動車にも使用出来るので使用頻度の低い都会のドライバーの突発的な雪に対してはかなり便利な滑り止め装置となる。
【符号の説明】
【0035】
A:滑り止め把持体
B:本留め固定部
1:滑り止め部
2:裏側ケーブル接続部
3:表側固定部
4:裏側ケーブル
4a:ジョイント部
4b:ジョイント部
【要約】 (修正有)
【課題】装着後も走行中に外れたりしない堅固で装着が容易でしかも、収納し易いタイヤ滑り止め装置を提供する。
【解決手段】タイヤの裏側に配される裏側ケーブル4とタイヤの表側に配する本留め固定部Bを介してタイヤに取り付けるタイヤ滑り止め装置であって、タイヤのトレッド外周上に配する滑り止め部1を幅方向の中央部に設け、その両端部の一端側に裏側ケーブルに接続する裏側ケーブル接続部2と、他端側に本留め固定部に固定する表側固定部3を、それぞれ前記タイヤの幅方向に設けて構成した滑り止め把持体Aを、両端が着脱可能なジョイント部4a、4bを有する前記裏側ケーブル上に複数の裏側ケーブル接続部を介してスライド可能に連結すると共に、滑り止め把持体は前記タイヤ表裏の外周上の任意の位置を前記滑り止め把持体の内面で把持できる仮留め機能を有する。
【選択図】
図2