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特許7141586ラベル片付き郵便はがき及びその製造方法
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  • 特許-ラベル片付き郵便はがき及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ラベル片付き郵便はがき及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20220915BHJP
   B42D 15/08 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
B42D15/08 D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018109037
(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公開番号】P2019202524
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-020350(JP,A)
【文献】特開2012-148546(JP,A)
【文献】特開2000-343863(JP,A)
【文献】特開2015-47867(JP,A)
【文献】特開平4-128097(JP,A)
【文献】特開平4-226793(JP,A)
【文献】米国特許第5598970(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線で連接され縦幅の長さが同じで横幅の長さが第一葉片≒第二葉片>第三葉片≧第四葉片の関係の合計4葉片が上から第四葉片、第三葉片、第二葉片及び第一葉片の順序で重ね合わされたラベル片付き郵便はがきであり、各葉片の対向面間疑似接着手段を介して剥離可能に接着し、剥離後第一葉片、第二葉片及び第三葉片が平面状に展開すると共にラベル片である第四葉片を第3葉片と連接する折り線に形成された折り及び切断手段により分離することができ、前記第四葉片の第三葉片と接着していた面にも情報が記載されていることを特徴としたラベル片付き郵便はがき。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の葉片を折畳み剥離可能に一体化することで、従来よりも大量の情報を隠蔽状態で伝達することが可能なラベル片付き郵便はがき及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の葉片を折畳み剥離可能に一体化することで、受取人に大量の情報を隠蔽状態でしかも郵便はがき料金で送れるという優れた機能を有する郵便はがきが使用されている。ところで内国郵便約款で規定される第二種郵便物の通常はがきは、はがきのサイズ、重さ、貼付ラベル片等に細かな制限がある。従って現状使用可能な通常はがきは、例えば実開平7-26160号公報に記載される三つ折りシークレットはがきのように、本体となる葉片の両面に葉片が貼付された三つ折り(Z折り)の形態までが認められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平7-26160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の三つ折りシークレットはがきは、住所記載部分を除く3葉片の表裏面に各種情報を記載することができる。ところでダイレクトメール等のはがきに受取人の住所・氏名を印刷する手段として、例えば前記受取人の住所氏名をプリンターによりはがき表面に直接印字したり、受取人の住所氏名を別工程で印字した宛名ラベルを別工程で貼り付けたりしている。
【0005】
本発明は現状3葉片が最多葉片となる三つ折りはがきであるところ、葉片に数えられない宛名ラベルを組み合わせることで更に多くの情報を記載して伝達することが可能となり、また宛名ラベルを容易に分離することができると共に分離後の郵便はがき本体が受取人の興味を引く平面状に展開することができるラベル片付き郵便はがきを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のラベル片付き郵便はがきは、折り線で連接され縦幅の長さが同じで横幅の長さが第一葉片≒第二葉片>第三葉片≧第四葉片の関係の合計4葉片が上から第四葉片、第三葉片、第二葉片及び第一葉片の順序で重ね合わされたラベル片付き郵便はがきであり、各葉片の対向面間疑似接着手段を介して剥離可能に接着し、剥離後第一葉片、第二葉片及び第三葉片が平面状に展開すると共にラベル片である第四葉片を第3葉片と連接する折り線に形成された折り及び切断手段により分離することができ、前記第四葉片の第三葉片と接着していた面にも情報が記載されていることを特徴としている。
【0007】
本発明のラベル片付き郵便はがきのラベル片とみなされる葉片表面に記載される情報は、料金受取人払いや料金別納、料金後納等の表示、郵便番号枠及び受取人の住所氏名等の郵便業務に関連する必須の表示に限られる。そしてその中でも必須の表示は受取人の住所氏名である。即ち白紙の面に受取人の住所氏名が表示されただけの状態が基本になり、場合により郵便番号枠等郵便業務に関連する表示が記載される。
【0008】
本発明のラベル片付き郵便はがきの葉片を構成する基材としては、公知の印刷用紙(上質紙、マット紙、コート紙等)の他に合成紙、不織布、樹脂フィルムシート等を好適に使用することができる。またその斤量や銘柄等は任意に選択される。
【0009】
本発明のラベル片付き郵便はがきの剥離可能な接着は、以下の各種疑似接着手段により実行される。以下の各疑似接着手段が形成された用紙は、折り畳まれ加圧或いは加熱・加圧処理を施されると剥離可能に接着するものである。
1)天然或いは合成ゴムを主剤とした疑似接着性の接着剤を印刷前の用紙に塗布、含侵 させた後に表面から印刷を施す、業界で先糊方式と呼ばれるもの。
2)印刷後の用紙表面に疑似接着性のUV硬化ニスを塗布して疑似接着性の被膜を形成 する、業界で後糊方式と呼ばれるもの。
3)印刷後の用紙表面に疑似接着性のフィルムシートを被覆する、業界でフィルム方式 と呼ばれるもの。なおフィルム方式は、予め疑似接着されたフィルムシートを折り 畳まれた葉片間に挟み込み加熱・加圧処理を施して剥離可能に一体化する挟み込み 方式と、疑似接着層を形成した疑似接着フィルムシートを印刷後の用紙表面に被覆 して、その後折り畳み疑似接着層同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施 して剥離可能に一体化する全面貼り方式がある。
【0010】
また本発明のラベル片付き郵便はがきの各葉片を連接する折り線に設けられる折り手段は、折りミシン或いは折り筋等が好適に使用されるが、何も折り手段を施さずに折り機等により強制に折り畳んでも構わない。
【0011】
さらに、本発明のラベル片付き郵便はがきの、ラベル片となる表出葉片と下側の葉片とを連接する折り線には、切取りミシンやマイクロミシン等の折り及び切断手段が施される。このようにすることでラベル片を、残りの郵便はがき本体を構成する各葉片から剥離した後に分離することができる。なおマイクロミシンや切取ミシンのカットとアンカットの比率に格別な制限はなく、はがきシートと被覆されているフィルムシートの両者を容易に引裂くことができる比率が好適に採用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のラベル片付き郵便はがきによれば、従来情報記載面が3葉片の中の5面と残る1面の住所記載部以外の部分となるところ、3葉片の6面全面とラベル片裏面の合計7面となる。従って従来よりも、より多くの情報を隠蔽状態で伝達することが可能になる。また情報量が増えるにも関わらず郵便料金が通常はがきの料金のため極めて経済的である。
【0013】
また、最上面の葉片が下側の葉片と折り線で連接されているが、その折り線に形成された切取りミシンやマイクロミシン等の分離可能な手段が施されているため、破断して分離することが容易にできる。そして最上面の葉片(ラベル片)が引き剥がされた郵便はがき本体側は平面状態に展開できるので、受取人の興味を喚起して開封率を引き上げ広告宣伝効果をより向上させることができる。
【0014】
さらに、本発明のラベル片付き郵便はがき製造する場合、1枚のはがき用紙からラベル片の貼付作業まで一貫した作業で完了できるため、はがき本体に記載される個人情報とラベル片に記載される受取人との不一致による事故がなくなると共にラベルの貼付ずれや脱落がない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(A)は本発明のラベル片付き郵便はがきH1の平面図、(B)は(A)におけるI-I線断面図である。
図2】(A)は本発明のラベル片付き郵便はがきH1の斜視図、(B)は全ての葉片を剥離すると共にラベル片(第四葉片4)を分離した様子を示す斜視図である。
図3】(A)は本発明のラベル片付き郵便はがきH1の製造方法で使用する単位はがきシートSの表面図、(B)は裏面図である。
図4】(A)は疑似接着シートGが疑似接着予定面に貼り込まれた単位はがきシートSの表面図、(B)裏面図である。
図5】(A)は実施例1と異なる態様のラベル片付き郵便はがきH2の平面図、(B)は(A)におけるII-II線断面図である。
図6】(A)はさらに異なる態様のラベル片付き郵便はがきH3の平面図、(B)は(A)におけるIII-III線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0016】
[ラベル片付き郵便はがきH1]
以下本発明を図面に沿って分かりやすく説明する。
なお以下の実施例では、疑似接着手段としてフィルム方式における全面貼り方式の疑似接着フィルムシートを使用している。
図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)に示すように本実施例1のラベル片付き郵便はがきH1は、上から第四葉片4、第三葉片3、第二葉片2及び第一葉片1が、折り線7、6及び5から蛇腹状に折り畳まれて重ね合わされている。そして各葉片の対向面間は疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に接着されている。
【0017】
本ラベル片付き郵便はがきH1の各葉片の横幅の関係は図1(B)に示すように、第一葉片1≒第二葉片2>第三葉片3≒第四葉片4で、また縦幅の関係は略同じである。そして第四葉片4及び第三葉片3の左側縦縁辺から第二葉片2の左側縦縁辺がはみ出し、その表出面に「POST CARD」或いは「郵便はがき」等の表示がなされている。この場合、前記表示がされている第二葉片2がはがき本体とみなされる。
【0018】
本ラベル片付き郵便はがきH1の各葉片を連接する折り線(折り線7を除く)に設けられる折り手段として折りミシンがあるが、本実施例では図1(B)に示すように、前記折りミシンがはがきシートSと疑似接着フィルムシートGの両者に形成されている。しかしはがきシートSのみに形成されていても構わず、或いは全く形成されることなく折り機等により強制的に折り畳まれていても構わない。また折りミシンに代えて折り筋でも構わない。
【0019】
また折り線7には、折り畳みが容易であると共に切り離しも可能な切取ミシン或いはマイクロミシンが形成されている。なお本実施例で用いられるマイクロミシンのカット及びアンカットの対比は1:0.5であるがそれに限られるものではない。また切取ミシンであれば2:1近辺の対比のものが好適に採用されるが、マイクロミシン或いは切取りミシンの何れにしても折り畳みが容易で且つ切り離しが容易であればどのような比率でも構わない。
【0020】
このラベル片付き郵便はがきH1の受取人は、開封縁辺に沿って形成された段差或いは葉片の対向面の縦縁辺に形成されている疑似接着フィルムシートG同士が接着していない非接着域の空間等を剥離の端緒として、指で摘まみ捲り上げることができる。そして図2(B)に示すように、断面Z字状に折り畳まれている郵便はがき本体側の3葉片を平面に展開することができ、さらにラベル片である第四葉片4は連接されている第三葉片3から切り離すことができる。そして第四葉片4裏面に記載された情報と、その他の各葉片の表裏面に記載された各種情報を、透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して視認することが出来るのである。
【0021】
[ラベル片付き郵便はがきH2及びH3]
なお上記ラベル片付き郵便はがきH1以外に以下の態様のものを好適に使用することができる。
例えば図5に示すラベル片付き郵便はがきH2のように、各葉片の横幅の関係が第一葉片1≒第二葉片2>第三葉片3>第四葉片4の関係で、第三葉片3の右側部分が表出していても良い。
或いは図6に示すラベル片付き郵便はがきH3のように、各葉片の横幅の関係が第一葉片1≒第二葉片2>第三葉片3≒第四葉片4の関係で、第二葉片2の表出面に「POST CARD」と料金受取人払いや「料金後納」、「料金別納」等の表示がなされていても構わない。
【実施例2】
【0022】
[ラベル片付き郵便はがきH1の製造方法]
本実施例1のラベル片付き郵便はがきH1は、例えば図3(A)及び(B)に示すように、第一葉片1、第二葉片2、第三葉片3及び第四葉片4が折り線5、6及び7を介して横方向に連接されたはがきシートSにより製造される。なお前記はがきシートSはビジネスフォーム印刷等に使用される長尺状シートに印刷されていても、或いはオフセット印刷等に使用される枚葉状シートに印刷されていても構わない。
【0023】
長尺状シートに印刷される場合、例えば単位葉書シートSが天地辺を接するようにして上下方向に連続的に印刷され、第一葉片1及び第四葉片4の外側にマージナル孔を設けたマージナル部分が連接される。また枚葉状シートに印刷された場合、例えば単数或いは複数の単位葉書シートが間隔を開けて上下方向に並んで印刷され、各単位葉書シートの四周は後に切除される余白で囲まれる。
【0024】
そして長尺状シート或いは枚葉状シートに印刷されたはがきシートSの、各葉片の表裏面の疑似接着予定面に、ラミネータ等の被覆装置により疑似接着フィルムシートGが、図4(A)に示すように第二葉片2及び第三葉片3表面の略全面、そして同図(B)に示すように4葉片の裏面の全面に被覆される。
【0025】
このように疑似接着フィルムシートGが表裏面に被覆されたはがきシートSは、長尺状シートにあってはスリッターやダイカットローラ、また枚葉状シートにあっては断裁機や型抜き機等により周囲が切除され切り出された後或いは切り出し中に折り機に掛けられ、図1(B)に示す状態に折り畳まれた後に例えば一対の搬送ローラと一対のヒータパネルが交互に配置されると共に出口に一対の加圧ローラが設けられた一体化装置へ送り込まれる。
【0026】
なお前記折り畳みの順序であるが、はがきシートS単体に切り出した後に折り機で折る場合、一気に蛇腹折りの最終折り畳み態様まで折り込むことができる。また長尺状シートやフィルムシートの連続被覆により長尺状になった枚葉シートの場合、第一段階として折り線7から第四葉片4裏面が第三葉片3裏面と対向するように折り畳む。そして第二段階として折り線5から第一葉片1裏面が第二葉片2裏面と、折り線6から第二葉片2表面が第三葉片3表面とそれぞれ対向するように折り畳み、図1(B)に示すような蛇腹状に折り畳むのである。なお、マージナル部分や余白は前記折り畳み工程の前或いは後で切除され、折り畳みが終了後に単体のはがきシートSに仕上げられるのである。
【0027】
前記一体化装置では、折り畳まれて通過するはがきシートSに加圧或いは加熱・加圧処理が施され、対向する葉片間の疑似接着フィルムシートG同士が剥離可能に接着されラベル片付き郵便はがきH1として完成するのである。
【0028】
なお上記ラベル片付き郵便はがきの製造方法はラベル片付き郵便はがきH1をモデルに説明しているが、その他の態様のラベル片付き郵便はがきH2及びH3の場合も同様に製造することが可能であることは言うまでもない。
【0029】
なお、本発明は、上記実施例に限られるものではない。
例えば、前記実施例1及び2では、ラベル片付き郵便はがきを構成する疑似接着手段として全面貼り方式のフィルム方式を採用しているが、同じフィルム方式の挟み込み方式或いは先糊方式や後糊方式等により構成されていても構わない。
【0030】
また各葉片の横幅の関係で、本体葉片の第二葉片より第一葉片が狭くても構わない。
【符号の説明】
【0031】
H1、H2、H3ラベル片付き郵便はがき
S はがきシート
G 疑似接着フィルムシート
1、2、3、4 葉片
5、6 折り線
7 マイクロミシン
図1
図2
図3
図4
図5
図6