(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】キャブ構造
(51)【国際特許分類】
B62D 33/06 20060101AFI20220915BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20220915BHJP
B62D 25/06 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B62D33/06 C
B62D25/08 B
B62D25/06 A
(21)【出願番号】P 2018088817
(22)【出願日】2018-05-02
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【氏名又は名称】米山 尚志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健太郎
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-171033(JP,A)
【文献】特開2017-144884(JP,A)
【文献】特開2000-043755(JP,A)
【文献】特開2007-331624(JP,A)
【文献】特開2001-026286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/06
B62D 25/08
B62D 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフパネルとバックパネルとを備えるキャブ構造であって、
前記ルーフパネルは、
車室の上方で上下方向と交叉するルーフ上板部と、
前記ルーフ上板部の後端縁から下方へ延びるルーフ後板部と、を備え、
前記ルーフ上板部は、上方へ突出した状態で前後方向に延びるビード上部を有し、
前記ルーフ後板部は、後方へ突出した状態で前記ビード上部の後端部から連続して下方へ延びるビード後部を有し、
前記ルーフ後板部のうち前記ビード後部の左右両側の領域は、
前記車室の後方で前後方向と交叉する
前記バックパネルの上端部に
後方から重なって接合され
、
上方へ凹む前記ビード上部の下面の後端部と、後方へ凹む前記ビード後部の前面の上端部とは、円弧面状に曲折する湾曲面を介して連続し、
前記湾曲面から連続して下方へ延びる前記ビード後部の前記前面の下端部と前記バックパネルの前記上端部との間には、上方が前記車室の内部と連通し、下方が前記車室の外部に開口する連通孔が区画される
ことを特徴とする
キャブ構造。
【請求項2】
請求項1に記載の
キャブ構造であって、
前記ビード後部は、前記ビード上部の
前記後端部から少なくとも前記ルーフ後板部のうち前記バックパネルの
前記上端部に対して接合される接合部の高さ位置まで延びる
ことを特徴とする
キャブ構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載
のキャブ構造であって、
前記ルーフパネルは、車幅方向に互いに離間する複数組の前記ビード上部および前記ビード後部を有し、
前記連通孔は、車幅方向に互いに離間して複数配置される
ことを特徴とするキャブ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャブ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、キャブオーバ型の車両のキャブ構造が記載されている。この車両は、バックパネルの上端部に設けられる直状フランジの外面にルーフの後端縁を重ね一体接合している。同公報には、ルーフの上面から上方へビードが突出し、ビードよりも後方のルーフの後端部が平板状に形成されて車幅方向に延びている状態が図示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両のキャブ構造では、ルーフ(ルーフパネル)の後端縁がバックパネルの直状フランジに重なっている。すなわち、ルーフパネルの平板状の後端部がバックパネルの直状フランジに重なった状態で、バックパネルに対して接合されている。このため、ルーフパネルに対して上方から荷重が入力すると、ビードに入力した荷重は、ビードの後端から平板状のルーフパネルの後端部に入力する。このように、ルーフパネルの剛性を確保するためのビードからルーフパネルの平板状の後端部に荷重が入力するので、ルーフパネルの後端部に応力が集中してルーフパネルの後端部が変形してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、ルーフパネルに対して上方から荷重が入力した際のルーフパネルの後端部の変形を抑制することが可能なキャブ構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様のキャブ構造は、ルーフパネルとバックパネルとを備える。ルーフパネルは、ルーフ上板部とルーフ後板部とを備える。ルーフ上板部は、車室の上方で上下方向と交叉する。ルーフ後板部は、ルーフ上板部の後端縁から下方へ延びる。ルーフ上板部は、上方へ突出した状態で前後方向に延びるビード上部を有する。ルーフ後板部は、後方へ突出した状態でビード上部の後端部から連続して下方へ延びるビード後部を有する。ルーフ後板部のうちビード後部の左右両側の領域は、車室の後方で前後方向と交叉するバックパネルの上端部に後方から重なって接合される。上方へ凹むビード上部の下面の後端部と、後方へ凹むビード後部の前面の上端部とは、円弧面状に曲折する湾曲面を介して連続する。湾曲面から連続して下方へ延びるビード後部の前面の下端部とバックパネルの上端部との間には、上方が車室の内部と連通し、下方が車室の外部に開口する連通孔が区画される。
ルーフパネルは、車幅方向に互いに離間する複数組のビード上部およびビード後部を有してもよい。連通孔は、車幅方向に互いに離間して複数配置されてもよい。
【0007】
上記構成では、ルーフ後板部は、ビード上部の後端部から連続して下方へ延びるビード後部を有し、バックパネルの上端部に対して接合されるので、ルーフパネルに対して上方から荷重が入力した際にビード上部に入力した荷重は、ビード上部からビード後部に入力し、ルーフ後板部とバックパネルとの接合部側へ伝達される。ビード後部がビード上部の後端部から連続して下方へ延びるので、ビード後部の下端をルーフ後板部とバックパネルとの接合部の高さ位置に上方から近付けることによって、ビード後部の下端と接合部との間の平板状の領域(ビードが形成されない領域)を上下方向に短くすることができる。このように、ビード後部の下端と接合部との間の応力が集中し易い上記領域を短くすることができるので、ルーフ後板部への応力の集中を抑えることができ、ルーフ後板部(ルーフパネルの後端部)の変形を抑制することができる。
また、ビード後部の前面とバックパネルの上端部との間に、上下方向に延びて車室の内部と外部とを連通する連通孔が区画されるので、例えば、キャブを塗装するためにキャブを塗料の入った槽に浸漬させた後、塗料から引き上げた際に、車室の内部側の塗料を連通孔から車室の外部へ排出することができる。このように、ルーフパネルの剛性を確保するためのビード後部を利用して、車室の内部側の塗料を排出することができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のルーフパネルであって、ビード後部は、ビード上部の後端部から少なくともルーフ後板部のうちバックパネルの上端部に対して接合される接合部の高さ位置まで延びる。
【0009】
上記構成では、ビード後部は、ビード上部の後端部から少なくともルーフ後板部のうちバックパネルの上端部に対して接合される接合部の高さ位置まで延びるので、ルーフ後板部のうちビード後部の下端と接合部との間の平板状の上記領域が形成されない。このため、ルーフパネルに対して上方から荷重が入力した際にビード上部からビード後部に入力した荷重は、ビード後部から上記平板状の領域を介することなくルーフ後板部とバックパネルとの接合部へ入力し、バックパネル側へ伝達される。従って、ルーフ後板部への応力の集中を抑えることができ、ルーフ後板部の変形を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ルーフパネルに対して上方から荷重が入力した際のルーフパネルの後端部の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るルーフパネルを備える車両の斜視図である。
【
図2】
図1の車両のキャブの要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0015】
図1及び
図2に示すように、本開示に係る車両のルーフパネル11は、キャブ2が概ねエンジン(図示省略)の上方に配置されるキャブオーバー型のトラック(車両)1に適用される。
【0016】
キャブ2は、フロントガラス10と、車室3の上方に配置されるルーフパネル11と、車室3の前方で起立するダッシュパネル12と、車室3の下方で車室3を下方から覆うフロアパネル13と、車室3の後方で起立するバックパネル14と、車室3の左右両側で起立してドア4が取り付けられる左右1対のサイドパネル15とを有する略箱状体であって、その内部に車室3を区画する。
【0017】
図2及び
図4に示しように、バックパネル14は、前後方向と交叉する板状に形成され、車両1の車室3の後方を区画する。バックパネル14の上端部14aには、前後方向と交叉する状態で車幅方向に直線状に延びる平板状のルーフ固定部52と、ルーフ固定部52の上端縁から斜め上前方へ延びる延出部53とが設けられる。
【0018】
図2~
図4に示すように、ルーフパネル11は、ルーフ上板部25とルーフ後板部26とを備える。ルーフ上板部25及びルーフ後板部26には、ルーフ上板部25からルーフ後板部26へ連続する複数(本実施形態では、7本)のビード30が形成される。
【0019】
ルーフ上板部25は、車室3の上方で上下方向と交叉する板状に形成される。ルーフ上板部25の車幅方向両端部22は、前後方向に沿って延びて、左右のサイドパネル15の上端部にそれぞれ接合される。ルーフ上板部25の前端部25aには、フロントガラス10の上端部が固定される。
【0020】
ルーフ後板部26は、ルーフ上板部25の後端縁から曲折して下方へ延びる。ルーフ後板部26の下端部20は、バックパネル14の上端部14aに接合される。ルーフ後板部26の車幅方向両端部21は、上下方向に沿って延びて、左右のサイドパネル15の後端部にそれぞれ接合される。
【0021】
複数のビード30は、互いに車幅方向に離間して互いに平行となるように、ルーフパネル11に設けられ、ルーフパネル11の剛性を確保する。複数のビード30は、車幅方向右側から順に、第1ビード31、第2ビード32、第3ビード33、第4ビード34、第5ビード35、第6ビード36、及び第7ビード37であり、第4ビード34を中央に左右に略等間隔で配置される。なお、複数のビード30は、ほぼ同様の構成を有するため、以下では、ルーフパネル11の車幅方向中央部に配置される第4ビード34について説明し、他のビード31,32,33,35,36,37の説明を省略する。
【0022】
第4ビード34は、ルーフ上板部25に形成されるビード上部38と、ルーフ後板部26に形成されるビード後部39とによって構成される。
【0023】
ビード上部38は、上方へ突出した状態でルーフ上板部25の前端部25aから後端縁25bまで前後方向に延びる。ビード上部38の下面側は、上方へ凹んでいる。ビード上部38は、互いに車幅方向に離間してルーフ上板部25の前端部25aから後端縁25bまで前後方向に延びる左右の側壁部40と、前後方向に沿って延びて左右の側壁部40の上端縁同士を連結する上壁部41とを有する。
【0024】
ビード後部39は、後方へ突出した状態でビード上部38の後端部38aから連続してルーフ後板部26の下端縁26aまで上下方向に延びる。ビード後部39の前面側は、後方へ凹んでいる。ビード後部39は、互いに車幅方向に離間した状態でビード上部38の左右の側壁部40の後端部から連続して下方へ延びる左右の側壁部42と、ビード上部38の上壁部41の後端部から連続して下方へ延びて左右の側壁部42の後端縁同士を連結する後壁部43とを有する。左右の側壁部42及び後壁部43の下端は、ルーフ後板部26の下端縁26aの高さ位置と略同じ高さ位置に配置される。
【0025】
次に、ルーフパネル11をバックパネル14に対して固定した状態について説明する。
図4及び
図5に示すように、ルーフ後板部26のうちビード後部39の左右両側に位置する領域51の前面が、バックパネル14のルーフ固定部52の後面に面接触した状態で、ビード後部39の左右両側に位置する領域51が、バックパネル14のルーフ固定部52に対してスポット溶接によって接合される。ビード後部39の左右両側に位置する領域51のうちバックパネル14のルーフ固定部52に対して接合されている部分27(以下、接合部27という。)は、ビード後部39の下端よりも上方に位置している。すなわち、ビード後部39の下端は、ルーフ後板部26の接合部27よりも下方に配置される。ルーフ後板部26のビード後部39の下端部と、バックパネル14のルーフ固定部52のうちルーフ後板部26と面接触していない領域55(以下、非接触領域55という。)とは、上下方向に延びる筒形状となる。ビード後部39の下端部の前面とバックパネル14のルーフ固定部52の非接触領域55の後面との間には、上下方向に延びて車室3の内部と外部とを連通する連通孔56が区画される。バックパネル14の延出部53は、ルーフ後板部26の前面側から斜め上前方へ延びる。バックパネル14の延出部53の先端は、ルーフ上板部25から下方に離間した位置に配置される。ルーフ後板部26と左右のサイドパネル15とバックパネル14の延出部53とによって、上方へ開放される空間28が区画される。
【0026】
本実施形態では、ルーフ後板部26は、ビード上部38の後端部38aから連続して下方へ延びるビード後部39を有し、バックパネル14の上端部に対して接合されるので、ルーフパネル14に対して上方から荷重が入力した際にビード上部38に入力した荷重は、ビード上部38からビード後部39に入力する。ビード後部39がビード上部38の後端部38aから連続して接合部27の高さ位置よりも下方まで延びるので、ルーフパネル14に対して上方から荷重が入力した際にビード上部38からビード後部39に入力した荷重は、ビード上部38側からルーフ後板部26の接合部27の高さ位置まで伝達され、ルーフ後板部26の接合部27からバックパネル14へ伝達される。このように、ビード上部38からビード後部39に入力した荷重を、ビード上部38側からルーフ後板部26の接合部27の高さ位置までビード後部39によって伝達することができるので、例えば、ビード後部39の下端の位置をルーフ後板部26の接合部27の高さ位置よりも上方に配置し、ビード後部39の下端とビード後部39よりも下方の接合部27との間に平板状の領域(ビード後部39が形成されず、応力が集中し易い領域)が設けられる場合とは異なり、ルーフ後板部26への応力の集中を抑えることができ、ルーフ後板部(ルーフパネル11の後端部)26の変形を抑制することができる。
【0027】
また、ビード後部39の前面とバックパネル14のルーフ固定部52の非接触領域55の後面との間に、上下方向に延びて車室3の内部と外部とを連通する連通孔56が区画されるので、キャブ2を塗装するためにキャブ2を塗料の入った槽に浸漬させた後、塗料から引き上げた際に、車室3の内部側の塗料を連通孔56から車室3の外部へ排出することができる。具体的には、キャブ2を塗料の入った槽に浸漬させた際に、ルーフ上板部25とバックパネル14の延出部53の先端との間から延出部53の上方の空間28へ塗料が浸入する。延出部53の上方の空間28へ浸入した塗料は、ルーフパネル11を上にしてキャブ2を塗料から引き上げた際、ビード後部39の前面とバックパネル14の非接触領域55の後面との間の連通孔56から車室3の外部へ排出される。このように、キャブ2を塗装する際に車室3の内部側に侵入した塗料を、ルーフパネル11の剛性を確保するためのビード後部39を利用して外部へ排出することができる。
【0028】
なお、本実施形態では、ルーフ後板部26のうちビード後部39の左右両側に位置する領域51の前面をバックパネル14のルーフ固定部52の後面に面接触させたが、ビード後部39の左右両側に位置する領域51の前面をバックパネル14のルーフ固定部52の後面に近接させてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、バックパネル14のルーフ固定部52を車幅方向に直線状に延ばしたが、車幅方向に直線状に延ばさなくてもよい。例えば、バックパネル14のルーフ固定部52を、ビード後部39の前面に面接触するように後方へ突出させた形状に形成してもよい。この場合、ビード後部39とバックパネル14のルーフ固定部52との間の連通孔56を設けなくてもよい。
【0030】
また、本実施形態では、ビード上部38の下面側を上方へ凹ませ、ビード後部39の前面側を後方へ凹ませたが、ビード上部38及びビード後部39の形状はこれに限定されるものではなく、ビード上部38の下面側及びビード後部39の前面側を凹ませなくてもよい。例えば、ビード上部の上面側を上方へ突出させ、ビード上部の下面側を上方へ凹ませないことによって、上方へ突出する中実状のビード上部としてもよく、また、ビード後部の後面側を後方へ突出させ、ビード後部の前面側を凹ませないことによって、後方へ突出する中実状のビード後部としてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、ビード後部39を、ビード上部38の後端部38aからバックパネル14との接合部27の高さ位置よりも下方まで延ばしたが、これに限定されるものではない。例えば、ビード後部39を、ビード上部38の後端部38aから下方へバックパネル14との接合部27の高さ位置と同じ高さ位置まで延ばしてもよい。この場合であっても、ビード後部39が、ビード上部38の後端部38aから下方へ少なくともバックパネル14との接合部27の高さ位置まで延びているので、ビード上部38からビード後部39に入力した荷重を、ビード上部38側からルーフ後板部26の接合部27の高さ位置までビード後部39によって伝達することができ、ルーフ後板部26への応力の集中を抑えて、ルーフ後板部26の変形を抑制することができる。或いは、ビード後部39を、ビード上部38の後端部38aから下方へ、バックパネル14との接合部27の高さ位置よりも上方まで延ばしてもよい。この場合であっても、ルーフ後板部26にはビード後部39が設けられるので、ビード後部39の下端をルーフ後板部26の接合部27の高さ位置に上方から近付けることによって、ビード後部39の下端と接合部27との間の平板状の領域(ビード後部39が形成されない領域)を上下方向に短くすることができる。このため、ルーフ後板部26への応力の集中を抑えて、ルーフ後板部26の変形を抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態では、ビード上部38をルーフ上板部25の前端部25aから後方へ延ばしたが、ビード上部38の前端側の位置はこれに限定されるものではない。
【0033】
また、本実施形態では、ビード上部38を、左右の側壁部40と上壁部41とを有する形状とし、ビード後部39を、左右の側壁部42と後壁部43とを有する形状としたが、ビード上部38及びビード後部39の形状はこれに限定されるものではない。例えば、ビード上部38を上方へ突出する半円筒状とし、ビード上部38を後方へ突出する半円筒状としてもよい。
【0034】
また、本実施形態では、複数のビード30を互いに平行となるように設けたが、互いに平行とならないように設けてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、ルーフパネル11に、ほぼ同様の構成を有する複数のビード30を設けたが、これに限定されるものではない。例えば、ビード上部38とビード後部39とから構成される1本のビード30と、該1本のビード30のビード上部38の左右の両側に配置されてビード上部38のみによって構成される複数のビードとを、ルーフパネル11に設けてもよい。
【0036】
また、本実施形態は、ルーフ後板部26の下端部20の前面をバックパネル14の上端部14aの後面に対して接合したが、これに限定されるものではなく、ルーフ後板部26の下端部20の後面をバックパネル14の上端部14aの前面に対して接合してもよい。
【0037】
また、本実施形態では、ルーフ後板部26をバックパネル14に対してスポット溶接によって接合したが、接合方法はスポット溶接に限定されるものではなく、例えば、ルーフ後板部26をバックパネル14に対して、ルーフ後板部26の下端縁に沿って溶接によって接合してもよい。
【0038】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のルーフパネル及びキャブ構造は、トラックその他の車両に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 車両
2 キャブ
3 車室
11 ルーフパネル
14 バックパネル
25 ルーフ上板部
26 ルーフ後板部
27 接合部
30 ビード
38 ビード上部
39 ビード後部
52 ルーフ固定部
53 延出部
56 連通孔