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特許7141596アイテム確認装置、鑑査支援システム及びアイテム確認装置用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】アイテム確認装置、鑑査支援システム及びアイテム確認装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018182127
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2019063514
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2017188180
(32)【優先日】2017-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】熊野 好則
(72)【発明者】
【氏名】高木 勇一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 高天
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-157579(JP,A)
【文献】特開2004-032507(JP,A)
【文献】特開2016-104345(JP,A)
【文献】特開2015-119750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のコードが付されたアイテムを対象とし、アイテムの種類を確認するアイテム確認装置であって、
本体装置と、本体装置を設置する設置台とを有し、
本体装置は、撮影機能を有する撮影部と、光学的手段によるコード読み取り機能を有するコード読み取り部を個別に有し、
設置台は、本体装置を保持する保持部と、鏡部を有し、
本体装置が保持部に取り付けられ、アイテムの撮影又はアイテムに付されたコードの読み取りのいずれか一方を直接的に実施し、鏡部を介して他方を間接的に実施することを特徴とするアイテム確認装置。
【請求項2】
撮影部でアイテムを直接的に撮影し、鏡部を介してコード読み取り部でアイテムに付されたコードを間接的に読み取る動作を含むことを特徴とする請求項1に記載のアイテム確認装置。
【請求項3】
外部にアイテムに関連するアイテム情報が記憶された外部記憶手段があり、当該アイテム情報にはアイテムに付されたコードに関する情報が含まれ、
本体装置は通信手段を有していて外部記憶手段を含む外部装置との間で情報通信が可能であり、
本体装置によってアイテムに付されたコードを読み取り、本体装置及び/又は外部装置でアイテム情報を参照し、コードが付されたアイテムが目的のアイテムであるか否かを確認することが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアイテム確認装置。
【請求項4】
本体装置は内部記憶手段を有し、当該内部記憶手段には、アイテムに関連するアイテム情報が記憶されており、当該アイテム情報にはアイテムに付されたコードに関する情報が含まれ、
本体装置によってアイテムに付されたコードを読み取り、アイテム情報を参照し、コードが付されたアイテムが目的のアイテムであるか否かを確認することが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項5】
設置台は、本体装置及び/又は鏡部の姿勢を変更可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項6】
本体装置は表示部を有し、表示部が傾斜姿勢又は垂直姿勢となる様に、設置台に本体装置を保持することが可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項7】
アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、
集めるべきアイテムは薬剤及び/又はサプリメントであり、
本体装置は表示部を有し、当該表示部に集めるべきアイテムに関する情報を表示可能であり、
アイテムに付されたコードを読み取り、コードを解析して当該アイテムが集めるべきアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、撮影が可能となることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項8】
アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、
集めるべきアイテムが複数種類ある場合には、集めるべき全ての種類のアイテムのコードが読み取られたことを条件として、撮影が可能となり、撮影された映像のデータが本体装置及び/又は他の機器に記憶されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項9】
アイテムの撮影時又はアイテムに付されたコードの読み取り時に発生する音声を録音可能であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項10】
鏡部は下半分の面積が上半分の面積よりも大きいものであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のアイテム確認装置。
【請求項11】
アイテム確認装置と、処方データを有する外部記憶手段と、通信手段を有する鑑査支援システムであって、
前記アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムは薬剤又はサプリメントであり、
通信手段を介して外部記憶手段からアイテム確認装置に処方データが送信され及び/又は通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、
アイテムに付されたコードをアイテム確認装置で読み取り、アイテム確認装置又は外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析してアイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、アイテム確認装置での撮影が可能であり、
アイテム確認装置は、本体装置と、本体装置を設置する設置台とを有し、
本体装置は、撮影機能を有する撮影部と、光学的手段によるコード読み取り機能を有するコード読み取り部を個別に有し、
設置台は、本体装置を保持する保持部と、鏡部を有し、
本体装置が保持部に取り付けられ、アイテムの撮影又はアイテムに付されたコードの読み取りのいずれか一方を直接的に実施し、鏡部を介して他方を間接的に実施することを特徴とする鑑査支援システム。
【請求項12】
撮影部でアイテムを直接的に撮影し、鏡部を介してコード読み取り部でアイテムに付されたコードを間接的に読み取ることを含むことを特徴とする請求項11に記載の鑑査支援システム。
【請求項13】
アイテム確認装置で、薬剤又はサプリメントであるアイテムの種類を確認するためのアイテムの確認方法であって、
アイテム確認装置は、本体装置と、本体装置を設置する設置台とを有し、
本体装置は、撮影機能を有する撮影部と、光学的手段によるコード読み取り機能を有するコード読み取り部を個別に有し、
設置台は、本体装置を保持する保持部と、鏡部を有し、
本体装置が保持部に取り付けられ、アイテムの撮影又はアイテムに付されたコードの読み取りのいずれか一方を直接的に実施し、鏡部を介して他方を間接的に実施するものであって、
アイテムの確認方法は、
通信手段を介して外部記憶手段からアイテムの確認装置に処方データが送信され及び/又は通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、
処方データに基づきアイテムが集められ、
集められたアイテムに付されたコードをアイテム確認装置で読み取り、
アイテム確認装置又は外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析して集められたアイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、
集められたアイテムが処方データに含まれるアイテムである場合、アイテム確認装置で集められたアイテムを撮影することを特徴とするアイテムの確認方法。
【請求項14】
アイテム確認装置は撮影部とコード読み取り部とを有し、
撮影部でアイテムを直接的に撮影し、鏡部を介してコード読み取り部でアイテムに付されたコードを間接的に読み取ることを含むことを特徴とする請求項13に記載のアイテムの確認方法。
【請求項15】
処方データを有する外部記憶手段との間で情報通信を行う通信手段を備えた請求項1乃至10のいずれかに記載のアイテム確認装置を動作させるアイテム確認装置用プログラムであって、アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムは薬剤又はサプリメントであるアイテム確認装置用プログラムであり、
通信手段を介して外部記憶手段からアイテム確認装置に処方データが送信され及び/又は通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、
アイテムに付されたコードをアイテム確認装置で読み取り、アイテム確認装置又は外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析して当該アイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、アイテム確認装置での撮影が可能となることを特徴とするアイテム確認装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の目的に基づいて集められた薬剤等のアイテムが、目的に沿って正しく集められたものであるか否かを確認する等の用途に使用されるアイテム確認装置に関するものである。
また本発明は、薬剤師が行う薬剤の鑑査業務を支援する鑑査支援システム及びコンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、調剤薬局等においては、医師が発行した処方箋に基づいて薬剤を取り集め、処方通りに取り集めができているかを鑑査した後、患者等に提供される。
即ち薬剤師は、処方箋を見ながら薬品棚等から処方情報に基づく所定の薬剤を所定数だけ取り出す。そして取り集めた薬剤が処方箋の通りであることを確認(鑑査)する。鑑査が終わった薬剤は患者等に提供される。
【0003】
薬剤師の鑑査業務は、患者等に薬剤を提供する最終確認業務であり、一連の調剤行為の中で最も需要であり、慎重を要する業務である。
特許文献1には、薬剤師が行う鑑査を支援する鑑査支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-47223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された鑑査支援装置は、処方された薬剤の種類と、数量を確認する機能を備えており、特許文献1に開示された鑑査支援装置を使用することにより、薬剤師の負担は大幅に軽減される。
特許文献1に開示された鑑査支援装置は高性能なものであり、市場においては相当の需要がある。
しかしながら市場においては、より簡便な鑑査支援装置を求める声もある。
本発明は、上記した市場の要求に応える装置を開発することを目的とするものであり、鑑査支援の様なアイテムを集めて確認する作業を支援することができるアイテム確認装置を提供することを課題とする。
また本発明は、薬剤師の鑑査業務を支援する新たな鑑査支援システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、所定のコードが付されたアイテムを対象とし、アイテムの種類を確認するアイテム確認装置であって、本体装置と、本体装置を設置する設置台とを有し、本体装置は、撮影機能を有する撮影部と、光学的手段によるコード読み取り機能を有するコード読み取り部を個別に有し、設置台は、本体装置を保持する保持部と、鏡部を有し、本体装置が保持部に取り付けられ、アイテムの撮影又はアイテムに付されたコードの読み取りのいずれか一方を直接的に実施し、鏡部を介して他方を間接的に実施するアイテム確認装置である。
好ましい態様は、撮影部でアイテムを直接的に撮影し、鏡部を介してコード読み取り部でアイテムに付されたコードを間接的に読み取る動作を含むアイテム確認装置である。
さらに好ましい態様は、アイテムの撮影時又はアイテムに付されたコードの読み取り時に発生する音声を録音可能であるアイテム確認装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、アイテム確認装置と、処方データを有する外部記憶手段と、通信手段を有する鑑査支援システムであって、前記アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムは薬剤又はサプリメントであり、通信手段を介して外部記憶手段からアイテム確認装置に処方データが送信され及び/又は通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、アイテムに付されたコードをアイテム確認装置で読み取り、アイテム確認装置又は外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析してアイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、アイテム確認装置での撮影が可能であり、アイテム確認装置は、本体装置と、本体装置を設置する設置台とを有し、本体装置は、撮影機能を有する撮影部と、光学的手段によるコード読み取り機能を有するコード読み取り部を個別に有し、設置台は、本体装置を保持する保持部と、鏡部を有し、本体装置が保持部に取り付けられ、アイテムの撮影又はアイテムに付されたコードの読み取りのいずれか一方を直接的に実施し、鏡部を介して他方を間接的に実施する鑑査支援システムである。
好ましい態様は、撮影部でアイテムを直接的に撮影し、鏡部を介してコード読み取り部でアイテムに付されたコードを間接的に読み取ることを含む鑑査支援システムである。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、アイテム確認装置で、薬剤又はサプリメントであるアイテムの種類を確認するためのアイテムの確認方法であって、アイテム確認装置は、本体装置と、本体装置を設置する設置台とを有し、本体装置は、撮影機能を有する撮影部と、光学的手段によるコード読み取り機能を有するコード読み取り部を個別に有し、設置台は、本体装置を保持する保持部と、鏡部を有し、本体装置が保持部に取り付けられ、アイテムの撮影又はアイテムに付されたコードの読み取りのいずれか一方を直接的に実施し、鏡部を介して他方を間接的に実施するものであって、アイテムの確認方法は、通信手段を介して外部記憶手段からアイテムの確認装置に処方データが送信され及び/又は通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、処方データに基づきアイテムが集められ、集められたアイテムに付されたコードをアイテム確認装置で読み取り、アイテム確認装置又は外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析して集められたアイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集められたアイテムが処方データに含まれるアイテムである場合、アイテム確認装置で集められたアイテムを撮影するアイテムの確認方法である。
好ましい態様は、アイテム確認装置は撮影部とコード読み取り部とを有し、撮影部でアイテムを直接的に撮影し、鏡部を介してコード読み取り部でアイテムに付されたコードを間接的に読み取ることを含むアイテムの確認方法である。
【0007】
上記した態様において、外部にアイテムに関連するアイテム情報が記憶された外部記憶手段があり、当該アイテム情報にはアイテムに付されたコードに関する情報が含まれ、前記本体装置は通信手段を有していて前記外部記憶手段を含む外部装置との間で情報通信が可能であり、前記本体装置によってアイテムに付されたコードを読み取り、前記本体装置及び/又は外部装置でアイテム情報を参照し、コードが付されたアイテムが目的のアイテムであるか否かを確認することが可能であることが望ましい。
【0008】
また上記した各態様において、前記本体装置は内部記憶手段を有し、当該内部記憶手段には、アイテムに関連するアイテム情報が記憶されており、当該アイテム情報にはアイテムに付されたコードに関する情報が含まれ、前記本体装置によってアイテムに付されたコードを読み取り、アイテム情報を参照し、コードが付されたアイテムが目的のアイテムであるか否かを確認することが可能であることが望ましい。
【0009】
上記した各態様において、設置台は、前記本体装置及び/又は鏡部の姿勢を変更可能であることが望ましい。
【0010】
上記した各態様において、前記本体装置は表示部を有し、前記設置台は前記表示部が傾斜姿勢及び/又は垂直姿勢となる様に前記本体装置を保持することが可能であることが望ましい。
【0011】
上記した各態様において、前記アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムは薬剤及び/又はサプリメントであり、本体装置は表示部を有し、当該表示部に集めるべきアイテムに関する情報を表示可能であり、アイテムに付されたコードを読み取り、コードを解析して当該アイテムが集めるべきアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、撮影が可能となることが望ましい。
【0012】
上記した各態様において、前記アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムが複数種類ある場合には、集めるべき全ての種類のアイテムのコードが読み取られたことを条件として、撮影が可能となり、撮影された映像のデータが本体装置及び/又は他の機器に記憶されることが望ましい。
【0013】
上記した各態様において、作業時の音声を録音可能であることが望ましい。
【0014】
上記した各態様において、鏡部は下半分の面積が上半分の面積よりも大きいものであることが望ましい。
【0015】
鑑査支援システムの態様は、上記したアイテム確認装置と、アイテム確認装置と、処方データを有する外部記憶手段と、通信手段を有する鑑査支援システムであって、前記アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムは薬剤であり、前記通信手段を介して外部記憶手段から前記アイテム確認装置に処方データが送信され及び/又は前記通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、アイテムに付されたコードを前記アイテム確認装置で読み取り、前記アイテム確認装置又は前記外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析して当該アイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、前記アイテム確認装置での撮影が可能となることを特徴とする。
【0016】
コンピュータプログラムの態様は、処方データを有する外部記憶手段との間で情報通信を行う通信手段を備えた上記いずれかに記載のアイテム確認装置を動作させるアイテム確認装置用プログラムであって、前記アイテム確認装置は、集められたアイテムの種類を確認するものであり、集めるべきアイテムは薬剤であるアイテム確認装置用プログラムであり、前記通信手段を介して外部記憶手段から前記アイテム確認装置に処方データが送信され及び/又は前記通信手段を介して外部記憶手段の処方データを参照し、アイテムに付されたコードを前記アイテム確認装置で読み取り、前記アイテム確認装置又は前記外部記憶手段の少なくともいずれかで、コードを解析して当該アイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、前記アイテム確認装置での撮影が可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のアイテム確認装置によると、薬剤師が行う鑑査の様な、薬剤その他のアイテムを集めて確認する作業を支援することができる。そのため作業者の作業負担を軽減することができる。
また本発明の鑑査支援システム及びアイテム確認装置用プログラムによると、薬剤師が行う鑑査業務を支援することができ、薬剤師の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態の鑑査支援システムの機器構成を示す説明図である。
図2】本発明の実施形態の鑑査支援システムの使用方法を示す説明図である。
図3】(a)は本発明の実施形態のアイテム確認装置の斜視図であり、(b)は薬剤の裏面図である。
図4図3のアイテム確認装置の斜視図であって、本体部と設置台とを分離した状態を示す。
図5】アイテム確認装置の本体部の分解斜視図であって、(a)は正面側から観察した状態を示し、(b)は裏面側から観察した状態を示す。
図6】アイテム確認装置の本体部の斜視図であって、(a)は正面側から観察した状態を示し、(b)は裏面側から観察した状態を示す。
図7】(a)はアイテム確認装置の側面図であり、(b)はアイテム確認装置によって薬剤に付されたコードを読み取る際の様子を示す説明図であり、(c)はアイテム確認装置によって薬剤を撮影する際の様子を示す説明図である。
図8】(a)はアイテム確認装置のブロック図であり、(b)は記憶部の詳細なブロック図である。
図9】アイテム確認装置の動作を示すフローチャートである。
図10図3に示すアイテム確認装置にエリア確認部材を設置した状態の斜視図である。
図11】アイテム確認装置の撮影可能エリア及び有効撮影エリアと、撮影対象の関係を示す説明図であり、(a)は有効撮影エリア内に撮影対象が納まっている状態を示し、(b)は撮影対象が有効撮影エリアから外れている状態を示す。
図12図3に示すアイテム確認装置の表示画面の一例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の鑑査支援システム1は、薬剤師が行う調剤業務を支援するものであり、より具体的には薬剤師が行う鑑査を支援するものである。
本実施形態の鑑査支援システム1は、図1の様に上位機器2と、ネットワークハードディスク13、アイテム確認装置10及びプリンタ5によって構成されている。またこれらの機器は、有線又は無線通信によって接続されている。なおアイテム確認装置10の数は任意であり、一台であっても複数台であってもよい。
【0020】
上位機器2は、薬局や病院等のユーザが独自に構築するLAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワーク11で接続された機器であり、本実施形態では、レセプトコンピュータ12を含んでいる。上位機器2は、鑑査支援システム1において、アイテム確認装置10と情報通信可能な外部装置である。
また本実施形態の鑑査支援システム1では、ネットワークハードディスク13があり、ネットワークハードディスク13はネットワーク11によってレセプトコンピュータ12と繋がっている。
ネットワークハードディスク13は、アイテム確認装置10と情報通信可能な外部記憶手段である。
またこれらに代わって、またはこれらに加えて、医師等が処方データを登録するために使用する電子カルテシステム、オーダーリングシステム等を上位機器2としてもよい。
【0021】
ネットワークハードディスク(外部記憶手段)13には、アイテムに関連するアイテム情報が記憶されている。アイテム情報にはアイテムに付されたコードに関する情報が含まれている。
具体的には、ネットワークハードディスク(外部記憶手段)13には、例えば医薬品マスター及び患者マスター等の各種データベースが記憶されている。ここで医薬品マスターには、薬品コード、薬品名、JANコード(又はRSS)、GS1コード、薬瓶コード、区分(剤形:散薬、錠剤、水剤、外用薬など)、単位、比重、薬品種(普通薬、毒薬、麻薬、劇薬、抗精神薬、治療薬など)、配合変化、賦形薬品、注意事項などの情報が含まれている。
医薬品マスターのデータは、定期的に自動更新されることが望ましい。
患者マスターには、患者各々の患者ID、氏名、性別、年齢、既往歴、家族情報、診療科、病棟、及び病室などの情報が含まれている。
また上記したネットワーク11には無線LANのアクセスポイント15が接続されており、アイテム確認装置10との間でもネットワークが構築されている。
ネットワークハードディスク13には、処方データも記憶されている。
【0022】
次にアイテム確認装置10について説明する。
理解を容易にするため、先にアイテム確認装置10の概要について説明し、その後で詳細な説明を行うこととする。
アイテム確認装置10は、図3図4の様に本体装置20と設置台21によって構成されている。
本体装置20は、撮影機能と、光学的手段による識別コード読み取り機能を備えた電子機器である。本体装置20は、後記する様に、情報端末22にコード読取端末23が取り付けられたものであり、撮影部25とコード読み取り部26を個別に有している。
本実施形態では、撮影部25は、具体的には撮影用の撮影用入光部である。
本実施形態では、撮影部25たる撮影用入光部は、本体装置20の裏面の一端側であって、中心線を外れて偏心した位置にある。撮影部25にはレンズやガラスがはめ込まれている。
【0023】
本体装置20の表面側には図3乃至図6(a)の様に表示画面(表示部)27がある。表示画面27はタッチパネルであり、入力手段としても機能する。
本体装置20の裏面側には、図6(b)の様に、前記した撮影部25と、コード読み取り部26がある。
本実施形態では、本体装置20の撮影部25の向きとコード読み取り部26のコード認識用入光部28の向きは違っており、図6(b)の様に、撮影部25に入光されるべき光軸Aと、コード認識用入光部28に入光されるべき光軸Bは大きくずれている。
【0024】
設置台21は、図4図5の様に本体装置20を設置する保持部30と、鏡部31を有している。
本実施形態のアイテム確認装置10は、設置台21に本体装置20が設置されたものである。
本体装置20が取り付けられた状態においては、表示画面27は、使用者側に向く。一方、裏面側のコード認識用入光部28は、下向きとなる。これに対して撮影部25は、斜め下後方向きとなる。そのため撮影部25は、図7(c)の様に鏡部31側を向く。
また本体装置20は、設置台21の中心軸に対してやや偏心した位置に取り付けられ、撮影部25とコード認識用入光部28が設置台21の中心軸を跨ぐ。
即ち撮影部25たる撮影用入光部は、図5の様に本体装置20の中心線を外れて偏心した位置にあり、コード認識用入光部28と比較すると、辺部によった位置にある。
本実施形態では、両者の横方向のずれを補正する為に、本体装置20は、撮影部25とコード認識用入光部28が設置台21の中心軸を跨ぐ位置に取り付けられる。
【0025】
本実施形態で採用した本体装置20では、情報端末22の撮影部25が、偏心した位置にあるものであったから、撮影領域がアイテム確認装置10の中心に近づく様に本体装置20の取り付け位置をずらした。しかしながら情報端末22の撮影部25のレイウトには各種のものがあり、撮影部25の位置によっては必ずしも本体装置20の取り付け位置を偏心させる必要はない。
本体装置20の取り付け位置は、鏡部31の反射像が撮影部25に入光可能な位置であれば足る。
【0026】
本実施形態では、薬剤100を本体装置20の下において、コード認識と、薬剤の撮影を行う。
本実施形態では、コード認識用入光部28は下向き姿勢であるから、薬剤100に付されたコード認識を直接的に読み取ることができる。
また本実施形態では、薬剤100の撮影を鏡部31を介して行う。
即ち撮影部25自体は、図7(c)の様に斜め下後方向きとなっているが、当該方向には鏡部31がある。鏡部31は前方(使用者側)に向いているので、薬剤100を写している。撮影部25は、鏡部31に向いているので、鏡部31に写った薬剤100の像を入射することができ、薬剤100の像を間接的に撮影することができる。
なお実際には、正確にコード106を読み取ることができる薬剤100の位置と、撮影に適した薬剤100の位置はずれている場合が多いので、コードを読み取った後で、薬剤100の位置を調整する場合が多い。
【0027】
以下、各部材について詳細に説明する。
(本体装置20の情報端末22)
情報端末22は、例えばPDA、スマートフォン、タブレット端末、又はメディアプレーヤーなどのモバイル端末である。情報端末22として、例えばiPod Touch(登録商標)又はiPhone(登録商標)などを利用することができる。情報端末22は、写真撮影を行い、写真データを記憶する機能を有している。
【0028】
情報端末22の外観形状は長方形であって、厚さの薄い板状である。公知の様に、情報端末22は、正面側に表示画面(表示部)27がある。本実施形態では、表示画面(表示部)27はタッチパネルであり、入力装置としても機能する。表示画面27は単なる表示画面であって入力スイッチ等を別途有していてもよい。
また裏面側に、図5(b)の様に撮影部25がある。撮影部25の入光軸Aは、本体部分33に対して垂直方向に向いている。撮影部25は本体部分33の角寄りの位置にあり、一方の短辺側であって、且つ一方の長辺側に寄った位置にあり、中心を大きく外れた位置にある。
情報端末22には雌コネクタ47がある。
【0029】
情報端末22は、前記した様に公知のモバイル端末であり、図8の様に制御部41、記憶部(内部記憶手段)42、表示部43、通信I/F45及び蓄電池46を備えている。
通信I/F45は、前記したアクセスポイント15及びプリンタ5との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行することが可能な通信インターフェースである。
【0030】
制御部41は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を有する。
記憶部(内部記憶手段)42は、制御部41によって実行される制御プログラム、及びネットワークハードディスク13又は上位機器2から入力される処方データなどの各種のデータが記憶されるフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部である。
本実施形態では、情報端末22の記憶部42にもネットワークハードディスク13に格納された医薬品マスターと同等の情報が記憶されている。具体的には、内部記憶手段たる記憶部42のマザーマスターテーブル423は、アイテムに関連するアイテム情報が記憶されている。アイテム情報にはアイテムに付されたコードに関する情報が含まれている。
【0031】
詳細に説明すると、記憶部(内部記憶手段)42は、図8(b)の様に前記した制御プログラム421が格納された領域と、データベースファイル422として機能する領域を有している。
データベースファイル422には、図8(b)の様にマザーマスターテーブル423と、一時記憶マスターテーブル425と、利用者マスターテーブル425がある。
そしてマザーマスターテーブル423に、ネットワークハードディスク13に格納された医薬品マスターと同等の情報が記憶されている。マザーマスターテーブル423に入力される医薬品マスターは、通信手段を介してネットワークハードディスク13から取り込まれる。
一時記憶マスターテーブル425は、医薬品マスターに薬剤の情報を追加する際に、一時的に情報を記憶させておく領域である。
利用者マスターテーブルには、アイテム確認装置10を使用することが許される薬剤師等のデータが記憶されている。
【0032】
制御部41は、CPUを用いて、ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。例えば、制御部41は、送信処理部411及び情報処理部412を含む。具体的に、制御部41は、制御プログラムに従って各種の処理を実行することにより送信処理部411及び情報処理部412として機能する。
【0033】
制御プログラムは、アイテム確認装置用プログラムであり、通信手段を介してネットワークハードディスク(外部記憶手段)13からアイテム確認装置10に処方データを取得する動作、あるいは通信手段を介してネットワークハードディスク13の処方データを参照する動作のいずれか又は双方を実行する。またアイテムに付されたコードをアイテム確認装置10で読み取り、アイテム確認装置10で、コードを解析してアイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認し、集めるべきアイテムであることを条件として、アイテム確認装置10での撮影が可能する動作を実行する。
コードを解析してアイテムが処方データに含まれるアイテムであるか否かを確認する動作を外部の機器で行わせる場合もある。またさらには、ネットワークハードディスク13の代わりに薬局内、病院内の上位機器(図示せず)と接続することにより、上位機器との通信において同様の作業を実行させてもよい。
【0034】
情報処理部412は、コード読取端末23で読み取られる情報に基づいて情報処理を実行する。例えば、情報処理部412は、コード読取端末23で読み取られるコードを解析し、薬品識別情報と処方データとを照合する照合処理を実行する。
【0035】
情報端末22及び前記コード読取端末23には、相互に連結可能なコネクタ47及びコネクタ48(図8)が設けられており、二つのコネクタ47,48が接続されることにより、情報端末22とコード読取端末23の間のデータ送受信が可能となる。
【0036】
情報端末22は、薬品を識別するための薬品識別情報を、薬剤100に付されたコード106から読み取り、処方データと照合するために用いられる。前記したコード106は、バーコードのような一次元又はQRコード(登録商標)のような二次元のコードである。また、バーコードには、例えばJANコード規格、GS1コード規格、及びNW-7規格などで規定されたコードが含まれる。また、前記したコード106には、1次元コードと2次元コードとが上下二段に配置されたコンポジット付のGS1コードなどの複合コードも含まれる。本体装置20では、コード106を読み取る専用端末であるコード読取端末23を用いているため、このような多種類のコード106の読み取りが可能である。
【0037】
情報端末22は、前記した様に撮影機能を有している。情報端末22は、所定の操作を行うことにより撮影モードとなる。撮影モードにおいては、裏面側の撮影部25に入射した映像が、正面側の表示画面27にモニター表示される。そしてタッチパネル等を操作することにより、映像が静止画として取り込まれ、記憶部42に記憶される。
【0038】
(本体装置20のコード読取端末23)
コード読取端末23は、コード106を読み取るために使用される専用端末である。コード読取端末23は、前記した情報端末22に着脱可能であり、情報端末22に外付けされて使用される。
コード読取端末23の外観形状は、図5(a)の通りであり、有底の枠状である。即ちコード読取端末23には、本体装置20の情報端末22が嵌まり込む凹部50があり、当該凹部50の周囲を枠状部76が取り囲んでいる。
枠状部76の上辺の内側にはコネクタ48が設けられている。情報端末22がコード読取端末23に装着された状態においては、コード読取端末23のコネクタ48が情報端末22の雌コネクタ47と嵌合し、相互に連結されてデータ送受信が可能となる。
【0039】
前記した様に、凹部50には底77があるが、情報端末22の撮影部25に相当する位置に、開口78が設けられている。そのため情報端末22がコード読取端末23に装着された状態においては、情報端末22の撮影部25がコード読取端末23の裏面側に露出する。
【0040】
コード読取端末23の裏面側に目を移すと、裏面側にはコード読み取り部26が設けられている。即ちコード読取端末23の裏面には突出部35があり、その一方側に傾斜面80を有している。そして当該傾斜面80にコード読み取り部26がある。
またコード読取端末23の裏面側には磁性体板60取り付けられている。
【0041】
コード読み取り部26は、赤色の光源及び受光部を備え、当該光源を発光させたときにコード認識用入光部28が受光する反射光に基づいて前記コード106を読み取ることが可能である。コード読み取り部26では、光源からの光が前記コード読取端末23の背面側に設けられた出射窓(図示せず)から照射され、前記出射窓に入射する反射光がコード認識用入光部28で受光される。
コードの読取方式には、光源としてLEDアレイを用い、受光部としてCCDを用いるリニアCCD式又は2Dイメージャ式などがある。また、コード106の読取方式としては、他にレーザー式又は手動走査式なども考えられる。なお、光源は、赤外線などの不可視光線であってもよいが、赤色などの可視光線を照射するものであることが望ましい。これにより、ユーザーは、可視光線の位置をコード106に合わせることにより容易に前記コード読取端末23にコード106を読み取らせることができる。
【0042】
コード読取端末23には、制御部51、読取操作部52、コード読み取り部53、及び蓄電池54が内蔵されている。
制御部51はCPUを有し、各種の演算処理を実行する。
読取処理部511は、所定の開始信号を受けてコード読み取り部26によるコードの読取処理を開始する。具体的に、前記読取処理部511は、コード読み取り部26の光源の発光を開始させる。
【0043】
(設置台21)
設置台21は、図3図4図7の様に、支持部61に鏡62と保持部材63が取り付けられたものである。
支持部61は3個のパーツによって構成されている。即ち支持部61は、下部から脚部材65と、鏡取り付け部材66と、保持部材取り付け部材67を有し、これらがヒンジ部73,75で結合されたものである。
脚部材65は、接地部70と縦板部71を有し、側面から見ると、図7(a)の様に「L」字状を呈している。
接地部70は、机等に接する部位であり、図4の様に中央に大きな開口68があり、二本の設置板部72が一定の角度で接合された様な形状となっている。
縦板部71は、接地部70の二本の設置板部72と連続し、曲面を構成して接地部70から立ち上がった部位である。
【0044】
鏡取り付け部材66は、脚部材65の縦板部71とヒンジ部73で繋がった縦板である。
保持部材取り付け部材67は、鏡取り付け部材66の上端にヒンジ部75を介して取り付けられたものである。
前記したヒンジ部73,75は、軸を中心として回動方向に自由度があるものの、揺動には相当の抵抗があり、故意に外力を与えなければ揺動しない。そのため故意に外力を与えなければヒンジ部73,75で結合された部材は、その姿勢を維持する。
【0045】
鏡取り付け部材66には鏡62が取り付けられていて鏡部31が構成されている。鏡62は、反射面が正面側に向く。鏡62は、略台形形状であり、下辺側が上辺側に比べて長い。従って鏡62は、下半分の面積が上半分の面積よりも大きい。
また本実施形態では、一方の台形の斜辺の相当する辺の上端を除く領域に切り欠き部81がある。
【0046】
また保持部材取り付け部材67に、保持部材63が取り付けられて保持部30が構成されている。保持部材63は、緩衝材56と、磁石36によって構成されている。
保持部材取り付け部材67及び保持部材63は、脚部材65及び鏡取り付け部材66の中心線に対してやや偏心した位置にある。即ち脚部材65と鏡取り付け部材66の中心線は一致するが、保持部材63の中心線は前者の中心線に対してずれている。
【0047】
(アイテム確認装置10)
アイテム確認装置10は、前記した様に本体装置20と設置台21によって構成されている。また本体装置20は、情報端末22にコード読取端末23が外装されたものである。
アイテム確認装置10は、設置台21の保持部30に本体装置20が取り付けられたものである。具体的には、本体装置20の裏面に設けられた磁性体板60が保持部材63の磁石36に吸引され、本体装置20が設置台21に固定されている。
【0048】
アイテム確認装置10の各部の姿勢は、図3図7(a)の通りであり、本体装置20は、やや傾斜した立ち姿勢であり、本体装置20の表示画面27は、使用者の方向に面してやや上方に向いている。
本体装置20のコード読み取り部26は、使用者に対して裏面側にあり、直下方向に向いている。例えば、設置台21の接地部70の開口68をのぞむ位置にコード読み取り部26がある。例えば図3図7の様に、設置台21の接地部70の開口68の位置が、コード読み取り可能エリア57となる。
本体装置20の撮影部25は、使用者に対して裏面側にあり、鏡部31にのぞむ位置及び方向にある。
【0049】
撮影可能エリア58は、被写体が鏡部31に写り、その正反射像が本体装置20の撮影部25に入光する領域である。
本実施形態では、撮影可能エリア58は、例えば接地部70の前方領域である。
なお撮影機器の撮影エリア(視野面積)は、撮影部25からの距離の二乗に比例して拡大してゆく。ここで鏡部31の平面と本体装置20の撮影部25の平面との間には所定の角度がある。そのため鏡部31における撮影エリアの形状は、歪な形となり、具体的には台形形状となる。
本実施形態では、鏡部31における撮影エリアの形状に合致させるべく、台形形状の鏡62を採用している。そのため本実施形態のアイテム確認装置10は、外形形状が小さく、且つ撮影エリアに欠けが少ない。
【0050】
本実施形態で採用する設置台21は、脚部材65と、鏡取り付け部材66と、保持部材取り付け部材67の3パーツがヒンジ部73,75で結合されており、鏡取り付け部材66と、保持部材取り付け部材67の角度や姿勢を任意に調節することができる。そのため本体装置20の表示画面27を使用者が見やすい位置や姿勢に調節することができる。
また鏡部31の姿勢を調節して撮影可能エリア58を変更することもできる。
【0051】
(鑑査支援システム1の機能)
次に、鑑査支援システム1の機能を薬剤師が行う調剤作業に沿って説明する。
本実施形態の鑑査支援システム1では、上位機器2に処方データが入力され、当該処方データがネットワークハードディスク13からアイテム確認装置10に送信される。
これと平行して、薬剤師が薬品棚等から処方箋に記載された薬剤100を集める。なお薬剤100の包装にはバーコード等のコード106が付されている。
そして薬剤師は、処方箋と取り揃えられた薬剤100とを照合して鑑査を行うが、その際にアイテム確認装置10が活用される。
以下説明する。
【0052】
調剤は、図2の様にレセプトコンピュータ12が設置された会計室110と、薬剤100が収容された薬品棚102等が設置され実際に調剤の実務が行われる調剤室111と、鑑査を行う鑑査室112で行われる。アイテム確認装置10は、鑑査室112に設置されている。なおアイテム確認装置10は、持ち運び可能であり、任意の位置に設置することができる。
【0053】
本実施形態では、図2の様に、レセプトコンピュータ12に処方箋101に記載された処方データが入力される。
そしてレセプトコンピュータに入力された処方データに基づいて、ネットワークハードディスク13に記憶された医薬品マスターから、医薬品の情報が読み出される。例えば、薬品名やGS1コードに関する情報が読み出される。そして処方データと、ネットワークハードディスク13から読み出された薬品の情報が、ネットワーク11のアクセスポイント15と、鑑査室112に設置されたアイテム確認装置10間の相互通信によってアイテム確認装置10の本体装置20の情報端末22の記憶部42に記憶される。
実際には、薬局内において調剤がひっきりなしに行われるので、本体装置20の情報端末22の記憶部42には複数の処方情報が蓄積されることとなる。
【0054】
また薬剤師は、処方箋を持って調剤室111に行き、薬品棚102等から処方箋101に記載された薬剤100を処方箋101に記載された量だけ収集して鑑査を行う鑑査室112に持ち込む。例えば、薬剤C、薬剤D、薬剤Eの三種類が所定量集められたと仮定する。
また各薬剤100の包装には、GS1コード等の薬剤を特定するコード106が付されている。
そして薬剤師は、アイテム確認装置10を活用して鑑査を行う。
【0055】
上記した実施形態では、ネットワークハードディスク13に記憶された医薬品マスターから、いちいち医薬品の情報が読み出されるが、前記した様にアイテム確認装置10の記憶部42にもネットワークハードディスク13に格納された医薬品マスターと同等の情報が記憶されているから、アイテム確認装置10の記憶部42に記憶された医薬品マスターを活用することも推奨される。
この構成を採用する場合には、アイテム確認装置10とネットワークハードディスク13が相互通信し、アイテム確認装置10で処方データを参照する。
そしてネットワークハードディスク13に記憶された処方データに基づいて、アイテム確認装置10の記憶部42に記憶された医薬品マスターから、医薬品の情報が読み出される。
この場合においても、本体装置20の情報端末22の記憶部42には複数の処方情報が蓄積されることとなる。
次に、アイテム確認装置10の動作手順を、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0056】
最初に鑑査を行う使用者の認証を行う(ステップ1)。
認証は、IDカードを使用したり指紋認証等の公知の手段で行われる。例えばIDカードにバーコード等が付されている場合には、アイテム確認装置10の本体装置20のコード読み取り部26にIDカードをかざしてバーコード等を読み取り、認証を行う。
使用者が使用資格を有する薬剤師であることが確認されると、ステップ2に移行し、本体装置20の表示画面27に未鑑査の調剤リストが表示される。例えば、患者の氏名や識別番号等が複数表示されることとなる。
【0057】
次に、鑑査を行う対象を選択する(ステップ3)。
例えば、処方箋に記載されたバーコードを読みだしたり、処方箋に記載された番号や、患者名をキーとして、鑑査を行う処方データを特定する。
鑑査対象が選択されると、ステップ4に移行し、本体装置20の表示画面27に鑑査対象が表示される。
例えば対象となった患者名や、処方された薬剤名及び処方量が表示画面27に表示される。例えば、薬剤リストとして、薬剤C、薬剤D、薬剤Eの名称が表示される。
【0058】
そしてステップ5に移行し、アイテム確認装置10の本体装置20はコード106を読み取ることができる状態となる。
即ち本体装置20のコード読み取り部26の光源(図示せず)が発光する。
ここで本実施形態では、コード読み取り部26は、直下方向に向いていて設置台21の接地部70の開口68をのぞむ位置にあるから、光源から発せられた光は、接地部70の開口68近傍に照射される。
【0059】
この状態において、接地部70の開口68周辺のコード読み取り可能エリア57に集められた薬剤100を置き、包装に付されたGS1コード等のコード106を直接的に読みだす(ステップ6)。
順不同であるが、例えば最初に薬剤Cを接地部70の開口68に置き、薬剤CのGS1コード等のコード106をコード読み取り部26で読み取らせる。
【0060】
ステップ7では、読み取ったコードに相当する薬剤の記録が医薬品マスターに記録があるか否かを確認する。即ち医薬品マスターに記録が無い場合もあるので、ステップ7で医薬品マスターに記録された薬剤であるか否かが確認される。
医薬品マスターに記録がなければ、ステップ18に移行し、手入力等によって医薬品マスターに追加し、ステップ8に進む。具体的には、図8(b)の一時記憶マスターテーブルに薬剤の情報を書き込む。
医薬品マスターに記録がある場合は、ステップ7から直接ステップ8に進む。
【0061】
本体装置20は、読み取ったGS1コード等を解析して薬剤を特定し、鑑査対象となっている処方データと照合する。本実施形態では、本体装置20内の制御部41で行われるが、上位機器2にこの機能を持たせてもよい。
【0062】
そしてGS1コード等を解析し、処方データと比較した結果、処方データに記録された薬剤であることがステップ8で確認されると、ステップ9に移行し、すでに確認された薬剤と重複していないことが確認される。
重複する薬剤でないならば、ステップ10に移行し、読み取り確認がなされた旨の表示が表示画面27に表示され、さらに確認音が発せられる。
重複する薬剤であるならばステップ20に移行し、所定の警告表示を行った後、ステップ4に戻る。
【0063】
続いてステップ11に移行し、全ての薬剤が集められたことが確認された否かが判断される。今回の例に従うならば、鑑査すべき薬剤C,D,Eの内、薬剤Cのみが確認され、他の薬剤D,Eは、未確認である。
そのためステップ11は、NO判定となり、ステップ4に戻り、本体装置20の表示画面(表示部)27に鑑査対象が再度表示される。ただし今回の表示では、鑑査済の薬剤Cには、他と区別する表示がなされる。
【0064】
以下、同様に、薬剤D,Eについてコードが確認される。
そして薬剤D,Eに関するコード読み取り及び照合が終了して再度ステップ11に至ると、ステップ11は、YES判定となり、ステップ12に移行し、鑑査が終了した旨の表示が表示画面27に表示され、さらに確認音が発せられる。
そしてステップ13に移行し、タイマの計時が開始される。
さらにステップ14に移行し、本体装置20の情報端末22が、撮影モードに切り換わる。
【0065】
ここで通常の撮影モードにおいては、裏面側の撮影部25に入射した映像が、正面側の表示画面27にそのままモニター表示されるが、ステップ14において撮影モードに切り換わった場合には、画像が左右反転して表示され、薬剤C,D,Eを直接目視した場合と同等の画像が表示画面27に表示される。
即ち本実施形態では、薬剤C,D,Eの撮影は、鏡部31を介し間接的に行われ、鏡部31の反射像が本体装置20の撮影部25に入射する。そのため通常の撮影モードの様に入射した映像をそのままモニター表示すると、左右が反転した像となる。
そこで本実施形態では、撮影部25に入射した像が制御部41で左右反転されて表示画面27に表示される。
【0066】
また本実施形態では、本体装置20は、やや傾斜した立ち姿勢であり、本体装置20の表示画面27は、使用者の方向に面してやや上方に向いている。そのため使用者は無理の無い姿勢で表示画面27に映し出された薬剤C,D,Eの映像を確認することができる。本体装置20の傾斜角度は使用者の好みに応じて変更可能であり、垂直姿勢であってもよい。
【0067】
作業者は、ステップ13でタイマの計時が開始され、ステップ14で本体装置20の情報端末22が、撮影モードに切り換わると、タイマの計時が終わるまでの間に、薬剤C,D,Eを撮影可能エリア58に集める。そしてステップ15でタイマの計時が完了すると、ステップ15に移行し、薬剤C,D,Eの外観が自動的に撮影される。
なお本実施形態では、情報端末22が、撮影モードに切り換わると、音声又は表示画面(表示部)27でカウントダウンがなされる。
【0068】
本実施形態では、本体装置20の表示画面27が使用者の方向に向いており、そのままの姿勢で薬剤C,D,Eを写真撮影することができるから、操作性が高い。
【0069】
さらにステップ17に移行し、映像が、本体装置20の記憶部42に記憶される。また必要に応じて他の記憶手段に映像が送られ、処方データと関連付けて保存される。その際、作業者名や、作業日時についても同時に記憶、保存される。
また必要に応じて、これらの情報が、プリンタ5で印字され、紙媒体としても保存される。
【0070】
以上は、薬剤師が誤りなく薬剤を取り揃えて鑑査を行った場合の流れであるが、仮に集められた薬剤が間違ったものであるならば、ステップ8がNO判定となりステップ19に移行して所定の警告が行われる。
【0071】
以上説明した実施形態の機能に加えて、鑑査作業時の音声を録音することも推奨される。例えば、中小の薬局では、カウンター等においで、患者の目の前で鑑査を行い、患者の目の前で薬袋に薬剤を入れて直接患者に手渡すのが一般的である。
その際には、例えば、患者名や薬剤名を声を出して読み上げる場合もある。そこで、鑑査作業時の音声を録音しておけば、後日、なんらかの間違いや、誤解が生じた際に証拠として役立つ。
録音機能は、本体装置20が有するものであることが望ましいが、他の付属機器を使用してもよい。
いずれにしても、処方データや、薬剤C,D,Eの映像と関連付けて保存される。
【0072】
次に、アイテム確認装置10を設計する際の指針について説明する。
上記したアイテム確認装置10では、薬剤C,D,Eを撮影可能エリア58に集め、一度に全ての薬剤C,D,Eを撮影する。そのため撮影可能エリア58は、ある程度の広さを有することが望ましい。
撮影可能エリア58は、例えばA4サイズ程度の広さであることが推奨される。本実施形態のアイテム確認装置10では、A4サイズ程度(縦長)の撮影可能エリア58が確保される様に、設置台21の大きさが設計されている。
【0073】
使用者が撮影可能エリア58を明確に理解できる様に、撮影可能エリア58にエリア確認部材83を設置してもよい(図10)。エリア確認部材83は、一定の面積を有する撮影台や載置シート、紙等であり、図示しない位置決め用の印がある。使用者は、位置決め用の印を目安にして、撮影可能エリア58の近傍にエリア確認部材83を設置する。
例えばアイテム確認装置10を出荷する際に、脚部材65と、鏡取り付け部材66と、保持部材取り付け部材67の相対角度を標準角度に設定しておく。脚部材65等の相対角度が標準角度であるならば、エリア確認部材83の表面と撮影可能エリア58が一致する。
使用者は、薬剤C,D,Eをエリア確認部材83の上に集めて撮影を行えば、全ての鑑査済薬剤を正確に撮影することができる。
【0074】
また他の方策として、画像認識によって撮影すべき薬剤が撮影可能エリア58に納まっているか否かを確認し、薬剤が撮影可能エリア58からはみ出した場合に、音声や光、画像等によって警告を発する制御方法を採用してもよい。
【0075】
例えば、撮影可能エリア58が図11の実線の範囲であると仮定すると、それよりもやや狭い範囲(細線のエリア)の有効撮影エリア82を仮想的に設定する。
図11(a)の様に撮影対象の薬剤C,D,Eの輪郭線が有効撮影エリア82内で環状に繋がっていれば撮影可能とし、図11(b)の様に撮影対象の薬剤C,D,Eの輪郭線が途切れてしまう場合には、音声その他で警告を発する。
有効撮影エリア82のラインに画像が重なった場合に、薬剤が撮影可能エリア58からはみ出したと判定してもよい。
【0076】
薬剤が撮影可能エリア58からはみ出している場合には、例えば「向かって左側の薬剤が画像に入っていません」という様な音声ガイダンスや文字表示を行い、具体的な薬剤を指定して薬剤の位置の修正を促す。
あるいは、「本体装置20を前に傾けて下さい。」「上部のヒンジ部73の傾斜を強くして本体装置20を前に傾けて下さい。」「下部のヒンジ部75の傾斜を緩くして本体装置20を正面側に向けてください。」という様に、アイテム確認装置10の姿勢の修正を促す。
薬剤の位置を変更したり、アイテム確認装置10の姿勢を修正することによって、薬剤C,D,Eが撮影可能エリア58に納まれば、「全ての薬剤が画角内に収まりました。撮影可能です。」等の正常に撮影を行うことができる旨のメッセージが発せられる。
その後に、音声又は表示画面(表示部)27で撮影開始までのカウントダウンがなされることが望ましい。
【0077】
本実施形態では薬剤を斜め方向から撮影するので、撮影された薬剤の映像は台形状に歪む傾向にある。これを解消するため、形状を自動的に修正するソフトウェアを搭載してもよい。
【0078】
本実施形態のアイテム確認装置10では、過去の鑑査履歴が蓄積されており、それを読みだして、図12(a)の様に表示することができる。
また図12(b)の様に鑑査の詳細を表示することができる。
さらに、鑑査履歴や鑑査の詳細を統計処理して表示したり、外部に出力することができる。
例えば鑑査の結果、薬剤の取り間違いが判明した回数、取り間違いを起こした薬剤師の氏名、取り間違いが多発する時間帯、取り間違いを起こしやすい薬名等を統計的に表示したり出力することができる。
また目視検査の割合や未鑑査の割合や統計を表示したり出力することができる。
【0079】
薬剤師が必要な薬剤を薬品棚等から取り揃える作業は、原則的に発行された処方箋を参照しつつ行い、取り揃えられた(集められた)薬剤を鑑査する。即ち作業は、処方箋の発行や処方情報が薬剤師の手元に届いてから開始される。
しかしながら、高脂血症や高血圧、糖尿病等の慢性疾患の患者に対しては、毎回同じ処方箋が発行される場合が多い。慢性疾患の患者に対しては、「Do処方」と称される前回と同じ処方が繰り返される場合がある。
そこで、処方箋が発行される前に、特定の患者向けの薬剤を取りまとめておく場合もある。
【0080】
本実施形態のアイテム確認装置10は、上記した様な予め薬剤を取りまとめておく場合にも対応することができる。
前記した様に、本実施形態のアイテム確認装置10では、過去の鑑査履歴が蓄積されている。また過去の処方情報についても蓄積されている。
そこで過去の蓄積情報から、当該患者の過去の処方箋を読み出し、当該過去に集められた薬剤と同じ薬剤を集める。そして、過去の処方に基づいて、前記した鑑査と同等の処理を行い、読み取ったGS1コード等を解析して薬剤を特定し、過去の処方データと照合し、薬剤を撮影する。GS1コード等の情報と、撮影された画像情報は、アイテム確認装置10に記憶される。
そして実際に処方箋が発行され、アイテム確認装置10がその情報を受信すると、実際の処方箋と取り揃えられた薬剤を比較し、両者に相違が無いならば、鑑査が終了した旨の表示が表示画面27に表示される。
尚、過去の処方情報に基づく薬剤名と、今回の処方情報に基づく薬剤名を先に照合してから、今回取り揃えた薬剤の薬剤名に基づく情報と、今回の処方情報との照会を実施してもよい。
【0081】
以上説明した実施形態では、集めるべき全ての種類の薬剤(アイテム)のコードが読み取られたことを条件として、自動的に撮影モードとなって撮影が可能となり、一定時間経過後に自動撮影が行われる。
しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、手動操作によって撮影を行うものであってもよい。また薬剤100のコード106を読み取り、その薬剤100が集めるべき薬剤であることが確認されるごとに撮影が可能となってもよい。
以上説明した実施形態では、コード読み取り可能エリア57と撮影可能エリア58がずれているが、両者が全く同一であってもよく、両者の中心が一致していてもよい。
【0082】
以上説明した実施形態では、コード106の読み取りを直接的に行い、薬剤(アイテム)100の撮影を鏡部31を介して行ったが、薬剤(アイテム)100の撮影を直接的に行い、コード106の読み取りを鏡部31を介して行ってもよい。
【0083】
以上説明した実施形態では、アイテム確認装置10を上位機器2のネットワークに接続し、上位機器2から処方データや薬剤情報を得たが、アイテム確認装置10だけで鑑査を行ってもよい。
この場合には、情報端末22の記憶部42に記憶されている医薬品マスターを活用する。
【0084】
例えば、処方箋を記載した紙や、レセプトコンピュータ12からプリンタで打ち出して紙に印刷したものに、処方された薬剤を特定するコード106を付しておく。
薬剤師は、別途、薬剤100を集めて、アイテム確認装置10のある部屋に薬剤を持ち込む。そして処方箋等を記載した紙に印字されたコード106をアイテム確認装置10で読み込み、情報端末22の記憶部42に記憶されている医薬品マスターから薬剤名を特定して表示部に表示する。
また先の実施形態と同様に、集められた薬剤100の包装に付されたコード106を読み取り、処方された薬剤100であるか否かを確認する。
【0085】
以上説明した実施形態では、アイテム確認装置10を調剤における鑑査に利用したが、アイテム確認装置10の用途は、薬剤100の鑑査に限定されず、他のアイテムを確認する用途に利用することもできる。
例えばサプリメントを販売する薬店や通信販売を行う店舗において、購入者が注文したサプリメントが正しく集められているか否かを確認する用途に使用することもできる。
【符号の説明】
【0086】
1 鑑査支援システム
2 上位機器
10 アイテム確認装置
11 ネットワーク
12 レセプトコンピュータ
13 ネットワークハードディスク
20 本体装置
21 設置台
22 情報端末
23 コード読取端末
25 撮影部
26 コード読み取り部
27 表示画面(表示部)
28 コード認識用入光部
30 保持部
31 鏡部
100 薬剤
106 コード
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