(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】蛸釣り仕掛け
(51)【国際特許分類】
A01K 91/06 20060101AFI20220915BHJP
A01K 85/00 20060101ALI20220915BHJP
A01K 85/18 20060101ALI20220915BHJP
A01K 95/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
A01K91/06 B
A01K85/00 L
A01K85/18
A01K95/00 B
(21)【出願番号】P 2021026705
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】521078300
【氏名又は名称】沖 雄一
(72)【発明者】
【氏名】沖 雄一
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201088079(CN,Y)
【文献】特開2017-209092(JP,A)
【文献】実開昭55-113077(JP,U)
【文献】実開昭55-147177(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0357513(US,A1)
【文献】こうすると根掛かりが激減します。,You Tube [online] [video],2020年07月17日,https://www.youtube.com/watch?v=MImmOc-A0v8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00-85/18
A01K 91/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錘により蛸釣り仕掛けの錘が下になるよう姿勢を保ち、釣針を備える疑似餌ボディの先端へ取り付けれらるカバーで構成された、根掛かりを予防する蛸釣り仕掛けであって、カバーは疑似餌ボディの釣針側と逆の端部に取り付けられ釣針がカバーで隠れておらず露出していて、カバーの穴を疑似餌ボディの先端に通し、カバーが疑似餌ボディの先端部に固定せず設置されている蛸釣り仕掛け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蛸釣り仕掛けに関し、詳しくは水底を這わすように移動させて釣り対象となる蛸を引き寄せ、水底の障害物に引っ掛かりにくい、いわゆる”根掛かり”を予防し水底環境を守る疑似餌に関する。
【背景技術】
【0002】
水底付近に生息する蛸を釣り対象とする疑似餌釣りは、疑似餌を水底へ着底させて引きずるため水底の岩、海藻やゴミ等に引っ掛かる根掛かりが発生し、回収不能となり水中環境や生物へ極めて大きなダメージを与えている。特に海洋生物、海洋性哺乳類や鳥類へのダメージは深刻である。また根掛かりした疑似餌本体はプラスチック製が多く、それがマイクロ化し生物の体内に取り込まれ、それを食す人類にも極めて大きなダメージを与えている課題を有していた。
【0003】
このような課題に対して、特許文献1には、「2点錘アームルアー」が開示されている。上記「2点錘アームルアー」は、平面視V字構造のアームに対して疑似餌本体や釣針を上部に配置した構成であるため、水底を這わしたとき、疑似餌本体や釣針を、水底から一定の距離を保った姿勢で遊泳させることができる。よって、上記「2点錘アームルアー」は、根掛かりを防ぐことができるとともに、水底付近を遊泳している魚等に疑似餌本体をアピールし易くなり、積極的に魚等を引き寄せることができるといった効果を得ることができる。
【0004】
しかし、特許文献1と特許文献2における「2点錘アームルアー」等は、以下のような難点を有していた。ルアー先端部が鋭利なため水底の岩などの隙間にはまった場合に回収不能となる場合が非常に多かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3137542号公報
【文献】特開2010-22243
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景技術にも記載の通り、水底に蛸釣り仕掛けを這わせる蛸釣りに於いて、蛸釣り仕掛けの根掛かりが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わる蛸釣り仕掛け(10A)は、根掛かりを予防するカバー(11)、疑似餌ボディ(12)、釣針(15)、(16a)と(16b)を有したパーツ(16)、錘を連結させる両端スナップ金具(13)、錘(14)で形成する。
【0008】
カバー(11)は水生生物に違和感を与えない無色透明である。または水生生物の好む餌に模したデザインを施す。
【0009】
カバー(11)は(16a)をカバー穴(11a)に通し疑似餌ボディ(12)の先端部に固定せず設置する。カバー(11)は
図8ないし
図9の様に(12)の先端を軸にどの方向にも可とうする。またメンテナンス及び清掃を容易にするために、疑似餌ボディ(12)から容易に取り付け及び取り外しが出来る。
【0010】
図5の様に釣針(5)は(12)に施された(15b)のスペースに差し込まれ接着剤で固定される。また(15a)部で更に(12)と接着する。
【0011】
図3の様に(16)は(12)を貫通した穴に(16a)と(16b)が疑似餌ボディ(12)から出た状態で接着する。また貫通した穴から水が中空部(30)に入らない構造である。
【0012】
図3の様に(12)は中空部(30)を有し浮力を有する。
【0013】
図8の様に、錘(14)は(16b)に接続された(13)に連結され、どの方向にも可とうする。また水中で動く蛸釣仕掛け(10A)は、中空部(30)の浮力を利用し、錘(14)によって
図1ないし
図2の姿勢に戻る。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、カバー(11)を有した蛸釣り仕掛け(10A)が障害物(31)(32)のように隣接して配置された障害物の隙間を通過しようとした際、障害物の隙間より大きいカバー(11)が(31)(32)の隙間に接する。半球体であるカバー(11)は、
図10の様に釣り人(36)が斜め上に引き上げる力によって、(31)(32)の隙間に沿って(31)(32)の上部へ引き上げらる。且つ(31)(32)の上部に到達した蛸釣り仕掛け(10A)は、障害物の隙間の幅より大きいカバー(11)によって(31)(32)の隙間上部に沿って移動する事で(31)(32)のように配置された障害物の隙間に挟まらず根掛かりを予防する事が出来る。
【0015】
カバー(11)は疑似餌ボディ(12)に固定されていなため、障害物に接した際、力のかかる方向に向きを変え摩擦力を低減する。
【0016】
蛸釣り仕掛け(10A)は、(16b)にスナップ付より戻し(17)、ハリス(18)に連結して釣り人が容易に利用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図6】本発明に係わる疑似餌に一般的なスナップ付より戻し(17)、ハリス(18)を記載した平面図である。
【
図8】カバー(11)と錘(14)の可とう図である。
【
図10】本発明に係わる疑似餌を釣り人が利用した図である。
【
図11】本発明に係わる疑似餌が水底の障害物による根掛かりを予防する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係わる蛸釣り仕掛け(10A)は
図2ないし
図5で構成され
図6に示す(17)(18)に連結され、
図10の釣り人(36)の持つ釣り竿(37)の釣り糸(35)に連結される。または釣り人(36)が釣り竿(37)無しで直接持つ釣り糸(35)に連結される。
図10の様に釣り人は疑似餌(10A)を水中に投入し水底を這わした際、根掛かりを予防する。
【実施例】
【0019】
図10ないし
図11は本発明に係わる疑似餌の実施例を示す。隣接した障害物(31)(32)の隙間に接した蛸釣り仕掛け(10A)は、釣り糸(35)に連結したハリス(20)の引かれる力によって隙間の幅より大きいカバー(11)により障害物(31)(32)の隙間に沿って障害物の上部へ移動する。障害物の上部へ移動した蛸釣り仕掛け(10A)は障害物(31)(32)の隙間より大きいカバー(11)により障害物の上部の隙間に沿って移動し根掛かりを予防する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明に係わる蛸釣り仕掛け(10A)は、根掛かりを予防する発明であり、根掛かりを予防する事により、根掛かりした水中に取り残された疑似餌による鳥類、哺乳類、水生生物への絡まり等のダメージを減らすことが出来る。また漁業者の網等への疑似餌の絡み等による被害を減らし、漁業の振興に貢献する。
【符号の説明】
【0021】
10A 蛸釣り仕掛け
11 カバー
11a カバー穴
12 疑似餌ボディ
13 疑似餌ボディ(12)と錘を連結させる両端スナップ金具
14 錘
15 釣針
15a 釣針と疑似餌ボディの接着剤補強剤
15b 釣針と疑似餌ボディの接着剤部
16 16aと16bを有したパーツ
16a 疑似餌ボディ(12)とスナップ付きより戻しの連結穴
16b 疑似餌ボディ(12)と両端スナップ金具の連結穴
17 ハリスと疑似餌を連結させる為のスナップ付より戻し
18 ハリス
30 (12)の中空部
31 水底にある岩などの障害物A
32 水底にある岩などの障害物B
33 水底
34 水面
35 釣り糸
36 釣り人
37 釣り竿