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特許7141690イベント分析装置、イベント分析方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】イベント分析装置、イベント分析方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/36 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G06F11/36 184
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018121252
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2020003952
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】503361400
【氏名又は名称】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(72)【発明者】
【氏名】梅田 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】片平 真史
(72)【発明者】
【氏名】植田 泰士
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-204118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象の評価要素、前記評価要素の分類、および前記評価要素の特徴を示す特徴情報を含む特徴抽出情報と、前記分析対象において異常状態が起こり得る状況、前記異常状態が起こり得る要素、前記異常状態が起こり得る要因、前記異常状態が起こった場合の前記要素の状態、および前記異常状態が起こった場合の影響度の各々をユーザに想起させる文字列とが対応付けられた第1画面を生成して表示部に表示させ、
前記第1画面を閲覧したユーザによる前記異常状態の入力に基づいて、前記評価要素に前記異常状態が関連付けされて示された第2画面を生成して前記表示部に表示させる表示制御部を備えるイベント分析装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記異常状態の発生前のイベント又は前記異常状態の発生後のイベントの一部又は全部の入力を受け付ける第3画面を生成し、前記表示部に表示させ、
前記第3画面を閲覧したユーザによる、前記異常状態の発生前のイベント又は前記異常状態の発生後のイベントの一部又は全部の入力に基づいて、前記異常状態と、前記評価要素と、前記イベントを示す情報と、前記異常状態の発生前のイベント又は前記異常状態の発生後のイベントの一部又は全部が互いに関連付けされたレコードを複数示す第4画面を生成し、前記表示部に表示させる、
請求項1に記載のイベント分析装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記第4画面に示される前記レコードに含まれる各データの関係を示すデータ関係画像と、前記データをそれぞれ示すデータ画像とを含むイベントシーケンス画像を生成し、前記表示部に表示させる、
請求項2に記載のイベント分析装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記分析対象において実行されるイベントを示す情報と、前記イベントの影響の程度との入力を受け付ける第5画面を生成して前記表示部に表示させ、
前記第5画面を閲覧したユーザによる前記イベントを示す情報、及び前記イベントの影響の程度の入力に基づいて、前記イベントを示す情報と、前記イベントの影響の程度とが関連付けて示された第6画面を生成して前記表示部に表示させる、
請求項3に記載のイベント分析装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記第6画面に示される前記評価要素を示す評価要素画像が前記評価要素の分類毎に配置される第7画面であって、前記特徴情報を示す特徴情報画像が前記特徴情報に対応する前記評価要素の前記評価要素画像の近傍に配置される第7画面を生成して前記表示部に表示させる、
請求項4に記載のイベント分析装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記第6画面に示される前記異常状態の時間、質、又は量の一部又は全部を含む分析要素のいずれかに着目した変化を、前記評価要素毎にユーザに想起させる文字列を含む第8画面を生成して前記表示部に表示させ、
前記第8画面を閲覧したユーザによる前記異常状態の入力に基づいて、前記評価要素に前記異常状態が関連付けされて示された第9画面を生成して前記表示部に表示させる、
請求項4又は5に記載のイベント分析装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、
2以上の前記分析要素の変化を合成した合成軸によって示されるマトリクス画像であり、起こり得る前記異常状態の組み合わせをユーザに想起させる文字列を含む第10画面を生成して前記表示部に表示させ、
前記第10画面を閲覧したユーザによる前記異常状態の組み合わせの入力に基づいて、前記異常状態の組み合わせを特別異常状態として示す第11画面を前記評価要素毎に生成し、前記表示部に表示させる、
請求項6に記載のイベント分析装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記第11画面を閲覧したユーザによる入力であって、前記第11画面に示される前記特別異常状態のうち、重複する前記特別異常状態を指示する入力に基づいて、前記第11画面に示される前記特別異常状態から、重複する前記特別異常状態を除いた第12画面を前記評価要素毎に生成し、前記表示部に表示させる、
請求項7に記載のイベント分析装置。
【請求項9】
前記第2画面に示される前記異常状態は、前記第12画面に示される前記特別異常状態と合致する、
請求項8に記載のイベント分析装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、
前記第12画面に示される前記特別異常状態と、前記評価要素とが、前記イベント毎に関連づけされて示された画像であって、前記評価要素と前記イベントとの関連の有無の入力を受け付ける第13画面を生成して前記表示部に表示させ、
前記第13画面を閲覧したユーザによる前記関連の有無の入力に基づいて、前記特別異常状態と、前記評価要素と、前記イベントを示す情報と、前記評価要素と前記関連の有無とが互いに関連付けされたレコードを複数示す第14画面を生成して前記表示部に表示させる、
請求項9に記載のイベント分析装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、
前記第14画面に示されるレコードのうち、前記関連の有無が前記異常状態と前記イベントとの関連がないことを示すレコードを除いたレコードに対して、前記レコードに含まれる前記特別異常状態の発生前のイベント又は前記特別異常状態の発生後のイベントの一部又は全部の入力を受け付ける第15画面を生成し、前記表示部に表示させ、
前記第15画面を閲覧したユーザによる、前記レコードに含まれる前記特別異常状態の発生前のイベント又は前記特別異常状態の発生後のイベントの一部又は全部の入力に基づいて、前記特別異常状態と、前記評価要素と、前記イベントを示す情報と、前記レコードに含まれる前記特別異常状態の発生前のイベント又は前記特別異常状態の発生後のイベントの一部又は全部が互いに関連付けされたレコードを複数示す第16画面を生成し、前記表示部に表示させる、
請求項10に記載のイベント分析装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、
前記第16画面に示される前記レコードに含まれる各データの関係を示すデータ関係画像と、前記データをそれぞれ示すデータ画像とを含むイベントシーケンス画像を生成し、前記表示部に表示させる、
請求項11に記載のイベント分析装置。
【請求項13】
コンピュータが、
分析対象の評価要素、前記評価要素の分類、および前記評価要素の特徴を示す特徴情報を含む特徴抽出情報と、前記分析対象において異常状態が起こり得る状況、前記異常状態が起こり得る要素、前記異常状態が起こり得る要因、前記異常状態が起こった場合の前記要素の状態、および前記異常状態が起こった場合の影響度の各々をユーザに想起させる文字列とが対応付けられた第1画面を生成し、
前記第1画面を表示部に表示し、
前記第1画面を閲覧したユーザによる前記異常状態の入力に基づいて、前記評価要素に前記異常状態が関連付けされて示された第2画面を生成し、
前記第2画面を前記表示部に表示する、
イベント分析方法。
【請求項14】
コンピュータに、
分析対象の評価要素、前記評価要素の分類、および前記評価要素の特徴を示す特徴情報を含む特徴抽出情報と、前記分析対象において異常状態が起こり得る状況、前記異常状態が起こり得る要素、前記異常状態が起こり得る要因、前記異常状態が起こった場合の前記要素の状態、および前記異常状態が起こった場合の影響度の各々をユーザに想起させる文字列とが対応付けられた第1画面を生成させ、
前記第1画面を表示部に表示させ、
前記第1画面を閲覧したユーザによる前記異常状態の入力に基づいて、前記評価要素に前記異常状態が関連付けされて示された第2画面を生成させ、
前記第2画面を前記表示部に表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベント分析装置、イベント分析方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
設計段階のソフトウェア、及びハードウェア等の検証対象は、検証工程において正しい挙動をしているか否かが検証される。従来、検証対象が、あるシーケンスにおいて正しい挙動をしていない異常状態となることが検出される場合、当該シーケンスと類似するシーケンスを選定する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-118757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検証工程では、検証対象が正しい挙動をしていない異常状態となるようなシナリオを網羅的に検証することが求められる。しかしながら、従来の技術では、異常状態となることが検出されたシーケンスに類似するシーケンスを選定することができても、数ある異常シナリオのシーケンスうち、実際に生じる得る異常シナリオのシーケンスであって、且つユーザ等の外部への影響が大きい異常シナリオのシーケンスを選定することまでは困難であった。また、ソフトウェアを中心とした検証対象が外部へ及ぼす影響度は、ユーザがどのような状況下で使用しているか決まる。この場合、ユーザが行う操作や、ハードウェアの故障等の異常を想起させるだけではなく、ソフトウェアを規定する要素(ソフトウェアへの入力、処理、処理が参照する情報、出力等)を想起させる仕組みが必要である。一方、抽象的な概念で構成されるソフトウェアは、その壊れ方をどのように検討するかが課題であった。また、外部への影響度を判断するためには、異常発生後の時間推移(シナリオ)を分析が必要であるが、一方、ソフトウェアの壊れ方は、機能、入出力、処理、プログラム構造等の要素の壊れ方は無数に存在し、実際にありうる異常のシナリオを選定することが困難であった。本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、検証対象の検証に係るシーケンスの網羅性を向上させることができるイベント分析装置、イベント分析方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【0005】
また、シーケンスの網羅性を確認する際、シーケンス図を用いることにより容易に確認することができるが、シーケンスの網羅性の分析結果をシーケンス図に変換する手間が生じる場合があった。本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、シーケンスの網羅性の分析結果を、シーケン図によって示す手間を低減することができるイベント分析装置、イベント分析方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、表示部に画像を表示する表示制御部と、ユーザの入力を受け付ける受付部と、前記受付部によって受け付けられた入力に基づいて、情報を生成する情報生成部とを備え、前記情報生成部は、前記受付部によって受け付けられた分析対象のシステムの保証に係る基本要素と、前記基本要素の分類と、前記基本要素の特徴を示す特徴情報と、前記基本要素に起こり得る異常状態とが互いに対応付けられた特別異常状態情報を生成し、前記表示制御部は、前記特別異常状態情報を示す特別異常状態構成図を前記表示部に表示させる、イベント分析装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、検証対象の検証に係るシーケンスの網羅性を向上させることができ、シーケンスの網羅性の分析結果を、シーケン図によって示す手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】検証対象の検証工程生成手順を概念的に示す図である。
図2】イベント分析装置10の構成の一例を示す図である。
図3】操作画面IMcの一例を示す図である。
図4】イベント分析装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
図5】イベント分析促進画像IM1の一例を示す図である。
図6】特徴抽出促進画像IM2の一例を示す図である。
図7】保障構造図CSDのテンプレート画像IM3の一例を示す図である。
図8】表示画像IM4の一例を示す図である。
図9】物理要素に係る異常状態促進画像IM5-1の一例を示す図である。
図10】制御要素に係る異常状態促進画像IM5-2の一例を示す図である。
図11】入力情報に係る異常状態促進画像IM5-3の一例を示す図である。
図12】入力情報に係る異常状態情報T8-3の内容の一例を示す図である。
図13】SW振る舞い・処理に係る異常状態促進画像IM5-4の一例を示す図である。
図14】SW参照情報に係る異常状態促進画像IM5-5の一例を示す図である。
図15】その他の分類に係る異常状態促進画像IM5-6の一例を示す図である。
図16】異常状態特定促進画像IM6-1の一例を示す図である。
図17】各レコードの異常状態定義情報T91の一例を示す図である。
図18】マトリクス画像IM7の一例を示す図である。
図19】「ドア開閉状態」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-1の一例を示す図である。
図20】「ドア開閉状態」という要素名である基本要素の異常状態パターン情報T93-1の内容の一例を示す図である。
図21】「重量」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-3の一例を示す図である。
図22】「重量」という要素名である基本要素の異常状態パターン情報T93-1の内容の一例を示す図である。
図23】「調理時間ダイヤル値」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-4の一例を示す図である。
図24】「調理時間ダイヤル値」という要素名である基本要素の異常状態パターン情報T93-4の内容の一例を示す図である。
図25】特別異常状態情報T9の内容の一例を示す図である。
図26】特別異常状態構成図E3のテンプレート画像IM8の一例を示す図である。
図27】特別異常状態情報T9-1に係る特別異常状態構成画像IM9の一例を示す図である。
図28】特別異常状態分析促進画像IM10の一例を示す図である。
図29】特別異常状態分析情報E4の内容の一例を示す図である。
図30】問題事象分析情報E5の内容の一例を示す図である。
図31】問題事象対応促進画像IM11の一例を示す図である。
図32】イベントID「EV2」に係る問題事象対応情報E6-Bの内容の一例を示す図である。
図33】イベントID「EV3」に係る問題事象対応情報E6-Bの内容の一例を示す図である。
図34】イベントID「EV4」に係る問題事象対応情報E6-Bの内容の一例を示す図である。
図35】イベントID「EV2」、及びイベントID「EV3」に係るイベントシーケンス図ESD-Bの一例を示す図である。
図36】イベントID「EV4」に係るイベントシーケンス図ESD-Bの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、図を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<検証工程生成手順について>
図1は、検証対象の検証工程生成手順を概念的に示す図である。設計段階のソフトウェア、及びハードウェア等の検証対象は、検証工程において正しい挙動をしているか否かが検証される。検証工程では、検証対象が正しい挙動をしていない異常状態となるようなシナリオを網羅的に検証することが求められる。図1に示される検証工程生成手順では、「製品特徴検討手順」と、「異常状態導出手順」と、「特別異常状態決定手順」と、「シナリオ導出手順」と、「シーケンス図生成手順」とが、記載の順序によって行われる。
【0011】
「製品特徴検討手順」では、検証対象の特徴である製品の特徴が検討される。次に、「異常状態導出手順」では、「製品特徴検討手順」において検討された製品の特徴と、ガイドワードとに基づいて、各特徴において、起こり得る異常状態を導出する。ガイドワードは、検証対象の検証工程を分析する分析者(以下、「ユーザ」)に対して検証対象の異常状態の連想を促すワードであり、例えば、「どんな状況で」、「何が」、「どうして」、「どうなる」、「結果こうなる」、「時間視点の変化」、「質視点の変化」、「量視点の変化」等のワードである。
【0012】
次に、「特別異常状態決定手順」では、「異常状態導出手順」において導出された複数の「異常状態」から、特別異常状態を決定する。特別異常状態は、検証対象の異常状態のうち、特に検証すべき異常状態である。例えば、異常状態のうち、他の検証対象には生じないような異常状態が、特別異常状態として決定される。次に、「シナリオ導出手順」では、「特別異常状態決定手順」において決定された特別異常状態が起こることによる問題事象が生じるまでのシナリオ、或いは問題事象が生じた後のシナリオである「問題事象シナリオ」を導出する。次に、「シーケンス図生成手順」では、「シナリオ導出手順」において導出された「問題事象シナリオ」に基づいて、シーケンス図を生成する。検証対象は、検証工程において、このシーケンス図に基づく検証が行われる。
【0013】
このような、検証工程生成手順を経て作成されたシーケンス図に基づいて、検証対象を検証することにより、問題事象となるようなシナリオを網羅的に検証することができる。本実施形態のイベント分析装置10は、上述した検証工程生成手順による特別異常状態の特定、及びシーケンス図の生成を補助する装置である。
【0014】
<イベント分析装置10の構成図について>
図2は、イベント分析装置10の構成の一例を示す図である。図10に示される通り、イベント分析装置10は、制御部100と、記憶部110と、受付部120と、表示部130とを備える。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサが記憶部110に記憶されるプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、取得部101と、情報生成部102と、表示制御部103とを機能部として実現する。また、これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0015】
受付部120は、例えば、ユーザからの操作入力を受け付けるキーボード、タッチパッド、マウス等の入力装置である。表示部130は、例えば、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネル等の表示装置である。
【0016】
記憶部110、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、又はこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置等により実現される。また、記憶部110の一部又は全部は、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバ等、イベント分析装置10のアクセス可能な外部装置であってもよい。
【0017】
取得部101は、受付部120を介してユーザにより入力された操作を受け付ける。情報生成部102は、取得部101によって取得された情報や、記憶部110に予め記憶される情報に基づいて、各種情報を生成する。表示制御部103は、記憶部110に予め記憶される画像や、情報生成部102によって生成された情報に基づく画像を表示部130に表示する。
【0018】
<操作画面IMcについて>
図3は、操作画面IMcの一例を示す図である。まず、表示制御部103は、表示部130に操作画面IMcを表示させる。操作画面IMcには、イベント分析情報E1の生成処理の実行を指示するボタンB1と、特徴抽出情報E2の生成処理の実行を指示するボタンB2と、保障構造図CSDの生成処理の実行を指示するボタンB3と、異常状態情報T8の生成処理の実行を指示するボタンB4と、特別異常状態情報T9の生成処理の実行を指示するボタンB5と、特別異常状態構成図E3の生成処理の実行を指示するボタンB6と、特別異常状態分析情報E4の生成処理の実行を指示するボタンB7と、問題事象分析情報E5の生成処理の実行を指示するボタンB8と、問題事象対応情報E6の生成処理の実行を指示するボタンB9と、イベントシーケンス図ESDの生成処理の実行を指示するボタンB10とが含まれる。操作画面IMcは、例えば、表示部130の上部に常時表示される。ユーザは、実行する処理に対応するボタンを指示する操作を受付部120に入力し、制御部100は、受付部120によって受け付けられた操作に基づいて、各種処理を実行する。なお、ユーザの操作を受け付ける形態は、ボタンBであってもよく、他の形態(プルダウン、或いはコマンド等)であってもよい。各種情報、及び生成処理の詳細については、後述する。
【0019】
<処理フロー>
図4は、イベント分析装置10の処理の一例を示すフローチャートである。情報生成部102は、イベント分析促進画像IM1にしたがって受け付けられた情報に基づいて、イベント分析情報E1を生成する(ステップS102)。ステップS102は、上述した、「製品特徴検討手順」に含まれる。以下、ステップS102の詳細について、以下の通り説明する。
【0020】
<イベント分析情報E1>
図5は、イベント分析促進画像IM1の一例を示す図である。表示制御部103は、分析者によってボタンB1が操作された場合、記憶部110に予め記憶されるイベント分析促進画像IM1を表示部130に表示させる。イベント分析促進画像IM1は、検証対象において実行される処理(以下、イベント)、及びイベントの特徴の分析を促す画像である。イベント分析促進画像IM1は、例えば、イベントの識別情報(以下、イベントID)と、イベント名と、イベントが実行されるタイミング(以下、起点要素)と、起点要素の概説と、当該イベントが異常状態となった場合の影響度とが互いに対応付けられたレコードの入力を分析者に促す画像である。分析者は、表示部130に表示されるイベント分析促進画像IM1に基づいて、レコードの各項目を受付部120に入力する。イベント分析促進画像IM1は、「第5画面」、及び「第6画面」の一例である。
【0021】
情報生成部102は、受付部120によって受け付けられたイベントID、起点要素、概説、及び影響度を示す情報を互いに対応付けたレコードを、イベント分析情報E1のレコードとして生成する。イベント分析情報E1は、検証対象(この一例では、電子レンジ)において起こり得るイベントと、イベントの特徴とについて検討した結果を示す情報である。情報生成部102は、例えば、表示部130にイベント分析促進画像IM1が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、イベント分析情報E1を生成する。
【0022】
図5に示される一例において、イベント分析情報E1には、イベントID「EV1」~「EV4」の4つのレコードが含まれる。イベントID「EV1」のイベント名称は、「待機」である。「待機」イベントには、イベントの起点要素が存在しないため、イベントID「EV1」のレコードには、起点要素、概説、及び最終影響が含まれない。イベントID「EV2」のイベント名称は、「ドアオープン」であり、イベントの起点要素は、「ドア開閉」であり、概説は、「ユーザがドアを開け閉めする動作」である。イベントID「EV3」のイベント名称は、「調理設定」であり、イベントの起点要素は、「時間調整ダイヤル操作」であり、概説は、「ユーザが調理時間を指定するためのダイヤルの操作」である。
【0023】
イベントID「EV4」のイベント名称は、「調理」であり、イベントの起点要素は、「調理ボタン操作」であり、概説は、「ユーザが調理開始を指示するためのボタンの操作」であり、影響度は、「影響度大」と、「影響度中」と、「影響度小」が含まれる。このイベントの「影響度大」の異常状態は、利用者に影響がある異常状態である。また、このイベントの「影響度中」の異常状態は、検証対象の機器に影響がある異常状態である。また、このイベントの「影響度小」の異常状態は、適切に調理できない異常状態である。ここで、イベントID「EV2」及び「EV3」のイベントは、「EV4」のイベントと影響度が同様である(重複する)ため、レコードに影響度が含まれない。
【0024】
このように、イベント分析装置10は、イベント分析促進画像IM1を表示部130に表示させ、電子レンジにおいて起こり得るイベントと、イベントの特徴とについて分析者に検討を促し、イベント分析情報E1を生成することができる。
【0025】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、特徴抽出促進画像IM2にしたがって受け付けられた情報に基づいて、特徴抽出情報E2を生成する(ステップS104)。ステップS104は、「製品特徴検討手順」に含まれる。以下、ステップS104の詳細について、以下の通り説明する。
【0026】
<特徴抽出情報E2>
図6は、特徴抽出促進画像IM2の一例を示す図である。表示制御部103は、分析者によってボタンB2が操作された場合、記憶部110に予め記憶される特徴抽出促進画像IM2を表示部130に表示させる。特徴抽出促進画像IM2は、検証対象のシステムの保障に係る基本要素の要素名と、基本要素の分類と、基本要素の特徴を示す特徴情報と、要素の懸念事項を示す懸念情報と、基本要素の補足を示す補足情報とが互いに対応付けられたレコードの入力を分析者に促す画像である。
【0027】
検証対象のシステムの保障に係る基本要素とは、検証対象のシステムを構成する要素であり、異常状態となった場合の影響を考慮すべき要素である。基本要素の分類には、例えば、「1.物理要素」と、検証対象の制御に係る要素である「2.制御要素」と、検証対象のシステムに入力される情報の要素である「3.入力情報」と、検証対象のシステムにおいて動作するソフトウェアに係る要素である「4.SW(software)振る舞い・処理」と、当該ソフトウェアが参照する情報に係る要素である「5.SW参照情報」と、検証対象のシステムから出力される「6.出力情報」と、検証対象のシステムの出力情報によって損失を与える可能性がある機器に係る要素である「7.損失機器」と、出力情報(例えば、データベースへの操作)によって、情報資産を損失する可能性がある情報である「8.損失情報」と、検証対象のシステムの入力情報の変動、又は阻害要因に係る「9.入力情報の変動・阻害要因」と、検証対象のシステムにおいて動作するソフトウェアの参照情報の変動、又は阻害要因に係る「10.参照情報の変動・阻害要因」と、検証対象のシステムの出力情報の変動、又は阻害要因に係る「11.出力情報の変動・阻害要因」と、「12.SW搭載機器・プラットフォーム」とが含まれる。分析者は、表示部130に表示される特徴抽出促進画像IM2に基づいて、レコードの各項目を受付部120に入力する。
【0028】
情報生成部102は、受付部120によって受け付けられた基本要素の要素名と、基本要素の分類と、特徴情報と、懸念情報と、補足情報とを互いに対応付けたレコードを、特徴抽出情報E2のレコードとして生成する。特徴抽出情報E2は、検証対象の基本要素と、基本要素の分類と、基本要素の特徴と、基本要素の懸念事項と、基本要素の補足事項とについて検討した結果を示す情報である。情報生成部102は、例えば、表示部130に特徴抽出促進画像IM2が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、特徴抽出情報E2を生成する。
【0029】
図6に示される一例において、特徴抽出情報E2には、要素名が「ボタン押下」である基本要素と、要素名が「重量」である基本要素との2つのレコードが含まれる。要素名が「ボタン押下」の基本要素は、「3.入力情報」の要素として分類され、「押されたボタンを通知する。ボタンが押されてから100[msec]間ほかのボタンが押されなかった場合に、最後に押されたボタンをレジスタに書き込む。また、書き込み後100[msec]間他のボタンが押されなければ、レジスタの値は、ボタン押下無しの状態となる。」という特徴を有する。要素名が「重量」の基本要素は、「3.入力情報」の要素として分類され、「16bitで表現される天板の重量を引いた重量が入力される。」という特徴を有する。
【0030】
このように、イベント分析装置10は、特徴抽出促進画像IM2を表示部130に表示させ、電子レンジを構成する基本要素と、基本要素の分類と、基本要素の特徴と、基本要素の懸念事項と、基本要素の補足事項とについて分析者に検討を促し、特徴抽出情報E2を生成することができる。
【0031】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、表示制御部103は、生成された特徴抽出情報E2に基づいて、保障構造図CSDを生成し、表示部130に表示させる(ステップS106)。ステップS106は、上述した「製品特徴検討手順」に含まれる。以下、ステップS106の詳細について、以下の通り説明する。
【0032】
<保障構造図CSDについて>
図7は、保障構造図CSDのテンプレート画像IM3の一例を示す図である。保障構造図CSDは、特徴抽出情報E2を概念的に示す図であり、特徴抽出情報E2のレビューに用いられる図である。ここで、分析者は、検証工程生成手順を経る前から、ある程度、検証対象を構成する基本要素について既に想到している場合がある。したがって、特徴抽出情報E2は、予め分析者が想到している検証対象の基本要素と、当該基本要素に関する情報とが対応付けられた情報である。しかしながら、分析者の習熟度によっては特徴抽出情報E2に抜け漏れが生じる場合がある。したがって、特徴抽出情報E2は、特徴抽出情報E2を作成した分析者の他、他の分析者のレビューを受けることが好ましく、保障構造図CSDを用いることにより、容易にレビューを行うことができる。
【0033】
図7に示される通り、テンプレート画像IM3には、基本要素の各分類を示す領域が示される。表示制御部103は、特徴抽出情報E2と、テンプレート画像IM3とに基づいて、特徴抽出情報E2の各レコードに示される基本要素を示す画像(以下、基本要素画像IMa)を、テンプレート画像IM3に含まれる領域のうち当該基本要素の分類に対応する領域に配置し、表示画像IM4を生成する。表示画像IM4は、保障構造図CSDを示す画像である。また、表示制御部103は、基本要素画像IMaの近傍に、基本要素画像IMaが示す基本要素に対応する特徴情報を示す画像(以下、特徴情報画像IMb)を配置する。
【0034】
図8は、表示画像IM4の一例を示す図である。表示制御部103は、分析者によってボタンB3が操作された場合、特徴抽出情報E2と、記憶部110に予め記憶されテンプレート画像IM3とに基づいて、表示画像IM4を生成し、表示部130に表示させる。表示画像IM4には、特徴抽出情報E2に含まれる各基本要素を示す基本要素画像IMa1~IMa20と、基本要素画像IMaによって示される基本要素に対応付けられた特徴情報を示す特徴情報画像IMb1~IMb8とが含まれる。図6に示される特徴抽出情報E2には、2つのレコードのみが含まれており、このレコードに対応する基本要素画像IMa、及び特徴情報画像IMbは、基本要素画像IMa5~IMa6、特徴情報画像IMb1、及び特徴情報画像IMb4である。その他の基本要素画像IMa、及び特徴情報画像IMbは、図6の特徴抽出情報E2に基づいて生成された保障構造図CSDのレビュー後に追加された基本要素の基本要素画像IMa、及び当該基本要素に対応付けられた特徴情報の特徴情報画像IMbである。以下、説明の便宜上、特徴抽出情報E2が保障構造図CSDのレビュー前(つまり、図6に示される特徴抽出情報E2)である場合について説明する。表示画像IM4は、「第7画面」の一例である。
【0035】
情報生成部102は、例えば、表示画像IM4が表示部130に表示された後に、操作画面IMcに特徴抽出情報E2の修正処理を実行するボタン(不図示)を表示させる。表示制御部103は、当該ボタンが操作された場合、特徴抽出情報E2を示す画像や、特徴抽出促進画像IM2等を表示部130に表示し、特徴抽出情報E2の修正を促す。この場合、情報生成部102は、当該画像が表示部130に表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、特徴抽出情報E2を修正する。
【0036】
従来では、各要素の異常状態の組み合わせが膨大になり、実際に生じ得る異常状態のみ抽出することが困難であった。本実施形態のイベント分析装置10によれば、表示画像IM4を表示部130に表示させることにより、分析者は、検証対象の基本要素を容易にレビューし、「故障」や「異常」を検討するべき単位が網羅的に捉えられているかを可視化することができる。
【0037】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、異常状態促進画像IM5にしたがって受け付けられた情報に基づいて、異常状態情報T8を生成する(ステップS108)。ステップS108は、上述した「異常状態導出手順」に含まれる。以下、ステップS108の詳細について、以下の通り説明する。
【0038】
<異常状態情報T8について>
図9は、物理要素に係る異常状態促進画像IM5-1の一例を示す図である。異常状態促進画像IM5は、上述した「製品特徴検討手順」において検討された基本要素の異常状態が起こり得る状況と、当該異常状態が起こり得る要因と、当該異常状態が起こった場合の基本要素の状態と、異常状態が起こった場合の影響度とが互いに対応付けられたレコードの入力を、基本要素の分類毎に分析者に促す画像である。表示制御部103は、分析者によってボタンB4が操作された場合、記憶部110に予め記憶される異常状態促進画像IM5を表示部130に表示させる。
【0039】
具体的には、異常状態促進画像IM5-1は、分類が「1.物理要素」の基本要素に係るレコードの入力を促す画像であり、異常状態促進画像IM5-2は、分類が「2.制御要素」の基本要素に係るレコードの入力を促す画像であり、異常状態促進画像IM5-3は、分類が「3.入力情報」の基本要素に係るレコードの入力を促す画像であり、異常状態促進画像IM5-4は、分類が「4.SW振る舞い・処理」の基本要素に係るレコードの入力を促す画像であり、異常状態促進画像IM5-5は、その他の分類の基本要素に係るレコードの入力を促す画像である。以降の説明において、異常状態促進画像IM5-1~IM5-5を互いに区別しない場合には、総称して異常状態促進画像IM5と記載する。
【0040】
異常状態促進画像IM5には、基本要素の異常状態の導出を促すガイドワード(図示する、「どんな状況で」、「何が」、「どうして」、「どうなる」、「結果こうなる」等)が示される。レコードのうち、「どんな状況で」には、基本要素の異常状態が起こり得る状況が入力され、「何が」には、異常状態が起こり得る主体である基本要素(つまり、同一レコード内の要素名によって示される基本要素)が入力され、「どうして」には、異常状態が起こり得る要因が入力され、「どうなる」異常状態が起こった場合の基本要素の状態が入力され、「結果こうなる」には、異常状態が起こった場合の影響度が入力される。
【0041】
ここで、基本要素の異常状態を導出する際、ガイドワードの主体が分類によってそれぞれ異なる。異常状態促進画像IM5-1~IM5-5には、ガイドワードの主体となる分類を示す矢印がそれぞれ示される。
【0042】
例えば、異常状態促進画像IM5-1には、「どんな状況で」を検討する際の主体が、「システムの運用利用の状況」であることを示す矢印と、「何が」を検討する際の主体が、「1.物理要素」であることを示す矢印と、「どうなる」を検討する際の主体が、「1.物理要素」であることを示す矢印と、「結果こうなる」を検討する際の主体が、「2.入力情報」であることを示す矢印とが含まれる。
【0043】
情報生成部102は、表示部130に異常状態促進画像IM5が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、異常状態情報T8を生成する。具体的には、情報生成部102は、異常状態情報T8内において基本要素を識別する「No.」と、特徴抽出情報E2に基づく基本要素の要素名、当該基本要素の特徴情報、当該基本要素の概念情報、及び当該基本要素の分類と、受付部120によって受け付けられた、基本要素の異常状態が起こり得る状況、当該異常状態が起こり得る主体である基本要素、当該異常状態が起こり得る要因、当該異常状態が起こった場合の基本要素の状態、及び当該異常状態が起こった場合の影響度とが互いに対応付けられたレコードを、異常状態情報T8のレコードとして生成する。
【0044】
情報生成部102は、異常状態促進画像IM5-1が表示された後に取得した情報に基づいて、「1.物理要素」の異常状態情報T8-1を生成し、異常状態促進画像IM5-2が表示された後に取得した情報に基づいて、「2.制御要素」の異常状態情報T8-2を生成し、異常状態促進画像IM5-3が表示された後に取得した情報に基づいて、「3.入力情報」の異常状態情報T8-3を生成し、異常状態促進画像IM5-4が表示された後に取得した情報に基づいて、「4.SW振る舞い・処理」の異常状態情報T8-4を生成し、異常状態促進画像IM5-5が表示された後に取得した情報に基づいて、「5.SW参照情報」の異常状態情報T8-5を生成し、異常状態促進画像IM5-6が表示された後に取得した情報に基づいて、「6.出力情報」、「7.損失機器」、「8.損失情報」、「9.入力情報の変動・阻害要因」、「10.参照情報の変動・阻害要因」、「11.出力情報の変動・阻害要因」、及び「12.SW搭載機器・プラットフォーム」の異常状態情報T8-6を生成する。以降の説明において、異常状態情報T8-1~T8-6を互いに区別しない場合には、総称して異常状態情報T8と記載する。異常状態情報T8は、基本要素の異常状態を導出した結果を示す情報である。異常状態情報T8は、「第1画面」の一例である。
【0045】
ただし、図9に示される一例では、分類が「1.物理要素」の基本要素が特徴抽出情報E2に含まれていないため、図9のレコードは、値が含まれていない。このため、異常状態促進画像IM5-1に基づいて、レコードの入力が行われず、情報生成部102は、異常状態情報T8-1の生成を行われない。
【0046】
図10は、制御要素に係る異常状態促進画像IM5-2の一例を示す図である。図10に示される通り、異常状態促進画像IM5-2には、「どんな状況で」を検討する際の主体が、「システムの運用利用の状況」であることを示す矢印と、「何が」を検討する際の主体が、「2.制御要素」であることを示す矢印と、「どうなる」を検討する際の主体が、「2.制御要素」であることを示す矢印と、「結果こうなる」を検討する際の主体が、「2.入力情報」であることを示す矢印とが含まれる。
【0047】
ただし、図10に示される一例では、分類が「2.制御要素」の基本要素が特徴抽出情報E2に含まれていないため、図10のレコードは、値が含まれていない。このため、異常状態促進画像IM5-2に基づいて、レコードの入力が行われず、情報生成部102は、異常状態情報T8-2の生成を行わない。
【0048】
図11は、入力情報に係る異常状態促進画像IM5-3の一例を示す図である。図11に示される通り、異常状態促進画像IM5-3には、「どんな状況で」を検討する際の主体が、「システムの運用利用の状況」であることを示す矢印と、「何が」を検討する際の主体が、「3.入力情報」であることを示す矢印と、「どうして」を検討する際の主体が、「1.物理要素」と、「2.制御要素」とであることを示す矢印と、「どうなる」を検討する際の主体が、「3.入力情報」であることを示す矢印と、「結果こうなる」を検討する際の主体が、「4.SW振る舞い・処理」と、「6.出力情報」とであることを示す矢印とが含まれる。
【0049】
図11に示される一例では、特徴抽出情報E2には、分類が「3.入力情報」の基本要素のレコードが4つ含まれる。具体的には、No.1のレコードとして、要素名が「ドア開閉状態」の基本要素であり、特徴情報が、「ドア開状態を検知し、調理を停止する必要がある。」のレコードが含まれ、No.2のレコードとして、要素名が「ボタン押下」の基本要素であり、特徴情報が、「ハードウェアの制御によりユーザ入力後100[msec]更新されない場合に、有効コマンドとして採択すること。また、採択後利用者による入力が無い場合、「NO-TOUCHコマンド」がソフトウェアに入力される。更新周期は100[msec]である。」のレコードが含まれ、No.3のレコードとして、要素名が「重量」の基本要素であり、特徴情報が、「16bitで表現される天板の重量を引いた重量が入力される。」のレコードが含まれ、No.4のレコードとして、要素名が「調理時間ダイヤル」であり、特徴情報が、「ハードウェアの制御により100[msec]の回転角度から時間に変換した調理時間がソフトウェアに入力される。更新周期は100[msec]である。利用者がダイヤルを右に回した場合は時間が増加し、左に回した場合は時間が減少する。また、0未満の設定は自動調理とすること。ダイヤル入力値に関わらず、本システムの調理時間は、5秒以上59分59秒以下とすること。」のレコードが含まれる。分析者は、No.1~No.4のレコードを参照し、レコードの各項目を受付部120に入力する。
【0050】
図12は、入力情報に係る異常状態情報T8-3の内容の一例を示す図である。異常状態情報T8-3は、「3.入力情報」に係る基本要素の異常状態を導出した結果を示す情報である。異常状態情報T8-3のNo.1のレコードには、「ドア開閉状態」において、「センサ故障、劣化」がある場合、「長時間情報が得られない」という異常状態が示され、No.2のレコードには、「ボタン押下」する状況において、「ボタンが連続で押下される」場合、「先に行われたボタン押下が認識されない」という状態になり、「ユーザの期待通りに動かない」という結果になるという異常状態が示され、No.3のレコードには、「重量計算」、において「天板を取り除く」場合、「天板がないのに天板の質量が引かれる」という状態になり、「実際より軽い重量となる」という結果になるという異常状態が示され、No.4のレコードには、「時間調整」において、「調理時間ダイヤル値」が、「調理中のタイマが動いている最中に5秒未満になるようにダイヤルを回す」場合、「ダイヤル回転中は調理時間が5秒未満にならない」という状態になり、「予定より長い時間加熱する」という結果になるという異常状態が示される。
【0051】
図13は、SW振る舞い・処理に係る異常状態促進画像IM5-4の一例を示す図である。図13に示される通り、異常状態促進画像IM5-4には、「どんな状況で」を検討する際の主体が、「システムの運用利用の状況」であることを示す矢印と、「何が」を検討する際の主体が、「4.SW振る舞い・処理」であることを示す矢印と、「どうして」を検討する際の主体が、「3.入力情報」と、「9.入力情報の変動・阻害要因」とであることを示す矢印と、「どうなる」を検討する際の主体が、「4.SW振る舞い・処理」であることを示す矢印と、「結果こうなる」を検討する際の主体が、「5.SW参照情報」と、「6.出力情報」とであることを示す矢印とが含まれる。
【0052】
ただし、図13に示される一例では、分類が「4.SW振る舞い・処理」の基本要素が特徴抽出情報E2に含まれていないため、図13のレコードには、値が含まれていない。このため、異常状態促進画像IM5-4に基づいて、レコードの入力が行われず、情報生成部102は、異常状態情報T8-4の生成を行わない。
【0053】
図14は、SW参照情報に係る異常状態促進画像IM5-5の一例を示す図である。図14に示される通り、異常状態促進画像IM5-5には、「どんな状況で」を検討する際の主体が、「システムの運用利用の状況」であることを示す矢印と、「何が」を検討する際の主体が、「5.SW参照情報」であることを示す矢印と、「どうして」を検討する際の主体が、「10.参照情報の変動・阻害要因」であることを示す矢印と、「どうなる」を検討する際の主体が、「5.SW参照情報」であることを示す矢印と、「結果こうなる」を検討する際の主体が、「4.SW振る舞い・処理」と、「6.出力情報」とであることを示す矢印とが含まれる。
【0054】
ただし、図14に示される一例では、分類が「5.SW参照情報」の基本要素が特徴抽出情報E2に含まれていないため、図14のレコードには、値が含まれていない。このため、異常状態促進画像IM5-5に基づいて、レコードの入力が行われず、情報生成部102は、異常状態情報T8-5の生成を行わない。
【0055】
図15は、その他の分類に係る異常状態促進画像IM5-6の一例を示す図である。図15に示される一例では、分類が「6.出力情報」、「7.損失機器」、「8.損失情報」、「9.入力情報の変動・阻害要因」、「10.参照情報の変動・阻害要因」、「11.出力情報の変動・阻害要因」、及び「12.SW搭載機器・プラットフォーム」の基本要素が特徴抽出情報E2に含まれないため、レコードに値が含まれていない。このため、異常状態促進画像IM5-5に基づいて、レコードの入力が行われず、異常状態情報T8-6の生成が行われない。
【0056】
従来では、各要素の異常状態の組み合わせが膨大になり、実際に生じ得る異常状態のみ抽出することが困難であった。本実施形態のによれば、イベント分析装置10は、異常状態促進画像IM5を表示部130に表示させ、異常状態促進画像IM5に示す異常状態の導出パターンに沿って入力を促すことにより、保障構造図CSDによって抽出した特徴が、改めて実際に生じ得るものなのか、利用、運用への影響が生じ得るものなのか、不足した情報がないかを可視化することができる。
【0057】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、生成された異常状態情報T8に基づいて、特別異常状態情報T9を生成する(ステップS110)。ステップS118は、上述した「特別異常状態決定手順」に含まれる。以下、ステップS110の詳細について、以下の通り説明する。
【0058】
<異常状態定義情報T91について>
図16は、異常状態特定促進画像IM6-1の一例を示す図である。異常状態特定促進画像IM6は、異常状態情報T8によって導出された異常状態のうち、特に検証すべき異常状態である特別異常状態の決定を促す画像である。異常状態特定促進画像IM6は、異常状態情報T8によって導出された異常状態毎に生成される。上述した一例において、異常状態情報T8によって導出された異常状態は、異常状態情報T8-3に含まれるNo.1~No.4のレコードの異常状態である。したがって、表示制御部103は、No.1~No.4のレコードが示す異常状態毎に異常状態特定促進画像IM6-1~IM6-4(不図示)を生成する。以降の説明において、異常状態特定促進画像IM6-1~IM6-4を互いに区別しない場合には総称して異常状態特定促進画像IM6と記載する。表示制御部103は、分析者によってボタンB5が操作された場合、異常状態情報T8と、記憶部110に予め記憶される情報とに基づいて、異常状態毎に異常状態特定促進画像IM6を生成し、表示部130に表示させる。
【0059】
具体的には、異常状態特定促進画像IM6には、異常状態情報T8のレコード(図16の一例では、No.1のレコード)と、当該レコードの基本要素に起こり得る異常状態から、特別異常状態の決定を促すガイドワード(図示する、「時間視点による変化」、「質視点による変化」、及び「量視点による変化」)が示される。分析者は、異常状態特定促進画像IM6に示される内容に基づいて、異常状態情報T8のレコードの基本要素に、「時間視点による変化」(例えば、遅すぎる、速すぎる、時間が長すぎる、又は時間が短すぎる等の変化)による異常状態が起こり得るか否かを検討する。分析者は、異常状態情報T8のレコードの基本要素に、「時間視点による変化」により異常状態が起こり得る場合、当該異常状態を、受付部120によって「時間視点による変化」列に入力する。また、分析者は、異常状態情報T8のレコードの基本要素に、「質視点による変化」(例えば、基本要素の状態(良し悪し)の変化)の異常状態についても検討し、当該異常状態を、受付部120によって「質視点による変化」列に入力する。また、分析者は、異常状態情報T8のレコードの基本要素に、「量視点による変化」(例えば、多過ぎる、少な過ぎる等の変化)の異常状態についても検討し、当該異常状態を、受付部120によって「量視点による変化」列に入力する。「時間視点」、「質視点」、又は「量視点」は、「分析要素」の一例であり、異常状態特定促進画像IM6は、「第8画面」の一例である。
【0060】
なお、各視点において多数(例えば、2つ以上)の異常状態が想到される場合、異常状態情報T8において導出された基本要素が、単一の基本要素ではなく、複合的な基本要素である場合がある。この場合、以降の手順によって特別異常状態を決定することが困難になるため、異常状態情報T8において導出された異常状態が単一の基本要素に関する異常状態となるように、異常状態情報T8を修正することが好ましい。
【0061】
図17は、各レコードの異常状態定義情報T91の一例を示す図である。異常状態定義情報T91は、特別異常状態情報T9を生成する際に用いられる情報であり、「時間視点による変化」、「質視点による変化」、又は「量視点による変化」の一部、又は全部により起こり得る異常状態が、基本要素毎に対応付けられた情報である。情報生成部102は、例えば、表示部130に異常状態特定促進画像IM6が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、異常状態定義情報T91を生成する。異常状態定義情報T91は、「第9画面」の一例である。
【0062】
具体的には、情報生成部102は、異常状態特定促進画像IM6-1が表示された後に受け付けた操作に基づいて、異常状態定義情報T91-1を生成し、異常状態特定促進画像IM6-3が表示された後に受け付けた操作に基づいて、異常状態定義情報T91-3を生成し、異常状態特定促進画像IM6-4が表示された後に受け付けた操作に基づいて、異常状態定義情報T91-4を生成する。
【0063】
この一例では、No.2のレコードが示す「ボタン押下」の基本要素に関する「時間視点による変化」、「質視点による変化」、及び「量視点による変化」により起こり得る異常状態が想到されなかった場合について説明する。この場合、受付部120は、異常状態特定促進画像IM6-2が表示された後に、「時間視点による変化」、「質視点による変化」、及び「量視点による変化」により起こり得る異常状態を示す操作を受け付けず、情報生成部102は、異常状態定義情報T91-2を生成しない。
【0064】
図17に示される通り、異常状態定義情報T91-1は、「時間視点による変化」により起こり得る「開状態が長時間得られない」という異常状態、及び「開状態と認識するのが遅すぎる」という異常状態と、「質視点による変化」により起こり得る「開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態と、「閉状態なのに開状態と認識する」という異常状態とが、「ドア開閉状態」という要素名である基本要素に対応付けられた情報である。
【0065】
また、異常状態定義情報T91-3は、「時間視点による変化」により起こり得る「入力が変化しなくなる」という異常状態と、「質視点による変化」により起こり得る「天板がないのに値を引く」という異常状態と、「値がオーバーフローする」という異常状態とが、「重量」という要素名である基本要素に対応付けられた情報である。
【0066】
また、異常状態定義情報T91-4は、「時間視点による変化」に起こり得る「ダイヤルを5秒以内で左に回し続けても値が変化しない」という異常状態と、「質視点による変化」に起こり得る「ダイヤルを左に回して調理時間を減らし、自動調理を選択したのに、値が5秒未満にならず、自動調理にならない」という異常状態と、「ダイヤルを左に回して調理時間を減らしすぎて、意図せず自動調理となる」という異常状態とが、「調整時間ダイヤル値」という要素名の基本要素に対応付けられた情報である。
【0067】
<マトリクス画像IM7/異常状態パターン情報T93>
図18は、マトリクス画像IM7の一例を示す図である。マトリクス画像IM7は、2以上の分析要素の変化を合成した合成軸によって示されるマトリクス画像であり、起こり得る異常状態の組み合わせの入力を促す画像である。マトリクス画像IM7には、「時間視点による変化」の異常状態と、「質視点による変化」の異常状態との組み合わせがあり得るか否かを検討する二軸マトリクス(時間×質)と、「質視点による変化」の異常状態と、「量視点による変化」の異常状態との組み合わせがあり得るか否かを検討する二軸マトリクス(質×量)と、「量視点による変化」の異常状態と、「時間視点による変化」の異常状態との組み合わせがあり得るか否かを検討する二軸マトリクス(量×質)とが含まれる。
【0068】
表示制御部103は、異常状態定義情報T91と、記憶部110に予め記憶される情報に基づいて、マトリクス画像IM7を基本要素毎に生成する。具体的には、表示制御部103は、異常状態定義情報T91-1に基づいて、「ドア開閉状態」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-1を生成し、異常状態定義情報T91-3に基づいて、「重量」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-3を生成し、異常状態定義情報T91-4に基づいて、「調整時間ダイヤル値」という要素名の基本要素に対応するマトリクス画像IM7-4を生成する。
【0069】
図19は、「ドア開閉状態」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-1の一例を示す図である。マトリクス画像IM7-1の二軸マトリクス(時間×質)の縦軸(質視点)の一端には、異常状態定義情報T91-1において「質視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態が対応付けられ、他端には、「閉状態なのに開状態と認識する」という異常状態が対応付けられる。また、マトリクス画像IM7-1の二軸マトリクス(時間×質)の横軸(時間視点)の一端には、異常状態定義情報T91-1において、「時間視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「開状態が長時間得られない」という異常状態が対応付けられ、他端には、「開状態と認識するのが遅すぎる」という異常状態が対応付けられる。
【0070】
二軸マトリクス(時間×質)が有するA欄~D欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得るのは、A欄の「開状態が長時間得られないため、開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態と、B欄の「開状態と認識するのが遅すぎるため、開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態との2つである。分析者は、A欄と、B欄との異常状態を受付部120に入力する。
【0071】
次に、マトリクス画像IM7-1の二軸マトリクス(質×量)の縦軸(量視点)には、異常状態定義情報T91-1において「量視点による変化」に起こり得る異常状態が定義されなかったため、異常状態が対応付けられない。また、マトリクス画像IM7-1の二軸マトリクス(質×量)の横軸(質視点)の一端には、異常状態定義情報T91-1において「質視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態が対応付けられ、他端には、「閉状態なのに開状態と認識する」という異常状態が対応付けられる。
【0072】
二軸マトリクス(質×量)が有するE欄~H欄のうち、異常状態があり得るのは、質視点の異常状態が転記されるE欄の「開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態と、質視点の異常状態が転記されるF欄の「閉状態なのに開状態と認識する」という異常状態である。分析者は、E欄と、F欄との異常状態を受付部120に入力する。
【0073】
次に、マトリクス画像IM7-1の二軸マトリクス(量×時間)の縦軸(時間視点)には、上述したように一端に「開状態が長時間得られない」という異常状態が対応付けられ、他端に「開状態と認識するのが遅すぎる」という異常状態が対応付けられる。また、上述したようにマトリクス画像IM7-1の二軸マトリクス(量×時間)の横軸(量視点)には、異常状態が対応付けられない。
【0074】
二軸マトリクス(量×時間)が有するI欄~L欄のうち、異常状態があり得るのは、時間視点の異常状態が転記されるI欄の「開状態が長時間得られない」という異常状態と、質視点の異常状態が転記されるK欄の「開状態と認識するのが遅すぎる」という異常状態である。分析者は、I欄と、K欄との異常状態を受付部120に入力する。
【0075】
図20は、「ドア開閉状態」という要素名である基本要素の異常状態パターン情報T93-1の内容の一例を示す図である。情報生成部102は、例えば、表示部130にマトリクス画像IM7-1が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、異常状態パターン情報T93-1を生成する。異常状態パターン情報T93-1は、マトリクス画像IM7-1の各二軸マトリクスが有する欄のうち、2つの異常状態の組み合わせ(又は、異常状態の転記)があり得ると分析者に判断された分析結果が含まれる。図20では、異常状態があり得ると分析者に判断された分析結果は、A欄、B欄、E欄、F欄、I欄、及びK欄である。したがって、情報生成部102は、A欄、B欄、E欄、F欄、I欄、及びK欄における2つの異常状態の組み合わせ(又は、異常状態の転記)を示す異常状態パターン情報T93-1を生成する。
【0076】
図21は、「重量」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-3の一例を示す図である。マトリクス画像IM7-3の二軸マトリクス(時間×質)の縦軸(質視点)の一端には、異常状態定義情報T91-3において「質視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「天板がないのに値を引く」という異常状態が対応付けられ、他端には、「値がオーバーフローする」という異常状態が対応付けられる。また、マトリクス画像IM7-3の二軸マトリクス(時間×質)の横軸(時間視点)の一端には、異常状態定義情報T91-3において、「時間視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「入力が変化しなくなる」という異常状態が対応付けられる。
【0077】
二軸マトリクス(時間×質)が有するA欄~D欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得る欄は存在しない。このため、分析者は、A欄~D欄の異常状態を受付部120に入力しない。
【0078】
次に、マトリクス画像IM7-3の二軸マトリクス(質×量)の縦軸(量視点)の一端には、異常状態定義情報T91-3において「量視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「実際より値が高くなる」という異常状態が対応付けられ、他端には、「実際より値が低くなる」という異常状態が対応付けられる。また、マトリクス画像IM7-3の二軸マトリクス(質×量)の横軸(質視点)には、上述したように一端に「天板がないのに値を引く」という異常状態が対応付けられ、他端に「値がオーバーフローする」という異常状態が対応付けられる。
【0079】
二軸マトリクス(質×量)が有するE欄~H欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得るのは、G欄の「天板がないのに値を引くため、実際より値が低くなる」という異常状態と、H欄の「値がオーバーフローしたため、実際より値が低くなる」という異常状態との2つである。分析者は、G欄と、H欄との異常状態を受付部120に入力する。
【0080】
次に、マトリクス画像IM7-3の二軸マトリクス(量×時間)の縦軸(時間視点)には、上述したように一端に「入力が変化しなくなる」という異常状態が対応付けられる。また、マトリクス画像IM7-3の二軸マトリクス(量×時間)の横軸(量視点)には、上述したように一端に「実際より値が高くなる」という異常状態が対応付けられ、他端に「実際より値が低くなる」という異常状態が対応付けられる。
【0081】
二軸マトリクス(量×時間)が有するI欄~L欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得るのは、I欄の「入力が変化しなくなり、実際より値が高くなる」という異常状態と、J欄の「入力が変化しなくなり、実際より値が低くなる」という異常状態である。分析者は、I欄と、J欄との異常状態を受付部120に入力する。
【0082】
図22は、「重量」という要素名である基本要素の異常状態パターン情報T93-1の内容の一例を示す図である。情報生成部102は、例えば、表示部130にマトリクス画像IM7-3が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、異常状態パターン情報T93-3を生成する。異常状態パターン情報T93-3は、マトリクス画像IM7-3の各二軸マトリクスが有する欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得ると分析者に判断された分析結果が含まれる。図22では、異常状態があり得ると分析者に判断された分析結果は、G欄、H欄、I欄、及びJ欄である。したがって、情報生成部102は、G欄、H欄、I欄、及びJ欄における2つの異常状態の組み合わせを示す異常状態パターン情報T93-3を生成する。
【0083】
図23は、「調理時間ダイヤル値」という要素名である基本要素に対応するマトリクス画像IM7-4の一例を示す図である。マトリクス画像IM7-4の二軸マトリクス(時間×質)の縦軸(質視点)の一端には、異常状態定義情報T91-4において「質視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「ダイヤルを左に回して調理時間を減らし、自動調理を選択したのに、値が5秒未満にならず、自動調理にならない」という異常状態が対応付けられ、他端には、「ダイヤルを左に回して調理時間を減らしすぎて、意図せず自動調理となる」という異常状態が対応付けられる。また、マトリクス画像IM7-4の二軸マトリクス(時間×質)の横軸(時間視点)の一端には、異常状態定義情報T91-4において、「時間視点による変化」に起こり得る異常状態として定義された「ダイヤルを5秒以内で左に回し続けても値が変化しない」という異常状態が対応付けられる。
【0084】
二軸マトリクス(時間×質)が有するA欄~D欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得る欄は、A欄の「ダイヤルを左に回して調理時間を減らして指定したのに、値が変化しないため、自動調理にならない」という異常状態である。分析者は、A欄の異常状態を受付部120に入力する。
【0085】
次に、マトリクス画像IM7-4の二軸マトリクス(質×量)の縦軸(量視点)には、異常状態定義情報T91-4において「量視点による変化」に起こり得る異常状態が定義されなかったため、異常状態が対応付けられない。また、マトリクス画像IM7-4の二軸マトリクス(質×量)の横軸(質視点)には、上述したように一端に「ダイヤルを左に回して調理時間を減らし、自動調理を選択したのに、値が5秒未満にならず、自動調理にならない」という異常状態が対応付けられ、他端に「ダイヤルを左に回して調理時間を減らしすぎて、意図せず自動調理となる」という異常状態が対応付けられる。
【0086】
二軸マトリクス(質×量)が有するE欄~H欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得るのは、E欄の「ダイヤルを左に回して調理時間を減らして指定したのに、値が変化しないため、自動調理にならない」という異常状態と、H欄の「ダイヤルを左に回して調理時間を減らしすぎて、意図せず自動調理となる」という異常状態との2つである。分析者は、E欄と、H欄との異常状態を受付部120に入力する。
【0087】
次に、マトリクス画像IM7-4の二軸マトリクス(量×時間)の縦軸(時間視点)には、上述したように「ダイヤルを左に回して調理時間を減らしすぎて、意図せず自動調理となる」という異常状態が対応付けられる。また、マトリクス画像IM7-4の二軸マトリクス(量×時間)の横軸(量視点)には、上述したように異常状態が対応付けられない。
【0088】
二軸マトリクス(量×時間)が有するI欄~L欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得るのは、I欄の「ダイヤルを5秒以内で左に回し続けても値が変化しないため、実際より長く調理してしまう」という異常状態である。分析者は、I欄の異常状態を受付部120に入力する。
【0089】
図24は、「調理時間ダイヤル値」という要素名である基本要素の異常状態パターン情報T93-4の内容の一例を示す図である。情報生成部102は、例えば、表示部130にマトリクス画像IM7-4が表示された後に、取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、異常状態パターン情報T93-4を生成する。異常状態パターン情報T93-4は、マトリクス画像IM7-4の各二軸マトリクスが有する欄のうち、2つの異常状態の組み合わせがあり得ると分析者に判断された分析結果が含まれる。図24では、異常状態があり得ると分析者に判断された分析結果は、A欄、E欄、H欄、及びI欄である。したがって、情報生成部102は、A欄、E欄、H欄、及びI欄における2つの異常状態の組み合わせを示す異常状態パターン情報T93-4を生成する。マトリクス画像IM7-1~IM7-1は、「第10画面」の一例であり、異常状態パターン情報T93-1~T93-4は、「第11画面」の一例である。
【0090】
<特別異常状態情報T9について>
図25は、特別異常状態情報T9の内容の一例を示す図である。情報生成部102は、異常状態情報T8と、異常状態パターン情報T93とに基づいて、特別異常状態情報T9を生成する。情報生成部102は、例えば、異常状態パターン情報T93に含まれる2つの異常状態の組み合わせのうち、重複していない組み合わせを特別異常状態として抽出した情報であり、特別異常状態と、要素名と、要素名によって示される基本要素の分類と、基本要素に対応付けられた特徴情報とが互いに対応付けられた情報である。
【0091】
図22に示される通り、異常状態パターン情報T93-1のうち、A欄、及びE欄の内容と、B欄、及びF欄の内容とが重複する。したがって、情報生成部102は、異常状態パターン情報T93-1のうち、E欄、及びF欄を除外したA欄、B欄、I欄、及びK欄の異常状態を、要素名が「ドア開閉状態」の基本要素の特別異常状態として決定し、要素名「ドア開閉状態」と、分類「3.入力情報」と、「ドア開閉状態」に対応付けられた特徴情報と、決定した特別異常状態とが互いに対応付けられた情報を特別異常状態情報T9-1として生成する。
【0092】
なお、異常状態パターン情報T93-3、及び異常状態パターン情報T93-4は、内容が重複しない。このため、情報生成部102は、異常状態パターン情報T93-3に含まれる異常状態を、「重量」という要素名である基本要素の特別異常状態として決定し、要素名「重量」と、分類「3.入力情報」と、「重量」に対応付けられた特徴情報と、決定した特別異常状態とが互いに対応付けられた特別異常状態情報T9-3を生成する。また、情報生成部102は、異常状態パターン情報T93-4に含まれる異常状態を、「調理時間ダイヤル値」という要素名である基本要素の特別異常状態として決定し、要素名「調理時間ダイヤル値」と、分類「3.入力情報」と、「調理時間ダイヤル値」に対応付けられた特徴情報と、決定した特別異常状態とが互いに対応付けられた特別異常状態情報T9-4を生成する。以降の説明において、特別異常状態情報T9-1、特別異常状態情報T9-3、及び特別異常状態情報T9-4を互いに区別しない場合には、総称して特別異常状態情報T9と記載する。特別異常状態情報T9は、「第12画面」の一例である。
【0093】
従来の技術では、異常状態を抽出しても、異常状態から特別異常状態を適切に抽出することができない場合があった。本実施形態のイベント分析装置10によれば、異常状態特定促進画像IM6、及びマトリクス画像IM7を表示部130に表示させ、検証対象(この一例では電子レンジ)において起こり得る2つの異常状態の組み合わせについて分析者に検討を促し、特別異常状態情報T9を生成することにより、特別異常状態を適切に抽出することができる。
【0094】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、生成された特別異常状態情報T9に基づいて、特別異常状態構成図E3を生成する(ステップS112)。ステップS112は、上述した「特別異常状態決定手順」に含まれる。以下、ステップS112の詳細について、以下の通り説明する。
【0095】
<特別異常状態構成図E3について>
図26は、特別異常状態構成図E3のテンプレート画像IM8の一例を示す図である。特別異常状態構成図E3は、特別異常状態情報T9を概念的に示す図であり、特別異常状態構成図E3は、特別異常状態情報T9のレビューに用いられる図である。ここで、分析者の習熟度によっては、適切に特別異常状態情報T9を生成することが困難である場合がある。したがって、特別異常状態情報T9は、特別異常状態情報T9を作成した分析者の他、他の分析者のレビューを受けることが好ましく、特別異常状態構成図E3を用いることにより、容易にレビューを行うことができる。
【0096】
図26に示される通り、テンプレート画像IM8には、基本要素を示す領域と、基本要素の分類を示す領域と、基本要素に対応付けられた特徴情報を示す領域と、基本要素に対応付けられた特別異常状態を示す領域とが存在する。表示制御部103は、分析者によってボタンB6が操作された場合、特別異常状態情報T9に基づいて、基本要素の要素名を示す画像と、基本要素の分類を示す画像と、基本要素に対応付けられた特徴情報を示す画像と、基本要素に対応付けられた特別異常状態を示す画像とを生成する。表示制御部103は、生成した画像を、それぞれテンプレート画像IM8の対応する領域に配置した特別異常状態構成図E3を示す画像(以下、特別異常状態構成画像IM9)を生成し、表示部130に表示させる。
【0097】
図27は、特別異常状態情報T9-1に係る特別異常状態構成画像IM9の一例を示す図である。表示制御部103は、特別異常状態情報T9-1に基づいて、特別異常状態構成図E3-1を示す特別異常状態構成画像IM9-1を生成する。特別異常状態構成画像IM9-1には、特別異常状態情報T9-1に含まれる基本要素を示す基本要素画像IMd(図示する基本要素画像IMd1)と、基本要素の分類を示す分類画像IMe(図示する分類画像IMe1)と、基本要素に対応付けられた特別異常状態を示す特別異常状態画像IMf(図示する特別異常状態画像IMf-1~IMf-6)と、基本要素に対応付けられた特徴情報を示す特徴情報画像IMg(図示する特徴情報画像IMg1~3)と、基本要素に対応付けられた懸念情報を示す懸念情報画像IMh(図示する懸念情報画像IMh1~IMh3)とが、特別異常状態構成図E3-1の対応する領域にそれぞれ配置される。
【0098】
表示制御部103が特別異常状態情報T9-3に基づいて特別異常状態構成図E3-3を示す特別異常状態構成画像IM9-3を生成する処理と、特別異常状態情報T9-4に基づいて、特別異常状態構成図E3-4を示す特別異常状態構成画像IM9-4を生成する処理とは、上述した特別異常状態構成画像IM9-1を生成する処理と同様であるため、説明を省略する。特別異常状態構成画像IM9は、「第2画面」の一例である。
【0099】
このように、イベント分析装置10は、特別異常状態構成画像IM9を表示部130に表示させることにより、分析者は、基本要素に対応する特別異常状態を容易にレビューすることができる。
【0100】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、特別異常状態分析促進画像IM10にしたがって入力された情報に基づいて、特別異常状態分析情報E4を生成する(ステップS114)。ステップS114は、上述した「シナリオ導出手順」に含まれる。以下、ステップS114の詳細について、以下の通り説明する。
【0101】
<特別異常状態分析促進画像IM10について>
次に、分析者は、イベント分析装置10を用いて「シナリオ導出手順」を行う。図28は、特別異常状態分析促進画像IM10の一例を示す図である。特別異常状態分析促進画像IM10は、イベント分析情報E1において分析された検証対象のイベントと、特別異常状態情報T9において決定された特別異常状態が起こり得る基本要素とが、関連すること(或いは、関連しないこと)の入力を促す画像である。
【0102】
具体的には、特別異常状態分析促進画像IM10は、イベント分析情報E1において分析された検証対象のイベントに係る情報(図示する、イベントID、及びイベントIDのイベントの名称)と、特別異常状態情報T9において決定された特別異常状態に係る情報(図示する、基本要素の要素名、及び要素名が示す基本要素に起こり得る特別異常状態)と、要素名が示す基本要素とイベントとの関連の有無と、基本要素の分類とが互いに対応付けられたレコードのうち、要素名が示す基本要素とイベントとの関連の有無と、基本要素の分類との入力を分析者に促す画像である。表示制御部103は、分析者によってボタンB7が操作された場合、イベント分析情報E1と、特別異常状態情報T9とに基づいて、特別異常状態分析促進画像IM10を生成し、表示部130に表示させる。分析者は、表示部130に表示される特別異常状態分析促進画像IM10に基づいて、レコードの各項目を受付部120に入力する。
【0103】
ここで、特別異常状態分析促進画像IM10に基づいて、分析者が受付部120に入力する基本要素の分類は、上述した1.~12.までの分類を更に大きく分類した「A.機器や制御」と、「B.入力情報」と、「C.処理・振る舞い」と、「D.参照情報」と、「E.出力情報」とのうち、いずれかである。上述した基本要素の分類である、「1.物理要素」、「2.制御要素」、「7.損失機器」、及び「12.SW搭載機器・プラットフォーム」は、「A.機器や制御」に含まれ、「3.入力情報」、及び「9.入力情報の変動・阻害要因」は、「B.入力情報」に含まれ、「4.SW振る舞い・処理」は、「C.処理・振る舞い」に含まれ、「5.SW参照情報」、及び「10.参照情報の変動・阻害要因」は、「D.参照情報」に含まれ、「6.出力情報」、「8.損失情報」、及び「11.出力情報の変動・阻害要因」は、「E.出力情報」に含まれる。特別異常状態分析促進画像IM10は、「第13画面」の一例である。
【0104】
<特別異常状態分析情報E4について>
図29は、特別異常状態分析情報E4の内容の一例を示す図である。特別異常状態分析情報E4は、イベント分析情報E1において分析された検証対象のイベントと、特別異常状態情報T9において決定された特別異常状態が起こり得る基本要素との関連の有無について検討した結果を示す情報である。情報生成部102は、例えば、表示部130に特別異常状態分析促進画像IM10が表示された後に取得部101が受付部120を介して受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、特別異常状態分析情報E4を生成する。具体的には、情報生成部102は、イベント分析情報E1に基づくイベントID、及びイベント名称と、特別異常状態情報T9に基づく基本要素の要素名、及び基本要素の特別異常状態と、受付部120によって受け付けられた要素名が示す基本要素とイベントとの関連の有無、及び「A.機器や制御」~「E.出力情報」によって示される基本要素の分類とを互いに対応付けたレコードを、特別異常状態分析情報E4のレコードとして生成する。
【0105】
図29に示される一例において、特別異常状態分析情報E4には、イベントID「EV1」の「待機」イベントが、特別異常状態情報T9に示される基本要素といずれも関連がないことが示され、イベントID「EV2」の「ドアオープン」イベントが、特別異常状態情報T9に示される基本要素のうち、「ドア開閉状態」のみが関連し、他の基本要素と関連しないことが示され、イベントID「EV3」の「調理設定」イベントが、特別異常状態情報T9に示される基本要素のうち、「調整ダイヤル値」のみが関連し、他基本要素と関連しないことが示され、イベントID「EV4」の「調理」イベントが、特別異常状態情報T9に示される基本要素といずれも関連することが示される。特別異常状態分析情報E4は、「第14画面」の一例である。
【0106】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、生成された特別異常状態分析情報E4に基づいて、問題事象分析情報E5を生成する(ステップS116)。ステップS116は、上述した「シナリオ導出手順」に含まれる。以下、ステップS116の詳細について、以下の通り説明する。
【0107】
<問題事象分析情報E5について>
図30は、問題事象分析情報E5の内容の一例を示す図である。問題事象分析情報E5は、特別異常状態分析情報E4に含まれるレコードのうち、イベントと特別異常状態情報T9に示される基本要素とが関連しないレコードが除いた情報である。情報生成部102は、分析者によってボタンB8が操作された場合、特別異常状態分析情報E4に基づいて、イベントと特別異常状態情報T9に示される基本要素とが関連しないレコードを除いた問題事象分析情報E5を生成し、表示部130は、情報生成部102によって生成された問題事象分析情報E5を示す画像を表示部130に表示させる。また、情報生成部102は、生成した問題事象分析情報E5を記憶部110に記憶させる。
【0108】
また、問題事象分析情報E5の各レコードには、レコードに対応付けられる特別異常状態がそれぞれ問題事象として更に対応付けられる。具体的には、イベントID「EV1」の「待機」イベントには、要素名が「ドア開閉状態」の特別異常状態として、「開状態が長時間得られないため、開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態と、「開状態と認識するのが遅すぎるため、開状態なのに閉状態と認識する」という異常状態との2つの異常状態が対応付けられる。情報生成部102は、イベントID「EV1」の「待機」イベントのレコードに、2つの異常状態のそれぞれを問題事象1、及び問題事象2として対応付ける。
【0109】
同様に、イベントID「EV3」の「調理設定」イベントには、要素名が「調整ダイヤル値」の特別異常状態として、4つの異常状態が対応付けられるため、情報生成部102は、イベントID「EV3」の「調理設定」イベントのレコードに、4つの異常状態をそれぞれ問題事象1~問題事象4として対応付ける。
【0110】
また、イベントID「EV4」の「調理」イベントには、要素名が「ドア開閉状態」の特別異常状態として2つの異常状態が対応付けられるため、情報生成部102は、イベントID「EV4」の「調理」イベントのうち、「ドア開閉状態」のレコードに、2つの異常状態をそれぞれ問題事象1~問題事象2として対応付けする。イベントID「EV4」の「調理」イベントには、要素名が「重量」の特別異常状態として、4つの異常状態が対応付けられるため、情報生成部102は、イベントID「EV4」の「調理」イベントのうち、「重量」のレコードに4つの異常状態のそれぞれを問題事象1~問題事象4として対応付ける。イベントID「EV4」の「調理」イベントには、要素名が「調整ダイヤル値」の特別異常状態として、4つの異常状態が対応付けられるため、情報生成部102は、イベントID「EV4」の「調理」イベントのうち、「調整ダイヤル値」のレコードに4つの異常状態をそれぞれ問題事象1~問題事象4として対応付ける。
【0111】
情報生成部102は、上述した手順によって問題事象分析情報E5を生成する。ここで、各イベントのうち、実際に生じ得ないイベントについては、削除されてもよい。
【0112】
このように、イベント分析装置10は、特別異常状態分析促進画像IM10を表示部130に表示させ、検証対象において実行されるイベントと特別異常状態とが関連するか否かの検討を分析者に促し、問題事象が生じるまでのシナリオ、或いは問題事象が生じた後のシナリオを検証すべきイベントを抽出することができる。
【0113】
<問題事象対応促進画像IM11について>
次に、イベント分析装置10は、問題事象分析情報E5に基づいて、イベントにおいて問題事象が生じるまでのシナリオ、或いは問題事象が生じた後のシナリオを導出する。図31は、問題事象対応促進画像IM11の一例を示す図である。表示制御部103は、分析者によってボタンB9が操作された場合、問題事象分析情報E5に基づいて問題事象対応促進画像IM11を生成し、表示部130に表示させる。
【0114】
ここで、「A.機器や制御」に分類されるイベントと、他の分類のイベントとでは、問題事象に対するシナリオが異なる場合がある。具体的には、「A.機器や制御」以外の分類のイベントは、問題事象が生じるまでのシナリオが存在する場合があるが、「A.機器や制御」に分類されるイベントには、問題事象が生じるまでのシナリオが存在しない場合がある。
【0115】
したがって、表示制御部103は、「A.機器や制御」に分類されるイベントに問題事象が生じた後のシナリオの導出を促す問題事象対応促進画像IM11-1を生成し、表示部130に表示させる。また、表示制御部103は、「A.機器や制御」以外の分類のイベントに問題事象が生じるまでのシナリオ、或いは問題事象が生じた後のシナリオの導出を促す問題事象対応促進画像IM11-2を生成し、表示部130に表示させる。以降の説明において、問題事象対応促進画像IM11-1と、問題事象対応促進画像IM11-2とを互いに区別しない場合には、総称して問題事象対応促進画像IM11と記載する。
【0116】
問題事象対応促進画像IM11は、問題事象分析情報E5に示される問題事象毎のレコードであり、イベントIDと、イベント名称と、影響度と、問題事象が生じる前に発生するイベントの処理、又はイベントの状態と、問題事象が生じた後に発生するイベントの処理、又はイベントの状態とが互いに対応付けられたレコードのうち、問題事象が生じる前に発生するイベントの処理、又はイベントの状態と、問題事象が生じた後に発生するイベントの処理、又はイベントの状態との入力を促す画像である。
【0117】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、情報生成部102は、生成された問題事象分析情報E5に基づいて、問題事象対応情報E6を生成する(ステップS118)。ステップS118は、上述した「シーケンス図生成手順」に含まれる。以下、ステップS118の詳細について、以下の通り説明する。
【0118】
<問題事象対応情報E6について>
図32は、イベントID「EV2」に係る問題事象対応情報E6-Bの内容の一例を示す図である。図33は、イベントID「EV3」に係る問題事象対応情報E6-Bの内容の一例を示す図である。図34は、イベントID「EV4」に係る問題事象対応情報E6-Bの内容の一例を示す図である。
【0119】
情報生成部102は、例えば、表示部130に「A.機器や制御」の問題事象対応促進画像IM11が表示された後に受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、問題事象対応情報E6-Aを生成し、「B.入力情報」の問題事象対応促進画像IM11が表示された後に受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、問題事象対応情報E6-Bを生成し、「C.処理・振る舞い」の問題事象対応促進画像IM11が表示された後に受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、問題事象対応情報E6-Cを生成し、「D.参照情報」の問題事象対応促進画像IM11が表示された後に受け付けた操作が示す各種情報に基づいて、問題事象対応情報E6-Dを生成し、「E.出力情報」の問題事象対応促進画像IM11が表示された後に受け付けた操作が示す各種情報基づいて、問題事象対応情報E6-Eを生成する。以降の説明において、問題事象対応情報E6-A~E6-Eを互いに区別しない場合には、総称して問題事象対応情報E6と記載する。問題事象対応促進画像IM11は、「第3画面」、及び「第15画面」の一例であり、問題事象対応情報E6は、「第4画面」、及び「第16画面」の一例である。
【0120】
図30に示される通り、この一例の問題事象分析情報E5には、「B.入力情報」の問題事象のみが含まれる。したがって、この一例では、情報生成部102は、問題事象対応情報E6-A~E6-Eのうち、問題事象対応情報E6-Bのみを生成する。
【0121】
図32図34に示される通り、問題事象対応情報E6-Bには、問題事象対応促進画像IM11によって入力が促された問題事象が生じる前に発生するイベントの処理、又はイベントの状態と、問題事象が生じた後に発生するイベントの処理、又はイベントの状態とが含まれるレコードであり、問題事象毎に異なるレコードが複数含まれる。
【0122】
<処理フロー>
図4に戻り、次に、表示制御部103は、生成された問題事象対応情報E6に基づいて、イベントシーケンス図ESDを生成する(ステップS120)。ステップS120は、上述した「シーケンス図生成手順」に含まれる。以下、ステップS120の詳細について、以下の通り説明する。
【0123】
<イベントシーケンス図ESDについて>
図35は、イベントID「EV2」、及びイベントID「EV3」に係るイベントシーケンス図ESD-Bの一例を示す図である。図36は、イベントID「EV4」に係るイベントシーケンス図ESD-Bの一例を示す図である。イベントシーケンス図ESDは、問題事象対応情報E6のレビューに用いられる図である。ここで、分析者の習熟度によっては、適切に問題事象対応情報E6を生成することが困難である場合がある。したがって、問題事象対応情報E6は、問題事象対応情報E6を作成した分析者の他、他の分析者のレビューを受けることが好ましく、問題事象対応情報E6を用いることにより、容易にレビューを行うことができる。なお、説明の便宜上、イベントシーケンス図ESD-BがイベントID「EV2」、及びイベントID「EV3」に係るものと、イベントID「EV4」に係るものとに分かれているが、1つの図に示されていてもよい。
【0124】
表示制御部103は、例えば、ボタンB10が操作された場合、問題事象対応情報E6-A~E6-Eに基づいて、それぞれの問題事象対応情報E6に対応するイベントシーケンス図ESD-A~ESD-Eを生成する。以降の説明において、イベントシーケンス図ESD-A~ESD-Eを互いに区別しない場合には、総称してイベントシーケンス図ESDと記載する。
【0125】
具体的には、表示制御部103は、各問題事象対応情報E6のイベントID毎に当該イベントIDに対応付けられたレコードの項目を示す項目画像を、矢印の画像で互いに結んだシーケンス図をイベントシーケンス図ESDとして生成し、表示部130に表示させる。矢印の画像は、「要素関係情報画像」の一例である。
【0126】
従来の技術では、イベントシーケンスとすべき異常状態を適切に抽出できず、更に異常状態に対応するパターン(分岐)を想到することが困難であった。また、従来の技術では、異なる複数の視点から異常状態に対応するパターン(分岐)を想到することが困難であった。本実施形態のイベント分析装置10によれば、適切に特別異常状態を抽出することができ、且つ抽出した特別異常状態に基づくイベントシーケンス図ESDを表示部130に表示させ、問題事象と、問題事象が生じるまでのシナリオ、或いは問題事象が生じた後のシナリオを容易にレビューすることができる。
【0127】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0128】
10…イベント分析装置、100…制御部、101…取得部、102…情報生成部、103…表示制御部、110…記憶部、120…受付部、130…表示部、CSD…保障構造図、E1…イベント分析情報、E2…特徴抽出情報、E3、E3-1、E3-3、E3-4…特別異常状態構成図、E4…特別異常状態分析情報、E5…問題事象分析情報、E6、E6-A、E6-B、E6-C、E6-D、E6-E…問題事象対応情報、ESD、ESD-A、ESD-B、ESD-C、ESD-D、ESD-E…イベントシーケンス図、T8、T8-1、T8-2、T8-3、T8-4、T8-5、T8-6…異常状態情報、T9、T9-1、T9-3、T9-4…特別異常状態情報、T91、T91-1、T91-2、T91-3、T91-4…異常状態定義情報、T93、T93-1、T93-2、T93-3、T93-4…異常状態パターン情報、IM1…イベント分析促進画像、IM2…特徴抽出促進画像、IM3…テンプレート画像、IM4…表示画像、IM5、IM5-1、IM5-2、IM5-3、IM5-4、IM5-5、IM5-6…異常状態促進画像、IM6、IM6-1、IM6-2、IM6-3、IM6-4…異常状態特定促進画像、IM7、IM7-1、IM7-3、IM7-4…マトリクス画像、IM8…テンプレート画像、IM9、IM9-1、IM9-3、IM9-4…特別異常状態構成画像、IM10…特別異常状態分析促進画像、IM11、IM11-1、IM11-2…問題事象対応促進画像、IMa…基本要素画像、IMb…特徴情報画像、IMc…操作画面、IMd…基本要素画像、IMe…分類画像、IMf-1、IMf-2…特別異常状態画像、IMg…特徴情報画像
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