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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】地下鉄環境改善装置
(51)【国際特許分類】
   E21F 5/20 20060101AFI20220915BHJP
   B03C 1/00 20060101ALI20220915BHJP
   B03C 1/02 20060101ALI20220915BHJP
   B01D 49/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E21F5/20
B03C1/00 C
B03C1/00 K
B03C1/02 Z
B01D49/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019174968
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021050563
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2019-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000211569
【氏名又は名称】中松 義郎
(72)【発明者】
【氏名】中松 義郎
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-006907(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0066889(KR,A)
【文献】特開昭59-096624(JP,A)
【文献】特開平01-182624(JP,A)
【文献】特許第6378930(JP,B2)
【文献】韓国登録実用新案第20-0468921(KR,Y1)
【文献】特開平09-109738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21F 5/20
B03C 1/00
B03C 1/02
B01D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下鉄内の粉末を除去する地下鉄環境改善装置であって、トンネルの壁周に沿って、少なくとも第1及び第2の半ドーナツゲート形状の磁気コイルマグネット鉄粉吸着装置を設けた事を特徴とする地下鉄環境装置。
【請求項2】
請求項1に於て、前記第1及び第2の鉄粉吸着装置の間に給排気可能なダクト機構を設けたことを特徴とする地下鉄環境改善装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
地下鉄内の、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉を除去する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄の駅において大量に鉄粉を含有したPM2.5等の微粉が浮遊している。現在、これを除去することは行われていない。それにより、人体への健康上の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記、地下鉄内の鉄粉を含有したPM2.5等の微粉を有効に除去するのが、本発明で解決しようとする課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
地下鉄における鉄粉を含有したPM2.5等の微粉を磁石やPSA(感圧性溶着材)や気流で吸着する。
【発明の効果】
【0005】
本発明の装置により、地下鉄駅において、微小粒子物質である鉄粉を含有したPM2.5等の微粉を有効に除去することができるので、多くの地下鉄利用者や地下鉄従業員の健康を護るという大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】従来の、地下鉄駅のプラットフォーム近傍に浮遊した微小粒子物質を表した進行方向と直角の断面図
図2】従来の、地下鉄駅のプラットフォームへ地下鉄車両が入線するときの進行方向断面図
図3】本発明の第1の実施形態を示す図である
図4】本発明の第2の実施形態を示す図である
図5】本発明の第3の実施形態を示す図である
図6】本発明の第4の実施形態を示す図である
図7】本発明の第5の実施形態を示す図である
図8】本発明の第6の実施形態を示す図である
図9】本発明の第7の実施形態を示す図である
図10】本発明の第8の実施形態を示す側面図である
図11】本発明の第8の実施形態を示す正面図である
図12】本発明の第9の実施形態を示す側面図である
図13】本発明の第9の実施形態を示す正面図である
図14】本発明の第10の実施形態を示す側面図である
図15】本発明の第10の実施形態を示す上面図である
図16】本発明の第11の実施形態を示す上面図である
図17】本発明の第12の実施形態を示す断面図である
図18】本発明の第12の実施形態を示す上面図である。
図19】本発明の第13の実施形態を示す上面図である
図20】本発明の第13の実施形態を示すA-A’位置における断面図である
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1,2を基に、従来の地下鉄内のPM2.5や鉄粉等の状態を説明する。地下鉄内1とは、地下鉄駅2部分とトンネル3とを含んだ部分である。地下鉄駅2とは、乗客8が地下鉄車両6に乗降する部分を指し、プラットフォーム5が存在する(長さ方向の)部分である。トンネル3とは、略半円形状空間の内壁を示す。地下鉄駅2は、地下鉄車両6がプラットフォーム5へ入線したときに、車輪近傍には、ブレーキの摩耗や、線路と車輪の摩耗によって、鉄粉が発生し、平均粒径が10ミクロン以下のものは、重力よりブラウン運動による力が優勢となり空中を浮遊することとなる。
【0008】
図1において、浮遊している、粒子物質の比較的大きいサイズのものを、「○」印(PM10相当の平均粒径10ミクロン以下で、PM2.5より大きいサイズのもの)、小さいもの、すなわちPM2.5相当の微小粒子物質を、「・」印にて、イメージとして記載した。浮遊(風等の影響も含む)する粒子物質を、大きいサイズの粒子物質71、および、PM2.5相当の微小粒子物質72とし、その粒子物質のうち、鉄粉を含有したPM2.5等の浮遊粒子を微粉7とする。
【0009】
地下鉄車両6がプラットフォーム5に停車した際は、車輪より発生した鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7において、大きい粒子物質はレール近傍を浮遊し、微小粒子物質は、上方の流れや拡散移動にて、プラットフォーム5上へ噴き出して、地下鉄駅2の空中に浮遊することとなる。
【0010】
また、微小粒子物質72(PM2.5)は、風圧、風向、風量に大きく依存するので、地下鉄駅2を漂い、空中の環境により、鉄との凝集のみならずIPAなど有害な物質とも、凝集し漂う。
【0011】
これらの空中に浮遊した大きいサイズの粒子物質71や、微小粒子物質72を、プラットフォーム5上の乗客、職員等8が吸い込んだり、粘膜に付着させたりすることで健康を害する危険性が高まる。
【0012】
図2において、地下鉄駅2のプラットフォーム5に近づいてきた、トンネル3内の地下鉄車両6が、トンネル3内の浮遊した微小粒子物質72や、風圧で巻き上げられた大きいサイズの粒子物質71を、車両進行の前方方向へ押し出し、トンネル3内の地下鉄駅2方向への空気の流れとともに、地下鉄駅2のプラットフォーム5上へ、流入させる。これにより、大量の鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7つまり、大きいサイズの粒子物質71や微小粒子物質72が駅に漂うこととなり、更に健康を害するリスクが高まる。
【0013】
本発明は、浮遊している、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を吸着吸収させ、プラットフォーム5上への鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7のレベルを下げることが出来る画期的な発明である。
【0014】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態は、図3に示すように、地下鉄内1の鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を、地下鉄車両6の側面下に設置した鉄粉吸着装置9、具体的には、電磁コイルマグネット91で吸着し、除去する。
【0015】
車両6に設けた鉄粉吸着装置9により、ブレーキをかけることにより車輪近傍に発生する、浮遊した鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を直近で吸着させることが出来るので、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7の拡散を防止できる。
微細な鉄粉を磁石にて吸着させるために電磁コイルマグネット91を用いる。
【0016】
電磁コイルマグネット91は、電磁コイルを、金属(例えば塑性変形させたSUS)の中に挿入することで平滑な吸着面部分を形成し、マグネットとし、複数の棒状や板状の電磁コイルマグネットで構成された吸着部分に、ブレーキや車輪から発生した鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を接触させ、吸着させる。
【0017】
鉄粉吸着装置9は、永久磁石でもよいが、電磁コイルマグネットにすると、電気を通電したときのみ鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を吸着し、切電したときに鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を、鉄粉吸着装置から離脱させ確実にクリーニングを行うことができるので、鉄粉吸着装置9の鉄粉除去能力が弱まることなく実施で来るという効果がある。また、電磁コイルマグネットを用いるので、永久磁石より、強力にすることも可能で、磁界を可変にすることが出来る。
【0018】
また、地下鉄車両6の整備に合わせて電磁コイルマグネットをクリーニングすればよいので、簡易な作業にて再生が可能である。
【0019】
車両に設ける吸着除去する装置は、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7が発生する部位の近傍であって、気流を考慮して設ける。車両6の台車61の側面のみならずブレーキ62と車輪63の付近に設置することが好ましい。
【0020】
<第2の実施形態>
第2の実施形態として、図4に示す。
地下鉄駅2のプラットフォーム5に対面するトンネルの内壁31と、地下鉄駅2のプラットフォーム5部分の側面に、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を吸着する電磁コイルマグネット91装置を設けて、地下鉄内の鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を、除去する地下鉄環境改善装置である。
地下鉄駅2に浮遊する鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を車両でなく駅で除去することが出来る。
地下鉄駅2のプラットフォーム5部分であって、入線した地下鉄車両6の車輪63に近い部分に設ける。これにより除去の効率が高くなる。
また、プラットフォーム5部分の下に緊急避難スペース51が設けられている場合は、緊急避難スペースの竪壁52部分、天井53部分および、先端54部分に、電磁コイルマグネット91装置を設けてもよい。
前記吸着除去する装置は、プラットフォーム5反対側のトンネルの内壁31に面した部分にも設ける。これにより、プラットフォーム5に対面するトンネルの側面付近で、ブレーキをかけることにより車輪近傍に発生する浮遊した鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7と、車輪とレールが摩擦により摩耗し地下鉄駅2にて浮遊している鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を、同時に吸着除去できるので、更にプラットフォーム5への鉄粉の流入は抑制できるという効果がある。また、地下鉄駅2のトンネルの内壁31に設けるので、電車の運行状況によらず、定期的にメンテナンス作業が可能であるという効果もある。さらに、プラットフォーム5に対面するトンネルの壁31に設けるので、磁界の影響がプラットフォーム5上の乗客、職員等8に及ばないので強力な磁界をかけることが可能で、さらに効率を上げることもできる。なお、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7は電磁コイルマグネット装置で吸着可能であるが、特に微小粒子物質(PM2.5)72の微小サイズとなると、凝集することが多くなるため、鉄も含まない微小粒子物質(PM2.5)72においても極性を持ち同時に除去されるという、効果もある。
プラットフォーム5反対側のトンネルの内壁31において、プラットフォーム5の、地下鉄車両6の車輪63の高さより下部分に合わせた、できるだけ車輪に近い位置に、電磁コイルマグネット91を設けることが好ましい。
また、地下鉄駅2以外のトンネルに設けてもよい。例えば、トンネルのカーブしている部分では、車輪とレールは特に摩擦が起こり、鉄粉が発生しやすいので、前記吸着除去する装置をトンネルの内壁であってカーブの位置に設けることにより、トンネルにて浮遊する鉄粉を含有したPM2.5等の微粉や、浮遊する凝縮した粒子状物質を低減させることが出来る(図示無し)。曲線半径が、R=300m以下である場合は、トンネル壁に、電磁コイルマグネットを設けるのが好ましい。
【0021】
<第3の実施形態>
第3の実施形態を図5に示す。
第2の実施形態において、吸着除去する手段を、PSAテープ、又は接着材で行うものである。
PSAテープとは、Pressure Sensitive Adhesive Tapepeであり、感圧性粘着剤を塗布してあるテープで、これにより吸着を行う。
使い捨てであるので、付着が多くなると交換する事により壁がきれいに保たれる。
貼り付け場所は、プラットフォーム5の、地下鉄車両6の車輪63に近い場所が好ましいので、図5の様にプラットフォーム竪壁52および、プラットフォームの裏の天井53、プラットフォームの先端54に、PSAテープ92を張ることが好ましい。
また、プラットフォーム5に対面する地下鉄駅2のトンネルの内壁31にも設けることで、更に、除去効率が上がる。
吸着除去する手段を、PSAテープ、又は接着材とすることにより、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉のみならず、大きいサイズの粒子物質71や、微小粒子物質72も吸着除去ができる。
【0022】
<第4の実施形態>
第4の実施形態を図6に示す。
地下鉄車両6の下部位置の、壁、プラットフォーム、駅天井に、ダクト及び送風機をもうけて、排気する手段である。
ブレーキと車輪の摩擦、および、車輪とレールの摩擦により車輪近傍に発生する鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7および、浮遊している大きいサイズの粒子物質71や、微小粒子物質72を、プラットフォーム5の下および、プラットフォーム5に対面する地下鉄駅2のトンネルの内壁31に、設けたファン10で排気し、ダクト11により外気(地上)へ放出する。これにより、浮遊微小粒子物質(PM2.5)72がプラットフォーム5へ上がってこない。さらにプラットフォーム5上に存在する粉塵も排気できるという効果もある。
地下鉄駅2の天井にも、ファン10を設け、空中に浮遊している微小粒子物質72を除去することが出来る。
浮遊した大きいサイズの粒子物質71や、微小粒子物質72を集約させたものは、電磁コイルマグネット、フィルター、PSAテープ、又は接着材にて吸着除去して排気してもよい。地下鉄駅2は、排気ファン10のみの構造であるので、メンテナンスはほとんど不要であるという効果がある。通常の地下鉄駅2は、駅以外のトンネルの空気が駅内へ逆流しない様に空気を地下鉄の外部(地上)より送風しているが、その給気した空気も同時に排気することで、駅内やプラットフォーム5にある浮遊物や塵埃も除去できるという効果もある。
【0023】
<第5の実施形態>
第5の実施形態を図7に示す。
地下鉄先頭車両6の前面に、前述のPSAテープ92を貼り、進行方向の車両前面に押し出される空気の流れに含まれる、大きなサイズの粒子物質71や浮遊微小粒子物質72を除去する。
これにより、地下鉄駅2やプラットフォーム5へ、大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72の流入を防止することが出来る。
地下鉄先頭車両6には、進行方向の前方より風圧がかかっているので、一度吸着した大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72は、再放出されづらく、また、浮遊物や塵埃まで除去することが出来るという効果もある。
【0024】
<第6の実施形態>
第6の実施形態を図8に示す。
第5の実施形態にて、地下鉄先頭車両6の前面に電磁コイルマグネット91を用いた物である。
鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を除去することが出来る。また、磁界を、トンネル内の浮遊量に合わせて、強弱調整することで、効率的に鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を除去できる。また、車両を点検の際に、通電を切って、クリーニングが簡易にできるという効果もある。
【0025】
<第7の実施形態>
第7の実施形態を図9に示す。
トンネル3内の空気の流れに含まれる大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72を、地下鉄車両6によりトンネル内の進行方向前方へ押し出さず鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を吸着除去する発明である。
先頭車両6を斜め構造にし、空気の流れに含まれる大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72が車両上方へ流れるようにする。そして、その車両6の上部に、電磁コイルマグネット91を設置し、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を除去する。
鉄粉を除去する機構は、車両の前方が開口面積が広く、後方になるにつれ徐々に開口面積が狭くなる台形形状の構造である。そして、その構造の傾斜部分に電磁コイルマグネット91を設置する。
また、車両の前方の開口部より入った風が抜けてゆくように、空気抜け部分を設けておく。
電磁コイルマグネット91の代わりに、PSAテープを貼ってもよい。
本構造により、車両の風圧も減るので運転の効率も上がり、さらに大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72を除去することが出来るという顕著な効果がある。
【0026】
<第8および9の実施形態>
第8の実施形態を図10,11に示す。(サードレールとコレクターシューを用いる車輌の場合)
また、第9の実施形態を図12、13に示す。(架線とパンタグラフを用いる車輌の場合)
図10、12において、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7が発生する個所として、車輪とブレーキおよびレールと車輪のほかに、車両台車61の下部にあるサードレール13とコレクターシュー(集電靴)65の摩耗や、車体上部の架線12とパンタグラフ64による摩耗によっても、金属粉(おもに鉄粉)が発生する。
よって、図10~13に示すように、地下鉄車両6のコレクターシュー65およびパンタグラフ64の接触摩耗部分を取り囲むように電磁コイルマグネット91を設置する。そして、飛散拡散を防止する様に集電部品全体を囲う構造、とし、集電部分からの鉄粉を除去する。
車両進行方向の後方に位置する部分に吸着除去する装置を設けてもよい。
図12,13に示すように、実施形態1に記載したような、ブレーキ62を取り囲むように吸着除去する鉄粉吸着装置9を追加してもよい。
吸着除去部分の大きさは、接触摩耗する部分の面積より広く設けることが好ましい。
車両が風圧を受けるため、形状は流線形やひし形等で、吸着除去しながら風を避ける構造としてもよい。
【0027】
<第10の実施形態>
第10の実施形態を図14,15に示す。
地下鉄駅2へ進入する部分のトンネルにおいて、複数のゲート状の鉄粉吸着装置および、排気と給気可能な機構を設けたことを特徴とする地下鉄環境改善装置である。
鉄粉吸着装置は、磁気コイルマグネットにて形成されるのが好ましい。
地下鉄駅2へ進入する部分とは、図14に示すように、プラットフォーム5の端からトンネル側の部分であり、地下鉄車両6の進行方向であって、プラットフォーム5の端の、車両6が入線してくる側である。そして、トンネルの壁32部分に少なくとも第1及び第2の鉄粉吸着装置を設ける。鉄粉吸着装置は、トンネルの壁周に沿った半ドーナツゲート形状の磁気コイルマグネット91を設置し、さらに前記第1と第2の鉄粉吸着装置の間に排気111と給気112可能な機構(ダクト11)を設置する。そして、地下鉄車両6のプラットフォーム5への入線に合わせて、鉄粉吸着装置の電磁力と排気と給気量を調整し、トンネル内の浮遊する大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72と車両6により押し出されてくる大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72を地下鉄駅2に入り込まない様に排気しつつ、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を吸着除去することで、地下鉄駅2の大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72を抑制出来るという効果がある。
通常は地下鉄駅2より給気しており、トンネル中間部分にて排気を実施している場合が多い(中間排気方式)。本実施形態においては、さらに、地下鉄駅2の端、すなわち、プラットフォーム5の端に、排気111と給気112が可能なダクト11を設け、給排気は、地下鉄の先頭車両6が駅に入ってくる直前のときのみ排気とし、それ以外は給気となるようなタイミングとする。また、鉄粉吸着装置は、電車が通過しないときはできるだけ強力にトンネル内に磁場が広がるように通電し、大きなサイズの粒子物質71や微小粒子物質72をトンネルから駅内に入ってこさせないゲートの役目とし、電車が通るときのみ磁場強度を落とし人体や電気機器に影響が出ない程度とする。
さらに、複数の鉄粉吸着装置を地下鉄駅2のプラットフォーム5の端に設ければ、さらに地下鉄駅2の鉄粉および粒子物質を抑制出来る。
【0028】
<第11の実施形態>
第11の実施形態を、図16に示す。これは地下鉄上面図である。地下鉄車両6の先頭前面部分の形状を凹面形状としたものである。先頭前面部分には、鉄粉吸着装置を設ける。
これにより、前面部分に単に空気の流れが当たるのみならず流れが反転するため、浮遊微小粒子物質72が、凹面の中央部に集約されるが、その凹面部分にて吸着することで、より多くの鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を除去することができる。
図16の、鉄粉吸着装置9(斜線部で示している部分)は、磁気コイルマグネット91または、PSAテープ92である。
図16には、横方向(左右方向)に凹面形状としたが、縦方向(上下方向)に凹面形状でもよい。
【0029】
<第12の実施形態>
第12の実施形態を、図17,18に示す
図17は地下鉄駅2のプラットフォーム5に電車が入った時の断面図である。図18は、その上面図である。
プラットフォームから乗客が落ちるのを防ぐ防護柵14が、プラットフォーム5に設けられているが、その防護柵14の外壁(車両側)に、電磁コイルマグネット91を設置する実施例である。
これにより、車輪近傍からプラットフォーム5上へ浮遊してくる鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を、効率的に除去できる。
また、車両への乗り降りのため、開閉自動扉141が設置されているが、その扉の外側(車両側)にも、電磁コイルマグネット91を設置する。なお、鉄粉吸着装置は、PSAテープでもよい。
PSAテープとすると、鉄粉以外の大きなサイズの粒子物質や微小粒子物質や塵埃も吸着可能となる。
【0030】
<第13の実施形態>
第13の実施形態を、図19,20に示す。
図19は、地下鉄車両6が図で左方向に走行してプラットフォーム5から離れていく最後尾の車両の上面図を示す。図20は、図19のA-A’における断面図である。
車両が、駅プラットフォーム5を離れる時にトンネルでの吸引(サクション)で減圧が生まれるが、そのプラットフォーム5からトンネルへの空気の流れにより、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7が、トンネルへ吸い込まれることとなる。この吸い込まれた鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を除去するため車両の後方部分に鉄粉除去装置9を設ける。
また、図20に示すように、車両後方部分の鉄粉除去装置9は、車両連結機や運転者の視界を妨げない様に設置されている。そしてトンネル壁32の鉄粉除去装置9は、床面より地下鉄車両6の車輪高より高い位置まで設置される。また、レールを除いたトンネル底面33に、鉄粉除去装置9を設けられている。前記鉄粉除去装置を設けるトンネル方向の距離は、プラットフォーム5端から、電車による吸引効果が確認される位置まで設けることが好ましいが、効率も考慮すると、
プラットフォーム5端より1~10mがよい。車両の吸引効果により、地下鉄駅2内プラットフォーム5上の鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7のみならず、線路上の鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7も除去することが出来るという効果がある。
なお、除去装置は、電磁コイルマグネットでも、PSAテープでもよい。
PSAテープとすると、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7以外の大きなサイズの粒子物質や微小粒子物質や塵埃も吸着可能となる。
以上、本発明により、所定位置に吸着除去する装置を設けることで、鉄粉71、および、鉄粉を含有したPM2.5等の微粉7を効率的に除去し、プラットフォーム5上におけるPM2.5を除去でき、乗客、職員等がPM2.5を吸い込むリスクを低減できると言う効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
地下鉄内のプラットフォームにおける、鉄粉を含有したPM2.5等の浮遊した微粉を除去できるので乗客、職員等の不健康を防御でき、産業上の利用可能性が大きい。
【符号の説明】
【0032】
1 地下鉄内
2 地下鉄駅
3 トンネル
31 トンネルの内壁(プラットフォーム5に対面する位置)
32 トンネル壁(地下鉄駅以外)
33 トンネル底面(地下鉄駅以外)
4 レール
5 プラットフォーム
51 プラットフォーム緊急避難スペース
52 プラットフォーム竪壁
53 プラットフォーム天井
54 プラットフォーム先端
6 地下鉄車両
61 車輌台車
62 ブレーキ
63 車輪
64 パンタグラフ
65 コレクターシュー
7 鉄粉を含有したPM2.5等の浮遊粒子を微粉
71 大きいサイズの粒子物質
72 微小粒子物質(PM2.5)
8 乗客・職員等
9 鉄吸着装置
91 電磁コイルマグネット
92 PSAテープ
10 ファン
11 ダクト
111 排気
112 給気
12 架線
13 サードレール
14 防護柵
141 開閉自動扉
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20